JP2005533923A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2005533923A5
JP2005533923A5 JP2005505620A JP2005505620A JP2005533923A5 JP 2005533923 A5 JP2005533923 A5 JP 2005533923A5 JP 2005505620 A JP2005505620 A JP 2005505620A JP 2005505620 A JP2005505620 A JP 2005505620A JP 2005533923 A5 JP2005533923 A5 JP 2005533923A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acrylate
film
acid
functional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005505620A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005533923A (ja
JP5496440B2 (ja
Filing date
Publication date
Priority claimed from US10/205,178 external-priority patent/US6844412B2/en
Priority claimed from US10/265,576 external-priority patent/US6777026B2/en
Application filed filed Critical
Priority claimed from PCT/US2003/023360 external-priority patent/WO2004011536A1/en
Publication of JP2005533923A publication Critical patent/JP2005533923A/ja
Publication of JP2005533923A5 publication Critical patent/JP2005533923A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5496440B2 publication Critical patent/JP5496440B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

常温硬化型塗料及びそれらが塗布されたゴム製品
本発明は、ゴム状エラストマー、硬質金属又は軟質−硬質熱可塑性基材のような基材にはけ塗り、浸漬又は吹付け塗布されて、基材に優れた外観、溶媒及び燃料耐性、及び優れたオゾン耐性を提供する常温硬化型塗料としての低粘度の有機溶液に関する。かかる塗料は、柔軟性あって原装置に工場塗布できる又はアフターマーケット塗料又は修理仕上げ塗料として提供できる。
湿気硬化で可塑化ゴム状重合体及び反応性シランを含有する迅速に反応するシーラントは、触媒と共に既知である。例えば、米国特許第6,335,412号、米国特許第5,051,463号、米国特許第6,025,445号及び米国特許第6,410,640号を参照されたい。かかるレオロジー及び可塑剤は、これらの組成物をはけ塗り、浸漬、及び吹付け適性の塗料、及び可塑剤を不適正にさせる。1−5ミルの薄膜塗料として、可塑剤は付着及び擦り傷発生を妨げることが期待される。さらに、かかるシーラントに使用される触媒は可使時間に関して問題を提供する。はけ塗り、浸漬及び吹付けによって塗布される塗料は、一旦塗料組成物が大気に開放されたらゲル化が生じないように十分な可使時間と共に低粘度溶液を必要とする。数時間で指触乾燥状態になる硬化速度を提供するが、十分な可使時間を提供する塗料が有効である。
米国特許第6,335,412号 米国特許第5,051,463号 米国特許第6,025,445号 米国特許第6,410,640号
はけ塗り、浸漬及び吹付けによって塗布される塗料は、一旦塗料組成物が大気に開放されたらゲル化が生じないように十分な可使時間と共に低粘度溶液を必要とする。数時間で指触乾燥状態になる硬化速度を提供するが、十分な可使時間を提供する塗料が有用である。
本発明は、種々の目的で軟質エラストマー基材に塗布できるゴム状、高伸び、耐候性塗料組成物において常温硬化型塗料及びそれが塗布された製品を提供する。その塗料組成物に使用される好適な皮膜形成重合体はオゾン、油及び溶媒に対する耐性を提供、そして他の実施態様は基材の化粧外観を高める目的で塗布される。本発明の塗料組成物は、長期の屈曲−疲労耐性を有し、硬化状態において不支持皮膜として少なくとも100%伸びを示す。
その硬化性塗料混合体は、二液型の混合体であって、第1部は官能化皮膜形成重合体の溶液を含有し、第2部はその官能化重合体と共反応性の硬化成分を与える。プレミックスした第1部の溶液としての安定性は数ヶ月までに限定される。その硬化性皮膜形成剤と硬化成分は4〜25%の全固形分に一緒に混合される。その粘度は、選択される成分に依存して変わり、塗料が吹付け、はけ塗り又は浸漬されて0.001−0.020ミルの薄い皮膜を形成するように20,000cps(B型粘度)未満でなければならない。
さらに詳しくは、本発明の塗料組成物は、有機溶液に4〜25%の固形分を含有し、水を実質的に含まず(<1000ppm)、遊離イソシアネート基が1000ppm未満で、縮合触媒を含まない希釈、吹付け可能塗料を含んで成り、(A)部は0℃未満のTgを有する官能化疎水性皮膜形成剤100部を含有し、(B)部は皮膜形成剤100重量部当り25〜150部の共反応性シラン硬化成分を含有し、残部は前記皮膜形成剤用の少なくとも1つ有機溶媒である。そのシランは皮膜形成重合体の官能部位に化学的に結合して、被塗装品の空気への暴露時に加水分解性基の縮合の際にシラン結合を形成する。
別の特定の実施態様において、金属充てん、熱放射性エラストマー系塗料は、加硫促進剤を欠き、熱無しで硬化性であって、柔軟性重合体基材、特に加硫ゴム製品に塗布したときに耐久性、耐候性接着性及び長期の放熱を示す。
ここに開示の好適な塗料は、周囲条件で硬化し、溶媒及び燃料耐性であって優れたオゾン耐性を示す。利用される硬化皮膜形成重合体は少なくとも90%の光透過性を有し、硬化状態において約90%以下の不飽和を有し、熱伝導性金属微粒子充てん剤から輻射熱の反射(放射)及び熱伝導性が著しい量の熱を偏向及び逸散でき、一方その塗料は永久に接着して、応力又は環境割れ又は脆化をしないマトリックスを提供する。かかる塗料は、空気入り又は非空気入りのホイール及びタイヤ、ホース、ベルト、マウント、等のような成形ゴム製品を塗工するのに有用であり、特に輻射熱を放出するエンジンブロック又は他の工業部品のようなホットボデイの近くに使用される場合に有用である。
官能化皮膜形成剤及び官能化方法
用語[疎水性]は、皮膜形成重合体の少なくとも80%が水不溶性単量体から誘導されることを意味する。被膜形成剤はポリオキシアルキレン共重合体を除く。
ここで使用される官能化エラストマー皮膜形成剤は、一つ以上の反応ルートによって硬化成分で硬化する。それぞれがその重合体に同一又は異なる官能基を有する2つの異なる官能化皮膜形成剤のブレンドが適当である。例えば、カルボキシル化水素化ニトリルブタジエンとエチレンアクリル重合体のブレンドが作用する。塩形成反応及び縮合反応が、皮膜形成重合体と硬化成分との間に生じる。硬化成分と皮膜形成重合体の官能基との間の相互作用は、求電性−求核性の相互作用を含む。被膜形成剤の官能基は、その重合体及び硬化成分のそれ自体及び塗布基材への硬化に加えて、硬化成分と被膜形成重合体との間に硬化ルートを提供する。被膜形成重合体の官能基は、例えば反応性基を有するコモノマーの共重合によって、及び重合後重合体に官能基を導入することによって被膜形成重合体を改質する種々の方法で提供できる。
用語[官能化]は、(1)求電子、求核、特に活性水素含有部分が共重合されるエチレン性不飽和コモノマーの部分である、又は(2)求電子、求核、特に活性水素含有化合物が、重合後、皮膜形成ベース重合体にグラフト結合されるグラフト結合化合物又はエチレン性不飽和コモノマーの部分である、(3)化合物をグラフト結合する及び重合後に被膜形成ベース重合体にグラフト結合されるコモノマーの部分として活性水素基に反応性の基であることを意味する。そのコモノマー又はグラフト化合物は皮膜形成重合体構造にイオン及び/又は共有結合で結合するようになり、周囲温度で共反応性の硬化成分と反応できるペンダント基を与える。
官能基含有化合物を適当な官能基先駆物質に転化する、又は適当な先駆物質のラジカルを直接導入するような活性水素含有官能基又はそれと共反応性の基を重合化非官能性エラストマーに導入する通常の方法は、エラストマーが溶液又溶融状態にあるとき、アリル水素が求エン体に移動して2つの不飽和末端間の結合が生じるエン反応を介して、又は炭素−炭素二重結合間の遊離基付加又は溶融状態であるときに達成されうる。しかし、重合体が溶融状態にあるときに、押出機のような高機械的せん断を与えることができる手段を使用して、転化される官能基を導入する又は適当な先駆物質ラジカルを直接導入する必要な反応を行なう。一方、適当な先駆物質に転化される官能基又は直接導入される先駆物質ラジカルが、金属化続いて適当な求電子剤での反応のような技術によって導入されるときの導入は、溶液中の重合体で行なうことが望ましい。
官能基又は官能基先駆物質の導入に利用できるいくつかの方法の内で、ENE反応のようなエラストマー重合体の最少結合で導入の各部位で単一官能基又は官能基先駆物質を導入する方法及び金属化続く求電子との反応を含む方法が望ましい。適当な先駆物質に転化される官能基がエラストマーに導入されるとき、官能基の先駆物質ラジカルへの転化も一般に溶液中の重合体で行なわれる。一般に、かかる溶液中のエラストマーの重合体の調製に有用な既知の溶媒はいずれもこれらの反応又は転化の実施に使用される。
本発明に使用される求核性又は求電子性架橋硬化部位を含むこれまで非官能性付加重合を提供する種々の後重合官能化技術は既知である。ヒドロキシル基は、ここで使用される硬化成分との架橋反応をさせるのに有用な官能基である。米国特許第4,118,427号は、ポリイソブチレン又はエチレン−プロピレンゴムのような高分子量の飽和炭化水素重合体をオゾン化し、続いてそのオゾン化材料を還元する;例えば、水素化ジイソブチルアルミニウムのような還元剤を使用してヒドロキシルを含有する重合体を生成することによって、ヒドロキシル含有硬化性液体炭化水素プレポリマーを開示している。
求電子性基−置換硬化成分又は加水分解性基と共反応性である被膜形成重合体に組み込むことができる求核性及び/又は活性水素官能基の部分的リストは、ヒドロキシ−、メルカプト−、イソシアナト−、アミノ−、フェノール−、及びカルボキシル−基である。皮膜形成剤に組み込まれ、求核性基−置換硬化成分と共反応性の求電子性基の例は、ハロゲン化アルキル−、ハロゲン化ベンジル−、ハロゲン化アリル−、エステル−、エーテル−、無水物−基、等である。皮膜形成重合体がペンダント求核性基を含有するとき、シラン硬化成分のシリコーン原子の少なくとも1つの原子価に提供される対応する基は、アルコキシ−、ヒドロキシ−、メルカプト−、イソシアナト−、アミノ−、フェノール−、グリシド−、カルボキシル−、オキシラン−、ハロゲン化ベンジル−、ハロゲン化アリル−、ハロゲン化アルキル−、エステル−、エーテル−、及び/又は無水物−基を含むことができる。
(A)官能化コモノマー
ここで使用される硬化性皮膜形成重合体は、エラストマー形成単量体と官能化コモノマーを一緒に共重合させる、又は官能基含有単量体又は反応性化合物と重合体とを反応させることによって生成することができる。その組み込まれた反応性基は、続いてここに記載した硬化成分の反応によって重合体を硬化する。その硬化法は、共重合体上の又は共重合体にペンダントした対応反応性官能基架橋する活性水素含有官能基又は活性水素反応性基と架橋成分との反応を利用する。通常実施されているように、皮膜形成重合体の重合中に官能基含有コモノマーを導入するのが便利である。遊離基付加共重合、アニオン付加重合、遊離基グラフト結合、複分解グラフト、及び加水分解グラフトと種々の方法が技術的に知られている。その官能基を含有する重合体又は共重合体は、α−オレフィンエラストマー、ジエンエラストマー、水素化ジエンエラストマー、フルオロエラストマー、架橋性α−オレフィン共重合体エラストマー、アクリルゴム、アクリレート又はメタクリレート共重合体、及びエチレン−カルボキシレート、等を含む。
ゴム状共重合体エラストマーの好適な例は、限定ではないがアニオン重合オレフィンエラストマーを含む。アニオン重合オレフィンゴムの例は、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン単量体ゴム、ポリイソブチレン、又は「ブチルゴム」、又は任意に30重量%までを含有する共役ジエン(例えば、イソプレン)と任意に共重合するイソオレフィンの他の重合体、又はα,β−エチレン性不飽和ニトリル及び/又はスチレンコモノマー(例えば、スチレン及び/又はアルキル置換スチレン)等を含む。特に望ましいエラストマーは、イソブチレン−イソプレン共重合体、イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体、等を含む。
適当なペンダント活性水素官能基は、米国特許第4,987,200号に開示されている方法によってアミン−官能化エチレンプロピレンジエン単量体ゴム(EPDM)を生成する方法によって提供される。同様に、ヒドロキシル基で官能化される高分子量のイソブチレン共重合体は、EPA325997号に記載されている方法を使用して生成できる。さらに、典型的に0.5〜2.0モル%の低レベルのハロゲンを含有する市販のハロゲン化イソブチレンをベースにした重合体は、アルキルアミン又はアミノアルコールと混合してそれぞれアミン又はヒドロキシル官能基を生成できる。
重量平均分子量が1000〜200,000でヒドロキシル及び/又はアミン官能基を含有する官能化エラストマーは既知である。ヒドロキシルを末端基とするポリイソブチレンは、塩素を末端基とするポリイソブチレンを脱塩化水素、ヒドロホウ素化及び酸化することによってカチオン重合したイソブチレンの末端位置にヒドロキシ基を導入することによって便利に調製される。イソブチレン単量体をカチオン重合することによって得られる塩素を末端基とするポリイソブチレンは既知である。例えば、Faust及びKennedyin,「Living Carbocationic Polymerization:III.Demonstration of the Living Polymerization of Isobutylene」、Polym.Bull.15:317−23(1986)を参照されたい。該文献は、イソブチレンのリビングカルボカチオン重合及びそのリビング配合をメタノール及び他のアミンのような試薬で急冷することを開示している。
その幾つかが米国特許第5,350,819号;5,169,914号;4,910,321号に開示されているリビング重合法は、皮膜形成重合体を生成する好適な技術である。そのリビング重合が、例えばイソブチレンを使用して得られる一般的条件は、(1)第三級ハロゲン化アルキル、第三級アルキルエーテル、第三級アルキルエステル、等のような開始剤;(2)典型的にチタン、ホウ素、又はアルミニウムのハロゲン化物を含むルイス酸共開始剤;(3)プロトン掃去剤及び/又は電子供与体;(4)その誘電率が既知のカチオン重合系及び単量体に従ってルイス酸及び単量体の選択を考慮して選択される溶媒を含む。
末端官能性皮膜形成重合体
求電子性基、求核性基、活性水素基を有することを特徴とする基、又は活性水素基と反応性の基は、ここで有用な皮膜形成重合体の末端に組み込むことができる。硬化成分の活性水素と共反応性の末端基が有用である。これらの皮膜形成重合体は既知の方法によって調製される。
米国特許第5,448,100号は、ルイス酸を用いたイソブチレンの「イニファー」(開始剤−移動剤)開始カルボカチオン重合によって重合体を生成し、続いて硫酸アセチルで最終急冷及び蒸気ストリッピング又はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、又はアセトンによる沈殿によって調製されるスルホン化テレケリックポリイソブチレンを開示している。その重合は、塩素化溶媒中で生じることが望ましく塩化メチレン、塩化メチル、又は5〜10の炭素原子有する脂肪族又は脂環式化合物のような溶媒の混合体中で生じるのが最も望ましい。ルイス酸は、例えば、三塩化ホウ素又は四塩化チタン、又は他の金属ハロゲン化物(四塩化スズ、塩化アルミニウム、又はアルキルアルミニウムを含む)にすることができる。最終急冷は、好適には−90℃〜0℃の温度、最適には重合温度又は錯体の分解温度で行なうことが望ましい。ポリイソブチレン:硫酸アセチルのモル比は1:1又はそれ以上が望ましい。
硬化成分と反応性の末端活性水素基を持つポリイソブチレンのような皮膜形成重合体を提供する別の例は、ヒドロキシ又はアルコキシ基又は他の加水分解性基を持つ末端シラン基である。これらは、末端シラン第三級炭素−塩素を脱ハロゲン化水素、続くエチレン不飽和シランでの付加反応の既知ルートによって得られアルキルトリメチルシランと末端第三級炭素−塩素結合を有する重合体の反応末端に不飽和基を有するポリイソブチレンを与え、続いて白金触媒を使用して末端不飽和基とヒドロシラン化合物との間の付加反応を与える。
ヒドロシラン化合物として、トリクロロシラン、メチルジクロロシレン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シラン;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、等のようなアルコキシシラン;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、等のようなアシルオキシシラン;及びビス(ジメチルケトオキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトオキシメート)メチルシラン、等のようなケトオキシメートを挙げることができる。これらの中で、ハロゲン化シラン及びアルコキシシランが望ましい。
かかる製造法は、例えば、日本特許の特公平4−69659号公報、特公平7−108928号公報、特開昭63−254149号公報、特開昭64−22904号公報、特許第2539445号公報に記載されている。
