JP2005515974A - 卵胞形成のためのゴナドドロピン - Google Patents

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Abstract

本発明は、高い程度のシアル酸付加を有し、有効性の増加した、FSH調製物を提供する。

Description

本発明は、ゴナトトロピン、及び特別には生殖補助医療(ART)、排卵誘発(OI)、子宮内膜受精(IUI)及び男性不妊患者におけるそれらの使用に関する。
ゴナドドロピンは、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)及び絨毛性ゴナドトロピン(CG)を含む、ヘテロ2量体糖タンパク質の群である。これらのホルモンは、男性及び女性における生殖腺機能を制御する。
これらの各ホルモンは、非共有結合により連結された以下の2のサブユニット:FSH、LH及びhCGに共通するα−サブユニット及びそれぞれにおいて独自であり、各ホルモンに生物学的特異性を与えるβ−サブユニット、から構成される。
上記すべてのゴナドトロピンにおいて、各サブユニットはアスパラギン結合型(N結合型)オリゴサッカライド側鎖を有する。ヒトホルモンに共通するα−サブユニットにおいては、これらは52位及び78位において結合される。ヒトのFSH及びCGの両方において、FSHでは7位及び24位で、hCGでは13位及び30位で、2のN結合型オリゴサッカライド側鎖がβサブユニットに結合される。ヒトLHでは1のオリゴサッカライドがβ−サブユニットの30位で結合される。hCGは、カルボキシル末端部分(CTP)に存在する、さらなる4のセリン結合型(O結合型)オリゴサッカライド側鎖を有する。
すべての糖タンパク質と同様に、ゴナドドロピン中に生じるオリゴサッカライド構造の変化は、脳下垂体及び循環中に見出されるイソフォームの配列を生じる。さらには、シアル酸による末端の糖の“キャッピング”の程度には差がある。イソフォームは、シアル酸付加されたN結合型オリゴサッカライドの数及び分布によってほぼ決定される、それらの電荷に基づいて分離されることができる。高度にシアル酸付加された形態は平均よりもより酸性のpIを有し、“酸性”と称される。より低度にシアル酸付加された形態は比較的高いpIを有し、“塩基性”と称される。
それらの構造上の相違の結果として、ゴナドトロピンイソフォームは標的細胞の受容体への結合能が相違する。シアル酸付加の程度はそれらの循環中における残存能に影響を与える。FSHの場合、高度に酸性/シアル酸付加されたイソフォームが、マウス及びラットのような動物モデルにおいて顕著に長い血漿中半減期を有することをいくつかのグループが示した1
ヒトにおける内因性FSHのイソフォームプロフィールが変化することが示された。長いインビボ半減期及び比較的低いインビトロの生物学的力価を有する酸性イソフォームが、思春期前の子ども、性機能低下症の患者及び卵胞期の女性の血清中において優勢である。対照的に、短いインビボ半減期及び比較的高いインビトロの生理活性を有する、より低度にシアル化されたより塩基性のイソフォームが、思春期、GnRH療法及び女性におけるゴナドトロピンサージのサイクルの中間付近で見出される2
シアル酸含量のより多いFSHイソフォームはより長時間循環する。なぜなら、末端のシアル酸残基がガラクトース残基を“キャップ”し、したがって肝臓のアシアロ−グリコプロテイン受容体との相互作用及び循環からの除去を妨げるためである3
タンパク質に結合したオリゴサッカライド(グリカン)部分は分岐しており、末端の各糖残基はアンテナと称される。Z−数のパラメーターは、シアル酸のような荷電した残基を有する糖タンパク質中の炭化水素部分のアンテナがいかなる比率であるかの値を提供する。脱シアル酸化されたFSHは0のZ−数を有する。完全にシアル酸付加されたFSHは約230〜280の間のZ−数を有する。
FSH調製物の力価をSteelman-Pohleyアッセイにおいてインビトロで推定する。このアッセイは、特定の条件下で、未成熟のラットの卵巣重量を増加させる調製物の能力を国際標準/対照調製物と比較し、国際単位(IU)に較正するものである4
多くのグループが、FSHの生物学的プロフィールへの影響における糖付加及びシアル酸付加の役割を研究した。
D'Antonioらはクロマトフォーカシングによって得られた雌性ラットの酸性(pI<4.8)及び塩基性(pI>4.8)rhFSHイソフォームの代謝によるクリアランス(MCR)を評価した。予想どおり、塩基性イソフォームは酸性イソフォームに比べて速いクリアランスを有することがわかった(t1/2は塩基性の場合0.4時間、酸性の場合0.9時間)。酸性イソフォームと塩基性イソフォームをSteelman-Pohleyアッセイにおいて(重量に基づいて)比較した場合、塩基性イソフォームは酸性イソフォームに比べてかなり活性の低いことが見出された(ED50は、塩基性で0.9μg/ラット、酸性で0.3μg/ラット)。イソフォームがIUに基づいて比較された場合、上記の2者の間に差はなかった5
Vittらは、異なるpIを有する4の組換えヒトFSH調製物について、単離されたマウス卵胞のサイズ及びその中におけるエストラジオール(E2)産生を増加させるそれらの能力を比較した、インビトロの研究を行った。塩基性FSH(pIが5.0〜5.6)がより速く卵胞を成長させ、結果として最も大きな最大卵胞サイズに導き、その次は非分画性の組換えFSHであることが見出された。中間(pIが4.5〜5.0)及び酸性(pIが3.6〜4.6)のFSH調製物は成長速度及び最大卵胞サイズの両方において劣っていた。塩基性FSHは他のイソフォームより早期、及び低用量でE2分泌を誘導することが示された。酸性FSHとともに培養された卵胞は、濃度にかかわりなく、延長されたインキュベーションの後にのみ、測定可能な濃度のE2を分泌した6
Timossiらは、ヒト下垂体FSHを糖付加/酸性度の異なる7の別々の分画に分けるために、クロマトフォーカシングを用いた。分画は、アロマターゼ(エストラジオール産生に必要)及び組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)の発現をアップレギュレーションする能力について、ラット顆粒膜細胞においてインビトロで試験された。免疫活性に対する生理活性の比(B/I)が、イソフォームの溶出pH値の低下にしたがって減少することが見出された。筆者らは、塩基性イソフォームが酸性の変異体よりもアロマターゼ及びtPAmRNA並びにタンパク質の発現の誘導能が大きいことを示したと結論した7
Zambranoらは、クロマトフォーカシングを用いてヒト下垂体FSHをpIの異なる9の分画に分け、3のイムノアッセイ及び以下の2のインビトロアッセイ:ラット顆粒膜細胞によるエストラジオール産生およびFSH受容体を発現するヒト胎児細胞株によるcAMP産生、を用いて酸性及び塩基性イソフォームを試験した。すべてのバイオアッセイに関して、バイオアッセイにおける活性の免疫活性に対する比(B/I)は、イソフォームのpIの低下にともなって減少した8
さらなる研究において、Zambranoらはヒト下垂体FSHの酸性及び塩基性イソフォームの7の異なる分画の、異種性受容体システム(ラット顆粒膜細胞)及び同種性受容体システム(ヒトFSH受容体を発現する、組換えヒトHEK−293細胞)に対する結合親和性を比較した。異種性受容体はイソフォームのpIが増加するにしたがって結合親和性の増加を示したが,同種性受容体は示さなかった。HEK−293細胞におけるcAMP産生もまた、イソフォームのpIの増加にともなって増加した9
古典的な卵巣重量の増大試験によって評価した場合、より酸性の形態のFSHが最も高いインビボの生理活性(重量に基づいて)を示すことを研究が明らかにした10,11。Timossiらは、塩基性の形態がインビボでより活性があるが、半減期がより短いためにラット卵巣の重量増加における効果が見られないのかも知れないと仮定した。彼らは即応システム:tPA活性のアップレギュレーション、に対する2の調製物の効果を試験した12。筆者らは、rhFSHが酸性度の高いFSH調製物よりも、より酸性度の低い荷電分布プロフィールを有し、より高いインビトロの生理活性及び血漿クリアランス速度を示し、tPA酵素活性をより速く誘導する、と結論した。
ゴナドトロピンは生殖サイクルにおいて決定的な役割を果たし、それらの使用は、自然の又は子宮内受精(IUI)のいずかによるインビボの生殖を行っている無排卵患者における排卵誘発(OI)と同様に、インビトロの受精(IVF)、卵細胞質内精子注入法と共同するIVF、(IVF/ICSI)及び胚移植(ET)のような生殖補助医療(ART)に必須である。
