JP2005527335A - フロントローディング医療用インジェクタ及びシリンジ、シリンジインターフェイス、シリンジアダプタ及びそれらとともに用いるシリンジプランジャ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インジェクタ、シリンジ、シリンジインターフェイス、シリンジアダプタ及びインジェクタ(例えば、造影剤の)用のピストン/プランジャアセンブリが記載されている。シリンジはシリンジインターフェイス機構に係合するのに適しているのが好ましく、シリンジのインジェクタへの向き、又はピストン/プランジャアセンブリへの向きに関係なくシリンジはインジェクタに接続される。インジェクタピストン、即ち駆動部材は、その前端部に配置された検知ピンを有し、ピストン、即ち駆動部材がプランジャに接するべく前進中にシリンジプランジャに接したことを検知する。例えば、シリンジがインジェクタに接続されると、ピストンは自動的に前進し、又は作業者が開始した後に、ピストンが自動的に前進する。インジェクタは、2つのシリンジを収容し、又は収容するように設けられており、例えば2つのシリンジから患者の別個の注入場所に同時に注入する。
Description
生物学的構造を描画すべく患者に造影剤を注入する医療用インジェクタ及びシリンジは、当該技術分野で公知である。例えば、本願と同じ譲受人に譲渡された発明の名称が“血管造影インジェクタ及びそれとともに用いる血管造影シリンジ”である発明者ディ−.エム レイリーで1987年7月7日に発行された米国特許第4,677,980号は、血管造影インジェクタ装置を開示している。装置は、動物の脈管系に造影剤を注入するように構成され、装置のシリンジはインジェクタの圧力ジャケット内に後方からローディングされる。
特に、装置は回転可能なターレットを具え、ターレットは一対の圧力ジャケットを有し、後方からローディングされたシリンジが内部にある圧力ジャケットの1つが注入位置にあるときは、他の圧力ジャケットは関連するシリンジが後方へローディングされ得る位置にあるように回転可能である。続いて、第1のシリンジからの造影剤の注入が完了すると、ターレットは回転して、第1のシリンジをアンローディング−ローディング位置にまで動かし、第2の圧力ジャケット及びシリンジはともに注入位置内に動かされる。
米国特許第4,677,980号の装置を改善した装置が、本願と同じ譲受人に譲渡された発明の名称が“フロントローディング医療用インジェクタ及びそれとともに用いるシリンジ”である発明者がディ−.エム レイリーで1995年1月24日に発行された米国特許第5,383,858号に開示されている。米国特許第5,383,858号に開示された装置では、少なくとも1つの実施例に於いては、シリンジは圧力ジャケットのないインジェクタにフロントローディングされ、米国特許第4,677,980号のインジェクタ装置の欠点の1つを解決している。
上記の各例に於いて、シリンジの適切な取付けを確実にするには、シリンジはインジェクタへ特定の方向に接続されなければならない。医療描画の操作中は、シリンジが適切に作動することを確実にする為には、シリンジが適切に配備されることが要求される。しかし、要求されている配備方向は、シリンジの素早い取付け及び交換の妨げとなる。またあ、要求されている配備方向にすることは、シリンジの製造組立コストを増加させ、シリンジを複雑にする。
本発明は、医療用インジェクタ、シリンジインターフェイス、シリンジアダプタ、それらとともに用いるシリンジプランジャ及びシリンジを提供し、それらは簡単なインジェクタ及びシリンジシステムを求めて生じた要求に応える。特に、本発明は1つの態様に於いて、シリンジインターフェイス及びそれに係合するシリンジを提供し、それらが協働することによって、シリンジは容易に、簡単に且つしっかりと医療用インジェクタに取り付けられる。インジェクタに接続される前に、シリンジは特別な方法でインジェクタに向けられる必要はない。更に、プランジャは特別な方法でシリンジのバレルに向けられる必要はない。シリンジとプランジャの両方には解除機構が配備され、シリンジはインジェクタに素早く取り付けられ、且つインジェクタから取り外され、新たなシリンジと交換される。
他の実施例に於いて、フランジ部材はシリンジ前端部に配備され、柔軟なリングは、インジェクタに接続される圧力ジャケットの前端部に配備される。
他の実施例に於いて、シリンジは、流体を投与するように設けられたシリンジ前端部とインジェクタに係合するように設けられたシリンジ後端部を有するシリンジ本体を具える。プランジャは、シリンジ本体内で軸方向に往復動可能である。少なくとも1つの弾性タブが、シリンジ後端部に配備される。少なくとも1つの弾性タブは、シリンジがインジェクタに係合したときに、インジェクタ、又はシリンジインターフェイス、又はインジェクタに接続されるアダプタの壁部に係合するように設けられている。少なくとも1つのタブにより、シリンジがインジェクタに係合し、シリンジがインジェクタから取り外される。
本発明は更に、シリンジとインジェクタを結合するインジェクタシステムを提供する。シリンジは、上記と同様の一般的な構成を有する。インジェクタは、シリンジ後端部を受け入れるように設けられたインターフェイスを有する。好ましい実施例に於いて、インジェクタのインターフェイスは、シリンジに配備されたフランジ部材と係合する柔軟なリングを有する。他の実施例に於いて、柔軟なリングはインジェクタに接続される圧力ジャケットの前端部に配備され、フランジ部材はシリンジ前端部に配備されて、柔軟なリングに係合する。
本発明は更に、インジェクタピストン、シリンジプランジャアセンブリ、及び結合したピストン/プランジャアセンブリを提供する。好ましい実施例に於いて、シリンジプランジャアセンブリは、プランジャカバー及びシリンジ内に配備されてプランジャカバーに連繋した支持リングを有する。
他の実施例に於いて、シリンジプランジャアセンブリは、シリンジ内に配備されたプランジャカバーのみを具える。インジェクタピストンは、プランジャカバーの形状に合うように形作られるのが好ましい。更に、インジェクタピストンは、軸方向へ前進中に、シリンジプランジャカバーと実際に接続することなく、シリンジプランジャカバーを押すように設けられるのが好ましい。しかし、プランジャの引き込み中、インジェクタピストンは、プランジャ又はプランジャカバーと係合するように設けられる。
更に上記の実施例に従って、本発明はまたシリンジを受け入れるアダプタを提供する。アダプタはインジェクタに係合し、インジェクタとシリンジの間に配備される。アダプタは、シリンジに係合するように設けられたアダプタ前端部を有する。一実施例に於いて、アダプタ後端部は、インジェクタに係合するように設けられた少なくとも1つの弾性タブを有する。
本発明は更に、アダプタアセンブリを提供する。アダプタアセンブリはアダプタ及びそれとともに用いるシリンジを有する。好ましい実施例に於いて、アダプタは、インジェクタの柔軟なリングに係合するように設けられたフランジ部材を具えたアダプタ後端部を有する。本実施例に於いて、アダプタにより、本発明に従って構成されたインジェクタが、従来のシリンジを受け入れることができる。
更に、本発明は、本発明のフロントローディングシリンジ及びアダプタ、及び/又は現行のシリンジを、本発明のフロントローディングインジェクタ及び/又は現行のインジェクタに係合させ、又は取り付ける方法を提供する。
更に、本発明はいくつかの自動機構を有するインジェクタ及びインジェクタシステムを提供し、自動機構により注入手順に対するインジェクタ及びインジェクタシステムの準備が容易になる。
更に、本発明のピストンはプランジャに常には(permanently)係合しないように構成されている。そのように構成されているから、注入動作中は、プランジャは最初は押し子として作動する。例えば、シリンジ内に流体を吸引すべくプランジャが引き込まれたときにのみ、係合機構が作動して、ピストンはプランジャに接続する。この構成により、シリンジがインジェクタシステムから取り外されたとき、プランジャはどの位置にでも残される。
本発明の別の態様は、ハウジングと、少なくとも一部がハウジング内に配備されてインジェクタ上に取り付けられたシリンジのプランジャに係合するように作動可能な少なくとも1つの駆動部材を有するインジェクタを提供する。
インジェクタは更に、ハウジングに繋がってシリンジに係脱可能に設けられた少なくとも1つのシリンジ保持機構、及び駆動部材の前端部に位置してシリンジプランジャとの接触を検知する第1の検知ピンを有する。例えば、第1の検知ピンは前方位置に付勢されて、駆動部材の前進中にシリンジプランジャと接触したときに、後方に動かされてセンサに接する。
一実施例に於いて、シリンジが保持機構に接続されると、駆動部材は自動的に前進してシリンジプランジャに係合する(例えば、シリンジが保持機構に接続されると)。駆動部材の前進は、シリンジプランジャと係合したときであるが、プランジャが前進する前に停止するのが好ましい。
インジェクタは更に、少なくとも一部がハウジング内に配備され、、第2シリンジのプランジャに係合するように作動可能な第2駆動部材を有する。本実施例に於いて、インジェクタはまた、ハウジングに繋がって、第2シリンジに係脱可能に設けられた第2シリンジ保持機構を有する。第2検知ピンが、第2駆動部材の前端部に位置して、第2シリンジプランジャとの接触を検知するのが好ましい。
インジェクタはまた、第1シリンジに繋がった第1の注入流体源、及び第2シリンジに繋がった第2の注入流体源を有する。
一実施例に於いて、インジェクタは、1つの注入箇所に第1の流体が第1のシリンジから注入され、第2の流体が第2のシリンジから同時に注入される動作モードを有する。インジェクタは、以下の3つのモードを有するのが好ましい。(1)第1のシリンジから第1の流体を、第2のシリンジから第2の流体を1つの注入場所へ連続注入する(2)第1のシリンジから第1の流体を、第2のシリンジから第2の流体を1つの注入場所へ同時に注入する(3)第1のシリンジから第1の流体を、第2のシリンジから第2の流体を2つの別個の注入場所へ同時に注入する。
更なる態様に於いて、本発明は、ハウジングと、少なくとも一部がハウジング内に配備されてシリンジのプランジャに係合するように作動可能な少なくとも1つの駆動部材を有するインジェクタを提供する。インジェクタは、ハウジングに繋がった少なくとも1つのシリンジ保持機構を有する。シリンジ保持機構は、シリンジに係脱可能に設けられる。インジェクタは更に、制御室内に位置する第1の制御ユニットを具える。第1の制御ユニットは、プロトコル編集ロック機能を有し、該機能は作業者が一旦注入プロトコルを設定することにより作動される。プロトコル編集ロック機能の作動後に、注入プロトコルを変更すると、ロック機能を停止させることになるのが好ましい(例えば、プロトコル編集時に自動的に、又はプロトコル編集前に手動で)。インジェクタは更に、スキャン室内に位置する第2の制御ユニットを有する。第2の制御ユニットは、ロック機能の状態の表示器を有する。
本発明はその特質と付随した利点とともに、以下の詳細な説明と添付した図面に照らして、最も良く判り、理解されるであろう。
図1は、米国特許第5,383,858号に開示された動物の脈管系に液体の造影剤を注入する一般的なインジェクタ装置(10)を開示する。インジェクタ装置(10)は、フロントローディング構成を有する。図1の装置は、シリンジ(12)を使用し、該シリンジは取付けアセンブリ(14)にフロントローディングされることができ、取付けアセンブリは第1の解除機構(22)によりインジェクタ(20)のハウジング(18)の前壁(16)に結びつく。シリンジ(12)は、圧力ジャケット(しかし、図4及び図5に関連してより詳細に説明するように、シリンジは圧力ジャケットを具えたインジェクタに用いられる)を用いることなく、注入動作を行うことができる。この開示に矛盾しない範囲にて、本願の譲渡人であるメドラッドINCに譲渡された米国特許第5,383,858号の開示は、引用を持って記載加入とする。
図1及び第1の解除可能な機構(22)に於いて、シリンジ(12)の後端を受ける取付けアセンブリ(14)には、略円筒のインターフェイス(26)が配備される。インターフェイス(26)は円筒状又は円錐状に傾いた環状の面(28)を有する。図6及び図7に最も良く示されるように、環状の面(28)はシリンジ(12)の後端部のタブ(30)にて係合する先端部の出っ張り(29)を有する。タブ(30)が出っ張り(29)に係合して、シリンジ(12)をインジェクタ(20)に取り付けるまで、シリンジ(12)は円筒状のインターフェイス(26)に挿入される。
再び図1に於いて、シリンジ(12)は長く延びた主管体、即ちバレル(32)、及び中間円錐部(36)によって相互に接続された円錐状の排出注入部(34)を具える。プランジャ(38)は管体(32)内にスライド可能に位置して、インジェクタハウジング(18)内のピストン(42)上の第2の解除可能な機構(40)に接続可能である。第2の解除可能な機構(40)は、以下に詳細に記載するように、一部がプランジャ(38)によって形成され、一部がピストン(42)によって形成される。
ピストン(42)及びプランジャ(38)は協働して、所望量及び所望の速度で、シリンジ(12)内に含まれる流体を押し出す。第2の解除可能な機構(40)は、プランジャが作動されたときに、プランジャ(38)の何れかの軸方向への動きを容易にする。第2の解除可能な機構(40)は、またプランジャ(38)が管体(32)内のどこに位置するかに拘わらず、ピストン(42)からプランジャ(38)を係合又は解除するように構成されている。更にこの接続に於いて、シリンジ管体(32)内のプランジャ(38)を往復動させる作動機構は、ピストン(42)、即ち往復動可能な駆動部材を具える。駆動部材、即ちピストン(42)は往復動可能である一方、回転可能である必要はない。
弾性を有する環状の封止フランジ(46)は、シリンジ(12)の管体(32)を囲み、環状の面(28)の幅に略等しい予め定められた距離を有してタブ(30)の前に配備される。このようにして、封止フランジ(46)が環状リング(44)に係合するまで、シリンジ(12)が取付けアセンブリ(14)内のインターフェイス(26)内に挿入されると、環状リング(44)及び封止フランジ(46)は、シリンジ(12)及び取付けアセンブリ(14)の間のシールを形成する。
