JP2005514063A - イヌ免疫グロブリン可変ドメイン、イヌ化抗体、ならびにそれらを作製および使用する方法 - Google Patents

イヌ免疫グロブリン可変ドメイン、イヌ化抗体、ならびにそれらを作製および使用する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、イヌの重鎖および軽鎖(λとκの双方)可変ドメインの核酸およびポリペプチドを提供する。本発明はまた、本明細書で開示されるイヌ可変ドメインのフレームワーク配列と、イヌ以外(好ましくは、マウス)に由来する抗体から得た抗原特異的なCDRと、からなるイヌ化抗体を提供する。本発明はまた、イヌ化抗体を作製する方法およびそれを使用する方法を提供する。本開示内容は、イヌのアレルギーの治療に有用なイヌ化抗体について詳細に記載する。イヌ化の一般的な手法により、限定されるものではないが、アレルギー、骨肉種およびリンパ腫などの有用な治療薬の開発が可能となる。

Description

[0001] 本発明は、免疫学の分野に関する。より詳しくは、本発明は、イヌ免疫グロブリン軽鎖および重鎖可変ドメイン、イヌ化抗体、ならびにそれらを作製および使用する方法に関する。
[0002] ある動物由来のモノクローナル抗体を、ヒトへの治療的投与のために免疫原性を低下させるよう改変する方法(ヒト化)は積極的に追及されており、多数の出版物に記載されている(例えば、非特許文献1)。しかし、この方法はイヌの治療薬または診断薬の開発には適用されていない。実際、イヌ可変ドメインに関して公開されているものはほとんどない。
[0003] ワッサーマン(Wasserman)およびカプラ(Capra)(非特許文献2)が、イヌIgMおよびイヌIgA重鎖の可変領域のアミノ酸配列を決定している。
[0004] ワッサーマン(Wasserman)およびカプラ(Capra)(非特許文献3)は、イヌIgAのκ軽鎖のアミノ酸配列を決定している。
[0005] イヌμ鎖の配列。
[0006] 非特許文献4は、単一のイヌIgG−Aγ鎖cDNAおよび4つのイヌIgG−Aγ鎖タンパク質配列を開示している。同文献にはヒト、マウス、ブタおよびウシIgGの保存領域から設計した縮重オリゴヌクレオチドプライマーを用いるイヌ脾臓cDNAライブラリーのPCR増幅が記載されている。
[0007] イヌ抗体に関して入手可能な情報が不足していることによって、イヌの疾患を治療するための治療薬としてのその開発が妨げられている。
[0008] 本明細書に記載したすべての出版物(例えば、特許文書および科学的学術論文)はその全文を本願明細書に援用する。
カール エー ケー ボーレバエック(Carl A.K.Borrebaeck)編、「Antibody Engineering:A practcal Guide.」ダブリュー エイチ フリーマン アンド カンパニー(W.H.Freeman and Company)、1992年 ワッサーマン(Wasserman)およびカプラ(Capra)、Biochem.、第16巻、3160ページ(1977年) ワッサーマン(Wasserman)およびカプラ(Capra)、Immunochem.、第15巻、303ページ(1978年) タンら(Tang et al.)、Vet.Immunology Immunopathology 第80巻、259ページ(2001年)
本発明の目的は、イヌ免疫グロブリン軽鎖および重鎖可変ドメイン、イヌ化抗体、ならびにそれらを作製および使用する方法を提供することである。
[0009] 本発明は、イヌ重鎖および軽鎖(λとκの双方)ドメイン核酸およびポリペプチドを提供する。
[0010] 本発明はまた、本明細書に開示されるイヌ可変領域と、イヌ科の動物以外(好ましくは、マウスまたはイヌ)由来の抗体から得た抗原に特異的なCDRと、からなるイヌ化抗体を提供する。
[0011] 本発明はまた、イヌ化抗体を作製する方法およびそれを使用する方法を提供する。本開示内容は、イヌのアレルギーの治療に有用なイヌ化抗体を詳細に記載する。イヌ化の一般的な方法によって、それだけには限らないが、アレルギー、骨肉種およびリンパ腫を含め、有用な治療薬の開発が可能となる。
[0021] IDEXXは、イヌのアレルギーを治療するための治療用モノクローナル抗体の開発に従事している。イヌの臨床試験に用いた治療用抗体は、マウスモノクローナル抗体15A2のマウス由来抗体可変ドメインと結合させた、重鎖および軽鎖のイヌ抗体定常ドメインから構成されるキメラ組換え分子であった。ブタクサで感作したイヌへのこの抗体の治療的投与は、アレルギーの症状を軽減し、成功したと考えられた。しかし、イヌにおける該キメラ分子の反復および長期投与は、治療薬に対する中和的な体液性免疫応答を誘導し、これによって治療薬は無効となった。この抗キメラ応答の解析によって、この応答が該治療用分子のうちのマウス成分に対するものであることが明確に証明された。したがって本発明者らは、抗体の「イヌ化」によりこの欠点を克服するために、別の生物、通常はマウス由来のモノクローナル抗体を用いること、ならびにイヌに投与する場合には、該分子の免疫原性を低下させるために可変ドメイン内にイヌの免疫グロブリン配列を使用することを示す。特に、この方法は、免疫グロブリン可変ドメインのフレームワーク領域に焦点を当てているが、可変ドメインの相補性決定領域(CDR)も含み得る。本方法の実施を可能にする工程および変形を本開示内容に記載する。
(ポリペプチド組成物)
第1の態様では、本発明は、非イヌ抗体由来の1つまたは複数のCDRを含むキメラのイヌ可変ドメインポリペプチドからなる。
1.H58ファミリー属
[0022] 一実施形態では、本発明は、非イヌ抗体由来の1つまたは複数のCDRを含むキメラのイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドを提供する。本発明によるキメラのイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドは、以下の配列:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Figure 2005514063
Figure 2005514063
であり、X79が−である場合にはX80は−である(「−」はその各位置に残基が存在しないことを意味する)ことを条件とする)からなる化合物である。
2.H58ファミリー亜属
[0023] 本発明のイヌ重鎖可変ドメインは、以下の配列からなる化合物であることが好ましい:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、かつFr
Figure 2005514063
である)。
3.H58ファミリー種
[0024] より好ましい実施形態では、本発明のキメラ重鎖可変領域は以下の配列からなる化合物である:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは以下の組合せ:
Figure 2005514063
から選択される)。
4.H74重鎖可変ドメイン属
[0025] 本発明のイヌの群のH74重鎖可変ドメインポリペプチドは以下の配列からなる化合物である:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Figure 2005514063
であり、ここで、
Figure 2005514063
である)。
5.H74重鎖可変ドメイン亜属
[0026] 本発明のイヌ重鎖可変ドメインは、以下の配列からなる化合物であることが好ましい:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Figure 2005514063
である)。
6.H74重鎖可変ドメイン種
[0027] より好ましい実施形態では、本発明のキメラ重鎖可変領域は以下の配列からなる化合物である:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは以下の組合せ:
Figure 2005514063
から選択される)。
7.H103重鎖可変ドメイン属
[0028] 以下の配列からなるイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Figure 2005514063
Figure 2005514063
である)。
8.H103重鎖可変ドメイン亜属
[0029] 別の実施形態では、本発明は、以下の配列からなる段落[0028]に
記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Figure 2005514063
である)。
9.H103重鎖可変ドメイン種
[0030] 別の実施形態では、本発明は、以下の配列からなる段落[0028]に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Figure 2005514063
である)。
10.その他の重鎖可変ドメイン
[0031] 別の実施形態では、本発明は以下の配列からなる:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは表Nその他のHに示される重鎖可変配列のフレームワーク領域から選択されるフレームワーク領域である)。表Nその他のH中のポリペプチドのフレームワーク配列は、一般に認められた広く入手可能な多数の配列アラインメント・プログラムのいずれかを用いて、既知のヒト可変ドメイン配列のいずれかの対応するフレームワーク配列とアラインする配列として、当業者によって容易に、かつ、慣例的に決定可能である。
11.第2群のλ軽鎖可変ドメイン属
[0032] 本発明のキメラのイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドは以下の配列からなる化合物である:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Figure 2005514063
Figure 2005514063
であり、k≦40のYが−である場合には、l<kのYは−であり、n≧69のYが−である場合には、m>nのYは−であることを条件とする)。
12.第2群のλ軽鎖可変ドメイン亜属
[0033] 本発明のイヌλ軽鎖可変ドメインは、以下の配列からなる化合物であることが好ましい:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
である)。
13.第2群の軽鎖可変ドメイン種
[0034] 本発明のイヌλ軽鎖可変ドメインは以下の配列からなる化合物であることが好ましい:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは以下の組合せ:
Figure 2005514063
Figure 2005514063
から選択される)。
14.第1群の軽鎖可変ドメイン属
[0035] 本発明のキメラのイヌ群第1群軽鎖可変ドメインポリペプチドは以下の配列からなる化合物である:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Figure 2005514063
であり、ここで
Figure 2005514063
であり、a≦25のYが−である場合には、b<aのYは−であり、c≧94のY
が−である場合にはd>cのYは−であることを条件とする)。
15.第1群の軽鎖可変ドメイン亜属
[0036] 本発明のキメラのイヌ群第1群軽鎖可変ドメインポリペプチドは以下の配列からなる化合物である:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
である)。
16.第1群の軽鎖可変ドメイン種
[0037] 本発明のイヌ第1群軽鎖可変ドメインは以下の配列からなる化合物であることが好ましい:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは以下の組合せ:
Figure 2005514063
から選択される)。
17.第3群の軽鎖可変ドメイン属
[0038] 本発明のキメラのイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドは、以下の配列からなる化合物である:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Figure 2005514063
Figure 2005514063
であり、k≦22のY’kが−である場合には、l<kのY’lは−であり、n≧80のY’nが−である場合にはm>nのY’mは−であることを条件とする)。
18.第3群の軽鎖可変ドメイン亜属
[0039] 本発明のイヌλ軽鎖可変ドメインは、以下の配列からなる化合物であることが好ましい:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
である)。
19.第3群の軽鎖可変ドメイン種
[0040] 本発明のイヌ群3軽鎖可変ドメインは、以下の配列からなる化合物であることが好ましい:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは以下の組合せ:
Figure 2005514063
から選択される)。
20.κ軽鎖可変ドメイン属
[0041] 本発明はまた、次式のκ軽鎖可変ドメインポリペプチドからなる:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(式中、
Figure 2005514063
であり、ここで、
Figure 2005514063
であり、k≦37のZ’kが−である場合には、l<kのZ’lは−であることを条件とする)。
21.κ軽鎖可変ドメイン亜属
[0042] 本発明のイヌκ軽鎖可変ドメインは、以下の配列からなる化合物であることが好ましい:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、
Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
であり、Fr
Figure 2005514063
である)。
22.κ軽鎖可変ドメイン種
[0043] 本発明のイヌκ軽鎖可変ドメインは、以下の配列からなる化合物であることが好ましい:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは以下の組合せ:
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
から選択される)。
23.その他のλ軽鎖可変ドメイン
[0044] 別の実施形態では、本発明は以下の配列からなる:
Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
(配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは、表Nλに示された重鎖可変配列のフレームワーク領域から選択されるフレームワーク領域である)。表Nλ中のポリペプチドのフレームワーク配列は、一般に認められ広く入手可能である多数の配列アラインメント・プログラムのいずれかを用いて、既知のヒト可変ドメイン配列のいずれかの対応するフレームワーク配列とアラインする配列として、当業者によって容易に、かつ、慣例的に決定可能である。
(相補性決定領域)
[0045] 本明細書では、CDR、CDR、およびCDRは、ある実施形態ではイヌCDRであり、別の実施形態では同一の非イヌ抗体に由来する非イヌCDRであるようなCDRである。2つのCDRが同一の非イヌ抗体由来であり、かつ、第3のCDR(好ましくはCDR)がイヌCDRであることが好ましい。各位置で好ましいアミノ酸は、太字および下線で示されるものである。本発明のキメラのイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドは、イヌ抗血清と免疫学的に反応性でない。
[0046] 好ましい実施形態では、重鎖のCDRは以下の通りである:
a)C’2’3’4’5’6’7’8’9’10’11であって、
Figure 2005514063
である、
b)以下の
Figure 2005514063
からなる群から選択される、
c)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10であって、
Figure 2005514063
である、
d)GYTFTDYYMHおよびGYIFIDQYMHからなる群から選択される、
e)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10であって、
