JP2005505674A - 安定性を向上した高分子ミセル組成物 - Google Patents

安定性を向上した高分子ミセル組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005505674A
JP2005505674A JP2003536325A JP2003536325A JP2005505674A JP 2005505674 A JP2005505674 A JP 2005505674A JP 2003536325 A JP2003536325 A JP 2003536325A JP 2003536325 A JP2003536325 A JP 2003536325A JP 2005505674 A JP2005505674 A JP 2005505674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polylactic acid
polymer
pla
polymer composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003536325A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3955846B2 (ja
JP2005505674A5 (ja
Inventor
ミン ヒョ ソ
サ ウォン リー
ヒー ジョ キム
ジェン キョン キム
ミョン ハン ヒュン
ジョン イル ユ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samyang Corp
Original Assignee
Samyang Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samyang Corp filed Critical Samyang Corp
Publication of JP2005505674A publication Critical patent/JP2005505674A/ja
Publication of JP2005505674A5 publication Critical patent/JP2005505674A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3955846B2 publication Critical patent/JP3955846B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/107Emulsions ; Emulsion preconcentrates; Micelles
    • A61K9/1075Microemulsions or submicron emulsions; Preconcentrates or solids thereof; Micelles, e.g. made of phospholipids or block copolymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L53/005Modified block copolymers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

親水性ブロックと疎水性ブロックからなる両親媒性ブロック共重合体、及びポリ乳酸の1個の末端が少なくとも一つのカルボキシル基に共有結合されたポリ乳酸誘導体を含む、水溶液で安定なミセルを形成しうる高分子組成物に関する。ポリ乳酸誘導体のカルボキシル基は二−または三価金属イオンで固定することができ、高分子組成物に二−または三価金属イオンを添加して得ることができる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は高分子ミセル組成物に関し、より詳しくは、親水性ブロックと疎水性ブロックからなる両親媒性ブロック共重合体及び少なくとも1個のカルボキシル末端基を有するポリ乳酸誘導体を含む高分子ミセル組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生分解性高分子を用いたナノ粒子システム及び高分子ミセルシステムが静脈投与によって投与された薬物の体内分布を変更してその副作用を軽減させ、効能が向上された有用な技術として報告されている。このようなシステムは薬物の特異的な細胞標的化及び放出調節のような長所を提供する。このようなシステムは体液との適合性に優れ、難水溶性薬物の溶解度及び生体利用効率を向上させる。
【0003】
親水性成分と疎水性成分からなるブロック共重合体に薬物を物理的に封入してブロック共重合体ミセルを製造する方法が欧州特許公開EP0583955A2及び日本特許公開平6−206,815号に開示されている。使用されたブロック共重合体は親水性A成分としてポリエチレンオキサイドを、疎水性B成分としてポリアミノ酸または疎水性官能基を有するその誘導体を含むA−B型ジブロック共重合体である。上記ブロック共重合体を含む高分子ミセルは高分子ミセルの内部コア(core)にアドリアマイシンまたはインドメタシン等薬物を物理的に保持させて薬物伝達体として使われ得る。しかし、これらの高分子ミセルは生体内分解が難しいブロック共重合体で構成されている。また、上記ブロック共重合体は低い生体適合性であり、生体内投与されるとき、望ましくない副作用が誘発され得る。
【0004】
難水溶性薬物を封入し、安定性及び効能が増強された生分解性及び生体適合性コア−シェル(core-shell)型薬物伝達体を開発しようとする多くの努力が行なわれている。ポリマーが、シェルとして親水性のポリエチレンオキサイドと、コアとして水溶液中で架橋する疎水性の生分解性高分子からなるコア−シェル型ポリマーである化学的に固定された高分子ミセルの製造方法が欧州特許公開EP0552802A2に開示されている。しかし、この高分子ミセルは製造することが困難である。なぜならコアを構成する高分子が安定な構造をなすためには、架橋結合物質をA−B型ジブロックまたはA−B−A型トリブロック共重合体の疎水性部分に導入しなければならないからである。また、人体に適用されたことがない架橋結合物質を使用することは安全性の問題がある。
【0005】
一方、疎水性薬物を可溶化するために、ポリアルキレングリコール誘導体の親水性高分子と脂肪酸ポリエステルまたはポリアミノ酸のような疎水性の生分解性高分子を含むジまたはトリブロック共重合体からなる高分子ミセルが報告されている。米国特許第5,449,513号は親水性高分子としてポリエチレングリコールと、疎水性高分子としてポリベンジルアスパラギン酸などのポリアミノ酸誘導体を含むジブロック共重合体を開示している。このジブロック共重合体は疎水性抗癌剤、例えば、ドキソルビシン、または抗−炎症剤、例えばインドメタシンを可溶化することができる。しかし、上記ポリアミノ酸誘導体は生体内で加水分解されず、従って免疫反応による副作用を引き起こす。
【0006】
米国特許第5,429,826号は親水性ポリアルキレングリコールと疎水性ポリ乳酸からなるジブロック共重合体またはマルチブロック共重合体を開示している。具体的に、上記特許は、ジまたはマルチブロック共重合体の末端基にアクリル酸誘導体を結合させ、その共重合体を水溶液中でミセル化するために、架橋結合させているジまたはマルチブロック共重合体をミセル化することによって高分子ミセルを安定化させる方法を記載している。上記方法は高分子ミセルの安定化は達成できるが、架橋結合された高分子が分解されず、生体内での利用が不可能である。上記高分子ミセルは中性pHを有する水溶液中で多量の難水溶性薬物を可溶化することはできるが、短時間内に薬物を放出してしまうという短所を持っている。
【特許文献1】
欧州特許公開EP0583955A2
【特許文献2】
日本特許公開平6−206,815号
【特許文献3】
欧州特許公開EP0552802A2
【特許文献4】
米国特許第5,449,513号
【特許文献5】
米国特許第5,429,826号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の点から見て、生体適合性があり、生分解性である改善された疎水性薬物伝達用高分子ミセル組成物の開発が要望されている。従って、本発明は生体適合性で生分解性であり、且つ疎水性薬物を、安定性の減少なく、效果的に伝達できる改善された高分子ミセル組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、両親媒性ブロック共重合体、及び少なくとも1個のカルボキシル末端基を有するポリ乳酸誘導体からなる高分子ミセル組成物に関するものである。本発明は、また、ポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基が二価または三価の金属イオンで固定されている高分子組成物に関する。本発明の組成物は体液や水溶液中で安定な高分子ミセルまたはナノ粒子を形成することができる。本発明の組成物から形成されたミセルやナノ粒子は親水性外部シェルと多量の疎水性薬物が物理的に封入できる疎水性内部コアを有する。本発明の薬物含有ミセル及びナノ粒子は投与後、血中で長期の滞留時間を有し、多様な医薬製剤を製造するのに使われ得る。本発明の付加的な特徴と長所は本発明の特徴を例示として説明する添付された図面とともに下記詳細な説明から明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本高分子組成物及びそれらを使用し、製造する方法を開示して記載する前に、本発明は構造、製造工程、及び材料は多少変えられるので、ここに開示された特定構造、製造段階、及び材料に制限されるものでないことを理解するべきである。また、ここで使用された用語は、単に特定の実施態様を説明する目的で使用されており、本発明の範囲は添付された特許請求の範囲およびその均等物に制限されるため、制限的なものと意図してはならない。
【0010】
本明細書及び添付請求範囲で使われた、単数形態の「a」、「an」、「the」は、明確な他の指示がない限り複数形態を含む。従って、例えば、「末端基(a terminal group)」を含有する高分子に対する言及は二つ以上のそのような基に対する言及を含み、「疎水性薬物(a hydrophobic drug)」に対する言及は二つ以上の薬物に対する言及を含む。
【0011】
本発明を記述し、請求するにおいて、下記用語が以下記載された定義によって使われる。
【0012】
ここに使われた、用語「生理活性薬剤」または「薬物」または他の類似の用語は、所望の生物学的または薬物学的効果を誘導する、当業界に既に知られている方法及び/または本発明で教示された方法によって、投与するのに好適な化学的または生物学的物質または化合物を意味する。その効果は(1)有機体に予防効果を有することや、感染を予防するような、望まれない生物学的影響を防止すること、(2)疾患により誘発された症状を緩和すること、例えば、疾患の結果誘発された痛みや炎症を緩和すること、及び/または(3)有機体から疾患を緩和、減少または完全除去することを含むが、これらに制限されるものではない。効果は局部的な麻酔効果で与えられるような局所的であったり、あるいは全身的でありうる。
【0013】
ここに使われた用語「生分解性」または「生分解」とは、可溶化加水分解によって、または酵素や有機体の他の産物であり、生物学的に形成された物質の作用によって、物質があまり複雑でない中間体または最終産物に転換されることを意味する。
【0014】
ここで使われた用語「生体適合性」は可溶化加水分解によって、または酵素や他の有機体であって人体に副作用を及ぼさない生物学的に形成された物の作用によって作られる物質、中間体または最終産物を意味する。
【0015】
「ポリ(ラクチド)」または「PLA」は、乳酸の縮合またはラクチドの開環重合によって誘導された高分子を意味する。ラクチド、ラクテートは同義として使われる。
