JP2000273240A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物

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JP2000273240A
JP2000273240A JP11085359A JP8535999A JP2000273240A JP 2000273240 A JP2000273240 A JP 2000273240A JP 11085359 A JP11085359 A JP 11085359A JP 8535999 A JP8535999 A JP 8535999A JP 2000273240 A JP2000273240 A JP 2000273240A
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hydroxyl group
rubber
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silica powder
rubber composition
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JP11085359A
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Tetsuya Koga
哲也 古閑
Yuichi Fukunaga
裕一 福永
Toshihiro Tanaka
逸啓 田中
Arihiro Wada
有弘 和田
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IDEMITSU ATOCHEM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価なシランカップリング剤を用いる必要が
なく低コストであり、かつ煩雑な操作を伴う前処理をし
なくても製造可能であって、しかも制動性能と低燃費性
能とのバランス等に優れたタイヤトレッド用ゴム組成物
を提供することを目的とする。 【解決手段】 架橋可能なジエン系固形ゴム100重量
部に対し、水酸基含有液状ジエン系重合体を0.05〜
30重量部、シリカ粉末を10〜150重量部及びカー
ボンブラックを0〜150重量部の割合でそれぞれ添加
してなるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動性能と低燃費
性能とのバランス等に優れており、しかも高価なシラン
カップリング剤を用いたり前処理を必要としたりするこ
となく、シリカ粉末を良好に分散させることのできるタ
イヤトレッド用ゴム組成物に関する。より詳しくは架橋
可能なジエン系固形ゴムに、水酸基含有液状ジエン系重
合体及びシリカ粉末を、或いはこれにさらにカーボンブ
ラックをそれぞれ特定割合で配合してなるタイヤトレッ
ド用ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、トラック、バスなどの車両用タ
イヤは、走行中に繰り返し変動を受ける。つまり、タイ
ヤ中のゴム配合物の高温度域(60℃)でのtanδが
高いと、使用中の発熱が高く、早期破壊につながる。従
って、タイヤの早期破壊防止の観点から、他性能を維持
しつつ、高温度域のtanδを低下させることが求めら
れている。この高温度域のtanδを低下させること
で、路面との摩擦抵抗を低減させ、これにより低燃費性
能を向上させることが可能となる。
【0003】しかしながら、高温度域のtanδを低下
させると、一般的には湿潤路面への抵抗値の指標となる
低温度域(0℃)のtanδも同時に低下するため、こ
の相反する2つの性能をいかにバランス良く制御させる
かが必要となる。
【0004】このような高温度域のtanδと低温度域
のtanδとのバランスをとるための手法については、
既にいくつか報告されている。
【0005】例えば、特開平3−252431号公報に
おいては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)
などの固形ジエン系ゴムに、カーボンブラック及びシリ
カ粉末を、特定構造のシランカップリング剤を使用して
配合することで、制動性能と低燃費性能とのバランスの
とれたタイヤ用ゴム組成物を提供できることが提案され
ている。このように、シリカ粉末を併用することで、上
述の制動性能と低燃費性能とのバランスを取ることが可
能となる。しかしながら、これら配合物に使用されるシ
リカ粉末は、嵩比重が小さく、また粒子径が極めて小さ
いため、これを固形ゴムに均一に分散させるためには、
高価な特定構造のシランカップリング剤を多量に使用し
なければならない、という不具合が生じていた。
【0006】また、特開平8−277347号公報や特
開平10−152582号公報には、カーボンブラック
にシリカを付着させることにより得られた、カーボンブ
