JP2006017681A - 湿度検出装置 - Google Patents

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秀仁 市丸
Ryota Kinoshita
良太 木下
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伸一 浦谷
Yasuo Tauchi
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Abstract

【課題】
NTCタイプのサーミスタ素子を用いた湿度検出装置は、特に低温時において、電源投入後、湿度検出が可能な湿度検知状態に安定するまでの準備運転時間を必要とする。本発明は、この準備運転時間を短縮させる方法を提供する。
【解決手段】
湿度検出装置12は、センサー回路13、マイコン15、発熱状態検知回路16、可変抵抗回路17からなる。この湿度検出装置12に電源を投入した時、発熱状態検知回路16はセンサー回路13両端の電圧を読み取りる。そして、センサー回路13が湿度検知可能な状態でなければ、可変抵抗回路17を切り替えてセンサー回路13へ流れる電流量を一時的に通常よりも大きくする。これにより、検知素子19および補償素子20の自己発熱が早くなり、電源投入から湿度検知可能な状態になるまでの準備運転時間の短縮および周囲の雰囲気温度が低い場合においても湿度検出できるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、湿度検出装置に関し、特に浴室やサウナ室などに設置された浴室暖房乾燥機などにおいて用いられる湿度検出装置に関する。
浴室内の暖房を行ったり、浴室に吊るした衣類を乾燥させたりするための浴室暖房乾燥機においては、室内の(絶対)湿度を検出するための湿度検出装置が用いられている。
図1は、従来の湿度検出装置を示す回路図である。この湿度検出装置にあっては、検知素子1(サーミスタ素子)と補償素子2(サーミスタ素子)が直列に接続されて湿度センサー3を構成し、分圧用の抵抗4と抵抗5が直列に接続され、湿度センサー3の両端と、抵抗4と抵抗5の直列に接続された両端とが接続されてブリッジ回路6を構成している。このブリッジ回路6の一端に抵抗7を介して電源電圧Vddが印加され、ブリッジ回路6の他端がグランドGNDに接続されている。また、検知素子1と補償素子2の中点から出力端子8が取り出され、抵抗4と抵抗5の中点から出力端子9が取り出されている。また、ブリッジ回路6からの出力電圧V(+)、V(−)が、増幅回路10によって増幅された後、増幅回路10からの出力Vinがマイコン11(マイクロコンピュータ)のA/D(アナログ/デジタル)入力ポートに入力される。
ここで湿度センサーの原理を簡単に説明する。湿度センサーを構成する検知素子には、サーミスタ素子が用いられている。このサーミスタ素子は、表面に付着した湿気が蒸発するときに、湿気によって気化熱を奪われて温度が下がる。このサーミスタ素子の温度低下は湿度が高いほど大きくなるので、サーミスタ素子の抵抗値は絶対湿度に比例して微小変化する。つまり、サーミスタ素子の抵抗値変化を測定することにより湿度を測定している。
検知素子にサーミスタ素子を利用する場合には、湿度を検知するために湿気を飛ばすに十分な発熱量が必要となる。しかし、正特性(PTC)サーミスタ素子を用いた場合には、低温状態では抵抗値が小さく発熱量も大きいが、サーミスタ素子の温度が上昇するにしたがって抵抗値が大きくなり発熱量は小さくなってしまう。また、発熱量を大きくしようと高温で抵抗値が小さい素子を使用すると、抵抗値の変化が小さくなってしまい、湿度または抵抗値の測定精度が悪くなってしまう。
一方で、負特性(NTC)サーミスタ素子を用いた場合には、図2に示すように高温になるほど抵抗値が小さくなる。NTCサーミスタ素子は、電圧が印加されると自己発熱し、自己発熱により抵抗値が減少し、抵抗値の減少によって流れる電流量が増加し、電流量の増加によってさらに自己発熱による発熱量が増加して抵抗値が減少し、さらに電流量も増加する。NTCサーミスタ素子は、このような循環を繰り返すことにより、自己発熱と放熱のバランスがとれた湿度検出が可能な湿度検知状態Aに到達する。湿度検出状態Aは、高温であるため大きな発熱量を得ることができる。一方でNTCサーミスタ素子は、低温での抵抗値が大きく発熱量が小さいので、湿度検知状態Aに達して安定するまでに時間がかかるという問題がある。
