JP2006000722A - 水素透過合金膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素を含む混合ガスから水素を選択的に透過・分離する性能に優れ、燃料電池用の水素ガスの精製・分離装置へ適用でき、安価で水素を多量に吸蔵しても崩壊することがない水素透過合金膜及びその製造方法を提供する。
【解決手段】Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に、Cuを40〜60at%含有させて形成し、かつ膜厚が0.5〜50μmであることを特徴とする水素透過合金膜;基板上に、スパッタリング法を利用して、Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に対して40〜60at%のCuを含有する合金膜を形成させた後、基板から合金膜を剥離することを特徴とする水素透過合金膜の製造方法などによって提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素透過合金膜及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、水素を含む混合ガスから水素を選択的に透過・分離する性能に優れ、燃料電池用の水素ガスの精製・分離装置へ適用でき、安価で水素を多量に吸蔵しても崩壊することがない水素透過合金膜及びその製造方法に関する。
Pdに代表される金属膜、あるいはPdを含む合金膜は、水素を選択的に透過・分離する性質を持つため水素透過合金膜として、半導体用シリコン製造等に用いる還元ガス用などの高純度水素精製装置に使用されている。
近年、水素透過合金膜は、燃料電池の燃料として用いる水素ガスの精製・分離装置へ適用されるようになった。水素透過合金膜としては、純Pd、Pd−Ag、Pd−YなどのPd合金が知られている。
例えば、Pdとイットリウム及びランタニド(但し、LaとPrを除く)からなる群から選ばれた一種以上の金属元素との合金が提案されている(特許文献1参照)。また、Agを5〜25at%と、YまたはGdを1〜10at%と、残部Pdよりなる合金(特許文献2参照)、さらには、Pdと合金化する金属がAg、Au、Pt、Rh、Ru、Ir、Ce、YまたはGdであるPd合金膜も提案されている。(特許文献3参照)しかしながら、Pdは貴金属であり材料コストが高いという問題がある。
そのため、Pdに代わる材料として、Nb、Ta、Vなどの5A金属元素を用いた水素透過合金膜が提案されている(特許文献4参照)。Nb、Ta、Vおよびそれらの合金は、水素透過性能が高く、PdまたはPd合金の10倍程度の水素透過係数を持つことが知られている。しかしながら、Nb、Ta、Vなどの5A金属は、水素を多量に吸蔵すると膨張し、崩壊してしまうため、Nb、Ta、Vなどの5A金属のみの金属膜では水素透過膜として使用できないという問題があった。
燃料電池は、最近さまざまな分野で実用化が進んでおり、工場や一般家庭で使用される比較的大型のものだけでなく、自動車などに搭載される小型軽量のものも開発されている。後者のような燃料電池では、水素透過性能が高いだけでなく、安価で、かつ衝撃に対する機械的強度が大きいことも要求されている。
そこで、本出願人は、先に、金属粉もしくはセラミック粉を焼結して得られる多孔体の表面に、V、Nb、Taのいずれか、或いはこれらの一種とNi、Co、又はMoから選ばれる一種との合金からなる膜を形成した水素分離材料を提案した(特許文献5参照)。これにより、水素透過性能が高く、比較的安価な水素透過合金膜を提供することができたが、衝撃に対する機械的強度の面ではまだ十分な性能が得られていなかった。
このような状況下、十分な水素透過性能を有し、材料コストが比較的安く、しかも水素を多量に吸蔵しても崩壊することがない水素透過膜の出現が切望されていた。
特開昭46−7562号公報 特開平3−271337号公報 特開2000−247605号公報 特開平11−276866号公報 特開2001−170460号公報
本発明の目的は、水素を含む混合ガスから水素を選択的に透過・分離する性能に優れ、燃料電池用の水素ガスの精製・分離装置へ適用でき、安価で水素を多量に吸蔵しても崩壊することがない水素透過合金膜及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前述の課題を解決するために鋭意研究を重ね、水素透過性能が高い5A金属を含む各種合金膜、特に5A金属とCuとの合金膜に着目し、数多くの実験を行った結果、Cuと5A金属の固溶限は互いに非常に小さいので、合金膜中では5A金属相とCu相の2相が共存し、しかもCu相は水素をほとんど吸蔵しないので、5A金属相が水素を吸蔵し膨張しても膜の骨格を支持して崩壊を防止することができ、優れた水素透過膜として活用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に、Cuを40〜60at%含有させて形成し、かつ膜厚が0.5〜50μmであることを特徴とする水素透過合金膜が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記5A族金属を主成分とする5A金属相とCuを主成分とするCu相の2相が共存していることを特徴とする水素透過合金膜が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、膜厚が1〜10μmであることを特徴とする水素透過合金膜が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、さらに、その両表面に、膜厚が0.01〜1μmのPd膜が被覆されていることを特徴とする水素透過合金膜が提供される。