ARTは典型的には雌性配偶子の数を増加させるために過排卵刺激(COH)を用いて行われる13。COHのための標準的な治療計画14は、内因性のゴナドトロピンがゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストの投与によって抑制される、ダウンレギュレーション相、それに続く卵胞の発生(卵胞形成)が通常約150〜225IU/日のFSHの毎日の投与によって誘導される刺激相を含む。或いは、刺激はGnRH−アンタゴニストの投与による折の悪いLHサージの発生を防ぐ一方、自然の又は誘導された月経後に始められる(典型的には、刺激相の第6日付近に開始する)。16mmを超える卵胞が少なくとも3つある場合(1つは18mm)、hCGの単回ボーラス(5〜10,000IU)が自然のLHサージを擬態し、排卵を誘発するために与えられる。卵母細胞の回収はhCG注入の36〜38時間後のタイミングで行われる。
OIは典型的には、約75〜150IU/日の用量で毎日FSHを投与することで行われる。ART適応症におけるよりもより頻度が少ないにもかかわらず、GnRHアゴニスト又はアンタゴニストによるダウンレギュレーションが用いられることができる。hCGは、通常の性交又はIUIのいずれかを介して達成される、インビボの生殖に先立つLHサージを擬態するために与えられる。
ART及びOIのための上記の典型的な治療計画は、平均10日で、ある患者には21日以内の長期にわたる毎日のゴナドトロピンの注射を必要とする。有効性の増加したFSH調製物の開発は、FSHの日用量の減少を許容し、及び/又は治療期間の短縮(すなわち、より少ない回数の注射)を可能とし、及び/又はより頻度の少ない注射を受けることを可能とするだろう。これはART及びOI治療計画をより便利にそして患者に都合のよいものとするだろう。
さらに、インビトロの生殖を使用するARTは故障の可能性をはらんでいる。例えば、すべての卵胞が生存可能な卵母細胞を産生するのではないであろうし、すべての生存可能な卵母細胞が首尾よく受精するのではないであろうし、そしていくつかの胚は生存可能でないかもしれない。さらに、生存可能な胚が選択された後は、子宮への移動及び着床が成功しないかも知れない。したがって、生産のチャンスを最大にするためには、複数の卵母細胞を集めることを確実にするために、いくつかの卵胞の成長及び成熟を刺激することが望ましい。
対照的に、OIの適用においては、3を超えない、そして好ましくは1の優位な卵胞を得ることが目的である(多胎妊娠を避けるために)。
ART及びOIを行っている患者の何人かは、慣用のFSH調製物で治療された場合、成長する卵胞の数の減少を示す。ARTを行っている場合、これは移動及び/又は凍結保存可能な胚の数を制限し、成功の限定要因である。それはまた、1以上の卵胞を得ることが重要である、IUIを行っている患者における成功の限定要因である。このタイプの応答を示す患者は、約33〜35歳を超える患者、ベースラインのFSHが高いか、ベースラインのエストラジオールが高いか又はベースラインのインヒビンbが低い患者を含む。
男性においては、精子形成はFSHによるセルトリ細胞の刺激に依存する。FSH欠乏は精子無力症、そして不妊を引き起こす。慣用のFSH調製物による男性不妊の治療は、週3回のFSH注射を最大18ヶ月まで必要とする。
卵胞形成を刺激するための能力の高められたFSH調製物の開発の必要性は存続するものである。そしてまた、FSHに対する応答の減少した患者を治療するための新しいFSH調製物に対する必要性も存在する。また、望ましいのは、ART、OI及び男性不妊のための、より短期の治療プロトコール及び/又は総投与量の減少及び/又はより頻度の低い投与を可能とする、有効性の高められたFSH調製物である。
発明の要約
特別にはARTと結びついた、排卵誘発及びCOHにおいて使用するためのゴナドトロピン調製物を提供することが本発明の目的である。
最初の側面において、本発明はZ−数が少なくとも約200である、FSH調製物を提供する。
第2の側面において、本発明は平均pIが約3.4以下であるFSH調製物を提供する。
第3の側面において、本発明は少なくとも約200であるZ−数を有するFSHを含む医薬組成物を提供する。
第4の側面において、本発明は少なくとも約200であるZ−数を有するFSHの卵胞形成の刺激における使用を提供する。
第5の側面において、本発明は少なくとも約200であるZ−数を有するFSHの、卵胞形成の刺激において使用するための薬物の調製における使用を提供する。
第6の側面において、本発明は少なくとも約200であるZ−数を有するFSHをヒト患者に投与することを含む、ヒト患者における卵胞形成の誘発方法を提供する。
第7の側面において、本発明は少なくとも約200であるZ−数を有するFSH調製物の製造方法を提供し、該方法は以下のステップ:
2,3−シアリルトランスフェラーゼの存在下で、シアル酸供与体とFSHを反応させるステップ;
組換えFSHの発現のための好適な細胞タイプを選択するステップ;
高レベルのシアル酸付加に好都合な条件下でFSHを発現する、好ましくは組換え体である細胞を培養するステップ;及び
クロマトグラフィー技術を用いて、高いZ−数を有するFSHイソフォームを単離するステップ、
から選ばれるステップを含む。
第8の側面において、本発明は少なくとも約200であるZ−数を有するFSHの、男性不妊の治療における使用を提供する。
第9の側面において、本発明は少なくとも約200であるZ−数を有するFSHの、男性不妊の治療に使用する薬物の調製における使用を提供する。
第10の側面において、本発明はヒト患者における男性不妊の治療方法を提供し、該方法は少なくとも約200であるZ−数を有するFSHを該患者に投与することを含む。
発明の詳細な説明
驚くべきことに、発明者らは高度にシアル酸付加されたFSHイソフォームが、よりシアル酸付加の少ないイソフォームよりもヒト患者における卵胞形成の刺激において高い有効性を有することを発見した。本発明のFSH調製物の使用は、同じ又はより良い臨床結果を達成するためにより低い総投与量のFSHを使用することを可能とする。
発明者らは、患者がIUに基づいて等量の酸性FSH及び塩基性FSHで治療された場合、慣用のアッセイによって決定された通り、酸性FSHで治療された患者における成長する卵胞の数の方が顕著に多いということを発見した。
患者が重量に基づいて等量の酸性FSH及び塩基性FSHで治療された場合にも、酸性FSHで治療された患者における卵胞数の方が実質的に多かった。
慣用のFSH調製物で治療された場合、何人かの患者は成長する卵胞数の減少を示した。これは、ARTを行っている場合には成功の限定要因である。このタイプの応答を示す患者は約33〜35歳を超える患者、ベースラインのFSHが高いか、ベースラインのエストラジオールが高いか又はベースラインのインヒビンbが低い患者を含む。本発明によるFSHの調製物は、慣用の調製物によるよりもよい卵巣の応答を引き出すために、一日1回、又は一日おきに注射されることができる。これは、これらの患者の受胎の機会を増加させる。
驚くべきことに、発明者らはまた、より頻度の低い投薬を可能とし、より高い有効性を有するFSH調製物が、Z−数が少なくとも約200、そして好ましくはZ−数が少なくとも約210、220、230、240、250、260、270、280及び290と、Z−数の昇順に好ましさの程度が増加するFSHを使用して製造され得ることを発見した(もちろん、これらの値の間のZ−数は本発明の範囲内にある)。卵胞形成の誘発のために、一般的には慣用のFSH調製物が毎日、約75〜600IU/日の用量で投与される。大多数の患者においては、同じ総投与量の慣用のFSH調製物が毎日の投与と同様の臨床結果を達成しつつ、二日おきに投与されることができる15。“より低い頻度の投薬”という用語は、総卵胞容量に関して、一日又は二日おきに投与される慣用の調製物と同じ臨床結果を達成しつつ、二日おきよりもより低い頻度で投与されることのできるFSH調製物に適用することを意味する。
“酸性”及び“塩基性”という用語は、シアル酸付加の程度が変動するFSH調製物を指すために広く使用される。シアル酸が酸性であるため、より高度にシアル酸付加された分子はより低いpIを有するだろう。イソエレクトリックフォーカシング、クロマトフォーカシング又はイオン交換クロマトグラフィー、FPLC及びHPLC16のような他の分離方法を用いて、イソフォーム混合物が好ましくはZ−数に基づいて酸性又は塩基性に割り当てられることのできる分画に分離されることができる。
“シアル酸”という用語は炭素数9のカルボキシル化された糖ファミリーのいずれかのメンバーを指す。シアル酸ファミリーの最も普通のメンバーはN−アセチルノイラミン酸(しばしばNeu5Ac、NeuAc、又はNANAと略称される、2−ケト−5−アセタミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクトノニロピラノス−1−オニックアシッド)である。ファミリーの第2のメンバーは、NeuAcのN−アセチル基がヒドロキシル付加されたN−グリコリル−ノイラミン酸(Neu5Gc又はNeuGc)である。第3のシアル酸ファミリーのメンバーは2−ケト−3−デオキシ−ノニロソニックアシッド(KDN)である17。9−O−ラクチル−Neu5Ac又は9−O−アセチル−Neu5Acのような9−O−C1−C6−アシル−Neu5Ac、9−デオキシ−9−フルオロ−Neu5Ac及び9−アジド−9−デオキシ−Neu5Acなどの9位の置換されたシアル酸も含まれる。シアル酸ファミリーの総説に関しては、例えば、Varki; Glycobiology 2 1992; 25-40; Sialic Acids: Chemistry, Metabolism and Function, R. Schauer, Ed. (Springer-Verlag, New York(1992))を参照のこと。