Figure 2005514063
である、
f)GSVTDIHYWSおよびGSVNSGYYWSからなる群から選択される、または
g)マウス15A2抗体CDR、SGYSFTDYFMNである。
[0047] 好ましい実施形態では、重鎖のCDRは以下の通りである:
a)C’’1’’2’’3’’4’’5’’6’’7’’8’’9’’10’’11’’12’’13’’14’’15’’16’’17であって、
Figure 2005514063
である、
b)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される、
c)C’’1’’2’’3’’4’’5’’6’’7’’8’’9’’10’’11’’12’’13’’14’’15’’16であって、
Figure 2005514063
である、
d)IDPEDGTTSYAQKFQGおよびIDPEDDTTGYAQKFQGからなる群から選択される、
e)C’’1’’2’’3’’4’’5’’6’’7’’8’’9’’10’’11’’12’’13’’14’’15’’16であって、
Figure 2005514063
である、
f)YWRGGTNHNPAFQERIおよびYWSGTTHYNPTFQGRIからなる群から選択される、または
g)マウス15A2抗体CDR、RINPFNGDPFYNQKFKGである。
[0048] 好ましい実施形態では、重鎖のCDRは以下の通りである:
a)C’’’1’’’2’’’3’’’4’’’5’’’6’’’7’’’8’’’9’’’10’’’11’’’12’’’13’’’14’’’15’’’16’’’17’’’18’’’19’’’20であって、
Figure 2005514063
である、
b)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される、
c)GGSRPFNAFG、KWRYYGSQD、DIWDFDおよびYIYGYAAYLDからなる群から選択される、
d)NSDおよびLYRSNYLLDからなる群から選択される、または
e)マウス15A2抗体CDR、FYYGRYYAMDYである。
[0049] 好ましい実施形態では、軽鎖のCDRは以下の通りである:
a)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10’11’12’13であって、
Figure 2005514063
である(ただし、m>2のC’mが−である場合には、n<mのC’nは−である)、
b)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される、
c)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10’11’12’13であって、
Figure 2005514063
である、
d)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される、
e)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10’11’12’13’14であって、
Figure 2005514063
である、または
f)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される。
[0050] 好ましい実施形態では、軽鎖のCDRは以下の通りである:
a)C’’1’’2’’3’’4’’5’’6’’7であって、
Figure 2005514063
である、
b)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される、
c)C’’1’’2’’3’’4’’5’’6’’7であって、
Figure 2005514063
である、
d)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される、
e)C’’1’’2’’3’’4’’5’’6’’7であって、
Figure 2005514063
である、または
f)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される。
[0051] 好ましい実施形態では、軽鎖のCDRは、以下の通りである:
a)C’’’1’’’2’’’3’’’4’’’5’’’6’’’7
’’8’’’9’’’10’’’11’’’12
Figure 2005514063
である、
b)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される、
c)C’’’1’’’2’’’3’’’4’’’5’’’6’’’7’’’8’’’9’’’10’’’11’’’12であって、
Figure 2005514063
である、
d)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される、
e)C’’’1’’’2’’’3’’’4’’’5’’’6’’’7’’’8’’’9’’’10’’’11’’’12
Figure 2005514063
である、または
f)次の
Figure 2005514063
からなる群から選択される。
[0052] 度数分布表およびCDR同定に用いる選択方法は、ウェブ上のカバット(Kabat)データベースを用いるものである。度数分布表を得るためには、http://immuno.bme.nwu.edu/に行き、「検索および解析ツール(searching and analysis tools)」下の「変動(variability)」ツールを用いて、作表したデータをカバット(kabat)データベースで得ることが可能である。(デフォルトの変動プロット(variability plot)の代わりに)「分布(distribution)」表、すなわち与えられたドメイン中の各位置について所与
の位置における各アミノ酸の度数分布の表を選択する。カバット イー エー(Kabat,E.A.)、ウー ティー ティー(Wu,T.T.)、ペリー エイチ エム(Perry,H.M.)、ゴッテスマン ケー エス(Gottesman,K.S.)、フォエラー シー(Foeller,C.)、1991年、「免疫学的に興味深い蛋白質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interests)、第5版」、米国厚生省国立衛生研究所[米国メリーランド州ベテスダ所在](NIH出版物第91−3242号)参照。
(フレームワーク領域の変動およびその他の相同配列)
[0053] 本発明のポリペプチドはまた、1つまたは複数のフレームワーク領域中の1個または複数のアミノ酸をヒト配列の対応する(すなわち、同一位置の)アミノ酸に置換することによって改変された、前記に開示した配列のうちの1つを備えたポリペプチドを含む。ヒト配列由来のアミノ酸は種々の公的に入手可能なデータベースに見られる。段落[0052]参照。
[0054] イヌ化した可変ドメインおよび抗体については、Fr、F、FrおよびFrフレームワーク配列は、2または3の非イヌCDRを得る非イヌ抗体の対応するフレームワーク配列と少なくとも60%相同であるべきである。より好ましくは、かかる配列は、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%相同である。配列間の相同性(%)は、当技術分野で認められた任意のアラインメント・アルゴリズムを用いて求めることができる。以下に開示するイヌ可変ドメインポリペプチド配列は本発明の範囲から特に排除する:
a)ワッサーマン(Wasserman)およびカプラ(Capra)、Biochem.第16巻、3160ページ(1977)
Figure 2005514063
b)ワッサーマン(Wasserman)およびカプラ(Capra)、Immunochem.第15巻、303ページ(1978):
Figure 2005514063
および
c)タングら(Tang et al.)、Vet.Immunology Immunopathology 第80巻、259ページ(2001)。
[0055] 非イヌCDRが得られる配列(例えば、15A2マウス配列)へ復帰突然変異させるイヌフレームワーク領域内のアミノ酸について同定するために、ホモロジー・モデリングを用いることができる。復帰突然変異とは、イヌフレームワーク領域内のアミノ酸を非イヌフレームワーク領域内に見られるアミノ酸へ「戻す」こととして定義する。
[0056] 当業者であれば、適当な復帰突然変異を調べるために、イヌ化抗体に用
いるための1つまたは複数のCDRを備えた非イヌ抗体の三次元分子モデルを作製する既知の方法を使用し得る。各モデルについて、CDRの周囲3オングストローム・シェルおよび6オングストローム・シェル内のアミノ酸を決定する。3および6オングストローム・シェル内に見られるアミノ酸は、標的抗原に対する親和性を向上させる可能性が強い。次いで、6、好ましくは3オングストローム・シェル内のアミノ酸に相当するイヌ抗体フレームワーク領域の1個または複数のアミノ酸を、対応する非イヌ抗体のアミノ酸に、任意選択で「復帰突然変異」させる。
[0057] ブルックヘブン(Brookhaven)タンパク質データ・バンク(PDB)ファイルの操作、モデル構築、モデル改良および部位特異的突然変異誘発のための特定アミノ酸の予測には、分子モデリング/画像プログラムDEEP VIEWが使用可能である(http://www.expasy.ch/spdbv/mainpage.htm で入手可能)。ゲクス エヌ(Guex,N.)およびピーチ エム シー(Peitsch,M.C.)(1997)「スイスモデルとスイスビューア:タンパク質モデル比較のための一環境(SWISS-MODEL and the Swiss-PdbViewer:An environment for comparative protein modeling )」、Electrophoresis 第18巻、2714〜2723ページ。この方法によって適当な復帰突然変異を決定する1モデルでは、非イヌ抗体重鎖および軽鎖の直線配列を、結晶構造が(例えば、ブルックヘブン(Brookhaven)タンパク質データ・バンク中に)存在する既存の配列と比較する。選択される配列は、種々の非イヌ抗体可変ドメインと高い相同性を有する、結晶構造既知の配列である。次いで、この既知の結晶構造に基づいてDEEP VIEWを用いて非イヌ抗体重鎖および軽鎖をモデリング可能である。各モデルについて、CDRの周囲3オングストローム・シェルおよび6オングストローム・シェル内のアミノ酸を決定する。既知の構造およびCDR周囲のこれら2つの同心シェル内のアミノ酸を比較することによって、CDRに直接および/または間接に影響を及ぼし得る重要なアミノ酸の同定が可能となる。
[0058] 本発明のこの態様のイヌ可変ドメインポリペプチドは、当業者に公知の標準的な技法によって作製可能である。例えば、サムブルック(Sambrook)およびラッセル(Russell)、「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual )」(第3版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press )[米国ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー所在]、2001)。簡単に述べれば、イヌ可変ドメインポリペプチドは、イヌ可変ドメインポリペプチドをコードする、対応する核酸を発現させることによって作製可能である。この核酸については以下に、より詳しく記載する。本発明の核酸は適当なベクターに挿入可能であり、好適な発現系でこれらのベクターからイヌ可変ドメインポリペプチドを発現させることができる。
[0059] 本発明はまた、段落[0046]〜[0051]のいずれか1つに記載の1、2または3つのCDRを含む、段落[0022]〜[0043]のいずれか1つに記載のイヌ化可変領域配列からなる。本発明はさらに、段落[0046]〜[0051]のいずれか1つに記載の0〜3つのCDRを含む、段落[0022]〜[0043]のいずれか1つに記載のイヌ化可変領域配列からなる抗体からなる。
[0060] また、本明細書に明確に開示された配列の1つに1または複数のアミノ酸が付加されているか、または該配列から欠失している配列も包含される。置換、欠失および/または付加によって本明細書に明確に開示された配列のうちの1つと異なっており、かつ本明細書に明確に開示された配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の相同性を有する配列も、同様に本発明内に包含されるとみなされる。特に、本発明は、(a)本明細書に明確に開示されたポリペプチド配列の対応するフレームワーク配列(Fr〜Fr)と95、96、97、98または99%相同なフレームワーク
配列、または(b)本明細書に明確に開示されたポリペプチド配列の対応する配列と95、96、97、98または99%相同な、フレームワーク配列およびCDRおよびCDRである配列であるか、前記(a)または(b)の配列をその中に含む配列からもなる。
[0061] 例えば、参照配列と95%相同である配列は、候補配列を参照配列とアラインメントさせた後に、配列中のアミノ酸の95%が参照配列中の対応するアミノ酸と同一であることが必要である。かかる相同配列には、保存的アミノ酸置換によって本明細書に明確に開示された配列と異なる配列が含まれるであろう。保存的アミノ酸置換とは、あるアミノ酸が、ペプチド化学の当業者であればそのポリペプチドの二次構造とハイドロパシー(疎水性親水性)の性質とが実質的に変化しないと予想するであろう、類似の特性を有する別のアミノ酸と置き換わるような置換である。一般に、以下のアミノ酸群は保存的変化を示す:(1)ala、pro、gly、glu、asp、gln、asn、ser、thr;(2)cys、ser、tyr、thr;(3)val、ile、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、hisおよび(5)phe、tyr、trp、his。
[0062] より詳しくは、「保存的アミノ酸置換」は、その位置のアミノ酸残基の極性または電荷に影響をほとんどまたは全く及ぼさない非天然のアミノ酸残基で天然の残基を置換することを含み得る。さらに、「アラニンスキャニング突然変異誘発」について先に記載されているように、ポリペプチド中の天然の残基はいずれもアラニンで置換してもよい。
[0063] 保存的アミノ酸置換はまた、生体システムにおける合成ではなく、通常化学的ペプチド合成によって組み込まれる、非天然アミノ酸残基も包含する。これらとしては、ペプチドミメティックスおよびその他の逆または反転した形態のアミノ酸部分が挙げられる。
[0064] 天然に存在する残基は、共通した側鎖の特性に基づいてクラス分けが可能である:
1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
2)中性親水性:Cys、Ser、Thr;
3)酸性:Asp、Glu;
4)塩基性:Asn、Gln、His、Lys、Arg;
5)鎖の方向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;および
6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
例えば、非保存的置換としては、これらのクラスのうちの1つのあるメンバーを、別のクラスのメンバーと交換することが挙げられる。
[0065] かかる交換を行う際には、アミノ酸のハイドロパシー指数を考慮してもよい。各アミノ酸には、その疎水性と電荷の特性に基づいてハイドロパシー指数が割り当てられている。ハイドロパシー指数は以下の通りである:イソロイシン(+4.5)、バリン(+4.2)、ロイシン(+3.8)、フェニルアラニン(+2.8)、システイン/シスチン(+2.5)、メチオニン(+1.9)、アラニン(+1.8)、グリシン(−0.4)、スレオニン(−0.7)、セリン(−0.8)、トリプトファン(−0.9)、チロシン(−1.3)、プロリン(−1.6)、ヒスチジン(−3.2)、グルタミン酸(−3.5)、グルタミン(−3.5)、アスパラギン酸(−3.5)、アスパラギン(−3.5)、リシン(−3.9)およびアルギニン(−4.5)。
[0066] タンパク質への相互作用的生物学的機能の付与におけるアミノ酸ハイド
