JP2000302982A - シリカ・ポリマー複合体およびそれを用いたゴム組成物 - Google Patents

シリカ・ポリマー複合体およびそれを用いたゴム組成物

Info

Publication number
JP2000302982A
JP2000302982A JP11246268A JP24626899A JP2000302982A JP 2000302982 A JP2000302982 A JP 2000302982A JP 11246268 A JP11246268 A JP 11246268A JP 24626899 A JP24626899 A JP 24626899A JP 2000302982 A JP2000302982 A JP 2000302982A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
polymer
rubber
meth
carboxylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11246268A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Chino
圭介 知野
Chikashi Yatsuyanagi
史 八柳
Shuichi Onoi
秀一 尾ノ井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP11246268A priority Critical patent/JP2000302982A/ja
Priority to US09/503,353 priority patent/US6465579B1/en
Priority to DE10007181A priority patent/DE10007181A1/de
Publication of JP2000302982A publication Critical patent/JP2000302982A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/34Silicon-containing compounds
    • C08K3/36Silica
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/04Ingredients treated with organic substances
    • C08K9/06Ingredients treated with organic substances with silicon-containing compounds

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムとの混練中の粘度が低くて加工性が良好
であり、また分散性および引張強度にも優れるシリカ・
ポリマー複合体を提供する。 【解決手段】 ヘテロ原子含有の極性基およびベンゼン
環を有するポリマー、またはカルボン酸を有するポリマ
ーとシリカとを溶液中で反応させたシリカ・ポリマー複
合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカ・ポリマー
複合体に関し、更に詳しくは、ゴムとの混練中の粘度が
低く、加工性が良好で、分散性にも優れているシリカ・
ポリマー複合体に関する。また、本発明は、該シリカ・
ポリマー複合体を用いたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノ基含有ジエン系重合体とシリカと
のゴム組成物は、特開昭64−22940号公報、WP
96/30444号明細書、特開平9−151275号
公報および特開平9−151276号公報などにより知
られている。また、ケイ酸塩とラテックスの共沈による
マスターバッチの製造方法については、特許第1146
028号明細書により公知である。更に、シランカップ
リング剤を用いたゴム・シリカ強化マスターバッチの製
造法については、特開平10−231381号公報に開
示されている。また、米国特許第3,098,837号
明細書には、ブタジエン−2−メチル−5 ビニルピリ
ジン共重合体とシリカとの複合体が開示されている。し
かしながら、この合成法に関しては注意深いpHのコント
ロールが必要であり、また乾燥温度のコントロールも必
要であることが明示されている。また、米国特許第4,
481,328号明細書には、ブタジエン−メタクリル
酸共重合体とカーボンブラックとの複合体について開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明で
は、シリカを特定の極性基およびベンゼン環を有するポ
リマーあるいは特定のカルボン酸を有するポリマーと反
応させることによって、シリカとポリマーが分離するこ
となく凝固したシリカ・ポリマー複合体を提供すること
を目的とする。また、本発明では、この複合体をゴムに
配合した、加工性が良好で、シリカの均一分散性に優れ
たゴム組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ヘテロ
原子含有の極性基およびベンゼン環を有するポリマーと
シリカとを溶液中で反応させたシリカ・ポリマー複合体
が提供される。
【0005】また、本発明によれば、ピリジン環および
ベンゼン環を分子内に有するポリマーとシリカとを溶液
中で反応させた後に、更に他のポリマー溶液で反応させ
たシリカ・ポリマー複合体が提供される。
【0006】また、本発明によれば、当該シリカ・ポリ