炭化水素(又は“グリカン”)部分は、単糖を介してO結合型又はN結合型グリコシド結合のいずれかによってペプチド骨格に結合されている。炭化水素部分が生成すると、分枝が起こり、炭化水素部分が1、2、3、又は4(時にはそれを超える)の末端糖残基又は“アンテナ”を有することとなる。そのような炭化水素部分はモノ−、ジ−、トリ−又はテトラ−分枝型と呼ばれる。アンテナ性指数(AI)というパラメーターは、炭化水素残基中の分枝の程度、また、炭化水素部分の3−Dサイズの大きさを提供する。このパラメーターを決定するために、糖タンパク質はすべての炭化水素残基を放出するように、例えばヒドラジンとともに加熱されるなど、化学的に処理され、又は例えばエンドグリコシダーゼ(N-グリカナーゼ)で酵素的に開裂されることができる18。炭化水素混合物が単離される。所望により、炭化水素混合物は放射性標識、発色団標識(すなわち、UV−可視光放射性)のような標識、蛍光団標識、免疫反応性の標識などと反応させられる。標識された炭化水素混合物は、その後酵素シアリダーゼによってシアル酸除去され、標識された中性の炭化水素混合物が生じる(代わりに、標識化及びシアル酸除去ステップの順序を逆にしてもよい)。標識された中性の炭化水素混合物はその後、異なる種(モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−分枝型)を識別することのできるクロマトグラフィー法によって、その成分に分離される。(順相又は逆相)クロマトグラフィーは、例えば厚い層の(thick layer)クロマトグラフィー又は薄相クロマトグラフィー、或いは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含むいずれかの方法を基本的には用いて実施される。代わりに、単離された中性の炭化水素混合物は成分を揮発させるための作用物質と反応させられることができ、そして混合物はガスクロマトグラフィー(GC)に供されることができる。可視化は標識及び使用されたクロマトグラフィー法に適した方法で達成されるだろう。例えば、蛍光団が標識として使用された場合、蛍光光度計が検出に使用され;発色団が標識として使用された場合には、UV−可視光分光光度計が検出のために使用されるだろう。標識が使用されない場合、マススペクトロメトリーが、ピーク及び保持時間を測定するために使用されることができる。モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−分枝型の種へのピークの割り当てはマススペクトロメトリーを使用して、又は既知の標準との比較によって行われることができる。
その後、クロマトグラムはジ−、トリ−及びテトラ−分枝型炭化水素種に関連したピークを積分することによって分析される。そして、各種によって表された総炭化水素のパーセンテージは以下の式:
AI=2P+3Pトリ+4Pテトラ
に従ってAIを計算するのに使用されることができる。ここで、AIはアンテナ性指数及びP、 Pトリ及び Pテトラはジ−、トリ−及びテトラ−分枝型それぞれの総炭化水素のパーセンテージである。痕跡量の他の成分(例えば、モノ−アンテナ型)が存在するかも知れないが、AI値には顕著に影響しない。
高いアンテナ性指数は、炭化水素部分が高度に分枝し、多くのアンテナを有することを示す。組換えヒトFSHは、典型的には約220〜280、又は平均約255のAIを有する。
Z−数のパラメーターは糖タンパク質中の炭化水素部分のいくつのアンテナがシアル酸のような荷電した残基を含むか、の基準を提供する。Z−数を決定するためには、炭化水素部分は上記のようにペプチドから放出され、所望により標識される。その後、混合物は荷電に基づく種の分離を可能とするイオン交換クロマトグラフィーによって分離される。溶出されたピークの可視化は、上記のように標識によって、又はマススペクトロメトリーのような他の方法による。そして、クロマトグラムは1(モノ−)、2(ジ−)、3(トリ−)及び4(テトラ−)価に荷電した炭化水素種に関連したピークを積分することによって分析される。その後、各種によって表された総炭化水素のパーセンテージは以下の式:
Z=P'モノ+2P'+3P'トリ+4P'テトラ
に従ってZ−数を計算するのに使用されることができる。ここで、ZはZ−数、そしてP'モノ、P'、P'トリ及びP'テトラは1−、2−、3−及び4−価にそれぞれ荷電した総炭化水素のパーセンテージである。
高いZ−数は、多数のアンテナが荷電した残基を含み、そしてしたがって糖タンパク質が高度に荷電すること、そしてシアル酸残基の場合には酸性であることを示す。組換えヒトFSHは、典型的には約150〜約190、又は平均で約184のZ−数を有する。
驚くべきことに、発明者らは、約200以上のZ−数を有するFSHイソフォームが、200未満のZ−数を有するFSHの“等用量”とIUに基づいて比較した場合に、卵胞の数に関して増加した有効性を示すことを見出した。“等用量”という用語によって、異なるイソフォームのFSH量が、ラットの卵巣重量を増加させるそれらの能力を特別な条件下で慣用のインビボアッセイにより比較することによって測定された場合、IU用量が同じであることを意味する。言い換えれば、ラットにおいて決定された、異なるイソフォームの等IU用量は、ヒトに投与された場合に異なる臨床的有効性を有する。
増加したZ−数を有するFSH調製物は、いくつかの方法によって単離されることができる。例えば、組換えFSHのバッチがイソエレクトリックフォーカシング又は例えば、Muldersら19、Zambranoら20及びTimossiら21のいずれかによって記載されたようにクロマトフォーカシングに供されることができる。多様なpIを有する分画が単離されることができる。本発明の好ましいFSH調製物は、約3.4以下、より好ましくは約3.3以下、特別に好ましくは約3.2以下の、低下するにしたがって好ましい、平均pIを有する。
Z−数のパラメーターはFSH種集団のシアル酸付加の程度の平均を反映する。高いZ−数を有するFSH調製物が実質的な比率の塩基性の(よりシアル酸付加の少ない)種をなお有することは可能である。そのような塩基性の種は、FSH受容体においてアンタゴニストとして作用し、したがって好ましくない。存在する種の“広がり”は、イソエレクトリックフォーカシング又はクロマトフォーカシングによって決定されることができる。Z−数分析はまた、種の広がりの概念を与えることができる。好ましくは、調製物が約4%以下の中性炭化水素種(すなわち、電荷を有さないグリカン部分)、及び約16%以下のシアル酸が1個付加した種を有し、及びより好ましくは、調製物がパーセンテージが下がるほど好ましさの程度が増加する、約3%、2%又は1%の中性種及び約15%、12%、10%、8%又は5%のモノ−シアル酸付加種を有する。
タンパク質上の1以上のさらなるグリコシル化部位におけるシアル酸付加の程度の増加に起因する、卵胞形成における有効性の高められたFSH調製物は、本発明の範囲内にある。そのような部位は、例えば突然変異誘発を用いてFSHタンパク質骨格内の残基をセリン、トレオニン、リジン又はアスパラギン残基で置換することによって導入されることができる。FSHのそのような突然変異形態を作り出すために使用されることのできる方法の一例は、実施例7中に示される。インビボのグリコシル化のためには、導入された部位は以下の配列:N−X’−S/T/C−X’’の“N−グリコシル化部位”を形成するようなものでなければならない。ここで、X’はプロリン以外のいずれかのアミノ酸残基であり、X’’はX’と同一でも又は同一でなくてもよい、好ましくはプロリンとは異なるいずれかのアミノ酸残基であり、Nはアスパラギンであり、そしてS/T/Cはセリン、トレオニン又はシステイン、好ましくはセリン又はトレオニン、そして最も好ましくはトレオニンである残基を表す。そのようなFSH分子の酸性イソフォーム(pI≦3.4)は本発明の範囲内に含まれる。さらなるグリコシル化部位を有するそのような修飾されたFSH分子は、例えば、PCT国際特許出願公開第WO01/58493号(Maxygen)中に記載される。特別に好ましいのは、以下の突然変異である:
βサブユニット内:E4N,A70N、L73N、V78N、G100N、Y103N、F19N/I21T、L37N/Y39T、D41N/A43T、E55N/A43T、E59N/V61T及びR97N/L99T;
αサブユニット内:E9N、F17T、F17N、R67N、V68T、E56N、H83N、及びF33N/R35T;
