JP2006001388A - 自動車の可動フロア装置 - Google Patents
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Abstract
乗員の乗降動作が検出された時、フロアパネルを車幅方向で乗降口側が低くなるようにフロアパネルの高さを変更することで、足先を伸ばさなくても乗降時に足先と下腿とが略直角になって、乗降時に踏ん張りが効くフロアパネルの傾斜が得られ、乗降時の乗員の負担軽減を図ることができ、特にフロントピラーの後傾角度が垂直に近いような車両や、後席に対する乗降時のように乗員の移動方向が車両に対して横方向となる場合に有効な自動車の可動フロア装置の提供を目的とする。
【解決手段】
乗員の脚部が載置されるフロアパネル36c,83,87を可動と成した自動車の可動フロア装置であって、フロアパネル36c,83,87の高さを可変駆動するフロアパネル駆動手段と、乗員の乗車動作を検出する乗車検出手段と、乗車検出手段によって乗員の乗車動作が検出された時、フロアパネル駆動手段によりフロアパネル36c,83,87を車幅方向で乗降口78,80側が低くなるようにフロアパネル36c,83,87の高さを変更するフロアパネル変更制御手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図16
Description
ところで、特許文献1には乗員が着座するフロントシートのシートクッション前部下方と、ダッシュロアパネル下端との間のフロアパネルに凹部を形成し、この凹部に平行リンク機構を介して上昇および下降する昇降プレートを設けた車両用乗降補助装置が開示されている。
上記構成によれば、フロアパネルを車幅方向のみに傾斜(内高外低状に傾斜)させるので、フロアパネルに乗員は足先を置きやすく、乗員の乗降時における負担軽減を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、乗員の乗車動作と降車動作を検出する乗車検出手段と降車検出手段とを設け、乗車動作検出時には降車動作検出時に対して上記フロアパネルの傾斜角度を小さく補正する乗車補正手段を備えたものである。
上記構成によれば、フロアパネルの傾斜とフロアパネルの復帰とが両立できるので、フロアパネルの傾斜により乗車性の向上が図れ、フロアパネルの復帰により脚部載置性、特に運転席に適用した場合のペダル操作性の向上を図ることができる。
この結果、降車後のフロアパネルの駆動量が抑制できると共に、次の乗車時にはフロアパネルを駆動する必要がないので、省エネルギ化を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、乗員の乗車動作完了を検出する乗車完了検出手段を設け、乗員の乗車動作完了が検出された時、フロアパネルの制御が乗降用のフロアパネル変更制御から運転姿勢調整制御に移行されるものである。
上記構成によれば、フロアパネルの可動部分が前後方向および車幅方向の双方に傾斜するので、乗員の足先の踏ん張りがさらに向上して、乗降性の向上を図ることができる。
上記構成によれば、フロアパネルの傾斜部は車幅方向のみならず前後方向にも傾斜するので、乗員の足先の踏ん張りがさらに向上して、乗降性の向上を図ることができると共に、このように双方向に傾斜するフロアパネルの構成の簡略化を図ることができる。
図面は自動車の可動フロア装置を示すが、実施例1の可動フロア装置は車両の運転姿勢装置に組込まれているので、図1を参照してその全体構造について説明する。
図1において、シートクッション1とシートバック2とを備えたシート3を設け、このシート3と対応するフロアパネル4(固定構造のベースフロア)にはロアレール5およびアッパレール6を取付け、乗員の好みに応じてシート3の前後移動が可能なシートスライド機構7を構成している。なお、アッパレール6は通常時にあってはロック手段によりロアレール5に対して前後方向に移動しないように固定されている。
すなわち、アッパレール6の前後両部に支持ブラケット10,11を取付け固定し、前側の支持ブラケット10とシートフレーム8の前部との間にリンク12をピン連結し、後側の支持ブラケット11とシートフレーム8の後部との間に別のリンク13をピン連結し、前側のリンク12の長さを、後側のリンク13の長さに対して長く設定している。