ロパシー指数の重要性は、当技術分野では広く理解されている(カイトら(Kyte et al.)、1982、J.Mol.Biol.第157巻:105〜31ページ)。特定のアミノ酸を、類似のハイドロパシー指数またはスコアを有する別のアミノ酸と置換してもよく、依然として同様の生物活性を保持するということが知られている。ハイドロパシー指数に基づいて交換を行う際には、ハイドロパシー指数が±2内にあるアミノ酸の置換が好ましく、±1内のものが特に好ましく、±0.5内のものがさらに特に好ましい。
[0067] 当技術分野では、特に、この場合のように、置換により作られる生物学的機能的に同等なタンパク質またはペプチドが免疫学的実施形態で使用するためのものである場合には、親水性に基づく類似アミノ酸の置換も効果的になされ得るということも理解されている。タンパク質の隣接するアミノ酸の親水性によって支配される、該タンパク質の最大局所平均親水性は、その免疫原性および抗原性、すなわち該タンパク質の生物学的特性と相関がある。
[0068] 以下の親水性値が、これらのアミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0)、リシン(+3.0)、アスパラギン酸(+3.0±1)、グルタミン酸(+3.0±1)、セリン(+0.3)、アスパラギン(+0.2)、グルタミン(+0.2)、グリシン(0)、スレオニン(−0.4)、プロリン(−0.5±1)、アラニン(−0.5)、ヒスチジン(−0.5)、システイン(−1.0)、メチオニン(−1.3)、バリン(−1.5)、ロイシン(−1.8)、イソロイシン(−1.8)、チロシン(−2.3)、フェニルアラニン(−2.5)およびトリプトファン(−3.4)。類似の親水性値に基づいて交換する際には、親水性値が±2内のアミノ酸の置換が好ましく、±1内のものが特に好ましく、±0.5内のものがさらに特に好ましい。また、親水性に基づいて一次アミノ酸配列からエピトープを同定することもできる。これらの領域は「エピトープ性コア領域」とも呼ばれる。
[0069] 当業者ならば、所望のアミノ酸置換(保存的であろうと非保存的であろうと)をかかる置換が望まれるときに決定し得る。アミノ酸置換の例を表Iに示す。
Figure 2005514063
[0070] 本発明の第1の可変ドメインアミノ酸配列が1個または複数のアミノ酸置換により本発明の第2のアミノ酸配列とは異なる場合、第2の配列中のアミノ酸置換は保存的置換であることが好ましい。第2の配列に到達するよう第1の可変ドメイン配列中の特定の位置にどのアミノ酸を置換するかを特定する際には、おそらくは、第1の配列と少なくとも80%(好ましくは、少なくとも85%、90%または95%)の相同性を有するイヌ可変ドメインまたはヒト可変ドメイン中のその位置に現れるアミノ酸を選択する。本発明の第1の配列と第2の配列は少なくとも95%相同となる。
[0071] 表現型上サイレントなアミノ酸置換を為す方法に関するガイダンスは、ボウイら(Bowie et al.)、Science、第247巻:1306〜1310ページ(1990)に提供されており、同文献はアミノ酸配列の変更に対する許容度を研究するための2つの主要な戦略を教示している。
[0072] 第1の戦略では、進化の過程の間の自然選択によるアミノ酸置換の許容度を利用する。様々な種においてアミノ酸配列を比較することによって、種間で保存されていたアミノ酸位置を同定することが可能である。これらの保存されたアミノ酸は、タンパク質機能にとって重要である可能性が高い。対照的に、自然選択による置換が許容されていたアミノ酸位置は、タンパク質機能にとって重要ではない位置を示す。したがって、アミノ酸置換を許容する位置は、ポリペプチドの特異的結合活性を維持しながら改変可能である。
[0073] 第2の戦略は、タンパク質機能にとって重要な領域を同定するために、クローニングされた遺伝子の特定の位置にアミノ酸変更を導入するために遺伝子工学を用いる。例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニンスキャニング突然変異誘発(分子内の各残基に単一のアラニン突然変異を導入すること)が使用可能である(カニンガムら(Cunningham et al.)、Science、第244巻:1081〜1085(1989))。次いで、得られた変異体分子を、本発明の抗体との特異的結合について試験すればよい。
[0074] ボウイら(Bowie et al.)によれば、これら2つの戦略により、タンパク質はアミノ酸置換を驚くほど許容するということが示された。著者らはさらに、タンパク質のあるアミノ酸位において、どのアミノ酸変更が許容的である可能性が高いかを示す。例えば、(タンパク質の三次構造内の)最も埋もれたまたは内側にあるアミノ酸残基は非極性の側鎖を必要とする一方、表面または外側の側鎖の特徴は一般にほとんど保存されていない。
[0075] タンパク質のアミノ酸に突然変異を導入する方法は、当業者に十分に公知である。例えば、オーズベル(Ausubel)(編)、「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons, Inc.)(1994);ティー マニアティス(T.Maniatis)、イー エフ フリッチ(E.F.Fritsch)およびジェイ サムブルック(J.Sambrook)、「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual )、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor laboratory)、米国ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー所在(1989)参照。突然変異はまた、「QuikChange(商標)部位特異的突然変異誘発キット」(ストラタジーン(Stratagene))などの市販のキットを用いても導入可能である。ポリペプチドの機能に影響を及ぼさないアミノ酸の置換による、機能的に活性なポリペプチド変異体の作製は、当業者であれば達成可能である。
[0076] 本明細書において、2つのアミノ酸配列の(または2つの核酸配列の)同一性または相同性(%)は、カーリン(Karlin)およびアルトシュル(Altschul)のアルゴリズム(PNAS USA 第87巻:2264〜2268ページ、1990年)を、カーリン(Karlin)およびアルトシュル(Altschul)、PNAS USA 第90巻:5873〜5877ページ、1993年のように改変したものを用いて求められる。かかるアルゴリズムは、アルトシュルら(Altschul et al.,J.Mol.Biol.第215巻:403〜410、1990年)のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア(score)=100、語長(wordlength)=12を用いて実施される。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア(score)=50、語長(wordlength)=3を用いて実施される。比較目的でギャップのあるアラインメントを得るには、アルトシュルら(Altschul et al.,Nucleic Acids Res.第25巻:3389〜3402ページ、1997年)に記載されたようなGappedBLASTが利用される。BLASTおよびGappedBLASTプログラムを利用する場合には、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトのパラメータを用いて、本発明の核酸分子と相同なヌクレオチド配列を得る。
(好ましいイヌ化可変領域)
[0077] イヌIgEに対して結合親和性を有する十分にイヌ化された重鎖可変ドメインの、以下の配列:
Figure 2005514063
が好ましい。
[0078] イヌIgEに対して結合親和性を有する十分にイヌ化された軽鎖可変領域T1cの、以下の配列:
(a)T1c:
Figure 2005514063
が好ましい。
(物質の核酸組成)
[0079] 第2の態様では、本発明はイヌ可変ドメインをコードする核酸からなる。核酸配列を示す表(NH58、NH74、Nその他のH、NG2、NG1、NG3、N
κおよびNλ)では、下線を引いた核酸配列は分泌リーダー配列をコードする。表NH58、NH74、Nその他のH、NG2、NG1、NG3、NκおよびNλ中の核酸配列は、段落[0022]〜[0044]のH58、H74、G2、G1、G3およびκファミリーのポリペプチドにそれぞれ対応する。分泌リーダー配列を含む、あるいは含まない、表NH58、NH74、Nその他のH、NG2、NG1、NG3、NκおよびNλの核酸によってコードされるポリペプチドもまた、本発明の実施形態である。本発明の核酸は、分泌リーダーをコードする配列を含む、あるいは含まない、表NH58、NH74、Nその他のH、NG2、NG1、NG3、NκおよびNλ中の配列を含む。表Nその他のHおよびNλは、開示された核酸配列によってコードされるポリペプチドを含む。分泌リーダー配列を含む、または含まないこれらのポリペプチドもまた、本発明の実施形態である。
[0080] 詳しくは、本発明の核酸は、イヌ化された軽鎖または重鎖可変ドメインポリペプチドをコードし、表NH58、NH74、その他のH、NG2、NG1、NG3、NκおよびNλ中の核酸のうち1つに由来するフレームワークをコードする配列と、CDRをコードする配列とからなる。表NH58、NH74、その他のH、NG2、NG1、NG3、NκおよびNλ中の核酸のフレームワークをコードする配列は、それらの核酸配列を、フレームワーク配列が本明細書に開示されているか、あるいは決定可能である対応するポリペプチドと比較することによって容易に決定可能である。代替例として、当業者であれば、表NH58、NH74、Nその他のH、NG2、NG1、NG3、NκおよびNλの核酸配列のフレームワークをコードする領域を、一般に認められ広く入手可能な配列アラインメント・プログラムのいずれか(前記で論じた)を用いる配列アラインメントによって既知の特性決定されたヒト可変ドメイン配列と比較することによって日常的に決定し得る。CDRをコードする配列は、段落[0046]〜[0051]中のものなどの適当なCDRをコードする。
[0081] また、本発明の一部は、1つまたは複数の保存的ヌクレオチド置換を含む本明細書に開示された核酸でもある。コドン内の「保存的ヌクレオチド置換」は、そのコドンによってコードされるアミノ酸を変更しない。
1.H58重鎖可変ドメイン
[0082] 本発明のこの態様の1実施形態では、核酸は、表NH58(下記)中の核酸からなる。これらの配列は、段落[0024]に開示されたVポリペプチドをコードする。
[0083] 最も広い実施形態では、本発明のこの態様は、段落[0022]または段落[0023]に開示された可変ドメインポリペプチドをコードする任意の核酸からなる。この核酸の配列は、遺伝暗号を用いてポリペプチドから日常的に決定可能である。
2.H74重鎖可変ドメイン
[0084] 本発明のこの態様の別の実施形態では、核酸は表NH74(下記)中の核酸からなる。これらの配列は、段落[0027]に開示されたVポリペプチドをコードする。
[0085] この態様の別の実施形態では、本発明は、段落[0025]に、より好ましくは、段落[0026]に開示された、可変ドメインポリペプチドをコードする核酸からなる。最も広い実施形態では、本発明のこの態様は、段落[0025]または段落[0026]に開示された可変ドメインポリペプチドをコードする任意の核酸からなる。この核酸の配列は、遺伝暗号を用いて日常的に決定可能である。
3.その他の重鎖可変ドメイン
[0086] 本発明のこの態様の別の実施形態では、核酸は表Nその他のH(下記)中の核酸からなる。
4.第2群の軽鎖可変ドメイン
[0087] 本発明のこの態様の別の実施形態では、核酸は表NG2(下記)中の核酸からなる。これらの配列は、段落[0034]に開示された第2群のλ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする。
[0088] この態様の別の実施形態では、本発明は段落[0032]に、より好ましくは、段落[0033]に開示された可変ドメインポリペプチドをコードする核酸からなる。最も広い実施形態では、本発明のこの実施形態は、段落[0032]または段落[0033]に開示された可変ドメインポリペプチドをコードする任意の核酸からなる。この核酸の配列は、遺伝暗号を用いて日常的に決定可能である。
5.第1群の軽鎖可変ドメイン
[0089] 本発明のこの態様の別の実施形態では、核酸は表NG1(下記)中の核酸からなる。これらの配列は、段落[0037]に開示された第1群の軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする。
[0090] この態様の別の実施形態では、本発明は、段落[0035]に、より好ましくは、段落[0036]に開示された可変ドメインポリペプチドをコードする核酸からなる。最も広い実施形態では、本発明のこの実施形態は、段落[0035]または段落[0036]に開示された可変ドメインポリペプチドをコードする任意の核酸からなる。この核酸の配列は、遺伝暗号を用いて日常的に決定可能である。
6.第3群の軽鎖可変ドメイン
[0091] 本発明のこの態様の別の実施形態では、核酸は表NG2(下記)中の核酸からなる。これらの配列は、段落[0040]に開示された第2群の軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする。
[0092] この態様の別の実施形態では、本発明は、段落[0038]に、より好ましくは、段落[0039]に開示された可変ドメインポリペプチドをコードする核酸からなる。最も広い実施形態では、本発明のこの実施形態は、段落[0038]または段落[0039]に開示された可変ドメインポリペプチドをコードする任意の核酸からなる。この核酸の配列は、遺伝暗号を用いて日常的に決定可能である。
7.κ軽鎖可変ドメイン
[0093] 本発明のこの態様の別の実施形態では、核酸は表Nκ(下記)中の核酸からなる。これらの配列は、段落[0043]に開示されたκ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする。この核酸の配列は、遺伝暗号を用いて日常的に決定可能である。
[0094] 好ましい実施形態では、核酸は、段落[0024]、[0027]、[0034]、[0037]、[0040]、[0043]、[0041]の適当なポリペプチドをコードするよう必要に応じてそれぞれ改変された、表NH58、NH74、Nその他のH、NG2、NG1、NG3、NκまたはNλのうち1つ由来の配列からなる。改変は、適当なコドンをこれらの各表の配列中に置換により組み込んで対象ポリペプチドをコードする配列を得ることからなる。表の配列中に置換により組み込まれるコドンは、いずれかの表に用いたコドンから選択され、一般に、コドンを置換により組み込む位置と同一表内、同一位置の配列に見られる。したがって、例えば、H3の15位でのA→Gアミノ酸変更を除いてH3(表NH58中)と同一であるポリペプチドをコードする本発明の
この態様の核酸は、GCGコドン(H3ポリペプチドの15位でAをコードするH3ヌクレオチド配列のアミノ酸106〜108)が、H4の15位にアミノ酸Gをコードするコドンである(かつH4ヌクレオチド配列のアミノ酸106〜108からなる)GGGと置き換わっている表NH58のH3核酸配列からなるであろう。
[0095] 別の好ましい実施形態では、本発明の核酸は、この核酸を発現するための宿主にとって好ましいコドンからなる。ナカムラら(Nakamura et al.)、Nucl.Acids Res.第28巻、292ページ(2000)。原核生物から哺乳類にわたる多数の種にとって好ましいコドンは公知であり文書に示されている。例えば、上記の文献。in vitroの適用については、細菌の、または他の好ましいコドンが使用可能である。
[0096] 本発明の核酸は任意の技法で作製可能であり、その多くが当業者に十分に公知である。例えば、サムブルック(Sambrook)およびラッセル(Russell)の上記文献。本発明の核酸は、自動シンセサイザーを用いて合成可能であり、PCR増幅可能である。
(イヌ可変ドメインの作製方法)
[0097] 別の態様では、本発明は、イヌ生体サンプルから単離することによるイヌ可変ドメイン核酸の作製方法からなる。哺乳類免疫グロブリン間の相同性が大きいことを考慮して、イヌ可変ドメイン核酸配列を単離するための本発明者らの最初の試みでは、ヒトおよびマウス可変ドメイン配列に基づいた縮重プライマーを用いた。イヌ可変ドメイン核酸配列はそれまで知られていなかったので、このアプローチを採用した。本発明者らは驚くべきことに、5’プライマーを使用しイヌ定常ドメイン配列における反応を3’末端でアンカーすると、軽鎖ではすべての反応が失敗し、重鎖の増幅も極めて低率(21の可能性ある陽性反応のうちの1陽性反応のみ)でしか成功しないということを発見した。哺乳類免疫グロブリン間の著しい相同性のため、この問題は予測不可能であった。したがって、別のアプローチが必要であり、該アプローチは本発明のこの態様の方法からなる。