ここで、Aはアラニン、Dはアスパラギン酸、Eはグルタミン酸、Fはフェニルアラニン、Gはグリシン、Hはヒスチジン、Iはイソロイシン、Lはロイシン、Nはアスパラギン、Rはアルギニン、Tはトレオニン、Vはバリン、Yはチロシン、そして“E4N”という表記は4位のグルタミン酸(E)をアスパラギン(N)で置換することを表す。配列の番号付けについては、ヒトFSHアルファのアミノ酸配列は、図5又は配列番号:1中に示された成熟した配列に従って番号付けされる。ヒトFSHベータのアミノ酸配列は、図6又は配列番号:2中に示された成熟した配列にしたがって番号付けされる。
付加ペプチド上に存在する1以上の追加のグリコシル化部位におけるシアル酸付加の程度の増加に起因する、卵胞形成における有効性の増加したFSH調製物も本発明の範囲内にある。“付加ペプチド”はグリコシル化部位を含み、結果として得られた分子のFSH活性に悪影響を及ぼすことなくFSHのα−及び/又はβ−サブユニットのアミノ及び/又はカルボキシル末端に結合されることのできる、いずれかのペプチドを意味する。例えば、hCGのβ−サブユニットは本明細書中でカルボキシル末端部分(CTP)と称されるC−末端における約34の追加のアミノ酸によって、他のゴナドトロピンのβサブユニットよりも実質的に大きい。尿中のhCGにおいては、CTPは4つのムチン様のO結合型オリゴサッカライドを含む。このCTPはFSHのβ−サブユニットに、好ましくはFSHのβ−サブユニットのカルボキシル末端において連結されることができ、FSH活性及びさらなる4つのグリコシル化部位を有する分子を生じる。そのようなFSH分子の酸性のイソフォーム(pI≦4.4)は本発明の範囲に含まれる。そのような分子はPCT国際特許出願公開第WO93/06844号(ワシントン大学)中で及びBiomeらによって開示される22。修飾されたグリコシル化部位を有する他のFSH分子はPCT国際特許出願公開第WO90/09800号(ワシントン大学)中に開示される。
この記載の目的のために、さらなるグリコシル化部位を有するFSH調製物はFSHgly+と表される。さらなるグリコシル化部位が付加された場合、Z−数のパラメーターはもはや“正常の”FSH調製物(すなわち、4つのグリコシル化部位を有するもの)との比較に用いられることはない。なぜなら、このパラメーターは、規準化されている(それはパーセンテージの合計である)からである。FSHgly+調製物がグリカン種の分析に供された場合、Z+−数のパラメーターがZ−数に類似した方法によって計算されることができる。本発明のFSHgly+調製物は、約200以上、好ましくは約210、220、230、240、250、260、270以上と、その昇順に好ましさの程度が増加する、Z+−数を有する。
本発明のFSHgly+調製物は正常のFSHよりも顕著に低いpIプロフィールを有する。それらの有効性の増加に特別に好ましいのは、約4.4以下の平均pI、より好ましくは約4.2、4.0、3.8、3.6、3.4、3.3及び3.2の降順で好ましさの程度が増加する、平均pIを有するFSHgly+調製物である。
本発明のすべての実施態様において、組換えFSHが好ましい。ヒト患者の治療のためには、組換えヒトFSHが好ましい。本発明の調製物は慣用の組換えFSHから単離されることができ、又はFSHgly+調製物から単離されることができる。
発明者らが“シアリルブースティング”と呼ぶ方法を用いてシアル酸含量を濃縮する方法を提供することも、本発明の側面である。組換えFSH(好ましい)又は組換えFSHgly+調製物(これも好ましい)或いは尿中FSHが、例えばPCT国際特許出願公開第WO98/31826号(Cytel Corporation)中に記載されたCMP-シアル酸のようなシアル酸供与体の存在下で、グリコシルトランスフェラーゼ、特別にはシアリルトランスフェラーゼのような酵素で処理することによってシアリルブースティングに供されることができる。組換えシアリルトランスフェラーゼの実施例は、組換えシアリルトランスフェラーゼの製造方法と同様に、例えば米国特許第5,541,083号中(University of California; Amgen)に見出される。少なくとも15の異なる哺乳動物シアリルトランスフェラーゼが報告され,これらのうちの13のcDNAがクローン化された。これらのcDNAは、その後本発明の方法中で使用されることができる、シアリルトランスフェラーゼの組換え体の製造に使用されることができる。
使用されるシアリルトランスフェラーゼは、シアル酸付加された糖タンパク質上の末端シアル酸の下にある、最も共通する最後から2番目の部分であるGalβ1配列、4GlcNAcへシアル酸を転移させることができるだろう。使用されることのできるシアリルトランスフェラーゼの例は、ST3Gal IIIであり、これはまた、(2,3)−シアリルトランスフェラーゼ(EC2.4.99.6)と呼ばれる。この酵素は、Gal-β-1,3-グリコシルNAc又はGal-β-1,4-グリコシルNAcグリコシドのGalへのシアル酸の転移を触媒する23。シアル酸はガラクトシル(Gal)残基へ、2のサッカライドの間にα−結合を形成することによって結合される。サッカライドの結合はNeuAcの2位とGalの3位の間に存在する。この特別な酵素はラットの肝臓から単離されることができ24;ヒトcDNA25及びゲノムDNA26配列が知られており、組換え体の発現によるこの酵素の製造を容易にしている。好ましい実施態様において、シアル酸付加法はST3Gal III(好ましくはラット由来)、ST3Gal IV、ST3Gal I、ST6Gal I、ST3Gal V、ST6Gal II、ST6GalNAc I,又はST6GalNAc II、より好ましくはST3Gal III、ST6Gal I、ST3Gal IV、ST6Gal II又はST3Gal V、より特別に好ましくはラット由来のST3Gal IIIを使用する。
シアリルトランスフェラーゼの量は好ましくはFSH1mgあたり約50mU以下、好ましくはFSH1mgあたり約5〜25mUであるだろう。好ましい条件下においては、シアリルトランスフェラーゼの濃度は約10〜50mU/ml、そしてFSH濃度は約2mg/mlだろう。
シアリルトランスフェラーゼをコードしている、細胞中で発現可能な遺伝子で、FSHを発現している、組換えの又はそうでない細胞をトランスフェクトすることによって、酸性イソフォームが濃縮されたFSHを製造することも可能である。上記遺伝子はゲノムのコード配列(すなわち、イントロンとともに)を含むことができ、又はcDNAコード配列を含むことができる。代わりに、上記細胞のゲノムがシアリルトランスフェラーゼをコードしている内因性の配列を含む場合、FSHの発現を引き起こす構築物が細胞のゲノム中に挿入されることができる。シアリルトランスフェラーゼをコードしている内因性の配列に対して作動可能な関係にある、細胞中で活性な非天然の制御配列を挿入することによって、シアリルトランスフェラーゼの発現が増加されることができる。ゲノムのシアリルトランスフェラーゼをコードしている配列の増幅を引き起こすように、シアリルトランスフェラーゼをコードしている配列に作動可能な関係にある、増幅可能な遺伝子を挿入することも可能である。これらの操作は、例えばヨーロッパ特許第0505500号(Applied Research Systems ARS Holding N.V.)中に記載された相同組換えを用いて実施されることができる。
FSH調製物のシアル酸付加の程度もまた、シアル酸付加に好都合であることが知られている組換えFSHの発現のための細胞を選択することによって増加されることができる。そのような細胞は、高レベルのシアリルトランスフェラーゼを発現する、選択された下垂体細胞及びチャイニーズハムスター卵巣の細胞を含む。本明細書中で示唆されるように、シアル酸付加の程度が高いイソフォームを単離するために、そのような細胞中で産生されたFSH調製物はさらに、単離方法に供される。
FSH調製物のシアル酸付加の程度もまた、高レベルのシアル酸付加に好都合な条件下で、FSH、好ましくは組換えFSH、を発現している細胞を培養することによって増加されることができる。ノイラミニダーゼの阻害剤及び/又はアセチルマンノサミンのようなシアル酸合成の直接的な細胞内前駆体を含む培地を補充することによって、シアル酸付加に好都合であることができる。シアル酸付加の程度が高いイソフォームを単離するために、そのような培養条件下で産生されたFSH調製物は、本明細書中で示されるとおり、単離方法に供される。
シアリルブースティングが使用される場合、シアル酸残基の結合のための多くのアンテナを提供するように、FSH調製物は酵素的なシアル酸付加に先立って高いAIを有することが望ましい。好ましくはFSHは、約220以上のAI、より好ましくは約240以上のAI、より特別に好ましくは約270以上のAIを有するべきである。例えばメチル−グルコースのグラジエントで溶出する、コンカナバリン−A(Con-A)誘導体化されたセファロース上のアフィニティークロマトグラフィーを用いて、又は分離用のHPLCによって、より高いAIを有するFSHが単離されることができる。