【0016】
本明細書で使用した「有効量」は、 何らかの医学治療における合理的な危険(a reasonable risk)/便益率(benefit ratio)で所望の局所的または全身的効果、効能を提供するのに充分である生理活性剤の量を意味する。
【0017】
本明細書で使用した、「投与」またはこれと類似な用語は、組成物が全身的に循環できるように治療対象に組成物を伝達することを意味する。好ましくは、本発明の組成物は、 皮下、筋肉、経皮、経口、粘膜、静脈または腹腔から投与される。こうした用途の注射剤は、液状溶液剤または懸濁剤、若しくは注射前に液体中で溶液または懸濁液として製造するのに適した固体形態、または乳剤のように、通常の形態に調整できる。投与のために使用できる好適な賦形剤としては、例えば、水、生理食塩水、デキストローズ、グリセロール、エタノールなどを含み、必要に応じて補助物質、例えば、湿潤または乳化剤、緩衝剤等を含む。経口投与のためには、溶液剤、錠剤、カプセル剤などの種々の形態に剤形化できる。
【0018】
ここで典型的な具体例を説明し、特定の用語は同じことを記述するのに使用する。しかし、本発明の範囲がそれが意味することに限定されないと理解されるべきである。本明細書に開示された内容を理解できる者が想到するような、本明細書に列挙された発明的特徴の変更または追加変形、及び本明細書に列挙された発明の原理を付加的に応用することは、本発明の範囲に含まれるものと見なされる。
【0019】
本発明の一側面は、水性環境で多量の疎水性薬物を封入でき、安定な高分子ミセルまたはナノ粒子を形成しうる高分子組成物である。特に、本発明は水性環境で安定な高分子ミセルを形成する疎水性ブロックと親水性ブロックからなる両親媒性ブロック共重合体と、カルボキシル末端基を有するポリ乳酸誘導体を含む高分子組成物を提供する。
【0020】
本発明の他の側面は、親水性ブロックと疎水性ブロックからなる両親媒性ブロック共重合体、及び二−または三価金属イオンと結合されたカルボキシル末端基を含有するポリ乳酸誘導体を含む高分子組成物を提供する。
【0021】
本発明は、また、上記高分子組成物によって形成された高分子ミセルまたはナノ粒子及びその中に封入された疎水性薬物を含む薬剤組成物を提供する。本発明はさらに上記薬剤組成物の製造方法を提供する。
【0022】
本発明の両親媒性ブロック共重合体は、好ましくは、親水性Aブロックと疎水性BブロックからなるA−B型ジブロック共重合体である。上記両親媒性ブロック共重合体は水性相で疎水性Bブロックがコア(core)を形成し、親水性Aブロックがシェル(shell)を形成するコア−シェル(core-shell)形態の高分子ミセルを形成する。好ましくは、親水性Aブロックはポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはポリアクリルアミド及びその誘導体からなる群より選択されるものである。より好ましくは、親水性Aブロックはモノメトキシポリエチレングリコール、モノアセトキシポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレン−コ−プロピレングリコール及びポリビニルピロリドンからなる群より選択されたものである。好ましくは、親水性Aブロックは数平均分子量500〜50,000ダルトンを持つ。より好ましくは、親水性Aブロックは数平均分子量1,000〜20,000ダルトンを持つ。
【0023】
本発明の両親媒性ブロック共重合体の疎水性Bブロックは、生体適合性に優れ、生分解性である高分子であり、ポリエステル、ポリ無水物、ポリアミノ酸、ポリオルトエステル及びポリフォスファジンからなる群より選択される。より好ましくは、疎水性Bブロックはポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリジオキサン−2−オン、ポリラクチック−コ−グリコリド、ポリラクチック−コ−ジオキサン−2−オン、ポリラクチック−コ−カプロラクトン及びポリグリコリック−コ−カプロラクトンからなる群より選択されるものである。上記疎水性Bブロックのカルボキシル末端基はブチル酸基、プロピオン酸基、酢酸基、ステアリン酸基、またはパルミチン酸基のような脂肪酸で置換できる。好ましくは、両親媒性ブロック共重合体の疎水性Bブロックは、500〜50,000ダルトンの数平均分子量を持つ。より好ましくは、両親媒性ブロック共重合体の疎水性Bブロックは1,000〜20,000ダルトンの数平均分子量を持つ。
【0024】
本発明の両親媒性ブロック共重合体の親水性Aブロック対疎水性Bブロックの比率は、好ましくは、2:8〜8:2であり、より好ましくは、4:6〜7:3である。親水性Aブロックの含量が低すぎると、高分子は水溶液中で高分子ミセルを形成しなく、含量が高すぎると、形成された高分子ミセルが安定でない。
【0025】
本発明のポリ乳酸誘導体の一方の末端は少なくとも1個のカルボン酸またはカルボン酸塩に共有結合される。本発明のポリ乳酸誘導体の他の末端はヒドロキシ基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、デカノイルオキシ基及びパルミトイルオキシ基からなる群より選択された官能基に共有結合できる。上記カルボン酸またはカルボン酸塩は、pH4以上の水溶液中で親水性基として作用してポリ乳酸誘導体がその中で高分子ミセルを形成できるようにする。本発明のポリ乳酸誘導体は水溶液に溶解されてポリ乳酸誘導体内に存在する親水性部分及び疎水性部分が均衡をなして高分子ミセルを形成する。従って、本発明のポリ乳酸誘導体の数平均分子量は、好ましくは、500〜2,500ダルトンである。ポリ乳酸誘導体の分子量は製造時の反応温度及び時間などを制御して調節することができる。
【0026】
上記ポリ乳酸誘導体は、好ましくは、下式(I)で示される。
【0027】
RO−CHZ−[A]n−[B]m−COOM (I)
(式中、Aは−COO−CHZ−であり、Bは−COO−CHY−、−COO−CH2CH2CH2CH2CH2−または −COO−CH2CH2OCH2であり、Rは水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、デカノイル基、パルミトイル基、メチル基またはエチル基であり、Z及びYはそれぞれは水素原子、メチル基またはフェニル基であり、MはH、Na、KまたはLiであり、nは1〜30の整数であり、及びmは0〜20の整数である。)
本発明のポリ乳酸誘導体の一方の末端はカルボキシル基またはそのアルカリ金属塩に共有結合され、アルカリ金属塩が好ましい。ポリ乳酸誘導体を形成するアルカリ金属塩の金属イオンは一価であり、例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウムである。金属イオン塩形態のポリ乳酸誘導体は室温で固体であり、その相対的に中性のpHによって非常に安定である。
【0028】
さらに好ましくは、上記ポリ乳酸誘導体は下式(II)で示される。
【0029】
RO−CHZ−[COO−CHX]p−[COO−CHY']q−COO−CHZ−COOM (II)
(式中、Xはメチル基であり、Y'は水素原子またはフェニル基であり、pは0〜25の整数であり、qは0〜25の整数であり、但し、p+qは5〜25の整数であり、 R、ZおよびMは式(I)と同じである。)
また、下式(III)及び(IV)のポリ乳酸誘導体も本発明に好適である。
【0030】
RO−PLA−COO−W−M' (III)
(式中、W−M'は または であり、PLAはD,L−ポリ乳酸、D−ポリ乳酸、ポリマンデル酸、D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体、D,L−乳酸とマンデル酸の共重合体、D,L−乳酸とカプロラクトンの共重合体及びD,L−乳酸と1,4−ジオキサン−2−オンの共重合体からなる群より選択されるものであり、RおよびMは式(I)と同じである。)
S−O−PLA−COO−Q (IV)
(式中、Sは であり、L'は−NR1−または−O−であり、R1は水素原子またはC1〜C10のアルキルであり、QはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH2CH2CH2CH3またはCH265であり、aは0〜4の整数であり、bは1〜10の整数であり、RおよびMは一般式(I)と同じであり、及びPLAは式(III)と同じである。)
本発明の高分子組成物は両親媒性ブロック共重合体とポリ乳酸誘導体の全重量に対して両親媒性ブロック共重合体5〜95重量%、及びポリ乳酸誘導体5〜95重量%を含有することができる。好ましくは、本発明の高分子組成物は両親媒性ブロック共重合体20〜80重量%とポリ乳酸誘導体20〜80重量%を含有する。より好ましくは、本発明の高分子組成物は両親媒性ブロック共重合体50〜80重量%とポリ乳酸誘導体20〜50重量%を含有する。
【0031】
本発明のポリ乳酸誘導体単独はpH4以上の水溶液でミセルを形成しうるが、上記高分子組成物は溶液のpHに係わりなく水溶液でミセルを形成しうる。生分解性高分子は一般的にpH10以上で加水分解されるので、本発明の高分子組成物はpH1〜10の範囲、好ましくは、pH4〜8の範囲で使用することができる。本発明の高分子組成物から製造されたミセルまたはナノ粒子の粒径は高分子の分子量及びポリ乳酸誘導体と上記両親媒性ブロック共重合体の比率によって、1〜400nm、好ましくは、5〜200nmの範囲に調節することができる。
【0032】
図1〜3に図示したように、ポリ乳酸誘導体または両親媒性ブロック共重合体単独及びそれらの混合物は水溶液中でミセルを形成しうる。1は難水溶性薬物を示す;10はモノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(mPEG−PLA)を示す;11はモノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)を示す;12はポリラクチド(PLA)を示す;20はD,L−ポリ乳酸のナトリウム塩を示す;21はD,L−乳酸を示す;22はカルボン酸ナトリウムを示す。しかし、本発明の高分子組成物はポリ乳酸誘導体または両親媒性ブロック共重合体単独で形成されたミセルに比べて水溶液中で形成されたミセルの薬物封入率(drug loading efficiency)と安定性を顕著に向上させる。
【0033】
下記実施例によると、ポリ乳酸誘導体のみでなる高分子ミセルはパクリタキセルを25重量%まで含有させることができるが、37℃水溶液で1時間以内に放出され始める。また、両親媒性ブロック共重合体のみでなる高分子ミセルはパクリタキセルを5重量%以内で封入することが可能であり、37℃水溶液中放出され始める時間は6時間である。反面、両親媒性ブロック共重合体及びポリ乳酸誘導体を含む本発明の組成物からなる高分子ミセルではパクリタキセルを25重量%まで含有させることができ、37℃水溶液での24時間以内にはパクリタキセルが放出されない。
【0034】
高分子ミセルに薬物が封入される程度は水溶液で形成するミセルの疎水性コアを作る疎水性ブロックの部分に比例することになる。水溶液での高分子ミセルの安定性は、水溶液中でのその動的平衡、即ち、高分子ミセル状態と水に溶解された状態の単一高分子間の平衡定数に依存することになる。上記ポリ乳酸誘導体は親水性成分であるカルボン酸末端基が高分子中で占める部分が10%以下であるため、非常に疎水性の高い高分子である。従って、ポリ乳酸誘導体単独によって形成された高分子ミセルはその内部に多量の疎水性薬物を含有させることが可能であるが、高分子ミセルの末端に存在するカルボキシル陰イオン基間の静電気的反発力のために、形成されたミセルが非常に不安定である。一方、モノメトキシポリエチレングリコール(分子量5,000ダルトン)とポリラクチド(分子量4,000ダルトン)の両親媒性ブロック共重合体で形成されたミセルは疎水性ブロックが占める比率が高分子の約40%程度であるため、疎水性薬物を多量に含有することは難しい。しかし、両親媒性ブロック共重合体の末端親水性基が非イオン性のポリエチレングリコールであり、上記ポリ乳酸誘導体とは異なり、静電気的反発力がないため、ミセルは非常に安定である。従って、 両親媒性ブロック共重合体とポリ乳酸誘導体を組み合わせることによって、本発明は大量の難水溶性薬物を可溶化して24時間以上安定性を保持できる高分子ミセル組成物を提供する。
