JP2006002341A - 木材用連結金具及びこれを用いた柱構造、並びに釘部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホゾを不要とすると共に、熟達した技術を要することなく、高い強度の柱構造を提供する。
【解決手段】 水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具3と、柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具2とが可回動に連結されている木材用連結金具1。更に柱木材の上端に、該柱木材上端部分に被せる箱形金具と該上端側水平木材を下方より支承する箱形支承金具とを固着した上端用連結金具を設置した柱構造。該水平木材或いは該柱木材を接合するための、三角形状金属板の一つの頂点近傍を直角に折曲して成る釘突起と、該釘突起以外の部分に刻された複数の釘孔とを有する釘部材。
【選択図】 図1
【解決手段】 水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具3と、柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具2とが可回動に連結されている木材用連結金具1。更に柱木材の上端に、該柱木材上端部分に被せる箱形金具と該上端側水平木材を下方より支承する箱形支承金具とを固着した上端用連結金具を設置した柱構造。該水平木材或いは該柱木材を接合するための、三角形状金属板の一つの頂点近傍を直角に折曲して成る釘突起と、該釘突起以外の部分に刻された複数の釘孔とを有する釘部材。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建物の柱木材を土台等の水平木材に連結する際に用いる連結金具の構造、またその金具を用いて構築される柱構造、及び、その際木材と金具とを固定するために用いる釘部材の構造、に関するものである。
典型的な日本家屋の場合、基礎上に配設させた水平木材(土台)のところどころに鉛直木材(通し柱や管柱)を立てて固定、更にこれらの鉛直木材(柱)同士を連結する形で水平木材(梁)を配置することでその骨格が組み立てられている。
そして土台と柱、或いは柱と梁とは、各々強固且つ確実に連結すべく、箇所毎に適切な仕口構造、継ぎ手構造が選択実施されている。伝統的なものを例示すると、「えり輪付きあり落とし」「陰入れあり落とし」「短ほぞ差し込みせん打ち」等である。
しかし、このような熟達した技能を要する構造は、現実問題として技術者が充分には育成されていないこと、作業者の能力差が直ちに家屋の強度に直結すること、からその採用は次第に忌避されるようになり、釘や金具を積極的に用いた簡略された手法が採用されている。
この方法は図5(a)の如く、柱の下端に設けたホゾ15を土台に設けたホゾ穴11に差し込んだ上で、(b)のようにカスガイ12で固定する方法、(c)のように短冊金物13で固定する方法、(d)のように特殊金物14で連結固定する方法、等が代表的な固定方法である。
特開2002−146909
ところが様々な金物を利用して固定するこのような方法であっても、基本的にいずれもホゾを嵌め合わせる構造である。そしてホゾは部分的に見れば非常に細いものであり、断面積で柱の1/9ということもある。更に、職人(大工)の平均的な技能低下もありホゾとホゾ穴が隙間なく嵌め合わせられるように切削されておらず、ホゾが継ぎ手構造として機能していない場合すら多く目にする。即ち、柱木材とその上下の水平木材との確実堅固な接合は、家屋強度を維持するためには極めて重要な事項であるにもかかわらず、現実には脆弱で耐震性の低いものが数多く存在していた。
そこで本発明者は上記点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明をなしたものでありその特徴とするところは、木材用連結金具に関しては、水平木材と柱木材を接合するに際し該接合部分に配置される金具であって、該水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具と、該柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具とにより成り、両金具は可回動に連結されている点、柱構造に関しては、柱木材の上下端部に連結金具を取設し、これによって該柱木材の上下端で水平木材を連結したものであり、下端側に配置される連結金具は、該水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具と該柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具とを可回動に連結したものであり、上端側に配置される連結金具は、該柱木材上端部分に被せる箱形金具と該上端側水平木材を下方より支承する箱形支承金具とを固着したものである点、釘部材に関しては、水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具と、柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具とにより成る連結金具と、該水平木材或いは該柱木材を接合する部材であり、三角形状金属板の一つの頂点近傍を直角に折曲して成る釘突起と、該釘突起以外の部分に刻された複数の釘孔とを有する点、にある。