[0098] この態様では、本発明は、イヌ可変ドメイン核酸配列の作製方法からなり、この方法は、少なくとも1種のイヌ免疫グロブリンをコードするポリ(A)+RNAを含むイヌ生体サンプルを、イヌ定常領域配列に相補的な第1の遺伝子特異的アンチセンスプライマーと、第1の遺伝子特異的アンチセンスプライマーが相補的である配列の5’のイヌ定常領域内の配列に相補的な第2の遺伝子特異的配列とを用いる5’RACE(apid mplification of DNA nds)に供することからなる。イヌ生体サンプルが、イヌ末梢血リンパ球を含むことが好ましい。5’RACE技法は当業者には十分に公知であり、いくつかの総説の主題となっている。例えば、フローマン エム エー(Frohman,M.A.)(1990)「PCRプロトコール:手法と応用のガイド(PCR Protocols:A Guide to Methods and Apllications )」(イニス
エム エー(Inis M.A.)、ゲルファンド ディー エイチ(Gelfand
D.H.)、スニンスキー ジェイ ジェイ(Sninsky J.J.)およびホワイト ティー ジェイ(White,T.J.)編)28ページ、サンディエゴ所在のアカデミック・プレス(Academic Press));ロー イー(Loh,E.)(1991)Methods 2、11;およびフローマン エム エー(Frohman,M.A.)(1993)「Rapid Amplification of Complementary DNA Ends for Generation of Full-Length Complementary DNAs:Thermal RACE 」、Methods in
Enzymology 第218巻:340〜356ページ。
[0099] 当技術分野では多数のイヌ定常ドメイン配列が知られており、第1および第2の遺伝子特異的プライマーを作製するために使用可能である:パテルら(Pate
l et al.)、Immunogenetics 1995年、第41巻(5)、282〜6ページ;タングら(Tang et al.)Vet Immunol Immunopathol 2001年8月10日、第80巻(3〜4)、259〜70ページ;ワッサーマンら(Wasserman et al.)、Science 第200巻(4346)、1159〜1161ページ(1978);米国特許第5,593,861号、同第5,852,183号、特開平09−169795号公報(1997年6月30日公開)(日立化成工業株式会社);特開平04−040894号公報(1992年2月12日公開)(財団法人化学及血清療法研究所(Chemo Sero Therapeut Res Inst));特開平03−123489号公報(1991年5月27日公開)(財団法人化学及血清療法研究所(Chemo Sero Therapeut Res Inst));特開平03−083579号公報(1991年4月9日公開)(財団法人化学及血清療法研究所(Chemo Sero Therapeut Res Inst));ワッサーマンら(Wasserman et al.)、Biochemistry 第16巻(14)、3160〜3168ページ(1977);マックンバーら(McCumber et al.)、Mol.Immunol.第16巻(8)、565〜570ページ(1979)。
(イヌ化抗体およびその作製方法)
[00100] 本発明は、ドナー免疫グロブリン由来の1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)と、イヌ免疫グロブリン由来のフレームワーク領域とを通常備えたイヌ化免疫グロブリン鎖の新規調製方法を提供する。イヌ化は、イヌ免疫グロブリンの1つまたは複数のCDRを非イヌ供給源由来のCDRに置き換えることによって達成される。本発明のこの態様によれば、非イヌCDRは、完全イヌ免疫グロブリン中の対応するCDR(またはその結合断片)と直接置換可能であり、またはCDR遺伝子座を含有する免疫グロブリン断片(例えば、可変ドメイン)中に置換により組み込み、その後置換した断片を完全な免疫グロブリンまたはその結合断片(結合性を有する断片)にしてもよい。
[00101] 好ましい方法は、まず、ドナー免疫グロブリンのフレームワークまたは可変領域アミノ酸配列を、イヌ免疫グロブリン鎖の収集物中の対応する配列と比較すること、および該収集物からさらに相同性の高い配列の1つをイヌ免疫グロブリンとして選択することからなる。イヌ免疫グロブリン、すなわち、アクセプター免疫グロブリンの配列は、一般に、少なくとも10〜20種の免疫グロブリン可変領域配列の収集物から選択され、通常、収集物中のあらゆる配列の中でドナー免疫グロブリン配列と最も高い相同性を有する。イヌ免疫グロブリンフレームワーク配列は、一般に、ドナー免疫グロブリンフレームワーク配列に対し約60〜70%、またはそれよりの高い相同性を有する。ドナー免疫グロブリンは重鎖であっても軽鎖であってもよく、イヌの収集物には同種の鎖が含まれるであろう。イヌ化軽鎖および重鎖は、部分的または完全長のイヌ定常領域を含む、または含まない、2つの軽鎖/重鎖対を備えた、完全なイヌ化免疫グロブリンまたは抗体を形成するために使用可能である。
[00102] イヌ化可変領域を形成するには、当業者に十分に公知の方法(例えば、実施例5に例示したような、一部ドナーCDRコーディング配列からなるプライマーを用いる可変ドメイン核酸配列のPCR増幅)を用いて、イヌアクセプター配列中のアミノ酸をドナー配列のCDR由来の対応するアミノ酸と置き換える。
[00103] 本発明の別の実施形態では、前記の比較工程と併せて、または、別個に、アクセプター免疫グロブリン鎖(好ましくは、軽鎖)中のさらなるアミノ酸をCDRドナー免疫グロブリン鎖由来のアミノ酸に置き換えることが可能である。より詳しくは、アクセプター免疫グロブリンのイヌフレームワークのアミノ酸を、ドナー免疫グロブリン由来の対応するアミノ酸に、以下の位置においてさらに任意選択で置換する:
a.アクセプター免疫グロブリンのイヌフレームワーク領域中のアミノ酸が、その位置では稀であり、かつ、ドナー免疫グロブリン中の対応するアミノ酸がイヌ免疫グロブリン配列中のその位置では一般的であるような位置、
b.アミノ酸がCDRのうちの1つと直接隣接している位置、
c.アミノ酸が、三次元免疫グロブリンモデルにおいてCDRから約6オングストローム内にあり、かつ抗原またはドナーもしくはイヌ化免疫グロブリンのCDRと相互作用し得ると予想される位置、または
d.アクセプター免疫グロブリンのイヌフレームワーク領域中のアミノ酸が、ドナー免疫グロブリンの対応するアミノ酸とは異なっている位置。
[00104] アクセプター免疫グロブリン中のアミノ酸がその位置では稀であり、ドナー免疫グロブリン中の対応するアミノ酸も他のイヌ配列と比べて稀である場合には、任意選択で、アクセプター配列中のアミノ酸を、その位置のイヌ配列に典型的なアミノ酸に置き換えることが可能である。
[00105] 組み合わせて完全な抗体とする場合、本発明のイヌ化軽鎖および重鎖はイヌでは実質的に非免疫原性であり、かつ、抗原(エピトープを含むタンパク質または他の化合物など)に対しドナー免疫グロブリンと実質的に同じ親和性を保持することになる。これらの親和性レベルは約10−1またはそれ以上に異なる可能性があり、ドナー免疫グロブリンの約4倍以内、好ましくは、約2倍以内であり得る。理想的には、イヌ化抗体は、ドナー免疫グロブリンの抗原に対する本来の親和性の少なくとも約60〜90%の親和性レベルを示す。
[00106] 設計してしまえば、本発明の免疫グロブリン(結合断片を含む)は、種々の組換えDNA技術または他の技術によって容易に生産可能である。所望のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを合成によって生産し、必要に応じてPCRを用いて核酸配列に連結されることが好ましい。ポリヌクレオチドは、PCRを用いて、また好ましくは適当なクローニング媒体に挿入して増幅可能であり、コードされるポリペプチドプチドを好適な発現系で発現させることが可能である。
[00107] 特に、本発明の方法によって、最適の結合特性を有するイヌ化免疫グロブリンが得られる見込みが最大となる。イヌ化免疫グロブリンは、モノクローナル抗体療法に感受性の高いイヌ疾患の治療において特に有用である。したがって、別の態様では、本発明は、IgE媒介性の疾患に罹患しているイヌに、本発明のイヌ化抗体(またはその結合断片)を、該疾患と関連している1つまたは複数の症状を軽減するか排除するのに十分な量投与することによって、そのイヌを治療する方法からなる。
[00108] 本発明はまた、完全イヌ化免疫グロブリンの他に、その結合断片からなる。抗体の断片の使用および作製は十分に公知である、例えば、Fab断片[チジュセン(Tijssen)、「酵素免疫測定法の実践と理論(Practice and Theory of Enzyme Immunoassays)」、1985年、アムステルダム所在のエルゼビア(Elsevier)]、Fv断片[ホックマンら(Hochman et al.)、Biochemistry 第12巻、1130ページ(1973年)]、scFv断片(「ファージディスプレイ:実験マニュアル(Phage Display:A Laboratory Manual )」、カール エフ バルバス ザ サード(Carl F.Barbas III)、デニス アール バートン(Dennis R.Burton)、ジャミー ケー スコット(Jamie K.Scott)およびグレッグ ジェイ シルバーマン(Gregg J.Silverman)、米国ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー所在のコールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press.))などである。
[00109] 別の態様では、本発明は少なくとも1種の本発明のイヌ化抗体と製薬上許容可能な担体と、からなる組成物を提供する。
[00110] イヌ化抗体およびその結合断片は、生体サンプル中の抗原の存在を検出するためのin vitroアッセイにも有用である。
(実施例1)イヌ可変ドメインの単離
[00111] イヌλおよびイヌκ軽鎖可変ドメインcDNAならびにIgG可変ドメインcDNAを、イヌ末梢血リンパ球(PBL)から単離したmRNAから合成した。V−D−J組換え済みであり機能的分子をコードする、B細胞由来の可変ドメインcDNAを標的とした。
[00112] 5〜10mlのイヌ血液を、Vacutainer CPT(商標)クエン酸ナトリウム採血管に採取し、1,500×gで20分間遠心した。血漿層を吸引した後、単核細胞層を回収し、PBSで洗浄した。細胞ペレットを2mlのPBSに再懸濁し、Micro−fast Track(商品名)mRNA単離キット(インビトロゲン(Invitrogen))を用いて、製造業者によって指示された通りにポリアデニル化mRNAを単離した。単離後、mRNAは、エタノール中の沈殿物として−80℃で保存した。
[00113] 可変ドメインを5’RACEキット(ギブコライフテクノロジーズ(GIBCO Life Technologies)、バージョン2.0)を用いてmRNAから合成した。簡単に述べると、λ、κまたはIgG定常領域のイヌ定常領域に相補的な遺伝子特異的アンチセンスプライマー(GSP1)を用いて、SuperScript(商標)RT II酵素(ギブコライフテクノロジーズ(GIBCO Life Technologies))によって、第1鎖cDNAをポリ(A)+RNAから作製した。重鎖可変ドメインの単離用には、サブドメイン1をコードする4種の異なるイヌIgG定常鎖(2種は、米国特許第5,593,861号に開示されており(DE94およびDB31)、他の2種(1e5bおよび3k9c)は本出願人がクローニングした)中で一致しているDNA配列からGSP1プライマーを誘導した。軽鎖可変ドメインの単離用には、米国特許第5,593,861号に開示されているλおよびκ定常ドメインの定常領域の配列からGSP1プライマーを誘導した。用いたGSP1プライマーを以下の表に列挙する。
Figure 2005514063
[00114] 第1鎖合成後、RNAをRNアーゼ混合物(RNAse Mix)で分解し、cDNAをGlassmax Spin Cartridgy(商品名)システムで精製した。次いで、末端デオキシヌクレオチド・トランスフェラーゼを用いてcDNAにdCテールを付加した。ギブコ(Gibco)のAbridged Anchor プライマーおよび適当なネステッドGSP2プライマーを用いてPCR増幅を実施した。GSP2プライマーはGSP1プライマーに用いたものと同一の配列から重鎖および軽鎖用に誘導したが、5’RACEプロトコールに記載のように改変した。用いたGSP2プライマーを以下の表に列挙する。
Figure 2005514063
[00115] 次いで、増幅したcDNAをpCR2.1 TOPO TA Cloning(登録商標)キット(インビトロゲン(Invitrogen))およびTOP
10コンピテント細胞(インビトロゲン)を用い、製造業者のプロトコールにしたがってクローニングした。プラスミドDNAは、5mlのLB(Luria’s Broth)培地中37℃で一晩培養して増殖させたシングルコロニーから単離し、次いで、Qiaspin Mini 単離キット(キアゲン(QIAGEN))を用い、製造業者のプロトコールに従って単離した。バージニア大学の配列決定施設で、ABI PRISMシーケンサー・モデル377バージョン3.3を用いてプラスミド挿入部分の自動配列決定を行った。
[00116] DNA配列は日立DNAsis(登録商標)プログラムを用いて解析した。可変ドメインを特徴とするオープンリーディングフレームを保持するクローンを、イヌ免疫グロブリンDNAデータベースを作成するために選抜した。重鎖可変ドメイン・クローン候補を評価するために用いた最初の基準は、5’RACEに用いたプライマーが推定リーディングフレームの3’末端に存在すること、5’RACEに用いたプライマーの配列の5’に、4つのIgG重鎖定常ドメイン配列に対応する配列が存在すること、およびDNA配列のアミノ酸配列への翻訳後に、22位および96位に高度に保存されたシステインが存在することとした。λ鎖可変ドメイン・クローン候補を評価するために用いた基準は、5’RACEに用いたプライマーが、推定リーディングフレームの3’末端に存在すること、5’RACEに用いたプライマーの配列の5’に、κ鎖定常ドメインに対応する配列が存在すること、およびDNA配列のアミノ酸配列への翻訳後に、λ鎖の22位および90位に高度に保存されたシステインが存在することとした。κ鎖可変ドメイン・クローン候補を評価するために用いた基準は、5’RACEに用いたプライマーが、推定リーディングフレームの3’末端に存在すること、5’RACEに用いたプライマーの配列の5’に、κ鎖定常ドメインに対応する配列が存在すること、DNA配列のアミノ酸配列への翻訳後に、κ鎖の23位および93位に高度に保存されたシステインが存在することとした。
[00117] 15A2に対し最も相同性の高い配列を、イヌ化の鋳型として選択した。まず、可変ドメインを、結合している定常ドメインの種類に基づいて選別した:IgG重鎖、λ鎖またはκ鎖。次いで、日立DNAsisタンパク質アラインメント・プログラムを用いて、可変ドメイン配列を、相同性に基づいて、および必要に応じて15A2重鎖可変ドメインまたは15A2軽鎖可変ドメインの配列と比較して、別個の属に分類した。マウス15A2とクローニングしたイヌ可変ドメイン配列との間の相同領域の順位付けは以下の通りである:第1に適当な可変ドメインファミリー(λとλ、重鎖可変ドメインと重鎖可変ドメイン)、次いでフレームワーク領域1、2および3の相同性、次いで、必要に応じて、クローニングしたイヌ可変ドメインのCDR3の、15A2の重鎖または軽鎖のCDR3中のアミノ酸配列との相同性。
(実施例2)可変ドメインの適当な定常ドメインへの移植
[00118] テール付加PCR反応を用いて、CDR移植に適していると考えられる可変ドメインを、適当な定常ドメイン(λまたはIgG)に融合し、一過性COS細胞発現系における発現について調べた。
