JP2005515979A - 活性な薬物成分としてのビシクロ[3.3.1]ノナン−2,4,9−トリオン置換体 - Google Patents

活性な薬物成分としてのビシクロ[3.3.1]ノナン−2,4,9−トリオン置換体 Download PDF

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Abstract

本発明は、ビシクロ[3.3.1]ノナン−2,4,9−トリオン置換体、特にクルシアノン及びその誘導体を薬学的あるいは薬剤として活性な成分として、特に腫瘍性あるいはガン性疾患及びウィルス性疾患の予防及び/あるいは治療(治癒)処置用の医薬の生成に利用すること関するものである。上記化合物は細胞増殖抑制剤及び抗ウィルス性剤(virustatic agent)にも用いられる。これらの化合物は、特にトポイソメラーゼ抑制剤及びテロメラーゼ抑制剤並びにMAPキナーゼ信号伝達時の調節因子としても用いることができ、腫瘍あるいはガン細胞及びウィルスの増殖機構へ細胞規模で介入できる。

Description

本発明は、ビシクロ[3.3.1]ノナン−2,4,9−トリオン置換体、特に腫瘍性あるいはガン性疾患及びウィルス性疾患の予防及び/あるいは治療(治癒)処置用の医薬を生成する、特にクルシアノン及びその誘導体を活性な医薬成分として使用することに関するものである。本発明はまた、医薬の医薬的に活性な成分あるいは医薬組成物、特に細胞増殖抑制及び抗ウィルス性組成物(virustatics)としてのビシクロ[3.3.1]ノナン−2,4,9−トリオン置換体に関するものである。更に、本発明はトポイソメラーゼ抑制因子及び/あるいはテロメラーゼ抑制因子並びにMAPキナーゼ信号伝達においての調節因子としてのビシクロ[3.3.1]ノナン−2,4,9−トリオン置換体を使用することに関する。
腫瘍性あるいはガン性疾患は単一の病理学的状態ではなく、多数の異なったタイプの悪性疾患に対する独特の用語である。実質的には体内の組織毎にガン性退化が生じており、時には異なったタイプのものである。各障害にはそれぞれの特徴がある。これら疾患となる原因は時には非常に異質である。
このような多様性にもかかわらず、すべての腫瘍及びガン性退化は極めて似通った基本的な分子あるいは細胞的過程を経て生じている。分子レベルにおける発ガン及び腫瘍発生の最も基本的な過程に関する知識はこの20年間に驚くべき進歩を遂げている。
遺伝情報は細胞核の染色体のDNA分子により伝えられる。一細胞の全資性のほんの一部の原因である二種類の遺伝子、即ち特にプロトオンコジーン(ガン遺伝子前駆体)及び腫瘍サプレッサ遺伝子(腫瘍を抑制する遺伝子)、は相俟ってガンの進行に重要な役割を果たす。通常の形態ではこれらの遺伝子は細胞のライフサイクルを司り、細胞の複雑な一連の成長過程、必要に応じて分裂を制御する。プロトオンコジーンは細胞の成長を促進し、腫瘍サプレッサ遺伝子は成長を遅らせている。この二種類の遺伝子は一緒になって人間の腫瘍における制御できない細胞拡散過程の主要な原因となる。例えば、プロトオンコジーンが制御域内あるいは構造域内において突然変異すると、過剰の成長促進タンパク質を生成する可能性があるか、後者(腫瘍サプレッサ遺伝子)は過剰に活性となる。プロトオンコジーンは細胞が過剰に拡散するように働くガン促進オンコジーンとなる。それに対して、腫瘍サプレッサ遺伝子は突然変異で不活性になるとガンの進行に寄与する。その結果、細胞は不適切な拡散を防ぐ成長抑制因子として機能するサプレッサタンパク質を失う。
際限のない拡散に対する緊急の機能が正常な体細胞に組込まれており、その機能はすべての細胞分裂を記録し、何回かの再生後中止を喚起する一種のカウンターを含んで構成されている。ほぼ予測可能な何回かの分裂あるいは複製後、正常な細胞の成長は止まる。この過程は細胞の老化と呼ばれている。
分子レベルにおいてはテロメアと呼ばれる染色体末端のDNA部分が細胞の老化の役割を担っている。テロメアは細胞の母集団が拡散サイクルを経た回数をそのまま記録し、ある特定の回数後に、老化あるいは発症が始まる。このようにテロメアは細胞の母集団が際限なく成長することを制限している。最も健康な人間の細胞においては、分裂毎に染色体が複製する際、テロメアは少しずつ短くなっていく。テロメアが特定の臨界長さまで縮むことは、細胞が老化の段階に入った信号である。細胞がその信号を無視するとテロメアは更に縮み最後には発症する。テロメアが極端に短くなると、染色体は互いに結合するか分解し、それによる遺伝子の混乱状態は細胞にとって致命的となる。
正常な細胞が従う老化、すなわち分裂する能力の喪失は、正常な死すべき運命にある分裂毎にテロメア末端におけるDNAにおいて50から200個のヌクレオチドを失う細胞における染色体に依存する。末端のヌクレオチド(テロメア)の喪失は分裂回数を記録する一種の分裂時計の機能を有している。テロメアを保有することは細胞が老化過程から逃れ無限に分裂するために必要であると思われる。
特にテロメラーゼと呼ばれる酵素を合成する指令を含んでいる遺伝子が活性化すると、上記の防御機能は、大抵のガン及び腫瘍細胞における退化の過程中は不活性となる。この酵素は、短くなっていくテロメアを体系的に補充し、それを維持し細胞が際限なく分裂できるようにする。このように大抵の腫瘍性及びガン性疾患においては、テロメラーゼの作用による短いが安定なテロメアを保持することで細胞が不死となる。下記の点からこの不死は好ましいものではない:第一に、腫瘍が非常に大きくなる可能性があることで、第二に前ガンあるいは真性ガン細胞にその拡散、他の組織への浸透及び最終的には転移する能力を増大させる突然変異が集積する時間を与える。
退化した細胞の際限の無い成長は約80%の腫瘍性疾患はテロメラーゼの調整障害によることがわかっている。従って、テロメラーゼ抑制物質を介して腫瘍性あるいはガン性疾患を治療することはこれらの疾患に対して期待される療法となるように思われる。
WO 00/74667 A2公報はガンの治療のためにテロメラーゼ抑制物質(例えば、AZT)をテロメラーゼを破壊する活性な薬物成分(例えば、パクリタキセル)と組合せて用いることを提案している。WO 99/65875 A1 公報及び US−A−5 863 936 号公報はガン性疾患の治療のためにテロメラーゼ抑制物質として特定のヘテロビシクリック系の使用を提案している。公開欧州特許明細書 EP 0 938 897 A1 に記載されているようなカテコール誘導体も同様にガン治療のためのテロメラーゼ抑制物質として用いることができると言われている。
分子あるいは細胞レベルの他の機能によって腫瘍あるいはガン細胞の拡散に介入する試みが為されている。このように、DNAのアルキル化により同時に腫瘍あるいはガン細胞のDNAに直接、損傷を引き起こすアルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、クロラムブシルなど)を用いて最新の技術により腫瘍性あるいはガン性疾患を治療している。同様に、トポイソメラーゼの抑制により、腫瘍あるいはガン細胞の複製に介入する物質(例えば、カンプトセティシン、9−アミノカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシンなど)(例えば、Clive Page等のIntegrated Pharmacology, Mosby, 1997 を参照)を腫瘍あるいはガン治療に用いている。