一方、本発明の第5の発明によれば、第1〜3の発明に係り、基板上に、スパッタリング法を利用して、Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に対して40〜60at%のCuを含有する合金膜を形成させた後、基板から合金膜を剥離することを特徴とする水素透過合金膜の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第4の発明において、基板上に、スパッタリング法を利用して、順次、Pd膜、その上に、Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に対して40〜60at%のCuを含有する合金膜、さらにその上に、Pd膜を形成させた後、基板から、Pd膜/合金膜/Pd膜からなる積層膜を剥離することを特徴とする水素透過合金膜の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第5又は6の発明において、基板が、ガラス、金属、または樹脂のいずれかであることを特徴とする水素透過合金膜の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第5又は6の発明において、スパッタリング法が300℃以下の温度で行われることを特徴とする水素透過合金膜の製造方法が提供される。
本発明の水素透過合金膜は、Nb、Ta、およびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属と特定量のCuとを含む所定の膜厚を有する合金膜であることから、低価格であって、水素透過性能の優れ、しかも水素透過条件においても崩壊せずに長時間使用できる。そのため、燃料電池用水素透過合金膜として利用することができ、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の水素透過合金膜及びその製造方法を詳しく説明する。
1.水素透過合金膜
本発明の水素透過合金膜は、Nb、Ta、およびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属と特定量のCuとを含む合金によって形成された膜である。
本発明において5A族金属は、Nb、Ta、又はVのいずれかを含有する。これら5A金属は、単独でもよいが、これら金属2種以上の合金でもよい。すなわち、合金には、Nb−Ta、Nb−V、Ta−V、あるいはNb−Ta−Vの各種合金が含まれる。本発明においては、これらの5A金属が、Cuを40〜60at%含有することが重要である。
しかも、5A金属を主成分とする5A金属相とCuを主成分とするCu相の2相が共存している。Cuと5A金属の固溶限は互いに非常に小さいので、合金膜中でCu相と5A金属相の2相が存在する。そして、Nb、Ta、およびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属相は、高い水素吸蔵性を有するがCu相は水素を吸蔵しないので、水素を吸蔵し膨張した5A金属相を支持して崩壊を防止する。そのため、Cuを5A金属に添加することで水素吸蔵による崩壊を防止でき、同時に優れた水素透過性能を発揮することができる。
Cuの含有量は、40〜60at%、特に45〜55at%が好ましい。Cuが40at%未満では、水素を透過する際に膜を構成する5A金属相を十分に支持できなくなり、水素吸蔵による膜の崩壊を防止できない。また、Cuが60at%を超えると、5A金属相の優れた水素透過性能が不十分となってしまう。
合金膜には5A金属とCuが含まれなければならないが、本発明の目的を損なわない限り、Ni、Co、Mo、Feなどの金属が少量含まれていても構わない。但し、Ni、Co、Mo、あるいはFeなどの含有量が5wt%を超えると、同等の水素透過性能を得るためにはCuの含有量を減らさざるをえなくなり、機械的強度が低下するので好ましくない。なお、その他不純物として、製造上不可避な元素が10ppm程度含まれても差し支えない。
また、水素透過合金膜の膜厚は、特に制限されるわけではないが、0.5〜50μm、特に1〜10μmであることが好ましい。水素ガスは、水素透過合金膜が薄いほど多量に流れるから、合金膜の膜厚は50μm以下であることが必要である。しかし、合金膜の膜厚が0.5μmよりも薄いと機械的強度が不足して合金膜が破損してしまい、未精製の水素ガスが漏れてしまう。また、合金膜の膜厚が50μmを超えると、水素透過量が大幅に低減するだけでなく、例えばスパッタリング法で成膜するには長時間を要し生産性が低下するので好ましくない。
この水素透過合金膜を構成している5A金属相の表面が酸化されると水素透過の障壁となってしまう。そこで、本発明では、その合金膜の両表面に水素は透過するが実質的に酸素を透過しないPd膜を被覆する。またPd膜の替わりに水素透過Pd合金として既知のPd−Ag、Pd−Cu、Pd−YおよびPd−希土類合金であってもかまわない。Pd膜を被覆した水素透過合金膜の外観を図1に示す。