(i)ジエンラストマー
皮膜形成重合体としてここで使用するのに有用な官能化水素化ジエン共重合体は、約50,000以上、典型的には200,000〜500,000の分子量を有する固相の高重合体であって、10重量%以下の共役ジエンセグメントを含有する。これらの重合体は、反応性末端基官能性液体重合体、例えば、単独の皮膜形成重合体としては不適当であるがより高分子量の皮膜形成重合体(50,000以上)と混合できるATBN及びCTBNのような液体、官能化オリゴマーとは区別される。水素化塗料重合体を調製する不飽和官能化重合体は、概して50〜85重量%の共役ジェン単量体単位、5〜50重量%の1つ以上の非共役エチレン性不飽和単量体単位、及び1〜20重量%の反応性架橋部位を持つ官能性コモノマー又はグラフト結合化合物を含む。好適な共役ジエン単量体単位は1,3−ブタジエン単量体から誘導され、非共役エチレン性不飽和単量体単位は、不飽和アクリルエステル、メタクリルエステル、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルのようなニトリル、スチレン及びアルキルスチレンのようなモノビニル芳香族炭化水素、及びビニリデンコモノマーから選択される1つ以上のエチレン性不飽和単量体から誘導される。ジビニルベンゼンのようなジビニル芳香族炭化水素、ジイソプロペニルベンゼンのようなジアルケニル芳香族存在しないことが望ましい。他のコモノマーは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート又はメタクリレートようなアルキル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン及び酢酸ビニルのようなビニルエステルを含む。好適な官能性コモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、及びマレイン酸のような不飽和カルボン酸及びそれらのエステルから選択される。官能化ジエンエラストマー皮膜形成剤の好適なガラス転移温度は、塗膜に屈曲−割れ/屈曲疲労耐性を与えるために0℃を越えてはならず、好適には−25℃未満である
カルボキシル末端基は、ムオゾニドを生成し、アルデヒド末端基を過酸化物又は過酸を使用してカルボニル基に酸化する連鎖分断法によって−C−CH=CH−C−型不飽和を含有するジエンエラストマー高重合体に形成できる。或いは、ゴムオゾニドのヒドロキシル末端基は、触媒水素化又は金属水素化物又は水素化ホウ素のような還元剤による還元技術によって形成できる(例えば、英国特許第884,448号参照)。同様に、米国特許第4,118,427号は、ポリイソブチレン又はエチレン−プロピレンゴムのような高分子量飽和炭化水素重合体をオゾン化し、続いてそのオゾン化材料を還元する;例えば、好適には水素化ジイソブチルアルミニウムのような還元剤を使用して母重合体よりも実質的に低分子量のヒドロキシル−含有液体プレポリマーを生成することによる液体ヒドロキシル−含有硬化性液体炭化水素プレポリマーを開示している。
官能化グラフト化合物としてメルカプトアルコール、又はメルカプトカルボキシレートの組み込みは、本発明における使用に適する。適当なヒドロキシルメルカプタン及び/又はメルカプトカルボン酸エステルはヒドロキシルを含有する。HS−R−OH化合物は、(式中のRは線状、分枝又は環状のC1−C36アルキル基であり、任意に6以上までの更なるヒドロキシル基によって置換できる、又は窒素、酸素又は硫黄原子によって遮断できる)化合物を含む。HS−(CHR−(C(O)ROH)(式中のRは水素又はC−Cアルキル基であり、Rは線状、分枝又は環状のC−C36アルキル基であり、任意に6以上までの更なるヒドロキシル基によって置換できる、又は窒素、酸素又は硫黄原子によって遮断できる、−OHは第一級が望ましい、nは1〜5の整数であり、mは1〜2の整数である)のようなメルカプトカルボキリレートが適当である。
好適なヒドロキシメルカプタンは、メルカプト−エタノール、1−メルカプト−3−プロパノール、1−メルカプト−4−ブタノール、α−メルカプト−ω−ヒドロキシオリゴエチレンオキシド、例えば、α−メルカプト−ω−ヒドロキシオクタエチレングリコール、又は対応するエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリエーテルである。メルカプト−エタノール及びα−メルカプト−ω−ヒドロキシオリゴエチレンオキシドが望ましい。ヒドロキシル基を含有する好適なメルカプトカルボン酸エステルは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピテングリコール、及びN−メチルジエタノールアミンとメルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸及びメルカプト酪酸のエステルである。メルカプト酢酸及び3−メルカプトプロピオン酸の対応するエステルが特に望ましい。メルカプト化合物と反応する適当なタイプのエラストマー皮膜形成ベース重合体は、イソブチレン、クロロプレン、ポリブタジエンイソブチレン/イソプレンの重合体、ブタジエン/アクリロニトリル、ブタジエン−アクリレート系共重合体、S−B共重合体、ブタジエン−ビニリデクロリド−アクリレート系共重合体を含む。官能性皮膜形成重合体を作るためのメルカプト化合物の組み込み方法は、米国特許第6,252,008号に開示されている。そのゴムは0.1〜5重量%の範囲内の結合ヒドロキシル基を含有する。米国特許第6,252,008号の方法に従って組み込まれたヒドロキシル基を含有する溶液重合ジエンゴムの分子量は、5〜15%固形分の希薄溶液が得られて、吹付け、はけ塗り又は浸漬可能である範囲、例えば10,000〜200,000Mn(ゲル透過クロマトグラフィー)なければならない。
ホルムアルデヒドでの付加反応、一酸化炭素との反応続く水素化、及ヒドロホウ素化続く加水分解及びエチレン不飽和基を含むシランを使用した共重合のようなOH基をここで使用する適当な皮膜形成重合体に組み込む他の既知方法がある。代表的なシランコモノマーは、反応性シリコン基を有するビニルシラン又はアリルシランを含み、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランを挙げることができる。
官能化ジエンエラストマーは、本発明の有機溶媒をベースにした塗料の実施態様に対する最適の実施態様に関して官能化ブタジエンアクリロニトリル共重合体を記載できるが、同様に、ここでの教示から無数の他の適当な機能化ジエン共重合体の調製に適用できる。ニトリルエラストマーは低温柔軟性、油、燃料及び溶媒耐性並びに良好な磨耗及び水耐性のような有益な特徴を与えて、それらを本発明に従っ広範囲の塗料用途に適するものにする。
本発明は、官能化水素化ニトリルゴムで最適に実施される。反応性官能基でのHNBRの官能化は、塗料組成物を架橋させて、エラストマー基材への必須レベルの接着性を得るのに臨界的有効な方法を提供する。エラストマー基材への適切な接着なしでは、塗料は早期の屈曲‐割れ及び/又は剥離を示す。HNBR用官能基は、一般に活性水素基、エチレン不飽和基又は加水分解性基を含有するものとして分類される。架橋は、ここに挙げた架橋成分の付加を介して水分、熱(赤外線、熱)への暴露、UV照射、又はe‐ビーム照射によって行なうことができる。反応性官能価に依存して、ジエン共重合体に組み込まれる。以下に示すいくつかの官能化HNBRの実施態様は、添加架橋剤なしに自己硬化性であり、全てが、限定ではないがジニトロソベンゼン、ZnO、γ−POM,レゾール、多官能性アミン、イソシアネート、アクリレート、ジシアンアミド、ジカルボキシイミド、及びホルムアルデヒド(又はUF、MF)樹脂のような官能化HNBRに添加される適当な架橋成分で硬化できる。
別のとして、官能化HNBRは技術的に既知の種々の方法によって調製できる。官能基は、官能基含有コモノマーの使用、又はグラフト結合性、官能基含有化合物の使用、及び複分解使用によるNBRの官能化、続いて改質NBRの水素化による官能化HNBRの提供、又はメチロール化フェノールとNBRの反応、続いて改質NBRの水素化による官能化HNBRの提供によって組み込むことができる。
活性水素をもつ官能基を含有する官能化HNBRは、硬化性、輻射性塗料組成物における好適な架橋性被膜形成剤である。NBRにおける不飽和基(即ち、ビニル及び置換オレフィン、ニトリル)の存在は、反応性官能価が付加されて、さらに架橋、後重合体官能化、及びグラフト反応に使用される反応性部位を提供する。これらの反応性部位は、触媒又は非触媒化学を介して改質できる。かかる改質は、オレフィン部位のエポキシ化によってエポキシドのようないずれの数の活性水素官能基も導入できる。エポキシドは、開環反応を介して他の官能基に容易に転化できる。例えば、グリコールは塩基で開環によって生成され、グリコールエーテルはアルコキシド又はフェノキシドで、アルコールはカルバニオン又は水素化物で生成される。さらに、エポキシドは、当業者に利用できる化学を使用して架橋可能部位として役立つ。多くの他の官能基は、主鎖オレフィンの反応:ヒドロホルミル化(アルデヒド、アルコール、カルボン酸)、ヒドロカルボキシル化(カルボン酸)、ヒドロエステル化(エステル)、ヒドロシリル化(シラン)、ヒドロアミン化(アミン)、ハロゲン化(ハロゲン)、クロロスルホニル化(塩素、スルホン酸)、ヒドロホウ素化(ボラン、アルコール、アミン)によって導入される。かかる変換の例は、Tremont(McGrath,M.P.;Sall,E.D.;Tremont,S.J.「Functionalization of Polymers by Metal‐Mediatged Processes,」Chem.Rev.1995,95,381)によって総説されている。NBRエラストマーのニトリル基も酸触媒法におけるアルコールとの反応によってアミドに転化され、加水分解を介してカルボン酸に転化される。
Figure 2005533923
架橋は、架橋成分、湿気、熱の添加、UV照射、又はe‐ビーム照射を介して行なうことができる。HNBRに結合した反応性官能及びその意図する用途に依存してジニトロソベンゼン、ZnO、γ−POM、レゾール、多官能性アミン、イソシアネート、アクリレート、及びジシアンジアミドのような適当な架橋成分が官能化HNBRに添加される。特に望ましい架橋成分は、エラストマー製品に良好な結合を得るために技術的に既知の成分である。これらの成分は、DNB、ZnO、及びQDOを含み、広範囲のエラストマー材料への官能化HNBRの接着性を高めるために添加できる。
ジエンエラストマーに組み込まれる反応性官能価は、非限定例として、上記官能基の中でフェノールOH、脂肪族OH、アミン、イソシアネート、エポキシ、アクリレート、シリルエーテル、シリルクロリド、無水物、マレイミド、及びディールス・アルダージエノフィルを含む。
硬化反応用の適当な硬化成分及び助剤は、本発明のR.F.を硬化するため接着剤及び塗料の分野における先行文献及び特許において周知である。例えば、重合体の官能基がフェノールのときには、イソシアネート、ジカルボキシイミド、ホルムアルデヒド源及びレゾールがフェノール−官能化HNBRを架橋させるのに有用である適当な硬化成分である。同様に、アミン官能化HNBRは、例として、イソシアネート又はジカルボキシイミド、ホルムアルデヒド源およびレゾールを使用して架橋できる。エポキシ官能化HNBRは、エポキシ接着剤及び塗料の技術で既知のように、適当なアミン及びジシアンジアミド成分で架橋して硬化できる。イソシアネート官能化HNBRは、湿気又はアミン又はポリオールのような他の硬化剤の添加によって架橋又は硬化できるので特に関心がある。HNBRの部分としてイソシアネートの組み込みは、それが遊離単量体従って揮発性イソシアネートの量及びその報告されている健康及び安全問題を低減させるために、特に望ましい。潜在性イソシアネート官能化HNBRは、アミン官能化HNBR(又はNBR)とジアリールカーボネートとを反応させて、ウレタン官能化HNBR(又はNBR)を与えることによって調製できる。ウレタンの熱クラッキングは、イソシアネート官能化HNBR(又はNBR)を生成する(例えば、Kothandaraman,K.;Nasar,A.S.”The Thermal Dissociation of Phenol‐Blocked Toluene Diisocyanate Crosslinkers“,J.M.S.ーPureAppliedChem.1955,A32,1009;Wicks,D.A.;Wicks,Z.W.″Blocked Isocyanates III:Part A.Mechanisms and Chemistry”,Progress in Organic Coatings 1999,36,148;Mohanty,S.;Krishnamurti,N.”Synthesis and Thermal Deblocking of Blocked Diisocynate Adducts,“Eur.Polym.J.1998,34,77を参照)。皮膜形成重合体の無水物官能は、アミン官能性硬化成分に結合する。シリルエーテル及びクロロシランは、他の実施態様において利用して皮膜形成重合体を架橋させることができる。
皮膜形成エラストマーに官能基を組み込むための上記グラフト法の詳細例は多官能性グラフト結合性材料、例えば多官能性アクリレート、マレエートポリブタジエン、及び二官能性アクリレートの金属塩との溶融皮膜形成エラストマーの溶融処理である。例えば、EPDMのようなオレフィンエラストマーは、酸化亜鉛のような酸掃去剤5部、1部のステアリン酸、酸化防止剤及び過酸化物を2段ロールミルによって混練し、続いてトリメチロールプロパントリアクリレート、マレエート液体ポリブタジエン、又は亜鉛ジアクリレートのような多エチレン性不飽和化合物の5〜10部をフラックスロールに添加する。官能化HNBRは、上記複分解、続いて改質NBRの水素化によって官能化HNBRを与える、及び(2)メチロール化フェノールとNBRとの反応、続いて改質NBRの水素化によって官能化HNBRを与えることによって調製できる。
カルボキシ、無水物、ヒドロキシ官能性のような反応性ペンダント官能基を組み込む新規の方法は、NBRエラストマーについて次のように提供される。
ここで有用な適当な不飽和皮膜形成重合体、特にNBRの直接官能化は、オレフィン複分解化の使用を介して行なう。そのオレフィンC=C二重結合は触媒及び単量体と反応させる。オレフィン複分解触媒は、ニトリル官能基の存在下で複分解反応を触媒できなければならない。その単量体は、オレフィン複分解反応(例えば、開環複分解重合[ROMP]、交差複分解、開環‐交差複分解、及び非環式ジエン複分解重合[ADMET])することができるシクロオレフィン、オレフィン、又はα、ω−ジエンにすることができる。これらの単量体は、官能(例えば、カルボン酸、アミド、エステル、無水物、エポキシ、イソシアネート、シリル、ハロゲン、ディールス・アルダージエン及びジエノフィル、等)をもつ基で誘導体化されて、硬化皮膜の二次架橋反応用硬化部位を提供する、又は重合体に新しい性質を与える。運動エネルギー的に、複分解触媒は、最初にビニルC=C結合を攻撃するようであるが、それらのHNBR共重合体における低レベルが競合する主鎖C=C二重結合に作用する。かかる主鎖不飽和への攻撃はNBRの分子量の低下をもたらすようであるが、かかるプロセスの程度は触媒レベルに対して高NBRを使用することによって最小にできる。例えば、前記触媒水素化法を使用した改質NBRの低減後に、反応性改質HNBR重合体が得られる。その重合体は、湿気、選択した硬化剤、又は外部エネルギー源(UV又は電子ビーム)を使用して架橋できる。複分解触媒作用の特に好適な利点の一つは、水又は溶媒における緩条件下で反応性官能をNBRに導入するユニークな手段を提供することである。NBRラテックスは、複分解触媒を介してラテックスの脱安定化なしに反応性官能で改質できる。この特徴は、溶液中又は水性分散液及びラテックス(水性重合体)として種々の市販の周知NBR重合体の官能化、続いて水素化をさせて、官能化HNBRを与える。
水素化プロトン性基を末端基とするジエン重合体
水素化ヒドロキシ又はカルボキシを末端基としたジエン共重合単独、又は高分子量(10,000Mn以上)の皮膜形成重合体との混合物も本発明の輻射性塗料に使用する硬化性皮膜形成剤とし適する。実質的に飽和したポリヒドロキシル化ポリジエン重合体は既知であって市販されている。これらは、リチウム開始剤で、ブタジエン又はイソプレンのようなアニオン重合共役ジエン炭化水素を表し、OH基を末端基としている。ポリヒドロキシル化ポリジエン重合体を調製する製造工程は、米国特許第4,039,593号;再発行第27,145号;及び第5,376,745号に記載されているように既知である。かかる重合体は、2モルのs−ブチルリチウムと1モルのジイソプロピルベンゼンの反応によって生成される化合物のようなジリチウム開始剤で作られた。ブタジエンのかかる重合は、90重量%のシクロヘキサンと10重量%のジエチルエーテルから成る溶媒中で行なわれた。ジ−開始剤:単量体のモル比は、重合体の分子量を決定する。その重合体は、2モルのエチレンオキシドをキャップし、2モルのメタノールを末端基としてジヒドロキシポリブタジエンを生成している。そのヒドロキシル化ポリジエン重合体は、水素化されて実質的に全てのC=C二重結合が飽和するようになる。水素化は、米国特許第5,039,755号におけるように、ラネーニッケル、白金等のような貴金属のような触媒、可溶性遷移金属触媒及びチタン触媒の存在下で水素化を含む確立された方法で、当業者によって実施されてきた。適当なポリヒロキシル化ポリジエンは、米国のShell Chemical社から商品名「KRATON LIQUID登録商標POLYMER,HPVM2200シリーズの製品、及びATCHEMIE社からの商品名PolyBD登録商標で入手できるものである。水素化ヒドロキシルブタジエン重合体とのブレンドに適当な高分子量の重合体は、限定ではないが、例えば、上記カルボキシ改質塩素化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリンの重合体、エチレン−アクリル共重合体、SBR、SBS、ニトリルゴム(NBR)、SIBS、EPDM、EPN、ポリアクリレート、ハロゲン化ポリイソブチレン、及びポリプロピレンオキシドを含む。高分子量の皮膜形成剤に対する液体水素化ポリブタジエンポリオールの重量割合は、組合せにおける不飽和のパーセントが20%未満、好適には10%未満であるように限定される。従って、水素化ポリジエンポリオールの混合体がSBR、NBR、等のような不飽和高重合体(M>50,000)で作られる場合、不飽和重合体の割合は少なくとも80%、好適には少なくとも90%の全飽和度を維持するように限定される。改質塩素化ポリオレフィンは、酸又は無水物で改質されたものを含むことができる。改質塩素化ポリオレフィンのいくつかの例が、米国特許第4,997,882号(1欄,26行〜4欄、63行);第5,319,032号(1欄,53行〜2欄、68行);及び第5,397,602号(1欄,53行〜2欄、68行)に記載されている。その塩素化オレフィンは、出発のポリオレフィンの重量を基準にして、約10〜40重量%の塩素含量を有することが望ましく、約10〜30重量%がさらに望ましい。改質塩素化ポリオレフィンの適当な例は、ポリオレフィンの重量を基準にして約10〜30重量%塩素含量を有する改質塩素化ポリオレフィンであり、それはアミンで中和されず、約50〜100の範囲内の酸価を有する。