マー複合体を含むゴム組成物が提供される。
【0007】更に、本発明によれば、ヘテロ原子含有の
極性基およびベンゼン環を有するポリマーとシリカとを
溶液中で反応させるシリカ・ポリマー複合体の製造方法
が提供される。
【0008】また、本発明によれば、カルボン酸を有す
るポリマーとシリカとを反応させたシリカ・ポリマー複
合体が提供される。
【0009】更に、本発明によれば、当該シリカ・ポリ
マー複合体を含むゴム組成物が提供される。
【0010】また、本発明によれば、カルボン酸を有す
るポリマーとシリカとを反応させるシリカ・ポリマー複
合体の製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】シリカは、ゴムとの組合せで良好
な粘弾性特性を示すが、分散性に劣る。このシリカを種
々の方法を用い、分散性を良くすることにより、粘弾性
特性がさらに改良されることが知られている。一方、乳
化重合SBRは、溶液重合SBRよりもコスト面で有利
であり、しかもその力学的特性に優れるという利点があ
る。そこで、本発明者等は、乳化重合SBRを用いてそ
のマスターバッチ化を試みたところ、特に、シリカを本
発明で用いるポリマーの一種であるビニルピリジン含有
SBRラテックスで処理することにより、pHのコントロ
ールや乾燥温度のコントロールをせずに、シリカとゴム
が分離することのない複合体を合成できることを見出し
た。これは、ベンゼン環同士の凝集力に起因しているも
のと考えられる。さらに、本発明者等は、前記のシリカ
にビニルピリジン含有SBRラテックスを加えた後に、
通常のSBRラテックスを加えて凝固させても、シリカ
とゴムが分離することのない複合体を合成できることを
見出した。そして、これらの得られた複合体は、ゴムと
の混練中の粘度が低く、加工性が良好で、また分散性も
優れているので、ゴム組成物における補強性シリカの配
合用マスターバッチとして極めて有用である。
【0012】また、本発明では、シリカをカルボン酸含
有ラテックスで同様に処理することにより、シリカとゴ
ムが分離することのない複合体を合成できることも見出
した。また、界面活性剤の使用やシリカとしてコロイド
状シリカも、有効に使用できることを見出した。更に、
この得られた複合体は、ゴムとの加工性が良好で、分散
性に優れ、また、これを配合したゴム組成物では、その
引張強度も高いことが見出された。
【0013】本発明において、シリカと溶液中で反応さ
せるヘテロ原子含有の極性基およびベンゼン環を有する
ポリマーとしては、典型的に、ヘテロ原子含有の極性基
およびベンゼン環を有するジエン系ゴムラテックスが用
いられる。本発明においては、ヘテロ原子含有の極性基
およびベンゼン環を有するジエン系ゴムラテックス、あ
るいは該極性基およびベンゼン環含有ジエン系ゴムラテ
ックスとその他のジエン系ゴムラテックスとを併用して
用いると、発熱性、引張強度、耐摩耗性および加工性な
どの特性が高度にバランスされたゴム組成物が得られる
ので有効である。
【0014】前記ヘテロ原子としては、周期律表の第2
周期ないし第4周期で、かつ第5B族または第6B族に
属する原子を示し、具体的には、例えば、窒素原子、酸
素原子、硫黄原子、リン原子などが挙げられる。これら
の中でも、窒素原子、酸素原子などが好ましい。かかる
ヘテロ原子を含有する極性基としては、例えば、ヒドロ
キシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、カルボキ
シル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルフィ
ド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル
基、チオカルボニル基、イミノ基、アミノ基、ニトリル
基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ
基、アゾ基、ジアゾ基、含酸素複素環基、含窒素複素環
基、含硫黄複素環基などが挙げられる。これらの中で
も、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、ス
ルフィド基、スルホニル基、アミノ基、含窒素複素環
基、アルコキシシリル基などが好ましく、ヒドロキシル
基、アミノ基、カルボキシル基、含窒素複素環基、アル
コキシシリル基などがさらに好ましく、カルボキシル
基、アミノ基、含窒素複素環基、アルコキシシリル基な
どが最も好ましい。
【0015】ヘテロ原子含有の極性基およびベンゼン環
を有するポリマーとしては、例えば(1)ヘテロ原子含
有の極性基を有するビニル系単量体と共役ジエンと芳香
族ビニルとの共重合体などの極性基含有ジエン系ゴム、
または(2)共役ジエンと芳香族ビニルとの共重合体で
あって、分子中に結合した活性金属を有する(共)重合
体と変性剤とを反応させることにより、該(共)重合体
中にヘテロ原子含有の極性基を導入した極性基含有ジエ
ン系ゴムなどを挙げることができる。
【0016】上記(1)の共重合による該極性基含有ジ
エン系ゴム中の各単量体の含有量は、目的に応じて適宜
選択できる。ヘテロ原子含有の極性基を有するビニル系
単量体と共役ジエンと芳香族ビニルとの重合体ゴムの場
合には、該極性基含有ビニル系単量体結合単位の含有量
が、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜
15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%の範
囲、共役ジエン結合単位の含有量が、通常40〜94.