一方、アルキル化活性剤以外に幾つかのトポイソメラーゼ抑制物質が臨床的に用いられており、テロメラーゼの抑制に反応する腫瘍あるいはトポイソメラーゼ及びテロメラーゼの抑制の性質の組合わさった腫瘍の治療に臨床的に用いている活性な医薬成分は今のところ見当たらない。
従って、本発明の目的は腫瘍性及びガン性疾患の治療に適した活性な医薬成分及び薬剤を見出して提供することであるが、他の疾患(例えばウィルス性疾患)にも適している。
驚くべきことに、出願人は下記の一般式(I)で表されるビシクロ[3.3.1]ノナン−2,4,9−トリオン置換体及びその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物は特に腫瘍及びガン疾患の予防及び/あるいは治療処置に適していることを発見した。
Figure 2005515979
・一般式(I)において、R、R、R及びRは同一か異なったもので、下記に示すそれぞれの基のいずれか一つである。但し、ラジカルR、R、R、Rのいずれかがベンゾイル基である場合、他のラジカルはベンゾイル基ではない。
Figure 2005515979
・Rは水素原子である。
・R及びRはいずれもメチル基あるいは水素原子であり、R及びRはいずれもメチル基あるいは水素原子であるが、R及びRがメチル基の場合はR及びRは水素原子であり、R及びRがメチル基の場合はR及びRは水素原子である。
本発明は先ず、特にヒト及び動物、すなわちヒト及び獣医学分野の腫瘍及びガン疾患の予防及び/あるいは治療処置に適している上記一般式(I)で表される化合物及びその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物の利用に関するものである。
一般式(I)で表される化合物の生理学的に耐性あるいは受容可能な塩類は例えば鉱酸、カルボン酸あるいはスルホン酸との塩類でもよく、特に塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸あるいは安息香酸との塩類が好ましい例である。しかし、例えばアルカリ金属塩(例えば、ナトリウムあるいはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムあるいはマグネシウム塩)あるいはアンモニアあるいは例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジハイドロアビエチレンアミン、1−エフェナミンあるいはメチルピペリジンなどの塩類等々、通常の塩基との塩類も生理学的に耐性あるいは受容可能な塩類と言える。
本発明には一般式(I)で表される化合物の水和物も含む。本発明による一般式(I)で表される水和物は固体あるいは液状で水と共に分子化合物(水和物)を形成する。水和物において水分子は分子間力、特に水素結合により付着している。固体の水和物では水は化学量論的あるいは非化学量論的比率でいわゆる結晶水として含まれており、結合状態とは必ずしも同等でなくてもよい。例えば、三二水和物、一水和物、二水和物などは一般式(I)で表される化合物の塩類の水和物として適している。
本発明には一般式(I)で表される化合物の異性体も含まれる。本発明の目的に適う異性体は広汎な呼称で用いられている全ての可能な形態の異性体である。本発明による制限のない異性体の例としては特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体がある。
このように、一般式(I)で表される化合物は置換の型に応じて、例えば鏡像関係にある(鏡像異性体)あるいは非鏡像関係にある(ジアステレオマー)立体異性体の形態であってもよい。本発明は一般式(I)で表される化合物の全ての立体異性体、即ち、鏡像異性体、ジアステレオマー及びそれらの混合した異性体を含んでいる。鏡像異性体の形態はジアステレオマーと同様にそれ自体、立体異性的に単一成分に分離できる。
一般式(I)で表される化合物は互変異性体の形態でもよい。このことは、当業に通じた者には知られており、本発明の範囲に含まれている。例えば、下記のケト−エノール互変異性体がこの互変異性体の例である。
Figure 2005515979
例えば、Rがベンゾイル基の場合には、更に別の型のケト−エノール互変異性体が可能となる。
一般式(I)で表される化合物は特に位置異性体(置換異性体)である構造異性体としても存在することが可能である。このことは、当業に通じた者には知られており、本発明の範囲に含まれている。
本発明は一般式(I)で表される化合物の誘導体(例えば(I′)及び(I″)で表されるアルキル化によって得られる互変異性体メチルエーテル類などのアルキルエーテル類)も含んでいる。
本発明のよる好適な誘導体は好ましくは(I′)及び(I″)で表される互変異性体のポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)などの特にポリアルキレングリコールエーテルなどのエチレングリコール化された誘導体である。更に、置換基RからRとの関係で化学的に変更することが可能である(例えば、側鎖の誘導化)。
本発明はまた一般式(I)で表される化合物であるプロドラッグ及び代謝産物を含んでいる。本発明のプロドラッグとしての一般式(I)で表される化合物の形態それ自身は生物学的に活性あるいは不活性であるが、適切な生物学的に活性な形態(例えば、新陳代謝、加溶媒分解あるいは他の方法により)変換できる。本発明による代謝産物としての一般式(I)で表される化合物は特に新陳代謝の結果によるかあるいは新陳代謝中の変換によるものである。
一般式(I)で表される化合物は天然の産物であり、カリブ海の蜂から抽出した蜂蝋からクロマトグラフで分離することにより得られる。蜂蝋は暗黄色から薄褐色で、指の間で軟化する樹脂状の塊で芳香性のバルサンのような匂いであり、蜂は花の蕾から集めて巣の補強をするため、壁の被覆に用いている。蜂蝋は非常に複雑な化学構造を有し、その組成は地域の植物相に依存する。蜂蝋はその大部分を占める蝋及び樹脂、必須芳香油及び例えばフラボノイド、カフェー酸誘導体及びカリブの蜂蝋では一般式(I)で表される化合物をなど多数の化学物質を含む200以上の化学物質から構成されている。
一般式(I)で表される化合物は種々のClusia種、オトギリソウ科の一属(例えば、Clusia grandiflora、Clusia rosea あるいはClusia regnnerioides)の樹液あるいは樹脂(例えば、樹脂、ラテックス、葉、花など)から直接分離することもできる。