水素化ブロック共重合体
本発明に従って適応できる適当な皮膜形成剤は、ハロゲン化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ハロゲン化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体であり、それらは、上記開示の方法に従って修飾され、塩素化ポリエチレンに適合化され、その他硬化剤との相互作用に対してブロック共重合体に硬化官能を与える。20%を越える不飽和を有するそれらのブロック共重合体は、ここに引用した方法を含む既知水素化法に従って水素化できる。
フェノール官能性エラストマー
フェノール官能でのHNBRの官能化は、メチロール化フェノールとNBRの組合せによって実施し、続いてフェノール改質NBR中間体のハロゲン化によって実施できる。メチロール化フェノールは、文献[A.Knop and L.Pilato,“Phenolic Resins Chemistry and Application and Performance”Springer‐Verlag,New York 1985,Chaptor 19 pg288ー297]に報告されているように種々の化学反応によってNBR及びNBRの共有結合を形成できる。
種々の既知のイソシアネート−反応性官能基は、官能化エラストマー皮膜形成重合体に組み込むことができる。上記カルボキシ−官能性、ヒドロキシ−官能性及びアミン官能性エラストマーが最も容易に適応できる。カルボキシ官能性コモノマーのような官能性コモノマーは、カルボキシ化水素化ニトリルゴムの共重合体の生成に容易に適応できる。本発明の目的のために、官能化水素化ニトリルゴムは、少なくとも1つのジエン単量体、ニトリル単量体、及び官能基を含むコモノマー又はグラフト結合化合物又はその組合せのような官能基をもつ化合物を含んで成る重合体と定義できる。略語HNBRがここで使用されるとき、その用語は、特に断らない限り、1,ブタジエン以外のジエン単量体、及びアクリロニトリル以外のコモノマーを含むゴムを意味する。追加の単量体は、ジエン単量体と共に重合又はジエン単量体にグラフされて官能化HNBRを生成できることを注意することが重要である。その追加の単量体は、例えば、少なくとも1つの官能基を与えて架橋を促進する。
フェノール官能でのHNBRの官能化は、加熱及び任意に適当なルイス酸による触媒化の下でメチロールフェノール又はエーテル誘導体の付加によって、不飽和非水素化重合体、又は部分的水素化XHNBR重合体(80−9%水素化レベル)で実施できる。メチロールフェノール化合物にエーテル・ブロッキング基を提供して後反応水素化の容易さを促進することが望ましい。付加は、ニトリル又はカルボキシル基を介してエステル生成、又は前記アリル部位での付加によってできる。フェノール基をもつエチレン性不飽和化合物の複分解反応は、溶媒又は水中で行なうことが望ましい。或いは、オレフィンをもつメチロール化フェニルエーテル又はフェノールは、NBRで複分解、続いて水素化できる。フェノール官能化NBRは続いて水素化される。メチロール化反応は、ホルムアルデヒドとフェノール官能性NBR又はHNBRを使用してNBR中に、又はHNBRとメチロール化フェノール官能を生成できる。メチロール化フェノールは、文献[A.Knop and L.Pilato,“Phenolic Resins Chemistry and Applications and Performance”Springer‐Verlag,New York 1985,Chaptor 19 pg288ー297]に報告されているように種々の化学反応によってNBR及びNBRの共有結合を形成できる。次の構造図は、代表的なフェノールをもつ化合物での官能化を例示する。
Figure 2005533923
NBRといずれのメチロール化フェノールも組み合わせることができるが、モノメチロール化フェノールが特に望ましい。モノメチロール化フェノールとNBRとの組合せは安定なフェノール官能化NBRを生じる。技術的に既知の方法(例えば接触水素化)に従ってフェノール改質NBRの水素化後、安定なフェノール改質HNBR共重合体が得られる。フェノール改質HNBR共重合体は、ジカルボキシイミド、イソシアネート、及びホルムアルデヒド源(パラホルムアルデヒド、γ−POM、ヘキサメチレンアミン、フェノールレゾール又はエーテル化フェノール)なる化学化合物のクラスから選択されるものを含むフェノール樹脂用の種々の周知架橋剤で架橋される。
メチロール化フェノール官能化BNR/HNBRとフェノール単量体を介してフェノール官能性重合体を最初に調製するフェノール官能化HNBRは、技術的に既知の方法によって調製できる。フェノール官能NBR/HNBRは、モノメチロール化フェノールか、又は不飽和NBR不飽和単量体を含む複分解によって調製できる。複分解によって調製されるメチロール化フェノール官能NBR/HNBRは、NBRとメチロール化フェノール単量体を利用する。これらの材料は、本発明に従った塗料としてのみならず、ユニークな硬化、皮膜形成、金属接着性、及び相溶性の特性を利用するエラストマーと金属の接着剤、自己析出材料、RFL浸漬、及び反応性強化剤(例えば、エポキシ接着剤)の成分としても有用である。メチロール化フェノール官能NBR/HNBRは、自己硬化(即ち、外部硬化剤なし)ができる。メチロール化フェノール官能NBR/HNBRは、フェノールノボラック、活性水素反応性又は活性水素を含有する架橋及びゴム/エラストマー強化剤のような他の塗料成分で硬化できる。メチロール化フェノール官能性HNBRは、ゴム用の既知加硫剤と使用できる。その加硫反応は、メチロール化フェノールの熱又は触媒活性化によって発生するキノンメチド又はベンジルカルベニウムの生成に基づく。キノンメチド中間体は、アリル水素の抽出によって反応する。また、メチロール化フェノールは、酸性触媒化条件下で基材における不飽和重合体と反応する反応性ベンジルカルベニウムイオンを発生できる。
イソシアネート官能化HNBRは、湿気によって及びカルボキシ、アミン又はポリオール官能シランとの接触で架橋又は硬化できる。HNBRの部としてイソシアネートの組込みは、それが遊離単量体イソシネート基、従って揮発性イソシアネートの量及びその報告されている健康及び安全問題を減少させるので特に望ましい。マレイミド官能化HNBRは、シラン硬化剤の適当な硬化求核性基とのマイケル付加反応によって架橋できる。エチレン性不飽和アクリレート−官能化HNBRは、遊離基、UV及びe‐ビーム硬化の両方ができる。無水物官能性HNBRは、アミン及びエポキシ官能性シランのような技術的に記載されてい成分を使用して硬化できる。シリルエーテル及び塩化物は湿気硬化である。
高飽和のエチレン性不飽和ニトリル共役ジエンゴムを提供するために、ニトリルゴムが通常の手段によって水素化される。一般に限定ではないが、溶液水素化及び酸化/還元水素化を含む、水素化のための多数の既知方法はいずれも利用できる。その水素化は、ゴムの不飽和結合の少なくとも80%を飽和させる役目をする。飽和度が80%未満のとき、ゴムの耐熱性は低い。ゴムのさらに望ましい飽和度は95〜99.99%である。
さらに水素化されるカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を調製するのに有用な好適共役ジエン単量体は、限定ではないが、1,3−ブタジエン;2−メチル−1,3−ブタジエン;2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン;1,3−ペンタジエン;1,3−ヘキサジエン;2,4−ヘキサジエン;1,3−ヘプタジエン;ピペリレン;イソプレンのような炭素原子数が約4〜10のジエンを含む周知共役ジエンにすることができ、1,3−ブタジエンが現在望ましい
共重合してカルボキシル化アクリロニトリル−ジエン共重合体を生成する不飽和ニトリル単量体は、典型的に次式に対応する。
Figure 2005533923
式中の各Aは、水素又は1〜約10の炭素原子をするヒドロカルビル基である。A基の例は、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、オクチル、デシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、等のようなアルキル及びシクロアルキル、及びフェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、t−ブチルフェニル、等のようなアリールを含む。アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが現在望ましい不飽和ニトリルである。
本発明のHNBRはまたHNBRの主鎖中に重合される官能基含有単量体、又はHNBRにグラフトされた官能基含有化合物、又はそれらの混合物を含む。
カルボキシル基含有の単量体は、任意に本発明のゴムに利用される。カルボキシル基は、アクリル酸、メタクリル酸及びクロトン酸及び/又は他の既知カルボキシル基を含有する単量体、例えば、限定ではないが、4〜5又は約6の炭素原子をもつα、β−不飽和ジカルボン酸、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸及びイタコン酸のような3〜約5の炭素原子をもつα、β−不飽和モノルボン酸単量体から誘導される。その結合した不飽和カルボン酸は、共重合体の約1〜10重量%の量で存在し得、この量は共役ジオレフィンの対応する量を置換する。好ましくは、その単量体は、不飽和モノ−又はジ−カルボン酸誘導体(例えば、エステル、アミド、等)である。カルボキシル基を含有する単量体の機能は、架橋部位及び接着性の向上としての役目を含む。
さらに、官能化コモノマーはHNBR共重合体の主鎖中に重合させることができる。ニトリル単量及び共役ジエン単量体と共重合性である官能性エチレン不飽和単量体の例は、ヒドラジル基含有エチレン不飽和単量体、アミノ基含有エチレン不飽和単量体、チオール基含有不飽和エチレン不飽和単量体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びマレイン酸のような不飽和カルボン酸、及びそれらの塩類、種々のアクリレート、例えば、メチルアクリレート及びブチルアクリレートのような不飽和カルボン酸のアルキルエステル;メトキシアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、アクリルアミド及びメタクリルアミドのような不飽和カルボン酸のアルコキシアルキルエステル、クロロジメチルビニルシラン、トリメチルシリルアセチレン、5−トリメチルシリル−1,3−シクロペンタジエン、3−トリメチルシリルアリルアルコール、トリメチルシリルメタクリレート、1−トリメチルシリルオキシ−1,3−ブタジエン、1−トリメチルシリルオキシシクロペンテン、2−トリメチルシリルオキシエチルメタクリレート、2−トリメチルシリルオキシフラン、2−トリメチルシリルオキシプロペン、アリルオキシ−t−ブチルジメチルシラン及びアリルオキシトリメチルシランである。
N,N−二置換−アミノアルキルアクリレート;N,N−二置換−アミノアルキルメタリレート;N,N−二置換−アミノアルキルアクリアミド;N,N−二置換−アミノアルキルメタクリアミド;ヒドロキシル−置換−アルキルアクリレート及びヒドロキシル−置換−アルキルメタリレート;N−アルキロール置換アクリルアミド、例えばN−メチローアクリルアミド、N,N′−ジメチロールアクリルアミド及びN−エトキシメチロールアクリルアミド;N−メチロールメタクリルアミド、N,N′−ジメチロールメタクリルアミド及びN−エトキシメチルメタクリルアミドのようなN−置換メタクリルアミド(特に遊離基開始共重合が炭素原子数12から16及び3つの第三級炭素原子を有するアルキルチオール化合物の存在下で生じる)のような種々のクラスの単量体も官能性コモノマーとして適当である。
これらの極性基を含有するビニル単量体の中で、N,N−二置換−アミノアルキルアクリレート、N,N−二置換−アミノアルキルメタアクリレート、N,N−二置換−アミノアルキルアクリレアミド、及びN,N−二置換−アミノアルキルメタクリレアミドが望ましい。
N,N−二置換−アミノアルキルメタアクリレートの特定例として、N,N−ジメチルアミノメチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノブチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、NN−ジエチルアミノブチルアクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチルアクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジブチルアミノブチルアクリレート、N,N−ヘキシルアミノエチルアクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチルアクリレート及びアクリロイルモルホリンを挙げることができる。これらの中で、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチルアクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチルアクリレート、及びN−メチル−N−エチルアミノエチルアクリレートが望ましい。
N,N−二置換−アミノアルキルメタアクリレートの特定例として、N,N−ジメチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノブチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノブチルメタクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピルメタクリレートN,N−ジブチルアミノブチルメタクリレート、N,N−ジジヘキシルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチルメタクリレートのようなメタクリル酸エステルを挙げることができる。これらの中で、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチルメタクリレート、及びN−メチル−N−エチルアミノエチルメタクリレートが望ましい。
N,N−二置換−アミノアルキルアクリルアミドの特定例として、N,N−ジメチルアミノメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノブチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアミノブチルアクリルアミド、N,N−ヘキシルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノプロピルアクリルアミド、及びN,N−ジオクチルアミノプロピルアクリルアミドを挙げることができる。これらの中で、N,N−ジチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、及びN,N−ジオクチルアミノプロピルアクリルアミドが望ましい。
N,N−二置換−アミノアルキルメタクリルアミドの特定例として、N,N−ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリアミド、N,N−ジエチルアミノブチルメタクリアミド、N−メチル−N−エチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジブチルアミノブチルメタクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジヘキルアミノプロピルメタクリルアミド、及びN,N−ジオクチルアミノプロピルメタクリルアミドを挙げることができる。これらの中で、N,N−ジチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、及びN,N−ジオクチルアミノプロピルメタクリルアミドが望ましい。
ヒドロキシ−置換−アルキルアクリレート及びヒドロキシ−置換−アルキルメタクリレートの特定例として、ヒドキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート及び3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、ヒドキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートが望ましい。
NBR共重合体は、技術的に周知の方法によって遊離基開始剤の共存下で前記例示の共役ジエン、不飽和ニトリル、及び不飽和官能基含有コモノマーのいずれかの反応によって重合される。適当な遊離基開始剤は、この開示の範囲を超えているが、典型的には有機酸化物、過酸化物、ヒドロペルオキシド、及びアゾ化合物、等である。例えば、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、アスカリドール、アセチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、トリメチルアミンオキシド、ジメチルアニリンオキシド、イソプロピルオキシジカルボネート、ジイソブチレンオゾニド、過酢酸、ニトレート、クロレート、ペルクロレート、アゾビスイソブチロニトリル、等である。