本発明のシアル酸付加ブースティング法は、1以上のさらなるグリコシル化部位を導入するために修飾されたFSH調製物(FSHgly+調製物)に有利に適用されることができる。そのようなFSHgly+調製物もシアリルブースティングの前に、高いAIを有する分画に分離されることができる。
本発明は、シアル酸付加を行うことのできない細胞中でFSHを発現させ、その後FSHをシアリルブースティングに供することによって作成されるFSHを含む。例えば、PCT国際特許出願公開第WO99/13081号(Akzo Nobel N.V.)は、野生型FSH及び単細胞真核生物ディクティオステリウム(Dictyostelium)中の突然変異タンパク質、特別にはさらなるグリコシル化部位を有する突然変異タンパク質、の発現について記載する。ディクティオステリウムはグリカンにシアル酸付加することができない。本発明は、野生型FSH又はディクティオステリウム中で発現された突然変異タンパク質をシアリルブースティングに供することによって作成されたFSH調製物を含む。
シアリルブースティングの後、所望のシアル酸付加の程度のFSH調製物が、イオン交換クロマトグラフィー、イソエレクトリックフォーカシング、クロマトフォーカシング、又はコンカナバリン−A(Con-A)上のクロマトグラフィーを使用して単離されることができる。
本発明のFSHは、少なくとも約200、より好ましくは少なくとも約210、特別に好ましくは少なくとも約220、より特別に好ましくは少なくとも約230、240、250、260又は270と昇順に好ましさの程度が増加するZ−数を有する。完全にシアル酸付加されたFSHは、アンテナ性指数に依存して約230〜約280のZ−数を有する。本発明による非常に好ましいFSH調製物は約230〜約280のZ−数を有する。
本発明のFSH調製物は、一貫して少なくとも約200のZ−数、又は上記の好ましいZ−数を有することが好ましい。本発明のFSHは、当業者に知られるであろう多くの方法を用いて、イソフォームの混合物から単離されることができる。例えば、イソエレクトリックフォーカシング、クロマトフォーカシング、又はイオン交換クロマトグラフィーがpIに基づいてイソフォームを分離するために使用されることができる。異なる分画は、シアル酸含量について分析されることができ、使用のための望ましい分画が選ばれる。イオン交換クロマトグラフィーのための好適な条件の一例が実施例中に示される。そのような分離方法は、本発明のFSHを慣用的に製造されたrFSH又は尿中のFSH(uFSH)から単離するために使用されることができ、又は所望のイソフォームをシアリルトランスフェラーゼ又は上記の他の組換え技術で処理されたFSHから単離するために使用されることができる。
本発明は、1の側面において本発明のFSH(すなわち、少なくとも上で列記された最小のZ−数の好ましい値である、約200のZ−数を有する)を含む医薬組成物を提供する。そのような医薬組成物は、例えば排卵誘発又は生殖補助医療(ART)とともに、卵胞形成を刺激するために使用されることができる。本発明のFSHは複数の卵胞の発生及び成熟を誘発することにおいて特別に有効であるため、複数の卵母細胞を集めることが望ましい、ARTにおける使用に特に好適である。
代わりに、用量を注意深く適合させることによって、本発明のFSHはOIのための一卵胞形成、又はIUIのための少数卵胞形成(約3個まで)を誘発するため、インビボの生殖のために使用されることができる。一卵胞形成はまた、慣用のFSH調製物にくらべて、より低濃度のFSH又はより低頻度の投薬によっても達成されることができる。例えば、OIにおいては本発明のFSH調製物は、患者の応答によって3日おきに225〜400IUで、又はより低用量で投与されることができる。患者の応答は断層撮影によって追跡されることができる。
本発明のFSHは、典型的にはさらに希釈剤又は賦型剤を含むであろう、医薬組成物として製剤される。当業者は、医薬組成物を製剤するために好適なそのような希釈剤又は賦型剤をすべて認識している。
本発明のFSHは、典型的には筋肉内又は皮下的使用のための滅菌注射用溶液を形成するための溶解可能な固体の形態で、単位用量として製剤される。固体は通常は凍結乾燥により得られる。典型的な賦型剤及び担体は、シュークロース、ラクトース、塩化ナトリウム、リン酸一ナトリウム及びリン酸二ナトリウムのような緩衝剤を含む。溶液は使用の直前に注射用の水で希釈することによって調製されることができる。
本発明のFSHはまた、上で列記されたもの及び当業者に知られた他の賦型剤及び緩衝剤のいずれかを含む、注射用溶液として製剤されることもできる。
本発明のFSHは過排卵刺激(COH)治療計画中で使用されることができる。CHOのための標準的な治療計画27は、内因性の黄体形成ホルモン(LH)がゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストの投与によってダウンレギュレートされるダウンレギュレーション相、つづいて卵胞の発生(卵胞形成)が卵胞刺激ホルモン(FSH)の毎日の投与によって誘発される刺激相を含み、通常約75〜600IU/日、好ましくは約150〜225IU/日である。又は、刺激は自然発生的な又は誘発された月経の後のFSHで開始され、続いてGnRH−アンタゴニストを投与する(典型的には刺激相の第6日くらいに開始する)。16mmより大きい(1つは18mm)卵胞が少なくとも3つある場合、単回ボーラスのhCG(5〜10,000IU)が自然のLHサージを擬態し、排卵を誘発するために与えられる。hCG注射は、典型的には10日間〜14日間のいずれかで投与されるが、上記のパラメーターが合致するのがいつかによって、より後に投与されることもできる。卵母細胞の回収はhCG注射後36〜38時間後のタイミングで行われる。
本発明のFSHはまた、OI及びIUIのために使用されることもできる。例えば、本発明の調製物によるFSH刺激は自然発生的な又は誘発された月経後に、日用量75〜150IUで開始される。1又は3の卵胞の直径が少なくとも16mmに達した場合、単回ボーラスのhCGが排卵を誘発するために投与される。受精は通常の性交又はIUIによって、インビボで実施される。本発明のFSHが既知のFSH調製物に比べて増加した有効性を有するため、上記のような治療計画は、卵胞の数及び生存率に関して同一又はより良い応答を達成しつつ、より低IU用量のFSHを採用することができ、及び/又はFSH刺激の期間を短縮することによって改変されることができる。例えば、本発明のFSH調製物を使用することで、約50〜150IUのFSH、好ましくは約50〜100、より好ましくは約50〜75IUのFSHによって適切な卵胞形成が達成されることができる。FSHの投薬は、通常は毎日又は毎日に準じて行われる。投薬期間は約14日未満、好ましくは約12日未満、より好ましくは約11又は10日未満である。
OIのためには、本発明のFSH調製物は25〜150IUのFSH/日、好ましくは50〜125IUのFSH/日の用量で投与されることができる。
男性不妊の治療のためには、本発明のFSH調製物は、3×150〜300IU/週で精子形成が通常の性交又はART技術のいずれかによる受精に適切なレベルに達するまで投与される。
発明者らはさらに、有効性が増加したために、少なくとも約200のZ−数を有するFSH調製物が200未満のZ−数を有するFSH調整物よりもより低頻度で投与されることができることを見出した(この記載の目的のために、FSH+200、FSH+210、FSH+220などの用語が、約200〜210、211〜220、221〜230などの範囲のZ−数を有するFSH調製物を表すために使用される)。これは、適切な卵胞形成を達成するために、通常は150IUの慣用のFSHの毎日の投与を必要とする患者が、同じ結果を例えば、225IUのFSH+200を3日おき、又は300IUのFSH+200を4日おきの投与によって達成することができることを意味する。慣用のFSH調製物に比べてFSH+200の有効性が増加しているために、上で引用された用量は、良い応答を示す患者において減らされることができる。約230以上のZ−数を有する本発明のFSH調製物を用いることで、患者の応答に依存して、わずか5日、6日、又は7日おきの注射が可能であることができる。応答は断層撮影、及び/又は血清エストラジオールレベルを測定することによって評価されることができる。他の好適な治療計画は以下のとおりである:100IUのFSH+210を2日おき;200IUのFSH+210を3日おき;275又は300IUのFSH+210を4日おき;80〜100IUのFSH+220を2日おき;180〜200IUのFSH+220を3日おき;260〜300IUのFSH+220を4日おき;75〜100IUのFSH+230を2日おき;170〜200IUのFSH+230を3日おき;250〜300IUのFSH+230を4日おき;275〜400IUのFSH+250を5日おき;375〜450IUのFSH+250を6日おき;450〜525IUのFSH+250を7日おき。
