JP5407619B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は、シートクッションとシートバックとを備える車両用シートに関する。
これに関する車両用シートが特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の車両用シートは、図8に示すように、シートフレーム102上にシートクッション104とシートバック105とが設置されている。そして、シートクッション104がシートフレーム102に対して乗降口側が低くなるように傾斜可能に構成されている。このため、降車時にシートクッション104をシートフレーム102に対して傾斜させることで、そのシートクッション104に着座している乗員がシートクッション104のサイド部104sを乗越え易くなり、車両から降りる際に前記サイド部104sが邪魔にならなくなる。
実開昭60−168632号
しかし、例えば、乗用車等ではシートクッション104のクッション座面104zは低い位置にあり、さらに乗員の着座姿勢は臀部よりも大腿部が高い状態になる。このため、クッション座面104zが低いままでサイド部104sが低くなったとしても、乗員がシートクッション104から立ち上がる際に膝が大きく曲がるようになり、高齢者等にとっては膝に負担が掛かる。
この点を改善するため、降車時にシートクッション104をシートフレーム102に対して上昇させることが考えられる。しかし、図8に示す構成において、シートクッション104を上昇させると、着座している乗員の臀部と大腿部とが共に上昇するようになるため、その乗員の大腿部がステアリング等に接近し、車両から降りる際に乗員の大腿部が前記ステアリング等と干渉するようなことがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、臀部より大腿部が低い中腰に近い姿勢で乗員が車両に乗降できるようにして、乗員の乗降を楽にすることである。
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、シートクッションとシートバックとを備える車両用シートであって、前記シートクッションは、乗員の臀部を支える臀部受け部と、その臀部受け部に対してシート正面方向に位置し、その乗員の大腿部を支える脚受け部とを備えており、前記シートクッションの下には、そのシートクッションの臀部受け部を脚受け部に対して上昇させて、シート幅方向の乗降側が低くなるように傾斜させることが可能なクッション傾斜機構が設けられていることを特徴とする。
本発明によると、乗降時にクッション傾斜機構を動作させることで、シートクッションの臀部受け部を脚受け部に対して上昇させ、乗降側が低くなるように傾斜させることができる。このように、乗降時にシートクッションの脚受け部を臀部受け部に対して低くできるため、シートクッションに着座している乗員の姿勢が臀部より大腿部が低い中腰に近い姿勢になり、膝が伸びるようになる。また、シートクッションの臀部受け部を上昇させても乗員の大腿部が例えばステアリング等と干渉し難くなる。
さらに、シートクッションの臀部受け部は乗降側が低くなるように傾斜しているため、シートクッションのサイド部を乗越える際に乗員が脚を持ち上げる必要がなく、中腰に近い姿勢を保持できる。
請求項2の発明によると、臀部受け部が傾斜するときに、その臀部受け部の乗降側に位置するサイドサポート部も一体となって傾斜することを特徴とする。このため、乗降がさらに容易になる。
請求項3の発明によると、クッション傾斜機構は、シートクッションの下で倒伏位置から起立位置まで回動可能に構成された第1リンクと、その第1リンクと交差するように連結されて、前記第1リンクとほぼ対称に動作可能に構成された第2リンクと、前記第1リンク、第2リンクを倒伏位置から起立位置まで回動させられるように構成された駆動部とを備えており、前記第1リンク、第2リンクが倒伏位置から起立位置まで回動することで、前記シートクッションの臀部受け部が前記脚受け部に対して上昇しつつ、乗降側が低くなるように傾斜させられることを特徴とする。
このように、交差する第1リンクと第2リンクとを使用する構成のため、交差位置を調整することで上限位置におけるシートクッションの臀部受け部の傾斜角度調整が可能になる。