ニトリルゴムの水素化は、技術及び文献で既知である。例えば、好適な市販のX−HNBR(カルボキシル化−HNBR)は、2工程で水素化されるカルボキシル化ニトリルージエン共重合体から作られる。NBRにおける1,2−ビニル−配置ブタジエン単位のC−C二重結合は極めて迅速に水素化され、1,4−シス配置単位が続くことが知れている。1,4−トランス配置ブタジエン単位は比較的ゆっくり水素化される。水素化に使用されるNBR生成物は、優勢な割合の1,4−トランス配置二重結合によって区別される。
2段階の水素化において、炭素−炭素二重結合が最初に還元され、炭素−窒素結合の還元が続く。技術的に既知のように、この手順は、その還元が1工程で実施される場合に生じる水素化重合体のゲル化を回避する。最初の工程において、異なる触媒、例えば、白金又はルテニウム触媒が使用される。しかし、必要ならば、触媒の適当な選択によってニトリル基を単独で還元して線状重合体連鎖に不飽和炭素−炭素結合を残すことができる。貴金属とニッケル又はコバルトの組合せ使用も可能であって、最初に比較的低温で、次に高温で操作する。アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を水素化する他の技術は、例えば、米国特許第4,581,417号;第4,631,315号;及び第4,795,788号に開示されている。
部分的又は完全水素化ニトリルゴム(HNBR)は、2,3の特許明細書(例えば、DE−OSNo.(ドイツ公開明細書)2,539,132号;DE−OSNo.(ドイツ公開明細書)3,329,974号;DE−OSNo.(ドイツ公開明細書)3,046,008号;及び同3,046,251号;及びヨーロッパ特許第A−111,412号)にも記載されている。これら明細書の全てが、例えば、硫黄加硫系又は過酸化物加硫系によって加硫できる部分的又は完全水素化NBRの調製法を記載している。
X−HNBRラテックスの水素化は、既知の通常の技術によってできる。アニオン界面活性剤を使用して慣用的に作られるカルボキシル化NBR重合体ラテックスは、(1)酸素、空気及びヒドロペルオキドから成る群から選択する酸化体;(2)ヒドラジン及びその水和物から選択の還元剤;及び(3)金属イオン活性剤と混合し;(b)そしてその混合物を0℃から反応混合物の還流温度に加熱する。この技術は、米国特許第4,452,950号(Goodyear Tire and Rubber社に譲渡されている)に教示されている。
さらに、有機溶媒中で実施される水素化法は、アニオン重合化によって製造されるNBR重合体については米国特許第4,207,409号から既知であって、鉄、コバルト又はニッケルの可溶性化合物、アルミニウム−有機化合物及び水を含有する触媒混合体の共存下で溶液中に採取される。
最も望ましいアクリロニトリル−ブタジエン共重合体は、典型的に、最終生成物が約1〜20モル%、望ましくは約1〜10又は15モル%、好適には約1〜5モル%の不飽和レベルを有するような程度に水素化される。
適当なカルボキシル化水素化されたニトリルゴムX−HNBRはByerによって商品名「Theran登録商標」、例えばTherban KA8889で製造されている。X−HNBRは、好適には50%以下、さらに望ましくは約1〜40%、最適には約1〜20%のヨウ素価を有する。熱及び必要な溶媒耐性は、50%以下のヨウ素価(高水素化比)を有するX−HNBRを使用するときに高めることができそして低温におけるゴム弾性は、低水素化比を有するX−HNBRの使用によって維持できる。HNBRのニトリル含量の中心値は約15〜60%が望ましく、25〜50%がさらに望ましく、最適には約30〜40%である。溶媒耐性は、約15%以上、特に約30%以上のニトリル含量を有するHNBRの使用によって増、そして低温柔軟性は約60%以下、特に約50%以下のニトリル含量を有するゴムの使用によって維持できる。さらに、ML1+4(100℃)の中心値としてそのムーニー粘度(以下、ムーニー粘度と記す)は塗料用には約40〜100のムーニー粘度低が望ましい。この範囲内のムーニー粘度を有するX−HNBRを使用すると、その塗料組成物は有機液体に対して高耐性及び良好な柔軟性及び低温耐性を示す。
本発明のHNBRは、水素化の前又はのいずれかに、前記方法によって、それにグラフ結合された架橋剤反応性官能基も有する。官能基を有する不飽和化合物の例として、官能基を有するビニル化合物及び官能基を有するシクロオレフィンを挙げることができる。グラフ改質法による官能基の導入は、有機過酸化物の存在下でHNBRと官能基含有不飽和化合物を反応させることによって実施できる。その官能基含有不飽和化合物に特別の限定は課さない。しかしながら、エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物、シリル基含有不飽和化合物、不飽和有機ケイ素化合物が、低改質率で架橋密度及び基材への接着性の改善の理由で挙げられる。
エポキシ基含有不飽和化合物又はエポキシ基含有シクロオレフィンの例は、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、及びリシジルp−スチリル−カルボキシレートのような不飽和カルボン酸のグリシジルエステル;エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸及びエンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸のような不飽和ポリカルボン酸のモノ−又はポリグリシジルエステル;アリルグリシジルエーテル、2−メチル−アリルグリシジルエーテル、o−アリルフェノールのグリシジルエーテル、m−アリルフェノールのグリシジルエーテル、及びp−アリルフェノールのグリシジルエーテルのような不飽和グリシジルエーテル;及び2−(o−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2−(p−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2−(o−アリルフェニル)エチレンオキシド、2−(p−アリルフェニル)エチレンオキシド、2−(o−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−(p−ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−(o−アリルフェニル)プロピレンオキシド、2−(p−アリルフェニル)プロピレンオキシド、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポシ−1−ペンテン、3,4−エポシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド及びアリル−2,3−エポキシシクロペンチルエーテルを含む。これらのエポキシ基含有不飽和化合物は単独で又はその任意の組合せで使用されうる。
カルボキシル基含有不飽和化合物の例として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びα−エチルアクリル酸のような不飽和カルボン酸;及びマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、エンド−シス−ビシクロ−[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸のような不飽和ジカルボン酸を含む。さらに、不飽和カルボン酸誘導体の例として、不飽和カルボン酸の無水物、エステル、ハロゲン化物、アミド及びイミドが挙げられる。そしてその特定例は、無水マレイン酸、無水クロロマレイン酸、無水ブテニルコハク酸、無水テトラヒドロフタル酸及び無水シトラコン酸のような酸無水物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル及びマレイン酸グリシジルのようなエステル;及びマレニルクロリド及びマレイミドを含む。これらの中で、不飽和ジカルボン酸及びその無水物が、グラフ反応にる官能基の導入の容易性の理由で望まし、無水マレイン酸及び無水イタコン酸のような酸無水物が特に望ましい。
ヒドロキシル基含有不飽和化合物の例は、アリルアルコール、2−アリル−6−メトキシフェニル、4−アルコキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、2−アリルジフェノール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール及び5−ヘキセン−1−オールを含む。
不飽和有機ケイ素化合物の例は、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリス(メトキシエトキシ)ビニルシランのようなトリスアルコキシビニルシランを含む。かかる不飽和有機ケイ素化合物中のアルコキシ基は加水分解してシラノール基にできる。
本発明によるグラフト改質HNBRは、官能基を有する前記エチレン不飽和化合物の一つとHNBRとをラジカルの発生下でグラフト反応させることによって得られる。そのラジカルを発生させる方法として、(i)有機過酸化物を使用する方法、(ii)光誘導ラジカル発生剤を使用する方法、(iii)エネルギー光線を照射する方法、及び(iv)加熱による方法が挙げられる。
有機酸化物を使用する方法:その有機化酸化物として、例えば、有機酸化物、有機過酸エステル、等を使用することが望ましい。かかる有機酸化物の特定例として、ベンゾイルペルオキシド、ジクロロンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエイト)ヘキシン−3、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソブロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルベンゾエイト、t−ブチルペルフェニルアセテート、t−ブチルペルイソブチレート、t−ブチルペル−s−オクトエイト、t−ブチルペルピバレイト、クミルペルピバレイト及びt−ブチルペルジエチルアセテートが挙げられる。本発明において、アゾ化合物も有機酸化物として使用できる。アゾ化合物の特定例として、アゾビスイソブチロニトリル及びジメチルアゾイソブチレートが挙げられる。これらの中で、ベンゾイルペルオキシド、及びジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン及び1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソブロピル)ベンゼンが望ましく使用される。
これらの有機化酸化物は、単独、又は組合せで使用できる。使用される有機酸化物の割合は、一般に未改質HNBRの100重量部当り0.001〜約10重量部、好適には約0.01〜約5重量部、さらに望ましくは約0.1〜約2.5重量部の範囲内である。使用する有機過酸物の割合がこの範囲内にあるとき、官能基含有不飽和化合物の反応速度及び得られる官能基含有重合体の種々の性質、相互に高レベルでバランスする。したがって、かかる範囲内の有機酸化物を使用することが望ましい。
グラフト改質反応には特別の限定を与えない、そしてその反応は技術的に既知の方法に従って実施できる。そのグラフ反応は、一般に0〜400℃、好適には60〜350℃で行なうことができる。その反応時間は、一般に1分から24時間、好適には30分から10時間内である。反応の完了後、メタノールのような溶媒をその反応系に大量に添加して生成する重合体を沈殿させる、そしてその重合体をろ過によって収集し、洗浄して、減圧下で乾燥させる。
一定割合の光誘導ラジカル発生剤は、反応時の装入割合に関して、未改質HNBRの100重量部当り、典型的に0.001〜約10重量部、望ましくは約0.01〜約5重量部、最適には約0.1〜約2.5重量部の範囲内でグラフト用に使用できる。使用する光誘導ラジカル発生剤の割合がこの範囲内にあるとき、官能基含有不飽和化合物の反応速度及び得られる官能基含有重合体の種々の性質は、相互に高レベルでバランスする。したがって、かかる範囲内の光誘導ラジカル発生剤を使用することが望ましい。
エネルギー光線の照射による方法:エネルギー光線の照射による方法は、α−線、β−線及びγ−線のような活性エネルギー線を照射してラジカルを発生させる公知の方法である。特に、効率、実用性及び採算性の観点から紫外線を使用することが望ましい。
加熱による方法:加熱によるラジカル発生法は、100〜390℃の温度範囲で加熱することによって実施される。公知の溶液法及び溶融混練法の両方が使用される。これらの中で、押出機などを使用して加熱時にせん断応力を印加する溶融練法が反応効率の観点から望ましい。
NBR又はHNBRにおける炭素−炭素不飽和結合の直接改質を利用してそれに官能基を付加することもできる。炭素−炭素不飽和結合は、先駆物質NBRに、そしてHNBRに残留不飽和として存在、従って本発明による改質HNBRは炭素−炭素不飽和結合を改質して官能基を付加重合体に付加することによって得られる。
皮膜形成重合体に官能基を導入する方法に特別の限定を課さない、そしてその例は、(a)不飽和結合の酸化による方法、(b)不飽和結合への分子中に少なくとも1つの官能基を含有する化合物の付加反応による前記方法、(c)エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又は不飽和、好適にはモノ不飽和カルボン酸反応物質とNBR又はHNBR重合体のオレフィン結合の前記反応、及びリビングカチオン開始重合体への末端基付加を導入する前記方法も含む。また、その重合体は塩素又は臭素を含有する化合物を使用してハロゲン化できる。そのハロゲン化重合体は、次にモノ不飽和カルボン酸と反応させる。その重合体及びモノ不飽和カルボン酸反応物質は、高温で接触させて前記熱「エン」反応を生じさせることもできる。また、そのモノ不飽和カルボン酸は、遊離基誘導グラフトによって重合体と反応できる。本発明に使用される官能化皮膜形成剤は、少なくとも1つの酸性アルキル化触媒の触媒的有効量の存在下でヒドロキシ芳香族化合物との接触によって官能化できる。そのアルキル化ヒドロキシ芳香族化合物は、次にさらに反応してアルデヒド及びアミン試薬とマンニッヒ塩基縮合による誘導体を生成してマンニッヒ塩基縮合物を生じる。重合体を官能化するさらに別の手段において、その重合体はコッホ反応条件下で酸触媒の共存下で一酸化炭素と接触して、カルボン酸基と置換した重合体を生じる。官能化の上記方法に加えて、本発明の重合体は、空気酸化、オゾン分解、ヒドロホルミル化、エポキシ化及びクロロアミン化、等の方法によって官能化できる(例えば、日本特許公開平6−172423号参照)。
(ii)フルオロエラストマー
フルオロカーボンエラストマー(フルオロエラストマー)は、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンを含む炭化水素から誘導され、多数の供給者から商的に入手できる。種々のタイプのフルオロエラストマーの詳細な検討は、R.G.Amoldらの論文[July,1973issueof a journal entitled “Ruber Chemistry and Technology”(Volume46,pp.619−652)]に含まれている。フルオロエラストマーは、熱可塑性フルオロポリマーと、主に塑性変形がフルオロエラストマーに100%伸びの応力を与えた際に生じるか否かによって区別される。フロオロプラスチックは、引張り時に変形し、本発明によるエラストマー基材用には不適当な塗料材料である。
ここで使用される代表的なフルオロエラストマーは、1つ以上のフッ素化単量体から誘導される。フッ素化単量体又は2つ以上のフッ素化単量体の組合せから誘導された例示的重合体は、1,1−ジヒドロペルフルオロブチルアクリレート;フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体;フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレン;フッ化ビニリデン及びヒドロペンタフルオロプロピレン;テトラフルオロプロピレン及びプロピレン;及びフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、及びテトラフルオロエチレンのターポリマー;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン及びペルフルオロビニルエーテル;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン及びプロピレン;フッ化ビニリデン及びヒドロペンタフルオロプロピレン及びテトラフルオロエチレンを含む。上記の官能基組込みの手段はフルオロエラストマーに適応できる。本発明により改質される最適のフルオロエラストマーは、ビニリデンフロリド及びヘキサフルオロプロピレンの共重合体、又はビニリデンフロリド、テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンのターポリマーのようなDuPon社から商品名Yiton登録商標で商的に入手できる。他の適当なフルオロエラストマーは、Dyneon社から商品名FLUORE登録商標、及びAusimont社から商品名TECHNIFLON登録商標で入手できる。
ここで利用されるグラフト−官能化フルオロエラストマー実施態様の皮膜形成剤は、フルオロエラストマー重合体と、そのフルオロエラストマーに共有結合するグラフ結合基、及び限定ではないが、硬化剤の反応性基の1つに結合するヒドロキシ、チオール、又はカルボキシル基を含む少なくとも1つの活性水素含有基を含有するグラフト剤との反応生成物である。そのグラフト改質フルオロエラストマーは、柔軟性基材に塗布する前に混合物の可使時間(ゲル化前)の時間内に混合物の硬化成分と混合される。