本明細書中で、卵胞形成に対する効果との関係で使用される、“増加した有効性”という用語は、例えばラットにおける卵巣重量増加の慣用のアッセイで決定された等用量(IU/IU)の、200未満のZ−数を有するFSHで治療された1以上の患者における卵胞の数及び/又は生存率と比較した場合の、個々の患者中の卵胞の数及び/又は生存率のいずれかの測定可能な改善又は増加を含む。好ましくは、改善又は増加は統計学的に有意なものであり、好ましくは確率値が0.05未満である。結果の統計学的有意性の決定方法は周知であり、本分野で報告されており、いずれかの適切な方法が使用されることができる。
本発明は以下の、制限されない実施例によって例示されるであろう。
実施例1
Z−数の決定
グリカンマッピングが糖タンパク質のZ−数の決定を可能とする。
グリカン部分は、完全に自動化された装置であるOxford GlycoSciences GlycoPrep(登録商標)1000又はそれと同等のものを用いて、ヒドラジンを100℃で5時間使用して、組換えヒトFSHから放出させた。
コーティングしたガラスビーズカラムを用いて、グリカン種を未反応のヒドラジン及びアミノ酸ヒドラジンから分離した。グリカン種を酢酸ナトリウム試薬で溶出した。
グリカン種は無水酢酸でアセチル化した。混合床イオン交換カラムを用いて、過剰の試薬を除去した。未還元のグリカン種を希釈した酢酸緩衝溶液中に集めた。
グリカン種を0.5mフィルター(Oxford GlycoSciences)上で集め、凍結乾燥した。乾燥されたグリカン種を、酸性の条件下、蛍光団(例えば2−アミノベンズアミド又は2−AB)を有する還元剤と120分間、65℃で反応させて、標識した。
標識されたグリカン種を、グリカン種を保持する親水性吸着膜を使用して過剰の試薬から分離した。グリカン種を水中で回収し、クロマトグラフィーによる分離まで凍結保存した。
標識されたグリカン種を陰イオン交換クロマトグラフィーによって分離した。クロマトグラフィー手順は以下のとおりに実施した:
・カラムはGlycoSep(登録商標)Cカラム、4.6×100mm、ポリマーでコーティングしたジビニルベンゼンレジンを充填した(5m)
・移動相は0.4ml/分の流速を有する:
移動相A:アセトニトリル(クロマトグラフィー等級)
移動相B:500mM、酢酸アンモニウム、pH4.5
移動相C:超純水
・検出は励起波長:330nm及び発光波長:420nmにセットした蛍光光度計による;
・溶出は以下の溶出条件下で行う:
初期条件:20%A相、80%C相
リニアグラジエント相B(毎分0.25%)で5〜21分、20%A相で一定
リニアグラジエント相B(毎分0.525%)で21〜61分、20%A相で一定
・カラムを30±2℃の温度で保持する。
グリカン種は、それらの電荷に従って、中性、1−、2−、3−及び4シアル酸付加された種の順で溶出する。典型的なクロマトグラムを図1に示す。
得られたクロマトグラム中で、表1に列記されたシアル酸付加の程度に対応する保持時間の範囲に従ってピークを群分けした。
Figure 2005515974
各グリカン群の結果を、異なるグリカン群(中性、モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−)の総エリアのパーセントとして表し、Z−数を異なる種(Pグリカン)の割合から計算した:
Z=P’モノ+2P’+3P’トリ+4P’テトラ
実施例2
アンテナ性指数(AI)の決定
グリカンをヒドラジン分解によってペプチド骨格から遊離させ、そして実施例1において詳述したように、2−アミノベンズアミド(2−AB)を用いて蛍光標識した。
2−AB標識されたグリカンを、20mM塩化カルシウムを含む250mM酢酸アンモニウム、pH5.5中、37℃で18時間、シアリダーゼ(ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae))により酵素的に脱シアル酸化した。100μgの出発量のrhFSHからのグリカンに対しておよそ0.05Uのシアリダーゼを使用する。
脱シアル酸化されたグリカンを真空下で乾燥し、以下の条件の下での予備的逆相HPLCによる分離の前に−20℃で保存した:
・カラムはGlycoSep(登録商標)Rカラム;
・移動相は0.7ml/分の流速を有した
溶出液A:50mM酢酸アンモニウム、pH6.0;
溶出液B:8%アセトニトリルを含む、50mM酢酸アンモニウム、pH6.0;
・検出は励起波長=330nm;発光波長=420nmにセットした蛍光光度計によった。
・カラム温度:30℃。
カラムへの適用に先立って、乾燥サンプルを溶出液A(200μl)で再構成し、50μlのこの溶液を適用した。
以下のグラジエントを使用した:
時間=0(分) 55%A;45%B
時間=15(分) 55%A;45%B
時間=70(分) 0%A;100%B
時間=75(分) 0%A;100%B
時間=76(分) 55%A;45%B
Electrosprayマススペクトロメトリー(ESMS)及びMatrix Assisted Laser Desorption Ionisation Time-Of-Flight マススペクトロメトリー(MALDI-TOF MS)を用いてピークをジ−、トリ−及びテトラ−アンテナ性に割り当てる。
結果を、グリカンすべてを100%として、ジ−アンテナ性;トリ−アンテナ性及びテトラ−アンテナ性の相対パーセンテージPとして表す。そして、AIを以下の式:
AI=2P+3Pトリ+4Pテトラ
を用いて計算する。ここで、AIはアンテナ性指数、そしてP、Pトリ及びPテトラはそれぞれ2−、3−及び4−分枝型である総炭化水素のパーセンテージである。
実施例3
シアル酸付加の程度に基づくFSHの分画への分離
DEAE−セファロースFF上の陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して、組換えFSHを酸性及び塩基性の分画に分離した。
・使用したカラムは、DEAE−セファロースFF樹脂を充填した、実験室規模の精製(およそ60mgバルクタンパク質)のためのφ1.6×20cm(XK Pharmacia又はこれと同等のもの)、及びより大きな規模の精製のためのφ3.4×40cm(Vantadge Amicon又はこれと同等のもの)であり;
・移動相は150〜250cm/時間の流速で
平衡化緩衝液1:2Mトリス−塩酸緩衝液 pH7.0±0.1;
平衡化緩衝液2:25mMトリス−塩酸緩衝液 pH7.0±0.1、
伝導率2.15±1.5mS/cm;
溶出緩衝液1:25mMトリス緩衝液 pH7.0±0.1、35mM塩化ナトリウム、伝導率5.8±0.4mS/cm(この緩衝液はより塩基性のイソフォームを溶出する。);
溶出緩衝液2:25mMトリス緩衝液 pH7.0±0.1、150mM塩化ナトリウム、伝導率18.3±0.5mS/cm(この緩衝液はより酸性のイソフォームを溶出する。);
再生溶液:0.5M 水酸化ナトリウム、1M 塩化ナトリウム
保存溶液:10mM 水酸化ナトリウム
・カラムを23±3℃または5±3℃に保持した。
カラムに負荷するために以下のようにFSHを調製した:
凍結rhFSHバルクを5±3℃で融解した。融解が完了した後、溶液(276.4nmにおける吸光度で推定した、1mlの樹脂あたり3〜4mgのrhFSH)を、2Mトリス−塩酸緩衝液 pH7.0±0.1で以下の比率で希釈した:緩衝液1及びrhFSHバルクが79。トリス−塩酸の最終濃度は25mMであった。塩酸1MでpHを7.0±0.1に調整した。
3総容積(BV)の0.5M水酸化ナトリウム、続いて6BVの水を流すことによってカラムを準備した。4〜5BVの平衡化緩衝液1をpHがおよそ7と測定されるまで流すことによって平衡化を行った。その後続いて7〜8BVの平衡化緩衝液2を流した。
上記のように調製したrhFSHサンプルをカラムに負荷した。負荷完了後、カラムに3BVの平衡化緩衝液1を流した。
溶出緩衝液1による溶出をその後開始し、吸光値(276.4nm)が上昇をはじめたら、塩基性の分画を集め始め、20±1総容量の間持続する。溶出液をその後溶出緩衝液2に変更し、吸光値(276.4nm)が上昇を始めるとすぐに酸性の分画を集めはじめ、3±1総容量の間持続する。
その後、濃縮のために、塩基性の分画のためのYM3メンブレンそして酸性の分画のためのYM10メンブレンを備えた限外濾過セル8400型(Amicon又はこれと同等のもの)による限外濾過に分画を供した。すべての操作を5±3℃で実施した。
実施例4
FSHイソフォームを比較する臨床試験
2の実験的rhFSHバッチのボランティアに対する相対的有効性を評価した。
実施例3に上述のとおり、イオン交換クロマトグラフィーを使用してrhFSHを2の分画に分割することによって、2のFSH調製物を生成した。バッチAは220のZ−数を有し、“酸性”とみなされ(すなわち、実施例3からの酸性の分画)、バッチBは160のZ−数を有し、“塩基性”とみなされた(すなわち、実施例3からの塩基性の分画)。
ラットにおける慣用の卵巣重量アッセイを使用して、バッチA及びバッチBのアンプルがそれぞれ約150IUのFSHを含むように満たされた。