前述の取付け構成は、多数の利点を有する。タブ(30)をシリンジ(12)の後端部周囲に設けることにより、注入動作中のシリンジ(12)のガタ付きが最小となる。ガタ付きが最小となる一方、タブ(30)によりシリンジ(12)がインターフェイス(26)内にて自由に回転することができる。タブ(30)はまた、シリンジ(12)がインジェクタ(20)から外れることを防ぐ。環状リング(44)と封止フランジ(46)との間のシールはまた、シリンジ(12)の排出端部(34)からこぼれた造影剤がインジェクタハウジング(18)(図2に示すように)内に流れることを防ぎ、各部品を過度に厳しい耐性に構成する必要をなくしている。封止フランジ(46)と環状リング(44)間の封止能力を高める為に、適切なOリング(図示せず)が封止フランジと環状リング間に随意に配備される。
符号化手段(48)がバーコードである代わりに、符号化手段(48)は機械が読むことができる隆起面又は凹面である。隆起面又は凹面は、環状の面(28)内に取り付けられたインジェクタセンサ(50)によって、バーコードを読むのと似た方法で読まれる。符号化手段(48)に加え、機械的に読み取り可能な装置(例えば、スロット、穴、又はシリンジ(12)又はプランジャ(38)上の突起)を用いて、取付けアセンブリ(14)上のスイッチに記録することもできる。或いは、光学的に読取り可能な手段(例えば、文字、点及び他の幾何学的形状)を用いて、インジェクタ(20)の集積回路に用いられるシリンジのタイプに関する情報を送ることもできる。
図1及び図2に於いて、シリンジ(12)の管体(32)にはまた、シリンジ(12)内に液体造影剤があるか否かを容易に見つけられるように表示機構(52)が配備される。この例に於いて、検知機構(52)は、シリンジ(12)上に一体成形されてざらつきのある複数の点を有し、シリンジが液体又は空気を含んでいるかを視覚的に表示する。特に、空気を通して見た場合、点(52)は楕円形に見えるが、空気とは異なる屈折率を有する造影剤を通して見た場合、点(52)は円形に見える。表示機構(52)の詳細は、本願の譲受人であるメドラッドINCに譲渡された米国特許第4,452,251号に記載されている。発明の開示に矛盾しない範囲で、米国特許第4,452,251号の内容は、引用を持って記載加入とする。
図4及び図5は、本発明の他の実施例を示し、フロントローディングシリンジ(112)が圧力ジャケット(170)の前に取り付けられ、圧力ジャケットはポリカーボネートのような強化透明プラスチックで形成されるのが好ましい。圧力ジャケット(170)は、長く延びた管状部材の形であり、圧力ジャケット(170)のフランジを取付けアセンブリ(124)のカラーに嵌めることにより、ハウジング前壁(116)上の取付けアセンブリ(124)に圧力ジャケット(170)の後端部が適切に取り付けられる。圧力ジャケット(170)はまた、シリンジ(112)を受ける前開口端(172)を有する。
本実施例に於いて、先端出っ張り(175)を有する環状の面(174)が、圧力ジャケット(170)の前開口端(172)の隣に配備される。環状の面(174)は、図1及び図7に示す実施例の環状の面(28)の構成に近似している。同様に、シリンジ(112)の管体(132)は、管体の前端部に隣接した位置にタブ(180)を有し、管体(132)が圧力ジャケット(170)に挿入されたときに、タブ(180)は出っ張り(175)に係合する。
使用の際に、図4に示す引込み位置又は図5に示す前進位置の何れかにて、図4及び図5のシリンジ(112)が、インジェクタ(120)のピストン(142)で圧力ジャケット(170)に取り付けられる。例えば、図4に示す引込み位置のピストン(142)で、プランジャ(138)はシリンジ(112)の後端部に配備される。シリンジ(112)はそのとき、第2の解除可能な機構(140)がプランジャ(138)に係合するまで、圧力ジャケット(170)の前端の開口端部(172)に挿入される。
要するに、図1−図3の実施例のシリンジ(12)のような注入シリンジが、インジェクタハウジング(18)に容易に取り付けられ、及び/又はインジェクタハウジング(18)から容易に取り外される新たな且つ改善されたシステムが、開示されてきた。この目的から、シリンジ(12)をインジェクタハウジング(18)に取り付け、又はインジェクタハウジング(18)から取り外す第1の解除可能な機構(22)と、シリンジ(12)のプランジャ(38)をインジェクタ(20)のピストン(42)に駆動的に接続し、又はピストン(42)から取り外す第2の解除可能な機構(40)は協働して、同時に及び/又は独立して、夫々接続し、接続を解除する。他の有利な点は、経路に沿ったどの点でも、プランジャ(38)が駆動状態又は非駆動状態で設置され得ることであり、それによってピストン(42)を引き込む必要なく、又はピストン(42)を引き込む前に注入された患者から先ずシリンジ(12)を外す必要なくして、シリンジ(12)はインジェクタ(20)から取り外される。
圧力ジャケットの必要性を省くべく、シリンジ(12)はまた、比較的強い透明なプラスチックにて製造され、又は複数の環状の補強リブ(図示せず)が配備され、補強リブは離れて配備されて、量の段階的変化を示すものとして機能する。更に、シリンジ(12)内の空気の存在を検知することは、シリンジ管体(32)内に成形された点(52)の形状である、図1及び図2の表示機構(52)によって容易になる。点(52)は、管体が空気又は液体を含むかによって、夫々楕円又は円形の何れかに見える。シリンジの弾性環状フランジ(46)はまた、シリンジ(12)の第1の解除可能な機構(22)の一部として機能するのに加えて、図2に示すように、環状リング(44)と協働してシールを形成し、造影剤がシリンジ(12)の注入端部からこぼれ、インジェクタ(20)内に流れることを防ぐ。図4及び図5に示す本発明の実施例は、シリンジ充填時及びシリンジ交換動作時の時間節約を含む他の種々の利点によって、圧力ジャケット(70)がインジェクタハウジングの前壁(116)に取り付けられるような、圧力ジャケットが使用できるシステムを提供する。
従って、シリンジ(12)は、管体(32)の後端部を円筒状のインターフェイス(26)に単に挿入することにより、インジェクタ(20)に容易に接続される。管体(32)を円筒状のインターフェイス(26)に挿入する間、環状の面(28)は、第1端部(62)が出っ張り(29)を通過するまで、タブ(30)の第1端部(62)を押す。一旦、第1端部(62)が出っ張り(29)を通過すると、第1端部は弾性的に開き、出っ張り(29)に係合して、管体(32)がインターフェイス(26)から外れることを防ぐ。
ハウジング(20)からシリンジ(12)を外すことは、インジェクタ(20)内にてシリンジ(12)の後ろの位置に配備された往復動カラー(68)によって可能となる(その前に、円筒状のインターフェイス(26)に挿入される)。往復動カラー(68)は、図7に矢印で示すように、前方及び後方の両方に動くことができる円筒状部材であることが好ましい。注入動作中は、往復動カラー(68)は、タブ(30)の後ろの待機位置にあって、第1端部(62)が出っ張り(29)に係合した状態を維持する。注入動作が終了すると、インターフェイス(26)からシリンジ(12)を外すべく、往復動カラー(68)は作動機構(図示せず)又は手で出っ張り(29)に向けて前に押され、往復動カラーは第1端部(62)を押し、第1端部(62)は出っ張り(29)の背後から容易にスライドして外に出る。シリンジ(12)はこのとき、インジェクタ(20)から容易に外れる。
シリンジ(112)が圧力ジャケット(170)に挿入されるべき場合に於いて(図4及び図5に示すように)、タブ(180)は、シリンジ(112)の前端部に位置する点を除き、タブ(30)と同じ機能を果たす。実際、管体(132)上のタブ(180)の位置を除き、本発明では、タブ(180)はタブ(30)と同じ構成を有すると考えられる。
タブ(180)が圧力ジャケット(170)の開口端部(172)を通って挿入されると、環状の面(174)は、タブ(180)の第1端部(62)が出っ張り(175)を通るまで、タブ(180)の第1端部(62)を押す。シリンジ(112)はそのとき、所定位置にしっかりと保持される。シリンジ(112)を圧力ジャケット(170)から取り外すことが必要となったときは、往復動カラー(68)が圧力ジャケット(170)内で前に延びて(以下に詳述するように)、第1端部(62)を押し、第1端部はもはや出っ張り(174)に係合しない。シリンジ(112)はこのとき圧力ジャケット(170)から取り外される。
しかし、タブ(30)(180)は、図1及び図4−図8に示すように、V字形を有する必要はない。タブ(30)の第2実施例では、タブは図9に示すようにb字形であると考えられる。タブ(30)がb字形を有するとき、タブはシリンジ(412)の端部と一体に形成される。タブ(30)がb字形を有するとき、タブ(30)は第2端部(72)から外向きに延びる球状の第1端部(70)を有し、隣のタブ(30)とはギャップ(71)により分離されている(図14及び図15に最も良く示されている)。第1端部(62)と同様に、シリンジがインジェクタハウジング(18)に挿入されたとき、第1端部(70)は出っ張り(29)に係合する。第1端部(62)と同様に、シリンジ(412)がインジェクタ(20)から外されたとき、往復動カラー(68)は第1端部(70)に作用して、第1端部(70)を出っ張り(29)から外す。
1つのタブ(30)が用いられる一方、シリンジは少なくとも2つのタブを有するのが好ましい、なぜならタブは適切に機能する為に、撓るべきだからである。少なくとも2つのタブを有するシリンジ(312)は、図12及び図13に示される。2つのタブがシリンジ(312)にあれば、それらは管体(32)上の互いに反対側に配備されて、シリンジ(312)をインジェクタ(20)にしっかりと安定して係合させる。タブは適切な大きさであり、円周寸法が選択的に異なる。
解除機構の要素は、図38及び図39に示される。ここで、往復動カラー(1402)は、圧力ジャケット(170)の内側に示される。示されるように、往復動カラー(1402)は、圧力ジャケット(170)の内側にある少なくとも2つの支柱(1404)の端部に配備される。支柱(1404)を収容すべく、圧力ジャケット(170)の内壁(1406)には、その中を支柱(1404)がスライドする少なくとも2つの軌道(1408)がある。シリンジ(1032)が圧力ジャケット(170)から外されるとき、往復動カラー(1402)は圧力ジャケット(170)内を前進し、シリンジ(1032)上のタブを環状部材(174)との係合から解除する。
図4及び図5に示すように、シリンジ(112)が圧力ジャケット(170)内に挿入された場合、b字形のタブ(190)はタブ(180)が付けられたのと同じ方法で、シリンジ(112)の前端部に取り付けられる。図16に示すように、タブ(190)は基本的にリング(74)を具え、該リングからタブ(190)の第2端部(72)が後方に延びる。タブ(190)を有するリング(74)は、図17に示すように、断面がV字形の構造を形成する。タブ(180)と同様に、タブ(190)が圧力ジャケット(170)に挿入されたとき(図4及び図5に示すように)、タブは環状の面(174)を通るまで押圧され、通過すると直ぐ広がって、出っ張り(175)に係合する。タブ(190)は、往復動カラー(68)によって外されるまで、圧力ジャケット(170)内にシリンジ(112)をしっかりと保持する。
シリンジ(412)の取付けと取外しは、図18−図20に示される。図18に於いて、インジェクタ壁(16)に挿入する前のシリンジ(412)が示されている。往復動カラー(68)は、待機状態の背後に示され、待機状態ではタブ(30)の第1端部(70)が、環状の面(128)を通った後に待機し、先端の出っ張り(129)に対して待機している。本実施例に於いて、環状の面(128)は、図7及び図9に示す円筒状の断面よりむしろテーパ付きの断面で示される。テーパ付き断面により、シリンジ(412)のインターフェイス(26)への挿入が容易になる、なぜなら、シリンジ(412)のインジェクタ(20)への挿入中、テーパはタブ(30)の第1端部(70)を圧迫することを手助けするからである。更に、テーパ付きの環状の面(128)は、シリンジ(412)(又は、開示された他のどの実施例でも)の案内面として働き、シリンジ(412)は前壁(16)に更に大きな角度から挿入される。換言すれば、シリンジ(412)がインターフェイス(26)の中心軸に正しく向いていなくとも、シリンジ(412)は前壁(16)に簡単に挿入される。
注入動作が終了した後、往復動カラー(68)が前進して、タブ(30)の第1端部(70)を押して、タブ(30)を出っ張り(129)から外す。図20は、この前進位置にある往復動カラー(68)を示している。タブ(30)の押圧も示されている。シリンジ(412)はそのときインジェクタ(20)から外される。
本発明ではまた、シリンジをインジェクタ(20)に接続する前に、シリンジをアダプタ(500)に接続するのが望ましいと考えている。当業者には理解されるように、アダプタは、使い捨て又は再使用可能である。当業者には理解されるように、シリンジはここで開示されたのとは異なる構成である。シリンジ用のアダプタは、1996年7月16日に発行された発明者がフーバーその他の米国特許第5,535,746号に開示されており、この開示は、引用を持って記載加入とする。アダプタの実施例である他の特許には、本願の譲渡人に譲渡された米国特許第5,520,653号及び国際公開公報WO97/36635号があり、引用を持って記載加入とする。
アダプタ(500)がシリンジ(32)に取り付けられると、ピストン(42)は、構成全体が長くなったことに対応するように設けられる必要がある。それならば、当業者には理解されるように、ピストン拡張器、即ちアダプタ(図示せず)がピストン(42)の端部に取り付けられる。或いは、長さが変わったシリンジ(32)に対応するのに十分長いように、ピストン(42)が構成される。
この特殊な実施例に於いて、アダプタ(500)は、米国特許第5,535,746号又は米国特許第5,383,858号に記載されたような従来の接続要素(506)を有する。そのように構成されたアダプタ(500)によって、シリンジ(412)は、従来の接続要素(506)を有するシリンジのみを受け入れるように構成されたインジェクタに接続されることができる。
シリンジプランジャとインジェクタピストンを係合し外す第2の解除可能な機構(40)の2つの実施例が、図25−図29に関して記載される。図25は、電磁的解除機構を示す。図26−図29は、電気機械的解除機構を示す。