99重量%、好ましくは50〜85重量%、より好まし
くは55〜80重量%の範囲、および芳香族ビニル結合
単位の含有量が、通常5〜55重量%、好ましくは10
〜45重量%、より好ましくは15〜40重量%の範囲
である。そして、かかる各単量体結合単位の含有量を有
する共重合体ゴムラテックスを用いた場合には、発熱性
とウェットスキッド抵抗の特性を高度にバランスさせた
ゴム組成物が得られる。
【0017】前記(2)の変性法によりヘテロ原子含有
の極性基を導入させた極性基含有ジエン系ゴム中の各単
量体の含有量は、要求される特性に応じて適宜選択さ
れ、共役ジエン結合単位が通常40〜100重量%、好
ましくは50〜90重量%、より好ましくは60〜85
重量%の範囲であり、芳香族ビニル結合単位が通常0〜
60重量%、好ましくは10〜50重量%、より好まし
くは15〜40重量%の範囲である。
【0018】前記の共役ジエンとしては、例えば1,3
−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等
が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、
2−メチル−1,3−ブタジエン、イソプレンなどが好
ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらの
共役ジエンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0019】前記の芳香族ビニルとしては、前記極性基
を有さない芳香族ビニル化合物が用いられ、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3
−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイ
ソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−
t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチ
レン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフ
ルオロスチレン等を挙げることができる。これらの中で
も、スチレンが好ましい。芳香族ビニルは、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0020】また、極性基含有ビニル系単量体として
は、分子内に少なくとも一つの極性基を有する重合性単
量体であれば特に制限はされない。具体的には、例え
ば、アミノ基含有ビニル系単量体、ヒドロキシル基含有
ビニル系単量体、カルボキシル基含有ビニル系単量体、
アルコキシシリル基含有ビニル系単量体などが挙げら
れ、好ましくはカルボキシル基含有ビニル系単量体、ア
ルコキシシリル基含有ビニル系単量体、アミノ基含有ビ
ニル系単量体などである。これらの極性基含有ビニル系
単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0021】前記のアミノ基含有ビニル系単量体として
は、1分子中に第1級、第2級及び第3級アミノ基から
選ばれる少なくとも1つのアミノ基を有する重合性単量
体が挙げられる。これらの中でも、第3級アミノ基含有
ビニル系単量体が特に好ましい。これらのアミノ基含有
ビニル系単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0022】第1級アミノ基含有ビニル系単量体として
は、例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、p
−アミノスチレン、アミノメチル(メタ)アクリレー
ト、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。
【0023】第2級アミノ基含有ビニル系単量体として
は、例えば、特開昭61−130355号公報に開示さ
れるアニリノスチレン類;特開昭61−130356号
公報に開示されるアニリノフェニルブタジエン類;およ
びN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N−(4−アニリノフェニル)メタアクリルアミドなど
N−モノ置換(メタ)アクリルアミド類;等が挙げられ
る。
【0024】第3級アミノ基含有ビニル系単量体として
は、例えば、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリレー
ト、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミド、
N,N−ジ置換アミノ芳香族ビニル化合物およびピリジ
ン基を有するビニル化合物等が挙げられる。
【0025】前記のN,N−ジ置換アミノアクリレート
としては、例えば、N,N−ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチ
ル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチル
アミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオク
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイル
モルフォリンなどのアクリル酸またはメタアクリル酸の
エステルなどが挙げられる。これらの中でも、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N
−ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−
メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート
などが好ましい。
【0026】前記のN,N−ジ置換アミノアルキルアク
リルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノ
メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N−
メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド
化合物またはメタアクリルアミド化合物などが挙げられ
る。これらの中でも、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが好ましい。
【0027】前記のN,N−ジ置換アミノ芳香族ビニル
化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチ
ルスチレン、N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、
N,N−ジプロピルアミノエチルスチレン、N,N−ジ
オクチルアミノエチルスチレンなどのスチレン誘導体が
挙げられる。