上記2のバッチの特性を表2に示した。バイアルがIUによって満たされるため、塩基性のバッチBのアンプル中のFSHの実際の量は酸性のバッチAの約250%であったことは、注意すべきである(約24μg対約9μg)。
Figure 2005515974
特異的生理活性はIUで表した活性をタンパク質重量で割って計算する。
患者群は、32人の更年期前の女性ボランティアであった。患者にデカペプチル(0.1mg)の毎日の注射による下垂体ダウンレギュレーションを受けさせた。14日後に、断層撮影試験を実施し、嚢胞のない状態でバッチA又はバッチBのいずれかのrFSH(150IU/日)による刺激を開始する。卵胞の成長を、毎日の断層撮影及び血清E2濃度によって評価した。
FSH刺激の間、卵胞は発生し、直径が増加する。刺激の第8日及び第10日に、各患者の卵胞を測定及び計数し、0〜10mm、11〜15mm及び16〜25mmのサイズカテゴリーに含まれる卵胞の数を記録した。酸性及び塩基性イソフォームで治療した患者群について、第8日における各カテゴリーに属する患者あたりの平均卵胞数を図2に示す。第10日における同じプロットを図3に示す。
試験の結果は、塩基性の群において卵胞サイズが時間にしたがって普通に増加した一方、酸性の群は結果として塩基性の群の約2倍に卵胞形成の強力な増加をもたらした、最初の同齢集団に比べてわずかに遅れた第2の同齢集団を生じさせたことを示した。この第2の同齢集団は第8日〜第10日でサイズが増加した。結果として、“酸性の”FSHで治療した患者群においては、第10日において11mmより大きい卵胞数が平均18であったにもかかわらず、“塩基性の”イソフォームで治療した群においては、第10日における11mmより大きい卵胞数の平均がわずか11であった。
第10日における総卵胞数の平均は、“塩基性の”群で19であるにもかかわらず、“酸性の”群の28である。
断層撮影を用いて患者あたりの総卵胞容量(TFV)の平均を決定する。“酸性の”FSHを受容する群のTFVは、“塩基性の”FSHを受容する群のTFVよりも30%高かった。
ラジオイムノアッセイによって測定された、患者の血清FSHレベルは、注射されたタンパク質質量から予想されるとおり、塩基性の群の方が高く;しかしながら、酸性の形態の代謝耐性がより高いことに従って、投与における相違が250%であるのに比べてその相違は約30%(図4を参照のこと)しかなかった。
実施例5
アンテナ性指数(AI)に基づく、FSHの分画への分離
HPLC又はコンカナバリンA(Con−A)誘導体化セファロースによるアフィニティークロマトグラフィーを用いて、通常より高いアンテナ性指数を有するFSH調製物を単離することができる。
実施例6
シアリルトランスフェラーゼによる“シアリルブースティング”
組換えヒトFSH(“出発物質”;10mg)を4.3mg/mlの濃度で緩衝液(0.1M HEPES,pH7.5)に溶解した。この溶液へ、100mU/mlの濃度となるまで組換えラットシアリルトランスフェラーゼ(ST3Gal III)を添加し、そしてシアル酸供与体としてシチジン−5’−モノホスフェート−N−アセチルノイラミン酸(CMP−NeuAc)を20mMの濃度で添加する。代わりに、シアル酸供与体はCMP−シアリックアシッドシンテターゼの存在下で20mM NeuAc及び2mM CMPを用いてin situで産生することができる。反応を37℃で24時間インキュベートする。実施例3に記載の技術を用いてシアル酸が濃縮された分画を単離する。
シアリルブースティングもまた、実施例5に従って調製されたアンテナ性指数の高いFSHからなる出発物質を用いて実施することができる。
代わりに、シアリルブースティングは、慣用の組換えFSHに比べてすでに高いZ−数を有するFSH出発物質を用いて行うことができる。そのような出発物質は実施例3の技術を用いて単離されることができる。
実施例7
FSH突然変異体の産生
ヒトFSHのα−及びβ−サブユニットのcDNAをpDONRベクター(Invitrogen)中へサブクローニングした。N結合型グリコシル化部位をFSHのα−およびβ−サブユニットへ導入するために、QuikChange (登録商標) Site-Directed Mutagenesis Kit (Stratagene)を使用した。QuikChange (登録商標)システムは、所望の突然変異を含む2の合成オリゴヌクレオチドプライマーを利用する。N結合型グリコシル化部位を導入するために、以下のオリゴヌクレオチドの対を使用した:V78NのためのCC TTG TAT ACA TAC CCA AAC GCC ACC CAG TGT CAC 及びGTG ACA CTG GGT GGC GTT TGG GTA TGT ATA CAA GG、A70NのためのGC TGT GCT CAC CAT AAC GAT TCC TTG TAT ACA TAC C 及び GGT ATG TAT ACA AGG AAT CGT TAT GGT GAG CAC AGC、D41N/A43Tのための GAT CTG GTG TAT AAG AAC CCA ACT AGG CCC AAA ATC CA及び TGG ATT TTG GGC CTA GTT GGG TTC TTA TAC ACC AGA TC、G100NのためのTGT ACT GTG CGA GGC CTG AAC CCC AGC TAC TGC TCC 及び GGA GCA GTA GCT GGG GTT CAG GCC TCG CAC AGT ACA、E56NのためのG AAC GTC ACC TCA AAC TCC ACT TGC TG 及びCA GCA AGT GGA GTT TGA GGT GAC GTT C、及びF17TのためのCAG GAA AAC CCA ACC TTC TCC CAG CC 及び GG CTG GGA GAA GGT TGG GTT TTC CTG。突然変異体cDNAのDNA配列はABI PRISM BigDye Terminator v3.0 Ready Reaction Cycle Sequencing Kit による分析と続くABI PRISM 310 Genetic Analyzerによる分析を使用して確認した。
GATEWAY Vector Conversion System (Invitrogen)を使用して、pCI哺乳動物発現ベクター(Promega)をGATEWAYデスティネーションベクターに変換した。Gateway(商標)Cloning Technology (Invitrogen)を用いて、野生型サブユニットとともにα−及びβ−突然変異体をpCI発現ベクター中へサブクローニングした。pCI発現ベクターは、挿入された遺伝子、発現を促進するための該遺伝子の上流のイントロン及び転写を終了させるための挿入された遺伝子よりも下流のシミアン・ウイルス40後期ポリアデニル化シグナルの発現を制御するためのヒトサイトメガロウイルスの最初期エンハンサー/プロモーターを含む。pCI中のA70N、G100N、V78N及びD41N/A43Tβ−突然変異体がpCI中の野生型α−サブユニットとコトランスフェクトされた一方、pCI中のE56N及びF17Tアルファ突然変異体はpCI中の野生型FSHβとコトランスフェクトされた。対照として、pCI中のFSHの野生型β−サブユニット及びpCI中のα−サブユニットをコトランスフェクトした。リン酸カルシウム法(例えば、PCT国際特許出願公開第96/07750号に記載のとおり)を使用して、プラスミドをHEK293細胞(ATTC、CRL−10852)中へ一過性にトランスフェクトした。又は、野生型β−サブユニット又はV78Nβ−突然変異体のいずれかを含むpCIプラスミドを、pCI中の野生型α−サブユニットとコトランスフェクトした。プラスミドをまた、一過性に又は安定にCHO細胞中へトランスフェクトすることもできる。トランスフェクションの1日後、培地を1μg/mlのインシュリン(Invitrogen 18140-020)、6.8ng/mlの亜セレン酸ナトリウム(Sigma, S5261)及び12.2ng/mlのクエン酸第二鉄(Sigma、F3388)を含むDMEM/F12(Invitrogen, 11320-033)に変えた。培地の変更の1日後、培養上清を集め、細胞細片を除去するために4℃で約800×gで5分遠心分離した。上清を除去し、Biofuge fresco(Heraeus Instruments)中で16,000×gで5分遠心分離し、そしてさらに培地を0.45μmAcrodiscフィルター(Gelman Sciences, 4184)を通して濾過して清澄化した。清澄化された細胞抽出物に、1Mトリス、pH7.4を最終濃度50mMトリスとなるように添加し、最終濃度が0.1%Tween20となるようにTween20を添加した。
ジビニルスルホンを使用して固定化した抗FSHモノクローナル抗体で誘導体化したセファロース(Immunoresin anti-FSH-McAb-DVS-Sepharose)上のイムノアフィニティークロマトグラフィーを用いて、FSH突然変異体を細胞抽出物から精製した。そのような樹脂は、例えば、PCT国際特許出願公開第WO88/10270号中に開示されたように、熟練した実務者に知られた方法で製造されることができる。