請求項4の発明によると、クッション傾斜機構は、シートクッションの臀部受け部を上下回動可能な状態で支持部材に連結する連結機構と、その連結機構の回動中心回りに前記臀部受け部を上下回動させる駆動部とを備えており、前記臀部受け部が前記連結機構の回動中心回りに上方に回動することで、その臀部受け部が前記脚受け部に対して上昇して乗降側が低くなるように傾斜するように構成されていることを特徴とする。
このように、臀部受け部が連結機構の回動中心回りに上方に回動することで、その臀部受け部が脚受け部に対して上昇して乗降口側が低くなるように傾斜するように構成のため、クッション傾斜機構の構成を簡単にできる。
請求項5の発明によると、シートクッション及びシートバックを支持するシートフレームを車室フロアに沿ってスライドさせるスライド機構と、前記シートフレームを前記車室フロアに対して昇降させるフレーム昇降機構とを備えていることを特徴とする。
このため、スライド機構とフレーム昇降機構とにより、車室フロアに対する車両用シートの位置調整が可能になる。
請求項6の発明によると、乗降口のドアが開いている状態で、上昇スイッチが操作されたときにクッション傾斜機構がシートクッションの臀部受け部を上昇させる方向に動作することを特徴とする。
このため、乗員が降車しようとする意思があるときのみクッション傾斜機構を上昇動作させることができ、意に反してクッション傾斜機構を動作させるような不具合がない。
本発明によると、中腰に近い姿勢で乗員が車両に乗降できるため、乗員の乗降が楽になる。
本発明の本実施形態1に係る車両用シートの車両運転時の状態を表す模式斜視図(A図)であり、車両用シートの乗降時の状態を表す模式斜視図(B図)である。 前記車両用シートの全体側面図である。 前記車両用シートの乗降時の状態を表す正面図である。 前記車両用シートのクッション傾斜機構を表す正面図である。 前記車両用シートの前記クッション傾斜機構の動作原理図である。 前記車両用シートのクッション傾斜機構を表す側面図(図4のVI-VI矢視図)である。 変更例に係る車両用シートの一部破断正面図である。 従来の車両用シートを表す模式正面図である。
[実施形態1]
以下、図1から図7に基づいて本発明の実施形態1に係る車両用シートについて説明する。
ここで、図中における前後左右及び上下は車両用シート及びその車両用シートが設置される乗用車の前後左右及び上下に対応している。また、明細書中の前後左右及び上下も上記した前後左右及び上下に対応している。
<車両用シート10の概要について>
本実施形態に係る車両用シート10は、車高が比較的低い乗用車において右側の乗降口を通って右方向から着座するように構成されたシート(運転席等)である。
車両用シート10は、図1、図2に示すように、シート本体30と、そのシート本体30を車室フロアFに対して前後スライドさせる前後スライド機構20と、前記シート本体30を車室フロアFに対して昇降させる昇降機構25(図2参照)とを備えている。
前記シート本体30は、図2に示すように、シートフレーム31と、そのシートフレーム31上に設置されたシートクッション40と、前記シートフレーム31の後端部に上下回動可能な状態で連結されたシートバック35と、シートクッション40の一部Mを前記シートフレーム31に対して上昇させて乗降口側に傾斜させることが可能なクッション傾斜機構50とから構成されている。
<前後スライド機構20について>
前後スライド機構20は、図1〜図3に示すように、車室フロアF上で前後方向に延びる左右一対のロアレール22と、左右のロアレール22に沿って前後方向にスライド可能に構成された左右のアッパレール23と、前記アッパレール23をロアレール22に対して前後スライドさせるための駆動機構(図示省略)とから構成されている。ロアレール22は、上側が開放された横断面形状略C字形の溝状レールであり、図2等に示すように、前端部の下側と後端部の下側とが支持材21によって車室フロアFに固定されている。アッパレール23は、図3に示すように、横断面形状略逆T字形に形成された板状レールであり、そのアッパレール23の下部がロアレール22に対して前端側、あるいは後端側から嵌め込まれている。そして、前記アッパレール23がロアレール22と嵌合した状態で、アッパレール23はロアレール22に沿って前後方向に摺動できるようになる。
即ち、前後スライド機構20が本発明のスライド機構に相当する。
<昇降機構25について>