【0028】また、アミノ基の代わりに含窒素複素環基
であってもよく、その含窒素複素環としては、例えば、
ピロール、ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジ
ン、トリアゾール、トリアジン、ピリジン、ピリミジ
ン、ピラジン、インドール、キノリン、プリン、フェナ
ジン、プテリジン、メラミンなどが挙げられる。含窒素
複素環は、他のヘテロ原子を環中に含んでいてもよい。
また、ピリジル基を有するビニル化合物としては、例え
ば2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニ
ルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、5−エ
チル−2−ビニルピリジンなどが挙げられる。これらの
中でも、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなど
が好ましい。
【0029】ヒドロキシル基含有ビニル系単量体として
は、1分子中に少なくとも1個の第1級、第2級または
第3級ヒドロキシル基を有する重合性単量体が挙げられ
る。このようなヒドロキシル基含有ビニル系単量体とし
ては、例えば、それぞれヒドロキシル基を含有する不飽
和カルボン酸系単量体、ビニルエーテル系単量体、ビニ
ルケトン系単量体などが挙げられ、これらの中でも、ヒ
ドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体が好適であ
る。ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体とし
ては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン
酸、フマル酸、マレイン酸などのエステル、アミド、無
水物などの誘導体が挙げられ、好ましくはアクリル酸、
メタアクリル酸などのエステル化合物である。
【0030】また、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体
の具体例としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ク
ロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−クロロ−3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アク
リルアミド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル
アミド、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、ジ−
(プロピレングリコール)イタコネート、ビス(2−ヒ
ドロキシプロピル)イタコネート、ビス(2−ヒドロキ
シエチル)イタコネート、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)フマレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレー
ト、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシ
メチルビニルケトン、アリルアルコールなどが例示され
る。これらの中でも、ヒドロキシメチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−フェノキ
シ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リセロールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリルアミドなどが好ましい。
【0031】アルコキシシリル基含有ビニル系単量体と
しては、例えば、特開平7−188356号公報で開示
されるトリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニル
シラン、6−トリメトキシシリル−1,2−ヘキセン、
p−トリメトキシシリルスチレン、メタアクリル酸3−
トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸3−トリエト
キシシリルプロピルなどのアルコキシシリル基含有ビニ
ル系単量体などを挙げることができる。
【0032】カルボキシル基としては、アクリル酸、メ
タアクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸など
を挙げることができる。
【0033】本発明で用いる前記ヘテロ原子含有の極性
基およびベンゼン環を有するポリマーとしては、前記の
アミノ基およびベンゼン環を有するポリマー、更には、
ピリジン環およびベンゼン環を分子内に有するポリマー
が好ましく、特に、これらポリマーのゴムラテックスが
好適に使用される。
【0034】本発明で用いるカルボン酸を有するポリマ
ーとしては、例えば、ポリアクリル酸、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体(一部カルボン酸含む)、ポリアミド、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル・カルボン酸含有ジエン系ゴ
ム、カルボン酸含有熱可塑性エラストマー、カルボン酸
変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、カ
ルボン酸変性SEBS等がある。
【0035】また、かかるカルボン酸をするポリマー
は、エラストマー(ここで、エラストマーとは、ガラス
転移点が室温以下のポリマーのことを言う。)であるこ
とが好ましく、そのようなエラストマーとしては、例え
ば、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム、カルボン酸
変性ポリブタジエン、カルボン酸変性ポリイソプレン、
カルボン酸変性ニトリルブタジエンゴム、カルボン酸変
性ブチルゴム、カルボン酸変性ウレタンゴム、カルボン
酸変性シリコーンゴム、カルボン酸変性多硫化ゴム、カ
ルボン酸変性フッ素ゴム、カルボン酸変性エピクロロヒ
ドリンゴム、カルボン酸変性ノルボルネンゴム、カルボ
ン酸変性スチレン系熱可塑性エラストマー、カルボン酸
変性オレフィン系熱可塑性エラストマー、カルボン酸変
性ウレタン系熱可塑性エラストマー、カルボン酸変性ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、カルボン酸変性ポ
リアミド系熱可塑性エラストマー、カルボン酸変性塩ビ
系熱可塑性エラストマー、カルボン酸変性フッ素系熱可
塑性エラストマー等が使用できる。
【0036】また、かかるカルボン酸を有するエラスト
マーとしては、カルボン酸含有ラテックスであることが
特に好ましく、このようなものとしては、例えば、スチ
レン・ブタジエン・(メタ)アクリル酸共重合体ラテッ