このように、A.J.Marsaioli 等(“The Ecosystem of Microorganisms,Bees,and Clusia Floral Resin and Oils,from the Chemistry point of View”,Pure Appl.Chem.,Vol.70,11,2116 ff.(1998))、C.M.A.de Oliveira 等(“Two polyisoprenylated benzophenones from the floral resins of three Clusia speicies”,Phytochemistry 50(1999),pages 1073−1079)及びA.L.M.Porto等(“Polyisopenylated benzophenones from Clusia floral reins”,Phytochemistry 55(2000),pages 755−768)はClusia種(オトギリソウ科の一属)の種々の植物の樹脂あるいは成分から上記の一般式(I)で表される種々のクルシアノン誘導体をベンゼン/酢酸エチルを溶離剤としシリカゲル/硝酸銀上で薄層クロマトグラフにより予備分離してからクロマトグラフィ法(ジエチルエーテル中でのジアゾメタンと樹脂の反応、次いでヘキサン/酢酸エチルあるいはヘキサン/ジエチルエーテルを溶離剤としてシリカゲルを充填したカラム(勾配カラム)によるカラムクロマトグラフ)による分離について記載している。
オトギリソウ科の一属、すなわちClusia congestiflora の樹脂からクルシアノン自身の分離及びその構造について、L.E.McCandish等の“The Structures of Two derivatives of Bicyclo[3.3.1]nonane−2,4,9−trione.A natural Product:Clusinone,C3342,and Trimethylated Catechinic Acid,C1820” in Acta Cryst.B32,pages 1793−1801、によって記載されている。
M.H.Santos等の“Efetio de constituintes quimicos extraidos do fruto de Rheedia gardneriana(bacupari)sobre bacterias patogenica”,in Brazilian Journal of Pharmaceutical Sciences(Revista Brasileira de Ciencias Farmaceuticas),Vol.35,No.2,July/December 1999,pages 297−301及び“Epiclusianon:A New Natural Product derivative of Bicyclo[3.3.1]nonane−2,4,9−trione”Acta Cryst.(1998),C54,pages 1990−1992)はオトギリソウ科の一属であるRheedia gardneriana(bacupari)の花からエピクルシアノンの分離について記載している。
F.delle Monache等の“Prenylated Benzophenones From Clusia Sandiensis”,Phytocmemistry,Vol.30,No.6,pages 2003−2005(1991)はクロマトグラフィ法(薄層クロマトグラフィ後にカラムクロマトグラフィ)によりClusia Sandiensisの樹脂から種々のクルシアノン誘導体の分離について記載している。
一般式(I)で表される化合物の調整及び分離に関して開示している上記の先行技術は全て参考文献に組み込む。
極めて驚くべきことに、生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を含む一般式(I)で表される化合物は、今まで予測できなかった薬学的に有益な効果の範囲を示しており、従って、特にあらゆるタイプの腫瘍及びガン疾患の予防及び/あるいは治療処置に適しており、あらゆるタイプのウィルス性疾患にも適している。
従って、生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を含む一般式(I)で表される化合物は、特に腫瘍及びガン疾患の予防及び/あるいは治療用(細胞増殖抑制剤)及びウィルス性疾患の予防及び/あるいは治療用(抗ウィルス組成あるいはウィルス増殖抑制剤)の薬物に用いられる。更に、本発明は上記のあるいは生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を含む一般式(I)で表される少なくとも一つの化合物を好ましくは治療に有効な量を含み、薬学的に許容される非毒性の担体あるいは賦形剤を伴う化合物は、特に細胞増殖抑制剤あるいは抗ウィルス組成(ウィルス増殖抑制剤)などの薬物に関するものである。
出願人は一般式(I)で表される化合物は、なかんずくトポイソメラーゼ抑制因子、特にトポイソメラーゼIの抑制因子として作用することを見出した。更に、これらの化合物はテロメラーゼ抑制効果も示した。最終的には、本発明による一般式(I)で表される化合物は腫瘍及びガン細胞内のDNAの破壊を誘発する。
本発明による一般式(I)で表される化合物のトポイソメラーゼ抑制効果及びテロメラーゼ抑制効果は、従来から知られている化合物よりも明らかに高い効果を示す。
例えば一般式(I)で表される化合物はin vitro試験では従来の治療薬(例えば、topotecan)よりも相当に強いトポイソメラーゼIの抑制効果が認められた。更に、一般式(I)で表される化合物はMAPキナーゼ信号伝達において調節因子として作用する。一般式(I)で表される化合物がトポイソメラーゼ及びテロメラーゼの抑制の性質が伴っていることにより、有益な性質があり、あらゆるタイプの腫瘍及びガン疾患(原発性腫瘍、転移、前ガンあるいはガンの初期段階、良性及び悪性腫瘍など)の予防及び治療(治癒)処置に用いられる関係において特に適切であることを示している。一方、従来の技術分野では一つの分子がトポイソメラーゼ及びテロメラーゼの抑制を伴っているような活性な成分及び製品は知られていない。
本発明による一般式(I)で表される活性な成分は抗腫瘍効果、更には抗転移効果を示す。
本発明による活性な成分は、効果が確認されている化学療法薬に対しても抵抗力のあるガンに対してさえも予期せぬ良好な細胞増殖抑制効果を示す。一般式(I)で表される活性な成分に何らの耐性も認められていない。更に、本発明による一般式(I)で表される活性な成分は既に認められている薬剤あるいは化学療法薬に対して何らの交差耐性も示さない利点がある。
一般式(I)で表される化合物を、下記の腫瘍及びガン疾患の非制限的例として述べる疾患の治療に対して用いることができる。:腸ガン(carcinomas of the colon)、乳ガン(carcinomas of the breast)、卵巣ガン、子宮ガン、肺ガン、胃ガン、肝臓ガン、膵臓ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、睾丸ガン、骨ガン、皮膚ガン、Kaposi肉腫、脳腫瘍、筋肉腫、神経芽腫(例えば、網膜芽腫)、リンパ腫、白血病。
本発明により、下記の(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)の化合物及びそれらの生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を含む化合物は好適に用いることができる。
Figure 2005515979
特に、本発明により生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を含む式(Ic)で表される化合物を特に好適に用いることができる。
Figure 2005515979