フルオロエラストマーに好適なグラフト成分は、1つのグラフト結合基及び1つの活性水素含有基を含有する。好適なグラフト剤は、第一級アミン基及び1つの水素含有基を含有する。その例は、ヒドロキシアミン、(RNCHCHNCO(式中のRは、例えば、水素又はヒドロカルビル基、ヒドロキシアルキルアミン、アミノカルボキシレート、アミノシラン、アミノ、シラノール、アミノチオール、等である)のようなアミノイソシアネートを含む。グラフト結合基として第一級アミンを含有しない他の適当なグラフト剤は、メルカプトアルコール及びメルカプトシラノールのようなメルカプロヒドロキシ、及びメルカプトチオールである。好適なグラフト剤は、比較的緩和な温度(<60℃)でフルオロエラストマーにグラフトする、そして単量体、オリゴマー又は重合体にできる、そしてすくなくとも1つの活性水素含有基及び1以下の第一級アミン基を含有するが、任意に第二または第三級アミン基、またはフルオロエラストマーをラフト結合及び架橋できない他の基を含有する。任意の第二級アミンは、フルオロエラストマーへの第一級アミングラフト結合基のグラフト反応速度を増すと信じられる。グラフト剤の特定例は、種々のヒドロキシアルキルアミンを含む、例えば、3−アミノ−1−プロパノール、アミノアルキルシラン、例えば、アミノアルキルシラントリオール又は先駆物質のアミノアルキル−アルコキシラン(それは各分子内にアルコキシシラン基の加水分解を触媒して反応性シラントリオールを生成できる少なくとも1つの塩基性窒素を含む);アミン−N−オキシド、アミノ(ヒドロキシ)カルボン酸、アミド(ヒドロキシ)アミン、ポリオキシアルキレンポリエーテルモノ(第一級)アミン、及びアミン末端ポリオールである。かかるアミンを末端とするポリオールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ドデシルオキシド又はスチレンオキシドのようなアルキレンオキシドをアミノ出発化合物上に重付加させる既知アミン化法によって作ることができる。一般に、ポリエーテルポリオールのようなポリオールは、ニッケル含有触媒、例えば、Ni/Cu/Cr触媒のような触媒の共存下においてアンモニアでアミン化される。その既知方法は、米国特許第4,960,942号;同第4,973,761号;同第5,003,107号;同第5,352,835号;同第5,422,42号;同第5,457,147号に教示されている。使用される出発化合物は、アンモニア又はアミン基を含有する化合物であって、反応生成物に1を超えない第一級アミン基、例えば、エチレンジアミン、エチレンジアミンオリゴマー(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン又はペンタエチレンヘキサアミン)、エタノールアミン、1,3−プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、1,3−又は1,4−ブチレンジアミン、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−ヘキサメチレンジアミン、等を提供する。ポリエーテル−モノアミンに適当なポリエーテルブロックは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体、ポリ(1,2−ブチレングリコール)、及びポリ(テトラメチレングリコール)を含む。
好適なアミノ−ヒドロキシグラフト剤化合物は、約1000未満、望ましくは500未満、さらに望ましくは250未満の分子量を有する化合物である。約1000以上の分子量を有するグラフト剤では、塗料の柔軟性度及び溶媒耐性が低下する。さらに好適なグラフト剤の例は、3−アミノ−1−プロパノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール及びアミノアルキルシラノール、例えば、アミノプロピルシラントリオールを含む。フルオロエラストマーの重量に対して使用されるグラフト剤の有効量は、1〜20重量%、望ましくは2〜10重量%、さらに望ましくは〜7重量%である。
前記のものより望ましくないけれども、ヒドロキシル−官能化フルオロエラストマーを提供する他のグラフト剤の例は、グラフト付加反応を介してフラフトするヒドロキシ官能性エチレン不飽和化合物を含む。前記メルカプトヒドロキシ及びメルカプトカルボキシ化合物が適当である。ヒドロキシ又はカルボキシ基を含有するエチレン不飽和単量体が適当であって、限定ではないが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、メタクリル酸、及び無水マレイン酸を含み、ポリオレフィンのような熱可塑性プラスチックにおいて広く実施されている重合体の反応性処理の技術的に既知の技術によって遊離基開始剤の共存下でフルオロエラストマーにグラフトできる。
別の実施態様において、フルオロカーボンエラストマーは、ヒドロキシ(アルキル)メルカプタン、アミノチオール、又は任意にヒドロキシ基を含有するメルカプトカルボン酸との付加反応によってグラフト官能化される。フルオロエラストマーへの付加のために結合したヒドロキシル基を生じる適当なメルカプタンは、メルカプトエタノールのようなヒドロキシメルカプタン、1−メルカプト−3−プロパノール、メルカプトエタノールアミン、1−メルカプト−4−ブタノールのようなヒドロキシアルキルメルカプタン、α−メルカプト−ω−ヒドロキシオリゴエチレンオキシド、例えば、α−メルカプト−ω−ヒドロキシオクタエチレングリコール、又は対応するエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリエーテルを含む。加水分解時にヒドロキシ基を生じるメルカプトアルコキシ化合物は、数種を挙げると、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、及びγ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランを含む。適当なメルカプトカルボン酸及び対応するエステルは、前記メルカプト酢酸、及びメルカプト酢酸のエステル、メルカプトプロピオン酸及びエステル、メルカプト酸及びエステルである。ヒドロキシ基を含有するエステル化化合物は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール及びN−メチルジエタノールアミンを含む。
メルカプト化合物、特にメルカプト酸及びメルカプトアルコールは、硬化剤での後続の反応に有効な量によって、ここで適当な炭化水素エラストマーにグラフト結合できる。官能化フルオロエラストマーの調製に特に有用なジエンエラストマー、α−オレフィン共重合体、メルカプト化合物は、緩和温度又は周囲温度で組み込むことができる。フルオロエラストマーにグラフトするメルカプト化合物の付加は、例えば、アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスシクロヘキサンニトリルのようなアゾ開始剤、ジラウロイルペルオキシドのようなペルオキシド、ベンズピナコールシリルエーテル、又はUV又は可視光の存在下での光開始剤を使用して、その開始剤の分解温度以上の温度で溶液中において遊離基開始剤で任意に実施できる。ジアシルペルオキシド、特にジラウロイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジ(3,3,3−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジクシノイルペルオキシド及びジベンゾイルペルオキシドが適当である。遊離基開始剤の有効量は、メルカプト化合物の重量を基準にして0.5〜10重量%である。好適なメルカプト化合物はメルカプトエタノールのようなメルカプトアルコールである。出発メルカプト化合物の有効量は、フルオロエラストマーの3〜10重量%であって、フルオロエラストマー1〜5重量%のレベルの結合ヒドロキシル基を結合させるのに十分である。
さらに望ましいフルオロエラストマーグラフト剤は、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール(NH−CH−CH−NH−CH−CH−OH)(CAS#111−41−1)及びGelest社によって商品名SIA0608.0(CAS#29159−37−3)として22−25%水溶液で供給されるようなアミノプロピルシラントリオールの使用によって得られるものである。
架橋性α−オレフィン共重合体エラストマー
ポリ(オレフィン/アクリルエステル/カルボキシレート)共重合体皮膜形成エラストマーは、少なくとも1つのα−オレフィンを少なくとも1つのC1−C18アルキル(メタ)アクリレート及び少量の不飽和官能基含有コモノマー(それはポリイソシアネート、カルボジイミドのような材料と架橋を形成するのに利用する)、及び他の剤で重合させることによって生成される共重合体である。官能基含有コモノマーは、エチレン不飽和基及び酸、ヒドロキシ、エポキシ、イソシアネート、アミン、オキサゾリン、ジエン又は他の反応性基を持つを含みうる。かかる官能化単量体の不在下で、架橋部位が、α−オレフィン−エステル共重合体において、例えば、ペンダントエステル基の部分加水分解によって発生できる。かかるオレフィン重合体の重合に適当なα−オレフィンは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、イソブチレン、ペンテン、ヘプテンオクテン、それらの組合せ等を含む。C−Cα−オレフィンが望ましく、エチレンが最適である。
官能化コモノマーは、求核性基、又は求電子基、例えば、活性水素基、ハロゲン基、又は例えばイミド交換反応又は加水分解によって転化できる基を持つ共重合化α−オレフィン重合体を提供する、又は逆に、官能化コモノマーは、活性水素基のような対応する共反応性基をもつ架橋剤と反応性である基を含有する。アルキル又はアルコキシ(メタ)アクリレート酸及びエステルは、官能化コモノマーの例である。アルキル基の具体的な例は、メチル、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基及びデシル基;シクロペンチル基及びシクロヘキシル基のようなシクロアルキル基;フェニル基及びトリル基のようなアリール基;ベンジル基及びネオフィル基のようなアラルキル基である。
アルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基,イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキサオキシ基及びオクトキシ基を含む。
任意にα−オレフィンを組み込んだ適当なアルキル又はアルコキシ(メタ)アクリートは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メトキシアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、アクリルアミド、及びメタクリルアミド、等又はそれらの混合体を含む。α−オレフィン単量体と共重合できる官能性エチレン不飽和単量体の特定例は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びマレイン酸及びそれらの塩類のような不飽和カルボン酸、メチルアクリレート及びブチルアクリレートのような不飽和カルボン酸のアルキルエステルである。
好適なα−オレフィンアクリルエステル共重合体ゴムは、例えば、(メタ)アクリル酸又はマレイン酸から誘導された酸単位のような不飽和カルボン酸単量体単位、又は例えば、無水マレイン酸から誘導された無水物単位、例えば、モノエチルマレエイトから誘導された部分エステル単位を含む。好適な実施態様において、その重合体は、エチレン−Cアルキルアクリレート及びカルボン酸単量体単位のターポリマーである;さらに望ましくは、かかるターポリマーは、少なくとも約30モル%のエチレン、約10〜69.5モル%のモノエチルマレエイトを含む。全ての場合に、α−オレフィンアクリレートゴムは必須的に非結晶質であって、室温以下、即ち約20℃以下のガラス転移温度(Tg)を有することが望ましい。
官能性酸、ヒドロキシ、エポキシ、イソシアネート、アミン、オキサゾリン、ジエン又は他の反応性官能基を含有する他のコモノマーは、アルキルジエンノルボルネン、アルケニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン及びその二量体のような非共役ジエンのようなジエン単量体、ブタジエン及びイソプレンのような共役ジエンを含む。ジヒドロジシクロペンタジエニル基を含有する(メタ)アクリレートは、ジヒドロジシクロペンタジニル(メタ)アクリレート及びジヒドロジシクロペンタジニルオキシエチル(メタ)アクリレートを含む。
さらに、官能性コモノマーの例は、4〜10の炭素原子を有するα,β−オレフィン不飽和カルボン酸のN−アルキロール及びN−アルコキシアミド、例えば、N−メチロールアクリルアミドN−エタノールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールメクリルアミド、N−エタノールメクリルアミド、n−ブトキシアクリルアミド及びイソブトキシアクリルアミド、N−メチロールマレイミド、N−メチロールマレアミド、N−メチロールマレイミド酸、N−メチロールマレアミド酸エステル、N−メチロール−p−ビニルベンズアミド、等のようなビニル芳香族酸のN−アルキロールアミド等を含む。N−アルキロールアミド型の好適な単量体は、N−メチロールアクリルアミド、N,N′−ジメチロールアクリルアミド及びN−エトキシメチロールアクリルアミド;及びN−メチロールメタクリルアミド、N,N′−ジメチロールメタクリルアミド及びN−エトキシメチルメタクリルアミドのようなN置換メタクリルアミドである。それらの入手容易性及び比較的低コストのために、α,β−モノオレフィン不飽和モノカルボン酸の好ましいN−アルキロールアミドは、N−メチロールアクリルアミド及びN−メチロール−及びn−ブトキシ−メタクリアミドである。
活性水素と反応性であり、又はそれ自身が反応性水素基を含有する基をもつ官能性コモノマーの他の例は、エポキシ基を含有するエチレン不飽和化合物であって、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、及びグリシジルアクリレートを含む。活性水素を含有するエチレン不飽和化合物の特定例は、ビニルベンジルクロリド、ビニルベンジルブロミド、2−クロロエチルビニルエーテル、ビニルクロロアセテート、ビニルクロロプロピオネート、アリルクロロアセテート、アリルクロロプロピオネート、2−クロロエチルアクリレート、2−クロロエチルメタクリレート、クロロメチルビニルケトン及び2−クロロアセトキシメチル−5−ノルボルネンを含む。共通のカルボキシル基を含有するエチレン不飽和化合の特定例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸を含む。
他のエチレン不飽和(メタ)アクリルエステルコモノマーの例は、オクチルメタクリレート、シアノ−置換アルキル(メタ)アクリレート、例えば、2−シアノエチルアクリレート、−シアノプロピルアクリレート、及び4−シアノブチルアクリレート;ジエチルアミノエチルアクリレートのようなアミノ−置換アルキル(メタ)アクリレート;1,1,1−トリフルオロエチルアクリレートのようなフッ素含有アクリレート;ヒドロキシエチルアクリレートのようなヒドロキシル基−置換アルキル(メタ)アクリレート;メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン;ビニルエチルエーテル及びアリルメチルエーテルのようなビニル又はアリルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン及びビニルトルエンのようなビニル芳香族化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド及びN−メチロールアクリルアミドのようなビニルアミド;及びエチレン、プロピレン、ビニルクロリド、ビニルデンクロリド、ビニルフロリド、ビニリデンフロリド、ビニルアセテート、アルキルフマレート、等を含む。
アクリル酸及びアクリレートがエラストマー皮膜形成共重合体主鎖の部分であるとき、アミノアルコール、例えば、2−アミノ−1−エタノールを使用してペンダントヒドロキシル官能性を生成することが知られている溶融加工技術においてアミド交換反応が行なわれる。さらにペンダントヒドロキシルによる反応、即ち、別のアクリレート結合とのエステル交換反応が生じて、架橋をもたらし、生成物の粘度増加が好適にも回避される。
アクリルエラストマー
官能化アクリレートエラストマーは、ガラス転移温度が−10℃以下の場合に適し、次の一般構造式を有する1つ以上の共重合性α、β−エチレン不飽和エステル単量体の主量(全重合体重量を基準にして50重量%より多い)から誘導される付加重合体と定義される。
Figure 2005533923
式中のRは水素又はメチルであり;RはC−C20アルキル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシアルキル、C−Cアルキルチオアルキル、C−Cシアノアルキル、及び少量の活性水素基をもつコモノマー又は活性をもつ基がグラフト結合した官能性部位を表す。それらのアクリレートは、固体ベールで、及び種々の商的供給源からエマルション又はラテックスとして入手できる。全アクリレートゴム重量を基準にして約35%までの少量の硬化又はTg増加コモノマー、例えば、数例を挙げると、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニリデンクロリド、及び/又はスチレン含むことができる。活性水素又は活性水素含有硬化剤と反応性の基を有する官能基をもつコモノマーは、不飽和モノカルボン酸(例えば、アクリル又はメタクリル酸)又はポリカルボン酸(例えば、イタコン酸、シトラコン酸、等)が望ましい。
適当なアクリル又はメタクリル単量体の単独及び組合せの特定例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、等を含む。望ましい共重合体は、各々が前記構造式(1)を有する1つ又は2つの異なる共重合性単量体を含み、式中のRは水素であり;RはC−Cアルキル、又はC−Cアルコキシアルキルであり、そのいずれ第一級、第二級又は第三級炭素原子を含みうる。さらに望ましいC−Cアルキルアクリレートの例は、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−メチルペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレートである;好適なC−Cアルコキシアルキルアクリレートはメトキシアクリレート、及びエトキシエチルアクリレートである;好適なアルキルチオアルキルアクリレートはメチルチオエチルアクリレートである;好適なC−Cシアノアルキルアクリレートはシアノエチルアクリレート及びシアノプロイルアクリレートである;そして上記の2つ以上の混合体も使用できる。