クス、スチレン・ブタジエン・(メタ)アクリル酸・ビ
ニルピリジン共重合体ラテックス、カルボン酸変性液状
イソプレンゴムラテックス、カルボン酸変性イソプレン
ゴムラテックス、カルボン酸変性天然ゴムラテックス、
カルボン酸変性ブタジエンゴムラテックス、カルボン酸
変性スチレンブタジエンゴムラテックス、カルボン酸変
性アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス、カルボ
ン酸変性クロロプレンラテックス、カルボン酸変性アク
リルゴムラテックス、カルボン酸変性アクリレートブタ
ジエンゴムラテックス、カルボン酸変性酢酸ビニルゴム
ラテックス等が挙げられる。
【0037】また、本発明で使用されるシリカとして
は、湿式、乾式シリカ、コロイド状シリカ、あるいは表
面処理シリカなど特に限定されない。シラノール基が残
っているシリカならば適用可能である。
【0038】本発明のシリカ・ポリマー複合体は、所定
のヘテロ原子含有の極性基およびベンゼン環を有するポ
リマー、あるいはカルボン酸を有するポリマーとシリカ
とを溶液中で1段階または2段階操作で反応させること
によって得ることができる。所定のヘテロ原子含有の極
性基およびベンゼン環を有するポリマー成分の場合は、
そのヘテロ原子含有の極性基単位が、また、カルボン酸
を有するポリマー成分の場合は、そのカルボン酸単位
が、シリカ量に対して0.1重量%を超える量で反応さ
せることが必要である。このポリマー成分の配合量がシ
リカに対して0.1重量%以下では、分離してしまい、
所望のシリカ・ポリマー複合体が得られない。反応時間
に関しては、反応温度の上昇に伴って短縮できる。室温
での反応では、1時間以上の反応時間が必要である。ま
た、2段目に添加するポリマー溶液としては、特に制限
は受けないが、エマルジョン溶液が好ましく、SBR,
BR,IR,NR,NBR,ABS、アクリレート系、
塩化ビニル系など種々のものが使用可能である。また、
この系内に乳化剤、シランカップリング剤、各種オイ
ル、老化防止剤、充填剤、可塑剤、軟化剤等の各種添加
剤を共存させると一層好ましい。
【0039】本発明の所定のシリカ・ポリマー複合体
は、これを補強性のシリカ・ゴムマスターバッチとして
ゴム中に混練すると、ゴムとの混練中の粘度が低く、加
工性が良好で、分散性も優れたゴム組成物を得ることが
できる。本発明に係るゴム組成物に配合されるゴム成分
は、架橋可能なゴム成分で、単独または2種以上の混合
物である。架橋可能なゴムとしては、任意のゴムを用い
ることができ、例えば、天然ゴム(NR)、各種ブタジ
エンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体
ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチル
ゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン
−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブ
タジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合
体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーン
ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどを用いることがで
きる。ブレンドを用いる場合には、そのブレンド比には
特に制限はない。
【0040】また、本発明に係るゴム組成物には、補強
剤としてのカーボンブラック、更に、通常の加硫または
架橋剤、加硫または架橋促進剤、各種オイル、老化防止
剤、充填剤、可塑化剤、軟化剤、その他一般ゴム用に一
般的に配合されている各種添加剤を配合することがで
き、かかる配合物は、一般的な方法で混練、加硫して組
成物とし、加硫または架橋するのに使用することができ
る。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しな
い限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0041】
【実施例】以下、合成例、実施例および比較例によって
本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施
例に限定するものでないことは言うまでもない。
【0042】1)複合体1の合成 シリカ300gに、水1Lを加え、攪拌しディスパージ
ョンを作る。攪拌下、スチレン・ブタジエン・ビニルピ
リジン共重合体ラテックス(Nipol 2518F
S)247g(ゴム分100g)をゆっくり滴下した
後、5時間攪拌する。その後、塩化ナトリウム10gを
加えて攪拌し、ゴムとシリカの複合体を析出させ、その
複合体をすくい上げて絞り、軽く水洗いして再度絞った
後、120℃で減圧乾燥して複合体を得た。
【0043】2)複合体2の合成 シリカ300gに、水1Lを加え、攪拌しディスパージ
ョンを作る。攪拌下、スチレン・ブタジエン・ビニルピ
リジン共重合体ラテックス(Nipol 2518F
S)247g(ゴム分100g)をゆっくり滴下した
後、5時間攪拌する。その後、スチレン・ブタジエン共
重合体ラテックス(Nipol 1502)806.5
g(ゴム分200g)をゆっくり滴下した後、5時間攪
拌する。その後、塩化ナトリウム10gを加えて攪拌
し、ゴムとシリカの複合体を析出させ、その複合体をす
くい上げて絞り、軽く水洗いして再度絞った後、120
℃で減圧乾燥して複合体を得た。
【0044】3)複合体3の合成 シリカ300gに、水1Lを加え、攪拌しディスパージ
ョンを作る。攪拌下、メルカプトトリメトキシシラン
(A−189)20gを加え、3時間攪拌する。その
後、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラ
テックス(Nipol 2518FS)247g(ゴム
分100g)をゆっくり滴下した後、5時間攪拌する。
その後、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(N
ipol 1502)806.5g(ゴム分200g)
をゆっくり滴下した後、5時間攪拌する。その後、塩化
ナトリウム10gを加えて攪拌し、ゴムとシリカの複合
体を析出させ、その複合体をすくい上げて絞り、軽く水
洗いして再度絞った後、120℃で減圧乾燥して複合体
を得た。
【0045】4)複合体4〜11の合成 上記複合体1〜3の合成法に準じて、下記表1に示す成
分および反応条件に従って各複合体4〜11を合成し
た。以上の結果を表1に示す。
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】表1の結果より、スチレン・ブタジエン・
ビニルピリジン共重合体ラテックスの量が、ゴム分で、
シリカに対して0.1重量%以下の配合(合成例9およ
び10)では、シリカから分離してしまい、複合体を生