【0035】
本発明の一具体例で、ポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基は二価または三価の金属イオンと結合または固定される。上記金属イオンで固定された高分子組成物は両親媒性ブロック共重合体及びポリ乳酸誘導体の高分子組成物に二価または三価金属イオンを添加することにより製造される。ポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基を結合または固定するために添加される二価または三価金属イオンの量を調節して高分子ミセルまたはナノ粒子を形成することができる。
【0036】
上記二価または三価金属イオンは、好ましくは、Ca2+、Mg2+、Ba2+、Cr3+、Fe3+、Mn2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+及びAl3+からなる群より選択されるものである。二価または三価金属イオンは硫酸塩、塩化物、炭酸塩、リン酸塩及び水酸化物の形態で上記両親媒性ブロック共重合体及びポリ乳酸誘導体の高分子組成物に添加され、好ましくは、CaCl2、MgCl2、ZnCl2、AlCl3、FeCl3、CaCO3、MgCO3、Ca3(PO42、Mg3(PO42、AlPO4、MgSO4、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Al(OH)3またはZn(OH)2の形態で添加される。
【0037】
図4及び5に示されるように、ポリ乳酸誘導体のカルボキシ末端の一価金属イオンが二価または三価の金属イオンで置換され金属イオン結合を形成して安定性が向上された高分子ミセルまたはナノ粒子を形成する。
【0038】
上記金属イオンは添加される当量を調節して高分子ミセルまたはナノ粒子を形成できる。具体的に、カルボキシル末端基の当量に対して0.5当量以下で二価金属イオンを添加すると、ポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基と結合される金属イオンが不十分となって、高分子ミセルが形成される。0.5当量以上の二価金属イオンを加えると、ポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基と結合できる金属イオンが充分となりミセルを強固に固定させるためナノ粒子が形成される。
【0039】
また、 添加される上記金属イオンの当量を調節して高分子ミセルまたはナノ粒子からの薬物の放出速度を調節できる。金属イオンがポリ乳酸誘導体のカルボキシル基の当量に対して1当量以下含まれると、ポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基と結合される数が少なくなり、薬物の放出速度が増加するようになる。金属イオンが1当量以上存在すると、ポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基と結合される数が多くなり、薬物の放出速度が遅延される。従って、血液内の薬物の放出速度を増加させるために少ない当量の金属イオンを使用し、薬物の放出速度を遅延させるためには多くの当量の金属イオンを使用することができる。
【0040】
本発明の金属イオンで固定された高分子組成物は、両親媒性ブロック共重合体5〜95重量%、ポリ乳酸誘導体5〜95重量%及び上記ポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基の当量に対して0.01〜10当量の二価または三価金属イオンを含む。好ましくは、両親媒性ブロック共重合体20〜80重量%、ポリ乳酸誘導体20〜80重量%及び0.1〜5当量の二価または三価金属イオンを含み、より好ましくは、両親媒性ブロック共重合体20〜60重量%、ポリ乳酸誘導体40〜80重量%及び0.2〜2当量の二価または三価金属イオンを含む。
【0041】
本発明は、また、本発明の高分子組成物によって形成された高分子ミセルまたはナノ粒子とその内部に組み込む難水溶性薬物を含有する医薬製剤組成物に関する。本発明の医薬製剤組成物は疎水性薬物の血漿中濃度を向上させることができ、様々な医薬製剤に利用できる。
【0042】
図3〜5で分かるように、難水溶性薬物は両親媒性ブロック共重合体及びポリ乳酸誘導体の高分子組成物と混合され、内部に薬物が組み込まれた高分子ミセルを形成する。その安定性を向上させるために、二価または三価金属イオンを添加してポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基と金属イオン結合をさせることによって薬物含有高分子ミセルまたはナノ粒子を形成できる。
【0043】
用語「難水溶性薬物」または「疎水性薬物」は、水に対する溶解度が50mg/mL以下のあらゆる薬物または生理活性剤を指す。これは、抗癌剤、抗生剤、抗−炎症剤、麻酔剤、ホルモン類、高血圧治療剤、糖尿病治療剤、高脂質症治療剤、抗ウィルス剤、パーキンソン病治療剤、痴呆治療剤、抗−嘔吐剤、免疫抑制剤,潰瘍治療剤,便泌治療剤及び抗−マラリア剤を含む。疎水性薬物は、例えば、パクリタキセル、カンプトテシン、エトポシド、ドキソルビシン、ダウソルビシン、イダルビシン、アラ−Cなどの抗癌剤、シクロスポリンAなどの免疫抑制剤を含む。血液から排泄速度が非常に速い、テストステロン、エストラジオール、エストロゲン、プロゲステロン、トリアムシノロンアセテート、デキサメタゾンなどのステロイドホルモン薬物、テノキシカム、ピロキシカム、インドメタシン、イブプロフェン及びCOX−IIインヒビター等の抗−炎症剤も、本発明で使用可能な適当な疎水性薬物の例である。
【0044】
難水溶性薬物の含量は両親媒性ブロック共重合体、ポリ乳酸誘導体及び疎水性薬物を含む薬剤組成物の全重量に対して0.1〜30重量%範囲のものが好ましい。薬物含有高分子ミセルまたはナノ粒子の大きさは、使用する高分子の分子量及びポリ乳酸誘導体と両親媒性ブロック共重合体の比率によって5〜400nmに調節可能であり、好ましくは、10〜200nmに調節可能である。
【0045】
難水溶性薬物を経口または非経口投与するために、薬物は高分子ミセルまたはナノ粒子内部に封入され、それによって可溶化される。特に、金属イオンで固定された高分子ミセルまたはナノ粒子は長時間血中に滞留して目標病巣に蓄積される。薬物はミセルが分解されながらミセルの疎水性コアから放出されて薬理効果を示すようになる。
【0046】
非経口投与のために、難水溶性薬物を静脈、筋肉、皮下、腹腔、経鼻、直腸、目または肺等の経路で投与する。経口投与は本発明の高分子組成物に難水溶性薬物を混合した後錠剤またはカプセル形態、または水溶液の形態で投与することが可能である。
【0047】
本発明の金属イオンで固定された高分子ミセルまたはナノ粒子は安定性に優れ、薬物の血漿中濃度を向上させることができる。下記実験例及び図6で分かるように、ブロック共重合体のみでなる高分子組成物にパクリタキセルを封入させた組成物2あるいはブロック共重合体及びポリ乳酸の混合高分子組成物にパクリタキセルを封入させた組成物3に比べて、金属イオンで固定された高分子組成物にパクリタキセルを封入させた組成物1が血液内で一層長く滞留でき、血漿中濃度を長く保持できることが分かる。
【0048】
下記実験例及び図7及び8で分かるように、本発明の金属イオンで固定された高分子組成物にパクリタキセルを封入させた組成物4は、パクリタキセル市販製剤の タクソール(商標)製剤(組成物5)に比べて血中滞留時間が長く、血液内薬物の濃度を長く保持でき、癌成長への高い阻害を示し、抗癌活性を示すことが分かる。
【0049】
また、本発明は上記薬剤組成物の製造方法を含む。特に、図3及び図5に示されるように、両親媒性ブロック共重合体、ポリ乳酸誘導体及び難水溶性薬物を有機溶媒に溶解させた後、有機溶媒を蒸発させる。その後、得られた混合物を水溶液に加えて難水溶性薬物を含有する混合高分子ミセルを製造する。金属イオンで固定された高分子ミセルまたはナノ粒子は上記混合高分子ミセルに二価または三価の金属イオンを添加してポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基を固定して製造する。
【0050】
一定比率の上記ポリ乳酸誘導体、両親媒性ブロック共重合体及び難水溶性薬物は共にアセトン、エタノール、メタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、メチレンクロライド、クロロホルム、酢酸及びジオキサンからなる群より選択される一つ以上の溶媒に溶解される。そこから有機溶媒を除去して、難水溶性薬物と高分子の均一な混合物を製造する。難水溶性薬物と本発明の高分子組成物の均一な混合物を0〜80℃でpH4〜8の水溶液に加えて難水溶性薬物含有混合高分子ミセル水溶液を製造する。上記難水溶性薬物含有高分子ミセル水溶液は凍結乾燥して固体形態の高分子ミセル組成物を製造できる。
【0051】
上記難水溶性薬物含有混合高分子ミセル水溶液に0.001〜2M濃度の二価または三価の金属イオンを含む水溶液を加える。混合物を室温で0.1〜1時間ゆっくり撹拌した後、凍結乾燥して固体形態の金属イオンで固定された高分子ミセルまたはナノ粒子組成物が製造される。
【0052】
下記実施例は、当業者が本発明を実施する方法についてより理解し易いように説明するものである。本発明は、その好適な特定の具体例に基づいて記載されたものであるが、下記実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本発明の他の面は、当業者にとって明らかであろう。
【実施例】
【0053】
製造例1〜11:ポリ乳酸誘導体の合成
高分子は触媒不在下2−ヒドロキシカルボン酸誘導体を、昇温(100〜200℃)及び減圧(100〜0.1mmHg)条件下で6〜24時間重合し、精製して製造した。
【0054】
製造例1:D,L−ポリ乳酸(PLA−COOH)の合成1
D,L−乳酸100gを250mLの三口丸底フラスコに入れた。フラスコには撹拌器が取り付られており、80℃に油浴で加熱した。水分を除去するため減圧アスピレータで25mmHgに減圧しながら1時間反応させた。その後150℃の温度で圧力を25mmHg減圧下、6時間反応させた。得られた反応物に1リットルの蒸留水を加えて高分子を沈殿させた。沈殿した高分子を蒸留水に加えて、pH4以下の水溶液で溶ける低分子量の高分子を除去した。沈殿した高分子を1リットルの蒸留水に加え、炭酸水素ナトリウムを少量ずつ加えて水溶液のpHが6〜8になるようにして高分子を溶かした。この時、水に溶けない高分子は遠心分離または濾過によって分離して除去した。1N塩酸水溶液を少量ずつ加えて高分子を水溶液で沈殿させた。沈殿した高分子を蒸留水で2回さらに洗浄した後、分離して減圧下で乾燥して粘性が非常に高い液体(D,L−ポリ乳酸 78g,収率78%)を得た。高分子の数平均分子量は1H−NMRスペクトルで決定し、540ダルトンであった。
【0055】
製造例2〜4:D,L−ポリ乳酸(PLA−COOH)の合成2
反応温度、圧力、反応時間を下記表1のように調節したことを除いて、製造例1と同じ方法により、D,L−ポリ乳酸を得た。上記製造例1〜4で合成したD,L−ポリ乳酸の数平均分子量及び収率を下記表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 2005505674