ラックとシリカ双方の表面を有するゴム補強用充填剤
を、固形ジエン系ゴムに添加する方法が提案されてい
る。しかしながら、この場合においても、ゴム補強用充
填剤を調整する際には、高価なシランカップリング剤が
多量に必要であるため、コストがかかる。また、その前
処理における調製方法も、pHの制御や温度管理など煩
雑な操作が必要である等の問題を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高価
なシランカップリング剤を用いる必要がなく低コストで
あり、かつ煩雑な操作を伴う前処理をしなくても製造可
能であって、しかも制動性能と低燃費性能とのバランス
等に優れたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これら従
来の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、驚
くべきことに水酸基含有液状ジエン系重合体をシリカ粉
末の分散剤として使用することによって、高価なシラン
カップリング剤を使用することなく、同時にシリカ粉末
及びカーボンブラックを予め反応させておくような前処
理が不要であり、ゴム配合物中に良好な状態で分散でき
ること、並びにこのゴム組成物は、制動性能と低燃費性
能とのバランス、耐摩耗性、機械的物性にも優れたもの
であることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0009】すなわち、請求項1記載の本発明は、架橋
可能なジエン系固形ゴム100重量部に対し、水酸基含
有液状ジエン系重合体を0.05〜30重量部、シリカ
粉末を10〜150重量部及びカーボンブラックを0〜
150重量部の割合でそれぞれ添加してなるタイヤトレ
ッド用ゴム組成物を提供するものである。
【0010】次に、請求項2記載の本発明は、水酸基含
有液状ジエン系重合体の水酸基含量が0.2〜10.0
meq/gであり、かつ数平均分子量が300〜100
00であることを特徴とする請求項1記載のタイヤトレ
ッド用ゴム組成物を提供するものである。
【0011】また、請求項3記載の本発明は、シリカ粉
末の平均粒子径が20〜500μmであることを特徴と
する請求項1又は2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物
を提供するものである。
【0012】さらに、請求項4記載の本発明は、タイヤ
トレッド用、サイドトレッド用及びアンダートレッド用
のいずれか一種以上のものに用いることを特徴とする請
求項1〜3のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組
成物を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明について、以下、詳細に説
明する。本発明の組成物は、架橋可能なジエン系固形ゴ
ムに、水酸基含有液状ジエン系重合体及びシリカ粉末、
あるいはこれにさらにカーボンブラックをそれぞれ特定
割合で添加してなるものである。
【0014】本発明において用いる架橋可能なジエン系
固形ゴムとしては、架橋可能なジエン系成分を含むゴム
成分を単独で、又は2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0015】架橋可能なジエン成分を含むゴムとして
は、任意のゴムを用いることができる。具体的には、天
然ゴム(NR)、1,4−リッチ又は1,2−リッチな
構造を有する各種ブタジエンゴム(BR)、各種製法に
て作られたスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SB
R)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(II
R)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロ
ロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、スチレン−イ
ソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエ
ン共重合ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合ゴム等が
挙げられる。これら固形ゴムをブレンドして用いること
も可能であり、その場合、ブレンド比率については、特
に制限はない。また、予めプロセスオイルで油展された
固形ゴムを使用することも可能である。
【0016】次に、本発明では、水酸基含有液状ジエン
系重合体を用いる。この水酸基含有液状ジエン系重合体
を用いることにより、後述するシリカ粉末のゴム分散性
を向上させることができることが分かった。
【0017】本発明において、この水酸基含有液状ジエ
ン系重合体は、公知であるか、又は公知の手法により容
易に製造することができる。