成しないことがわかる。しかし、2段目に反応させるス
チレン・ブタジエン共重合体ラテックスの使用量につい
ては特に限定されない。また、反応時間に関しては、反
応温度を高めれば、反応時間を短縮できることがわか
る。
【0048】5)複合体16の合成 シリカ225gに、水750mLを加え、撹拌してディス
パージョンを作る。老化防止剤6.75gを加え、撹拌
下、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン共重合体ラ
テックス(Nipol 2518FS)55.6g(ゴ
ム分22.5g)とスチレン・ブタジエン共重合体ラテ
ックス(Nipol 1502)1723.5g(ゴム
分427.5g)の混合物をゆっくり滴下した後、室温
で5時間撹拌する。その後、塩化ナトリウム10gを加
えて撹拌し、ゴムとシリカの複合体を析出させ、その複
合体をすくい上げて絞り、軽く水洗いして再度絞った
後、120℃で減圧乾燥して複合体を得た。
【0049】6)複合体17の合成 シリカ225gに、水750mLを加え、撹拌してディス
パージョンを作る。老化防止剤6.75gを加え、撹拌
下、スチレン・ブタジエン・(メタ)アクリル酸共重合
体ラテックス(Nipol LX426)45g(ゴム
分100g)をゆっくり滴下した後、室温で3時間撹拌
する。その後、スチレン・ブタジエン共重合体ラテック
ス(Nipol 1502)1723.5g(ゴム分4
27.5g)をゆっくり滴下した後、5時間撹拌する。
その後、塩化ナトリウム10gを加えて撹拌し、ゴムと
シリカの複合体を析出させ、その複合体をすくい上げて
絞り、軽く水洗いして再度絞った後、120℃で減圧乾
燥して複合体を得た。
【0050】7)複合体21の合成 コロイダルシリカ500g(シリカ分150g)に、撹
拌下、シランカップリング剤(Si−69)15gを加
え、80℃で1.5時間撹拌する。老化防止剤5gを加
えた後、スチレン・ブタジエン・(メタ)アクリル酸共
重合体ラテックス(Nipol LX426)30.0
g(ゴム分15g)とスチレン・ブタジエン共重合体ラ
テックス(Nipol 1502)1149g(ゴム分
285g)の混合物をゆっくり滴下した後、1.5時間
撹拌する。その後、塩化ナトリウム10gを加えて撹拌
し、ゴムとシリカの複合体を析出させ、その複合体をす
くい上げて絞り、軽く水洗いして再度絞った後、120
℃で減圧乾燥して複合体を得た。
【0051】8)複合体12〜15,18〜20の合成 上記複合体16〜17,21の合成法に準じて、下記表
2に示す成分および反応条件に従って各複合体12〜1
5,18〜20を合成した。以上の結果を表2に示す。
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】表2の結果より、スチレン・ブタジエン・
(メタ)アクリル酸共重合体ラテックスの量が、ゴム分
で、シリカに対して0.1重量%を超えて配合する(合
成例17および21)と、複合体を生成することがわか
る。また、本発明のシリカ・ポリマー複合体の合成にお
いて、その反応系中に、乳化剤および/またはシランカ
ップリング剤を添加する(合成例18,19および2
1)と、反応時間が短縮し、有効に所定の複合体が得ら
れることがわかる。更に、反応温度を高めれば、反応時
間を一層短縮できることもわかる。
【0054】前記で得られた複合体1および2を用い
て、以下の表3に示す組成のゴム組成物を得、その粘度
および分散性について試験した。
【0055】サンプルの作製 加硫促進剤とイオウを除く各成分を1.8Lの密封型ミ
キサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達したとき
に放出したマスターバッチに加硫促進剤とイオウを8イ
ンチのオープンロール混練し、ゴム組成物を得た。得ら
れたゴム組成物の未加硫物性「ムーニー粘度」を測定し
た。次に、この組成物を15×15×0.2cmの金型中
で160℃で20分間プレス加硫して試験片(ゴムシー
ト)を作製し、これより「分散性」を測定した。
【0056】各例において得られたゴム組成物のムーニ
ー粘度および分散性の試験方法は、次のとおりである。 1)ムーニー粘度:JIS K6300に準拠して10
0℃にて測定した。 2)分散性:光学顕微鏡でシリカの分散状態を観察し、
◎は均一に、○は略均一に、×は不均一に分散している
ことを示す。
【0057】実施例1〜4および比較例1〜2 各例における配合およびその結果を以下の表3に示す。
【表5】
【0058】表3の結果より、本発明のシリカ・ポリマ
ー複合体を使用した実施例1〜4のゴム組成物では、い
ずれもムーニー粘度が低くて、かつ分散性も優れている
ことがわかる。
【0059】次に、前記で得られた複合体14〜21を
用いて、以下の表4に示す組成のゴム組成物を得、その
分散性および引張強さについて試験した。
【0060】サンプルの作製 加硫促進剤と硫黄を除く各成分を1.8Lの密封型ミキ
サーで3〜5分間混練し、165±5℃に達したときに
放出したマスターバッチに加硫促進剤と硫黄を8インチ
のオープンロール混練し、ゴム組成物を得た。次いで、
このゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で16
0℃で20分間プレス加硫して試験片(ゴムシート)を
作製し、これより「分散性」および「引張強さ」を測定
した。
【0061】各例において得られたゴム組成物の「分散
性」および「引張強さ」の試験方法は、次のとおりであ
る。 1)分散性:加硫ゴムを鋭利な刃物で切り、その表面に
ついて目視および光学顕微鏡(×100,400)でシ
リカの分散状態を確認し、次の評価法により評価した。 ◎…シリカの不良分散塊(数100μm径)が殆どな
く、均等に分散している。 ○…シリカの不良分散塊が数個発見されるが、それ以外
はある程度分散している。 △…シリカの不良分散塊が数十個見受けられるが、それ
以外はある程度分散している。 ×…切り出した表面から粉らしきものが見えるのが確認
でき、シリカの不良分散塊が無数に見受けられる。 2)引張試験:JIS K6251ダンベル状3号を用
い、破断までの応力−伸び曲線の面積から引張破断エネ
ルギー(MPa)を求めた。
【0062】実施例5〜16および比較例3 各例における配合およびその結果を以下の表4に示す。
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】表4の結果より、本発明のシリカ・ポリマ
ー複合体を使用した実施例5〜16のゴム組成物では、
いずれも分散性に優れ、かつ、引張強さの点でも優れて
いることがわかる。特に、乳化剤を加えた本発明のシリ
カ・ポリマー複合体を用いたゴム組成物(実施例11お
よび12)では、分散性および引張強さが共に一段と優
れている。
【0065】
【発明の効果】本発明により得られるシリカ・ポリマー
複合体は、シリカとゴムが分離することのない複合体を
生成し、これをゴムと混練するときは、混練中の粘度が
低く、加工性が良好で、かつその分散性および引張強度