式(Ic)で表される化合物は、下記に示すように互い平衡を保って存在する多数のケト/エノール互変異性体の内の一つである。
Figure 2005515979
下記に示す配置の式(Ic)で表される化合物が特に好適である。
Figure 2005515979
時には、一般式(I)で表される化合物及び/あるいは生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を、少なくとも一つの化学療法薬、特にタンパクキナーゼ抑制剤、好ましくはMAPキナーゼ抑制剤と組合せて用いるかあるいは処置することが有利であることが判明した。特に、ガン及び腫瘍性疾患の療法において、一般式(I)で表される化合物及び/あるいは生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物と、タンパクキナーゼ抑制剤、好ましくはMAPキナーゼ抑制剤との組合せにより好結果が得られた。この組合せは驚くべきシナジー効果を有している。
本発明は薬学的組合せ、特に下記を含む細胞増殖抑制の組合せに関してもいる。
(A)上記の少なくとも一つの一般式(I)の化合物及び/あるいは生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物。
(B)更に、少なくとも一つの化学療法薬、特に、タンパクキナー抑制剤、好ましくはMAPキナーゼ抑制剤。
個々の組合せ要素(A)及び(B)は同時かあるいは順次用いるかあるいは処置する。薬学的組合せは要素(A)及び(B)を混合した機能剤としてかあるいは互いに別々でもよい。
その名が示すように、タンパクキナーゼ抑制剤はタンパクキナーザ、すなわちγ燐酸塩類をATPからチロシンあるいはセリン及びセレオニン側鎖へと転換する酵素の作用との関連において抑制効果を有する。特に腫瘍性及びガン性疾患に適した薬学的組合せは、例えば従来知られている全てのタンパクキナーゼ抑制剤(スタウロスポリン、2´−アミノ−3´−メトキシフラボン、1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノー1,4−[2−アミノフェニルチオ]ブタジエン、SmithKline BeechamのSB 203580などの低分子複素環抑制剤)などすべてのタイプのタンパクキナーゼ抑制剤である。この場合シナジー効果が認められるかもしれない。
本発明による薬学的組合せのためのMAPキナーゼ抑制剤及び本発明による腫瘍性及びガン性疾患の組合せ治療を用いることが好ましい。MAPキナーゼ抑制剤は、その名が示すように、MAPキナーゼ(MAP=マイトジェン活性化タンパク)すなわち特に細胞の有糸分裂中に活性でヌクレオチド三燐酸から適当な基質へと末端の燐酸塩残滓を転換する酵素の作用との関連において抑制効果を有している。このように、MAPキナーゼ抑制剤は有糸分裂を防ぎガン及び腫瘍細胞の分裂を防ぐ。特に腫瘍性及びガン性疾患に適した薬学的組合せは、例えば従来知られているすべてのMAPキナーゼ抑制剤などすべてのタイプのMAPキナーゼ抑制剤である。本発明に用いられるMAPキナーゼ抑制剤の例は下記の公開公報に述べられている。ここに全体の引用文献を示す。WO 99/32111 A,WO 99/64400 A,WO 98/52941 A,WO 98/52937 A,WO 97/44467 A,WO 98/27098 A,WO 98/52558 A,WO 98/52940 A,WO 99/32110 A,WO 99/32463 A,WO 99/58502 A,WO 99/58523 A,WO 99/00357 A.
出願人は一般式(I)で表される化合物がMAPキナーゼ信号伝達において調整機能すなわちMAPキナーゼ信号伝達において調整因子として作用することを見出した。
一般式(I)で表される化合物はウィルス性疾患の治療にも適しており、抗ウィルス組成(virustatics)(例えば、ヘルペス性疾患あるいはHIV)の薬学的に活性な成分としても適している。上述のように、本発明は一般式(I)で表される化合物及びあらゆるタイプのウィルス性疾患の予防及び/あるいは治療(治癒)処置のための生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物の使用に関するものである。
更に、本発明は、特に化学療法剤(例えば、MAPキナーゼ抑制剤などのタンパクキナーゼ抑制剤)などの適切な活性な成分と組合せた治療に効果的な投与において、生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を含む一般式(I)の化合物を用いて、ヒトあるいは動物の疾患、特にあらゆるタイプの腫瘍性及びガン性疾患あるいはウィルス性疾患の予防及び/あるいは処置の方法に関するものである。
本発明による活性な成分あるいは活性な成分の組合せは、治療する疾患の性質に依存するが、系統的かあるいは一時的、特に局所的に処置してもよい。
本発明で用いる活性な成分あるいは活性な成分の組合せを処置するのに適しているのは全て従来の治療の形態である。可能な処置例は口、舌、舌下、口内、直腸あるいは腸管外(すなわち腸管を避け、いわゆる静脈、心臓内、内皮、皮下、経皮、腹膜内あるいは筋肉内)で、特に口及び静脈は処置に適し、経口処置が好まれている。一時的使用も(例えば、黒色腫の治療に)可能である。
本発明に基づいて活性な成分あるいは活性な成分の組合せは、特に不活性、必ず非毒性で薬学的に適した担体あるいは溶剤を用いて、被覆しない錠剤、被覆錠剤、丸薬、顆粒、エアロゾル、シロップ、乳状液、懸濁液、溶液、軟膏、クリーム及びゲルなどを従来の処方にして用いる。更に、リポソーム包装すなわちリポソーム、あるいは(例えば、ポリエチレングリコールでエステル化などのように)改質したものに、活性な成分あるいは活性な成分の組合せをそのまま埋め込むか包み込んで用いてもよい。この点において本発明による活性な成分あるいは活性な成分の組合せはいずれの場合にも治療的に有効な濃度で、特に0.0001から約99重量%の完全な混合物、好ましくは0.01から約95重量%の完全な混合物、すなわち指示あるいは所望の投与範囲となる十分な量とすることができる。それにもかかわらず、特に体重あるいは治療の経路、薬剤への個体の反応、処方のタイプ及び治療に要する時間あるいは間隔に応じて上記の量を適切に変えることが必要である。従って、時には上記の最小量よりも少なくて十分なこともあり、一方では最大量を越えなければならないこともある。多量に用いる場合には、所定の期間、例えば一日の投与を複数に分割して行うことが好ましい。
処方は例えば、乳化剤あるいは分散剤で調整した溶媒(例えば、ひまし油などの油)及び/あるいは担体により活性な成分あるいは活性な成分の組合せを混合して生成する。ここで適当な有機溶媒を補助溶媒として水を希釈剤として使用することが可能である。
好結果が得られるように、治療方法に応じて、0.0001から約500mg/kg体重、特に0.0001から約100mg/kg体重、好ましくは0.01から50mg/kg体重の量の本発明による活性な成分あるいは活性な成分の組合せを用いると治療に有益であることを立証した。それにもかかわらず、特に体重あるいは治療の経路、薬剤への個体の反応、処方のタイプ及び治療に要する時間あるいは間隔に応じて上記の量を適切に変えることが必要である。従って、時には上記の最小量よりも少なくて十分なこともあり、一方では最大量を越えなければならないこともある。多量に用いる場合には、所定の期間、例えば一日の投与を複数に分割して行うことが好ましく、特に例えば、複数の単独投与あるいは連続投与(例えば、連続点滴)することが好ましい。慢性的治療(例えば、錠剤の形状)に使用することも可能である。