[00119] イヌ可変ドメインの完全長クローンは、タンパク質の合成、分泌および折り畳みの際にタンパク質分解によって免疫グロブリンから切断される分泌リーダー配列を含む。重鎖可変ドメイン用には、5’末端にコンセンサスKozak配列(H58にはRK278:5’−GGATCCGCCACCATGAACTTGTGGCTAAACTおよびH74にはRK271:5’−GGATCCGCCACCATGGACTGGACCTGGAGGGTC)が付加された、MDWTWRVFFLALLALATGVHSという分泌リーダー配列に相当するオリゴヌクレオチドを合成した。このオリゴをRK276(配列ACCGAGGGCGCCGTGGTGGA)と対にし、DNA鋳型としてp
CR2.1 TOPOクローンを用いて重鎖可変ドメインをPCR増幅した。別のPCR反応では、IgGDE94定常ドメイン(米国特許第5,593,861号)を、RK275:5’−TCCACCACGGCGCCCTCGGTおよびRK186 5’−GGGTCTAGAGCCCTTTCATTTACCCGGAGAATGを用いて増幅した。これらの反応の産物は、アガロースゲル電気泳動を用いた大きさの確認と、続いてゲル精製することによって検証した。
[00120] ゲル精製後、約2ngの各PCR産物を、2μmの5’プライマーRK271および2μmの3’プライマーRK186と合わせ、混合し、PCR増幅に供して、可変ドメインをコードするDNAを、定常ドメインをコードするDNAと融合した。RK275およびRK276プライマーからは、可変ドメイン/CH1ドメイン接合部に相当するDNAコーディング配列の重複部分が生じる。この重複部分によって、PCR反応の際に可変ドメインをコードするDNAの、定常ドメインをコードするDNAとの融合が可能となる。増幅後、PCR産物をゲル精製し、フェノールクロロホルム抽出し、EtOH沈殿させた。TEに再懸濁した後、増幅した可変ドメインを、製造業者のプロトコールにしたがって、pcDNA3.1 TOPO TA Cloning(登録商標)キット(インビトロゲン(Invitrogen))を用いてクローニングし、TOP 10コンピテント細胞(インビトロゲン)に形質転換した。プラスミドDNAは、5mlのLB培地中37℃で一晩培養して増殖させたシングルコロニーから単離し、次いで、Qiaspin Mini 単離キット(キアゲン(QIAGEN))を用い、製造業者のプロトコールにしたがって単離した。機能的な重鎖のクローンを以下に記載のようにスクリーニングした。
[00121] イヌ免疫グロブリンの完全長クローンは、タンパク質分解によって成熟タンパク質鎖から切断される分泌リーダー配列と、可変ドメインと、定常ドメインとを含む。λ可変ドメイン用に、5’末端にコンセンサスKozak配列(第2群にはLG036:5’−CTACGATCTCTGAGAGTCC)が付加された、分泌リーダー配列に相当するオリゴヌクレオチドを合成した。このオリゴをLG012:5’−GAGCTCCTCAGAGGAGと対にして、PCRを用いて軽鎖可変ドメインを増幅した。別のPCR反応では、λ定常ドメインを、LG035:CCGCCCTCCTCTGAGGAGおよびLG027:5’−CTAAGAGCACTCTGCGGGを用いて増幅した。これらの反応の産物は、アガロースゲル電気泳動を用いた大きさの確認と、それに続くゲル精製によって検証した。
[00122] 約2ngの各PCR産物を、2μmのLG036および2μmのLG027と合わせ、混合し、記載の通りPCR増幅した。PCR産物をゲル精製し、フェノール−クロロホルム抽出し、EtOH沈殿させた。TEに再懸濁した後、増幅した完全長免疫グロブリン鎖を、pcDNA3.1 TOPO TA Cloning(登録商標)キット(インビトロゲン(Invitrogen))およびTOP 10コンピテント細胞(インビトロゲン)を用い、製造業者のプロトコールにしたがってクローニングした。次いで、プラスミドDNAを、5mlのLB培地中37℃で一晩培養して増殖させたシングルコロニーから、Qiaspin Mini 単離キット(キアゲン(QIAGEN))を用い、製造業者のプロトコールにしたがって単離した。機能的軽鎖のクローンを以下に記載のようにスクリーニングした。
(実施例3)機能的可変ドメインのスクリーニング
[00123] 機能的可変ドメインのDNAクローンは、一過性COS細胞発現系においてIgG鎖の効率的な分泌に依存するスクリーニングを用いて同定した。COS細胞をDNAなし(偽トランスフェクション)、Hxのみ(1μgのHx発現ベクター)、HxLx(各1μgのHxおよびLx発現ベクター)またはHx1C9L(1μgのHx
発現ベクターおよび1μgの1C9κ軽鎖をコードする発現ベクター)でトランスフェクションした。48時間および72時間でDNAおよび細胞培養上清を回収した。次いで、組織培養上清を、実施例4に記載したようにELISAでIgGについてアッセイした。
[00124] 機能的軽鎖がない場合には、IgG鎖は、トランスフェクション後T=48時間までにはCOS細胞から効率的に分泌されない(図1参照)。軽鎖クローン候補のスクリーニングは、15A2キメラ重鎖用の発現クローンとのコトランスフェクションによって達成した。逆に、重鎖クローン候補のスクリーニングは、15A2キメラ軽鎖用の発現クローンとのコトランスフェクションによって達成した。
[00125] 完全長λ鎖のスクリーニングには、10μlのミニプレップ(miniprep)DNAと1μgのpcDNA3.1::c15A2IgGとのコトランスフェクションを含めた。6ウェルCOSTAR(コーニング社(Corning Inc.))組織培養プレートで75〜95%コンフルエントにしたCOS細胞をトランスフェクションに用いた。DNAは230μlのOpti−MEM(登録商標)I(ギブコ ビーアールエル(Gibco BRL))を用いて、最終体積250μlに希釈した。10μlのLipofect AMINE(商標)2000(ギブコ ビーアールエル(Gibco BRL))を240μlのOpti−MEM(登録商標)Iで希釈し、希釈したDNAと混合し、室温で20分間インキュベートしてDNAをLipofect AMINE(商標)2000と複合体化させた。インキュベーションの間、増殖培地を除去してから500μlのOpti−MEM(登録商標)Iを加えることによって細胞を調製した。0.5mlのDNA/LP2000複合体を各ウェルに加え、5時間インキュベートした。さらに、各ウェルに1mlの増殖培地を加え(DMEM+20%ウシ胎児血清、+L‐glu)、その後、細胞培養上清をT=48時間で回収した。
[00126] 細胞培養上清を1,000×gで5分間遠心分離することによって細胞細片について清澄化し、アジ化ナトリウム最終濃度0.02%に調節して細菌増殖を防いだ。細胞培養上清は、直ちにIgGレベルおよびIgE結合活性についてアッセイするか、後でアッセイするために−20℃で凍結した。対照組織培養ウェルは、DNAを入れず、pcDNA3.1::c15A2IgGのみ、またはpcDNA3.1::c15A2Ig/pcDNA3.1c15A2::λを入れることによって調製した。IgGの産生を、以下に記載のようにアッセイした。
[00127] このアッセイで陽性のクローンを、キアゲン(Qiagen)のエンドトキシンフリー・キット(キアゲン・コーポレイション(Qiagen Corp.)、米国カリフォルニア州バレンシア所在)を用いる大規模なDNA単離のために大腸菌に再度形質転換し、DNA配列決定のために発送した。
[00128] 完全長の重鎖を発現するクローンのスクリーニングを、重鎖発現クローン候補の10μlのミニプレップDNAを1μgのpcDNA3.1:c15A2λDNAと同時トランスフェクションした以外は同一の方法で実施した。
[00129] 正しいDNA配列のものである機能的可変ドメインをコードする単離物を、前記のように、1μgの重鎖に対して1μgの軽鎖という比を用いてCOS細胞にトランスフェクションした。細胞上清を回収し、IgG分泌、IgE結合、および可溶性IgEについて組換え高親和性IgE受容体と競合する能力について評価した。
(実施例4)ELISAアッセイ
[00130] IgG発現についてアッセイするために、96ウェルImmulon(登録商標)4プレート(サーモ・ラボ・システムス(Thermo Lab Sys
tems)、フィンランド国ヘルシンキ所在)でELISAアッセイを実施した。本研究では一貫して4種の異なる種類のELISAアッセイを実施した。IgG濃度、IgE結合、IgEミモトープ結合の測定、および可溶性IgEの中和アッセイである。
[00131] 細胞培養上清中のIgG濃度を測定するために、96ウェルプレートを、炭酸ナトリウム・バッファー(100mM、pH10)で2μg/mlに希釈したウサギ抗イヌFc(ジャクソン・イミノロジカルズ(Jackon Immunologicals)、米国ペンシルバニア州ウェストグローブ(West Grove)所在)をプレートの各ウェルに100μl用いて、コーティングした。プレートへの非特異的結合は、プレートを3%ウシ血清アルブミンでブロッキングすることによって防いだ。キメラ15A2標準物質は、バキュロウイルスによって発現されたタンパク質を、OptiMEM(商標)で100、50、25、12.5、6.25および3.13ng/mlに希釈することによって調製した。細胞培養上清の段階希釈物をOptiMEMで調製し、各希釈物の100μlをプレートに加え、室温で1時間インキュベートした。インキュベート後、プレートをTBS 0.1%Tween20で5回洗浄した。結合している抗体を検出するために、コンジュゲート希釈液(イデックス・ラボズ社(IDEXX Labs
Inc.)、米国メイン州ウェストブルック所在)で1:5000希釈した抗イヌFcセイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート(ジャクソン・イミノロジカルズ(Jackon Immunologicals))100μlを各ウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。TBS 0.1%Tween20で5回洗浄した後、結合しているウサギ抗イヌHRPコンジュゲートの存在を、TMB基質(イデックス・ラボズ社(IDEXX Labs Inc.))を添加して10分間発色させてから停止溶液(100μl/ウェル、イデックス・ラボズ社(IDEXX Labs Inc.))を添加することによって検出した。SOFTmax(登録商標)Proソフトウェアを用いて650nmで吸光度を読み取り、標準曲線をプロットし、データを解析した。IgG発現活性の活性は、組換えc15A2の希釈標準物質、ならびにトランスフェクション対照物の活性と比較することによって評価した。
[00132] IgE結合活性を測定するために、96Immunolon(登録商標)4プレートを、炭酸ナトリウム・バッファー(100mM、pH9.5)で2.5μg/mlに希釈した組換えイヌIgEをプレートの各ウェルに100μl加えて、コーティングした。プレートへの非特異的結合は、プレートを3%ウシ血清アルブミンでブロッキングすることによって防いだ。標準物質の調製およびIgGの検出は前記の通りである。
[00133] IgEミモトープ結合活性を測定するために、プレートを、炭酸ナトリウム・バッファー(100mM、pH9.5)で希釈した2μg/mlのペプチド/KLHコンジュゲートでコーティングした。このペプチドは、IgEに見られる15A2エピトープを模倣するペプチドである。プレートへの非特異的結合は、プレートを3%ウシ血清アルブミンでブロッキングすることによって防いだ。標準物質の調製およびIgGの検出は前記のとおりである。
[00134] 可溶性IgEの中和アッセイは、抗IgE免疫グロブリン分子の、可溶性IgEへの結合能力、および可溶性IgEが高親和性IgE受容体と相互作用するのを抑制する能力を調べるものである。15A2免疫グロブリンはIgEのサブドメイン3と結合し、IgEが高親和性IgE受容体と相互作用するのを抑制する。96ウェルImmulon(登録商標)4プレートを、炭酸ナトリウム・バッファーで10μg/mlに希釈した高親和性IgE受容体をプレートの各ウェルに100μl加えてコーティングする。プレートへの非特異的結合は、プレートを3%ウシ血清アルブミンでブロッキングすることによって防いだ。IgEはOptiMEM培地で100ng/mlに希釈した。清
澄化した細胞培養上清の段階希釈液を調製し、希釈したIgE(最終濃度50ng)と1:1混合した(最終体積200μl)。室温で1時間インキュベートした後、この混合物を高親和性IgE受容体プレートに加えた。1時間インキュベートした後、プレートをTBS 0.1% Tween20で5回洗浄した。結合している抗体を検出するために、コンジュゲート希釈液(イデックス・ラボズ社(IDEXX Labs Inc.))で2μg/mlに希釈した、HRPとコンジュゲートしている抗IgEモノクローナル抗体100μlを、各ウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。TBS 0.1%Tween20で5回洗浄した後、結合している抗IgE HRPコンジュゲートの存在を、TMB基質(イデックス・ラボズ社(IDEXX Labs Inc.))を添加して10分間発色させてから停止溶液(100μl/ウェル、イデックス・ラボズ社(IDEXX Labs Inc.))を添加することによって検出した。
(実施例5)CDR移植
[00135] マウス15A2の相補性決定領域(CDR)を、可変ドメインについてカバット(Kabat)のナンバリング・システムを用いて、ならびにCDRが同定されている他のマウス可変ドメインに対する相同性アラインメントを用いて同定した。
[00136] CDR移植は、PCR反応を用いて達成した。PCR増幅のプロトコールを、イヌ可変ドメインのコード配列を改変するために、注目する突然変異を含む「テール付加した」オリゴを用いた以外は記載された通りに実施した。CDR移植に適した重鎖を同定した後、図5に示される合成オリゴヌクレオチドを合成して使用した。単離されたイヌ可変ドメインはPCR反応の鋳型として用いる。マウス15A2と移植のレシピエントとして選択したイヌ可変ドメインとの比較が図2および3である。15A2 CDRをH74重鎖および第2群の軽鎖に移植するのに用いたオリゴヌクレオチドを以下の表に示す:
Figure 2005514063
[00137] これらのPCR反応の最終産物を、記載したようにpcDNA3.1
TOPO(登録商標)にクローニングした。個々のクローンを、前記のようにIgG鎖の機能的分泌についてスクリーニングし、陽性の単離物を、記載したようにそのDNAを配列決定した。
[00138] 機能的可変ドメインをコードし、正しいDNA配列のものである単離物を、前記のようにCOS細胞にトランスフェクションした。細胞上清を回収し、IgG濃度、IgE結合および可溶性IgEを中和する能力および高親和性IgE受容体と相互作用するのを抑制する能力について評価した。完全にイヌ化された分子が明らかにIgEに結合するという結果を以下に示す。表4は、前記のように実施したELISAアッセイの650nmのODを示す。COS細胞上清は、示された構築物でトランスフェクションされた細胞由来のものである。表5は、15A2キメラ抗体に対して発現レベルを比較した場合の相対濃度レベルを示す。表6は、相対発現レベルに対するIgE結合のODを示す。表7は、IgE結合/発現の比を示す。
Figure 2005514063
[00139] in vivoでの適用における組換え分子による結合親和性およびIgE中和は、前に示したものよりも高いことが好ましい。したがって、本発明者らは、IgEに対する結合親和性を向上させるためにイヌ化免疫グロブリンのさらなる改変に取り組んだ。
(実施例6)ホモロジー・モデリングおよび部位特異的突然変異誘発
[00140] ホモロジー・モデリングを用いて、イヌフレームワーク領域から、15A2マウス配列へ復帰突然変異させ得るアミノ酸を同定した。ブルックヘブン(Brookhaven)タンパク質データ・バンク(PDB)ファイルの操作、モデル構築、モデル改良および部位特異的突然変異誘発のための特定のアミノ酸の予測には、分子モデリング/画像プログラムDEEP VIEWを用いた(http://www.expasy.ch/spdbv/mainpage.htm で入手可能)。ゲクス エヌ(Guex,N.)およびピーチ エム シー(Peitsch,M.C.)(1997)「スイスモデルとスイスビューア:タンパク質モデル比較のための一環境(SWISS-MODEL and the Swiss-PdbViewer:An environment for comparative protein modeling )」、Electrophoresis 第18巻、2714〜2723ページ。DEEP VIEWは以前はSwiss−PdbViewerと