Cu及び5A金属を含む合金膜1の両表面に被覆されたPd膜2は、水素ガス分子を解離して合金膜1の中へ溶解させ、また、反対表面では水素ガス分子として再結合させるための触媒層として働き、しかも水素透過合金膜が酸化して劣化するのを防止する効果をもつ。
Pd膜2の膜厚は、特に制限されるわけではないが、0.01〜1μm、特に0.03〜0.8μmが好ましい。Pd膜厚が0.01μm未満ではCu及び5A金属に対する酸化防止が不十分であり、1μmよりも厚いと材料コストが高くなるため好ましくない。
本発明の水素透過合金膜は、それ自体で十分な機械的強度を有するものであるが、必要に応じて、通気性多孔質金属を支持体として用いることができる。
通気性多孔質金属の支持体を金属粒子または金属繊維の焼結体で構成すれば機械的強度を一層大きくすることができる。金属粒子または金属繊維として、ステンレスまたはニッケル基合金などの素材を用いれば、耐熱性、耐食性、耐水素脆化の特性を改善することもできる。なかでも相対密度55〜75%、特に60〜70%の多孔質金属基板が好ましい。多孔質金属支持体の材料と相対密度は、通気性と機械的強度を考慮して選択される。相対密度が55%未満では機械的強度が不十分であり、一方、75%を超えると通気性が低下することがある。
2.水素透過合金膜の製造方法
本発明は、上記のCu及び5A金属を含む合金膜をスパッタリング法によって形成する水素透過合金膜の製造方法である。また、その合金膜の両表面にPd膜をスパッタリング法によって形成する水素透過合金膜の製造方法である。
すなわち、基板上に、スパッタリング法を利用して、Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に対して40〜60at%のCuを含有する合金膜を形成させた後、基板から合金膜を剥離することによって水素透過合金膜を製造する方法である。
また、基板上に、スパッタリング法を利用して、順次、Pd膜、その上に、Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に対して40〜60at%のCuを含有する合金膜、さらにその上に、Pd膜を形成させた後、基板から、Pd膜/合金膜/Pd膜からなる積層膜を剥離することによって水素透過合金膜を製造する方法である。
スパッタリング法には、希ガス(アルゴン、クリプトンなど)プラズマを高周波で発生させる高周波スパッタリング法(RFスパッタリング)、直流電力で発生させる直流スパッタリング法(DCスパッタリング)があるが、いずれも高効率化のため、ターゲットの裏側にマグネットを配置して希ガスプラズマをターゲット直上に集中させ、アルゴンイオンの衝突効率を上げて、低いガス圧で成膜可能としたマグネトロンスパッタ法が付加されている。
スパッタリング法の条件及び用いる装置は、特別なものが要求されるわけではない。ターゲットとしては、Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属を含むターゲット、Cuを含むターゲット、及びPdを含むターゲットが使用される。Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属を含むターゲット、Cuを含むターゲットは別個でもよいが、5A族金属に対してCuが所定の量で含まれた一枚のターゲットであってもよい。
また、基板としては、ガラス、金属、または樹脂が使用される。このうち、比較的均一に成膜でき、成膜後に水素透過合金膜を剥がしやすいことから、ガラスを用いることが好ましい。
スパッタリング法では、温度条件は、300℃以下、例えば常温〜300℃の間に設定される。300℃を超えると、冷却時間が長くなってしまったり、基板の熱変形が生じたり、または基板材料と膜材料とが反応したりするので好ましくない。圧力は、希ガス(アルゴン)で0.1〜10Paとなるようにすれば良い。真空装置内に前記ターゲットを設置し、真空条件のアルゴン、クリプトンなどの希ガス雰囲気下、希ガスイオンをターゲットに照射して原料の微粒子を叩き出し、基板上に成膜する。
基板上に直接5A族金属に対してCuが40〜60at%含有された合金膜を形成させることができる。ただし、得られる合金膜は酸化されやすいのでPdを含む酸化防止膜をその表面に形成して、Pd膜/合金膜/Pd膜とする。
Pd膜/合金膜/Pd膜からなる積層膜を製造するには、まず、Pdを含むターゲットをスパッタリングし、基板上にPd膜を形成し、次に、真空を破ることなく引き続いて上記の要領で前記5A族金属を含むターゲットと、Cuを含むターゲットとをスパッタリングし、Pd膜上に前記5A族金属に対してCuが40〜60at%含有された合金膜を形成する。そして最後に真空を破ることなく、再びPdを含むターゲットをスパッタリングし、表面酸化のない合金膜上にPd膜を形成する。
水素透過合金膜を基板から剥離するには、特別な手段が必要とされるわけではない。基板を適度な温度に加熱冷却したり、あるいは専用の溶剤を用いて合金膜と基板の界面の密着性を低下させれば、剥離しやすくすることができる。
次に、本発明の実施例を比較例とともに例示するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