即ち本発明者は、作業者の技能に依存することなく確実で堅固な柱構造を提供するためには、ホゾやホゾ穴を切削によって形成するという方法ではなく、連結金具を用いるという方法を採用し、上記問題を解消したものである。
この連結金具は、柱木材の下端に配置されるものと上端に配置されるものとで多少構造が異なる。下端側に配置される連結金具は、該水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具と該柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具とを可回動に連結したものであるのに対し上端側に配置される連結金具は、該柱木材上端部分に被せる箱形金具と該上端側水平木材を下方より支承する箱形支承金具とを固着したものである。即ち、柱木材を把持する金具と水平木材を把持する金具が、下側連結金具の場合には「可回動」に連結されているに対し、上側連結金具は「固着」されており回動性はない。本発明者が試作実験した範囲ではこのような性質の連結金具を用いた場合には剛体としての構造を維持しつつ、地震その他の大きなエネルギーを受けた時の当該エネルギーの分散も好適に成し得た。
また、本発明連結金具は柱木材や水平木材を挟持すること或いは嵌め込むことでこれらに連結されるわけであるが、金具と木材との一体化に専用の釘部材を用いると極めて効率が良い。即ち、水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具と、柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具とにより成る連結金具と、該水平木材或いは該柱木材を接合する部材であり、三角形状金属板の一つの頂点近傍を直角に折曲して成る釘突起と、該釘突起以外の部分に刻された複数の釘孔とを有するという特徴を有する構造がそれである。連結金具側にいくつか小孔を開けておき、木材と連結した状態でその小孔に「釘突起」を差し込んで釘打ちし、該釘突起以外の平板部分を木材側にし「釘孔」から通常の釘を差し込み固定するという方法となる。
本発明に係る木材用連結金具、或いはこれを用いた柱構造、或いは釘部材は、以下述べる如き効果を有する極めて高度な発明である。
(1) 熟達した技術を要することなく、高い強度の柱構造を得ることができる。
(2) 木材を切削して「ホゾ」を形成させていた従来の連結手法では、このホゾ分の高さが実質的には短くなるが、本発明の場合にはホゾが不要であるので材料の木材長さがそのまま実質長さとなる。
(2) 木材を切削して「ホゾ」を形成させていた従来の連結手法では、このホゾ分の高さが実質的には短くなるが、本発明の場合にはホゾが不要であるので材料の木材長さがそのまま実質長さとなる。
以下図面に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
図1は、本発明に係る木材用連結金具1(以下本発明金具1という)の一例を示す概略分解斜視図であり、図より明らかなように本発明金具1は、柱木材A(鎖線で示す)の下端部分が嵌まり込む凹部を有する箱形受け金具2と、水平木材B(鎖線で示す)を上方より挟み込むべく断面コ字状に構成されたベース金具3とを可回動に連結したものである。この連結は、両金具2及び3間にスプリングワッシャー4を介在させた状態でボルト5とナット6で繋いでなるものである。可回動に連結し且つスプリングワッシャー4を配しているので、地震その他の大きなエネルギーを受けた時に、その幾分かを吸収しこの連結箇所が破壊されるのを防止する。
図2は本発明金具1の他の例を示すものであり、L字状に継がれている水平木材Bの折曲箇所に立てられる柱木材に適応する構造となっている。即ち、ベース金具31の形状が断面が「コ」字状で平面視「L」字状である。
次に図3は、本発明に係る柱構造の一例を示すものであり、柱木材Aとその上下端に配される水平木材B、B(上端側は「けた」、下端側は「土台」と呼ばれる)とが連結金具によって連結されている。下端側の金具は、図1に示した本発明金具1と同様の構造・機能を有するものである。上端側の連結金具10は、柱木材Aの上端部分に被せる箱形金具20と上端側の水平木材Bを下方より支承する箱形支承金具30とを、溶接によって回動性なく固着したものである。更に、本例の場合には柱木材A一対と上下の水平木材Bとによって形成される矩形の対角線に相当する位置に筋交い7を配置し高い強度を持たせている。この筋交い7は、鉄筋71とターンバックル72とによって成り、鉄筋の一端にはプレート73が溶接されており、また連結金具1側にはこのプレート73をボルト留めするためのプレート74が溶接されている。