アクリルエラストマーに望ましい活性水素をもつコモノマーは、活性水素をもつ多くの上記官能性コモノマー、ここに反復するそのいくつかは、カルボン酸無水物、カルボアミド、N−置換カルボアミド、アルデヒド、アルキル及びアリールケト、ヒドロキシルラジカル、アリル塩素ラジカル、メチロール、マレイミド、ビス−マレイミド、アルキルN−メチロール、フェノールメチロール、チオールラジカル、アミノラジカル、イソシアネートラジカル、アルコキシアルキルラジカル、オキシランラジカル、等を含有するコモノマーを含む。α,β−不飽和ヒドロキシカルボン酸又はジカルボン酸の無水物が望ましい。重合体がアクリレートエステル及びカルボン酸又は無水物コモノマーの共重合体のみである場合には、それらは望ましくはアクリルエステルから約90〜98モル%の反復単位、さらに望ましくはエステルの約92〜97又は98モル%及び2〜10%のカルボン酸又は無水物、さらに望ましくは3〜8%のカルボン酸又は無水物を有することが望ましい。
共重合体の付加重合中にランダムに組み込まれる官能性コモノマーの例は、グリシジルメタクリレート、アクリル及びメタクリル酸、無水マレイン酸、N−アルキルマレイミド、アクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、等のようなN−アルコキシアルキルアクリルアミド、メチルビニルケトン、アクロレイン、ビニルイソシアネート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、等のようなヒドロキシアルキルアクリレートを含む。かかる官能性単量体の2つ以上の混合体も含まれる。
アクリルエラストマーに所謂コア−シェル重合体が含まれる。ソフト−シェル共重合体に有用なゴム状共重合体は、ホモポリマーTgが10℃以下である少なくとも1つのアクリル単量体及び第2の共重合性機能性単量体の共重合体組成物を含む。これらの単量体は、例えば、スチレン、アクリルニトリル、メチルメタクリレート、等のような上記モノビニル又はビニリデン単量体の少割合の存在下で、得られるアクリル共重合体のTgを約−10℃以上に上げないように選択した低Tgアクリルコモノマーの割合で重合できる。
コア−シェルアクリル付加共重合体は、少なくとも1つの反応性官能ラジカルを含有するモノエチレン不飽和単量体と定義される第2の共重合性官能性単量体をさらに含むことができる。第2の官能性単量体は、2つ以上のかかる官能性単量体を含有する混合物を含むコア共重合体の調製に有用であると上記定義したものであ、ただし、前記第2の機能性単量体の反応性官能ラジカルは、コア共重合体に含有される第1の官能性単量体の反応性官能ラジカルと反応できなければならない。その意味において、コア共重合体内に含まれる反応性官能性単量体とシェル共重合体内に含まれる反応性官能性単量体とは相補的又は相互作用的である。シェル共重合体は、技術的に広く実施されているように、グリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、トリアルキルシアヌレート、等のような共重合性ジ−又はトリビニル単量体を約2重量%以下含有して、さらにグラフ部位を提供できる。
シェル共重合体は、付加重合体であって広い組成範囲に渡って変えられるが、大部分の目的のためにその共重合体は約99.9〜95重量%の少なくとも1つのゴム状単量体と約0.1〜5重量%の第2の共重合性官能性単量体を含むであろう。好適なシェル共重合体はアルキルアクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体である。
逐次重合官能化付加重合体をベースにした本発明のエラストマー系塗料は、2つのガラス転移温度、その1つは0℃以下、1つは0℃以上を示す。ゴム状シェル共重合体成分の量並びに硬質成分とゴム状成分の割合は変わるが、大部分の目的のために硬質共重合体成分:ゴム状シェル共重合体成分の比は、1未満であり、ゴム状成分の量が50%を越える主部であることを意味する。
二重(ハロ、カルボキシ)の官能化アクリル付加重合体も本発明の有機溶媒媒介実施態様用の皮膜形成剤として有用であり、アクリルエステル単量体又は単量体混合物からの反復単位を含み、エラストマーにおいて−20℃未満のガラス転移温度を示す。その官能基は、約0.1〜30重量%、望ましくは0.2〜約15重量%の活性ハロゲン含有コモノマー及び約0.1〜20重量%のカルボキシル基含有コモノマーの組合せから提供される。好適レベルのハロゲン含有コモノマーにおいて、ハロゲン含量は官能化アクリルゴムの約0.1〜5重量%である。ハロゲン含有コモノマーのハロゲン基は、塩素、臭素、又はヨウ素にすることができる。経済性、入手性及び安全基準から塩素含有コモノマーが望ましい。ハロゲン含有コモノマーの例は、ビニルクロロアセテート、ビニルブロモアセテート、アリルクロロアセテート、ビニルクロロプロピオナート、ビニルクロロブチレート、ビニルブロモブチレート、2−クロロエチルアクリレート、3−クロロプロピルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−クロロエチルメタクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、2−ヨードエチルアクリレート、2−クロロエチルビニルエーテル、クロロメチルビニルケトン、4−クロロー2−ブテニルアクリレート、ビニルベンジルクロリド、5−クロロメチル−2−ノルボルネン、5−α−クロロアセトキシメチル)−2−ノルボルネン、5−(α,β−ジクロロプロピオニルメチル)−2−ノルボルネン、等である。好適な単量体は、ビニルクロロアセテート、アリルクロロアセテート、2−クロロエチルアクリレート、2−クロロエチルビニルエーテル、ビニルベンジルクロリド、5−クロロメチル−2−ノルボルネン、及びクロロアセトキシメチル−2−ノルボルネンである。
アクリルゴムに望ましい活性水素をもつコモノマーは、少なくとも1つのカルボキシル基含有コモノマーの約0.1〜20重量%、望ましくは0.2〜10重量%、さらに望ましくは2〜6重量%存在する。カルボキシルコモノマーはモノカルボン酸が望ましいが、ポリカルボン酸にすることもできる。好適なカルボキシルコモノマーは、3〜8個の炭素原子を含有する。かかる好適なコモノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、β,β−ジメチルアクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、等である。最適のカルボキシルコモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、等である。
官能含有コモノマーは、アクリレートエラストマーの付加重合中に最も普通に導入されるように組み込まれる。通常の懸濁、エマルション、溶液及びバルク法による重合が適当である。これらの重合は遊離基開始剤を使用して開始される。エマルション重合法が望ましい。技術及び文献に既知である種々の通常の石鹸、乳化剤、及び界面活性剤がエマルション重合官能性アクリレートゴムの合成に利用できる。二重官能化アクリレートエラストマーの重量平均分子量は一般に100,000を上回る市販グレードはZeon Chemicalsから商品名HYTEMP登録商標で入手できる。
活性水素官能性基を含有する種々のC−Cアルキルエステル共重合体は、既知であって種々の商用源から入手できる。ラテックス形態における好適なアクリルゴムは、Noveon社から商品名HYSTRETCH登録商標で入手できる。20℃未満のTgを示すn−ブチルアクリレート、アクリロニトリル、N−メチロールアクリルアミド及びイタコン酸のエマルション重合共重合体が、水性塗料の実施態様に使用するのに望ましい皮膜形成剤である。
架橋性α−オレフィン共重合体
ポリ(オレフィン/アクリルエステル/カルボキシレート)は、未硬化状態で熱可塑性であって、ここでの使用に適当な柔軟性である。これらは、主に、少なくとも1つのα−オレフィンを少なくとも1つのC−C18アルキル(メタ)アクリレート及び少量の不飽和陽子官能基含有コモノマー(それはポリイソシアネート、カルボジイミド及び他の硬化剤のような材料と架橋を形成するのに利用できる)で重合させることによって生成される共重合体である。官能基をもつコモノマーは、エチレン不飽和基及び酸、ヒドロキシ、エポキシ、イソシアネート、アミン、オキサゾリン、ジエン又は他の活性基をもつ基を含みうる。かかる官能化単量体の不在下で、架橋部位がα−オレフィンー−ステル共重合体に、例えば、ペンダントエステル基の部分加水分解によって生じさせられる。かかるオレフィン共重合体皮膜形成エラストマーの重合に適当なα−オレフィンは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、オクテン及びそれらの組合せ、等を含む。C−Cα−オレフィンが望ましく、エチレンが最適である。
アルキル又はアルコキシ(メタ)アクリレート酸及びエステルは、α−オレフィン重合体中に組み込む官能化コモノマーの例である。アルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基及びデシル基;シクロペンチル基及びシクロヘキシル基のようなシクロアルキル基;フェニル基及びトリル基のようなアリール基;ベンジル基及びネオフィル基のようなアラルキル基である。アルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、及びオクトキシ基を含む。
α−オレフィンと共重合するのに適したアルキル又はアルコキシ(メタ)アクリレートは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メトキシアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、アクリルアミド、及びメタクリルアミド、等又はそれらの混合物を含む。オレフィン単量体と共重合性である官能性エチレン不飽和単量体は任意にメチルアクリレート及びブチルアクリレートのような不飽和カルボン酸のアルキルエステルと組合せられての、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、及びマレイン酸のような不飽和カルボン酸及びそれらの塩類である。
官能性酸、ヒドキシ、エポキシ、イソシアネート、アミン、オキサゾリン、ジエン又は他の反応性官能基を含有する他のコモノマーは、アルキルジエンノルボルネン、アルケニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンのようなジエン単量体及びそれらの二量体、及びブタジエン及びイソプレンのような共役ジエンを含む。ジヒドロジシクロペンタジエニル基を含有する(メタ)アクリレートの例は、ジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート及びジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル(メタ)アクリレートを含む。
さらに官能性コモノマーの例は、N−メチロールアクリルアミド、N−エタノールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エタノールメタクリルアミド、n−ブトキシアクリルアミド及びイソブトキシアクリルアミド、N−メチルロールマレイミド、N−メチロールマレアミド、N−メチロールマレアミド酸、N−メチロールマレアミド酸エステル、N−メチロール−p−ビニルベンズアミド等のようなビニル芳香族酸のN−アルキルロールアミドのような炭素原子数が4〜10のα,β−オレフィン不飽和カルボン酸のN−アルキロール及びN−アルコキシアミドを含む。N−アルキロールアミド型の好適な単量体は、N−メチロールアクリルアミド、N,N′−ジメチロールアクリルアミド及びN−エトキシメチロールアクリルアミド;及びN−メチロールメタクリルアミド、N,N′−ジメチロールメタクリルアミド及びN−エトキシメチロールアクリルアミドのようなN−置換メタクリルミドである。それらの入手容易性及び比較的低コストのために、α,β−モノオレフィン不飽和モノカルボン酸の好適なN−アルキロールアミドは、N−メチロールアクリルアミド及びN−メチロール及びn−ブトキシメタクリルアミドである。
活性水素基をもつ官能性コモノマーの他の例は、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート及びグリシジルアクリレートを含むエポキシ基含有エチレン不飽和化合物である。活性水素含有エチレン不飽和化合物の特定例は、ビニルベンジルクロリド、ビニルベンジルブロミド、2−クロロエチルビニルエーテル、ビニルクロロアセテート、ビニルクロロプロピオネート、アリルクロロアセテート、アリルクロロプロピオネート、2−クロロエチルアクリレート、2−クロロエチルメタクリレート、クロロメチルビニルケトン及び2−クロロアセトキシメチル−5−ノルボルネンを含む。カルボキシル基含有エチレン不飽和化合物の特定例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸を含む。
他のエチレン不飽和(メタ)アクリルエステルコモノマーの例は、オクチルメタクリレート;2−シアノエチルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、及び4−シアノブチルアクリレートのようなシアノ−置換アルキル(メタ)アクリレート;ジエチルアミノエチルアクリレートのようなアミノ−置換アルキル(メタ)アクリレート;1,1,1−トリフルオロエチルアクリレートのようなフッ素含有アクリレート;ヒドロキシエチルアクリレートのようなヒドロキシル基−置換アルキル(メタ)アクリレート;メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケトン;ビニルエチルエーテル及びアリルメチルエーテルのようなビニル又はアリルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン及びビニルトルエンのようなビニル芳香族化合物;アクリルアミドメタクリルアミド及びN−メチロールアクリルアミドのようなビニルアミド;及びエチレンプロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、酢酸ビニル、フマル酸アルキル、等を含む。
好適なオレフィン/アクリルエステル共重合体ゴムは、例えば、(メタ)アクリル酸又はマレイン酸から誘導された酸単位のような不飽和カルボン酸単量体単位、例えば、無水マレイン酸から誘導された無水物単位又は例えば、モノエチルマレエートから誘導された部分エステル単位を含む。好適な実施態様において、その重合体は、エチレン〜Cアルキルアクリレート及びカルボン酸単量体単位のターポリマーであり;さらに望ましいターポリマーは少なくとも約30モル%のエチレン、約10〜69.5モル%のモノエチルマレエイトを含む。全ての場合に、α−オレフィンアクリレートゴムは、本質的に非結晶質であって、約20℃以下のガラス転移温度を有することが望ましい。エチレン−カルボキシレート共重合体は商品名VAMA登録商標入手できる。
アクリル酸及びアクリレートがα−オレフィン共重合体主鎖の部分であるとき、例えば2−アミノ−1−エタノールのようなアミノアルコールを使用することによってペンダントヒドロキシル官能基を生成することが知られているアミノ基転移反応を溶融加工技術において生じせしめることができる。さらに、そのペンダントヒドロキシルによる反応が生じる。即ち、別のアクリレート結合とエステル交換反応が生じて、架橋及び生成物の粘度を高めることになる。
アクリロウレタン
ここに示した皮膜形成剤の要件に適合するウレタン改質アクリル材料も考えられる。ウレタン改質アクリレート重合体は硬化剤と湿気によって硬化する。かかるウレタン改質アクリレートのガラス転移温度は、0℃以下でなければなら、そして主量(50重量%又はモル%を越える)のC〜Cアクリル又はメタクリルエステルから成る。本発明に使用できる好適なウレタン改質アクリル樹脂の例は、60〜70モルのメチル−、エチル−、又はブチル−アクレート、又はその混合体を5〜50モルのメタクリル酸及び30〜80モルの2−ヒドロキシメチルメタクリレートと共重合させることによって生成されるアクリル共重合体である。ヒドロキシル及びカルボキシル基のいくらか又は全てが、反応においてα,β−エチレン不飽和イソシアネート、例えば、メクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアネートエチルメタクリレート)キャップされる。この材料は、湿気硬化性、及び通常の光開始剤の導入によるUV硬化性である。湿気硬化性アクリロウレタンの実施態様において、2−ヒドロキシエチルメタクリレート単位から少なくとも10モル%、好適には少なくとも50モル%のヒドロキシル基がメタクリロイルオキエチルイソシアネートと反応していることが望ましい。α,β−エチレン不飽和イソシアネートは、イソシアネート及びヒドロキシルを含有する単量体の反応産物に基づくことが望まし、その単量体は、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート4−ヒドロキシブチルアクリレート、及び4−ヒドロキシブチルメタクリレートが、任意に3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン又は3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリトキシシランのような第一級アミン、N−メチル−又はN−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシランのような第二級アミン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメトキシ又はテトラエトキシジシロキサンNH(CH −−Si(O−−O−−(CH Si−(CH NHのような縮合アミノアルキルシラン、商品名Dynasylan 121で販売されているようなポリグリコールエーテル改質アミノシラン及びHuls AG社から入手できる商品名Dynasylan TRIAMOのようなトリアミノ官能性プロピルトリメトキシシランである。
マレエート化エラストマー材料
マレエート化ポリプロピレン、マレエート化スチレン−エチレン−ブテン−スチレン−ブロック共重合体、マレエート化スチレン−ブタジエン−スチレン−ブロック共重合体、マレエート化エチレン−プロピレンゴム、及びそれらの混合物のようなポリエチレンをベースにしたマレエート化付加重合の種々の重合体混合物、アロイ及び動的に加硫された複合材料は、本発明に従って官能化皮膜形成エラストマーとして利用できる。マレエート化エラストマーは、適当な有機溶媒系に溶解する。