して知られていた。
[00141] マウス15A2の重鎖および軽鎖の直線配列は、1NGQ、1FBIおよび2VIRと呼ばれる、ブルックヘブン(Brookhaven)タンパク質データ・バンクに結晶構造が存在する3つの異なる可変ドメインと高い相同性を有することが判明した。マウス15A2の重鎖および軽鎖は、DEEP VIEWを用いて、これら3つの個別の結晶構造に基づいてモデリングした。各モデルについて、CDRの周囲3オングストローム・シェルおよび6オングストローム・シェル内のアミノ酸を決定した。3つの構造を比較し、CDRの周囲のこれら2つの同心シェル内のアミノ酸を比較することによって、直接および間接的に接触してCDRを支持する可能性がある重要なアミノ酸を同定した。3構造すべてにおいて3および6オングストローム・シェル内に見られたアミノ酸を、CDRコンホメーションに及ぼす影響が高いものとして評価した。
[00142] 図5は、第2群−1の可変ドメインとマウス15A2の軽鎖可変ドメインとのアラインメント、およびH74−1とマウス15A2の重鎖可変ドメインとのアラインメントを示す。CDRは大きな、太字の、下線を引いた活字で示されており、3オングストローム・シェルを構成するアミノ酸は太字で示されており、6オングストローム・シェルを構成するアミノ酸には下線が引いてある。これらドメインの間のアミノ酸の相違は、縦の短線で示されている。CDRの3オングストロームおよび6オングストローム・シェル内で異なっているアミノ酸を復帰突然変異のために指定した。復帰突然変異とは、イヌフレームワーク領域内のアミノ酸をマウスフレームワーク領域内に見られるアミノ酸へ「戻す」こととして定義する。これらのアミノ酸は、抗体のCDRを支持すると考えられ、CDRを支持するアミノ酸のシェルをマウスの配列に変更することは、標的抗原に対する親和性を著しく改善する可能性がある。
[00143] 軽鎖については、T5A、Y41V、PRTI49FTGC、Y54G、S65A、S72I、N74DおよびH92Fを指定した。各復帰突然変異を有する第2群−1の個々の誘導体を前記のように構築し、前記のように一過性COS細胞発現系でキメラ重鎖と同時発現させた。例えば、Y51Gは、前記のようにCOS細胞に15A2キメラ重鎖(Hx)と同時トランスフェクションされている、さらなるY51G突然変異を保持する第2群−1の軽鎖である。COS細胞を、示したDNAによって一過性トランスフェクションする。T=48時間で、COS細胞上清を回収し、イヌ免疫グロブリン濃度およびIgE結合活性についてアッセイする。図6は、イヌIgG濃度(抗イヌ)またはIgE結合活性を測定したELISAアッセイの650nmのODを示す。このアッセイでは、第2群−1の3つの復帰突然変異が、第2群−1のIgE結合活性を増強するとわかる。これらは、Y41G,Y54GおよびH92Fである。
[00144] 3つの復帰突然変異が、イヌ化抗体のIgEとの結合をそれぞれ増強することが判明した。これらはY41V、Y54GおよびH92Fであった(図6参照)。これら3つの復帰突然変異を合わせて1つの軽鎖、第2群−1とし、T1と名付けた。(例えば、Y54は、前記のようにCOS細胞に15A2キメラ重鎖(Hx)と同時トランスフェクションされた、さらなるY54突然変異を保持する第2群−1の軽鎖である)。COS細胞を、図7に示したDNAで一過性トランスクフェクションした。T=48時間で、COS細胞上清を回収し、イヌ免疫グロブリン濃度およびIgE結合活性についてアッセイした。図7は、イヌIgG濃度(抗イヌ)またはIgE結合活性を測定するElisaアッセイの650nmのOD値を示す。第2群−1の3つの復帰突然変異は、合わせて1つの軽鎖にすると、相乗作用的にIgE結合を増強することが見出された。増強されたIgE結合はキメラ15A2、HxLxと同等である。1つの単離物が、IgEに対して特に増強された結合性を有するとわかった。この軽鎖単離物は、3つの復帰突然変異の他にV7A突然変異を有すると判明し、T1cと名付けられた。T1cをキメラ重鎖と
同時発現させると、IgE結合およびIgE受容体競合において第2群−1と比べて著しい増強が観察された(図7参照)。
[00145] 重鎖について復帰突然変異されたアミノ酸は、V5Q、Q38M、D46E、M48I、R67K、V68AおよびS84Rであった。各復帰突然変異を有する個々のH74−1誘導体を前記のように構築し、前記のように一過性COS細胞発現系を用いてキメラ軽鎖と同時発現させた。これら復帰突然変異のうちの1つが、IgE結合を特に増強し、IgE受容体競合アッセイにおいてIgEを中和する効率を特に高めることが見出されたが、S84Rである(イヌIgG濃度またはIgE結合アッセイを測定するElisaアッセイの650nmのOD値を示す、図8Aおよび8Bを参照)。
[00146] H74−1可変ドメインと15A2可変ドメインの高い同一性を考えて、復帰突然変異を、CDRの周囲3オングストロームおよび6オングストローム・シェルの外側の領域に広げることを決めた。これによってアミノ酸K12V、V20I、G44S、A72V、T74K、T76S、Y80H、R87AおよびA88Sを含めた。15A2重鎖可変ドメインと異なる、H74−1可変ドメイン中の隣接するアミノ酸も、対で突然変異させた。これには、AA8GP、AP40SH、AG43KS、RV67KAおよびRA87ASを含めた。COS細胞一過性発現系で15A2キメラ軽鎖と同時発現させると、これらの構築物のうち5つの細胞上清でIgE結合の増強が見られた。これらはA43K、A72V、T74K、A88SおよびA91Sであった(図8Aおよび8Bを参照)。
[00147] 6つの復帰突然変異、A43K、A72V、T74K、S84R、A88SおよびA91Sを混合し、整合させて、H74−1誘導体の多数のシリーズを作製した。最大で3つの突然変異を合わせて1つのH74−1誘導体とした。6種のH74−1誘導体が、キメラ抗体と同程度またはより良好にIgEと結合することがわかった(図9および段落[0077]参照)。
[00148] これらの抗体を、競合アッセイにおいてIgEを中和する能力について調べた。図9に示した構築物を、記載したように、血清を含まない培地で増殖しているCOS7L細胞にトランスフェクションした。各構築物について、30の別個のトランスフェクションを実施した。T=48時間で、細胞培養上清を回収し(2ml/トランスフェクション)、各構築物につき30トランスフェクションをプールし、この物質を遠心分離して細胞細片を除去し、0.22ミクロン(μm)のフィルターを通して濾過した。イヌ免疫グロブリンは、細胞培養上清からプロテインAクロマトグラフィーを用いて精製した。0.25mlの重力流出カラムを用い、細胞培養液をこのカラムに3回通した。カラム体積の10倍容のPBSで洗浄した後、IgGを、Pierce ImmunoPure(登録商標)IgG溶出バッファーを用いて酸溶出させた。pHを、NaPOを用いて直ちにpH7.0に調節した。各構築物について、前記のようにIgG濃度を測定し、他の構築物の結合活性との比較のために7.5μg/mlの濃度に希釈した。各構築物を段階希釈し、2μg/mlのHRPとコンジュゲートしているイヌIgEに加えた(1反応あたり100μl)。1時間インキュベートした後、物質を、イヌ高親和性IgE受容体でコーティングしたElisaプレートに加えた。前記のように受容体競合アッセイを完了した。ODが低いほど、高親和性受容体と結合するIgEが少ない、したがって、組換え免疫グロブリンがうまく競合したことを示す。
[00149] このアッセイでは、6種の異なるイヌ化15A2誘導体が、可溶性IgEの高親和性受容体への結合の抑制に成功した。これらのイヌ化誘導体は、15A2モノクローナル抗体由来の元の可変ドメインと同程度か、またはより良好にIgEと結合する(図9参照)。
(実施例7)抗IgEキメラモノクローナル抗体の治療的投与
[00150] 本発明者らは、in vivoでイヌIgEを標的とする作用を得るために、キメラ抗IgEモノクローナル抗体を作製した。キメラ抗体c15A2は、マウス抗IgEモノクローナル抗体(15A2)由来の定常ドメインと、イヌ抗IgE可変ドメインと、からなるものであった。c15A2は、IgEのサブドメイン3と結合し、肥満細胞および好塩基球上の高親和性IgE受容体と結合するのを阻害するが、高親和性IgE受容体と結合しているイヌIgEとは結合しない。c15A2キメラ抗体を、IgEと高親和性受容体との結合を阻害する能力について、マウス抗IgEモノクローナル抗体15A2と比較したところ、同様に効果的であるとわかった。
[00151] 次に、イヌのアレルギーモデル系で、アレルギーに対する、抗体に基づいた治療の実現可能性を証明しようとした。生きている動物でIgE媒介性の過敏性を低減または排除し得るかどうかを調べようとした。モデルとしてブタクサで感作したイヌを用い、キメラ抗体を用いた治療後にこれらの動物においてブタクサ過敏性が排除されることを目標とした。
[00152] 以下のプロトコールを用いた。約5日間隔で8回の連続投与とした。最初の注入の3日前に実験前の遊離IgEレベルを調べた。キメラ抗体の最初2回の注入はこのレベルの10倍を与えた。その後の用量はすべて、実験前のIgE濃度の5倍を与えた。週1回の頻度でイヌから血清を採取し、アッセイを実施して遊離IgEおよび全IgEを調べた。また、週1回の頻度で、これらの動物における遊離キメラ抗体の量および免疫複合体としてキメラ抗体と結合しているIgEのレベルも調べた。フローサイトメトリー解析を用いて、血中好塩基球上の高親和性IgE受容体の発現レベルを調べた。
[00153] 対照のイヌで6カ月かけて遊離および全血清IgEレベルを測定し、そのレベルは互いにかなり厳密に同等であって、一般に、15〜20μg/mlの範囲にあるが、約10μg/mlほどの低さ〜約35μ/mlまで変動することがわかった。処置したイヌでは、遊離IgEレベルは、キメラ抗IgE抗体の初回注入の約1.5日後には検出不能レベルにまで低下し、全血清IgE(キメラ抗体と結合しているIgEに相当する)は、3回のキメラ抗体注入後の、15日目に検出不能レベルまで単調な低下を示した。本発明者らのアッセイにおける感度レベルは5ng/mlのIgEであると推定している。処置したイヌでは、キメラ抗IgE抗体の最後の注入(33日目)のかなり後であり、かつキメラ抗体が循環血中から除去されたと判断したかなり後である、150日まで、検出可能なレベルの遊離IgEまたは全IgE抗体が観察されなかった。150〜180日の期間でさえ、IgEレベルは、未処置のイヌにおけるレベルよりもかなり低い100〜200ng/mlの範囲にすぎなかった。
[00154] 皮内ブタクサ感受性皮膚試験を実施した。予備処置試験の後、36、40および174日目にさらなる試験を実施した。各試験では、1000PNU(protein nitrogen unit)から0.1PNUまで漸減させてブタクサアレルゲンを投与し、その作用を観察した。対照のイヌでは実験の過程にわたってブタクサに対する感受性の増大を示したのに対し、処置した3個体のイヌのうち2個体は、36および40日目には検出可能な感受性を示さず、感受性が低下した(処置前レベルと比べて)。処置したイヌの3個体目は、3回の処置後の各感受性試験でいくらかの感受性を示したが、処置前レベルよりは低いままであった。これらおよび他の試験によって、血清IgEと結合したキメラ抗体c15A2は、
b)IgE受容体結合を抑制すること、
c)肥満細胞の脱顆粒を抑制すること、
d)好塩基球および肥満細胞でのIgE受容体の発現を減少させること、
e)IgE合成をダウンレギュレーションすること、および
f)ブタクサで感作されたイヌにおいて皮膚試験反応性をなくすこと
が示された。
[00156] さらに、本発明者らは
a)c15a2抗IgE抗体で処置されたイヌでは、約6カ月間、遊離IgEおよび全血清IgEレベルがなくなること、
b)ブタクサに対する皮膚試験感受性がc15A2処置後になくなること、
c)処置したイヌでは、最大6カ月間、新規IgEを合成する能力がなくなること、および
d)循環血中の好塩基球でIgE受容体の発現がダウンレギュレーションされること
を観察した。
(実施例8)イヌ化抗体のin vivoでの使用
[00157] イヌ化モノクローナル抗体15A2は、種々の方式でイヌに投与可能でありIgEレベルの低下を引き起こすことが可能である。
(血清中の血中IgEおよびIgE複合体を検出するためのElisaアッセイ)
[00158] 「遊離」IgE −遊離IgEとは、高親和性IgE受容体と結合可能な血清中のIgEと定義する。このアッセイは、マウスmAb15A2を固相上で用いる。イヌ血清の段階希釈物を、コンジュゲート・ディリージェント(diligent)IDEXX6680で調製し、15A2プレートで1時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、αイヌHRPコンジュゲートを用いてIgEを検出する。
[00159] IgE複合体/全IgE −IgE複合体とは、高親和性受容体と結合不可能な血清中のIgEと定義する。これらのIgE分子は試験物質または何らかの他の分子と結合している可能性がある。このアッセイでは、14K2を固相上で用いる。イヌ血清の段階希釈物を、コンジュゲート・ディリージェント(diligent)IDEXX6680で調製し、14k2プレートで1時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、αイヌHRPコンジュゲートを用いてIgEを検出する。
(用量計算)
[00160] 試験物質の用量計算には、IgE濃度と、体重に基づくイヌの推定血液体積とを取り入れる。次式:
μg/ml IgE(遊離)×Kg×0.06=血清中の遊離IgE(mgs)
(式中、
μg/ml IgE(遊離)は前記のElisaによって求め、
Kg=イヌの体重(キログラム)であり、
0.06=イヌの血液体積を推定するための定数である)
を用いる。
[00161] 以下に開示した研究には、10倍の遊離IgE濃度のイヌ化15A2モノクローナル抗体を、体積30mlとして30分かけて静脈注入した。投与の前に、該イヌ化抗体を5%グリセロールを含むPBS(ビヒクル)で希釈した。プラセボ群のイヌにはビヒクルのみを、体積30mlとして30分かけて静脈注入した。イヌ化モノクローナル抗体(変異体H74−58/Tic)は、NSO発現系を用いて哺乳類細胞培養物で産生させた。抗体は、プロテインAアフィニティーカラムを用いて組織培養上清からアフィニティー精製し、次いで、mono−Qカラムを通して夾雑物を吸着させた。イヌには全部で9回用量の試験物質を毎週与えたが、投与番号2については4日ごとに投与した。
(用量の計算)
Figure 2005514063
[00162] プラセボ群のイヌでは、研究の過程の間に全IgE濃度がいくらか変化している。試験物質を与えたイヌでは、血清IgEレベルが初期に増加し、48時間後に急降下しはじめる。25日目には、IgEは本発明者らのアッセイでは血清中で検出不能である。このアッセイの感度は血清中で約5ng/mlである。
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
Figure 2005514063
本願明細書および特許請求の範囲の表において、「and」は「および」、「or」は「または」を意味する。また、表中の「is」は「(主語に続いて)は〜である」を意味する。従って、例えば「X is D or E」は「XはDまたはEである」を意味する。
COS細胞からのIgGの分泌を測定することによる機能的重鎖および軽鎖可変ドメインのスクリーニング結果を示す図。 イヌ化用に選択された軽鎖可変ドメインおよび同ドメインの15A2に対するアラインメントを示す図。アミノ酸の相違が縦線で示されている。 イヌ化用に選択されたH74重鎖可変ドメインおよび同ドメインの15A2に対するアラインメントを示す図。相違が縦線で示されている。 15A2 CDRのイヌ可変ドメインへのCDR移植と、完全長の重鎖および軽鎖の構築とを示す図。 15A2:軽鎖および重鎖の分子モデリングの解説を示す図。 復帰突然変異を有するイヌ化軽鎖可変ドメインによるIgEへの結合の増強を示す図。 個々の軽鎖復帰突然変異を合わせて単一の分子とした結果IgEへの結合が増強されたことを示す図。 復帰突然変異を有するイヌ化重鎖可変ドメインによるIgEへの結合の増強を示す図。 復帰突然変異を有するイヌ化重鎖可変ドメインによるIgEへの結合の増強を示す図。 完全にイヌ化された免疫グロブリンによるIgEの中和を示す図。