図25に示すように、プランジャ(738)は電磁装置によってピストン(742)に解除可能に接続される。ピストン(742)の前端部(702)には、電磁コイル(704)が配備され、該コイルはピストン(742)を通って延びるリード(706)に電流を加えることによって作動する。ピストンの後端部(707)にて、プランジャ(738)は、例えば鉄からなる磁気的に吸引力のあるリング(708)を有し、電磁コイル(704)が作動されたときに、リング(708)は電磁コイル(704)に引きつけられる。ピストン(742)の前端部(702)の断面、及びプランジャ(738)の後端部(707)の凹部(710)の断面は、円筒状である。これにより、シリンジ内のプランジャ(738)の向きに係わらず、ピストン(742)とプランジャ(738)の係合が可能となる。
図26−図29に於いて、ピストン(842)は、プランジャ(838)の後端部(806)に形成された凹部領域(804)に係合する前端部(802)を有する。ピストン(842)の前端部(802)は、前端部(802)から引き込み可能に延びた突起(808)を有する。突起(808)は、図27に示すように、プランジャ(838)内に形成されたへこみ、即ち溝(810)に係合する。部材(812)は、ピストン(842)及び前端部(802)に囲まれる。部材(812)は、ピストン(842)内に含まれる機構(814)によって作動される。機構(814)はリード(816)から電力を受ける。
図28及び図29に示すように、突起(808)は略長方形である。突起(808)は弾性部材(818)によって互いに接続される。弾性部材(818)は、図29に示すように、突起(808)がピストン(842)の前端部(802)から突出しないように突起(808)を付勢する。
第2の解除可能な機構(40)の動作は、図26−図29に関して記載される。シリンジがインジェクタ(20)の前壁(16)に挿入されると、ピストン(842)は前進してプランジャ(838)に当たる。ピストン(842)が前進すると、機構(814)は動作を停止して、部材(812)は図29に示すように引き込み状態となる。換言すれば、部材(812)は突起(808)間に位置しないように引き込まれる。その結果、弾性部材(818)は突起(808)を付勢して、図29に示すように、ピストン(842)の前端部(802)の外側に延びないようにする。
一旦、ピストン(842)の前端部(802)がプランジャ(838)の凹部領域(804)に係合すると、機構(814)が作動し、部材(812)が前進して突起(808)間に位置し、それによって突起(808)はピストン(842)の前端部(802)の外側に延びるように強いられる。一旦前進した突起(808)は、プランジャ(838)内の溝(810)に延びる。一旦、そのように配備されると、ピストン(842)はプランジャ(838)に接続されて、ピストン(842)の後方移動がプランジャ(838)の後方移動に直に対応する。
図35−図37について、2つの第2の解除可能な機構(40)が追加して記載される。
図35に示す第2の解除可能な機構(40)の動作を記載する。プランジャ(1238)の孔(1214)の直径が、弾性部材(1202)の直径及びアクチュエータ(1210)の直径よりも大きいから、ピストン(1242)が前に押されると、弾性部材(1202)及びアクチュエータ(1210)は容易に孔(1214)に嵌まる。プランジャ(1238)はそのとき、ピストンと係合することなく、ピストン(1242)によって前進する。しかし、一旦このように位置すると、プランジャ(1238)に接続的に係合すべく(例えば、プランジャを引き込むために)、アクチュエータ(1210)は、図35に矢印(1216)で示すように、ロッド(1208)によって弾性部材(1202)に向けて引っ張られる。アクチュエータ(1210)からの圧力によって弾性部材(1202)が押され、外側(1204)は非押圧状態から膨れ又は膨張する。弾性部材(1202)の膨れた壁(1218)の概略形状は、図35に点線で示される。膨れた壁(1218)は孔(1214)の壁(1220)に係合し、ピストン(1242)はプランジャ(1238)に解除可能に係合する。例えば、プランジャ(1238)は引き込まれて、シリンジ内に流体を吸引する。
プランジャ(1338)をピストン(1342)に解除可能に接続する為に、ピストン(1342)は、断片部材(1302)がプランジャ(1338)内に形成された孔(1310)内に配備されるまで、前進する。ロッド(1306)はそのとき、ロッド(1306)の少なくとも一部が断片部材(1302)内に配備されるまで、矢印(1312)で示す方向に前進する。ロッド(1306)の直径は、孔(1308)の直径よりも大きいから、孔(1308)に挿入されたロッド(1306)は、断片部材片(1304)が図36及び図37に点線で示すように歪み位置に達するまで、断片部材片(1304)を外向きに押す。歪むと、断片部材片(1304)は、プランジャ(1338)の孔(1310)の壁(1316)に係合し、プランジャ(1338)とピストン(1342)間の解除可能な係合を生成する。
更に、例えば、予め充填されたシリンジがインジェクタに取り付けられると、次の注入に備えて、プランジャをシリンジ内に引き込んで、シリンジ内に流体を引き込む必要はない。そのような場合、ピストンとプランジャの係合を必要としない“プッシュ−オンリー”モードにて作動する。このように作動するなら、係合機構は全く作動する必要はない。或いは、インジェクタが予め充填されたシリンジのみを取り扱うように構成されているならば、容易に解除可能な機構は配備する必要はない。
本発明のプランジャは、本願の譲受人に譲渡された1998年9月15日に発行された発明者がノーランジュニアその他の米国特許第5,808,203号に記載されたセンサのような圧力センサを有する。米国特許第5,808,203号の開示は、今回の(instant)開示に矛盾しない範囲にて、引用を持って記載加入とする。
図30及び図31は、本発明のプランジャ内に含まれ得るセンサを示す。プランジャ(938)は、通路(904)を貫通したベース(902)を有するのが好ましい。検知部材(906)は通路(904)内に配備されて、接触面(908)の部分Pに有効に接する。検知部材(906)は、例えばバネ(910)によって前方に付勢されているのが好ましい。シリンジ(図示せず)内の流体圧が増加すると、接触面(908)の部分Pは図31に示すように歪む。部分Pの歪みにより、検知部材(906)はピストン(942)の通路(904)(912)(914)を通って後方に移動する。検知部材(906)の動きは、ピストン(942)内に配備されるのが好ましいセンサ(916)によって観測される。検知部材(906)が動く程度は、シリンジ内の流体圧の関数であるから、流体圧は検知部材(906)の動く程度から割り出される。センサ(916)は、リード(918)を介してデータ収集装置及び/又は制御装置に接続されるのが好ましい。
また、プランジャは、シリンジ及び/又はその中身を識別すべく、インジェクタ又はインジェクタピストンに読まれ又は検知される符号化要素を含んでもよい。本実施例に於いて、集積回路のような符号化要素は、シリンジよりもむしろプランジャに含まれる。符号化された要素は、プランジャがピストンに接したときに、電子的に読まれる。プランジャは、手順又は課金の目的に必要な他の情報と同様に、シリンジの中身及び量のような情報を含む。そのようなシステムの一例は、国際公開公報WO99/65548号があり、引用を持って記載加入とする。
ここにおいて、本発明は、しばしばシリンジインターフェイス及びシリンジの組み合わせについて記載される。ここで用いられる“シリンジインターフェイス”及び“複数のシリンジインターフェイス”の語は、新規性のあるインジェクタに組み入れられ又は一体化され、又は米国特許第5,383,858号に示され記載されたインジェクタのような現行又は従来の医療用インジェクタに取り付けられ又は連繋するシリンジアダプタとして構成され、米国特許第5,383,858号の内容は引用を持って記載加入とし、本発明のシリンジは、現行又は従来の医療用インジェクタに取り付けることができる。
取付け部材(1522)は、バレル部(1516)の周りに配備され、肩部(1528)を形成する斜面(1526)を有するのが好ましい。取付け部材(1522)の機能は、以下に詳細に記載される。或いは、取付け部材(1522)は、バレル部(1516)の一部のみの周りに延び、分離した断片に形成され得る。(他に記載されていなければ、上記のシリンジ(1512)(及びその構成部品)は、図40A−図47Fについて以下に述べられ記載される本発明の他の実施例に適用される)。
更に、各保持部材(1532)は、シリンジ(1512)上の取付け部材(1522)を把捉し保持する接触面(1533)及び溝(1536)を形成するのが好ましい。更に、保持部材(1532)は、2つのレール部材(1538)によって互いに連繋しているのが好ましい。再び他の実施例に於いて、1つ、3つ又は4つ以上のレール部材(1538)が、保持部材(1532)を互いに連繋するのに用いられる。
シリンジ(1512)をシリンジインターフェイス(1514)に取り付けるために、シリンジ(1512)は、保持部材(1532)間に形成される空間内に、軸方向(図40Aの矢印Aの方向)に動かされる。シリンジ(1512)上のフランジ(1524)が保持部材(1532)上の接触面(1533)に係合すると、保持部材(1532)はレール部材(1534)に沿って、ベース部材(1530)へ向けて駆動される。レール部材(1534)がベース部材(1530)の中心に向かって傾いているから、レール部材(1534)は、保持部材(1532)をレール部材(1538)に沿って互いに向けて動かし、シリンジ(1512)の後端部(1520)の周りに“納まる(collapse)”ように作動する。保持部材(1532)がシリンジ(1512)上に納まると、保持部材(1532)は協働して取付け部材(1522)を溝(1536)内に把捉し、シリンジ(1512)をシリンジインターフェイス(1514)にしっかりと係合させる。
シリンジインターフェイス及びシリンジシステム(1600)の他の実施例が、図41A−図41Dに示されている。システム(1600)は、シリンジ(1512)及びシリンジインターフェイス(1614)を有する。図41B及び図41Cに最も良く示されるように、シリンジインターフェイス(1614)は、シリンジ(1512)を受け入れるべく待機した“開”位置にある。シリンジインターフェイス(1614)は、ベース部材(1630)及び2つの協働するシリンジ保持部材(1632)を有する。保持部材(1632)は、一緒に接続され、ピボットピン(1631)又は他の適切な機構(図41D参照)によってベース部材(1630)に連繋しているのが好ましい。更に、保持部材(1632)は、保持部材(1632)に連繋しベース部材(1630)内に形成されたスロット(1635)内に引掛かったピン(1629)(図41D参照)によってベース部材(1630)に連繋する。
シリンジ(1512)をシリンジインターフェイス(1614)に取り付けるために、シリンジ(1512)は、保持部材(1632)間に形成された空間内へ下方に(図41Bの矢印B方向)動く。シリンジ(1512)のバレル(1516)は、ベース部材(1630)のバレル案内レール(1639)によって保持部材(1632)間の位置に案内される。シリンジバレル(1516)が保持部材(1632)(図41C参照)のピボット端部(1651)に係合すると、保持部材(1632)はシリンジ(1512)の後端部(1520)周りに納まるように駆動される。ベース部材(1630)に形成されたスロット(1635)内に嵌まるピン(1629)は、保持部材(1632)がシリンジ(1512)の周りに係合する円弧状の動作を案内し制御する。保持部材(1632)がシリンジ(1512)上に納まると、保持部材(1632)は協働して、取付け部材(1522)を溝(1636)内に引掛け、シリンジ(1512)をシリンジインターフェイス(1614)にしっかりと係合させる。
更に、保持部材(1632)がシリンジ(1512)の周りに納まると、スプリングピン(1637)が溝に沿って動き、ピン凹部(1640)をロックして、シリンジ(1512)をシリンジインターフェイス(1614)に取り付ける。シリンジインターフェイス(1614)からシリンジ(1512)を外すには、スプリングピン(1637)をピン凹部(1640)から外して、保持部材(1632)をロック解除しなければならず、保持部材(1632)はシリンジ(1512)との係合状態から動く(例えば、手で又はあらゆる適切なレバー手段によって)。ここで、シリンジ(1512)は上(矢印Bと反対方向)に動くか、軸に沿って(図41Bの矢印C方向)動くかの何れかによって外され得る。
シリンジ(1512)をシリンジインターフェイス(1714)に取り付けるのに、シリンジ(1512)は下方に動いて(図42Bの矢印D方向)、保持部材(1732)に係合する。シリンジバレル(1516)が保持部材(1732)のピボット端部(1751)に係合すると、保持部材(1732)はバネ力に抗して離れるように駆動され、シリンジバレル(1516)がピボット端部(1751)間及び保持部材(1732)間に形成された空間を通ることができる。シリンジ取付け部材(1522)は、保持部材(1732)に形成される溝(1736)に案内されて、シリンジ(1512)をシリンジインターフェイス(1714)内に正しく位置させる。一旦、シリンジ(1512)がピボット端部(1751)を通過すると、バネ力によって保持部材(1732)は駆動されてシリンジ(1512)の後端部(1520)の周りに納まる。ベース部材(1730)に形成されたスロット(1735)に嵌まるピン(1729)は、保持部材(1732)がシリンジ(1512)の周りに係合する円弧状の動作を案内し制御する。保持部材(1732)がシリンジ(1512)上に納まると、保持部材(1732)は協働して、取付け部材(1522)を溝(1736)内に把捉し、シリンジ(1512)をシリンジインターフェイス(1714)にしっかりと係合させる。
シリンジインターフェイス(1714)からシリンジ(1512)を外すには、シリンジ(1512)は、保持部材(1732)のピボット端部(1751)に対して、上方(矢印Dとは反対方向)に動かされる。シリンジ(1512)の上向きの力が、保持部材(1732)を一緒に保持するバネ力に勝ると、保持部材(1732)は動いて離れ、シリンジ(1512)はシリンジインターフェイス(1714)からスライドして解放されることができる。
シリンジ(1512)を軸方向に取り付けるには、シリンジ(1512)は、取付け部材(1522)が保持部材(1832)に係合するまで、シリンジインターフェイス(1814)に挿入される。取付け部材(1522)の斜面(1526)は、保持部材(1832)の丸溝(1857)に係合し、それによって、バネ力に抗して保持部材(1832)を強制的に離す。取付け部材(1522)が丸溝領域を通過した後、保持部材(1832)は溝(1836)内の取付け部材(1522)の周りに納まり、取付け部材(1522)を引掛けて、シリンジ(1512)をシリンジインターフェイス(1814)にしっかりと取り付ける。