エチレンビニルエステル共重合体
皮膜形成、溶媒可溶性、OH−官能性エチレン共重合体は、カルボキシル又はヒドロキシル官能基を含有する種々の等級で入手できる、そしてここで使用される皮膜形成剤としても適する。通常、これらの重合体のいくらかは架橋結合性ホットメルト接着剤として使用されるが、これらの重合体は、高温凝集性が比較的低くても常温硬化輻射性塗料皮膜用に容易に適応できる。ヒドロキシル官能を含有するエレンビニルエステル合体は、輻射性塗料組成物に使用するのに適する。そして非ブロックイソシアネートで硬化して、硬化塗料が流れる温度を超えない環境温度に対して十分な性質を提供する。OH基を含有するエチレンビニルアセテート共重合体は、単量体単エチレン及びビニルアルコール、及び任意に酢酸ビニルを有する重合体をベースにしており、その溶粘度は180℃で4〜40Pa.が望ましい。エチレンビニルアルコール共重合体は少なくとも5重量%のビニルアルコール単位を有することが望ましい。一例は、10重量%ビニルアルコール、88.75重量%エチレン及び1.2重量%酢酸ビニルを有するターポリマー(180℃で粘度が20Pa.、125℃、325g荷重でのMFR(メルトフローインデックス)6.4g/10)を有することが望ましい。その融点は示差走査熱量計(DSC)で101.5℃である。別のターポリマーは、13.7重量%ビニルアルコール、82.3重量%エチレン及び4.0重量%酢酸ビニルを含有する(180℃で粘度が5.8Pa.、125℃、325g荷重でのMFR(メルトフローインデックス)参照、30.4g/10分、DSCでの融点91℃))。好適な相互侵入型網目において、ランダム又はブロック共重合体としてのオレフィンゴム重合体、例えば、SBS、EBS、EPM、及びEPDM、水素化ポリジエン共重合体、アクリルゴム、及び他の前記皮膜形成剤(それらは官能基をもつ又はもたない)は、部分的加水分解したエチレンビニルアセテート重合体とそれぞれ10〜90重量%から90〜10重量%の割合で混合されて、ここに開示した適当な硬化剤及びその均等物の何れかで硬化される。
官能化EPM及びEPDMエラストマー
官能化EPM及びEPDMエラストマーは、輻射性塗料における皮膜形成剤として使用される適当な皮膜形成エラストマーである。これらは、ポリエン、一般に非共役ジエンコモノマーと共重合された2つ以上のα−モノオレフィンを含む。有用なポリエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネネン;1,4−ヘキサジエン;5−メチレン−2−ノルボルネン;1,6−オクタジエン;5−メチル−1,4−ヘキサジエン;3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン;1,3−シクロペンタジエン;1,4−シクロヘキサジエン;ジシクロペンタジエン;5−ビニル−2−ノルボルネン、等;又はそれらの組合せを含む。官能化EPM及びEPDMエラストマーに望ましいポリエンは、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネネン及び1,4−ヘキサジエンである。官能基は、前記通常のルートによって、及びここに開示の複分解ルートによって組み込まれる。
本発明において開示した方法の一面において、カルボキシル官能、脂肪族又は芳香族ヒドロキシル官能、等のような有機酸官能及びスルホン酸官能リン酸官能、等のような無機酸官能を含有する重合体の製造に特に有用なスキームが提供される。
ンダントカルボキシ、ヒドロキシル、又は立体障害ペンダントオレフィン官能を組み込むためのかかるスキームの1つを、EPM及びEPDMについて以下に説明する。
Figure 2005533923
式中のnは、反復エチレン単位の常用数を表し、mはプロピレン反復単位の常用数を表し、oは常用ジエン単量体反復単位の数を表し、pは1〜100の範囲のマレエートジシクロペンタジエンの反復単位の数を表わす。ビニル不飽和を含有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体のような共役ジエン重合体に官能基を組み込むために、EPDMを改質する上記と同じ方法が利用できる。
0℃未満のTgを有する好適な官能化皮膜形成重合体の例は、カルボキシル化水素化ニトリルゴム及びエチレン−カルボキシル共重合体(DuPontによって商品名Vamac登録商標で販売)を含む。
硬化成分
硬化成分は、皮膜形成重合体の官能基と共反応性である少なくとも1つのシリコーン結合基を含有する四価のシラン化合物である。かかる基の一つは加水分解性基、又は縮合を介して皮膜形成重合体の官能基と相互作用する基である。シリコーン結合基は、皮膜形成重合体の共反応性基と共反応性の活性水素をもつ基である、又は、シリコーン結合基は、皮膜形成重合体の活性水素含有基と共反応性である。シラン結合基に提供される反応性基は、アルコキシ、ヒドロキシ、メルカプト、イソシアネート、ハロ、アミノ、フェノール、グリシド、等を含む。これらのシラン化合物は、すべて既知であって、多数の商的供給源から入手できる。代表的なヒドロキシアルキル基を含有するシランは、次の一般構造式(A)を有する。
Figure 2005533923
式中のRは全ての場合において、炭素原子数が1〜20の二価の脂肪族、脂環式又は芳香族飽和又は不飽和ラジカルであり、好適には炭素原子数が1〜9、最適には2〜4のアルキレンラジカルである;Rは、炭素原子数が1〜20の脂肪族、脂環式又は芳香族ラジカルであり、炭素原子数が1〜4のアルキルラジカル、環炭素が4〜7のシクロアルキルラジカル、及び核炭素原子数が6、10、又は14のアリールラジカルから成る群から選択するのが望ましい、そして炭素原子数が1〜4の1つ以上の置換基アルキル基を含有するアリールラジカルを含む;Rは炭素原子数が1〜8の一価の脂肪族、脂環式又は芳香族ラジカルであり、炭素原子数が1〜4のアルキルラジカル、R−O−Rから成る群から選択するのが望ましい、式中のRは炭素原子数が1〜4の次式を有するアルキレン基(メチル、エチル、プロピル、ブチル)であり:
Figure 2005533923
そしてRは炭素原子数が1〜4のアルキル基であり;aは0又は1であるが、0が望ましい。
アミノ官能性シランは次の構造式(B)を有する:
Figure 2005533923
式中のR、R、R及びaは、前記式(A)について定義したものである;そしてRは、水素、炭素原子数が1〜8の一価の脂肪族ラジカル、炭素原子数が4〜7の一価の脂環式ラジカル、核炭素数が6のフェニル、アルカリールラジカルから成る群から選択し、炭素原子数1〜4を有する1つ以上の置換基アルキル基及び−R−NH−Rを含有する、式中のRは、炭素原子数が1〜20の二価の脂肪族、脂環式及び芳香族ラジカルから成る群から選択され、窒素原子の任意の対を分離する少なくとも2つの炭素原子が存在すること望まし、Rは炭素原子数が2〜9のアルキレン基が望ましい。RはRと同一であり、水素が望ましい。
メルカプト官能性シランは次の構造式(C)有するものを含む
Figure 2005533923
式中のR、R、R及びaは前記式(A)について定義したとおりである。
他のオルガオノシラン化合物は、1〜20の炭素原子、少なくとも1つの抽出性水素原子(それは少なくとも3つの相互結合炭素原子の鎖によってケイ素原子から分離された官能基に結合することが望ましい)を有する単一の有機鎖を有する。
活性水素基を含有する代表的なオルガノシランは、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、ヒドロキシブチルトリトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリプロポキシシラン、γ−アミノイソブチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルフェニルジエトキシシラン、δ−アミノブチルトリエトキシシラン、δ−アミノブチルメチルジエトキシシラン、δ−アミノブチルエチルジエトキシシラン、γ−アミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N−メチル−g−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N−エチル−δ−アミノブチルトリエトキシシラン、N−γ−アミノプロピル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノイソブチルトリエトキシシラン、N−γ−アミノプロピル−δ−アミノブチルトリエトキシシラン、N−アミノヘキシル−γ−アミノイソブチルメチルジエトキシシラン、メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメトキシジエトキシシラン等である。
シランジオール又はシラントリオールのような(Si−OH結合)を有するヒドロキシシランは、中和度に無関係に硬化剤として、又は他の官能基含有硬化剤との組合せとしても適当である。それらのシラノールは、第1の結合基を介してケイ素に結合した少なくとも1つの求核を含有することが望ましい。ここでの用語「中和」は、シラノール基の少なくともいくつかが一塩基性、二塩基性、又は三塩基性のアルカリ金属塩類の形態であることを意味する。中和度は、シラノールの縮合性基の縮合を50%以下に抑制するのに十分な量である。その硬化剤は、次式で表される部分的中和シラノールにすることができる。
Figure 2005533923
式中のnは1、2、又は3であり;mは0、1、又は2であり;pは0又は1であり、0が望ましい、但しm+n+p=3である;Rは最初の結合基であり;Mはアルカリ塩形成金属であり;Yは求核基を含有する;及びR′は、線状、分枝、又は環状C−C−アルキル基であり、メチル又はエチルが望ましいが、メチルがさらに望ましい。
結合基Rは線状、分枝、又は環状アルキレン基、又はアリーレン基、又はその組合せが望ましく、それ自身が求核性である1つ以上のヘテロ原子を含みうる。RはC−C−アルキレン基又は−−R′−HN−R′−であり、各R′は独立にC−C−アルキレン基である。
適当な求核基の例は、アミン、フェノール、メルカプタン、及びカルボキシレートを含、第一級及び第二級アミン及びメルカプタンが望ましく、第一級及び第二級アミンがさらに望ましく、第一級アミンが最適である。部分的中和アミノシラントリオールの特定例は、典型的に3−アミノプロピルシラントリオール及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル−シラノールのカリウム又はナトリウム塩類である。
好適な硬化成分は、置換又は非置換アルキルアミノ基及びシランと縮合ができるシリコーンに結合した加水分解性基を含有する少なくとも1つのシリコーン結合基を有する。アミン基は、遊離ブロックト形態又はブロックトアミノ基として存在する。アミン基のブロッキングは、メチルイソブチルケトン又はメチルアミルケトンとの反応によって提供される。シラン化合物と反応性の好適な基は、C−Cアルコキシ基が望ましい。硬化成分の例は、アミノシランのクラスの範囲内に限定されないで、アミノプロピルトリエトキシ又は−メトキシシラン及びアミノエチルプロピルトリエトキシ又は−メトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン又は3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキリシランのような第一級アミン、N−メチル−又はN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキリシランのような第二級アミンを含むシラン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメトキシ又はテトラエトキシジシロキサンNH(CH −−Si(OHH−−O−−(CH Si−−(CH NHのような縮合アミノアルキルシラン、商品名Dynasylan121で販売されているようなポリグリコールエーテル改質アミノシラン及びHuls AG社から入手できる商品名DynasylanTRIAMOのようなトリアミノ官能性プロピルトリメトキシシランである。
用語「加水分解性基」は、室温で水によって加水分解されるケイ素に結合した基を意味する。加水分解性基Xは、水素、F、Cl、Br、又はIのようなハロゲン原子;式中のYが、メチル、エチル、イソプロピル、オクタデシル、アリル、ヘキセニル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、β−フェニルエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシイソプロピル、2−ブトキシイソブチル、p−メトキシフェニル又は−−(CHCHO)CHのような炭化水素エーテルラジカルのような炭化水素又はハロゲン化炭化水素基であるときの式−−OYの基;又はジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノジフェニルアミノ、又はジシクロヘキシルアミノのようなN,N−アミノラジカルである。Xは、NH、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルフェニルアミノ又はジシクロヘキシルアミノのようなアミノラジカル;式−ON=CM又は−ON=CM′のケトキシラジカル(式中のMは一価の炭化水素又はハロゲン化炭化水素ラジカルであり、M′は二価の炭化水素ラジカルでその原子価はヘキシレン、ペンチレン又はオクチレンのような炭素に結合している;式−M(M)CONM″のウレイド基(式中のMは炭化水素又はハロ炭化水素ラジカルであり、M″はH又はMラジカルのいずれか);式−OOCMM″のカルボキシル基(式中のM及びM″は前記定義した、又はハロゲン化炭化水素ラジカルである、又は式−NMC=O(M″)のカルボン酸アミドラジカル(式中のM及びM″は前記定義した)にすることができる。Xは、式−OSO(OM)の硫酸塩基又は硫酸ステル基(式中のMは上記定義の炭化水素又はハロゲン化炭化水素ラジカルである);シアノ基;イソシアネート基;およびリン酸塩基又は式−OPO(OM)のリンエステル(式中のMは上記定義のとおり)にすることもできる。
使用する硬化成分の量は、官能性皮膜形成重合体理論量より過剰にしなければならない。過剰の硬化剤は、A部とB部の混合体を作った後に官能性重合体に硬化しない少なくとも50%の遊離シランを提供する量である。硬化成分の当量は、200以下であるが、皮膜形成重合体の共反応性基の当量は1000又はそれ以上の桁である。重量を基準にして、皮膜形成剤の100重量部当り25〜150部の硬化成分が存在、その皮膜形成剤は硬化成分で硬化する官能基10重量%以下を含有する。これは、はけ塗り、吹付け又は浸漬を可能にする粘度及び十分な可使時間を提供するのに必須である。任意に、低脂肪族アルコールを添加できる。好適な溶媒はMIBK及び/又はアセトンである。
輻射性を提供するそれらの実施態様において、有効な輻射熱放出性の塗料において有効量の金属伝導性顔料が完全表面被覆を提供するために含まれる。用語「粒子」は不規則形状、粒状形状、リーフ形状又は複雑な種々の形状を含む。熱反射性顔料は、微細グレン固体、又はリーフ、乾燥粉末形態又は分散又は溶媒中のペースト又は可塑剤、例えば、ミネラルスプリットとして多くの形態で入手できる。微細蒸着膜から得られるフレークが適当である。熱伝導性金属粒子は、黄銅、チタン、銀又はアルミニウムの微細不規則粒子又はリーフ粒子を含む。リーフィング又は非リーフィングのアルミニウムフレークとして導入するのが望ましい金属被覆粒子/金属被覆皮膜が含まれる。リーフィングアルミニウム粒子又はフレークのようなリーフィングフレークは、塗料、例えば、ステアリン酸で商的に入手できる、そして表面に塗布されると、それらの粒子は、仕上げた輻射性塗膜の表面に平向な交互配置構造に配向する。皮膜形成エラストマーの100重量部当り10〜100重量部のレベルで使用した平均粒度5〜25μmの金属粒子は、5ミル(0.01cm)厚さの薄膜にキャスト(流延)されたときに、有効な輻射エネルギー輻射率を提供し、しかも応力割れを生じないように皮膜に十分な屈曲−疲労耐性を提供する。応力割れは輻射性能に損失をもたらす。平均粒度25〜100μmの金属粒子は、応力割れのない十分な輻射熱輻射率を提供するために皮膜形成剤100重量部当り少なくとも20重量部〜150重量部までのレベルで使用しなくてはならない。アルミニウムフレークは、典型的に約300μm以下の直径の平均粒度で入手できる。高アスペクト比をもった金属粒子の最大直径はむしろ不確定であり、二つの主要な寸法(幅と長さ)と、二つの主要な寸法よりも何倍も又は何倍かの桁で小さい場合がある一つの小さな寸法(厚み)を有する。信頼性は、平均粒度を特徴づける供給者の仕様書にある。アルミニウムフレークは、約1〜100μm、さらに望ましくは5〜60μm、最適には10〜45μmの数平均粒度を有することが望ましい。好適なアルミニウム粒子は、99.9%が325メッシュのふるいを通過するサイズのフレークである。即ち、約45μm未満、最適には8〜35μm、特に10〜20ミクロンの平均粒度のフレークである。
リーフィング金属フレークは、米国特許第5,045,114号に記載されているように、少なくとも約40重量%、好適には約60〜70重量%のアルミニウムフレークを有するアルミニウムのペースト及び溶媒よりも乾燥フレークとして導入できる。金属粒子は、輻射性能を示すために皮膜形成重合体に関して前記量で使用される。金属粒子の好適な量は、皮膜形成剤の100重量部当り15〜30重量部の範囲内である。この割合は、表面添加物、例えば、界面活性剤、又は接着促進剤、例えば、シランの考慮を含む。
塗装製品
柔軟性重合体を含む無数の製品は、本発明に従って塗装される。屈曲し曲がり、ねじられ、及び/又は有効寿命中に反復されるトルク又は振動を吸収することを含む力を減衰するように設計されている工業用エラストマー製品が含まれ多くの工業用途に利用される。特定の例は、少し挙げると、タイヤ、ホース、シール、エンジンマウントのようなマウントダンパー及び絶縁装置、等である。熱可塑性エラストマー製、又は熱硬化性(加硫処理)ゴム材料製の、ゴムホース、プラスチックハウジング、ベルト、種々のマウント、シュラウド、シール、グロメット、ワッシャー、スペーサー、カバー、及びハウジング、等のような成形部品として、塗料の接着並びに塗料の硬化物理的性質必須である。硬化した塗料は、100%の伸びができて、ゆがみを示してはならない。即ち、塗膜は、100%伸びまで伸張したときにその柔軟性重合体基材から割れ又は剥離なしに完全に回復する。