Claims (102)

  1. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    であり、
    Figure 2005514063
    であり、ならびに
    CDR、CDRおよびCDRは相補性決定領域(CDR)であって、「−」はその各位置にアミノ酸残基が存在しないことを意味し、X79が−であるときにはX80が−であることを条件とする)
    からなるイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  2. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    である)
    からなる請求項1に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  3. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    である)
    からなる請求項1に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  4. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    Figure 2005514063
    である)
    からなるイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  5. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    である)
    からなる請求項4に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  6. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    である)
    からなる請求項4に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  7. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    Figure 2005514063
    である)
    からなるイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  8. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    である)
    からなる請求項7に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  9. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    である)
    からなる請求項7に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  10. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは、表Nその他のHに示される重鎖可変配列のフレームワーク領域から選択されるフレームワーク領域である)
    からなる請求項7に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  11. CDRがすべてイヌ抗体由来である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  12. CDRがすべて同一の非イヌ抗体由来である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  13. 2つのCDRが同一の非イヌ抗体由来であり、第3のCDRがイヌCDRである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  14. 前記イヌCDRがCDRである、請求項13に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  15. CDR
    a)C’2’3’4’5’6’7’8’9’10’11であって、
    Figure 2005514063
    である、
    b)次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    c)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10であって、
    Figure 2005514063
    である、
    d)GYTFTDYYMHおよびGYIFIDQYMHからなる群から選択される、
    e)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10であって、
    Figure 2005514063
    である、
    f)GSVTDIHYWSおよびGSVNSGYYWSからなる群から選択される、または
    g)マウス15A2抗体CDR、SGYSFTDYFMNである、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  16. CDR
    a)C’’1’’2’’3’’4’’5’’6’’7’’8’’9’’10’’11’’12’’13’’14’’15’’16’’17であって、
    Figure 2005514063
    である、
    b)次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    c)C’’1’’2’’3’’4’’5’’6’’7’’8’’9’’10’’11’’12’’13’’14’’15’’16であって、
    Figure 2005514063
    である、
    d)IDPEDGTTSYAQKFQGおよびIDPEDDTTGYAQKFQGからなる群から選択される、
    e)C’’1’’2’’3’’4’’5’’6’’7’’8’’9’’10’’11’’12’’13’’14’’15’’16であって、
    Figure 2005514063
    である、
    f)YWRGGTNHNPAFQERIおよびYWSGTTHYNPTFQGRIからなる群から選択される、または
    g)マウス15A2抗体CDR、RINPFNGDPFYNQKFKGである、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  17. CDR
    a)C’’’1’’’2’’’3’’’4’’’5’’’6’’’7’’’8’’’9’’’10’’’11’’’12’’’13’’’14’’’15’’’16’’’17’’’18’’’19’’’20であって、
    Figure 2005514063
    である、
    b)次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    c)GGSRPFNAFG、KWRYYGSQD、DIWDFDおよびYIYGYAAYLDからなる群から選択される、
    d)NSDおよびLYRSNYLLDからなる群から選択される、または
    e)マウス15A2抗体CDR、FYYGRYYAMDYである、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  18. CDRがマウス15A2抗体CDR、SGYSFTDYFMNであり、かつ/または
    CDRがマウス15A2抗体CDR、RINPFNGDPFYNQKFKGであり、かつ/または
    CDRがマウス15A2抗体CDR、FYYGRYYAMDYである、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  19. 次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択されるイヌ重鎖可変ドメインポリペプチド。
  20. 請求項1〜10および19のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであることを特徴とする核酸。
  21. 請求項11に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであることを特徴とする核酸。
  22. 請求項12に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであることを特徴とする核酸。
  23. 請求項13に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドン
    であることを特徴とする核酸。
  24. 請求項14に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであることを特徴とする核酸。
  25. 請求項15に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであることを特徴とする核酸。
  26. 請求項16に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであることを特徴とする核酸。
  27. 請求項17に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであることを特徴とする核酸。
  28. 請求項18に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであることを特徴とする核酸。
  29. イヌ重鎖可変ドメインをコードする核酸であって、(a)表NH58中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、および(b)1つまたは複数の保存的ヌクレオチド置換を含む、表NH58中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、から選択されるフレームワークをコードする配列からなる核酸。
  30. イヌ重鎖可変ドメインをコードする核酸であって、(a)表NH74中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、および(b)1つまたは複数の保存的ヌクレオチド置換を含む、表NH74中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、から選択されるフレームワークをコードする配列からなる核酸。
  31. イヌ重鎖可変ドメインをコードする核酸であって、(a)表Nその他のH中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、および(b)1つまたは複数の保存的ヌクレオチド置換を含む、表Nその他のH中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、から選択されるフレームワークをコードする配列からなる核酸。
  32. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    Figure 2005514063
    であり、k≦40のYが−である場合には、1<kのYは−であり、n≧69のYが−である場合には、m>nのYは−であることを条件とする)
    からなるイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  33. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    である)
    からなる請求項32に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  34. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは以下の組合せ:
    Figure 2005514063
    Figure 2005514063
    から選択される)
    からなる請求項32に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  35. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    Figure 2005514063
    (ここで、
    Figure 2005514063
    であり、a≦25のYが−である場合には、b<aのYは−であり、c≧94のYが−である場合には、d>cのYは−であることを条件とする)
    からなるイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  36. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    である)
    からなる請求項35に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  37. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    である)
    からなる請求項35に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  38. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、
    Figure 2005514063
    Figure 2005514063
    であり、k≦22のY’kが−である場合には、1<kのY’1は−であり、n≧80のY’nが−である場合には、m>nのY’mは−であることを条件とする)
    からなるイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  39. Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    である、請求項38に記載の軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  40. Fr、Fr、FrおよびFrが以下の組合せ:
    Figure 2005514063
    から選択される、請求項38に記載の軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  41. 次式:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (式中、
    Figure 2005514063
    Figure 2005514063
    であり、k≦37のZ’kが−である場合には、1<kのZ’1は−であることを条件とする)
    のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  42. Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    であり、Fr
    Figure 2005514063
    である、請求項41に記載の軽鎖可変ドメイン。
  43. Fr、Fr、FrおよびFrが以下の組合せ:
    Figure 2005514063
    Figure 2005514063
    Figure 2005514063
    から選択される、請求項41に記載の軽鎖可変ドメイン
  44. 以下の配列:
    Fr−CDR−Fr−CDR−Fr−CDR−Fr
    (配列中、Fr、Fr、FrおよびFrは、表Nλに示された重鎖可変配列のフレームワーク領域から選択されるフレームワーク領域である)
    からなるイヌ軽鎖可変ドメイン。
  45. CDRがすべてイヌ抗体由来である、請求項32〜44のいずれか一項に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  46. CDRがすべて同一の非イヌ抗体由来である、請求項32〜44のいずれか一項に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  47. 2つのCDRが同一の非イヌ抗体由来であり、第3のCDRがイヌCDRである、請求項32〜44のいずれか一項に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  48. イヌCDRがCDRである、請求項47に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  49. CDR