シリンジ(1512)を軸方向に外すには、保持部材(1832)の延伸部材(1855)は、バネ力に勝り、保持部材(1832)が離れるように、操作される(即ち、一緒に押される)。シリンジ(1512)の取付け部材(1522)が溝(1836)内で係合した状態から溝(1836)内を通過する程度にまで、保持部材(1832)が離れるように移動すると、シリンジ(1512)はシリンジインターフェイス(1814)から軸方向に(矢印Eとは逆の方向)、外される。
図45A及び図45Bは、インジェクタヘッドに組み入れられ、又は取り付けられる図43A−図43Iに示すシリンジインターフェイス(1814)を稍変更した第2実施例を示す。シリンジインターフェイス(2014)の機能は、シリンジインターフェイス(1814)について上記したものと略近似し、又は略同一である。
図46A−図46Dは、本発明に従ったフロントローディングシリンジインターフェイス及びシリンジシステム(2100)の好ましい第1実施例を示している。システム(2000)は、シリンジ(1512)及びシリンジインターフェイス(2114)を有する。図46Aに最も良く示されるように、シリンジインターフェイス(2114)は、後板(2152)と前板(2154)の間に配備された柔軟な保持リング(2150)を具えている。保持リング(2150)は、シリンジ(1512)がシリンジインターフェイス(2114)に取り付けられたとき、シリンジ(1512)の取付け部材(1522)に係合するように設けられた後部出っ張り(2160)を形成している。
リング(2150)は、少なくとも1つの、しかし好ましくは2つの解除部材(2156)及び少なくとも1つの、しかし好ましくは2つの突起部材(2158)を具えている。更に、リング(2150)は、以下に詳細に記載するように、シリンジ(1512)の取付け部材(1522)に係合し、且つ取付け部材(1522)から外れるような楕円形であるのが好ましい。図46B−図46Dに最も良く示されるように、例えば解除部材(2156)は作業者がシリンジインターフェイス(2114)からシリンジ(1512)を外す操作をするために、後板(2152)及び前板(2154)から突出している。更に、突起部材(2158)は前板(2154)の後面(図示せず)に形成された溝(図示せず)に引掛けられ、溝内をスライドして、両解除部材(2156)ではなく、1つの解除部材(2156)のみが操作され得るときに、シリンジインターフェイス(2114)からシリンジ(1512)を外すことができる(溝は図47A−図47Fの他の実施例について記載され、図47Eに示される)。
突起部材(2158)及び溝(図示せず)は、シリンジの取り付け及び取り外し中に、保持リング(2150)の動きを制御し/抑制する為に配備される。特に、シリンジの取り付け及び取り外し中のリング(2150)の動き(即ち、略楕円形から略円形へ、及びその逆)は、突起部材(2158)が溝内へスライドできることにより、案内され、制御される。従って、シリンジ(1512)が当初保持リング(2150)と係合中は、シリンジ(1512)の向きに拘わらず、リング(2150)に作用するシリンジ力及びその結果のリング(2150)の動きは、突起部材(2158)及び溝によって案内され、抑制される。
解除部材(2156)が作動すると、突起部材(2158)は溝(図示せず)内へスライドして、リング(2150)の動きを略楕円形状から略円形状に変え、取付け部材(1522)をリング(2150)の後部出っ張り(2160)から外す。
理解されるように、本実施例によって、シリンジ(1512)はシリンジインターフェイス(2114)上に簡単な、1段階の軸方向の動きにて取り付けられる。シリンジ(1512)を外すべく、一方又は両方の解除部材(2156)が押圧されて、シリンジ(1512)はシリンジインターフェイス(2114)から簡単に軸方向に取り外される。
図46A−図46Dについて上述したように、図47Eは前板(2254)に形成された溝(2270)及び溝(2270)内に引掛けられた突起部材(2258)を示している。
図48A−図48Cは、本発明に従ったフロントローディングシリンジインターフェイス及びシリンジシステム(2300)の他の実施例を示している。システム(2300)は、シリンジ(2312)及びシリンジインターフェイス(2314)を有する。図40A−図47Fに示された本発明のシリンジインターフェイス及びシリンジシステムの他の実施例について述べられ記載されてきたシリンジ(1512)と違って、シリンジ(2312)は(シリンジ(1512)の他の要素に加えて)、その後端部に形成された2つのノッチ(2327)を具えているのが好ましい。或いは、1つ、3つ又は4つ以上のノッチ(2327)がシリンジ(2312)内に形成される。
シリンジインターフェイス(2314)は、ベース部材(2360)及びベース部材(2360)内に回転可能に取り付けられる口金部材(2362)を具えるのが好ましい。以下に詳細に記載するように、ベース部材(2360)はその中に挿入される2本の合わせピン(2364)を具えるのが好ましい。口金部材(2362)は、複数の分断された部材、即ち口金部材内に形成されたタング(2368)、口金部材の後端部に形成された螺旋状の軌道(2370)、及びシリンジ(2312)内のノッチ(2327)に係合するように作動する少なくとも2つのポスト(2372)を具える。下記の理由から、小さな爪(2374)が螺旋状の軌道(2370)内の適切な位置(例えば、終端部又は終端部に隣接して)に形成されるのが好ましい。口金部材(2362)は、合わせピン(2364)によってベース部材(2360)内に保持され、合わせピン(2364)は口金部材(2362)内の螺旋状の軌道(2370)によって捕捉されて嵌まる。
口金部材(2362)がシリンジ(2312)とともに回転すると、合わせピン(2364)が螺旋状の軌道(2370)内に嵌まることにより、口金部材(2362)がベース部材(2360)内に引かれる。口金部材(2362)がベース部材(2360)内に引かれると、各タング(2368)は、ベース部材(2360)の斜面(2365)によって駆動され、シリンジ(2312)の取付け部材(2322)に係合し、それによってシリンジ(2312)をシリンジインターフェイス(2314)内に取り付ける。理解されるように、“ポスト及びノッチ”が係合することにより、口金部材(2362)に対するシリンジの回転が規制され、“タングと取付け部材”が係合することによりシリンジの軸方向の平行移動が規制される。
シリンジ(2312)(及び口金部材(2362))が、ベース部材(2360)内の箇所にて十分に回転すると、合わせピン(2364)は小爪(2374)に引掛かって、作業者に触感を与え、シリンジ(2312)が完全に且つしっかりとシリンジインターフェイス(2314)に取り付けられたことを、可能ならば聴覚で、フィードバックする。
シリンジインターフェイス(2314)からシリンジ(2312)を取り外すには、シリンジ(2312)(及び口金部材(2362))はベース部材(2360)内で回転される(矢印Hと反対の反時計方向が好ましい)。回転を開始するには、十分な力をシリンジ(2312)(及び口金部材(2362))に加えて、合わせピン(2364)を小爪(2374)から外して、螺旋状の軌道(2370)に沿って乗せなければならない。シリンジ(2312)はそのとき、合わせピン(2364)が螺旋状の軌道(2370)の反対側端部の小爪(2374)内の箇所に引掛かるまで、回転する。(触感(及びできれば聴覚で)ピン(2364)が箇所に引掛かることをフィードバックすることにより、作業者にシリンジ(2312)が口金部材(2362)から外されたことを知らせる。口金部材(2362)がベース部材(2360)内で“閉”位置から回転すると、タング(2368)はシリンジ(2312)の取付け部材(2322)を解放し、シリンジ(2312)はシリンジインターフェイス(2314)から軸方向(矢印Gとは反対方向)に外される。
下記の如く、ピストンヘッド(2410)及びプランジャベース(2406)は、差込みタイプの連結機構によって互いに係合しているのが好ましい。当該技術分野で公知の如く、ピストン(2402)はインジェクタ(図示せず)内に配備されているのが好ましく、シリンジプランジャ(2404)は上記のシリンジ(1512)(2312)のようにシリンジ内に配備されているのが好ましい。
ピストンヘッド(2410)は、図49Eに最も良く示されるように、一対の延伸フランジ(2412)を具えているのが好ましく、プランジャベース(2406)は溝(2416)によって分けられた一対の保持フランジ(2414)を具えているのが好ましい。ピストン(2402)とプランジャ(2404)を接続するには、ピストンヘッド(2410)上の延伸フランジ(2412)が、溝(2416)に沿ってプランジャ(2404)内に挿入される。プランジャ(2404)の接触面(2430)に係合するピストン(2402)のフランジ(2427)によって示されるのが好ましい延伸フランジ(2412)が、保持フランジ(2414)を通過するときに、ピストン(2402)又はプランジャ(2404)の何れか一方は回転して、保持フランジ(2414)は延伸フランジ(2412)の背後で引掛かる。プランジャ(2404)からピストン(2402)を外すには、作業者によって逆の手順が採られるのが好ましい。
当業者に理解されるように、ピストン(2402)及びプランジャ(2404)は、プランジャ(2404)を平行移動して回転させてピストン(2402)(インジェクタ内に配備される)に係合させることによって係合され、またピストン(2402)を平行移動して回転させてプランジャ(2404)に係合させる。或いは、平行移動及び回転動作は、プランジャ(2404)及びピストン(2402)間にて2つの部材を相互に連結することに対して、順番を変えることができる。
ピストン(2502)とプランジャ(2504)を接続すべく、口金機構(2530)はプランジャ(2504)に挿入される。タング(2534)がプランジャのアンダーカット(2536)(図50Bに最も良く示される)を通過すると、ロッド、即ちピン部材(図示せず)が口金機構(2530)の中心を通って動き、タング(2534)を強制的に半径方向に離して、プランジャのアンダーカット(2536)にロック係合させる。プランジャ(2504)からピストン(2502)を離すには、ロッド、即ちピン部材(図示せず)が口金機構(2530)の中心から引き込まれ、それによってタング(2534)はプランジャのアンダーカット(2536)から外される。
口金機構(2530)が対称性である故に、ピストン(2502)及びプランジャ(2504)を互いに係合させ、及び/又は係合解除するのに、ピストン(2502)及びプランジャ(2504)間に特殊な構造は不要である。この特徴により、シリンジインターフェイスにシリンジを取り付け、及びシリンジインターフェイスからシリンジを外すことが簡単になる。
当業者に理解されるように、ピストン(2502)及びプランジャ(2504)は、プランジャ(2504)(シリンジ内に配備される)を平行移動してピストン(2502)(インジェクタ内に配備される)に係合させることによって係合され、またピストン(2502)を平行移動してプランジャ(2504)に係合される。
図52A−図52Cは、本発明のインジェクタピストン及びシリンジプランジャインターフェイスシステム(2700)の他の実施例を示している。システム(2700)は、ピストン(2702)及びプランジャカバー(2708)を具えている。上記例とは対照的に、プランジャベースは、プランジャ(2704)内にない。むしろ、ピストンヘッド(2710)がプランジャカバー(2708)を補助する形状に構成されて、流体注入中、プランジャカバー(2708)を支持する。
図52Aに最も良く示されるように、ピストン(2702)は、ベース部材(2760)、スリーブ(2762)、分断されたフラップ部材(2764)及びピストンキャップ(2766)を具えているのが好ましい。ピストン(2702)の前進中(例えば、流体注入中)、ピストン(2702)はプランジャカバー(2708)に接続して係合し、又はロックすることなしに、プランジャカバー(2708)に接して動かすのが好ましい。ピストン(2702)(即ち、ベース部材(2760)、フラップ部材(2764)及びキャップ(2766))を引き込む際に、スリーブ(2762)は動いて(図52Bの矢印I方向)、分断されたフラップ部材(2764)に接して、フラップ(2765)を半径方向外向きに駆動して、プランジャカバー(2708)(図52Cに最も良く示されるように)内に形成されたアンダーカット(2767)に係合させ、ピストン(2702)とプランジャカバー(2708)を一緒に結合させる。ピストン(2702)とプランジャカバー(2708)を一緒に引き込むことは、例えば、患者に引き続いて注入すべく、流体をシリンジ内に吸引するのに有用である。
図53C及び図53Dに最も良く示されるように、口金機構(2830)はピストン(2802)内に配備されたアクチュエータ(2870)によって作動され、タング(2834)を半径方向外向きに動かし、プランジャカバー(2808)に形成されたアンダーカット(2836)に係合させ、ピストン(2802)とプランジャカバー(2808)を相互に連結する。口金機構はOリングのようなバネ保持部材(2872)を有して、タング(2834)を一緒に保持し、タングを“取り外し”位置にバネ付勢するのが好ましい。
図54A及び図54Bは、現行のシリンジプランジャ(2980)を示し、プランジャベース(2984)と、それに機械的に接続されたプランジャカバー(2982)を具えている。
図54C及び図54Dは、本発明のプランジャ(3080)の実施例を示している。プランジャ(3080)はプランジャカバー(3082)を具え、プランジャカバー(3082)は(図54A及び図54Bに示すプランジャカバー(2982)より)大きなシリンジ接触領域、及び少なくとも3つのシール要素(3083)を有する。プランジャベース(3084)は、国際公開公報WO98/20920号に記載されているように、少なくとも2つの柔軟なピストン保持部材(3085)を具え、国際公開公報WO98/20920号の内容は、引用を持って記載加入とする。プランジャカバー(3082)は、図54Dに示すように、プランジャベース(3084)に機械的に接続されているのが好ましい。