昇降機構25は、前後スライド機構20の左右のアッパレール23に対してシート本体30のシートフレーム31を昇降させる機構であり、図2等に示すように、左右一対の前部リフトリンク27と、同じく左右一対の後部リフトリンク28と、昇降駆動源となる駆動機構(図示省略)とから構成されている。左右一対の前部リフトリンク27と後部リフトリンク28とは左右のアッパレール23に対してシートフレーム31を平行に昇降できるように構成されている。そして、前部リフトリンク27と後部リフトリンク28との一端部(下端部)がアッパレール23に対して上下回動可能な状態で連結されており、他端部(上端部)がシートフレーム31に対して上下回動可能な状態で連結されている。
ここで、シートフレーム31及び前部リフトリンク27、後部リフトリンク28は、図1等に示すように、側面カバー31cによって覆われている。なお、図2では側面カバー31cが省略されている。
即ち、前記昇降機構25が本発明のフレーム昇降機構に相当する。
<シートクッション40について>
シートクッション40は、図1(A)に示すように、中央部分の前側から順番にクッション前部41、クッション中央部42、クッション後部43を備えており、前記中央部分の右側(乗降口(図示省略)側)に右サイド部44、前記中央部分の左側(車室中央側)に左サイド部45が設けられている。
クッション前部41は、着座した乗員の主として大腿部を支える部分であり、着座面が後側で低くなるように緩やかに傾斜した状態で形成されている。クッション中央部42は、主として乗員の臀部を支える部分であり、着座面が最も低い位置にあって平坦に形成されている。クッション後部43は前方で低くなるように緩やかに傾斜した状態で形成されている。
右サイド部44は、着座面が右側(乗降口側)で高くなるように傾斜した状態で形成されており、前部44f、中央部44c及び後部44bに分割されている。左サイド部45は、着座面が左側(車室中央側)で高くなるように傾斜した状態で形成されている。即ち、右サイド部44の着座面、左サイド部45の着座面がクッション前部41、クッション中央部42、クッション後部43の着座面に対して斜面状に形成されているため、乗員がシートクッション40に着座したときのホールド性が高くなる。
シートクッション40のクッション中央部42と右サイド部44の中央部44cとは一体化されており、そのシートクッション40の他の部分、即ち、右サイド部44の前部44f、後部44bとクッション前部41と左サイド部45とクッション後部43とから分割されている。そして、シートクッション40の右サイド部44の前部44f、後部44bとクッション前部41と左サイド部45とクッション後部43とがシートフレーム31に固定されている。このため、シートクッション40の右サイド部44の前部44f、後部44bとクッション前部41と左サイド部45とクッション後部43とを、以後、シートクッション40の固定部Sと呼ぶことにする。
そして、シートクッション40のクッション中央部42と右サイド部44の中央部44cとが、図1(B)に示すように、クッション傾斜機構50(後記する)の働きでシートクッション40の固定部S、及びシートフレーム31に対して昇降可能に構成されている。このため、シートクッション40のクッション中央部42と右サイド部44の中央部44cとを、以後、シートクッション40の可動部Mと呼ぶことにする。
即ち、シートクッション40のクッション中央部42が本発明の乗員の臀部を支える臀部受け部に相当し、右サイド部44の中央部44cが本発明のサイドサポート部に相当する。また、クッション前部41が本発明の乗員の大腿部を支える脚受け部に相当する。
<クッション傾斜機構50について>
クッション傾斜機構50は、シートフレーム31、及びシートクッション40の固定部Sに対してシートクッション40の可動部Mを上昇させ、さらに乗降口側が低く、室内側が高くなるように傾斜させるための機構である。クッション傾斜機構50は、図6の側面図に示すように、シートフレーム31に吊り支持されたベース板52と、そのベース板52上に設置された前後一対のクロスリンク53と、それらのクロスリンク53を動作させる駆動部56とから構成されている。
クッション傾斜機構50のベース板52は、図6に示すように、側面形状略U字形に折り曲げ成形されており、そのベース板52の前端上部がシートフレーム31の前部で幅方向に延びる前部梁部31hにボルト止めされている。また、前記ベース板52の後端上部がシートフレーム31の後部で幅方向に延びる後部支持管31tに連結されている。
クッション傾斜機構50の前後一対のクロスリンク53は、シートクッション40の可動部Mを前後から支えてその可動部Mを昇降及び傾斜させられるように構成されている。ここで、前後のクロスリンク53は前後方向において対称に形成されて、等しい構成であるため、図4、図5の正面図に基づき代表して前側のクロスリンク53について説明する。