【0018】例えば、炭素数4〜22のジエンモノマー
を、公知の重合開始剤を用いてラジカル重合することに
より、水酸基含有液状ジエン系重合体を製造することが
できる。
【0019】ここで炭素数4〜22のジエンモノマーと
しては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,
3−ペンタジエン、シクロペンタジエン等が挙げられ、
これらのうちの1種を単独で、或いは2種以上を混合し
て用いることができる。
【0020】また、公知の重合開始剤としては、過酸化
水素(H22)、水酸基を有するアゾ化合物(例えば、
2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド〕)等、又は水酸基を有す
るパーオキサイド(例えば、シクロヘキサノンパーオキ
サイド等)が挙げられる。この重合開始剤の使用量は、
上記ジエンモノマー100gに対して、例えば過酸化水
素を用いる場合には1.0〜50g、2,2’−アゾビ
ス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピ
オンアミド〕を用いる場合には5.0〜100g、シク
ロヘキサノンパーオキサイドを用いる場合には5.0〜
100gが、それぞれ適当である。
【0021】重合は無溶媒で行うことも可能であるが、
反応の制御の容易さ等のため、溶媒を用いるのが好まし
い。溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、N
−ブタノール等が通常用いられる。反応温度は80〜1
50℃、反応時間は0.5〜15時間が適当である。
【0022】また、上記ラジカル重合のほか、ナフタレ
ンジリチウム等の触媒を用いてジエンモノマーをアニオ
ン重合させてリビングポリマーを製造し、さらにモノエ
ポキシ化合物等を反応させることによっても、目的とす
る水酸基含有液状ジエン系重合体を得ることができる。
アニオン重合も、無溶媒で行うことも可能であるが、ラ
ジカル重合の場合と同様の観点から、溶媒を用いること
が好ましい。溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン
等の飽和炭化水素が好適である。反応温度は50〜10
0℃、反応時間は1〜10時間が適当である。
【0023】また、アニオン重合時には、2種以上のジ
エンモノマーを混合して用いることもできるし、ジエン
モノマーに対し、50mol%以下の割合の下記モノマ
ーを添加することもできる。そのようなモノマーとして
は、炭素数2〜22の付加重合性モノマー、より具体的
には例えば、ブテン、ペンテン、スチレン、α−メチル
スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸及びそのエス
テル、メタクリル酸及びそのエステル、塩化ビニル、酢
酸ビニル、アクリルアミド等が挙げられる。
【0024】反応終了後に、溶液を減圧下で蒸留すれ
ば、溶剤、未反応モノマー等が除去され、目的とする水
酸基含有液状ジエン系重合体が得られる。
【0025】この水酸基含有液状ジエン系重合体の数平
均分子量は、300〜10000、好ましくは500〜
5000であり、水酸基含有量は、0.2〜10meq
/g、好ましくは0.4〜7meq/gである。従っ
て、水酸基含有液状ジエン系重合体としては、通常、数
平均分子量が300〜10000であって、水酸基含有
量が0.2〜10meq/gのものが用いられ、好まし
くは数平均分子量が500〜5000であって、水酸基
含有量が0.4〜7meq/gのものが用いられる。ま
た、水酸基含有液状ジエン系重合体としては、構造的に
は、タイヤトレッドゴムとして使用するために、架橋可
能なジエン系固形ゴムとの相溶性を考慮して、シス−或
いはトランスからなる1,4構造の合計が50%以上を
占めることが望ましい。水酸基は、分子鎖末端、分子鎖
内部のいずれにあっても良いが、分子鎖末端にあるもの
が望ましい。さらに、2種以上の水酸基含有液状ジエン
系重合体の使用も可能である。
【0026】また、本発明においては、シリカ粉末を用
いる。本発明において用いるシリカ粉末としては、タイ
ヤトレッド用、アンダートレッド用、サイドトレッド用
に使用される粉末状シリカであれば支障はない。具体的
には、平均粒子径20〜500μm、好ましくは100
〜300μmであるものが使用され得る。
【0027】さらに、本発明においては、用途等、必要
に応じてカーボンブラックを用いることができる。本発
明において用いられるカーボンブラックとしては、タイ
ヤトレッド用、アンダートレッド用、サイドトレッド用
に使用されるカーボンブラックであれば支障はない。具
体的には、粒子径グレードとして、FEF(平均粒子径
約40〜52μm)からSAFグレード(平均粒子径約
15〜22μm)のカーボンブラックが用いられる。ま
た、場合によっては、カラー用カーボンブラックを使用