とくに、冬場や寒冷地では、周囲温度が低いためにNTCサーミスタ素子の温度がなかなか上昇せず、湿度を測定可能になるまでに長い時間がかかる。あるいは、この間に湿度測定を行えば、湿度を誤検出する恐れがある。また、一時的な停電から、復旧した際にも湿度検出装置をすみやかに湿度検出状態にしたいという要望がある。
しかし、湿度検出状態に達するまでの時間を短くしようとNTCサーミスタ素子に定格電圧以上の大きな電圧を掛けると、NTCサーミスタ素子が湿度検知状態に近づいたときにNTCサーミスタ素子の温度上昇速度が大きくなりすぎてNTCサーミスタ素子が熱暴走し、破壊する恐れがある。このような恐れのない電源電圧で使用すると、周囲温度が低い場合には、なかなかNTCサーミスタ素子の温度が上昇しないという問題があった。
また、ブリッジ回路6は、検知素子、補償素子にはほぼ同じ特性のNTCサーミスタ素子および抵抗値の等しい2つの分圧抵抗によって構成している。しかしながら、検知素子を単独で使用した場合には、周囲温度の変化によって検知素子の温度が変化すると、検知素子の抵抗値や両端電圧などが変化して湿度の測定値が変動する。一方、ブリッジ回路を構成している場合には、検知素子と補償素子の温度が等しければ、両素子の温度が変化しても両素子間の中点電圧と分圧抵抗間の中点電圧との間の差は変化しない。従って、ブリッジ回路を構成する事により周囲温度の変動による湿度測定値の変動を防止することができる。よって、ブリッジ回路を用いて湿度検知装置を構成する場合には、検知素子と補償素子の温度を等しくしておくことが重要となる。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、NTCサーミスタ素子のような負(温度)特性の抵抗素子を用いた湿度検出装置において、低温であっても抵抗素子の加熱を促し、短時間で抵抗素子を湿度検知状態にすることにある。
請求項1に記載の湿度検出装置は、負特性を有する抵抗素子からなる検出素子を用い、湿気と触れた前記検出素子の抵抗値変化によって湿度を検出する湿度検出装置において、前記検出素子と、前記検出素子に供給する電力を変化させる手段を備え、電源が投入された際には前記検出素子に通常よりも大きな電力を供給し、前記検出素子が湿度検知状態に近づくと前記検出素子に通常の電力を供給するようにしたものである。
請求項1の湿度検出装置においては、電源が投入された際には前記検出素子に通常よりも大きな電力を供給しているので、低温(例えば、20℃以下)の環境においても検出素子を速やかに発熱させて湿度検出可能状態まで到達させることが可能になる。一方、検出素子が湿度検知状態に近づくと検出素子に供給する電力を通常の電力にしているので、負特性の抵抗素子(例えば、負特性サーミスタ素子)を用いた場合においても、検出素子が熱暴走して破損するのを防止することができる。
請求項2に記載の実施態様は、請求項1に記載の湿度検出装置における前記検出素子に供給する電力を変化させる手段が、前記検出素子につながれた、抵抗値切替え可能な抵抗回路であることを特徴としている。請求項2に記載の実施態様にあっては、検出素子に供給する電力を変化させる手段を抵抗回路によって構成しているので、抵抗回路を構成する各抵抗をスイッチング素子等によって切り換えるだけで検出素子に供給する電力を簡単に切り換えることができる。また、電源が投入された際に供給する電力の大きさや、検出素子が湿度検知状態に近づいたときに供給する電力の大きさも、抵抗回路を構成する抵抗の抵抗値を適宜選択することによって容易に決めることができる。
請求項3に記載の実施態様は、請求項2に記載の湿度検出装置において、前記検出素子の発熱状態を検知する手段を備え、前記検出素子の発熱状態が湿度検出可能状態よりも小さな所定の発熱状態に達したら、前記抵抗回路の抵抗値を切り換えることによって前記検出素子に通常の電力を供給するようにしたものである。請求項3に記載の実施態様は、検出素子の発熱状態を検知する手段を備えているので、検出素子に供給する電力を切り換えるタイミングを発熱状態から判定することができ、検出素子に供給する電力を自動的に切り換えることができる。