図54E及び図54Fは、本発明のプランジャ(3180)の他の実施例を示している。プランジャカバー(3182)は、図54A及び図54Bに示すプランジャカバー(2982)と略近似、又は略同一である。プランジャベース(3184)は、少なくとも2つの柔軟なピストン保持部材(3185)を具えている。
理解されるように、上記に示し記載したプランジャ(2980)(3080)(3180)(3280)は、ここで記載するシリンジ(1512)(2312)に組み入れられる。
本発明の最も好ましい実施例が、図55−図109について記載される。これらの図面の図55−図78は、シリンジをインジェクタハウジングに解除可能に取り付けるシリンジインターフェイス/解除機構の第2の好ましい実施例に関する。図79は、関連する技術分野の医療用インジェクタアセンブリのシリンジに関するフランジアセンブリの効果を示しており、本発明のシリンジのフランジの機能に等しく適用される。図80−図109は、本発明のインジェクタピストン及びシリンジプランジャインターフェイスシステム/アセンブリの第1の好ましい実施例を示しており、プランジャをシリンジ内に軸方向に動かすように組み入れる。
特に、本発明の第2の好ましい実施例は、取付中に、シリンジ(4012)をインジェクタ(4014)に特定の方向に向ける必要(従来では存在していた)なくして、シリンジ(4012)がインジェクタ(4014)に素早く接続させる機構を配備している。本発明の解除/接続機構(4010)はまた、シリンジ(4012)が解除/接続機構(4010)に十分に係合したときに、聴こえる“クリック”を提供する。更に、本発明は、シリンジ(4012)が解除/接続機構(4010)から外れたときに、聴こえる“クリック”を提供する。解除/接続機構(4010)に対しシリンジ(4012)を接続及び取り外す際の聴こえる“クリック”は、特に有用な特徴である、なぜなら作業者は、解除/接続機構(4010)に対してシリンジ(4012)が適切に係合及び係合解除されたことが聴覚で確認できるからである。
図55は、本発明のシリンジインターフェイス/解除機構(4010)(以下、簡潔の為、解除又は接続機構(4010)と呼ぶ)を略図示している。解除機構(4010)の後端面(4016)は、インジェクタ(4014)の前面(4018)に取り付く。解除機構(4010)の前端面(4020)は、シリンジ(4012)の後端部(4022)を受け入れるのに適応している。
解除機構(4010)は、当業者に知られた適切な方法で、インジェクタ(4014)の前面(4018)に取り付けられる。例えば、解除機構(4010)は、インジェクタ(4014)の前面(4018)から延びるネジ(図示せず)によって取り付けられる。当業者に理解されるように、他のあらゆる適切な接続手段も用いられる。例えば、解除機構(4010)は、タブ又は他の適切なコネクタによって取り付けられ、解除機構(4010)内の構成要素を洗浄する為に、解除機構(4010)がインジェクタ(4014)から取り外されることができる。更に、解除機構(4010)は従来のインジェクタに取り付けられるのに適しており、本発明のシリンジは従来のインジェクタとともに用いることができる。
図56及び図57は、本発明のこの特徴の理解を容易にすべく、解除機構(4010)及びシリンジ(4012)を分解して示す。シリンジ(4012)は、前端部(4034)にテーパ付きの円錐部(4032)を具えた円筒状の本体(4030)を具える。円錐部(4032)は排出端部(4036)に一体に接続される。排出端部(4036)にはチューブ(図示せず)に接続されるルアーロック(4038)が配備され、チューブは最終的には患者(また図示せず)に接続される。
当業者に理解されるように、シリンジ(4012)は高分子材料のようなあらゆる適切な材質からも作られる。特に、シリンジ(4012)はPET(ポリエチレンテレフタレート)から作られる。或いは、シリンジ(4012)はポリメチルペンテン(三井プラスチックスにより商標“TPX”で作られる)から構成される。
後端部(4022)にて、シリンジ(4012)はフランジ(4042)を具え、シリンジ(4012)が解除機構(4010)に接続されたとき、例えばフランジ(4042)は排出端部(4036)又はルアーロック(4038)から漏れた造影剤が解除機構(4010)内に入ることを防ぐのに役立つ。関連技術のシリンジを示す図79は、シリンジ(4012)上のフランジ(4042)により提供される利点を示すのに役立つ。
図55−図57に示すように、ネジ山(4044)は斜面部(4046)及び肩部(4048)の2つの部分を具え、肩部(4048)は円筒状の本体(4030)の外面に略直交している。少なくとも1つ、好ましくは2又は3以上の延びたタブ、即ち突起(4050)が、シリンジ(4012)の後端部(4022)に配備されている。タブ(4050)はリング(4028)に配備された溝(4052)に係合している。或いは、当業者に理解されるように、スロット、凹部、又は窪みその他がシリンジ(4012)の後端部(4022)に配備され、タブ、即ち突起が回転リング(4028)の内面に配備され得る。
更に、本発明のシリンジインターフェイス(4010)に従来のシリンジを取り付ける為に、シリンジ(4012)の後端部(4022)の構成要素(例えば、ネジ山(4044)、タブ(4050)及び/又はフランジ(4042))を組み込んだシリンジアダプタが、従来のシリンジを本発明のインジェクタ上に取り付けるのに適するように構成される。勿論、従来のシリンジを適切に係合させる為に、アダプタは、従来のシリンジの取付け要素を補完する構成要素を含むのが好ましい。
他の実施例にて、前板(4054)又は後板(4056)の何れかが適切な材料で形成されていれば、被覆は前板(4054)又は後板(4056)の面に塗布される必要はない。例えば、前板(4054)及び後板(4056)が、高密度プラスチック(例えば、アセチルポリマー)で構成されていれば、造影剤が固まることに対し、材料自体がアルミニウム上のフロロポリマー被覆と同じ抵抗を付与するだろう。
図56及び図57に示すように、前板(4054)は貫通した孔(4058)を有する。縁(4060)は前板(4054)を貫通した孔(4058)の周囲に延びている。好ましい一実施例に於いて、シリンジ(4012)が解除/接続機構(4010)に係合すると、フランジ(4042)及び縁(4060)は互いに結合して、孔(4058)を通って接続機構(4010)の内面から漏れる造影剤を最小にする。図72は特に、縁(4060)とフランジ(4042)の結合を示している。或いは、シリンジ(4012)は当業者に理解されるように、フランジ(4042)を有さない。更に、幾つかの代替構成が、シリンジ(4012)又は前板(4054)の何れか一方に配備されて、解除/接続機構(4010)の内面への造影剤の進入を最小にする。
シリンジ(4012)内に一般に用いられるタイプの造影剤は、解除/接続機構(4010)の動作を邪魔する。従って、フランジ(4042)(図79参照)のような或る構造を含むことは、接続機構(4010)の内側内へ造影剤が進入することを最小にするとの利点がある。しかし、解除/接続機構(4010)は、造影剤で汚れても作動すると考えられ、汚れることは普通は避けられない。
柔軟なリング(4026)は略楕円形の部材であり、解除/接続機構(4010)の前板(4054)の後ろに配備される。柔軟なリング(4026)はアセタールコポリマー又は他のあらゆる適切な材料からも形成される。図66及び図67に最も良く示されるように、柔軟なリング(4026)は何れか片側に、2つの湾曲部(4064)に一体に接続された線形、即ち平坦な部分(4062)を有する。湾曲部(4064)の略中央部から、ポスト(4066)が後板(4056)に向かって延びている。図示の如く、柔軟なリング(4026)は貫通した孔(4068)を有する。図66に示すように、柔軟なリング(4026)の前側(4800)にて、角取り面(4082)が配備されている。下記の如く、角取り面(4082)は、リングの中を通るシリンジ(4012)の後端部(4022)及びネジ山(4044)の挿入を容易にする。
図114は、本発明の他の実施例を示しており、ベアリング(4070)を省いており、接続機構(4402)の構成を簡単にして、それ故に、製造コストを低減している。
ハウジング(4024)内にて柔軟なリング(4026)の後端部に配備される回転リング(4028)は、その前面(4074)に2つの溝、即ちカム軌道(4072)を有する。図61、図68及び図69に示されるように、カム軌道(4072)は、外面(4074)が、回転リング(4028)の中心に最も近い点(4076)から回転リング(4028)の中心に対して最も遠い点(4078)までの円弧に沿って、直径が増加するような形状に形成される。溝(4072)は、ベアリング(4070)を通ってポスト(4066)に係合し、シリンジ(4012)が回転リング(4028)と係合中に回転すると、ポスト(4066)を互いに離して、柔軟なリング(4026)を図66及び図67に矢印(4084)で示す方向に延ばす。図示の如く、柔軟なリング(4026)はその中心を通る孔(4068)を有して、リング(4026)の中に入り、又はリング(4026)を通るシリンジ(4012)の後端部(4022)を受け入れる。
図57、図58及び図64に示すように、前板(4054)の後面(4096)は、柔軟なリング(4026)と略同じ形状の凹み、即ち凹部(4098)を具える。従って、凹部(4098)は、2つの線形、即ち平坦な部分(4100)及び2つの湾曲部(4102)を具える(例えば、図58及び図64を参照)。前板(4054)の後面(4096)の2つのノッチ(4104)は、湾曲部(4102)の略中心点に位置する。ノッチ(4104)は、ポスト(4066)及びポスト(4066)を柔軟なリング(4026)に接続する関連した構成を受け入れる。凹部(4098)は、柔軟なリング(4026)よりも大きな形状であり、ノッチ(4104)間の距離は、ポスト(4066)が緩和した状態に於けるポスト(4066)間の距離(図66及び図67参照)よりも大きい。ノッチ(4104)は、柔軟なリング(4026)がハウジング(4024)内で回転することを規制するのに役立ち、回転リング(4028)の回転時に柔軟なリング(4026)が広がることを許す。
解除/接続機構(4010)の動作は、図74−図78及び図55−図73に於いて、示され記載されている。
ネジ山(4044)が柔軟なリング(4026)の後端を通ると、柔軟なリング(4026)の弾性により、柔軟なリング(4026)は図76に示すように、矢印(4114)に示す方向に緩和状態に戻る。柔軟なリング(4026)が緩和状態に戻ると、ネジ山(4044)の肩部(4048)は、柔軟なリング(4026)の後端に係合する。それによって、シリンジ(4012)は柔軟なリング(4026)によって所定位置に保持され、解除/接続機構(4010)から軸方向に外れることはできない。柔軟なリング(4026)が緩和状態に戻ると、シリンジ(4012)がインジェクタに取り付けられたことを作業者に示す聴こえる“クリック”を出すのが好ましい。
解除/接続機構(4010)からシリンジを外すには、下記の如く、シリンジ(4012)が1/4回転又は約1/4回転することが必要であるのが好ましい。この動作は、図77、図78及び図55−図73に示され記載されている。
好ましい実施例に於いて、シリンジ(4012)が反時計方向に約1/4回転すると、溝(4052)に係合した突起(4050)は、回転リング(4028)を同じ方向に同じ量だけ回転させる。機構(4010)が、反時計方向の回転によりシリンジ(4012)を外すように構成されているのが好ましい一方、機構(4010)は時計方向の回転によりシリンジ(4012)を外すのに適しているとも考えられる(個々で引用した1/4回転は、正確な1/4回転を意味することを意図していないことに注意されたい。“1/4回転”の語は、約1/4回転を指し、シリンジ(4012)の待機位置から45度から90度の範囲であることが好ましい。或いは、機構(4010)からシリンジ(4012)を外すことを容易にするあらゆる適切な角度範囲も用いられる)。
図124及び図125に示す第3の好ましい実施例は、シリンジ(4012)が解除/接続機構(4010)から外れた後に、柔軟なリング(4026)及び回転リング(4028)が待機状態に戻るのに役立つ一対の戻りバネ(4091)を有する(バネ(4091)にベアリング(4093)が配備されても良い。これらのベアリングはピン(図示せず)によって後板(4056)に保持され、Delrin(商標)から形成される)。本実施例に於いて、戻りバネ(4091)は、回転リング(4028)と後板(4056)との間に配備される。
しかし、戻りバネ(4091)は、回転リング(4028)とハウジング(4024)の前板(4054)との間に接続されても良い。回転リング(4028)は、戻りバネ(4091)の自由端部(4097)が接続される一対の突出したタブ(4095)を有するのが好ましい。図示の如く、戻りバネ(4091)は、後板(4056)に形成された一対の相補的な形状の凹部(4099)内に位置して、拘束される。戻りバネ(4091)は、アソシエーテッドスプリングレイモンド社の3/4インチの一定力のバネであるのが好ましい。戻りバネ(4091)は、医療的手順中(又は繰り返し使用後の時間経過後)に、シリンジインターフェイス/解除機構(4010)の要素が造影剤で汚れるようになると、柔軟なリング(4026)及び回転リング(4028)が待機状態に戻るのを手助けするのに特に有用である。
本発明はまた、インジェクタ(4014)用のインジェクタピストン及びシリンジプランジャインターフェイスアセンブリ(4200)の第1の好ましい実施例の構成を示し、インジェクタ(4014)は、解除/接続機構内のシリンジの向き、又はシリンジ(4012)内のプランジャの向きに関係なくシリンジ(4012)内のプランジャに係合する。図80−図109は、ピストン/プランジャアセンブリ(4200)及びその動作を示している。
ピストン/プランジャアセンブリ(4200)は、インジェクタ(4014)及びシリンジ(4012)に対し軸方向に移動可能に位置する。図85及び図86に示すように、ピストン(4202)は、後端部(4204)及び前端部(4206)を有する。ピストン(4202)はまた、後端部(4204)及び前端部(4206)間に延びる長いシャフト(4208)を有する。ピストン(4202)の後端部(4204)は、インジェクタ(4014)内の発動機又はモータ駆動源に接続される。発動機は、モータと駆動源の結合を含み、ピストン(4202)をインジェクタ(4014)内外に軸方向に動かす如何なる適切なタイプの発動機でも良い。