することもできる。これらのカーボンブラックは、1種
類で用いられる場合もあるが、2種類以上をブレンドし
て用いても良い。
【0028】本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、
上記成分を配合してなるものであるが、この他に、ゴム
工業で通常使用される任意の配合剤、例えば硫黄、有機
過酸化物、軟化剤、老化防止剤、加硫促進剤、充填剤、
可塑剤、プロセスオイルなどを必要に応じて、通常の配
合量の範囲内で適宜配合することができる。
【0029】本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の製
造は、以下の方法を含めた各種の方法により行うことが
できるが、いずれの方法を採用しても本発明の主旨を損
ねるものではない。
【0030】(1)予めシリカ粉末と水酸基含有液状ジ
エン系重合体とを混合しゴム補強用充填剤として調製
し、これを架橋可能なジエン系固形ゴム、必要に応じて
用いられるカーボンブラック及び他の配合剤と共に混合
する方法(後記実施例5参照)。 (2)予めシリカ粉末、水酸基含有液状ジエン系重合
体、必要に応じて用いられるカーボンブラック及び他の
充填剤を混合しゴム補強用充填剤として調製し、これを
架橋可能なジエン系固形ゴム及び他の配合剤と共に混合
する方法。 (3)架橋可能なジエン系固形ゴムに、シリカ粉末、水
酸基含有液状ジエン系重合体、必要に応じて用いられる
カーボンブラック及び他の配合剤を一括添加し、混合す
る方法(後記実施例1〜4参照)。
【0031】本発明における各成分の混合比率として
は、架橋可能なジエン系固形ゴム100重量部に対し、
水酸基含有液状ジエン系重合体添加量を0.05〜30
重量部、好ましくは0.1〜25重量部、シリカ粉末を
10〜150重量部、好ましくは20〜100重量部の
割合である。水酸基含有液状ジエン系重合体の添加量が
少なすぎると、シリカ粉末が良好に分散できず、多すぎ
ると制動性能と低燃費性能とのバランスが崩れる。ま
た、シリカ粉末の添加量が多すぎても少なすぎても、制
動性能と低燃費性能とのバランスが崩れる。なお、カー
ボンブラックは0〜150重量部の割合であって、必ず
しも使用する必要はないが、用途等に応じて使用する場
合には、好ましくは10〜150重量部、より好ましく
は20〜100重量部の割合とする。
【0032】これらの混練に際しては、ゴム工業にて一
般的に使用されるバンバリーミキサー、練りロール等の
機器が使用可能である。
【0033】このようにして、高価なシランカップリン
グ剤を用いる必要がなく低コストであり、かつ煩雑な操
作を伴う前処理をしなくても製造可能であって、しかも
制動性能と低燃費性能とのバランス等に優れたタイヤト
レッド用ゴム組成物を製造することができる。本発明の
タイヤトレッド用ゴム組成物は、請求項4に記載したよ
うに、タイヤトレッド用、サイドトレッド用及びアンダ
ートレッド用のいずれか一種以上のものに用いられる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を公知の手法によ
り成型することにより、乗用車、バス、トラック等の車
両用タイヤを製造することができる。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。
【0035】製造例1〔ゴム補強充填剤の調製〕 ゴム補強用充填剤の調製は、以下の方法により行った。
シリカ粉末(商品名:ニップシールAQ;日本シリカ工
業(株)製)300gに、水酸基末端液状ポリブタジエ
ン(商品名:Poly bd R-45HT;出光石油化学(株)製)
30gを加え、一晩なじませた後、プラネタリウムミキ
サーにて混練し、ゴム補強用充填剤を調製した。
【0036】製造例2〔シリカ表面処理カーボンブラッ
ク(CB)の調製〕 シリカ表面処理カーボンブラック(CB)の調製は、以
下の方法により行った。カーボンブラック800gに水
15リットルを加えスラリー化する。このスラリーを9
0℃にて、pH調製のため硫酸水溶液を添加してpH1
0に保ちながら、珪酸ナトリウムの2.5wt%溶液を
シリカ量として8gとなる量だけ4時間かけて添加し
た。その後、温度、pHを維持し、1時間撹拌継続後、
pHを7にした。次いで、シランカップリング剤(商品
名:Si69;デグザ社製)のアルコール溶液をシラン
カップリング剤量が24gとなる量加え、約30分間撹
拌した。その後、ろ過、水洗、乾燥操作を行い、シリカ
表面処理カーボンブラック(CB)を得た。
【0037】実施例1〜4 第1表に示す配合にて、各種ゴム組成物をバンバリーミ
キサー及び練りロール機で混練し、ゴム組成物を調製し
た。得られたゴム組成物を160℃、20分間プレス加
硫して、目的とする試験片を調製し、各種性能評価を行
った。結果を第1表に示す。
【0038】なお、性能評価の試験方法は、以下の通り
である。 (1)低燃費性能及び制動性能 (株)オリエンテック製の動的粘弾性測定装置を用い、