請求項4に記載の実施態様は、請求項3に記載の湿度検出装置において、前記検出素子の発熱状態を検知する手段が、前記検出素子の両端のうち少なくとも一方の端部の電圧を監視し、当該電圧が所定電圧に達したら、前記抵抗回路の抵抗値を切り換えることによって前記検出素子に通常の電力を供給するようにしたものである。検出素子は、その発熱状態ないし温度によって抵抗値が変化するので、検出素子の発熱状態を検知する手段により、検出素子の両端のうち少なくとも一方の端部の電圧を監視するようにすれば、検出素子の発熱状態を容易に知ることができる。
請求項5に記載の実施態様は、請求項3に記載の湿度検出装置において、前記検出素子の発熱状態を検知する手段が、前記検出素子の両端のうち少なくとも一方の端部の電圧の時間変化率を監視し、当該電圧の時間変化率が所定値に達したら、前記抵抗回路の抵抗値を切り換えることによって前記検出素子に通常の電力を供給するようにしたものである。検出素子は、その発熱状態ないし温度によって抵抗値の時間変化率が変化するので、検出素子の発熱状態を検知する手段により、検出素子の両端のうち少なくとも一方の端部の電圧を検出してその電圧の時間変化率を監視するようにすれば、検出素子の発熱状態を容易に知ることができる。
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものでないことは勿論である。
図3は、実施例1に係る湿度検出装置12を示す回路図である。この湿度検出装置12は、センサー回路13、増幅回路14、マイコン15、発熱状態検知回路16、可変抵抗回路17、スイッチング素子駆動回路18により構成されている。
この湿度検出装置12にあっては、検知素子19と補償素子20が直列に接続され湿度センサー21が構成されている。センサー回路13は、分圧用の抵抗22と抵抗23が直列に接続され、抵抗22と抵抗23の直列に接続された枝と湿度センサー21とが並列に接続されたブリッジ回路である。また、可変抵抗回路17は、抵抗24と抵抗25が直列に接続されており、抵抗25と並列に抵抗切替用のスイッチング素子26が接続されたものである。センサー回路13と可変抵抗回路17が直列に接続され、可変抵抗回路17のセンサー回路13と接続されていない側の端部に電源電圧Vddが印加され、センサー回路13の可変抵抗回路17と接続していない側の端部は、GND(グランド)に接続されている。また、スイッチング素子26には、NPNトランジスタなどが用いられ、スイッチング素子駆動回路18により、スイッチング素子26のON、OFFが制御可能となっている。
さらに、センサー回路13と可変抵抗回路17の接続部から電圧V1、検知素子19と補償素子20の中点から出力V(+)、抵抗22、23の中点から出力V(−)が取り出されている。電圧V1は、発熱状態検知回路16に入力されて、発熱状態検知回路16からマイコン15を通してスイッチング素子駆動回路18に信号が送られる。詳しくは、検知素子19および補償素子20の温度変化により抵抗値が変わると、それにつれてセンサー回路13の抵抗値も変化する。そうすると、センサー回路13の抵抗値と可変抵抗回路17の抵抗値の比率が変わるために、電源電圧Vddが一定のもとでは、電圧V1の値に変化が現れる。発熱状態検知回路16は、この電圧V1の変化から発熱状態を算出し、マイコン15に送っている。マイコン15は、発熱状態検知回路16から得た発熱状態を示す信号からスイッチング素子26をONまたはOFFに切替えるタイミングを判断して、スイッチング素子駆動回路18へ信号を送る。スイッチング素子駆動回路18は、マイコン15から得た信号をもとにスイッチング素子26をONまたはOFFにする。なお、電圧V1から発熱状態を算出し、スイッチング素子26をONまたはOFFに切替えるタイミングを判断したが、電圧V1の代わりにセンサー回路13からの出力V(+)を用いることもできる。