図80−図82に示すように、ピストンスリーブ(4210)は、ピストン(4202)のシャフト(4208)を囲む。ピストンスリーブ(4210)は、ピストン(4202)に対して自由に動くことができる。換言すれば、ピストンスリーブ(4210)は、ピストン(4202)に接続されていない。ピストンスリーブ(4210)は、前端部(4212)と後端部(4214)を具えた略円筒形のチューブである(ピストンスリーブ(4210)を拡大して詳細に示した図87を参照)。
ピストンスリーブ(4210)の前端部(4212)にカラー(4216)が配備されている。図88−図90に示すように、カラー(4216)はピストン(4202)が貫通して配備される孔(4218)を有する。ピストンスリーブ(4210)の前端部(4212)に係合する環状フランジ(4219)がカラー(4216)の後側(4220)に配備されている。第2の環状フランジ(4222)がカラー(4216)の前面(4224)に配備される。環状フランジ(4222)は、図97−図100に略示されるプランジャキャップ(4226)に係合する。
ピストン(4202)の前端部(4206)は、プランジャキャップ(4226)の内部空間(4244)内に延びる。図107及び図108に示すように、ピストン(4202)の前端部(4206)は、グリップ拡大部(4246)に接続される。グリップ拡大部(4246)は、ネジ(図示せず)のようなあらゆる適切な手段によって、ピストン(4202)の前端部(4206)に接続され、ネジはグリップ拡大部(4246)の中心を通って延びる孔(4248)を通って配備される(グリップ拡大部(4246)の詳細な図示は、図91−図93に示される)。
グリップ拡大部(4246)は、上面(4250)及び底面(4252)を有する。グリップ拡大部(4246)は上面(4250)から傾いて、円錐部(4254)を形成する。円筒部(4256)が円錐部(4254)から底面(4252)まで延びている。グリップ拡大部(4246)がピストン(4202)の前端部(4206)に接続されたとき、グリップ拡大部(4246)は図107及び108に示すように、ピストン(4202)のT字形構造を形成する。
通常は、ゴムカバー(4268)(図105及び図106に詳細に示される)がシリンジ(4012)に取り付けられ、シリンジ(4012)内に位置する。ゴムカバー(4268)の動きにより、シリンジ(4012)内に含まれる流体が排出端部(4036)から患者に押し出される。ゴムカバー(4268)は円錐形の頂部(4270)を有し、略円筒部(4272)がそこから後方に延びる。円筒部(4272)は、多数のネジ山(4274)及び溝(4276)を有し、ネジ山(4274)及び溝(4276)は、例えば注入手順中に液体がプランジャを通りシリンジ(4012)から漏れないことを確実にするとの特殊な用途に、要求される。
ゴムカバー(4268)の内面は中空で、結果として、円錐状の内面(4278)を有する。更に、底端部(4280)にて環状の開口(4284)を形成する縁(4282)が、ゴムカバー(4268)の内側に配備される。縁(4282)は、ゴムカバー支持リング(4286)に係合するように構成されている。
ゴムカバー(4268)の他の実施例に於いて、ゴムカバー支持リング(4286)は、完全に除去される。(4306)で示されるゴムカバーの実施例は、図110−図113に示される。ゴムカバー(4306)はゴムカバー支持リング(4286)を有していないから、ゴムカバー(4306)は断面がゴムカバー(4268)よりも厚い。グリップ(4238)は少なくともインジェクタ(4014)の引き込み動作中は、ゴムカバー(4306)に係合しているから、ゴムカバー(4306)は内面に縁(4308)を有する。
ゴムカバー(4306)は、ゴムカバー(4268)と略同じ形状である。ゴムカバー(4306)は丸い先端(4312)を具えた円錐形の頂部(4310)を有する。下側端部(4314)にてゴムカバー(4306)は円筒部に沿って3つのリブ(4316)と2つの溝(4318)を具える。ゴムカバー(4306)の内側は、傾いた側部(4322)を有する内部空間(4320)を形成する。ゴムカバー(4306)は、ゴムカバー(4268)よりも厚く、強度と封止能力を高めている(即ち、シリンジ(4012)の内側に対して)。
インジェクタ(4014)の作業者がピストン/プランジャアセンブリ(4200)を前に進める、即ち押すことを所望すれば、インジェクタ(4014)の釦(4302)の1つを押して、ピストン(4202)を前に駆動する。ピストン(4202)が前方に動くと、ゴムカバー(4268)を前方に押す。ゴムカバー(4268)が前方へ動くのに、ピストンアセンブリ(4202)とゴムカバー(4268)の如何なる接続も必要としないから、ピストンアセンブリ(4202)とゴムカバー(4268)の2つは、互いに係合するだけである。しかし、インジェクタの作業者がゴムカバー(4268)を引き込む、即ち後方に動かすことを所望すれば、ピストン/プランジャアセンブリ(4200)はゴムカバー(4268)を掴んで、インジェクタ(4014)に向けて引く。
ゴムカバー(4268)(及び含まれる連繋したゴムカバー支持リング(4286))を掴むべく、グリップ(4238)は外向きに延びて、ゴムカバー支持リング(4286)の縁(4298)を掴む。別のゴムカバー(4306)が用いられたなら、グリップ(4238)は縁(4308)に係合する。グリップ(4238)による縁(4298)(又は別の縁(4308))の係合は、以下に記載される。
ピストン(4202)がグリップ拡大部(4246)に接続されるから、ピストン(4202)がインジェクタ(4014)内に動くと、グリップ拡大部(4246)も動く。しかし、互いに接続される要素であるピストンスリーブ(4210)、カラー(4216)及びプランジャキャップ(4226)は、Oリング(4304)によって前方に付勢される。従って、ピストン(4202)及びグリップ拡大部(4246)が作動すると、ピストン(4202)及びグリップ拡大部(4246)は、ピストンスリーブ(4210)、カラー(4216)及びプランジャキャップ(4226)に対して後方に動く。グリップ拡大部(4246)の円錐部(4254)は、そのとき丸溝領域(4262)に係合して、図108の矢印(4266)で示すように、プランジャキャップ(4226)内のスロット(4236)を通ってグリップ(4238)を外向きに押し、支持リング(4286)の縁(4298)(又は縁(4308))に係合させる。グリップ(4238)を所定位置に保持すべく、ゴム製の覆い(図示せず)がプランジャキャップ(4226)に取り付けられる。ゴム製の覆いはまた、造影剤がスロット(4236)を通ってプランジャキャップ(4226)に入ることを阻止することを手助けする。
この構成によって、ゴムカバー(4268)は、ピストン(4202)がインジェクタ(4014)内又はインジェクタ(4014)に向かって引き込まれ、即ち後方に動かされたときにのみ、ピストン(4202)に係合する。静止し、又は前方に動くとき、ゴムカバー(4268)はピストン(4202)に係合せず、シリンジ(4012)は容易にシリンジインターフェイス(10)から外れる。
図114は、本発明の解除/接続機構(4402)の他の実施例を示す。ここに於いて、柔軟なリング(4026)は、ポスト(4066)の周りにベアリング(4070)を有さない。上記の如く、これによって、接続機構(4402)の構成を簡単にしている。ここに於いて、解除/接続機構(4402)は、ポスト(4066)がカム軌道(4072)に直に係合することを除き、接続機構(4010)と同様に作動する。便宜上、前板(4054)を後板(4056)に保持するネジ(4404)が示されている。
図118は、異なる形の回転リング(4028)又は柔軟なリング(4410)用の溝を示す他の3つの実施例である。ここで記載された回転リング又は柔軟なリングのどの実施例にも、異なる形状の溝(4052)が用いられることは注目すべきである。先ず、実施例#1に於いて、図59に図示したのと同じ溝(4052)が示されている。実施例#1に於いて、溝(4052)は、回転リング(4028)の内面の半円筒状のへこみである。実施例#2は、三角形の溝(4052')を示している。実施例#3は、溝(4052'’)がU字形であることを示している。当業者ならば、溝(4052)(4052')(4052'’)が突起(4050)及びその均等物と係合するのに適切な形状であることが容易に理解できるべきである。
殆どの場合、柔軟なリング(4026)はシリンジ(4012)を所定位置に保持するように働くけれども、患者にシリンジ(4012)内の造影剤を注入すべく高圧が加えられる、幾つかの例がある。高圧(例えば、1000psi又はそれ以上の)が加えられると、2つの領域(4400)とネジ山(4044)の接触面積は、シリンジ(4012)を解除/接続機構(4010)にしっかりと保持するのには、十分ではない。これらの例に於いては、柔軟なリング(4026)は全てではなくとも大部分が、シリンジ(4012)の周りのネジ山(4044)に接する。
図119は、本発明の解除/接続機構(4440)の実施例を示しており、円形に形成されてシリンジ(4012)の周囲に沿うネジ山(4044)の大部分に係合する柔軟なリング(4450)を開示している。柔軟なリング(4450)は完全な円に近く、緩和状態で内径はシリンジ本体(4030)の外周よりも少し大きい。柔軟なリング(4450)は2つのポストを具え、一方のポスト(4452)は前板(4462)の溝(4460)内の孔(4456)に係合し、他方のポスト(4454)は回転リング(4464)内の孔(4458)に嵌合する。回転リング(4464)は、後板(4466)の凹みに組み込まれる。ネジ(4468)は、解除/接続機構(4440)を組み立てるのに用いられる。
シリンジ(4012)を解除/接続機構(4440)から外すには、シリンジ(4012)は約1/4回転される。シリンジ(4012)の回転により、回転リング(4464)は矢印(4474)の方向に回転する。回転リング(4464)が回転すると、ポスト(4464)に圧力が加わり、柔軟なリング(4450)をより大きな内径となる緊張状態にする。十分な量の力が柔軟なリング(4450)に加えられると、シリンジ(4012)が解放され、上記でもそうであったように聴こえる“クリック”を発する。
前記実施例に於いて、柔軟なリングは、1ピースの構成として図示されてきた。しかし、柔軟なリングは、互いに又は解除/接続機構のハウジングに接続された数個のピースから構成され、分離した要素は緩和状態及び緊張状態を有する(1ピースの構成と同様に)。
2ピースの“柔軟なリング”の考えられる実施例は、図120に示される。図示の如く、シリンジインターフェイス/接続機構(4480)は、前板(4054)(図56及び図57に示す)と似た構成の前板(4482)を有する。前板(4482)はその後面に、柔軟なリング(4486)を受け入れる大きさに形成された凹み(4484)を有する。前板(4482)は貫通した孔(4488)を有している。また、柔軟なリング(4486)上のポスト(4492)を受け入れるノッチ(4490)も有する。
柔軟なリング(4486)は、柔軟なリング(4026)と同様の形状である。図示の如く、柔軟なリング(4486)は2つの別個の円弧片(4496)(4496)を有し、円弧片(4496)(4496)は片側の継ぎ目(4498)(4500)に沿って接続されている。2つのバネ(4502)(4504)が柔軟なリング(4486)の片側に位置して、一旦柔軟なリング(4486)を通って挿入されたシリンジ(4012)の周りで、柔軟なリング(4486)を緩和状態に付勢する。
2つの半円形アーム(4518)(4520)が後板(4516)の後ろに位置する。各アームは、柔軟なリング(4486)上のポスト(4492)に係合するポスト(4522)(4524)を有する。各アームは回転リングの夫々ポスト(4512)(4514)に係合するノッチ(4526)(4528)を有する。
解除/接続機構(4480)の動作は、前記実施例とほぼ同じである。シリンジ(4012)が柔軟なリング(4486)を通って挿入されると、柔軟なリング(4486)の2つの断片(4494)(4496)のバネは、シリンジ(4012)のネジ山(4044)がリング(4486)の断片(4494)(4496)の後縁を通過するまで、緊張状態となる。ネジ山(4044)が柔軟なリング(4486)を通過すると、バネ(4502)(4504)は緩和状態に戻り、断片(4494)(4496)を引いてシリンジ(4012)に係合させる。断片(4494)(4496)が緩和状態に戻ると、聴こえる“クリック”を発するのが好ましい。
解除/接続機構(4480)からシリンジ(4012)を外すには、シリンジ(4012)は約1/4回転される。前記の如く、シリンジ(4012)には、回転リング(4506)の内面の溝(4510)に係合する突起(4050)が配備されている。回転リング(4506)が回転すると、アーム(4518)(4520)が緩和状態から緊張状態に外向きに動き、柔軟なリング(4486)の断片(4494)(4496)を離すような圧力をポスト(4492)に加える。一旦、シリンジが十分な距離だけ回転すると、断片(4494)(4496)は互いに十分離れて、シリンジ(4012)を解放し、聴こえる“クリック”を発するのが好ましい。
更に、シリンジ符号化手段を組み込んだフロントローディングシリンジ(4612)が、図126に示される。シリンジ(4612)は前端部(4634)にテーパ付きの円錐部(4632)を具えた円筒状の本体(4630)を有する。円錐部(4632)は、排出端部(4636)に一体に接続される。
本発明はまた、その動作を容易にする“自動的な”又は“自動”の機構を有するインジェクタ及びインジェクタシステムを提供する。本発明の自動機構は、全てが自動的で、作業者の開始を要求し、及び/又は或る程度の作業者の介入、管理及び/又は制御を要求する。例えば、本発明のインジェクタ及びインジェクタシステムには、以下の1又は2以上の機能が配備され、それは“自動前進”、“自動係合”、“自動充填”、“自動詰込み”及び“自動引込み”である。これらの各機能は、付随する利点及び利益と一緒に、空の、予めローディングされた、及び/又は予め充填されたシリンジについて、以下により詳細に記載される。当該技術分野で公知の如く、“空の”シリンジは、注入手順に備えてインジェクタに取り付けられたときに、流体を含まないシリンジである。空のシリンジは一般に2つの形式があり、それは“プランジャ後退”シリンジと“プランジャ前進”シリンジである。