すなわち、ダッシュロアパネル26の下端部に一体的に設けられたフロアパネル4の下方にはアンダフロアパネル27を設け、このアンダフロアパネル27には前後の支持脚28,28を介して基台29を取付けている。
図6に示す可動フロア調整機構25はアンダフロアパネル27にモータM1と軸受部材30とを取付け、モータM1の回転軸には小径の原動ギヤ38を嵌合し、軸受部材30には大径の従動ギヤ39を設けて、これら両ギヤ38,39を常時噛合させると共に、従動ギヤ39のギヤ軸39aにてアーム32を駆動すべく構成したものである。
このように構成すると可動フロア調整機構25の部品点数削減を図ることができる。
なお、図6において図3〜図5との同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
このペダル位置調整手段42は図7に示すように構成している。
すなわち、ダッシュロアパネル26に取付けたブラケット43にアクセルペダル22の回動センタ41を構成する支軸44を介して、ペダルブラケットアッパ45を枢支し、このペダルブラケットアッパ45の下部には、回動センタ41を中心とする円弧状のガイド溝46aをもったガイド部材46を一体または一体的に取付けている。
そして、フレキシブルシャフト51Aの回転時に、ペダル位置調整手段42を介してアクセルペダル22を図1に示す如く、その回動センタ41(支軸44参照)を中心として前後動すべく構成している。
上述入力ギヤ53のインプット側にはクランプ56を介してフレキシブルシャフト51の先端を固定し、各出力ギヤ54,55のアウトプット側にはクランプ56A,56Bを介してアクセルペダル22側およびブレーキペダル23側のフレキシブルシャフト51A,51Bの基端をそれぞれ固定し、共通のフレキシブルシャフト51の回転時に各ギヤ53,54,55を介して、アクセルペダル22側およびブレーキペダル23側の各フレキシブルシャフト51A,51Bを同方向に回転すべく構成している。
ところで、図1に示すようにステアリングシャフト60およびステアリングホイール61の位置および角度を同時に調整するステアリング位置調整手段62を設けている。
カウルパネル63とダッシュロアパネル26との間に取付けられたダッシュアッパパネル64の後部にはステアリング支持ブラケット65,66を介して車体剛性部材としてのステアリング支持メンバ67(インパネメンバと同意)が車幅方向に向けて張架されている。
図1、図9のステアリング位置xは体格が大きい乗員Lに対応し、図1、図9のステアリング位置yは体格が小さい乗員Sに対応し、体格が標準の乗員Mについてはこれら両位置x,yの中間位置となる。
そこで、このような安楽な姿勢を維持した状態のままで、人間の姿勢をアクセルペダル22の回動センタ41をほぼ支点として回動させてヒップポイントを設定すれば、乗員は常に安楽な姿勢になるため、次のようにヒップポイントが設定されている。
またアクセルペダル22は図13に示すように、体格が大きい乗員Lに対応する位置h(点線参照)から体格が小さい乗員Sに対応する位置j(仮想線参照)に向けて、該アクセルペダル22の回動センタ41を中心として順次乗員に近づく方向へ移動し、アクセルペダル22の操作角度が調整できるように構成されている。
さらに、実施例では図10に示すステアリングシャフト60およびステアリングホイール61も上述の回動センタ41を中心として位置調整される。
には、車両の前後方向に開閉可能に支持されたドアつまりスライドドア81,81が設けられている。
ステップS1で、ECU100はドアスイッチ101がONか否かを判定し、ドアスイッチ101のOFF時にはリターンする一方、ドアスイッチ101のON時には乗員がヒンジドア79を開けて乗車すると判定して、次のステップS2に移行する。
次にステップS3で、ECU100は体格値およびドア開度による補正を実行し、モータM1を介して後部可動フロア36を前高後低状の乗車位置へ傾けると共に、その傾斜部36cを乗降口78側が低くなる内高外低状の乗車位置へ傾ける。
このステップS5で、ECU100はドア79に内蔵させたスピーカ108を駆動して、可動フロア24,36が動く旨の音声アナウンスを実行する。