も優れている。したがって、シリカをかかる複合体とな
して、これをゴムの補強剤とし使用すれば、従来のシリ
カに係る種々の問題点を発生させずに、極めて容易に均
一混練することができ、またその混練時における加工性
にも優れるので、極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾ノ井 秀一 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 Fターム(参考) 4J002 AC111 BG071 BG131 BH011 BJ001 BQ001 DJ016 FD016

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘテロ原子含有の極性基およびベンゼン
    環を有するポリマーとシリカとを溶液中で反応させたシ
    リカ・ポリマー複合体。
  2. 【請求項2】 アミノ基および/または含窒素複素環基
    およびベンゼン環を有するポリマーとシリカとを溶液中
    で反応させたシリカ・ポリマー複合体。
  3. 【請求項3】 ピリジン環およびベンゼン環を分子内に
    有するポリマーとシリカとを溶液中で反応させたシリカ
    ・ポリマー複合体。
  4. 【請求項4】 前記ピリジン環およびベンゼン環を分子
    内に有するポリマーでシリカを処理した後に、これを他
    のポリマー溶液で処理した請求項3に記載のシリカ・ポ
    リマー複合体。
  5. 【請求項5】 前記ピリジン環およびベンゼン環を分子
    内に有するポリマーを、ピリジン環単位がシリカに対し
    て0.1重量%以上となるように添加した請求項3また
    は4に記載のシリカ・ポリマー複合体。
  6. 【請求項6】 ヘテロ原子含有の極性基およびベンゼン
    環を有するポリマーとシリカとを溶液中で反応させるシ
    リカ・ポリマー複合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 アミノ基および/または含窒素複素環基
    およびベンゼン環を有するポリマーとシリカとを溶液中
    で反応させるシリカ・ポリマー複合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 ピリジン環およびベンゼン環を分子内に
    有するポリマーとシリカとを溶液中で反応させるシリカ
    ・ポリマー複合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ピリジン環およびベンゼン環を分子
    内に有するポリマーでシリカを処理した後に、これを他
    のポリマー溶液で処理する請求項9に記載のシリカ・ポ
    リマー複合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 カルボン酸を有するポリマーとシリカ
    とを反応させたシリカ・ポリマー複合体。
  11. 【請求項11】 前記カルボン酸を有するポリマーを、
    カルボン酸単位がシリカに対して0.1重量%以上とな
    るようにシリカに添加、反応させた、請求項10に記載
    のシリカ・ポリマー複合体。
  12. 【請求項12】 カルボン酸を有するポリマーとシリカ
    とを反応させるシリカ・ポリマー複合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記ヘテロ原子含有の極性基およびベ
    ンゼン環を有するポリマー、またはカルボン酸を有する
    ポリマーがエラストマーである、請求項1〜5,10お
    よび11のいずれか1項に記載のシリカ・ポリマー複合
    体。
  14. 【請求項14】 ヘテロ原子含有の極性基およびベンゼ
    ン環を有するエラストマー、またはカルボン酸を有する
    エラストマーとシリカとを反応させる請求項13に記載
    のシリカ・ポリマー複合体の製造方法。
  15. 【請求項15】 乳化剤を更に添加して反応させる、請
    求項6〜9,12および14のいずれか1項に記載のシ
    リカ・ポリマー複合体の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜5,10,11および13
    の少なくとも1項に記載のシリカ・ポリマー複合体を含
    むゴム組成物。
JP11246268A 1999-02-18 1999-08-31 シリカ・ポリマー複合体およびそれを用いたゴム組成物 Pending JP2000302982A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11246268A JP2000302982A (ja) 1999-02-18 1999-08-31 シリカ・ポリマー複合体およびそれを用いたゴム組成物
US09/503,353 US6465579B1 (en) 1999-02-18 2000-02-14 Silica-polymer composite, method of production thereof, and rubber composition using the same
DE10007181A DE10007181A1 (de) 1999-02-18 2000-02-17 Siliciumdioxid-Polymer-Verbundstoff, Verfahren zu seiner Herstellung und diesen Verbundstoff enthaltende Kautschukzusammensetzung

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-39804 1999-02-18
JP3980499 1999-02-18
JP11246268A JP2000302982A (ja) 1999-02-18 1999-08-31 シリカ・ポリマー複合体およびそれを用いたゴム組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000302982A true JP2000302982A (ja) 2000-10-31

Family

ID=26379205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11246268A Pending JP2000302982A (ja) 1999-02-18 1999-08-31 シリカ・ポリマー複合体およびそれを用いたゴム組成物

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6465579B1 (ja)
JP (1) JP2000302982A (ja)
DE (1) DE10007181A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7256238B2 (en) 2001-07-18 2007-08-14 Asahi Kasei Chemicals Corporation Modified block copolymer