クロスリンク53は、図4に示すように、直線状の第1リンク53aと第2リンク53bとから構成されており、両リンク53a,53bの中央部近傍が中央連結ピン53xによって互いに上下回動可能な状態で連結されている。そして、第1リンク53aの基端部(下端部)が下端連結ピン54によって上下回動可能な状態でベース板52の前側底部右端に形成された受け部(図示省略)に連結されている。また、第1リンク53aの先端部(上端部)にはローラ53rが装着されており、そのローラ53rがシートクッション40の可動部Mの下側に左右方向に延びるように形成された前側レール部40fに沿って転動できるように構成されている。
また、第2リンク53bの基端部(上端部)は、上端連結ピン55によって上下回動可能な状態でシートクッション40の可動部Mにおける前側レール部40fの右端近傍に連結されている。また、第2リンク53bの先端部(下端部)にはローラ53zが装着されており、そのローラ53zがベース板52の前側底部52yに沿って左右方向に転動できるように構成されている。
クッション傾斜機構50の駆動部56は、図5に示すように、扇型歯車57と、二段歯車58と、駆動歯車59と、その駆動歯車59を回転させるモータ(図示省略)とから構成されている。扇型歯車57は、クロスリンク53の第1リンク53aと一体で回転する歯車であり、扇の要に相当する位置に回転中心となる中心孔57eが形成されている。そして、扇型歯車57の中心孔57eに第1リンク53aをベース板52に連結する下端連結ピン54が回り止めされた状態で通されている。即ち、扇型歯車57は、第1リンク53aと回転中心を一致させた状態で、その第1リンク53aと一体で回転できるように構成されている。前記扇型歯車57には、外周部(円弧部)に歯部57wが形成されており、その歯部57wが二段歯車58の小径歯車58sと噛合している。さらに、二段歯車58の大径歯車58rが駆動歯車59と噛合している。
上記した二段歯車58と駆動歯車59、及びモータは、駆動部56のハウジング56h(図6参照)に収納支持されており、そのハウジング56hがベース板52上に固定されている。
上記構成により、図5に示す状態で、モータが起動して駆動歯車59が左回転(正転)すると(矢印参照)、その駆動歯車59と噛合している二段歯車58の大径歯車58rが右回転する(矢印参照)。そして、二段歯車58が右回転することにより、その二段歯車58の小径歯車58sと噛合している扇型歯車57が左回転する(矢印参照)。これにより、扇型歯車57と一体化された第1リンク53aが下端連結ピン54を中心にして左回動しながら起立する。そして、第1リンク53aが起立する過程で先端部のローラ53rがシートクッション40の可動部Mを押し上げながら、その可動部Mの前側レール部40fに沿って右方向に転動する。また、第1リンク53aが左回動しながら起立することで、その第1リンク53aと中央連結ピン53xによって連結されている第2リンク53bがシートクッション40の可動部Mの上端連結ピン55を中心に右回動しながら起立する。これにより、シートクッション40の可動部Mの右端部が第2リンク53bによって押し上げられ、その第2リンク53bの先端部(下端部)のローラ53zがベース板52の前側底部52yに沿って右方向に転動するようになる。即ち、モータの起動により駆動歯車59が左回転(正転)することで第1リンク53a、第2リンク53bが起立方向に回動し、シートクッション40の可動部Mが押し上げられる。
そして、第1リンク53aと第2リンク53bとが所定位置まで起立した状態で、シートクッション40の可動部Mは、図4等の実線に示すように、上限位置に保持されるとともに、右側(乗降口側)が低くなるように傾斜するようになる。ここで、第1リンク53aと第2リンク53bとを連結する中央連結ピン53xの位置は、シートクッション40の可動部Mが上限位置にある状態で、その可動部Mの傾斜角度θが約17°になるような位置に設定されている。このため、中央連結ピン53xの位置を調整できるようにすれば、可動部Mの傾斜角度θを調整することが可能になる。