*収率=(得られた高分子/使われたモノマー)×100
【0057】
製造例5:D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体(PLGA−COOH)の合成1
D,L−乳酸55g(0.6mol)とグリコール酸45g(0.6mol)を共に250mLの三口丸底フラスコに加えた。150℃の温度で、圧力を10mmHgに減圧した条件で12時間反応させたことを除いて、上記製造例1と同じ方法で行った。
【0058】
製造例6:D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体(PLGA−COOH)の合成2
D,L−乳酸73g(0.8mol)とグリコール酸27g(0.35mol)を共に250mLの三口丸底フラスコに加えた。160℃の温度で、圧力を10mmHgに減圧した条件で12時間反応させたことを除いて、上記製造例1と同じ方法で行った。
【0059】
製造例7:D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体(PLGA−COOH)の合成3
D,L−乳酸91g(1.0mol)とグリコール酸9g(0.12mol)を共に250mLの三口丸底フラスコに加えた。160℃の温度で、圧力を10mmHgに減圧した条件で12時間反応させたことを除いて、上記製造例1と同じ方法で行った。
【0060】
製造例8:D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体(PLGA−COOH)の合成4
D,L−乳酸73g(0.8mol)とグリコール酸27g(0.35mol)を共に250mLの三口丸底フラスコに加えた。180℃の温度で、圧力を5mmHgに減圧した条件で24時間反応させたことを除いて、上記製造例1と同じ方法で行った。
【0061】
上記製造例5〜8で合成した共重合体を下記表2に示した。
【0062】
【表2】
Figure 2005505674
【0063】
製造例9:D,L−乳酸とマンデル酸の共重合体(PLMA−COOH)の合成
D,L−乳酸75g(0.83mol)とD,L−マンデル酸25g(0.16mol)を共に250mLの三口丸底フラスコに加えた。180℃の温度で、圧力を10〜20mmHgに減圧した条件で5時間反応させたことを除いて上記製造例1と同じ方法で行った。D,L−乳酸とマンデル酸の共重合体54g(収率54%)を得た。生成物のD,L−乳酸/マンデル酸のモル比は85/15であった。1H−NMRによって決定された高分子の数平均分子量は1,096ダルトンであった。
【0064】
製造例10:アセトキシ D,L−ポリ乳酸誘導体(AcO−PLA−COOH)の合成
上記製造例2で合成したD,L−ポリ乳酸(数平均分子量:1,140ダルトン)50gを塩化酢酸20mLと共に250mL丸底フラスコに加えた。冷却器付きのフラスコに、窒素気流下で4時間還流させた。過剰の塩化酢酸を蒸留して除去した後、反応生成物を氷と水の混合水溶液に混合した。混合物全体をゆっくり撹拌して高分子を沈殿させた。沈殿した高分子を分離して蒸留水で2回洗浄した後、無水アセトンに溶かした。無水硫酸マグネシウムを、ここに加えて過剰の水分を除去した。生成物を濾過して、硫酸マグネシウムを除去した。真空エバポレータでアセトンを除去して液状のアセトキシ D,L−ポリ乳酸(46g、収率92%)を得た。1H−NMRにより、2.02ppmでの単一ピークでアセトキシ基を確認した。
【0065】
製造例11:パルミトイルオキシ D,L−ポリ乳酸誘導体(PalmO−PLA−COOH)の合成
上記製造例2で合成したD,L−ポリ乳酸(数平均分子量:1,140ダルトン)20gを250mLの丸底フラスコに加えた。120℃の油浴で真空条件下反応物を完全に脱水した。油浴温度を50℃に冷却し、アセトン50mLを添加して高分子を完全に溶かした。ここに、塩化パルミチン酸5mLを添加して反応温度を50℃にして窒素雰囲気で10時間反応させた。反応生成物を過剰のヘキサンで洗浄して残留反応物を除去した。その後、生成物をアセトンに溶かした後、溶液を氷と水の混合物に加えた。混合物全体をゆっくり撹拌してオリゴマーを沈殿した。オリゴマーを分離して蒸留水で2回洗浄した後、無水アセトンに溶かした。無水硫酸マグネシウムを溶液に加えて過剰の水分を除去した。生成物を濾過して硫酸マグネシウムを除去した。真空エバポレータでアセトンを除去してパルミトイルオキシ D,L−ポリ乳酸誘導体(19.1g、収率96%)を得た。1H−NMR測定結果、0.88、1.3、2.38ppmのピークでパルミトイル基を確認することができた。
【0066】
製造例12〜22:ポリ乳酸誘導体のカルボン酸塩の合成
上記製造例1〜11で合成したポリ乳酸誘導体をアセトン溶媒で炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムまたは炭酸カリウムの塩基水溶液と反応させてカルホン酸塩を製造した。
【0067】
製造例12:ポリ乳酸ナトリウム塩(PLA−COONa)の合成1
上記製造例1で合成したD,L−ポリ乳酸(数平均分子量:540ダルトン)をアセトンに溶かした。溶液を撹拌機付きの丸底フラスコに加えた。溶液を常温でゆっくり撹拌し、pHが7になるまで炭酸水素ナトリウム水溶液(1N)をゆっくり加えた。無水硫酸マグネシウムを加えて過剰の水分を除去した。得られた混合物を濾過し、エバポレータでアセトンを蒸発させ、白色固体が得られた。固体を無水アセトンに溶かし、溶液を濾過して不溶物を除去した。アセトンを蒸発させて白色固体のD,L−ポリ乳酸ナトリウム塩(収率96%)を得た。図2の1H−NMRでカルボン酸基の隣接水素のピークが4.88ppmに観察され、高分子を水に溶かしたとき、水溶液のpHは6.5〜7.5であった。
製造例13:ポリ乳酸ナトリウム塩(PLA−COONa)の合成2
上記製造例2で合成したD,L−ポリ乳酸(数平均分子量:1,140ダルトン)と炭酸カリウム水溶液を使用することを除いて上記製造例12と同じ方法で行い、ポリ乳酸ナトリウム塩(収率95%)を合成した。
【0068】
製造例14:アセトキシ−D,L−ポリ乳酸ナトリウム塩(AcO−PLA−COONa)の合成
上記製造例10で合成したアセトキシ−D,L−ポリ乳酸(数平均分子量:1,140ダルトン)と炭酸カリウム水溶液を使用することを除いて上記製造例12と同じ方法で行い、アセトキシ−D,L−ポリ乳酸ナトリウム塩(収率95%)を合成した。
【0069】
製造例15:パルミトイルオキシ D,L−ポリ乳酸ナトリウム塩(PalmO−PLA−COONa)の合成1
上記製造例11で合成したパルミトイル D,L−ポリ乳酸(数平均分子量:1,140ダルトン)をアセトン水溶液(28.6v/v%)に溶かした。溶液を撹拌器付きの丸底フラスコに加えた。溶液を常温でゆっくり撹拌した後、炭酸水素ナトリウム水溶液(1N)をゆっくり加えて中和させた。溶液を室温でゆっくり撹拌してpHが7になるまで炭酸水素ナトリウム溶液(1N)をゆっくり加えた。無水硫酸マグネシウムを加えて過剰の水分を除去した。得られた溶液を濾過し、溶媒エバポレータでアセトン水溶液を蒸発させて白色固体を得た。固体をアセトンに溶かし、溶液を濾過して溶けない物質を除去した。アセトンを蒸発させて白色固体状態のパルミトイル D,L−ポリ乳酸ナトリウム塩(収率96%)を得た。
【0070】
製造例16:ポリ乳酸カリウム塩(PLA−COOK)の合成
上記製造例3で合成したD,L−ポリ乳酸(数平均分子量:1,550ダルトン)と炭酸水素カリウム水溶液を使用することを除いて上記製造例12と同じ方法で行い、ポリ乳酸カリウム塩(収率98%)を合成した。
【0071】
製造例17:ポリ乳酸ナトリウム塩(PLA−COONa)の合成3
上記製造例4で合成したD,L−ポリ乳酸(数平均分子量:2,100ダルトン)を使用することを除いて上記製造例12と同じ方法で行い、ポリ乳酸ナトリウム塩(収率95%)を合成した。
【0072】
製造例18:D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体のナトリウム塩(PLGA−COONa)の合成1
上記製造例5で合成したD,L−乳酸とグリコール酸の共重合体(数平均分子量:920ダルトン)と炭酸ナトリウム水溶液を使用することを除いて上記製造例12と同じ方法で行い、D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体のナトリウム塩(収率98%)を合成した。
【0073】
製造例19:D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体のナトリウム塩(PLGA−COONa)の合成2
上記製造例6で合成したD,L−乳酸とグリコール酸の共重合体(数平均分子量:1,040ダルトン)を使用することを除いて上記製造例12と同じ方法で行い、D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体のナトリウム塩(収率93%)を合成した。
【0074】
製造例20:D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体のカリウム塩(PLGA−COOK)の合成
上記製造例7で合成したD,L-乳酸とグリコール酸の共重合体(数平均分子量:1,180ダルトン)と炭酸カリウム水溶液を使用することを除いて上記製造例12と同じ方法で行い、D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体のカリウム塩(収率92%)を合成した。
【0075】
製造例21:D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体のナトリウム塩(PLGA−COONa)の合成3
上記製造例8で合成したD,L−乳酸とグリコール酸の共重合体(数平均分子量:1,650ダルトン)を使用することを除いて上記製造例12と同じ方法で行い、D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体のナトリウム塩(収率98%)を合成した。
【0076】
製造例22:D,L−乳酸とマンデル酸の共重合体のナトリウム塩(PLMA−COONa)の合成
上記製造例9で合成したD,L−乳酸とマンデル酸の共重合体(数平均分子量:1,096ダルトン)を使用することを除いて上記製造例12と同じ方法で行い、白色固体のD,L−乳酸とマンデル酸の共重合体ナトリウム塩(収率96%)を得た。
【0077】
上記製造例12〜22で合成したポリ乳酸誘導体のカルボン酸塩を下記表3に示す。
【0078】
【表3】
Figure 2005505674
【0079】
製造例23〜29:親水性Aブロックと疎水性BブロックのA−B型ブロック共重合体の合成
製造例23:モノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(mPEG−PLA)ブロック共重合体の重合(A−B型)
モノメトキシポリエチレングリコール(数平均分子量:2,000ダルトン)5.0gを100mLの二口丸底フラスコに加えた後、減圧(1mmHg)下で3〜4時間130℃に加熱して水分を除去した。反応フラスコ内を乾燥させた窒素で充填し、注射器を利用して反応触媒であるオクチル酸スズ(Sn(Oct)2)をD,L−ラクチドの0.1重量%(10.13mg、0.025mmol)とともに加えた。反応混合物を30分間撹拌した後、130℃で1時間、1mmHgまで減圧して触媒を溶解させた溶媒(トルエン)を除去した。精製されたラクチド(10.13g)を加えた後、130℃で18時間加熱した。生成された高分子をメチレンクロライドに溶かした後、ジエチルエーテルに加えて高分子を沈澱させた。得られた高分子を真空オーブンで48時間乾燥した。上記モノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(mPEG−PLA)の数平均分子量は2,000〜1,765ダルトンであった。また、1H−NMRを利用してA−B型であることを確認した。