周波数11Hz、昇温速度2℃/minの条件にて、ta
nδを測定。60℃の値を低燃費性能、0℃の値を制動
性能として評価した。低燃費性能は値が小さいほうが良
好であり、また制動性能は値が大きいほうが良好である
ことを示す。
【0039】(2)耐摩耗性 ランボーン摩耗試験機(岩本製作所(株)製)を用い、
室温、スリップ率50%の条件で摩耗減量を測定し、比
較例1の値を100とした場合の値を示した。値が大き
いほど耐摩耗性が良好であることを示す。
【0040】(3)シリカ分散 走査型電子顕微鏡(トプコン(株)製)にて、シリカ粒
子がゴムに良好に分散しているかを確認した。
【0041】(4)機械的物性評価 得られた試験片の常態物性を、JIS K 6301に
従い測定した。また、100℃、96時間ギアオーブン
中で熱老化した後の物性(熱老化試験後の物性)を、同
様の方法で測定した。
【0042】実施例5 製造例1で得られたゴム補強用充填剤を、第1表に示す
配合にて、他の配合剤と共にバンバリーミキサー及び練
りロール機で混練し、ゴム組成物を調製した。結果を第
1表に示す。
【0043】
【表1】第1表(その1)
【0044】
【表2】第1表(その2)
【0045】比較例1 実施例2において、水酸基含有液状ジエン系重合体を添
加する代わりに、第2表に示すシランカップリング剤を
添加したこと以外は、実施例2と同様の条件でゴム組成
物を調製した。結果を第2表に示す。
【0046】比較例2 製造例2で得られたシリカ表面処理カーボンブラック
を、第2表に示す配合にて、他の配合剤と共にバンバリ
ーミキサー及び練りロール機で混練して、ゴム組成物を
調製した。結果を第2表に示す。
【0047】比較例3 実施例2において、水酸基含有液状ジエン系重合体とシ
リカ粉末とを添加しなかったこと以外は、実施例2と同
様の方法にてゴム組成物を調製した。結果を第2表に示
す。
【0048】比較例4 実施例2において、水酸基含有液状ジエン系重合体を添
加しなかったこと以外は、実施例2と同様の方法にてゴ
ム組成物を調製した。結果を第2表に示す。
【0049】比較例5 実施例2において、水酸基含有液状ジエン系重合体の代
わりに、水酸基を含有しない液状ポリブタジエンを使用
したこと以外は、実施例2と同様の方法にてゴム組成物
を調製した。結果を第2表に示す。
【0050】
【表3】第2表(その1)
【0051】
【表4】第2表(その2)
【0052】〔第1表及び第2表の脚注〕 1)スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR150
0、日本ゼオン(株)製) 2)水酸基含有液状ポリブタジエン(出光石油化学
(株)製)、水酸基含量=0.84meq/g、数平均
分子量=2590、粘度=51ポイズ/30℃ 3)水酸基含有液状ポリブタジエン(出光石油化学
(株)製)、水酸基含量=1.82meq/g、数平均
分子量=1250、粘度=14ポイズ/30℃ 4)水酸基含有液状C5系重合体(出光石油化学(株)
製)、水酸基含量=0.83meq/g、数平均分子量
=2630、粘度=73ポイズ/30℃ 5)液状ポリブタジエン(日本ゼオン(株)製)、数平
均分子量=3000、粘度=30ポイズ/20℃、微細
構造シス1,4−構造80% 6)旭#70HAF、平均粒子径27μm(旭カーボン
(株)製) 7)ニップシールAQ、平均粒子径200μm、DBA
吸油量280mg−mol/kg、pH6、BET比表
面積185m2/g(日本シリカ工業(株)製) 8)Si69、ビス[3−トリエトキシシリルプロピ
ル]テトラスルファン(デグサ社製) 9)亜鉛華3号(堺化学工業(株)製) 10)ステアリン酸(旭電化(株)製) 11)ダイアナプロセスオイルAH−24、アロマ系プ
ロセスオイル(出光興産(株)製) 12)粉末硫黄(細井化学工業(株)製) 13)ノクセラーCZ、N−シクロヘキシル−2−ベン
ゾアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業(株)
製)
【0053】第1表及び第2表の結果より、以下の点が
明らかである。実施例1〜5の組成物は、シランカップ
リング剤を添加せず、また、充填剤について何の前処理
を行わないにもかかわらず、いずれも低燃費性能と制動
性能とのバランスに優れ、耐摩耗性や各種機械的物性に
も優れている。
【0054】実施例1〜4の組成物は、それぞれ水酸基
含有液状ジエン系重合体の添加量と種類を変えて作成さ
れたものである。水酸基含有液状ポリブタジエンを使用
する実施例1の組成物は、上記のように優れた効果を示
し、同じ水酸基含有液状ポリブタジエンの配合割合を変
えて作製した実施例2の組成物も同様であった。また、
水酸基含量が高く、数平均分子量の低い水酸基含有液状
ポリブタジエンを用いる実施例3でも同様であった。さ
らに、水酸基含有液状C5系重合体(ポリイソプレン)
を用いる実施例4も、水酸基含有液状ポリブタジエンを
用いる場合と同様に良好な結果を得た。