また、センサー回路13からの出力V(+)、V(−)は、増幅回路14によって増幅された後、マイコン15のA/D入力ポートに入力Vin=K(V(+)−V(−))[K:増幅率]が入力される。ここで湿度側定時において、湿気(雰囲気)による放熱の影響により、湿気にさらされていない補償素子20と比べて湿気にさらされている検知素子19の温度は低くなる。また、この温度差は湿度の高さにより大きくなる。検知素子19と補償素子20の温度差により、検知素子19と補償素子20の抵抗値にも差が生じ、出力V(+)も抵抗値の差の大きさに関連して変化する。一方、湿度の変化で出力V(−)は変わらないので、出力V(+)と出力V(−)の差から湿度を算出することができる。増幅回路14は、マイコンで湿度を算出できるように出力V(+)と出力V(−)の差をK倍に増幅して、マイコン15のVinへ入力する。
検出開始時において、マイコン15のD/A(デジタル/アナログ)出力ポートから抵抗22、23間にバイアス電圧を加えて標準状態のときに増幅回路14からの出力がゼロとなるように調整してある。
本実施例において、発熱状態検知回路16とスイッチング素子駆動回路18を独立して設置したが、マイコンを用いて構成してもよい。また、抵抗24と抵抗25を直列に配置したが、並列に配置して抵抗を切り替えることができるようにしてもよい。
図4は、本実施例1で使用している湿度センサー21の構造断面図である。湿度センサー21は、検知素子19と補償素子20で構成されている。補償素子20においては、NTCサーミスタ素子27からリード28、29が引き出され、それぞれ端子電極30、31の端部付近に半田などにより接続されている。端子電極30、31は金属製の基板32に貫通するように挿通され、絶縁性のある例えばガラス材を用いた固定材33により基板32に固定されている。基板32には、NTCサーミスタ素子27を覆い隠すように円筒形の金属製キャップ34が設置され、金属製キャップ34の周縁が基板32に溶接や半田などで固定されて補償素子20が構成されている。検知素子19は、NTCサーミスタ素子27と同じ特性のNTCサーミスタ素子35、リード36、37、端子電極38、39、基板40、絶縁性のある例えばガラス材を用いた固定材41およびキャップ42により、補償素子20と同じ構造で構成されている。ただし、検知素子19においては、キャップ42に通気口45が開口されている。
検知素子19と補償素子20は、キャップ34の周縁部(フランジ部)とそれぞれに対向する基板32の面、キャップ42の周縁部(フランジ部)とそれぞれに対向する基板40面を、それぞれ溶接や半田などで接合し、さらにキャップ34およびキャップ42の外周面を金属製のリング43で覆っている。ただし、検知素子19のリング43には、キャップ42に開口されている通気口45と対応する位置にリング43を貫通した通気口46があけてある。これにより、NTCサーミスタ素子35は外気(湿気)と接触するようになっている。一方、補償素子20に通気口はなく、乾燥した空気やガスなどを封入して、外気(湿気)から完全に遮断している。
検出素子19と補償素子20がキャップ34、42およびリング43で固定して一体化したことにより両素子間の距離が小さくなり、さらに熱的にも接続されているために両素子間の温度が等しくなるような構成になっている。このため、湿度センサー21つの出力V(+)は、周囲温度の変化の影響を受けにくくなっている。
図5は、スイッチング素子26がON又はOFFの状態におけるNTCサーミスタ素子27、35の発熱量の変化を示す図である。曲線48は、スイッチング素子26がOFF(非導通)の状態のNTCサーミスタ素子27、35の発熱量上昇曲線である。曲線47は、スイッチング素子26をON(導通)にして、NTCサーミスタ素子27、35に流れる電流量を通常よりも大きくした時のNTCサーミスタ素子27、35の発熱量上昇曲線である。
また、発熱量H1は、NTCサーミスタ素子27、35が湿度検知可能な状態にあるときの発熱量を示している。さらに、発熱量H2はスイッチング素子26をONにするときの発熱量であり、発熱量H3はスイッチング素子26をOFFにするときの発熱量である。曲線49は、曲線47上の発熱量H3のB点において、スイッチング素子26をOFFにした後の発熱量上昇曲線である。