【0080】
製造例24:モノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(mPEG−PLA)ブロック共重合体の重合(A−B型)
モノメトキシポリエチレングリコール(数平均分子量:2,000ダルトン)5.0gを100mLの二口丸底フラスコに加えた後、減圧(1mmHg)下で3〜4時間130℃に加熱して水分を除去した。反応フラスコ内を乾燥させた窒素で充填し、注射器を利用して反応触媒であるオクチル酸スズ(Sn(Oct)2)をD,L−ラクチドの0.1重量%(13.75mg、34mmol)とともに加えた。反応混合物を30分間撹拌した後、130℃で1時間減圧(1mmHg)して触媒を溶かした溶媒(トルエン)を除去した。精製されたラクチド(13.75g)を加えた後、130℃で18時間加熱した。生成された高分子をメチレンクロライドに溶かした後、ジエチルエーテルに加えて高分子を沈澱させた。得られた高分子を真空オーブンで48時間乾燥した。上記モノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(mPEG−PLA)の数平均分子量は2,000〜5,000ダルトンであり、また、1H−NMRを利用してA−B型であることを確認した。
【0081】
製造例25:モノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(mPEG−PLA)ブロック共重合体の重合(A−B型)
モノメトキシポリエチレングリコール(数平均分子量:2,000ダルトン)5.0gを100mLの二口丸底フラスコに加えた後、減圧(1mmHg)下で3〜4時間130℃に加熱して水分を除去した。反応フラスコ内を乾燥させた窒素で充填し、注射器を利用して反応触媒であるオクチル酸スズ(Sn(Oct)2)をD,L−ラクチドの0.1重量%(22.0mg、55mmol)とともに加えた。反応混合物を30分間撹拌した後、130℃で1時間減圧(1mmHg)して触媒を溶かした溶媒(トルエン)を除去した。精製されたラクチド(22g)を加えた後、130℃で18時間加熱した。生成された高分子をメチレンクロライドに溶かした後、ジエチルエーテルに加えて高分子を沈澱させた。得られた高分子を真空オーブンで48時間乾燥した。上記モノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(mPEG−PLA)の数平均分子量は2,000〜8,000ダルトンであった。また、1H−NMRを利用してA−B型であることを確認した。
【0082】
製造例26:モノメトキシポリエチレングリコール−ポリ(ラクチック−コ−グリコリド)(mPEG−PLGA)ブロック共重合体の重合(A−B型)
mPEG−PLGAを合成するため、上記製造例23の方法によってモノメトキシポリエチレングリコール(数平均分子量:5,000ダルトン)とラクチド及びグリコリドをオクチル酸スズ触媒と共に120℃で12時間反応させて合成した。上記モノメトキシポリエチレングリコール−ポリ(ラクチック−コ−グリコリド)(mPEG−PLGA)の数平均分子量は5,000〜4,000ダルトンであった。また、1H−NMRを利用してA−B型であることを確認した。
【0083】
製造例27:モノメトキシポリエチレングリコール−ポリ(ラクチック−コ−パラジオキサン−2−オン)(mPEG−PLDO)ブロック共重合体の重合(A−B型)
mPEG−PLDOを合成するため、上記製造例23の方法によってモノメトキシポリエチレングリコール(数平均分子量:12,000ダルトン)とラクチド及びパラジオキサン−2−オンをオクチル酸スズ触媒下で、110℃で12時間反応させて合成した。上記モノメトキシポリエチレングリコール−ポリ(ラクチック−コ−パラジオキサン−2−オン)(mPEG−PLDO)の数平均分子量は12,000〜10,000ダルトンであった。また、1H−NMRを利用してA−B型であることを確認した。
【0084】
製造例28:モノメトキシポリエチレングリコール−ポリカプロラクトン(mPEG−PCL)ブロック共重合体の重合(A−B型)
mPEG−PCLを合成するため、上記製造例23の方法によってモノメトキシポリエチレングリコール(数平均分子量12,000ダルトン)とカプロラクトンをオクチル酸スズ触媒下で、130℃で12時間反応させて合成した。上記モノメトキシポリエチレングリコール−ポリカプロラクトン(mPEG−PCL)の数平均分子量は12,000〜5,000ダルトンであった。また、1H−NMRを利用してA−B型であることを確認した。
【0085】
製造例29:モノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド−パルミテート(mPEG−PLA−palmitate)ブロック共重合体の重合(A−B型)
合成されたモノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(mPEG−PLA)(数平均分子量:2,000〜1750、20g)をフラスコに加えて、120℃油浴で真空条件下水分を完全に除去した。温度を50℃に下げてアセトン50mLを添加して高分子を完全に溶かした。ここに、パルミトイルクロリド (パルミトイルクロリド /mPEG−PLA=1.2/1モル比)を添加し、反応温度を50℃にして窒素気流下で10時間反応させた。反応物を過剰のヘキサンで洗浄して未反応物を除去し、得られた高分子を塩化メチレンに溶かした後、再びジエチルエーテルで沈殿させて濾過した。得られた高分子を真空オーブンで48時間乾燥した。上記モノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド−パルミテート(mPEG−PLA− palmitate )の数平均分子量は2,000〜1,800ダルトンであった。また、1H−NMRを利用してmPEG−PLA末端基の−OHにパルミトイル基が結合されたことを確認した。
【0086】
上記製造例23〜29で合成したブロック共重合体を下記表4に示した。
【0087】
【表4】
Figure 2005505674
【0088】
実施例1〜7:難水溶性薬物含有混合高分子ミセルの製造
実施例1:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLGAブロック共重合体のパクリタキセル含有混合高分子ミセル組成物の製造
上記製造例で合成されたD,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140ダルトン)130mg、両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLGA(数平均分子量:5,000〜4,000ダルトン)100mg及びパクリタキセル40mgをアセトン1mLに溶かして透明溶液を調整した。アセトンを除去した後、パクリタキセル含有混合高分子組成物を製造した。上記混合高分子組成物に蒸留水2mLを加えて、40℃で20分間撹拌してパクリタキセル含有混合高分子ミセル水溶液を製造した。 膜孔径が200nmのフィルタで濾過して溶けないパクリタキセルを除去した。パクリタキセル含量及び溶解度はHPLCで定量し、粒径はDLS(Dynamic Light Scattering)法で測定した。
【0089】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLGA組成比:56/44
パクリタキセル含量:14.8重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:40mg/mL
粒径:24nm
実施例2:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のパクリタキセル含有混合高分子ミセル組成物の製造
上記製造例で合成されたD,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140ダルトン)180mg、両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLA(数平均分子量:2,000−1,765ダルトン)100mg及びパクリタキセル20mgをアセトン1mLに溶かして透明溶液を調整した。アセトンを除去して、パクリタキセル含有混合高分子組成物を製造した。上記パクリタキセル含有高分子組成物に蒸留水2mLを加えて、40℃で30分間かき混ぜてパクリタキセル含有混合高分子ミセル水溶液を製造し、膜孔径が200nmのフィルタで濾過して溶けないパクリタキセルを除去した。
【0090】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLA組成比:64/36
パクリタキセル含量:6.7重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:10mg/mL
粒径:16nm
実施例3:D,L−PLGA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のシクロスポリンA含有混合高分子ミセル組成物の製造
上記製造例で合成されたD,L−PLGA−COONa(数平均分子量:1,650ダルトン)150mg、両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,765ダルトン)50mg、及びシクロスポリンA20mgを使用したことを除いて実施例2と同様にしてシクロスポリンA含有混合高分子ミセル水溶液を製造し、 膜孔径が200nmのフィルタで濾過して溶けないシクロスポリンAを除去した。
【0091】
D,L−PLGA−COONa/mPEG−PLA組成比:75/25
シクロスポリンA含量:9.1重量%
粒径:20nm
実施例4:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のシクロスポリンA含有混合高分子ミセル組成物の製造
上記製造例で合成されたD,L−PLA−COONa(数平均分子量:540ダルトン)100mg、両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,765ダルトン)100mg、及びシクロスポリンA25mgを使用したことを除いて実施例2と同様にして、シクロスポリンA含有混合高分子ミセル水溶液を製造した。
【0092】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLA組成比:50/50
シクロスポリンA含量:11.1重量%
粒径:22nm
実施例5:D,L−PLGA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のシクロスポリンA含有混合高分子ミセル組成物の製造
上記製造例で合成されたD,L−PLGA−COONa(数平均分子量:1,040ダルトン)100mg、両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,765ダルトン)100mg、及びシクロスポリンA25mgを使用したことを除いて実施例2と同様にして、シクロスポリンA含有混合高分子ミセル水溶液を製造した。
【0093】
D,L−PLGA−COONa/mPEG−PLA組成比:50/50
シクロスポリンA含量:11.1重量%
粒径:24nm
実施例6:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のパクリタキセル含有混合高分子ミセル組成物の製造