ところで、本発明連結金具1(或いは連結金具10)に柱木材A(或いは水平木材B)を固定するには、通常は金具の適宜箇所に透孔9を開けておきここに釘を打ち付けて固定する。勿論そのような固定方法であっても良いが、図4(a)(b)に示す如き釘部材8を用いると更に作業性が向上し好ましい。この釘部材8は、挟角の小さい(図示した例の場合には約30°)二等辺三角形の鋼板の、尖った頂点付近を直角に曲げて釘突起81を形成し、それ以外の面にところどころ釘孔82を刻設したものである。釘突起81周辺には先掛け・焼き入れなどの加工を施し、釘として好適に機能するようにしている。使用方法は同図(b)に示すように、木材を挟持或いは嵌め込んだ状態で、金具の透孔9に釘突起81を差し込んで釘打ちするものである。これだけでは固定力が不十分であるという場合には、一般の釘Nを釘孔82から打ち込むようにしても良い。
1 本発明に係る木材用連結金具
2 箱形受け金具
20 箱形金具
3 ベース金具
30 箱形支承金具
31 ベース金具
4 スプリングワッシャー
5 ボルト
6 ナット
7 筋交い
71 鉄筋
72 ターンバックル
73 プレート
74 プレート
8 釘部材
81 釘突起
82 釘孔
9 透孔
10 連結金具
A 柱木材
B 水平木材
N 釘
2 箱形受け金具
20 箱形金具
3 ベース金具
30 箱形支承金具
31 ベース金具
4 スプリングワッシャー
5 ボルト
6 ナット
7 筋交い
71 鉄筋
72 ターンバックル
73 プレート
74 プレート
8 釘部材
81 釘突起
82 釘孔
9 透孔
10 連結金具
A 柱木材
B 水平木材
N 釘
Claims (5)
- 水平木材と柱木材を接合するに際し該接合部分に配置される金具であって、該水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具と、該柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具とにより成り、両金具は可回動に連結されているものであることを特徴とする木材用連結金具。
- 該両金具は、スプリングワッシャーを介してボルトナットによって連結されているものである請求項1記載の木材用連結金具。
- 柱木材の上下端部に連結金具を取設し、これによって該柱木材の上下端で水平木材を連結したものであり、下端側に配置される連結金具は、該水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具と該柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具とを可回動に連結したものであり、上端側に配置される連結金具は、該柱木材上端部分に被せる箱形金具と該上端側水平木材を下方より支承する箱形支承金具とを固着したものであることを特徴とする柱構造。
- 下端側に配置される該連結金具は、スプリングワッシャーを介してボルトナットによって連結されているものである請求項3記載の柱構造。
- 水平木材を上方より挟み込む断面コ字状のベース金具と、柱木材下端部分を嵌め込む箱形受け金具とにより成る連結金具と、該水平木材或いは該柱木材を接合する部材であり、三角形状金属板の一つの頂点近傍を直角に折曲して成る釘突起と、該釘突起以外の部分に刻された複数の釘孔とを有するものであることを特徴とする釘部材。
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JP2004176395A JP2006002341A (ja) | 2004-06-15 | 2004-06-15 | 木材用連結金具及びこれを用いた柱構造、並びに釘部材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008255631A (ja) * | 2007-04-04 | 2008-10-23 | Sawata Kenzaisha:Kk | 天井下地の振れ止め装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1061011A (ja) * | 1996-08-20 | 1998-03-03 | Sumitomo Forestry Co Ltd | 柱接合具 |
JPH10205005A (ja) * | 1997-01-28 | 1998-08-04 | Matsushita Electric Works Ltd | 建造物用の固定具 |
JP2003013506A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-15 | Uesuto:Kk | 木造建築物の接合構造 |
-
2004
- 2004-06-15 JP JP2004176395A patent/JP2006002341A/ja active Pending
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