本発明の記載を読むことによって、その範囲を逸脱することなく、本発明の更なる精緻化、改良及び変更は当業者によって識別し実行することが可能である。
本発明を下記の実施例に基づき説明するが、その実施例が本発明を限定するものではない。
カリブ蜂の蜂蝋から抽出した式(Ic′)で表される化合物、1−ベンゾイル−8,8−ジメチル−2−ヒドロキシー3,5,7−トリス−(3−メチル−2−ブテニル)ビシクロ[3.3.1]ノン−2−エン−4,9−ジオン(以下(Ic′)と略す)の分離及び薬物学的活性について説明する。
Figure 2005515979
(Ic′)の化合物は式(Ic)及び(Ic″)で示される化合物と互変異性平衡関係にある。
Figure 2005515979
しかし、説明を簡単にするため(Ic′)の化合物についてのみ述べる。
蜂蝋溶液の調整
カリブ蜂から集めた蜂蝋をエタノール中に溶解し、濾過して不溶の蝋を取り除く。規定の容量を乾燥し得られた粉末をエタノールに規定の濃度となるように再懸濁させる。溶液を室温で暗所に保存する。
蜂蝋溶液の高速液体クロマトグラフィによる予備的分別
Waters社(Eschborn)の逆相高速液体クロマトグラフィシステム(Waters the Separator Module Alliance 2690,Waters PDA 996 Detektor,Waters Millennium Chromatography Manager)により分離を行う。Macherey−Nagel社の分離カラム(Nucleosil 100−7 C18, 250 × 21mm)において傾斜系を用いて40℃において分別する(表1)。水相は0.01Mの蟻酸アンモニウム溶液(pH=7.00)から構成されている。
Figure 2005515979
このようにして得た各々のフラクション8ml(2min)を乾燥しメタノールに再懸濁し、室温で暗所に保存する。
各々のフラクションを同容積の媒体で希釈し下記のSRB検定において細胞障害を試験する。特に、ヒトを起源とする腸ガン細胞系(HCT8 WT)を標的細胞として用いた。
細胞障害フラクションの精製
SRB検定において細胞障害活性を示したフラクションを更に精製する。このために、精製すべき部分の極性に傾斜溶離系を適用する。新たに分別してSRB検定における予備逆相高速液体クロマトグラフィにより得られたフラクションを試験後、均質な物質(Ic′)を分離することができる。物質(Ic′)の精製は紫外線分光分析データ(図1b)により検証される。分析分離用カラムとして調整したC18相を充填したWater Symmetryカラム(250mm×4.6mm)を使用した。その結果を図1aに示す。
図1aは254nm、流量=1ml/min、40℃ 傾斜系における逆相高速クロマトグラフィによる物質(Ic′)の典型的な分析結果を示している。上部の線はエタノールの濃度(%)、中間の線が水相の濃度(%、蟻酸アンモニウム0.01M)に相当する。アセトニトリルの濃度は一定で5%とした(下部の線)。
図1bは図1aに示す分析のPDAデータを示す。物質(Ic′)は均質な分離成分として得られた。この溶離条件下では紫外線スペクトルは2つのピーク(254及び308nm)を示している。
構造解析(structure elucidation)
更に(例えば、ジアゾメタンによる)誘導体化せずに、式(Ic′)で示される化合物の初期の分離及び特性の解明を行った。前述のように逆相高速液体クロマトグラフィにより(カリブで採集した)蜂蝋のエタノール抽出分は、前述のように逆相高速液体クロマトグラフィにより純化してNMR分光分析試験ようとして非誘導体の式(Ic′)で示される化合物、特に十分に高純度(>98%;LC−MS;紫外線分光分析試験はLC−PDAによる;MS)で提供することが可能となった。
更に構造を確認するため、式(Ic′)で示される化合物をジアゾメタンによりメチルエーテルへと転化した。O−メチル化した化合物を40/60の比率に(逆相高速液体クロマトグラフィにより)分離した。
NMR試験結果(H−NMR, 13C−NMR,DEPT135,DEPT90,HMQC,HMBC, H,HCOSY90(gs),1D−NOE 差スペクトル)を下記の表1a、1b及び1cに示す。
・DEPTとは分極転移による無歪みの増進を意味する。
・COSYとは相関分光を意味する。これによりHはH−COSYを意味し、発明者の名前に因んでJeener試験とも言われNMRの歴史において最初の2Dパルス系列を表している。
HMQCは異核多重量子コヒーレンスを意味する。
HMBCは異核多重結合コヒーレンスを意味する。
NOEは核オーバーハウザー効果を意味する。
図1c、1d及び1eは(Ic′)の化合物のH−NMRスペクトルを示す(測定周波数:500MHz、溶媒:CDOD)。
図1fは(Ic′)の化合物の13C−NMRスペクトルを示す(測定周波数:125MHz、溶媒:CDOD)。
図1gは(Ic′)の化合物の13C−DEPTスペクトルを示し(測定周波数:125MHz、溶媒:CDOD)、CHs及びCHsは上方を向き、一方CHsは下方を向いている。
図1h、1i、1j及び1kは(Ic′)の化合物のH,H−COSYスペクトルを示す(測定周波数:500MHz、溶媒:CDOD)。
図1l〜図1rは(Ic′)の化合物のHMBCスペクトルを示す(測定周波数:125MHz、溶媒:CDOD)。
Figure 2005515979
Figure 2005515979
従って、式(Ic′)、(Ic″)あるいは(Ic)で示される化合物は、信号の化学シフト及び炭素原子2及び4の13C信号の幅により示されるように、ケト/エノール平衡の中で存在することを確認した。
Figure 2005515979
Figure 2005515979
Figure 2005515979
Figure 2005515979
Figure 2005515979
絶対構造
上記の詳細なNMRデータにより式(Ic)、(Ic′)あるいは(Ic″)で表される化合物の絶対的配置を決めることが可能である。
Figure 2005515979
細胞培養
ヒト起点の疑いの余地の無い6つの腫瘍細胞系(原細胞系及びそれより転換した耐性サブクローン)及び2つの腫瘍の無い細胞系を試験に用いた(表2)。
Figure 2005515979
SRB検定
いわゆるスルホロダミンB(SRB)検定において(Ic′)の物質に対する細胞系の感度を測定する。この方法はNCI(National Cancer Institute,USA)でも確立されている耐久性のある再現性の高い標準的な方法である(Skehan等、1990)。
検定結果を表3に示す。(表には)50%の細胞の成長を阻害する(Ic′)の物質の濃度(IC50、投与量対効果の片対数曲線により決定される)が示されている。表3の結果は平均値であり、少なくとも3つの独立した実験からその標準偏差を算出した。ここに示した細胞増殖抑制に対する交差耐性は認められなかった。(Ic′)の物質の腫瘍の無い細胞系(3T3及びMCR−5系の線維芽細胞)に対する細胞毒性は極めて低いことが立証された。