上記製造例で合成されたD,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140ダルトン)100mg、両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜5,000ダルトン)90mg、及びパクリタキセル10mgを使用したことを除いて実施例2と同様にして、パクリタキセル含有混合高分子ミセル水溶液を製造した。
【0094】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLA組成比:54/46
パクリタキセル含量:5.0重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:10mg/mL
粒径:56nm
実施例7:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のパクリタキセル含有混合高分子ミセル組成物の製造
上記製造例で合成されたD,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140ダルトン)150mg、両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜8,000ダルトン)90mg、及びパクリタキセル10mgを使用したことを除いて実施例2と同様にして、パクリタキセル含有混合高分子ミセル水溶液を製造した。
【0095】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLA組成比:63/37
パクリタキセル含量:4.0重量%
水溶液に対するパクリタキセルの溶解度:10mg/mL
粒径:56nm
比較例1:D,L−PLA−COONaのパクリタキセル含有高分子ミセルの製造
上記製造例で合成したD,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140ダルトン)80mgとパクリタキセル20mgをアセトン1mLに溶かした。真空エバポレータでアセトンを除去した後、蒸留水を加えてパクリタキセル含有D,L−PLA−COONa高分子ミセルを製造した。膜孔径が200nmのフィルタで濾過して溶けないパクリタキセルを除去した。パクリタキセル含量、溶解度及び粒径は下記通りである。
【0096】
パクリタキセル含量:20重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:20mg/mL
粒径:18nm
比較例2:パクリタキセル含有mPEG−PLGA高分子ミセルの製造
上記製造例で合成したmPEG−PLGA(数平均分子量:5,000〜4,000)80mgとパクリタキセル20mgをアセトン1mLに溶かした。真空エバポレータでアセトンを除去した後、蒸留水を加えてパクリタキセル含有mPEG−PLGA高分子ミセルを製造した。
【0097】
パクリタキセル含量:5重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:5mg/mL
粒径:28nm
実験例1:安定性試験
上記実施例1のパクリタキセル含有混合高分子ミセル組成物と、比較例1のD,L−PLA−COONa高分子ミセル組成物と比較例2のmPEG−PLGA高分子ミセル組成物の薬物封入率及び37℃水溶液での安定性を評価した。高分子ミセルによる薬物の封入率は一定過量の薬物を添加した高分子ミセルを製造した後、 膜孔径が200nmのフィルタで濾過し、濾液中の薬物濃度をHPLCで測定して全体高分子ミセル組成物全重量に対する薬物の重量%について測定された濃度を差し引いて求めた。その結果を下記表5に示した。
【0098】
【表5】
Figure 2005505674
【0099】
図1〜3は上記実施例1及び比較例1〜2の組成物によって高分子ミセルの模型図を示したものである。
【0100】
上記表5で示されるように、パクリタキセル含量は混合高分子ミセル組成物とD,L−PLA−COONa単独高分子ミセル組成物では、それぞれ14.8重量%、20重量%が封入されたが、mPEG−PLA高分子ミセルでは5重量%のみ封入された。mPEG−PLA高分子ミセルの場合、他の場合と比較して約1/3程度に封入率が低下されていることを示し、本発明の封入率がD,L−PLA−COONaの場合と類似していることを示した。
【0101】
また、上記高分子組成物をpH7のリン酸緩衝溶液にパクリタキセルの濃度が1mg/mLになるように希釈した。その後、37℃で培養しながらパクリタキセルの濃度を時間間隔で測定した。その結果は下記表6に示した。
【0102】
【表6】
Figure 2005505674
【0103】
上記表6で示されるように、実施例1の混合高分子ミセル組成物では24時間まで全くパクリタキセルが放出しなかった。反面、比較例1のD,L−PLA−COONa単独高分子ミセル組成物ではパクリタキセルが1時間以後から急激に放出された。また、比較例2のmPEG−PLGA単独高分子ミセルでは6時間後から放出され始めて、24時間後には約40%の薬物のみが残存していた。上記結果から本発明の混合高分子組成物は比較例2のmPEG−PLGA高分子ミセル組成物との比較に値する安定性を有していることが分かった。
【0104】
実験例2:高分子の組成比が難水溶性薬物含有混合高分子ミセルの安定性に及ぼす影響
評価組成物の全重量に対して9.1重量%のパクリタキセルを含有する組成物を実施例1の方法に従って製造した。D,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140ダルトン)と両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,765ダルトン)の組成比を次のように変化させた:0/100、10/90、20/80、40/60、50/50、60/40、80/20、90/10及び100/0。組成物をpH7のリン酸緩衝食塩水にパクリタキセルの濃度が1mg/mLになるように希釈した。25℃で培養しながらパクリタキセルの濃度を時間間隔で測定して安定性を比較した。その結果は表7に示した。
【0105】
【表7】
Figure 2005505674
【0106】
上記表7で示されるように、ポリ乳酸誘導体または両親媒性ブロック共重合体を含む単一高分子ミセルの場合、12時間後から水溶液内のパクリタキセルの濃度が減少したが、本発明の混合高分子ミセルの場合、24時間後までもパクリタキセルの濃度の変化がなかった。上記結果から混合高分子ミセルが単一高分子ミセルに比べてより安定性に優れていることが分かる。
実施例8〜13:二価または三価金属イオンで固定させた難水溶性薬物含有高分子ミセルまたはナノ粒子の製造
実施例8:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のCa2+イオンで固定されたパクリタキセル含有ミセルの製造
ステップ1:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のパクリタキセル含有高分子ミセルの製造
上記製造例13のD,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140)130mg(114mmol)、パクリタキセル30mg及び上記製造例23の両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,765ダルトン)100mgをアセトン2mLに完全に溶かして、透明溶液を調整した。上記アセトンを除去した後、パクリタキセル含有高分子組成物を製造した。上記パクリタキセル含有高分子組成物に蒸留水2.5mLを加えて、40℃で30分間かき混ぜてパクリタキセル含有高分子ミセル水溶液を製造した。
【0107】
ステップ2:二価金属イオンで固定するステップ
0.2M無水塩化カルシウム水溶液0.29mL(58mmol)を上記ステップ1で製造した高分子ミセル水溶液に加えた後、室温で20分間撹拌した。膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した後、凍結乾燥した。上記実施例でパクリタキセル含量及び溶解度はHPLCで定量し、粒径はDLS法で測定した。
【0108】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLA組成比(重量比):56.5/43.5
パクリタキセル含量:11.5重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:10.7mg/mL
粒径:18nm
実施例9:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のMg2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルの製造
0.2M無水塩化マグネシウム水溶液0.29mL(58mmol)を上記実施例8のステップ1で製造した高分子ミセル水溶液に加えた後、室温で20分間撹拌した。膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した後、凍結乾燥した。
【0109】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLA組成比(重量比):56.5/43.5
パクリタキセル含量:11.5重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:10.7mg/mL
粒径:18nm
実施例10:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のZn2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルの製造
0.2M無水塩化亜鉛水溶液0.29mL(58mmol)を上記実施例8のステップ1で製造した高分子ミセル水溶液に加えた後、室温で20分間撹拌した。膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した後、凍結乾燥した。
【0110】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLA組成比(重量比):56.5/43.5
パクリタキセル含量:11.5重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:10.7mg/mL
粒径:18nm
実施例11:D,L−PLMA−COONa、mPEG−PLA−パルミテートブロック共重合体のCa2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルの製造
上記製造例22のD,L−PLMA−COONa(数平均分子量:1,096)130mg(119mmol)、パクリタキセル30mg及び上記製造例29のmPEG−PLA−パルミテート(数平均分子量:2000〜1800ダルトン)100mgを用い、上記アセトンの代わりにエタノールを使用することを除いて上記実施例8と同様にして、Ca2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセル組成物を製造した。
【0111】
D,L−PLMA−COONa/mPEG−PLA−パルミテート組成比(重量比):56.5/43.5
パクリタキセル含量:11.5重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:10.7mg/mL
粒径:18nm
実施例12:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のCa2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルの製造