プランジャ後退シリンジは、当初はシリンジの後端部、即ち基端部にプランジャが位置するシリンジである。プランジャ前進シリンジは、当初はシリンジの前端部、即ち先端部にプランジャが位置するシリンジである。“予めローディングされた”シリンジは、注入手順の前に流体で充填されていた(例えば、手で又はインジェクタを使用して、シリンジ内に流体を吸引する)空のシリンジであり、注入手順に備えて、インジェクタを続いて使用するのに流体が蓄積される。
“予め充填されたシリンジ”は、客に配達される前に、流体で充填されたシリンジである。
“自動係合”機構により、シリンジのインジェクタへの取付け又は結合時に、インジェクタはその駆動ピストンを前進させて、シリンジプランジャに係合させることができる。好ましい実施例に於いて、自動係合機構は、作業者の介入無くして実行できる。この機構は、一般にシリンジバレル内の基端部及び先端部以外の箇所に位置するプランジャを有する予めローディングされた、又は予め充填されたシリンジに特に有用であり、及びプランジャ前進シリンジに特に有用である。予め充填されたシリンジの場合、自動係合機構は、シリンジ(及び連繋するチューブ)の次の充填及び次の注入に備えて、インジェクタピストンとシリンジプランジャを自動的に接続する。プランジャ前進シリンジについては、自動係合機構は、造影剤のような流体をシリンジ内に吸引すべく、プランジャを続いて引き込むのに備えて、ピストンとプランジャを係合させる。
シリンジ(5900)はまたプランジャ(5910)を有し、プランジャ(5910)は略環状の後ベース部材(5912)及びそれに取り付けられる前弾性カバー(5916)を有する。ピストン(5520)の前面は、プランジャカバー(5916)の内面形状に略一致するように形成されるのが好ましい。
シリンジ(5900)の後部は、例えば、溝付きのリング(5920a)(5920b)(5920c)(例えば、図127B参照)のようなインジケータを有し、インジケータは光源(5510)及びセンサ群(5512a)−(5512e)のセンサ(5512a)(5512b)(5512c)と協働して、米国特許出願09/796,498号に記載したように、シリンジ(5900)の構成についての情報(例えば、2進化コードを介して)を提供し、米国特許出願09/796,498号の開示は引用を持って記載加入とする。インジェクタ(5500)の制御システムには、それによって、シリンジ(5900)がインジェクタ(5500)に取り付けられ、インジェクタ(5500)の動作がシリンジ(5900)の構成に従って制御される旨の信号が送られ、又はその旨が知らされる。
新規性のあるシリンジが提案されると、特に予め充填されたシリンジについて、正確に符号化し、シリンジの構成変数を感知する(又は読む)要求が高くなる。シリンジの構成情報は、電動インジェクタにより用いられて、定められたシリンジ構成/注入パラメータの関数として注入手順を制御する。更に、例えば注入手順に関するデータの記録は保存されて、医療管理上、正確な課金及びコスト情報についての要求を満たす。記録は、使用されたシリンジのタイプ、使用された造影剤の量、使用された造影剤のタイプ、殺菌日、使用期限日、ロットコード、造影剤の特性、及び/又は他の臨床関連情報の情報のような情報を保存する。そのような情報は、デジタル的に記録されて、コンピュータ化された病院の課金システム、在庫システム、制御システムその他に共有される。
例えば、図127Bに於いて、ピストン(5520)がプランジャ(5910)に向かって前進すると、付勢された(例えば、バネ(5574)によってバネ負荷が加わった)検知ピン(5570)がプランジャカバー(5916)の後面又は内面に接する。ピン(5570)は後ろに付勢されて、センサ(5578)(例えば、光学センサ)の領域に入る。センサ(5578)はインジェクタ(5500)の制御システムに信号を送り、制御システムは所定時間又はピストン(5520)の所定時間経過後、又は所定距離前進後、ピストン(5520)の前進を止め、ピストン(5520)はプランジャ(5910)に係合する。しかし、ピストン(5520)の前進は、シリンジプランジャ(5910)が動く前に停止する。例えば、信号送信からピストン動作の中止までの時間量は、インターフェイス(5502)に取り付けられるタイプのシリンジと同様に、ピストン駆動機構の整合性(compliance)又は耐性によって決まる。
シリンジ(5900)内でプランジャ(5910)を前進させるピストン(5520)の前進中と同様に(例えば、シリンジ(5900)内に含まれる空気又は流体を吐き出す為に)、ピストン(5520)が前進してプランジャ(5910)と係合する間は、ピン(5580)は引き込み状態(例えば、図127A及び図127Cに示されるピン(5580')のように)にあるのが好ましい。プランジャ(5910)の引き込みが求められるときは、ピン(5580)は延びて出っ張り(5918)に接する。
図127A−図127Cに示す実施例に於いて、ピストン(5520)は、後部外側ピストンスリーブ(5530)を有する外側ピストン部、及びそれに取り付けられる前部プランジャ接触部(5540)を有する。接触部(5540)の前面対向フランジ、即ち出っ張り(5546)がプランジャベース(5912)の後面と接触すれば、ピストン(5520)の前進に伴って、シリンジ(5900)内でプランジャ(5910)が前進する。
ピン(5580)はプランジャ接触部(5540)に形成された通路(5542)を通って半径方向に突出し且つ引き込まれるように位置する。ピストン(5520)の前進中、外側ピストンスリーブ(5330)及びインジェクタ(5500)の隣接壁との間の摩擦により、内部ピストン部材(5550)及び前側内部ピストン部材(5560)は、外側ピストンスリーブ(5530)及びプランジャ接触部(5540)に対してピン(5552)(図示せず、しかしピン(5552')と同じ)と通路(5532)(図示せず、しかし通路(5532')と同じ)の結合によって決まる距離だけ前進する。一旦、ピン(5552)が通路(5532)の前端に接すると、ピストン(5520)の外部ピストン部及び内部ピストン部は一緒に前進する。プランジャ接触部(5540)に対する前側内部ピストン部材(5560)の前進中、内部ピストン部材(5560)の傾斜面(5564)はピン(5580)に接して、ピン(5580)は図示の如く引き込み状態にある(例えば、図127A及び図127Cのピン(5580')を参照)。
シリンジ(5900)と略同一の第2のシリンジが、インジェクタ(5500)のインターフェイス(5510')に取り付けられる。更に、多数の他のタイプのシリンジが、当該技術分野で公知のアダプタを使用することにより、インターフェイス(5502)(5502'')の何れか又は両方に取り付けられる。
図127A−図127Cに於いて、例えば、アダプタ(5600)のシリンジ籠(5610)はシリンジ(5700)に取り付き、シリンジ(5700)はシリンジプランジャ(5710)及び長く延びてインジェクタ(5500)に協働するプランジャプッシュロッド(5720)を有する。例えば、アダプタ部(5600)の後部は、溝付きのリング(5620a)(5620b)(5620d)のような表示器を具え、リングは光源(5510')及びセンサ群(5512a')−(5512e')のセンサ(5512a')(5512b')(5512d')と協働して、上記のようなアダプタ(5560)及びシリンジ(5700)の構成についての情報(例えば、2進コードにて)を提供する。それによって、インジェクタ(5500)の制御システムは、アダプタ(5560)がインジェクタに接続され、従ってインジェクタ(5500)の動作が制御され得る旨の信号を送られ、又は知らされる。
アダプタ(5560)は更に前端部に、シリンジインターフェイス、即ちコネクタ(5630)を具え、例えばシリンジ(5700)の後部フランジ(5730)と協働してシリンジ(5700)を取り付ける。アダプタ(5560)は更に、インジェクタ(5500)のピストン(5520')と取り外し可能な接続を形成するプランジャ拡大キャリッジ(5800)を有するのが好ましい。その点に於いて、キャリッジ(5800)は、後部にシリンジインターフェイス、即ちコネクタを具え、ピストン(5520')と協働してピストン(5520')に取り外し可能に接続される。当該技術分野で公知の如く、多くのタイプのシリンジインターフェイス、即ちコネクタが、インジェクタピストンをプランジャ又はアダプタに接続するのに用いられる。例えば、米国特許第5,520,653号及び米国特許第6,336,913号を参照して、両特許の内容は引用を持って記載加入とする。
一実施例に於いて、センサ(5578')はフランジ(5724)が捕捉部材(5830)内に取り付けられる前に、インジェクタ(5500)の制御システムに既知の時間量の信号を送り、制御システムは、キャリッジ(5800)とプランジャ拡大フランジ(5724)がしっかりと接続された後であるが、ピストン(5520')が、予め充填され、予めローディングされ又は空であるシリンジ(5700)から流体が注入される程度に前進する前に、ピストン(5520')の前進を停止する。捕捉部材(5830)をフランジ(5724)に係合させるのに要求される軸方向の力は、シリンジ(5700)内のシリンジプランジャ(5710)の静摩擦力よりも小さいのが好ましく、捕捉部材(5830)とフランジ(5724)とが係合しても、シリンジプランジャ(5710)は動かない。信号がインジェクタ制御システムに受信された後であってピストンの前進が停止する前に、ピストンが動く時間量又は距離は、感知されるシリンジ/アダプタ構成に従って自動的に調整される。
ピストン(5520')は引き込み可能なピン(5580')を有する(ピン(5580')はピン(5580)について上記した方法で作動する)。その点に於いて、ピストン(5520')が引き込まれてキャリッジ(5800)を後方に引き込んだときは、ピン(5580')は、シリンジキャリッジ(5800)の内面周りに、既知の軸位置に形成された1又は2以上の出っ張り、フランジ又は溝(5840)と接触して接続する。捕捉部材(5830)は、フランジ(5724)との接続を維持して、ピストン(5520')が引き込まれたときは、プランジャ拡大部(5720)を後方に引く。
上記の如く、好ましい実施例に於いて、本発明のインジェクタ及びインジェクタシステムは、例えば空のシリンジと予めローディングされたシリンジを自動的に区別するのに適している(例えば、センサ群(5512a)−(5512d)、及びセンサ群(5512a')−(5512d')によって)。なぜなら、予めローディングされたシリンジは、注入手順の前に流体で充填され蓄積されていた空のシリンジであり、更に作業者が用途又は必要に基づいて、注入手順の前に流体を蓄積すべく、空のシリンジを予めローディングするか、又はローディングしないから、インジェクタは空のシリンジ、プランジャが後方にあるシリンジ、予めローディングされたシリンジを区別することが困難だからである。
勿論、予めローディングされたシリンジがインジェクタに取り付けられたことをインジェクタが判断すれば、自動前進機構は動くことができない(即ち、ピストンがプランジャをシリンジの先端部に前進させることを阻止し、それによってシリンジから予めローディングされた流体が吐出することを阻止する)。
好ましい実施例に於いて、自動充填機構はまた、流体吸入手順中、シリンジ内へ吸引される空気量を減らす“封入空気減少”機構を有する。例えば、自動充填機構により容易になる吸引手順中、インジェクタピストンはシリンジプランジャを引き込んで、シリンジ内に流体を引く。例えば、吸引流速が十分に大きいと、空気が流体とともにシリンジ内にしばしば吸引される。シリンジ内に吸引される空気の量を減らす為に、封入空気減少機構は吸引手順中に、1回又は2回以上、インジェクタピストンの動作を反転させる(即ち、インジェクタピストンを稍前進させる)。充填動作中にシリンジ内に吸引される空気量を減らすことにより、シリンジ内に形成される泡の量及びサイズは、シリンジ及び接続チューブ(即ち、システムに詰め込む)から続いて空気を吐出するのに要求される時間と同様に減少し、結果として、不用意に空気を注入する可能性を低くする。
“自動詰込み”機構により、インジェクタは注入手順の前に、自動的に流路を充填する。シリンジとともに用いられる接続チューブ内に含まれる流体の量は、インジェクタ内に予めプログラムされている。例えば、使い捨てシリンジとともに使用される本願の譲受人であるメドラッド社によって提供される60’低圧接続チューブ(“LPCT”)は、約2.78mlの流体を保持する。或いは、作業者は接続チューブ内に含まれる流体量をインジェクタ内に手動でプログラムしてもよい。
自動詰込み機構は、インジェクタの吸入手順により流体で充填されていた空のシリンジ(即ち、予め充填されないシリンジ及び予めローディングされないシリンジ)への使用を意図していることが好ましいが、自動詰込み機構は、予め充填されたシリンジ及び予めローディングされたシリンジにも使用できる。
プランジャが前部にあるシリンジがインジェクタに用いられるなら、自動引込み機構は動作を停止して、不要及び/又は余計なピストンの動きを阻止する。自動引込み機構は作業者によって手動で停止され、又はインジェクタによって自動的に停止される。例えば、プランジャが前部にあるシリンジがインジェクタに取り付けられ、インジェクタによって識別されると、作業者によって動作が無効にされ、又はシステムが予め充填されたシリンジ、予めローディングされたシリンジ又はプランジャが後部にあるシリンジの取付けを検知するまで、インジェクタは自動的に初期設定を開始し、次のシリンジに具えて自動引込み機構を停止する。インジェクタが予め充填されたシリンジ、又は予めローディングされたシリンジを検知したときは、システムは導入すべき詰込み量を調整することにより、シリンジ内に残っている残留空気を少なくする(compensate for)。例えば、予め充填されたシリンジが普通は約1.2mlの空、即ち“デッドスペース”を有し、60’のLPCT(約2.78mlの流体を受け入れる)に接続されれば、インジェクタシステムはシリンジ及び接続チューブシステムから約3.97mlの流体を詰める。
他の実施例にて、自動機構は予め充填されたシリンジ又は予めローディングされたシリンジについて、以下の方法で用いられる。作業者が予め充填されたシリンジ又は予めローディングされたシリンジをインジェクタ上に置いた後に、自動係合機構はインジェクタピストンをシリンジ内に前進させ、シリンジプランジャと結合又は係合させる。自動詰込み機構は、そのときピストン及びプランジャを前進させ、シリンジ及び接続チューブシステムから空気を吐出し、それによってシリンジ及び接続チューブシステムを充填する。続いて、注入手順が終了しシリンジがインジェクタから取り外された後、自動引込み機構はインジェクタピストンを引き込み、プランジャが後部にあるシリンジ、予めローディングされたシリンジ又は予め充填されたシリンジについて、次の注入手順に備えた位置に、インジェクタを置く。
