JP4384971B2 - 車両用着座乗降シート - Google Patents
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昇降動機構の一般的なものとしては、この昇降動機構が可動側とベース側とで構成され、可動側は、シートが取付けられる前位ブラケットと、ベース側の直線状レールに摺嵌された後位ブラケットと、この両ブラケット間にわたされた態様で軸支された上位リンクアームと、下位リンクアームとにより4節リンク機構に構成され、この4節リンクの一方リンクアームにガイドローラが設けられており、ベース側は、前記直線状レールと、この直線状レールに摺嵌された前記後位ブラケットの摺動駆動手段と、直線状レールに沿って車外方向が低く形成された、前記ガイドローラが接する傾斜ガイド板(カム板)を備えている。
なぜなら、現在、福祉車両は生産台数が少なく専用の車体を採用できないというコスト面からのやむをえない事情があるからである。
従って、専用の車体を準備すれば問題ないが、一般向け車体を流用している故に、地面と座席の高さおよび車室内の高さ(天井と着座乗員頭部のクリアランス確保)により制限されるので、方向回転や昇降動機構などが下部に配設された座席部分を必要以上に高く、または、低くはできないという技術的課題が背景としてある。
また、シートクッション部の下部に駆動機構を配置しているので、リンク片の長さ及び傾斜ガイド板の前後長さは、シートクッションの前後長さ以内に収める必要があり、必要以上に長くはできない。
また、方向回転機構により昇降移動機構が回転しても他の車体部位と干渉しないように、ドア開口部の下縁よりも高い位置に傾斜ガイド板の先端部(下端部)を配置する必要がある。このことが、この駆動機構の薄型化を妨げる一つの要因になっている。
(着座部の昇降量に必要な誘導ガイドの高低差(角度)が、そのままこの装置の高さ方向に加算されてしまう構造)
一方、着座した乗員頭部と車体側天井部とのクリアランスを確実に確保する必要があるので、単純に昇降移動機構を含む座席部分を高くは設定できない。
従って、搭載する車種によっては、シートクッション部の厚みを薄くする必要があり、乗り心地があまり良くないものになってしまう。また、車室内高の低い車種には、この機構を採用できず、車室内が高いいわゆるミニバンタイプ以外の車種には適用が難しいこととなる。
ベース側部4は図7,図8に示すごとく、基板4aの下面における後方左側(助手席側ドア方向)寄り部位に、前記方向回転駆動部2のウォームギア2dに噛合するウォームホイール4bが固定され、上面には、左右両側寄りの各部位に、前後方向のガイドレール4cが敷設されている。
また、略中央部位には、ガイドレール4cと平行なねじ杆4dが横設されていると共に、前方部位にねじ杆4dの回転駆動機構4eが配設され、更にこの基板4aの両側各部位には、前記ガイドレール4cとねじ杆4dに平行して前後方向に長いガイド板4fが、長手方向中央よりやや後方部位において支軸4gにより揺動可能に枢支されている。
なお、前記規制ピン5mは、ローラーでも良く、いわゆる規制部材で足りる。
そしてシートSが車両の正面に向いている状態や、この昇降移動機構3が始動されていない状態である、ベース側部4の略直上位置に可動側部5が位置する状態において(図1,12イ、実線)、ガイド板4fは略水平状態であって、可動側部5の上位リンクアーム5gに枢支されたガイドローラ5kが、ガイド板4fの支軸4gより後方位のガイド面部6における水平面部6a上に位置し、可動側部5の後位ブラケット5bに突設された規制ピン5mは、規制ガイド面部7より後方に外れた部位に位置している態様となっている。
なお、ガイド板4fにおけるガイド面部6は必ずしも傾斜面状部6bを有せず水平面部6aのみの構成であっても差障りない。
この着座乗降シートAは、シートSが車両Cの正面に向いた状態において(図12実線、シート格納時)、フロア固定ベース部1、方向回転駆動部2、昇降移動機構部3、シート保持ベース部8のそれぞれが順次垂直方向に重ねられた状態(図1)であり、昇降移動機構3における可動側部5のガイドローラ5は、前記のごとく、ベース側部4のガイド板4fのガイド面部6における水平面部6aに位置し、規制ピン5mは規制ガイド面部7から外れた部位にある。
これは、シート保持ベース部8におけるモータ8でねじ杆8cが回転されることにより、このねじ杆8cに螺合された前位ブラケット5aのナット体5dを介して、スライドレール5eに摺嵌されたガイドレール8dにより、このシート保持ベース部8が車室外方向に略水平移動するに伴なってせり出し移動される。