次に、シートクッション40の可動部Mが上限位置にある状態で、モータにより駆動歯車59が右回転(逆転)させられると、上記とは逆に、第1リンク53aが下端連結ピン54を中心にして倒伏方向(右方向)に回動し、第2リンク53bがシートクッション40の可動部Mの上端連結ピン55を中心にして倒伏方向(左方向)に回動するようになる。そして、シートクッション40の可動部Mが下限位置まで戻された状態で(図1(A)、及び図4の二点鎖線参照)、その可動部Mの着座面が固定部Sの着座面と連続するようになる。
<本実施形態に係る車両用シート10の動作について>
先ず、乗員の乗車が完了した状態から車両用シート10の動作について説明する。この状態では、シートクッション40の可動部Mが下限位置に保持されており、図1(A)に示すように、可動部Mの着座面が固定部Sの着座面と連続している。また、前後スライド機構20と昇降機構25とを動作させることで、乗員の体格にあわせてシート本体30の前後位置を調整し、さらにシート本体30の高さ位置を調整することが可能になる。
次に、乗員が降車する場合には、シートベルトを外し、右側のドアを開けた状態で、上昇スイッチ(図示省略)を操作する。これにより、前記上昇スイッチが操作されている間、クッション傾斜機構50のモータが動作して駆動部56がクロスリンク53の第1リンク53aと第2リンク53bとを起立させる方向に回動させる。これにより、シートクッション40の可動部Mが固定部S及びシートフレーム31に対して上昇して、乗員の臀部が押し上げられる。そして、シートクッション40の可動部Mが上昇する過程で、乗降口側が低くなるように傾斜するようになる。このとき、乗員の大腿部を支えるシートクッション40のクッション前部41(固定部S)はシートフレーム31に対して定位置に保持されているため、可動部Mに対して低くなる。即ち、シートクッション40に着座している乗員の姿勢は臀部より大腿部が低い中腰に近い姿勢になるため、膝が伸びるようになる。さらに、可動部Mは乗降口側が低くなるように傾斜しているため、乗員がシートクッション40の右サイド部44の中央部44cを乗越える際に脚を持ち上げる必要がなく、中腰に近い姿勢を保持できる。
また、乗車時には、乗員が上限位置にあるシートクッション40の可動部Mに着座できるため、中腰に近い姿勢で膝を大きく曲げる必要がなくなり、乗員の身体への負担が軽減される。そして、着座後、下降スイッチ(図示省略)を操作することで、クッション傾斜機構50のモータが動作して駆動部56がクロスリンク53の第1リンク53aと第2リンク53bとを倒伏させる方向に回動させる。これにより、シートクッション40の可動部Mが下降し、その可動部Mが下限位置に到達した状態で、図1(A)に示すように、可動部Mの着座面が固定部Sの着座面と連続するようになる。この状態で、ドアを閉めることで乗車が完了する。
<本実施形態に係る車両用シート10の長所について>
本実施形態に係る車両用シート10によると、乗降時にクッション傾斜機構50を動作させることで、シートクッション40の可動部M(クッション中央部42等)を固定部S(クッション前部41)に対して上昇させて、乗降口側が低く、室内側が高くなるように傾斜させることができる。このように、乗降時にシートクッション40のクッション前部41をクッション中央部42等に対して低くできるため、シートクッション40に着座している乗員の姿勢が臀部より大腿部が低い中腰に近い姿勢になり、膝が伸びるようになる。また、クッション中央部42等を上昇させても乗員の大腿部が例えばステアリング等と干渉し難くなる。
さらに、シートクッション40の可動部M(クッション中央部42等)は乗降口側が低くなるように傾斜しているため、乗員がシートクッション40の右サイド部44を乗越える際に脚を持ち上げる必要もなくなる。このように、臀部より大腿部が低い中腰に近い姿勢で乗員が車両に乗降できるため、乗員の乗降が楽になる。
また、車両用シート10は、シートフレーム31を車室フロアFに沿ってスライドさせる前後スライド機構20と、シートフレーム31を車室フロアFに対して昇降させる昇降機構25とを備えているため、車室フロアFに対する車両用シート10の位置調整が可能になる。
また、乗降口のドアが開いている状態で、上昇スイッチが操作されたときにクッション傾斜機構50がシートクッション40の可動部Mを上昇させる方向に動作する。即ち、乗員が降車しようとする意思があるときのみクッション傾斜機構50を上昇動作させることができ、意に反してクッション傾斜機構50を動作させるような不具合がない。