すなわち、乗員がレバー15を介して操作するシート3の位置a,b,cに対応して、シート位置センサ21が検出したシートスライド量に符合するように、図21のマップMAP3から前部可動フロア24の設定位置を読出して、モータM1を介して前部可動フロア24を位置d,f,gの目標位置に自動調整し、図22のマップMAP4からペダル22,23の設定位置を読出して、モータM2を介してペダル22,23を位置h,i,jの目標位置に自動調整し、図23のマップMAP5からステアリングホイール61の設定位置を読出して、モータM3を介してステアリングホイール61を位置x,yの目標位置に自動調整する。
ここで、上述の体格値は各ステップS3,S13での補正処理に反映される。
なお、図26で示したフローチャートの一部を図33または図34のように変更してもよい。
加えて、乗員の乗車動作と降車動作を検出する乗車検出手段(ステップS1参照)と降車検出手段(ステップS10参照)とを設け、乗車動作検出時には降車動作検出時に対して上記後部可動フロア36の傾斜部36cの傾斜角度を小さく補正する乗車補正手段(マップMAP2参照)を備えたものである。
さらに、乗員の乗車動作を検出する乗車検出手段(ステップS1参照)を設け、乗員の乗車動作の後、上記後部可動フロア36の角度を復帰させる復帰手段(図26のステップS6または図33のステップS18参照)を備えたものである。
加えて、乗員の降車動作を検出する降車検出手段(ステップS10参照)を設け、乗員の降車動作の後、乗員の次の乗車に備えて上記後部可動フロア36の角度を所定の角度に保持する保持手段(ステップS19参照)を設けたものである。
この結果、降車後の後部可動フロア36の駆動量が抑制できると共に、次の乗車時には後部可動フロア36を駆動する必要がないので、省エネルギ化を図ることができる。
加えて、乗員の乗車動作完了を検出する乗車完了検出手段(ステップS4参照)を設け、乗員の乗車動作完了が検出された時、可動フロア24,36の制御が乗降用のフロアパネル変更制御から運転姿勢調整制御に移行(ステップS4からステップS6への移行参照)されるものである。
しかも上記可動フロア24,36の後傾可能な可動部分(後部可動フロア36参照)の一部に、乗降口78側が低くなる傾斜部36cを設けたものである。
上述の各実施例においては、運転席側または助手席側のヒンジドア79に対応して後部可動フロア36または83が前後方向および車幅方向の双方に傾動すべく構成したが、図37、図38で示すこの実施例においては図16で示すリヤシート86のスライドドア81に対応してメイン可動フロア87が車幅方向のみに乗降口80側が低くなるように傾斜すべく構成している。
そして、上述のアーム91の遊端と、L字状のアーム92の下端との間をリンクロッド93で連結すると共に、このアーム92の上端にはメイン可動フロア87を駆動制御するローラ94を取り付けている。
この発明のフロアパネルは、実施例の後部可動フロア36に対応し、
以下同様に、
フロアパネル駆動手段は、モータM1に対応し、
乗車検出手段は、ステップS1に対応し、
フロアパネル変更制御手段は、ステップS3,S13に対応し、
降車検出手段は、ステップS10に対応し、
フロアパネル傾動制御手段は、ステップS13に対応し、
乗降検出手段は、各ステップS1,S10に対応し、
乗車補正手段は、マップMAP2に対応し、
体格検出手段は、シート位置センサ21に対応し、
体格補正手段は、マップMAP2に対応し、
ドア開度検出手段は、ステップS2に対応し、
ドア開度補正手段は、マップMAP1に対応し、
復帰手段は、図26のステップS6または図33のステップS18に対応し、
保持手段は、ステップS19に対応し、
フロアパネル乗車待機制御手段は、ステップS17に対応し、
調整手段は、可動フロア調整機構25に対応し、
操作ペダルは、アクセルペダル22、ブレーキペダル23に対応し、
乗車完了検出手段は、ステップS4に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
22,23…操作ペダル
25…可動フロア調整機構(調整手段)
36,83…後部可動フロア(フロアパネル)
36c…傾斜部