また、C点は、曲線49上でNTCサーミスタ素子27、35が湿度検知可能な状態となったときの発熱量H1の点である。D点は、曲線48上でNTCサーミスタ素子27、35が湿度検知可能な状態となったときの発熱量H1の点である。さらに、E点は、スイッチング素子26がONとなったときの点である。
本実施例1においては、スイッチング素子26の切替により、経路E→B→Cを経て湿度検知可能な状態になる。このように一時的にNTCサーミスタ素子27、35へ流れる電流量を通常よりも大きくして、一時的に発熱量の増加速度を早くすることによって、従来の経路E→Dよりも湿度検知可能な状態に達するまでの時間を短縮することができる。また、スイッチング素子26をOFFとする発熱量H3は、湿度検知可能な状態の発熱量H1>H3であり、かつ発熱量H3の時点でスイッチング素子26をOFFにしても熱暴走および破壊しない発熱量に設定しておくことでNTCサーミスタ素子27、35の熱暴走および破壊を防ぐことができる。
図6は、実施例1に係る湿度検出装置の働きを説明するフローチャートである。湿度検出装置12に電源が投入され、電源電圧Vddが印加される。このとき、スイッチング素子26はOFFとなっている(ステップS1)。マイコン15において電源電圧が印加されていることを確認する(ステップS2)。電源電圧印加の確認後、スイッチング素子26をONにし、NTCサーミスタ素子27、35へ流れる電流量を通常よりも増やす(ステップS3)。その後、電圧V1を監視し、発熱量H3に相当する電圧βと比べて、V1<βとなったら、スイッチング素子26をOFFにして、NTCサーミスタ素子27、35へ流れる電流量を湿度測定時の状態に戻す(ステップS4、S5、S6)。次に、増幅回路14からA/D入力への入力信号を取得する(ステップS7)。A/D入力への信号が安定したところで、湿度検出が可能な状態になったと判断し、湿度の測定を開始する(ステップS8、S9)。
なお、ステップS10からステップS11への移行は、電圧値V1が所定値以下になってから一定時間遅延させた後、移行することにしてもよい。
本実施例は、実施例1の湿度検出装置12において、センサー回路13の電圧値V1の時間変化率を可変抵抗回路切替の判断基準としたものである。
図7は、実施例2に係る可変抵抗回路切替のタイミングを説明した図である。ここで電圧値変化率Fは、スイッチング素子26をOFFからONに切替えてセンサー回路13に流れる電流量を通常よりも大きくする時の基準となる単位時間I当たりの電圧V1の変化量である。電圧値変化率Gは、スイッチング素子26をONからOFFに切り替えてセンサー回路13に流れる電流量を湿度測定時の状態に戻す時の基準となる単位時間I当たりの電圧V1の変化量である。また、Jは、スイッチング素子26をOFFからONに切替えた時点であり、Hは、NTCサーミスタ素子27、35の自己発熱と放熱のバランスがとれた湿度検出が可能な湿度検知状態である。センサー回路13に印加される電圧V1は、NTCサーミスタ素子27、35の温度が上がり、湿度検知状態で安定すると周囲の雰囲気温度及び湿度に対応した値で落ち着く。ここで電圧値変化率FおよびGを適当な値に設定して、スイッチング素子切替の判断基準とすることにより、一時的にNTCサーミスタ素子27、35へ流れる電流を通常よりも大きくしてNTCサーミスタ素子27、35の加熱を促進し、短時間で湿度検知状態にすることができる。
図8は、実施例2に係る湿度検出装置の働きを説明するフローチャートである。湿度検出装置12に電源が投入され、電源電圧Vddが印加される。このとき、スイッチング素子26はOFFとなっている(ステップS10)。マイコン15において電源電圧が印加されていることを確認する(ステップS11)。電源電圧印加の確認後、電源電圧の安定のためT1時間待機する(ステップS12)。その後、センサー回路13の電圧値V1=V11を取得し、T2時間経過後、センサー回路13の電圧値V1=V12を取得する(ステップS13、S14、S15)。取得した電圧値変化率γ=(V12−V11)/T2をFと比較する。