Figure 2005515979
トポイソメラーゼI抑制の試験
いわゆるTOPO I 巻き戻し検定を行って(Ic′)の物質のトポイソメラーゼIへの効果を試験した。検定はトポイソメラーゼIによりねじられたpBR322プラスミドDNA二量体のATPに独立な巻き戻しに基づいている。この試験ではプラスミドDNAの二つの異なった形態、すなわち、ねじれた形態及び巻き戻しの弛緩した形態をアガロースゲルにより分離した。この目的の酵素イソメラーゼIは腫瘍細胞系の細胞核抽出物から得られる。
細胞核抽出物の獲得
Danks等の方法を改造したSullivanの方法により細胞核抽出物を獲得した。
(Ic′)の物質によるトポイソメラーゼI活性の抑制
図3の(1欄: Kontrolle欄)に示すように、大きくねじられたpBR3222プラスミドDNA二量体(negativ Kontrolle)を弛緩した形態(positiv Kontrolle)へと変換するためにトポイソメラーゼIを含んでいる160ngの細胞核抽出物が必要となる。濃度100μg/mlの(Ic′)の物質はトポイソメラーゼIの活性を100%抑制する。この濃度は相当する50%の細胞系の腫瘍の成長を抑制する(IC50、表3)のに必要な濃度の20倍に相当する。例えばインビトロでのトポテカンの抑制活性のデータと比較すると、臨床的に確かめられているこの物質に必要とされるIC50の1000倍となる。図3には(Ic′)の物質によるトポイソメラーゼI活性の抑制を示している。
細胞周期分析
今までに記載されている(Ic′)の物質の細胞成長へ効果も細胞周期を変化させることにより立証することができる。この分析にはTsugita M.等の採用した流動細胞光度測定試験が用いられた。
確定したIC50濃度の(Ic′)の物資により、指数関数的に成長するHCT8 WT腸ガン細胞を24時間処理し、次いでBrDUで培養する。DNA鎖を変性するためメタノールで固定した細胞を洗剤(Triton X−100/HCl)で処理する。蛍光標識抗体(anti−BrDU mAb, FITCで標識)で培養した後、第二の蛍光染料(PI, propidium iodide)を添加する。
DNAの内容物(propidium iodide 蛍光)及び捕獲されたBrDU(FITC蛍光)をCoulterの流動細胞光度測定器(Coulter EPICS XL)を用いて測定した。図4a及び4bに典型的な結果を示す。
図4a及び4bには(Ic´)の物質で未処理(対照データ、図4a)及び処理(IC50、24時間、図4b)した場合のHCT8 WT細胞のDNAへのBrDU及びPIの取込みを示している。図にはサンプル数3の独立した実験の代表的な結果を示している。
(Ic′)の物質による処理が合成相の抑制していることは明白である。このことはDNA内容物に関する図(図4a及び4bのBrDU取込み)から明らかである。
DNA分解の分析
ヒトの気管支ガン細胞(H460 WT)及び結腸直腸ガン細胞(HT29 WT)の例に基づいて(Ic′)の物質によるDNAの分解を立証する試験を行った。このため、細胞を(Ic′)の物質により処理し、所定の(複数の)時間経過後にDNAを分離し、ゲル電気泳動により分析した。
DNA二本鎖切断の測定は14Cを標識としたDNAにより行った。このため、14Cを含んだd−チミジンを標識として付した細胞を(Ic′)の物質の濃度を変えて処理した。Chia Chiao等の方法を用いてDNAを分離した。
GeneQuantの分光光度計を用いて分離したDNAの量及び純度を測定後、アガロースゲルを用いてDNAを分別する。次いで、ゲル電気泳動により分別したDNAを臭化エチジウムで染色する。
電場で移動しなかった手付かずのDNAを透過照明装置(302nm)上でゲルに移動した分断されたDNAから抽出により分離する。分離したゲル及びDNA切断片は塩酸の存在下で80℃において液化する。シンチレーターを添加した後、液体シンチレーション計(TPI−CARB 2100RT)を用いて放射性を測定することができる。測定した放射性は1分当りの崩壊数(cpm)として示される。
気管支ガン細胞(H480 WT)を(Ic′)の物質により6時間培養した後の二本鎖切断の誘導を図5に示す。図5は(Ic′)の物質で6時間処理により誘導された[14C]d−チミジン標識を付したH460 WT細胞中に検出されたDNA二本鎖切断を示す。図にはサンプル数3の独立した実験の平均値及び標準偏差を示している。
測定されたIC50の10倍の濃度まで6時間に渉って、腫瘍細胞を処理すると、腫瘍細胞によって、明らかに十分には修復できない二本鎖切断がIC50濃度でさえも相当量誘導され、このようにして細胞死を誘導する。
図6も腫瘍細胞のDNAにおける二本鎖切断の誘導例を示し、この場合は結腸直腸ガン腫瘍(HT29 WT)である。気管支ガン細胞系に関しては明らかに、腫瘍細胞の修復機構では修正できない程の二本鎖切断が誘導され、結果としてアポトーシス、すなわち腫瘍細胞のプログラムされた細胞死を誘導する寄与因子を意味している。
ヒトのテロメラーゼへの(Ic′)の物質の抑制活量の測定
N.W.Kim等の方法に基づいていわゆるテロメア反復増幅検定(TRAP)ELSIAにより(Ic′)の物質のヒトテロメラーゼへの効果を測定した。
これはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用に基づいた方法である。この方法は最初の段階において、ビオチンを標識として付したオリゴヌクレオチドの3′末端にテロメラーゼ活性により付いている幾つかの(CGTTAG)モチーフを伴う(TS=テロメラーゼ基質)。第二の段階においてTS及びRP(=reverse primers)を用いたPCRの技法によってこのように伸張した生成物を増幅する。このようにして、6つの塩基(初期サイズ=50ヌクレオチド)の増殖における梯子状の生成物が発生する。増幅中DNPの標識を付したdCTPはPCR生成物に組込まれる。サンドイッチELISA法を用いて、合成したテロメラーゼ生成物の検出及び定量は幾つかのテロメラーゼ酵素活性である。
テロメラーゼ生成物はビオチンを標識として付したTS プライマーを有し、予めストレプトアヴィジンを塗布した微小滴定板(microtiter plate)の表面に結合する。PODに結合している抗DIG抗体は増幅中に組込まれたDNP標識ヌクレオチドに結合する。基質TMB添加後、酵素PODの呈色反応に基づいた蛍光分光により視覚化される。この場合、測定した吸光度はそのままテロメラーゼ活性に比例する。
ヒトのテロメラーゼ活性に及ぼす(Ic′)の物質の効果
(Ic′)の物質のテロメラーゼへの効果を確実にするため、(Ic′)の物質のDNAポリメラーゼへの効果を除外する必要がある。内部対照としてのTSR8を用いた予備実験では、濃度を変えても(Ic′)の物質の効果は除外された。
TSR8テンプレートの増幅はDNAポリメラーゼのみに依存する。この酵素のあらゆる抑制剤は基質を用いることにより検出することができる。
図7にはTSR8テンプレートによる予備実験の結果を示す。実験は3回繰り返した。図7により(Ic′)の物質の最大濃度50μg/mlであってもTaqポリメラーゼを著しく抑制しないことが証明された。