上記製造例13のD,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140)100mg(88mmol)、パクリタキセル10mg及び上記製造例24のmPEG−PLA(分子量:2,000〜5,000ダルトン)90mgを用い、上記アセトンの代わりにエタノールを使用することを除いて上記実施例8と同様にして、Ca2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセル組成物を製造した。
【0112】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLA組成比(重量比):54/46
パクリタキセル含量:5.0重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:10.0mg/mL
粒径:58nm
実施例13:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のCa2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルの製造
上記製造例13のD,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140)150mg(132mmol)、パクリタキセル10mg及び上記製造例25のmPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜8,000ダルトン)90mgを利用して上記アセトンの代わりにエタノールを使用することを除いて上記実施例8と同様にして、Ca2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセル組成物を製造した。
【0113】
D,L−PLA−COONa/mPEG−PLA組成比(重量比):63/37
パクリタキセル含量:4.0重量%
水溶液に対するパクリタキセル溶解度:10.0mg/mL
粒径:50nm
実験例3:金属イオンの当量による高分子ミセルまたはナノ粒子組成物の安定性実験
金属イオンの当量による高分子ミセルまたはナノ粒子組成物の安定性を実験するために下記のように高分子ミセル組成物を製造した。
【0114】
ステップ1:D,L−PLA−COONa、mPEG−PLAブロック共重合体のパクリタキセル含有混合高分子ミセルの製造
D,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,140)170mg(149mmol)、パクリタキセル30mg及び両親媒性ブロック共重合体mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,765ダルトン)50mgをアセトン2mLに溶かして透明溶液を製造した。アセトンを除去した後、パクリタキセル含有高分子ミセル組成物を製造した。上記高分子ミセル組成物に蒸留水3mLを加えて、40℃で30分間撹拌してパクリタキセル含有高分子ミセル水溶液を製造した。
【0115】
ステップ2:二価金属イオンでの固定
上記ステップ1で製造したパクリタキセル含有高分子ミセル水溶液をそれぞれ1mLずつ3等分した。0.2M無水塩化カルシウム水溶液をそれぞれ0.0625、0.125、0.25mL(12.5、25及び50mmol)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌した。膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した後、pH7.4のPBS(パラベンゾイルサルフェート)を添加してパクリタキセルの濃度が1mg/mLになるように希釈した。37℃で培養しながらパクリタキセルの濃度変化をHPLCで測定した。その結果は表8に示した。
【0116】
【表8】
Figure 2005505674
【0117】
上記表8で示されるように、 Ca2+イオンを添加しない場合、初期薬物濃度に比べて24時間後、薬物の濃度が80%減少して24時間後の薬物濃度が0.2mg/mLであった。 Ca2+イオンを0.25当量添加した場合、24時間後、0.7mg/mLであり、初期濃度に比べて30%程度減少しており、 Ca2+イオンを添加しない場合より薬物濃度が向上していることが分かる。また、0.5当量以上添加した場合、24時間後の薬物濃度に変化がないことが分かった。上述したように、 Ca2+イオン処理しない組成物に比べて Ca2+イオン処理した組成物がより安定しているが分かり、 Ca2+イオンを0.5当量以上添加した場合、安定性が顕著に向上したことが分かった。
【0118】
実験例4:D,L−ポリ乳酸ナトリウム塩(D,L−PLA−COONa)の分子量による高分子ミセルの安定性実験
D,L−ポリ乳酸ナトリウム塩(D,L−PLA−COONa)の分子量によるナノ粒子組成物の安定性を実験するために下記のように高分子ミセル組成物を製造した。
【0119】
パクリタキセル、mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,776)及びD,L−PLA−COONa(数平均分子量が646、1,145,1,500または2,300)を当量比1:3:3で混合した後、無水エタノール5mLに溶かして透明溶液を製造した。真空エバポレータを利用してエタノールを除去してパクリタキセル−含有高分子組成物を製造した。蒸留水12mLを加えた後、60℃で10分間撹拌してパクリタキセル含有高分子ミセル水溶液を製造した。上記高分子ミセル水溶液にD,L−PLA−COONaと同じ当量の塩化カルシウム水溶液(濃度100mg/mL)を加えて、室温で20分間撹拌した。膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した後、pH7.4のPBS緩衝液を添加してパクリタキセルの濃度が1mg/mLになるように希釈した。37℃で放置しながら時間経過によるパクリタキセルの濃度をHPLCを利用して測定した。その結果は表9に示した。
【0120】
【表9】
Figure 2005505674
【0121】
上記表9で示されるように、D,L−PLA−COONaの分子量が646、1,145、1,500及び2,300に増加するほど14日後の薬物の濃度はそれぞれ0.15、0.23、0.36及び0.62mg/mLに増加した。上記結果から、D,L−PLA−COONaの分子量が増加するほど薬物沈殿が減少することから、高分子ミセル組成物が相対的に安定となることが分かった。
【0122】
実験例5:D,L−ポリ乳酸ナトリウム塩(D,L−PLA−COONa)の当量による高分子ミセルの安定性実験
D,L−ポリ乳酸ナトリウム塩(D,L−PLA−COONa)の当量によるナノ粒子組成物の安定性を実験するために、下記のように高分子ミセル組成物を製造した。
【0123】
パクリタキセル、mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,776)、D,L−PLA−COONa(数平均分子量:646、1,145)を当量比価1:2:x(xは2、4、6、8、10または12)の混合物を無水エタノール5mLに溶かして透明溶液を製造した。真空エバポレータを利用してエタノールを除去してパクリタキセル−含有高分子組成物を製造した。蒸留水12mLを加えた後、60℃で10分間撹拌してパクリタキセル含有高分子ミセル水溶液を製造した。上記高分子ミセル水溶液に100mg/mLの塩化カルシウム水溶液をD,L−PLA−COONaと同じ当量で加えた後、室温で20分間撹拌した。膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過し、pH7.4のPBS緩衝溶液を添加してパクリタキセルの濃度が1mg/mLになるように希釈した。混合物を37℃で放置しながら時間によるパクリタキセルの濃度を測定した。上記実験例に対する結果は表10に示した。
【0124】
【表10】
Figure 2005505674
【0125】
上記表10で示されるように、D,L−PLA−COONa当量の増加につれて高分子ミセルの安定性が増加しており、当量比が6/2以上では安定性が顕著に向上した。特に、当量比が8/2の場合、14日後の薬物濃度が0.80mg/mLで最大の薬物濃度を示している。
【0126】
実験例6:Ca2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルの血中滞留性
Ca2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルの血中滞留性を実験するために下記のように高分子ミセル組成物を製造した。
【0127】
ステップ1:混合高分子ミセルの合成
(組成物1)パクリタキセル、ブロック共重合体、ポリ乳酸及び金属イオンを含有する高分子ミセル
パクリタキセル、mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,776)、D,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,145)を当量比1:5:20で混合した後、無水エタノール5mLに溶かして透明溶液を調整した。真空エバポレータを利用してエタノールを除去してパクリタキセル−含有高分子組成物を製造した。蒸留水4mLを加えて、60℃で10分間撹拌してパクリタキセル含有高分子ミセル水溶液を製造した。上記高分子ミセル水溶液に100mg/mLの無水塩化カルシウム水溶液をD,L−PLA−COONaと同じ当量で加えて、室温で20分間撹拌した。反応物を膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した。
【0128】
(組成物2)パクリタキセル、ブロック共重合体及びポリ乳酸を含有する高分子ミセル
パクリタキセル、mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,776)及びD,L−PLA−COONa(数平均分子量:1,145)を当量比1:5:20で混合した後、無水エタノール5mLに溶かして透明溶液を製造した。真空エバポレータを利用してエタノールを除去してパクリタキセル−含有高分子組成物を製造した。蒸留水4mLを加えて、60℃で10分間撹拌してパクリタキセル含有高分子ミセル水溶液を製造した。反応物を膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した。
【0129】
(組成物3)パクリタキセル及びブロック共重合体を含有する高分子ミセル
パクリタキセル、mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,776)を当量比1:5で混合した後、無水エタノール5mLに溶かして透明溶液を製造した。真空エバポレータを利用してエタノールを除去してパクリタキセル−含有高分子組成物を製造した。蒸留水5mLを加えて、60℃で10分間撹拌してパクリタキセル含有高分子ミセル水溶液を製造した。反応物を膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した。
【0130】
【表11】
Figure 2005505674
【0131】
動物実験のために、230〜250gの雄性SDラットの大腿動脈と大腿静脈にカニューレ挿入した。組成物1、組成物2及び組成物3をパクリタキセル10mg/kgの量で大腿静脈内に15秒間注入した。注入後、大腿動脈から1、15、30、45分、及び1、1.5、2、3、4、5、6、8時間に全採血0.3mLを採って遠心分離した後、上澄の透明血漿を得た。
【0132】
また、血漿中の薬物濃度分析のために、血漿0.1mLをカバー付きガラス管に入れて、そこに内部標準物質を含有するアセトニトリル溶液0.1mLを加えた。上記溶液に10mLのエチルアセテートを加えて30秒間激しく撹拌した後、2,500rpmで10分間遠心分離した。エチルアセテート層を全部採って試験管に移して窒素気流下に40℃で有機溶媒を完全に蒸発させた。40%(v/v)アセトニトリル水溶液0.1mLを加えて30秒間激しく撹拌した後、HPLCに注入した。HPCL条件は次の通りである。