電圧値変化率γ<Fであれば、NTCサーミスタ素子27、35の温度が低く、流れる電流量が足りないため、発熱を促す必要があると判断して、スイッチング素子26をONにし、NTCサーミスタ素子27、35へ流れる電流量を通常よりも増やす(ステップS16、S17)。その後、電圧値変化率γを監視し、電圧値変化率γがγ<Gとなったら、スイッチング素子26をOFFにして、NTCサーミスタ素子27、35へ流れる電流量を湿度測定時の状態に戻す(ステップS18、S19、S20)。一方、ステップS21において、γ>Fであれば、NTCサーミスタ素子27、35に流れる電流量を増やす必要はないと判断し、ステップS26へ進む。次に、増幅回路14からA/D入力への入力信号を取得する(ステップS21)。A/D入力への信号が安定したところで、湿度検出が可能な状態になったと判断し、湿度の測定を開始する(ステップS22、S23)。
本発明の湿度検出装置は、任意の機器に組み込んで使用することができる。例えば浴室暖房乾燥装置などに組み込んで衣類の乾燥度合や浴室の乾燥度合を判断するために使用される。このような用途では、たとえば冬場など低温雰囲気の場合には、浴室暖房乾燥装置の電源投入時に湿度センサーの準備待機時間が長かったり、一時的な停電から、復旧した際にも湿度検出装置をすみやかに湿度検出状態にもっていきたいとの要望があった。本発明においては、電源投入時に湿度センサーへ大きな電流を流して湿度センサーの自己過熱を促進できるので、電源投入時の準備待機時間の短縮でき、停電復旧後においても速やかに湿度検出状態へもっていくことができる。
従来の湿度検出装置を示す回路図である。 NTCサーミスタ素子の温度と抵抗値の関係を示した図である。 本発明の実施例1による湿度検出装置を示す回路ブロック図である。 同上の湿度検出装置内における湿度センサーの構造を示した断面図である。 同上の湿度検出装置内におけるスイッチ素子のON、OFFの切替のタイミングを示した図である。 同上の湿度検出装置における処理を表したフローチャートである。 本発明の実施例2による湿度検出装置内におけるスイッチング素子のON、OFFの切替えのタイミングを示した図である。 同上の湿度検出装置における処理を表したフローチャートである。
符号の説明
12 湿度検出装置
13 センサー回路
14 増幅回路
15 マイコン
16 発熱状態検知回路
17 可変抵抗回路
18 スイッチング素子駆動回路
19 検知素子
20 補償素子
27 NTCサーミスタ素子
35 NTCサーミスタ素子
45 通気口
46 通気口

Claims (5)

  1. 負特性を有する抵抗素子からなる検出素子を用い、湿気と触れた前記検出素子の抵抗値変化によって湿度を検出する湿度検出装置において、
    前記検出素子と、前記検出素子に供給する電力を変化させる手段を備え、電源が投入された際には前記検出素子に通常よりも大きな電力を供給し、前記検出素子が湿度検知状態に近づくと前記検出素子に通常の電力を供給するようにした湿度検出装置。
  2. 前記検出素子に供給する電力を変化させる手段は、前記検出素子につながれた、抵抗値切替え可能な抵抗回路であることを特徴とする、請求項1に記載の湿度検出装置。
  3. 前記検出素子の発熱状態を検知する手段を備え、前記検出素子の発熱状態が湿度検出可能状態よりも小さな所定の発熱状態に達したら、前記抵抗回路の抵抗値を切り換えることによって前記検出素子に通常の電力を供給するようにした、請求項2に記載の湿度検出装置。
  4. 前記検出素子の発熱状態を検知する手段は、前記検出素子の両端のうち少なくとも一方の端部の電圧を監視し、当該電圧が所定電圧に達したら、前記抵抗回路の抵抗値を切り換えることによって前記検出素子に通常の電力を供給するようにしたものである、請求項3に記載の湿度検出装置。
  5. 前記検出素子の発熱状態を検知する手段は、前記検出素子の両端のうち少なくとも一方の端部の電圧の時間変化率を監視し、当該電圧の時間変化率が所定値に達したら、前記抵抗回路の抵抗値を切り換えることによって前記検出素子に通常の電力を供給するようにしたものである、請求項3に記載の湿度検出装置。
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