スパッタリング装置(ULVAC社製、SBH2306RDE)を用い、内部にPdターゲット、Nbターゲット、Cuターゲットを取り付けるとともに、基板ホルダーにクラウンガラス板(56mm×76mm)を取り付けた。次に、装置内を5×10−04Pa以下まで真空排気したのち、Arガス圧を1Paとし、先ず、Pdターゲットに対して、DC1.0Aのスパッタ電流を投入して、基板上にPdを0.05μm成膜した。
続いて、NbターゲットとCuターゲットに、それぞれ2.0Aと1.0Aのスパッタ電流を同時に投入して、Pd膜の上にNb−Cu合金膜を5μm成膜した。続いて、再びPdターゲットにDC1.0Aのスパッタ電流を投入して、Nb−Cu合金膜の上にPdを0.05μm成膜した。
成膜された基板を大気中に取り出し、クラウンガラス板から膜を剥離して、水素透過合金膜を得た。膜のNbとCu組成をICP分析した結果、Nb−56at%Cuであった。
これを適度な大きさ(円板)に切断して、下流側に厚さ0.5mmのSUS316製多孔質支持体を当てて、水素透過面積0.5cmの水素透過測定装置に取り付け、電気炉内を300℃に加熱した。その後、水素透過合金膜に水素ガスを流し、圧力差0.1MPaに設定し、透過水素流量をマスフローメーター(日本アエラ(株)製、FM−390)で測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)(比較例1、2)
実施例1のスパッタリング方法において、NbターゲットとCuターゲットに投入するスパッタ電流を変化させることにより、Cuの含有量が異なるNb−Cu水素透過合金膜を作製した。実施例1と同様にして合金膜の表面にPd膜を形成後、それを用いて透過水素流量を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)(比較例3、4)
実施例1のスパッタリング方法において、NbターゲットとCuターゲットによるスパッタ時間を変化させることにより、厚さが異なるNb−Cu水素透過合金膜を作製した。実施例1と同様にして合金膜の表面にPd膜を形成後、それを用いて透過水素流量を測定した。結果を表1に示す。なお、比較例3は、Nb−Cu水素透過合金膜の表面にPd膜を形成していない。
(実施例4〜6)(比較例5、6)
実施例1のスパッタリング方法において、Nbターゲットの代わりにTaターゲット、又はVターゲットを用いてスパッタリングを行い、同様にしてTa−Cu水素透過合金膜、V−Cu水素透過合金膜を作製した。また、Nb−Ta合金ターゲットを併用して、スパッタリングを行い、同様にしてNb−Ta−Cu水素透過合金膜を作製した。実施例1と同様にして合金膜の表面にPd膜を形成後、それを用いて透過水素流量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006000722
「評価」
実施例1〜6の合金膜は、いずれも崩壊することなく、1.4〜20.2sccmの水素ガスを透過し、水素ガス精製・分離用として有用であることが分かった。
これに対し、比較例1、3、5の合金膜を用いると、膜の下流では透過水素ガスをほとんど検出できなかった。比較例2、4、6の合金膜では、水素ガスを導入すると合金膜が崩壊し漏れが発生したことから、比較例1〜6の合金膜は、水素ガス精製・分離用として使用できないことが分かった。
本発明の水素透過合金膜の外観を示す斜視図である。
符号の説明
1 5A金属−Cuからなる水素透過合金膜
2 Pd膜

Claims (8)

  1. Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に、Cuを40〜60at%含有させて形成し、かつ膜厚が0.5〜50μmであることを特徴とする水素透過合金膜。
  2. 前記5A族金属を主成分とする5A金属相とCuを主成分とするCu相の2相が、共存していることを特徴とする請求項1に記載の水素透過合金膜。
  3. 膜厚が1〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の水素透過合金膜。
  4. さらに、その両表面に、膜厚が0.01〜1μmのPd膜が被覆されていること特徴とする請求項1に記載の水素透過合金膜。
  5. 基板上に、スパッタリング法を利用して、Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に対して40〜60at%のCuを含有する合金膜を形成させた後、基板から合金膜を剥離することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水素透過合金膜の製造方法。
  6. 基板上に、スパッタリング法を利用して、順次、Pd膜、その上に、Nb、TaおよびVの群から選ばれる少なくとも1種の5A族金属に対して40〜60at%のCuを含有する合金膜、さらにその上に、Pd膜を形成させた後、基板から、Pd膜/合金膜/Pd膜からなる積層膜を剥離することを特徴とする請求項4に記載の水素透過合金膜の製造方法。
  7. 基板が、ガラス、金属、または樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項5又は6に記載の水素透過合金膜の製造方法。
  8. スパッタリング法が、300℃以下の温度で行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の水素透過合金膜の製造方法。
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