【0055】次に、実施例5においては、予めジエン系
ポリマーとシリカ粉末とを混練しゴム補強用充填剤とし
て調製したもの(製造例1で得られたもの)を添加して
いるが、実施例1〜4と同様に良好な組成物が得られて
いる。
【0056】一方、比較例1〜5の組成物は、全て水酸
基含有液状ジエン系重合体を添加していない。比較例1
の組成物は、高価なシランカップリング剤を添加してい
るにもかかわらず、300%モジュラス(常態、熱老化
試験後のいずれも)が実施例の結果と比較して劣る。比
較例2は、製造例2で得られたシリカ表面処理カーボン
ブラックを添加したものである。結果は実施例と同程度
のものであったが、この場合、シリカ表面処理カーボン
ブラックを調製するにあたり、高価なシランカップリン
グ剤を使用したり、前処理に煩雑な操作を必要とする。
【0057】また、比較例3のように、シリカ粉末やシ
ランカップリング剤等を添加しない場合には、低燃費
性、制動性能は非常に低く、耐摩耗性も低い。また、物
性についても伸びやモジュラス300%等の点で好まし
くない結果となっている。このことは、本発明において
シリカ粉末を添加することが、組成物の低燃費性、制動
性能のバランス向上や物性の向上に寄与していることを
示すものである。
【0058】一方、水酸基含有ジエン系ポリマーを使用
せず、シリカ粉末を添加した比較例4では、シリカ粉末
が均一に分散せず、シリカ粉末やシランカップリング剤
等を添加しない比較例3と比べて結果はそれほど変わら
なかった。即ち、制動性能、耐摩耗性に劣るものであっ
た。機械的物性の点でも、特に熱老化試験後の物性が良
くなかった。比較例4の組成物においては、水酸基含有
ジエン系ポリマーが配合されていないことから考える
と、組成物中においてはシリカ粉末が均一に分散してい
ないと、低燃費性能等のバランスが保たれず、機械的物
性も低下すること、及びシリカ粉末を均一に分散させる
ためには、水酸基含有液状ジエン系ポリマーが必要であ
ることが明らかである。
【0059】また、比較例5では、水酸基を含有しない
ジエン系重合体を配合しているが、この場合、シリカの
分散性が悪く、制動性能もあまり良くなかった。実施例
の結果との比較により、シリカ粉末を均一に分散させる
ためには、水酸基を含有しない液状ジエン系ポリマーで
は不適当であり、水酸基含有液状ジエン系ポリマーを使
用することが必要であることが分かる。
【0060】
【発明の効果】本発明の組成物は、低燃費性能と制動性
能とのバランスに優れる。また、本発明の組成物は、予
めカーボンブラックとシリカとを反応させ、さらにシラ
ンカップリング剤を反応させるといった煩雑な操作を伴
う前処理を行うことなく、ゴム配合物中にこれらを良好
な状態で分散させることができる。さらに、本発明の組
成物は、高価なシランカップリング剤が不要であり、こ
のため低コスト化を図ることができる。さらに、本発明
の組成物は、耐摩耗性、機械的物性にも優れることか
ら、乗用車、バス、トラック等の車両用タイヤの製造材
料として好適である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC011 AC022 AC032 AC041 AC051 AC061 AC071 AC081 AC091 AC092 BB151 BB181 BK002 BP011 DA037 DJ016 FD010 FD016 FD017 FD020 FD030 FD140 FD150 FD202 GN01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋可能なジエン系固形ゴム100重量
    部に対し、水酸基含有液状ジエン系重合体を0.05〜
    30重量部、シリカ粉末を10〜150重量部及びカー
    ボンブラックを0〜150重量部の割合でそれぞれ添加
    してなるタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 水酸基含有液状ジエン系重合体の水酸基
    含量が0.2〜10.0meq/gであり、かつ数平均
    分子量が300〜10000であることを特徴とする請
    求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 シリカ粉末の平均粒子径が20〜500
    μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のタイ
    ヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 タイヤトレッド用、サイドトレッド用及
    びアンダートレッド用のいずれか一種以上のものに用い
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタ
    イヤトレッド用ゴム組成物。
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