これは昇降移動機構3のベース側部4における、回転駆動機構4eの小径ヨークの各モータ4hでねじ杆4dが回転されることにより、可動側部5の後位ブラケット5bが、このねじ杆4dに螺合されたナット体5fを介して、ベース側部4のガイドレール4cに沿って車室外方向に移動されるに伴ないなされるもので、4節リンク構成とされた可動側部5の上位リンクアーム5gに枢支されたガイドローラ5kが、ベース側部4のガイド板4fにおけるガイド面部6の水平面部6a上位置で、後位ブラケット5bに突設された規制ピン5mが規制ガイド面部7から外れた図14イに示す位置から、このガイド板4fの車室外方向である前方に移動される。
この昇降移動機構3によるシートSの上昇移動と、これに続く車両Cの正面方向への方向回転移動は、前記と逆作動となる。
すなわち、4節リンクを車室外方向に移動させるモータ等をシートクッションの下面部内に配置することが可能となり、シート格納時に、これらの構成部材が、シートクッションからはみ出すことがなく、コンパクトに配置できる。
1f ねじ杆
1g モータ
1h ガイドレール
2 方向回転駆動部
2b スライドレール
2c ナット体
2d ウォームギア
2e モータ
3 昇降移動機構部
4 ベース側部
4b ウォームホイール
4c ガイドレール
4d ねじ杆
4e 回転駆動機構
4f ガイド板
4g 支軸
4h 小径ヨークのモータ
4j ギア伝達
5 可動側部
5a 前位ブラケット
5b 後位ブラケット
5c スライドレール
5d ナット体
5e スライドレール
5f ナット体
5g 上位リンクアーム
5h 下位リンクアーム
5j 支軸
5k ガイドローラ
5m 規制ピン
6 ガイド面部
6a 水平面部
6b 傾斜面部
7 規制ガイド面部
7a 傾斜面部
7b 水平面部
8 シート保持ベース部
8b モータ
8c ねじ杆
8d ガイドレール
A 着座乗降シート
C 車両
F フロア
S シート
W ドア開口部
W1 下縁
Claims (3)
- 車体フロアに固定されるフロア固定ベースに回動自在に支持されたベース側部と、該べース側部に対して前後移動自在に取り付けられた可動側部とにより昇降移動機構を構成し、
前記可動側部は、
上面にシートを取り付けるシート保持ベースが前後移動自在に取り付けられた前位ブラケットと、前記ベース側部に対して前後移動自在に取り付けられた後位ブラケットとを、左右両側にそれぞれ配した上位リンクアーム、下位リンクアームを介して互いに回動自在に枢着した4節リンク機構体を有し、
前記ベース側部は、
前記上位リンクアームに軸支されたガイドローラが載置されて転動し、中間部にて前記ベース側部から上方に突出した支軸により揺動自在に軸支されるガイド板を有し、
前記ガイド板は、
前記ガイドローラが転動するガイド面部と、該ガイド面部より後方に設けられた規制ガイド面部とよりなり、
前記ガイド面部は、
少なくとも、前記支軸の前方部位と後方部位に水平面部を有する一方、
前記規制ガイド面部は、
前記支軸の後方部位の前記ガイド面部の水平面部端から段差を介して形成された、前記支軸寄りが低く、かつ、後方にいくにつれ次第に高くなる傾斜面部と、前記傾斜面部の後方端部から水平状態が維持される水平面部と有し、
前記後位ブラケットに設けられた規制部材が前記規制ガイド面部の水平面部上にある場合には、前記ガイド板のガイド面部先端が前記支軸を中心に下方に揺動することを規制して前記ガイド板の水平状態を維持する一方、
前記規制部材が前記規制ガイド面部の傾斜面部上に移動すると、前記ガイド板先端が前記支軸を中心に下向きに傾倒揺動し、
前記規制部材が前記規制ガイド面部の傾斜面部から外れ前記ガイド面部側に移動すると、前記ガイドローラは、下向きに傾倒揺動された前記ガイド面部の上面に沿って降下動することにより、前記前位ブラケットを降下動させる、
ことを特徴とする車両用着座乗降シート。 - 請求項1に記載の車両用着座乗降シートにおいて、
前記ガイド面部は、
さらに、
前記水平面部より前記規制ガイド面部とは逆方向に向うに従い、次第に低くなる傾斜面部を有する、
ことを特徴とする車両用着座乗降シート。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用着座乗降シートにおいて、
前記ベース側部は、
前記可動側部の下位に配設され、前記後位ブラケットに配設されたナット体を介して、前記可動側部を車両の前後方向に略水平移動させるねじ杆と、このねじ杆の回転駆動機構を有し、
前記回転駆動機構は、大径ヨークのモータの出力相当を、2個の各小径ヨークのモータの各出力軸と前記ねじ杆端の間に介装されたギア伝達により対応させると共に、この小径ヨークのモータにより、この機構ひいては全体の高さ寸法を抑えた構成としたことを特徴とする車両用着座乗降シート。
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