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、本実施形態に係る車両用シート10では、クッション傾斜機構50のクロスリンク53をシートクッション40の可動部Mの前後に設け、前記クロスリンク53の第1リンク53a、第2リンク53bを左右方向に起立、倒伏させる例を示した。しかし、クロスリンク53をシートクッション40の可動部Mの左右に設け、前記クロスリンク53の第1リンク53a、第2リンク53bを前後方向に起立、倒伏させる構成でも可能である。
また、クッション傾斜機構50の駆動部56として扇型歯車57等を使用する例を示したが、例えば、送りネジ&ナット等やエアシリンダ等を使用することも可能である。
さらに、クロスリンク53等を備えるクッション傾斜機構50の代わりに、例えば、図7に示すような、クッション傾斜機構60を使用することも可能である。
即ち、図7に示すクッション傾斜機構60は、シートクッション40の可動部Mを上下回動可能な状態でシートフレーム31に連結するヒンジ状の連結機構60cと、その連結機構60cの回転中心回りに可動部Mを上下回転させる駆動部60zとを備えている。
連結機構60cは、シートクッション40の可動部Mに固定されたクッション側ヒンジ片(図示省略)と、シートフレーム31に固定されたフレーム側ヒンジ片(図示省略)とから構成されており、両ヒンジ片がヒンジピン60pによって上下方向に相対回転可能な状態で連結されている。連結機構60cのヒンジピン60pは、その連結機構60cの回転中心であり、シートクッション40の可動部Mを構成する右サイド部44(中央部44c)の裏面(下面)位置で、ほぼ水平な状態で前後方向に延びるように位置決めされている。このため、シートクッション40の可動部Mが連結機構60cのヒンジピン60pを中心にして図7において左回動(上回動)すると、可動部Mのクッション中央部42が上昇し、その可動部Mの右サイド部44(中央部44c)の右端が下降して、可動部Mは乗降口側が低くなるように傾斜するようになる(二点鎖線参照)。
即ち、前記シートフレーム31が本発明の支持部材に相当する。
クッション傾斜機構60の駆動部60zは、シートフレーム31上で左右方向に延びるように水平に配置されたネジ軸62と、そのネジ軸62と螺合するナット63とを備えている。ネジ軸62の基端部には、そのネジ軸62を軸心回りに回転させるモータ61が連結されており、前記ネジ軸62の先端部が軸受64によって回転自在に支持されている。また、ナット63には、直線状リンク67の基端部が上下回動可能な状態で連結されており、その直線状リンク67の先端部が同じく上下回転可能な状態で可動部Mの裏面右端位置(ヒンジピン60pの右側)に固定された連結ピン65に連結されている。
上記構成により、例えば、図7に示す状態で、モータ61が駆動され、ネジ軸62が正転方向に回転すると、ネジ軸62とナット63との螺合作用により前記ナット63がネジ軸62に沿って左方向(モータ61側)に移動する。これにより、シートクッション40の可動部Mの連結ピン65が直線状リンク67によって左下方に引っ張られ(二点鎖線参照)、シートクッション40の可動部Mは連結機構60cのヒンジピン60pを中心に左回動(上回動)するようになる。そして、ナット63が左限位置まで到達した状態でモータ61が停止し、可動部Mは乗降口側が低くなるように所定角度だけ傾斜した状態に保持される(二点鎖線参照)。
また、この状態からネジ軸62が逆転方向に回転すると、ネジ軸62とナット63との螺合作用により前記ナット63がネジ軸62に沿って右方向(乗降口側)に移動する。これにより、シートクッション40の可動部Mの連結ピン65が直線状リンク67によって右上方に押され、シートクッション40の可動部Mは連結機構60cのヒンジピン60pを中心に右回動(下回動)するようになる。そして、ナット63が右限位置まで到達した状態でモータ61が停止し、可動部Mが元の位置まで戻されて、その可動部Mの着座面が固定部Sの着座面と連続するようになる(実線参照)。
ここで、前記クッション傾斜機構60の駆動部60zをネジ軸62とナット63等から構成する例を示したが、ネジ軸62とナット63の代わりに、例えば、ラック&ピニオン等を使用することも可能であるし、エアシリンダ等を使用することも可能である。
また、本実施形態では、右側の乗降口を通って右方向から着座する車両用シート10(運転席等)において、クッション傾斜機構50,60によりシートクッション40の可動部Mを右側が低くなるように傾斜させる例を示した。しかし、左側の乗降口を通って左方向から着座する車両用シート(助手席等)に本発明を適用することも可能である。ここで、前記助手席等の車両用シートでは、クッション傾斜機構50,60によりシートクッション40の可動部Mを左側が低くなるように傾斜させるものとする。