0.1Mトリス−塩酸、0.3M 塩化ナトリウムからなる平衡化緩衝液中でpH=7.5、4℃において樹脂を平衡化した。カラムの総FSH結合能の80〜90%に相当するIUのFSHの量(ラジオイムノアッセイ、RIAによる)をカラムに負荷した。
保持されないタンパク質を(上記の)平衡化緩衝液で、溶出液のOD280が0.02未満になるまで溶出した。
吸着されたFSH突然変異体を1Mアンモニア溶液で4℃においてイムノレジンから溶出した。イムノレジンの約4倍の容量に相当する溶出液をプールし、集めた後なるべく早く4℃で氷酢酸を加えることによってpHを9.0に調整し、溶液をAmicon装置(膜のカットオフ値10,000Da)中で限外濾過し、小容量に濃縮した。
その後、濃縮されたFSH突然変異体溶液をUV検出器及び予備的グラジエント発生装置を装備したWaters Prep LC 500 A liquid chromatographを使用する逆相HPLCのステップに供した。カラムへの適用の前に、溶液のpHを約5.6に調整した。溶液を、あらかじめ室温で0.05M酢酸アンモニウム緩衝液、pH5.6で平衡化したC18逆相カラム(Prepak 500 C18 cartriges Waters)に負荷した。流速は100ml/分であり、溶出液を280nmでモニターした。
FSH突然変異体を移動相の50%までのイソプロパノールのグラジエントで溶出した。分画を分析的気相クロマトグラフィー(GPC)及びラジオイムノアッセイ(RIA)によってチェックした。有機溶媒を40℃未満の温度において、真空下で蒸留によって除去し、溶液を凍結し、凍結乾燥した。
180、190、200、210、220、230、240、250及びそれを超える値よりも大きいZ+−数を有する分画を単離するために、CHO細胞中で発現されたFSH突然変異体調製物を実施例3に記載のとおりにイオン交換クロマトグラフィーに供した。
CHO又はHEK293細胞中で発現されたFSH突然変異体調製物を実施例6に記載のとおりに、シアリルブースティングに供した。シアリルブースティングの後、180、190、200、210、220、230、240、250及びそれを超える値よりも大きいZ+−数を有する分画を単離するために、実施例3に従ってFSH突然変異体をイオン交換クロマトグラフィーに供した。
参考文献:
Figure 2005515974
Figure 2005515974
図1は、rFSHから放出されたグリカンのGlycoSep(登録商標)Cカラムを通した溶出のクロマトグラムを表し;ジビニルベンゼン樹脂(5m)でコーティングしたポリマーを充填した4.6×100mmのカラムで、アセトニトリル:水が20:80の移動相、5〜21分の毎分0.25%の酢酸アンモニウム(500mM)のリニアグラジエント、続いて21〜61分の毎分0.525%の酢酸アンモニウム(500mM)のリニアグラジエントを使用する。X軸は保持時間を分で、そしてY軸はシグナル強度をmVで表す。 図2は、第7日までFSHの酸性及び塩基性のイソフォームを受容した患者における第8日におけるサイズカテゴリーあたりの卵胞数(Y軸上)を表す。波線は酸性のイソフォームの結果を表し、斜線は塩基性のイソフォームの結果を表す。 図3は、第7日までFSHの酸性及び塩基性のイソフォームを受容した患者における第10日におけるサイズカテゴリーあたりの卵胞数(Y軸上)を表す。波線は酸性のイソフォームの結果を表し、斜線は塩基性のイソフォームの結果を表す。 図4は、FSHの酸性及び塩基性のイソフォームの最終用量後の患者中の平均血清FSHレベルを表す。X軸は、最初のFSH注射からの時間を時間で表し、Y軸は、血清濃度を免疫反応性のIU/Lで表す。四角(中黒四角)は酸性のイソフォームの注射後の血清濃度を表し;菱形(◆)は塩基性のイソフォームの注射後の血清濃度を表す。血清濃度は、例えば、Daiichi Isotope Laboratory, Japanから提供されるキットを使用したラジオイムノアッセイであるイムノアッセイによって測定した。 図5は、成熟したヒトFSHアルファサブユニットのアミノ酸配列を表す。 図6は、成熟したヒトFSHベータサブユニットのアミノ酸配列を表す。
【配列表】
Figure 2005515974
Figure 2005515974

Claims (39)

  1. FSH調製物であって、該調製物のZ−数が少なくとも約200である、前記調製物。
  2. 上記Z−数が少なくとも約210である、請求項1に記載のFSH調製物。
  3. 上記Z−数が少なくとも約220である、請求項1に記載のFSH調製物。
  4. 上記Z−数が少なくとも約230である、請求項1に記載のFSH調製物。
  5. 上記Z−数が少なくとも約240である、請求項1に記載のFSH調製物。
  6. 上記Z−数が少なくとも約250である、請求項1に記載のFSH調製物。
  7. 上記Z−数が少なくとも約260である、請求項1に記載のFSH調製物。
  8. FSHを含む医薬組成物であって、該FSHが少なくとも約200のZ−数を有する、前記医薬組成物。
  9. 上記FSHが少なくとも約210のZ−数を有する、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 上記FSHが少なくとも約220のZ−数を有する、請求項8に記載の医薬組成物。
  11. 上記FSHが少なくとも約230のZ−数を有する、請求項8に記載の医薬組成物。
  12. 上記FSHが少なくとも約240のZ−数を有する、請求項8に記載の医薬組成物。
  13. 上記FSHが少なくとも約250のZ−数を有する、請求項8に記載の医薬組成物。
  14. 上記FSHが少なくとも約260のZ−数を有する、請求項8に記載の医薬組成物。
  15. 過排卵刺激における使用のための、請求項8〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  16. 卵胞形成におけるFSH調製物の使用であって、該FSHが少なくとも約200のZ−数を有する、前記使用。
  17. 上記FSHが少なくとも約210のZ−数を有する、請求項16に記載の使用。
  18. 上記FSHが少なくとも約220のZ−数を有する、請求項16に記載の使用。
  19. 上記FSHが少なくとも約230のZ−数を有する、請求項16に記載の使用。
  20. 上記FSHが少なくとも約240のZ−数を有する、請求項16に記載の使用。
  21. 上記FSHが少なくとも約250のZ−数を有する、請求項16に記載の使用。
  22. 上記FSHが少なくとも約260のZ−数を有する、請求項16に記載の使用。
  23. 卵胞形成に使用するための薬物の製造におけるFSHの使用であって、該FSHが少なくとも約200のZ−数を有する、前記使用。
  24. 上記FSHが少なくとも約210のZ−数を有する、請求項23に記載の使用。
  25. 上記FSHが少なくとも約220のZ−数を有する、請求項23に記載の使用。
  26. 上記FSHが少なくとも約230のZ−数を有する、請求項23に記載の使用。
  27. 上記FSHが少なくとも約240のZ−数を有する、請求項23に記載の使用。
  28. 上記FSHが少なくとも約250のZ−数を有する、請求項23に記載の使用。
  29. 上記FSHが少なくとも約260のZ−数を有する、請求項23に記載の使用。
  30. 少なくとも約200のZ−数を有するFSH調製物の製造方法であって、2,3−シアリルトランスフェラーゼの存在下でFSHをシアル酸供与体と反応させるステップを含む、前記方法。
  31. 上記FSHが少なくとも約210のZ−数を有する、請求項30に記載の方法。
  32. 上記FSHが少なくとも約220のZ−数を有する、請求項30に記載の方法。
  33. 上記FSHが少なくとも約230のZ−数を有する、請求項30に記載の方法。
  34. 上記FSHが少なくとも約240のZ−数を有する、請求項30に記載の方法。
  35. 上記FSHが少なくとも約250のZ−数を有する、請求項30に記載の方法。
  36. 上記FSHが少なくとも約260のZ−数を有する、請求項30に記載の方法。
  37. 上記シアル酸供与体がCMP-シアル酸である、請求項30〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 上記シアリルトランスフェラーゼがラットST3Gal IIIである、請求項30〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. イオン交換クロマトグラフィーのステップを含む、少なくとも約200のZ−数を有するFSH調製物の製造方法。
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