78,80…乗降口
87…メイン可動フロア(フロアパネル)
M1…モータ(フロアパネル駆動手段)
MAP2…乗車補正手段、体格補正手段
S1…乗車検出手段
S3,S13…フロアパネル変更制御手段
S4…乗車完了検出手段
S6,S18…復帰手段
S10…降車検出手段
S17…フロアパネル乗車待機制御手段
S19…保持手段
Claims (13)
- 乗員の脚部が載置されるフロアパネルを可動と成した自動車の可動フロア装置であって、
上記フロアパネルの高さを可変駆動するフロアパネル駆動手段と、
乗員の乗車動作を検出する乗車検出手段と、
上記乗車検出手段によって乗員の乗車動作が検出された時、上記フロアパネル駆動手段により上記フロアパネルを車幅方向で乗降口側が低くなるようにフロアパネルの高さを変更するフロアパネル変更制御手段とを備えた
自動車の可動フロア装置。 - 乗員の脚部が載置されるフロアパネルを可動と成した自動車の可動フロア装置であって、
上記フロアパネルの高さを可変駆動するフロアパネル駆動手段と、
乗員の降車動作を検出する降車検出手段と、
上記降車検出手段によって乗員の降車動作が検出された時、上記フロアパネル駆動手段により上記フロアパネルを車幅方向で乗降口側が低くなるようにフロアパネルの高さを変更するフロアパネル変更制御手段とを備えた
自動車の可動フロア装置。 - 乗員の脚部が載置されるフロアパネルを可動と成した自動車の可動フロア装置であって、
上記フロアパネルの高さを可変駆動するフロアパネル駆動手段と、
乗員の乗降動作を検出する乗降検出手段と、
上記乗降検出手段によって乗員の乗降動作が検出された時、上記フロアパネル駆動手段により上記フロアパネルを車幅方向で乗降口側が低くなるようにフロアパネルの高さを変更するフロアパネル変更制御手段とを備えた
自動車の可動フロア装置。 - 上記フロアパネル変更制御手段は、上記フロアパネルを車幅方向のみに乗降口側が低くなるように傾斜させる
請求項1〜3の何れか1に記載の自動車の可動フロア装置。 - 乗員の乗車動作と降車動作を検出する乗車検出手段と降車検出手段とを設け、
乗車動作検出時には降車動作検出時に対して上記フロアパネルの傾斜角度を小さく補正する乗車補正手段を備えた
請求項3記載の自動車の可動フロア装置。 - 乗員の体格を検出する体格検出手段を設け、
上記体格検出手段の検出結果に基づいてフロアパネルの傾斜角度を補正する
体格補正手段を備えた
請求項1〜3の何れか1に記載の自動車の可動フロア装置。 - 乗員の乗車動作を検出する乗車検出手段を設け、
乗員の乗車動作の後、上記フロアパネルの角度を復帰させる復帰手段を備えた
請求項1または3に記載の自動車の可動フロア装置。 - 乗員の降車動作を検出する降車検出手段を設け、
乗員の降車動作の後、乗員の次の乗車に備えて上記フロアパネルの角度を所定の角度に保持する保持手段を設けた
請求項2または3に記載の自動車の可動フロア装置。 - 乗員の乗車動作と降車動作を検出する乗車検出手段と降車検出手段とを設け、
乗員の降車動作の後、乗員の次の乗車に備えて降車動作検出時のフロアパネルの傾斜角度に対して、該フロアパネルの傾斜角度を小さく制御するフロアパネル乗車待機制御手段を備えた
請求項5記載の自動車の可動フロア装置。 - 上記フロアパネルは操作ペダルが近接して配設された運転席乗員下部のフロアパネルであって、
上記フロアパネル駆動手段は運転席乗員の脚部と操作ペダルとの間の間隔を調整する調整手段を備えた
請求項1〜3、5〜9の何れか1に記載の自動車の可動フロア装置。 - 乗員の乗車動作完了を検出する乗車完了検出手段を設け、
乗員の乗車動作完了が検出された時、フロアパネルの制御が乗降用のフロアパネル変更制御から運転姿勢調整制御に移行される
請求項10記載の自動車の可動フロア装置。 - 上記フロアパネルの可動部分は車両後方側および乗降口側が共に低くなるように傾斜して支持させた
請求項1〜3、5〜9の何れか1に記載の自動車の可動フロア装置。 - 上記フロアパネルの後傾可能な可動部分の一部に、乗降口側が低くなる傾斜部を設けた
請求項1〜3、5〜11の何れか1に記載の自動車の可動フロア装置。
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