また、本実施形態では、シートフレーム31上にクッション傾斜機構50,60を設ける例を示したが、シートフレーム31の下にクッション傾斜機構50,60を設ける構成でも可能である。さらに、シートフレーム31を省略することも可能である。
さらに、本実施形態では、シートクッション40の可動部Mを乗降口側が低くなるように傾斜させる例を示したが、シートの向きによっては乗降口側ではなく、シート幅方向の一方(乗降側)が低くなるように傾斜させることも可能である。
また、本実施形態では、車両前方を向いているシートに本発明を適用する例を示したが、車両横方向を向いているシートに本発明を適用することも可能である。
20・・・前後スライド機構
25・・・昇降機構
31・・・シートフレーム(支持部材)
35・・・シートバック
40・・・シートクッション
41・・・クッション前部(脚受け部)
42・・・クッション中央部(臀部受け部)
44・・・右サイド部
44c・・中央部(サイドサポート部)
50・・・クッション傾斜機構
53・・・クロスリンク
53a・・第1リンク
53b・・第2リンク
56・・・駆動部
60・・・クッション傾斜機構
60c・・連結機構
60z・・駆動部
F・・・・車室フロア
M・・・・可動部(臀部受け部)

Claims (6)

  1. シートクッションとシートバックとを備える車両用シートであって、
    前記シートクッションは、乗員の臀部を支える臀部受け部と、その臀部受け部に対してシート正面方向に位置し、その乗員の大腿部を支える脚受け部とを備えており、
    前記シートクッションの下には、そのシートクッションの臀部受け部を脚受け部に対して上昇させて、シート幅方向の乗降側が低くなるように傾斜させることが可能なクッション傾斜機構が設けられていることを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載された車両用シートであって、
    前記臀部受け部が傾斜するときに、その臀部受け部の乗降側に位置するサイドサポート部も一体となって傾斜することを特徴とする車両用シート。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両用シートであって、
    前記クッション傾斜機構は、前記シートクッションの下で倒伏位置から起立位置まで回動可能に構成された第1リンクと、その第1リンクと交差するように連結されて、前記第1リンクとほぼ対称に動作可能に構成された第2リンクと、前記第1リンク、第2リンクを倒伏位置から起立位置まで回動させられるように構成された駆動部とを備えており、
    前記第1リンク、第2リンクが倒伏位置から起立位置まで回動することで、前記シートクッションの臀部受け部が前記脚受け部に対して上昇しつつ、乗降側が低くなるように傾斜させられることを特徴とする車両用シート。
  4. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両用シートであって、
    前記クッション傾斜機構は、前記シートクッションの臀部受け部を上下回動可能な状態で支持部材に連結する連結機構と、その連結機構の回動中心回りに前記臀部受け部を上下回動させる駆動部とを備えており、
    前記臀部受け部が前記連結機構の回動中心回りに上方に回動することで、その臀部受け部が前記脚受け部に対して上昇して乗降側が低くなるように傾斜するように構成されていることを特徴とする車両用シート。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載された車両用シートであって、
    前記シートクッション及び前記シートバックを支持するシートフレームを車室フロアに沿ってスライドさせるスライド機構と、前記シートフレームを前記車室フロアに対して昇降させるフレーム昇降機構とを備えていることを特徴とする車両用シート。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載された車両用シートであって、
    乗降口のドアが開いている状態で、上昇スイッチが操作されたときに前記クッション傾斜機構がシートクッションの臀部受け部を上昇させる方向に動作することを特徴とする車両用シート。
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