(Ic′)の物質のテロメラーゼ抑制を測定する実験結果を図8に示す。図に示した濃度範囲は10から50μg/mlである。50μg/mlの濃度においてヒトのテロメラーゼの完全な抑制が認められた。図8はTRAP検定の結果であり、腸ガン細胞(HCT8 WT)から得たヒトのテロメラーゼへの(Ic′)の物質の抑制への投与依存性が示されている。図の結果には3回の実験の平均値及び標準偏差を示している。
ERK1/2(MAPキナーゼ経路)の燐酸化
ある種の情報伝達経路の燐酸化は細胞成長及び遺伝子発現の調節には必要不可欠の役割を果たしている。タンパク質ERK1/2(MAPキナーゼ)はMAPキナーゼ情報伝達経路に属している。
ヒトの腸ガン細胞(HCT8 WT)を(Ic′)の物質で治療することは、このタンパク質の燐酸化を導き、ウェスタンブロット分析により検出される(図9)。図9はタンパク質ERK1/2のウェスタンブロット分析結果であり、下部に負荷対照群の結果も示している。
(Ic′)の物質による細胞の治療はタンパク質ERK1/2の投与に依存する燐酸化へと導く。IC50に相当する投与量であっても(Ic′)の物質による燐酸化が明らかとなった。現在までのところ文献では活性化と解釈しているこの過程の結果として、腫瘍細胞は細胞周期分析で立証される(上記参照)細胞周期の停止に至る。
ERK1/2抑制剤を加え拮抗させることにより、(Ic′)の物質によるERK1/2活性化の程度を確認するため、(Ic′)の物質及び特定のERK1/2抑制剤(MAPキナーゼ抑制剤)を用いて共培養実験を行った。この場合、腫瘍細胞、すなわち腸ガン細胞(HCT8 WT)は二つの活性な成分のそれぞれ投与量を変えて24時間共培養した(図10)。図10は(Ic′)の物質及び特定ERK1/2抑制剤(MAPキナーゼ抑制剤)の細胞障害に関する共培養実験の結果を示す。HCT8 WT細胞が共培養された。図中の点は二つの活性な成分の(各IC50%濃度の)比率を示す。
しかし、このように行った実験は、どの投与比率においても測定した細胞障害の廃止へとは導いていない。逆に、二つの活性成分の共培養への共働作用は明白である。
全ての投与の組合せは二等分線角の下で、疑いの余地の無い共働作用の範囲にある。(Ic′)のIC50濃度30%の物質と特定ERK1/2抑制剤のIC50濃度30%の活性成分を組合せが、腸ガン(HCT8 WT)から分離した腫瘍細胞の成長の抑制へと導く。
(Ic′)の物質のクロマトグラムを示す図 (Ic′)の物質の紫外線分光分析結果を示す図 (Ic′)の物質のH−NMRスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のH−NMRスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のH−NMRスペクトルを示す図 (Ic′)の物質の13C−NMRスペクトルを示す図 (Ic′)の物質の13C−DEPTスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のH,H−COSYスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のH,H−COSYスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のH,H−COSYスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のH,H−COSYスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のHMBCスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のHMBCスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のHMBCスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のHMBCスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のHMBCスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のHMBCスペクトルを示す図 (Ic′)の物質のHMBCスペクトルを示す図 (Ic′)の物質によるトポイソメラーゼ活性の抑制を示す図 HCT8 WT細胞DNAのBrDU及びPIの取込みを示す図((Ic′)未処理) HCT8 WT細胞DNAのBrDU及びPIの取込みを示す図((Ic′)の物質で処理) (Ic′)による二本鎖切断の誘導を示す図 (Ic′)による二本鎖切断の誘導を示す図 TSR8テンプレートによる予備実験の結果を示す図 TRAP検定の結果を示す図 タンパク質ERK1/2のウェスタンブロット分析結果を示す図 (Ic′)の物質及び特定ERK1/2抑制剤の細胞障害に関する培養実験の結果を示す図

Claims (29)

  1. 下記の一般式(I)で表されるビシクロ[3.3.1]ノナン−2,4,9−トリオン置換体であって、
    Figure 2005515979
    ・一般式(I)において、R、R、R及びRは同一か異なったもので、下記に示すそれぞれの基のいずれか一つであり、但し、ラジカルR、R、R、Rのいずれかがベンゾイル基である場合、他のラジカルはベンゾイル基ではなく、
    Figure 2005515979
    ・Rは水素原子であり、
    ・R及びRはいずれもメチル基あるいは水素原子であり、R及びRはいずれもメチル基あるいは水素原子であるが、R及びRがメチル基の場合はR及びRは水素原子であり、R及びRがメチル基の場合はR及びRは水素原子であり、
    前記置換体及びその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を、腫瘍性及び/あるいはガン性疾患の予防及び/あるいは治療処置の薬物の生成に用いることを特徴とする薬物成分の利用方法。
  2. 前記一般式(I)で表される化合物は、下記の(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)の化合物
    Figure 2005515979
    の中から選択して用いることを特徴とする請求項1記載の薬物成分の利用方法。
  3. 前記一般式(I)で表される化合物は式(Ic)
    Figure 2005515979
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の薬物成分の利用方法。
  4. 前記一般式(I)で表される化合物は下記の配置
    Figure 2005515979
    を有することを特徴とする請求項3記載の薬物成分の利用方法。
  5. 特に原発性腫瘍及び転移並びに/あるいは前ガン(ガンの初期段階)など、腫瘍性及び/あるいはガン性疾患の腫瘍性及び/あるいはガン性疾患の予防及び/あるいは治療処置に用いることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の薬物成分の利用方法。