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002201310A (ja) * 2000-12-27 2002-07-19 Bridgestone Corp ゴム組成物
JP5933497B2 (ja) * 2013-09-17 2016-06-08 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2015098561A (ja) 2013-11-20 2015-05-28 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL263675A (ja) 1960-04-25
FR2372192A1 (fr) 1976-11-29 1978-06-23 Rhone Poulenc Ind Procede d'obtention d'un melange maitre silice-latex par coprecipitation et produit obtenu
DE3101413C2 (de) 1981-01-17 1983-10-20 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt Pulverförmige Polymerisatmasse, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung
JPH0778151B2 (ja) 1987-07-17 1995-08-23 日本合成ゴム株式会社 ゴム組成物
JP3449724B2 (ja) 1995-03-29 2003-09-22 日本ゼオン株式会社 ジエン系ゴム組成物
JP3601559B2 (ja) 1995-11-28 2004-12-15 日本ゼオン株式会社 ジエン系ゴム組成物
JP3622803B2 (ja) 1995-11-28 2005-02-23 日本ゼオン株式会社 ゴム組成物
CA2224609A1 (en) 1996-12-18 1998-06-18 David J. Kneiling Process for producing improved silica-reinforced masterbatch of polymers in latex form
JP3763334B2 (ja) 1998-03-31 2006-04-05 日本ゼオン株式会社 ゴム組成物の製造方法およびゴム組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7256238B2 (en) 2001-07-18 2007-08-14 Asahi Kasei Chemicals Corporation Modified block copolymer
US7414093B2 (en) 2001-07-18 2008-08-19 Asahi Kasei Chemicals Corporation Modified block copolymer
US7642317B2 (en) 2001-07-18 2010-01-05 Asahi Kasei Chemicals Corporation Modified block copolymer
US7642318B2 (en) 2001-07-18 2010-01-05 Asahi Kasei Chemicals Corporation Modified block copolymer

Also Published As

Publication number Publication date
US6465579B1 (en) 2002-10-15
DE10007181A1 (de) 2000-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5941901B2 (ja) エラストマーを補強するための方法および配合物
WO2006057343A1 (ja) 変性天然ゴムラテックス及びその製造方法、変性天然ゴム及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ
JP4518750B2 (ja) ゴム組成物および空気入りタイヤ
WO2006059503A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2011526327A (ja) 金属で官能化されたポリイソブチレン誘導体を含むゴム組成物及びかかる組成物の調製方法
JP2002241507A (ja) ジエン系ゴム・無機化合物複合体及びその製造方法並びにそれを含有するゴム組成物
JP2014051672A (ja) 常温硬化型塗料及びそれらが塗布されたゴム製品
WO2007066689A1 (ja) ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP6122844B2 (ja) 変性天然ゴム及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ
JP2005533923A5 (ja)
EP2223947A2 (en) Modified natural rubber or modified natural rubber latex, and rubber composition
JP4733993B2 (ja) 変性天然ゴムマスターバッチ及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ
JP5170997B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP2000302982A (ja) シリカ・ポリマー複合体およびそれを用いたゴム組成物
JP2000273240A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2005220212A (ja) 加硫ゴム組成物
JPH11106562A (ja) ジエン系ゴム組成物
JP2010215725A (ja) ゴム組成物、セメント組成物、ゴム組成物同士の接着方法及びタイヤ
WO2010143633A1 (ja) ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP2005015695A (ja) ゴム組成物
JP5653074B2 (ja) セメント組成物、ゴム組成物の接着方法及びタイヤ
JP5002162B2 (ja) 変性天然ゴム、並びにそれを用いたゴム組成物及びタイヤ
JP2008184572A (ja) 変性水添天然ゴムの製造方法、変性水添天然ゴム、ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2006152156A (ja) 空気入りタイヤ
JP5064058B2 (ja) ゴム組成物の製造方法およびゴム組成物