塗膜強度
Vamac登録商標のような強化充てん剤を使用しないで硬化された、非晶質エチレン−アクリル重合体は、典型的に約400psiの引張強さを有する。ジイソシアネートで硬化した非強化X−HNBRの溶媒溶液600〜1000psiの引張り強さを有する。特定レベルの単量体シラン硬化剤を使用して硬化したこれらの重合体はいずれも驚異的な引張強さを有する。特定レベル以下のシランレベルでは、塗料は硬化するが、高レベルで得られる強さに欠ける。次の実施例は硬化成分の割合の効果を説明する。
Figure 2005533923
上記表1に示した結果からわかるように、皮膜形成重合体100部当り最少25の有効部が適切な強さを有する塗膜を提供するのに必要であるが、伸びは適切な屈曲能に対する伸び特性を提供するのに十分保たれる。
Figure 2005533923
塗装基材の例
エラストマー塗料は、商品名がTherban登録商標KA−8889のカルボキシル化水素化ニトリル−ブタジエンゴム又は商品名がVamac登録商標Gのメチルイソブチルケトン(MIBK、CASNo.108−10−1)中のエチレンアクリルエラストマーを10.0〜25重量%の固形分となるまで溶解することによって作った。この溶液に、アミノプロピルトリエトキシシラン又はアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランをその溶液におけるエラストマーの固体重量を基準にして25〜125重量%のレベルで添加した。これらの塗料を使用して、天然ゴム、Vamac登録商標、及びフルオロカーボンエラストマー(Viton登録商標)をベースにしたゴム基材を塗装した。接着性は、クロスハッチ・カットテープ接着試験(General Motors仕様書GM9770P、B法による)を使用して評価した。Viton(登録商標)及びVamac(登録商標)ゴム基材への接着性は、基材に表面処理をしないで極めて優れていた。天然ゴムへの接着性は、Chemlok登録商標7701(塩素化代用品)での処理後極めて優れたものであった。これらの塗料は、GeneralMotors仕様書GM9770P、ナフサでのAQ−チップ磨耗試験法による塗料硬化試験及びFord仕様書BN107ー01によるナフサでのクロッキング(摩擦色落ち)試験も合格した。それらの塗膜は、視覚的に魅力のある半光沢仕上げを与えた。

Claims (5)

  1. 第1部(A)に有機溶媒と、0℃未満のTg0〜20%の不飽和を示し硬化成分と共反応性の官能基を含軟質皮膜形成重合体を含み、第2部(B)に前記皮膜形成重合体の官能基と周囲温度で共反応性のシリコーン結合基を少なくとも1つ含シラン硬化成分を前記皮膜形成重合体100重量部当り25〜150重量部を含む塗料が、2液型の混合体として塗布されて硬化した塗装ゴム製品であって硬化した塗膜が少なくとも100%の伸びを示し、
    前記皮膜形成重合体が、
    20,000〜200,000の分子量を有するカルボキシル化水素化ランダム又はブロックジエン共重合体、
    チレン、 〜C アルキルアクリレート、及び不飽和カルボン酸単量体単位のターポリマー、
    メチロール官能基を含む水素化ジエンエラストマー、
    素化スチレン−ブタジン−スチレン・ブロック共重合体び水素化スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体から成る群から選択されるブロック共重合体のカルボキシル化エラストマー
    ポリα−オレフィン−アクリルエステル−アクリルカルボキシレート・ターポリマー、
    官能化エチレン・プロピレン・ジエン単量体エラストマー、および
    ヒドロキシル基を含水素化ニトリルブタジエン重合体
    の少なくとも1つを含んで成る、塗装ゴム製品。
  2. 前記硬化成分がシリコーン結合、活性水素含有基を含み、前記皮膜形成重合体が前記硬化成分の活性水素含有基と共反応性であるペンダント基を含請求項1記載の塗装ゴム製品。
  3. 前記皮膜形成重合体が、20,000〜200,000の分子量を有するカルボキシル化水素化ランダム又はブロックジエン共重合体の少なくとも1つを含み、前記硬化成分がアミノシランである請求項1記載の塗装ゴム製品。
  4. 前記塗料が、100重量部当り20〜150重量部の25〜100ミクロンの平均粒度を有する金属粒子を含請求項1記載の塗装ゴム製品。
  5. 前記皮膜形成重合体が、以上のα−モノオレフィン非共役ジエンコモノマーを含み、それに、カルボン酸、無水物、エポキシ、リン酸、スルホン酸、スルフェネート、スルフィネート、ヒドロキシ、エポキシ、イソシアネート、アミン、及びオキサゾリン基から成る群から選択される官能基が組み込まれる官能化エチレン・プロピレン・ジエン単量体エラストマーである請求項1記載の塗装ゴム製品。
JP2005505620A 2002-07-25 2003-07-24 常温硬化型塗料及びそれらが塗布されたゴム製品 Expired - Fee Related JP5496440B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/205,178 US6844412B2 (en) 2002-07-25 2002-07-25 Ambient cured coatings and coated rubber products therefrom
US10/205,178 2002-07-25
US10/265,576 2002-10-07
US10/265,576 US6777026B2 (en) 2002-10-07 2002-10-07 Flexible emissive coatings for elastomer substrates
PCT/US2003/023360 WO2004011536A1 (en) 2002-07-25 2003-07-24 Ambient cured coatings and coated rubber products therefrom

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013224965A Division JP2014051672A (ja) 2002-07-25 2013-10-30 常温硬化型塗料及びそれらが塗布されたゴム製品

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005533923A JP2005533923A (ja) 2005-11-10
JP2005533923A5 true JP2005533923A5 (ja) 2013-12-19
JP5496440B2 JP5496440B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=31190679

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005505620A Expired - Fee Related JP5496440B2 (ja) 2002-07-25 2003-07-24 常温硬化型塗料及びそれらが塗布されたゴム製品
JP2013224965A Withdrawn JP2014051672A (ja) 2002-07-25 2013-10-30 常温硬化型塗料及びそれらが塗布されたゴム製品

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013224965A Withdrawn JP2014051672A (ja) 2002-07-25 2013-10-30 常温硬化型塗料及びそれらが塗布されたゴム製品

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP1490427B1 (ja)
JP (2) JP5496440B2 (ja)
KR (1) KR101021533B1 (ja)
CN (1) CN100419007C (ja)
BR (1) BR0311798B1 (ja)
CA (1) CA2492866A1 (ja)
DE (1) DE60304208T2 (ja)
ES (1) ES2256784T3 (ja)
MX (1) MXPA04011464A (ja)
WO (1) WO2004011536A1 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6777026B2 (en) * 2002-10-07 2004-08-17 Lord Corporation Flexible emissive coatings for elastomer substrates
JP4514191B2 (ja) * 2002-03-08 2010-07-28 ロード コーポレーション エラストマー基材用フレキシブル塗料
US7220487B2 (en) * 2002-07-25 2007-05-22 Lord Corporation Ambient cured flexible fluoroelastomer coatings and coated products
US20060110559A1 (en) * 2004-10-05 2006-05-25 Victor Nasreddine Crosslinking of carboxylated nitrile polymers with organo functional silanes: a curable plasticizer composition
DE102005038794A1 (de) * 2005-08-17 2007-02-22 Degussa Ag Kautschukmischungen
SG157237A1 (en) * 2008-05-13 2009-12-29 Sumitomo Bakelite Singapore Pte Ltd A curable composition
DE102008002250A1 (de) * 2008-06-06 2009-12-10 Robert Bosch Gmbh Beschichtungsmaterial für Elastomermaterialien
EP2386600B1 (de) * 2010-04-15 2013-06-19 LANXESS Deutschland GmbH Isocyanatgruppen-enthaltende Vernetzer für Nitrilkautschuke
CN101942270B (zh) * 2010-10-21 2012-07-04 江苏科技大学 一种用于led灯的散热涂料
EP2484700B1 (de) * 2011-02-04 2013-10-09 LANXESS Deutschland GmbH Funktionalisierte Nitrilkautschuke und ihre Herstellung
RU2493187C1 (ru) * 2012-06-09 2013-09-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Волгоградский государственный технический университет" (ВолгГТУ) Композиция для покрытий
RU2503698C1 (ru) * 2012-06-09 2014-01-10 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Волгоградский государственный технический университет" (ВолгГТУ) Композиция для покрытий
RU2494130C1 (ru) * 2012-06-09 2013-09-27 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Волгоградский государственный технический университет" (ВолгГТУ) Композиция для покрытий
RU2546737C1 (ru) * 2014-02-11 2015-04-10 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Волгоградский государственный технический университет" (ВолгГТУ) Композиция для покрытий
RU2547019C1 (ru) * 2014-02-11 2015-04-10 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Волгоградский государственный технический университет" (ВолгГТУ) Композиция для покрытий
DE102014107048B4 (de) * 2014-05-19 2019-07-18 Ahauser Gummiwalzen Lammers Gmbh & Co. Kg Verbundwalze mit einem dehäsiven Walzenbezug
KR101640897B1 (ko) * 2015-09-16 2016-07-29 주식회사 지에이치비 주낙통 접합기 및 주낙통 접합방법
US11203658B2 (en) 2017-03-08 2021-12-21 Bridgestone Corporation Coupled polymer products, methods of making and compositions containing
EP3387931B1 (de) * 2017-04-10 2020-07-15 ARLANXEO Deutschland GmbH Vulkanisierbare zusammensetzung enthaltend hxnbr-latex und polyfunktionales epoxid
CN111866669B (zh) * 2019-04-24 2021-11-16 歌尔股份有限公司 一种用于微型发声装置的振膜和微型发声装置
US11242430B2 (en) 2019-10-17 2022-02-08 Ppg Industries Ohio, Inc. Crosslinking compositions and coatings formed therefrom
CN115677965B (zh) * 2022-09-15 2023-07-04 南京贝迪新材料科技股份有限公司 一种高性能量子点复合物的制备方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4670496A (en) * 1984-06-13 1987-06-02 The Goodyear Tire & Rubber Company Coating material for use on sulfur vulcanized rubber
EP0563835A1 (en) * 1992-03-30 1993-10-06 JMK International Inc. Flexible heat-resistant reflective paint, and painted elastomeric components
JPH0931396A (ja) * 1995-07-17 1997-02-04 Japan Synthetic Rubber Co Ltd コーティング用水分散体
JPH09208890A (ja) * 1996-02-07 1997-08-12 Toshiba Silicone Co Ltd ゴム物品
DE60030023T2 (de) * 1999-03-29 2007-03-08 Kaneka Corp. Härtbare Harzzusammensetzung, geeignet zur Formulierung in einer Packung
JP2000313839A (ja) * 1999-04-28 2000-11-14 Toagosei Co Ltd フッ素ゴム系塗料用組成物
US6709758B2 (en) * 2001-11-09 2004-03-23 Lord Corporation Room temperature curable X-HNBR coating
JP4514191B2 (ja) * 2002-03-08 2010-07-28 ロード コーポレーション エラストマー基材用フレキシブル塗料
US6777026B2 (en) * 2002-10-07 2004-08-17 Lord Corporation Flexible emissive coatings for elastomer substrates
US6844412B2 (en) * 2002-07-25 2005-01-18 Lord Corporation Ambient cured coatings and coated rubber products therefrom

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5496440B2 (ja) 常温硬化型塗料及びそれらが塗布されたゴム製品
US6844412B2 (en) Ambient cured coatings and coated rubber products therefrom
JP2005533923A5 (ja)
JP4514191B2 (ja) エラストマー基材用フレキシブル塗料
EP1549720B1 (en) Flexible emissive coatings for elastomer substrates
JP2005520016A5 (ja)
JP5705909B2 (ja) エラストマー性部材を備える飛行機補助動力ユニット用懸架システム
CA1163399A (en) Homo-and co-polymers of 1,3-dienes bearing reactive silyl groups
JPH06506004A (ja) 接着性ゴム組成物
JP4140446B2 (ja) 金属被覆用ポリアミド樹脂組成物
JP2000302982A (ja) シリカ・ポリマー複合体およびそれを用いたゴム組成物
JPH0263733A (ja) アクリルゴム/シリコーンゴム複合体と金属との接着方法および積層体