  6. 良性及び悪性腫瘍の予防及び/あるいは治療処置に用いることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の薬物成分の利用方法。
  7. 腸ガン(carcinomas of the colon)、乳ガン(carcinomas of the breast)、卵巣ガン、子宮ガン、肺ガン、胃ガン、肝臓ガン、膵臓ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、睾丸ガン、骨ガン、皮膚ガン、Kaposi肉腫、脳腫瘍、筋肉腫、神経芽腫、リンパ腫、白血病の予防及び/あるいは治療処置に用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の薬物成分の利用方法。
  8. 前記一般式(I)で表される化合物を体系的及び/あるいは局所的に投与することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の薬物成分の利用方法。
  9. 前記一般式(I)で表される化合物は腫瘍細胞及び/あるいはガン細胞の成長及び/あるいは分裂の抑制及び/あるいは停止させることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の薬物成分の利用方法。
  10. 前記一般式(I)で表される化合物は腫瘍細胞及び/あるいはガン細胞のDNAの破壊を誘発させることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載の薬物成分の利用方法。
  11. 前記一般式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物をトポイソメラーゼ抑制剤及びテロメラーゼ抑制剤として用いることを特徴とする薬物成分の利用方法。
  12. 前記一般式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物は少なくとも一つの化学療法用薬剤特にタンパクキナーゼ抑制剤と組合せて用いることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項記載の薬物成分の利用方法。
  13. 前記一般式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を用いる一方で、少なくとも一つの化学療法用薬剤を同時か、あるいは順次用いるか、あるいは投与することを特徴とする請求項12記載の薬物成分の利用方法。
  14. 前記一般式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物の少なくとも一つの化合物を含み、特に細胞増殖抑制あるいは抗ウィルス組成を薬学的に受容可能で本質的に非毒性の担体あるいは賦形剤と共に構成することを特徴とする薬物学的組成あるいは薬物。
  15. 前記一般式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物の少なくとも一つの化合物を薬学的に効果的な量を含んで構成することを特徴とする請求項14記載の薬物学的組成あるいは薬物。
  16. 前記化合物を体系的及び/あるいは局所的に用いることを特徴とする請求項14あるいは請求項15記載の薬物学的組成あるいは薬物。
  17. 特に下記の構成要素を含む細胞増殖抑制の組合せであって、
    (A)少なくとも一つの上記一般式(I)の化合物及び/あるいは生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物
    (B)少なくとも一つの化学療法薬、特に、タンパクキナーゼ抑制剤、好ましくはMAPキナーゼ抑制剤
    を含んで構成する薬物学的組合せ。
  18. 前記構成要素(A)及び(B)は機能単位、特に各構成要素が互いに分離している混合物、混合あるいは混合(a mixture, a mix or a blend)であることを特徴とする請求項17記載の薬物学的組合せ。
  19. 前記構成要素(A)及び(B)を同時にあるいは順次、用いるかあるいは投与することを特徴とする請求項17あるいは請求項18記載の薬物学的組合せ。
  20. 前記構成要素(A)及び(B)は薬学的に効果的な量を含んで構成することを特徴とする請求項17ないし請求項19のいずれか1項記載の薬物学的組合せ。
  21. 前記構成要素(A)及び(B)を体系的及び/あるいは局所的に用いることを特徴とする請求項17ないし請求項20のいずれか1項記載の薬物学的組合せ。
  22. 前記式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を、疾患の予防及び/あるいは治療処置に用いることを特徴とする化合物。
  23. 前記式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を活性な薬学的成分及び/あるいは薬剤の活性な薬学的成分として用いることを特徴とする化合物。
  24. 前記式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を、特に原発性腫瘍及び転移並びに/あるいは前ガン(ガンの初期段階)、特に腸ガン(carcinomas of the colon)、乳ガン(carcinomas of the breast)、卵巣ガン、子宮ガン、肺ガン、胃ガン、肝臓ガン、膵臓ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、睾丸ガン、骨ガン、皮膚ガン、Kaposi肉腫、脳腫瘍、筋肉腫、神経芽腫、リンパ腫、白血病などガン性疾患の予防及び/あるいは治療処置に用いることを特徴とする化合物。
  25. 前記式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物をトポイソメラーゼ及び/あるいはテロメラーゼの抑制に用いることを特徴とする請求項22ないし請求項24のいずれか1項記載の化合物。
  26. 前記式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物をウィルス性疾患の予防及び/あるいは治療処置に用いることを特徴とする請求項22あるいは請求項23に記載の化合物。
  27. 前記式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物を体系的及び/あるいは局所的に用いることを特徴とする請求項22ないし請求項26のいずれか1項記載の化合物。
  28. 前記式(I)で表される化合物及び/あるいはその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物をMAPキナーゼ信号伝達において調整因子として用いることを特徴とする化合物。
  29. 前記式(I)で表される化合物及びその生理学的に耐性な塩類、水和物、異性体、特に立体異性体、互変異性体及び構造異性体、誘導体、プロドラッグ及び代謝産物をウィルス性疾患の予防及び/あるいは治療処置に用いる薬剤を生成するのに用いることを特徴とする薬物成分の利用方法。
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