    a)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10’11’12’13であって、
    Figure 2005514063
    である(ただし、m>2のC’mが−である場合には、n<mのC’nは−である)、
    b)次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    c)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10’11’12’13であって、
    Figure 2005514063
    である、
    d)次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    e)C’1’2’3’4’5’6’7’8’9’10’11’12’13’14であって、
    Figure 2005514063
    である、または
    f)次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    請求項32〜44のいずれか一項に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  50. CDRが、
    Figure 2005514063
    である、かつ/または
    CDR
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、かつ/または
    CDR
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    請求項32〜44のいずれか一項に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  51. CDR
    a)C’’’1’’’2’’’3’’’4’’’5’’’6’’’7’’’8’’’9’’’10’’’11’’’12
    Figure 2005514063
    である、
    b)次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    c)C’’’1’’’2’’’3’’’4’’’5’’’6’’’7’’’8’’’9’’’10’’’11’’’12であって、
    Figure 2005514063
    である、
    d)次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    e)C’’’1’’’2’’’3’’’4’’’5’’’6’’’7’’’8’’’9’’’10’’’11’’’12であって、
    Figure 2005514063
    である、または
    f)次の
    Figure 2005514063
    からなる群から選択される、
    請求項32〜44のいずれか一項に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  52. Figure 2005514063
    であるイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチド。
  53. 請求項32〜44のいずれか一項に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであり得る核酸。
  54. 請求項45に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであり得る核酸。
  55. 請求項46に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであり得る核酸。
  56. 請求項47に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであり得る核酸。
  57. 請求項48に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであり得る核酸。
  58. 請求項49に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであり得る核酸。
  59. 請求項50に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであり得る核酸。
  60. 請求項51に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各
    コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであり得る核酸。
  61. 請求項52に記載のイヌ軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする核酸であって、各コドンが、該ポリペプチドの対応するアミノ酸をコードする遺伝暗号のいずれかのコドンであり得る核酸。
  62. イヌ軽鎖可変ドメインをコードする核酸であって、(a)表NG1中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、および(b)1つまたは複数の保存的ヌクレオチド置換を含む、表NG1中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、から選択されるフレームワークをコードする配列からなる核酸。
  63. イヌ軽鎖可変ドメインをコードする核酸であって、(a)表NG2中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、および(b)1つまたは複数の保存的ヌクレオチド置換を含む、表NG2中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、から選択されるフレームワークをコードする配列からなる核酸。
  64. イヌ軽鎖可変ドメインをコードする核酸であって、(a)表NG3中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、および(b)1つまたは複数の保存的ヌクレオチド置換を含む、表NG3中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、から選択されるフレームワークをコードする配列からなる核酸。
  65. イヌ軽鎖可変ドメインをコードする核酸であって、(a)表Nκ中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、および(b)1つまたは複数の保存的ヌクレオチド置換を含む、表Nκ中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、から選択されるフレームワークをコードする配列からなる核酸。
  66. イヌ軽鎖可変ドメインをコードする核酸であって、(a)表Nλ中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、および(b)1つまたは複数の保存的ヌクレオチド置換を含む、表Nλ中の核酸のうちの1つの、フレームワークをコードする核酸配列、から選択されるフレームワークをコードする配列からなる核酸。
  67. 請求項1〜10および請求項19のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  68. 請求項11に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  69. 請求項12に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  70. 請求項13に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  71. 請求項14に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  72. 請求項15に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  73. 請求項16に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  74. 請求項17に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  75. 請求項18に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  76. 請求項32〜44および請求項52のいずれか一項に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  77. 請求項45に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  78. 請求項46に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  79. 請求項47に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  80. 請求項48に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  81. 請求項49に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  82. 請求項50に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  83. 請求項51に記載のイヌ重鎖可変ドメインポリペプチドからなる重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインと、からなる抗体。
  84. 請求項32〜52のいずれか一項に記載の軽鎖可変ドメインからさらになる、請求項67〜75のいずれか一項に記載の抗体。
  85. 請求項67〜83のいずれか一項に記載の抗体の断片であって、前記抗体が特異的に結合する抗原に特異的に結合する断片。
  86. イヌ可変ドメイン核酸配列を作製する方法であって、
    a)イヌ生体サンプルを、イヌ定常領域配列に相補的な第1の遺伝子特異的アンチセンスプライマーと、第1の遺伝子特異的アンチセンスプライマーが相補的である配列の5’側のイヌ定常領域内の配列に相補的な第2の遺伝子特異的配列とを用いる5’RACE(Rapid Amplification of cDNA Ends)に供する工程、および
    b)5’RACE増幅したイヌ可変ドメインを特徴とする配列を含む、工程a)の5’RACEによって生産された核酸を単離する工程
    からなり、
    該イヌ生体サンプルが少なくとも1つのイヌ免疫グロブリンをコードするポリ(A)+RNAを含むことを特徴とする方法。
  87. イヌ可変ドメイン核酸を作製する方法であって、
    a)ドナー免疫グロブリンフレームワークまたは可変領域アミノ酸配列を、イヌ免疫グロブリンの収集物中の対応する配列と比較する工程と、
    b)ドナー免疫グロブリン配列と少なくとも60%相同なイヌ免疫グロブリン(アクセプター免疫グロブリン)を、収集物から選択する工程と、
    c)アクセプター免疫グロブリンの1つ、2つまたは3つのCDRを、ドナー免疫グロブリンの対応するCDRと置換する工程と
    からなる方法。
  88. イヌ可変ドメイン核酸を作製する方法であって、アクセプターイヌ免疫グロブリンの少なくとも1つのフレームワークアミノ酸(第1のアミノ酸)を、ドナー免疫グロブリンの対応するアミノ酸(第2のアミノ酸)に置換することからなり、
    a)第1のアミノ酸がその位置では稀であり、かつ、第2のアミノ酸がイヌ免疫グロブリン配列のその位置では一般的であるか稀である、
    b)第1のアミノ酸がCDRと直接隣接している、
    c)該アクセプター免疫グロブリンのアミノ酸または該ドナー免疫グロブリンの対応するアミノ酸が、三次元免疫グロブリンモデルにおいてCDRの約6Å以内にあると推定され、該免疫グロブリンが結合する抗原と相互作用するか、または対応するドナーもしくはアクセプター免疫グロブリンのCDRと相互作用する、あるいは
    d)該アクセプター免疫グロブリンのイヌフレームワーク領域中のアミノ酸がドナー免疫グロブリンの対応するアミノ酸と異なっている、
    ことを特徴とし、かつ
    ドナーおよびアクセプター免疫グロブリンが互いに60%より高い相同性を有し、少なくとも1つの共通の抗原と結合することを特徴とする方法。
  89. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項67〜83のいずれか一項に記載の免疫グロブリンから選択される、請求項88に記載の方法。
  90. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項1〜10および請求項19のいずれか一項に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  91. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項1〜10および請求項19のいずれか一項に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  92. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項11に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  93. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項12に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  94. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項13に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  95. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項14に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  96. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項15に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  97. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項16に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  98. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項17に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  99. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項18に記載の重鎖可変ドメインからなる、請求項88に記載の方法。
  100. 前記アクセプターイヌ免疫グロブリンが、請求項32〜52のいずれか一項に記載の軽鎖可変ドメインからなる、請求項88〜99のいずれか一項に記載の方法。
  101. 請求項89〜100のいずれか一項に記載の方法にしたがって生産されるイヌ免疫グロブリン。
  102. IgE媒介性の疾患に罹患しているイヌを治療する方法であって、前記イヌに、前記疾患と関係している1つまたは複数の症状を軽減または排除するのに十分な量の請求項67〜85のいずれか一項に記載のイヌ化抗体またはその結合断片を投与することからなる方法。
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