本発明のインジェクタ及びインジェクタシステムはまた、上記の1又は2以上の自動機構を補う更なる機構を有し、自動機構の有用性を更に高め、付加された機能を実行するのに作業者に手間を掛けない。例えば、本発明のインジェクタ及びインジェクタシステムには、自動充填機能中にボトル又はバッグのような流体源を保持する取付け装置が配備される。自動充填機能中に流体源を保持することにより、シリンジの充填中に作業者が流体源を保持する必要はなくなり、それによって作業者が注入手順の他に作業準備をする手間はない。勿論、流体源取付け装置は、自動充填機能とは別の利益を作業者に与える。例えば、特殊なインジェクタにて自動充填機構が利用されなければ、流体源取付け装置は、作業者が充填する動作中、流体源を保持するのにも機能する。
本発明の上記多数の自動機構(例えば、自動ローディング及び自動詰込み機構)及び他のインジェクタ機構が、インジェクタ(5500)及び例えばコンピュータ化された断層撮影(CT)環境のようなインジェクタを制御するグラフィカルユーザインターフェイスの代表例に関連して述べられてきた。CT環境に於いて、インジェクタ(5500)を制御する制御ユニット(制御室ユニット)が制御室(例えば、図128Aを参照)内に配備され、制御室はCTスキャンを生成するのに用いられる放射線から遮断される。インジェクタ(5500)は、CTスキャナ及びインジェクタ(5500)に繋がったスキャン室制御ユニット(スキャン室ユニット)とともにスキャン室に配備され、制御室ユニットに繋がっている。当該技術分野で公知の如く、スキャン室ユニットは、制御室ユニットに見られる幾つか又は全ての制御機構を具えている。更に、スキャン室ユニットは当該技術分野で公知の如く、制御室に見られるこれらの機構に加えて、インジェクタ制御機構を有する。当該技術分野で公知の如く、手持ち式の制御ユニットのような他の制御ユニットも配備され得る。
本実施例に於いて、インジェクタ(5500)の制御システムは、例えば図128Bのインターフェイススクリーン、即ちディスプレイに示されるように、作業者が選択可能な3つの注入モードを有する。例えば、図128Bのスクリーンには、図128Aのインターフェイススクリーン、即ちディスプレイの修正スイッチ、即ち釦(6005)の動作が示される。これらの動作モードは、シリンジ(5900A)(5900B)からの連続注入モード、1つの注入場所にシリンジ(5900A)(5900B)から同時に注入するモード、別の注入場所にシリンジ(5900A)(5900B)から同時に注入するモードである。
連続注入の場合、流体はシリンジ(5900A)(5900B)の一方のみから一度に注入される。例えば、シリンジ(5900A)は造影剤を含む一方、シリンジ(5900B)は生理食塩水のような洗浄用流体を含み、洗浄用流体は当該技術分野で公知の如く、種々のプロトコルを用いて連続的に患者内に注入される。連続的に注入される流路の例は、図129Aに示される。図129Aに於いて、各シリンジ(5900A)(5900B)からのチューブは、T型コネクタ(6400)によって結合されて、患者の注入場所へ接続される。
第2段階は、使用者が例えばスキャン室ディスプレイ開始スイッチ、手動制御又は他の制御スイッチを用いて注入を再開するまで、インジェクタ(5500)が注入を保留する、保留段階である。第3段階にあっては、60mlの流体が流速4.0ml/secでシリンジ(5900A)から注入される。第4段階にあっては、60mlの流体が再び流速4.0ml/secでシリンジ(5900A)から注入される。第5段階にあっては、注入が10秒間停止する。第6段階及び最終段階では、シリンジ(5900B)から10mlの生理食塩水が、流速2.0ml/secで注入される。
1つの注入場所に同時に注入する間(例えば、図129Aの流路を用いて)、シリンジ(5900A)は例えばローディングされ、即ち造影剤で充填され、例えばその一方、シリンジ(5900B)はローディングされ、生理食塩水のような希釈剤、即ち洗浄用流体で充填される。本モードに於いて、シリンジ(5900A)内の造影剤又は他の流体は例えば、作業者によってプログラムされるように、シリンジ(5900A)(5900B)から同時に注入することによって、シリンジ(5900B)内の流体にて所望の濃度に薄められ、又は混合する。例えば、図128Dはシリンジ(5900A)からの流体を80%、シリンジ(5900B)からの流体を20%混合して、流速5ml/secで50mlだけ同時に注入する設定を示している。インジェクタ(5500)のピストン(5520)(5520')は、このようにシリンジ(5900A)から40mlの流体が、シリンジ(5900B)から10mlの流体が、10秒間に亘って、患者注入側に同時に注入されるように制御された方法で、前進する。
上記のあらゆる注入モードにて、制御室ユニットに所望のプロトコルを設定した後に、普通は作業者はインジェクタ(5500)の最終準備及び/又は患者の最終準備の為に、スキャン室に入る。図129A及び図129Bの実施例に於いて、スキャン室ユニットは、インジェクタヘッド(5500)の一部であり、又はインジェクタヘッド(5500)の上側に位置する制御/ディスプレイGUI、即ちインターフェイス(6100)とともにインジェクタヘッド(5500)に組み込まれる。例えば、スキャン室ユニットをインジェクタヘッド(5500)に組み込むことにより、分離した制御ユニットに比較して、スキャン室内にて使用する空間を小さくできる。
空のシリンジ(5900A)(5900B)がインジェクタ(5500)に接続された後に、シリンジ(5900A)(5900B)の設定は上記の如く、検知されるのが好ましい。自動前進と同様に、自動ドッキング又は自動係合が上記の如く好ましく進んだ後に、インジェクタシステムは空のシリンジ(5900A)(5900B)を充填するのに待機する。図129A及び図129Bの実施例に於いて、シリンジ(5900A)(5900B)は、夫々流体源、即ち注入流体の貯蔵タンク(6200)(6300)に接続される。例えば、流体源(6200)は造影剤の貯蔵タンクであり、一方、流体源(6300)は生理食塩水のような洗浄又は希釈用流体の貯蔵タンクである。例えば、チェックバルブ(6210)(6310)を有するバルブシステムが配備されて、例えば流体源(6200)及び/又は(6300)が多数の患者に使用されるとき、当該技術分野に於いて公知の如く、流体流れを制御し、患者間での二次汚染を防止する。
シリンジ(5900A)からの造影剤を80%、シリンジ(5900B)からの生理食塩水を20%混合した50mlを1つの注入場所に同時に注入する例に於いて、自動ローディング、自動詰込み及び注入の工程は、図128D乃至図128Jに示されている。図128D及び図128Eに於いて、表示領域(6130)は制御ユニットインターフェイス(6000)の表示領域(6030)と同様に、自動ローディングが未だ開始されていないことを示している。各シリンジ(5900A)(5900B)は空(0ml量)であることが示される。図128Fは、自動ローディングスイッチの作動後の表示領域(6130)を示している。表示器の数字部は、14mlの生理食塩水がシリンジ(5900B)にローディングされ、一方41mlの造影剤がシリンジ(5900A)にローディングされることを示す。
図128D乃至図128Jの例に用いられるチューブセットについては、チューブに詰め込むのに、4mlの生理食塩水と1mlの造影剤が要求される。充填量の受け入れを確認すると、作業者は各充填スイッチ、即ち釦(6122)(6124)を操作して、造影剤及び生理食塩水を夫々シリンジ(5900A)(5900B)内にローディングすることを開始する。ローディングが完了すると、表示領域(6130)は図128Gに示すように表示する。自動詰込みスイッチ、即ち釦(6140)を作動させると、1mlの造影剤がシリンジ(5900A)から注入され、4mlの生理食塩水がシリンジ(5900B)から注入されて、流路及びチューブセットを詰める。チューブは患者のカテーテルに接続される。表示器(6130)は図128Hに示すように表示し、40mlの造影剤がシリンジ(5900A)内にあり、10mlの生理食塩水がシリンジ(5900B)内にあることが示される。
図128Iは、注入手順の半分を過ぎた表示領域(6130)の状態を示し、一方、図128Jは、注入手順完了時の表示領域(6130)の状態を示している。表示領域(6130)の図示表示及び数字データは、インターフェイス(6000)の同様の表示領域(6030)にも映される。図128D乃至図128Jの代表例に見られるように、本発明のインジェクタシステムは、シリンジ(5900A)(5900B)に夫々の流体を適切にローディングし、且つ1つの場所へシリンジから同時に注入することを適切に制御することにより、注入中に注入される造影剤及び他の流体の濃度を大幅に調整することができる。更に、造影剤及び他の流体の濃度は、特殊な手順が求められるならば、注入手順中に簡単に変えられ、調整され、又は変更され得る。
Claims (18)
- プランジャを内部にスライド可能に具えたシリンジを少なくとも1つ配備して、該シリンジから流体を注入するインジェクタシステムであって、
ハウジングと、
ハウジング内に少なくとも一部が配備され、シリンジのプランジャに係合するように作動可能な少なくとも1つの駆動部材と、
ハウジングに連繋し、シリンジと係脱可能に設けられた少なくとも1つのシリンジ保持機構と、
駆動部材の前端部に位置し、シリンジプランジャとの接触を検知する第1の検知ピンを具えた、インジェクタシステム。 - 第1の検知ピンは前方に突出する位置に付勢され、駆動部材が前進中にシリンジプランジャと接しているときに、後方に付勢されてセンサに接する、請求項1に記載のインジェクタシステム。
- 更にシリンジが保持機構に何時取り付けられたかを検知する検知システムを具えた、請求項1に記載のインジェクタシステム。
- 検知システムは更にシリンジの構成を検知する、請求項3に記載のインジェクタシステム。
- シリンジが保持機構に接続されると、駆動部材は自動的に前進して、シリンジプランジャと係合する、請求項3に記載のインジェクタシステム。
- 駆動部材の前方移動は、プランジャが前進する前に、シリンジプランジャと係合することによって止められる、請求項5に記載のインジェクタシステム。
- 更に、ハウジング内に少なくとも一部が配備され、第2のシリンジのプランジャに係合するように作動可能な第2の駆動部材と、
ハウジングに連繋し、第2のシリンジと係脱するように設けられた第2のシリンジ保持機構と
第2の駆動部材の前端部に位置し、第2のシリンジプランジャとの接触を検知する第2の検知ピンを具えた、請求項1に記載のインジェクタシステム。 - 更に、第1のシリンジに接続された第1の注入流体源と、
第2のシリンジに接続された第2の注入流体源とを具えた、請求項7に記載のインジェクタシステム。 - 更に、注入手順が行われるスキャン室の外側に位置する第1の制御ユニットと、スキャン室の内側に位置する第2の制御ユニットを具えた、請求項1又は8に記載のインジェクタシステム。
- 注入手順を制御する注入プロトコルは、第1の制御ユニットに入力され、第1の制御ユニットは作業者が一旦注入プロトコルを設定することによって作動されるプロトコル編集ロック機能を具え、プロトコル編集ロック機能の作動後の注入プロトコルの変更はロック機能の停止に繋がり、第2の制御ユニットはロック機能の状態の表示器を具えている、請求項9に記載のインジェクタシステム。
- 第2の制御ユニットは、第1の制御ユニットに設定される注入プロトコルが変えられたか否かを示す表示器を具えた、請求項9に記載のインジェクタシステム。
- インジェクタは、第1のシリンジから第1の流体が、第2のシリンジから第2の流体が同時に、1つの注入場所に注入される動作モードを有する、請求項9に記載のインジェクタシステム。
- インジェクタは、以下の3つの動作モードを具える(1)第1のシリンジから第1の流体を、第2のシリンジから第2の流体を1つの注入場所へ連続注入する(2)第1のシリンジから第1の流体を、第2のシリンジから第2の流体を1つの注入場所へ同時に注入する(3)第1のシリンジから第1の流体を、第2のシリンジから第2の流体を2つの別個の注入場所へ同時に注入する、請求項9に記載のインジェクタシステム。
- 患者の目的領域に向けて、患者に流体を注入する方法であって、
第1の流体を、第1の流体を目的領域に搬送するのに適した患者の第1注入場所に注入する工程と、
第2の流体を、第2の流体を目的領域に搬送するのに適した患者の第2注入場所に注入する工程とを有する方法。 - 第1の流体と第2の流体は同じである、請求項14に記載の方法。
- 第1の流体と第2の流体は、医療的なスキャン手順に於いて画像を強調するのに適した造影剤である、請求項14に記載の方法。
- プランジャを内部にスライド可能に具えたシリンジを少なくとも1つ配備して、該シリンジから流体を注入するインジェクタシステムであって、
ハウジングと、
ハウジング内に少なくとも一部が配備され、シリンジのプランジャに係合するように作動可能な少なくとも1つの駆動部材と、
ハウジングに連繋し、シリンジと係脱可能に設けられた少なくとも1つのシリンジ保持機構と、
制御室内に位置する第1の制御ユニットを具え、第1の制御ユニットは作業者が一旦注入プロトコルを設定することによって作動されるプロトコル編集ロック機能を具え、プロトコル編集ロック機能の作動後の注入プロトコルの変更はロック機能の停止に繋がり、
スキャン室内に位置する第2の制御ユニットを具え、第2の制御ユニットはロック機能の状態の表示器を具えているインジェクタシステム。 - プランジャを内部にスライド可能に具えたシリンジを少なくとも1つ配備して、該シリンジから流体を注入するインジェクタシステムであって、
ハウジングと、
ハウジング内に少なくとも一部が配備され、シリンジのプランジャに係合するように作動可能な少なくとも1つの駆動部材と、
ハウジングに連繋し、シリンジと係脱可能に設けられた少なくとも1つのシリンジ保持機構と、
制御室内に位置して、注入プロトコルを設定することが可能な第1の制御ユニットと、
スキャン室内に位置して、第1の制御ユニットに設定される注入プロトコルが変えられたか否かを示す表示器を具えた第2の制御ユニットを具えたインジェクタ。
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