【0133】
注入容量 0.075mL
流速 1.0mL/min
波長 227nm
移動相:5分間24%アセトニトリル水溶液に流し、16分間アセトニトリル濃度を58%まで上げ、再び2分間アセトニトリル濃度を70%まで高め、また、4分間34%まで下げて 5分間維持した。
【0134】
カラム=4.6×50nm(C18,Vydac, 米国)
血漿中の薬物濃度分析結果を下記表12及び図6に示した。
【0135】
【表12】
Figure 2005505674
【0136】
表12及び図6で示されるように、mPEG−PLAブロック共重合体のみを使用した組成物3に比べて、D,L−PLA−COONaを加えた組成物2がより長く血中に滞留しており、本発明のCa2+イオンで処理した組成物1が組成物2より一層長く血中に滞留した。従って、本発明の薬物含有高分子ミセル組成物によって形成された難水溶性薬物含有高分子ミセルが血液内薬物の濃度を長く保持でき、特に、金属イオンで固定された高分子ミセル組成物が血液内薬物の濃度をさらに長く保持することができる。
【0137】
実験例7:Ca2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルの血中滞留時間
Ca2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルと他の担体からなる製剤間の血中滞留時間を比較実験するために下記のように製剤の組成物を製造した。
【0138】
(組成物4)パクリタキセル、ブロック共重合体、ポリ乳酸及び金属イオンを含有する高分子ミセル
パクリタキセル、mPEG−PLA(数平均分子量:2,000〜1,776)、D,L−PLMA−COONa(数平均分子量:1,198)を重量比49.5:49.5:1で混合した後、無水エタノール5mLに溶かして透明溶液を製造した。真空エバポレータを利用してエタノールを除去してパクリタキセル-含有高分子組成物を製造した。蒸留水4mL加えて、60℃で10分間撹拌してパクリタキセル含有高分子ミセル水溶液を製造した。上記高分子ミセル水溶液に100mg/mLの塩化カルシウム水溶液をD,L-PLMA-COONaと同じ当量で加えて、室温で20分間撹拌した。反応物を膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した。
【0139】
(組成物5)パクリタキセル、クレモフォールEL及び無水エタノールを含有する組成物
クレモフォールEL及び無水エタノールを体積比50:50で混合した溶液5mLにパクリタキセル30mgを溶かして透明溶液を製造した。溶液を膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した。
【0140】
(組成物6)パクリタキセル、ポリソルベート80(Tween80)及び無水エタノールを含有する組成物
ポリソルベート80及び無水エタノールを体積比50:50で混合した溶液5mLにパクリタキセル30mgを溶かして透明溶液を製造した。溶液を膜孔径が200nmのフィルタを利用して濾過した。
【0141】
上記組成及び薬物含量を下記表13に要約した。
【0142】
【表13】
Figure 2005505674
【0143】
動物実験のために、230〜250gの雄性SDラットの大腿動脈と大腿静脈にカニューレ挿入し、組成物4、組成物5及び組成物6を5mg/kgの量で大腿静脈内に15秒間注入した。注入後、大腿動脈から1、15、30分及び1、1.5、2、3、4、6時間に全採血0.3mLを採って遠心分離した後、上澄の透明血漿を得た。
【0144】
また、血漿中の薬物濃度分析は実験例6のような方法で分析し、血漿中の薬物濃度分析結果を下記表14及び図7に示した。
【0145】
【表14】
Figure 2005505674
【0146】
表14及び図7で示されるように、他の界面活性剤を用いた注射剤(組成物5及び組成物6)に比べて、Ca2+イオンで固定された高分子ミセル(組成物4)がより長く血中に滞留した。本発明のCa2+イオンで処理した高分子ミセル(組成物4)が市販製剤であるタクソール(商標)(組成物5)より一層長く血中に滞留することから、本発明は生分解性及び生体適合性高分子を利用して血中滞留性をタクソール(商標)製剤以上に保持させることができることが分かる。
【0147】
実験例8:Ca2+イオンで固定されたパクリタキセル含有高分子ミセルの抗腫瘍活性
健康な雌性無胸腺ヌードマウス(nu/nu)(20g、8週齢、n=6)の横腹皮下に7×106個のヒト癌細胞(PPC1,HT29)を含有する細胞懸濁液0.1mLを投与した。一定サイズの固形癌の塊りになった後、3回異種移植して3〜4mmの異種移植片を作った。健康な雌性無胸腺ヌードマウス(20g、8週齢、n=5)の横腹皮下に異種移植片(3〜4mm)を12ゲージ外套針で投与した。腫瘍容積が100〜300mm3に達した時、薬物を投与し、この時点を0日とした。0日目に5匹ずつ群を分け、0,1及び2日目に金属イオンで処理された高分子ミセル(組成物4)及びクレモフォールEL製剤(組成物5)をパクリタキセルを20mg/kgの量で尾静脈を通じて投与した後、経時的に腫瘍容積を測定した。腫瘍容積は式(W2×L)/2(ここで、Wは短軸、Lは長軸)を利用して計算した。
【0148】
図8a及び図8bに示したように、金属イオンで固定された高分子ミセル処理群とクレモフォールEL製剤処理群のいずれも、薬物を処理しない対照群に比べてだいぶ大きな腫瘍抑制率を示しており、特に、金属イオンで固定された高分子ミセル処理群はクレモフォールEL製剤処理群に比べて腫瘍抑制程度がより大きく現れた。
【0149】
上記に詳述した具体例は、本発明の原理を説明するためだけのものであると解釈すべきである。種々の変形例や代替例は、本発明の思想や範囲を逸脱しない範囲で可能であり、添付された特許請求の範囲はこうした変形例や代替例を含むものである。従って、本発明を図面に図示し、本発明の最も有用で、且つ好ましい実施例であると現在考えられることを用いて詳細に、且つ綿密に上記に説明したが、種々の変形が請求項に記載された本発明の原理や概念から逸脱しない範囲内で可能であるということは、当業者にとっては明白なことである。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】水性環境で、モノメトキシポリエチレングリコール−ポリラクチド(mPEG−PLA)によって形成された高分子ミセルの模式図である。
【図2】水性環境で、D,L−ポリ乳酸のカルボン酸ナトリウム塩によって形成された高分子ミセルの模式図である。
【図3】水性環境で、モノメトキシポリエチレングリコール-ポリラクチド(mPEG−PLA)とD,L−ポリ乳酸のカルボン酸ナトリウム塩の混合物によって形成された高分子ミセルの模式図である。
【図4】図3のCa2+で固定された高分子ミセルの模式図である。
【図5】疎水性薬物がミセルの疎水性コア内に封入にされているCa2+で固定された高分子ミセルの模式図である。
【図6】投与後、様々な時間間隔で薬物−含有Ca2+で固定された高分子ミセルの血漿薬物濃度を示すグラフである。
【図7】Ca2+で固定された高分子ミセル、クレモフォールEL及びツイーン80製剤の血漿濃度プロファイルをそれぞれ図示したものである。
【図8a】薬物含有Ca2+で固定された高分子ミセルのヒト前立腺癌細胞株PPC−1を用いたマウスでの抗癌効果を示したものである。
【図8b】薬物含有Ca2+で固定された高分子ミセルのヒト結腸癌細胞株HT−29を用いたマウスでの抗癌効果を示したものである。

Claims (21)

  1. 親水性ブロックと疎水性ブロックからなる両親媒性ブロック共重合体、及びポリ乳酸の1個の末端が少なくとも一つのカルボキシル基に共有結合されたポリ乳酸誘導体を含む、水溶液中で安定なミセルを形成しうる高分子組成物。
  2. 親水性ブロックと疎水性ブロックからなる両親媒性ブロック共重合体、及び下式(I)のポリ乳酸誘導体を含む、水溶液で安定なミセルを形成しうる高分子組成物。
    RO−CHZ−[A]n−[B]m−COOM (I)
    (式中、Aは−COO−CHZ−であり、
    Bは−COO−CHY−、−COO−CH2CH2CH2CH2CH2−または −COO−CH2CH2OCH2であり、
    Rは水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、デカノイル基、パルミトイル基、メチル基またはエチル基であり、
    Z及びYは水素原子、メチル基またはフェニル基であり、
    MはH、Na、KまたはLiであり、
    nは1〜30の整数であり、
    mは0〜20の整数である。)
  3. 親水性ブロックと疎水性ブロックからなる両親媒性ブロック共重合体、及び下式(II)のポリ乳酸誘導体を含む、水溶液で安定なミセルを形成しうる高分子組成物。
    RO−CHZ−[COO−CHX]p−[COO−CHY']q−COO−CHZ−COOM (II)
    (式中、Xはメチル基であり、
    Y'は水素原子またはフェニル基であり、
    pは0〜25の整数であり、qは0〜25の整数であり、但しp+qは5〜25の整数であり、
    Rは水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、デカノイル基、パルミトイル基、メチル基またはエチル基であり、
    Zは水素原子、メチル基またはフェニル基であり、
    MはH、Na、KまたはLiである。)
  4. 親水性ブロックと疎水性ブロックからなる両親媒性ブロック共重合体、及び下式(III)のポリ乳酸誘導体を含む、水溶液で安定なミセルを形成しうる高分子組成物。
    RO−PLA−COO−W−M' (III)
    (式中、W−M'は
    Figure 2005505674
    または
    Figure 2005505674
    であり、
    PLAはD,L−ポリ乳酸、D−ポリ乳酸、ポリマンデル酸、D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体、D,L−乳酸とマンデル酸の共重合体、D,L−乳酸とカプロラクトンの共重合体及びD,L−乳酸と1,4−ジオキサン−2−オンの共重合体からなる群より選択される一つであり、
    Rは水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、デカノイル基、パルミトイル基、メチル基またはエチル基であり、
    MはH、Na、KまたはLiである。)
  5. 親水性ブロックと疎水性ブロックからなる両親媒性ブロック共重合体、及び下式(IV)のポリ乳酸誘導体を含む、水溶液で安定なミセルを形成しうる高分子組成物。
    S−O−PLA−COO−Q (IV)
    (式中、Sは
    Figure 2005505674
    であり、
    L'は−NR1−または−O−であり、
    1は水素原子またはC1〜C10のアルキル基であり、
    QはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH2CH2CH2CH3またはCH265であり、
    aは0〜4の整数であり、
    bは1〜10の整数であり、
    Rは水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、デカノイル基、パルミトイル基、メチル基またはエチル基であり、
    MはH、Na、KまたはLiであり、
    PLAはD,L−ポリ乳酸、D−ポリ乳酸、ポリマンデル酸、D,L−乳酸とグリコール酸の共重合体、D,L−乳酸とマンデル酸の共重合体、D,L−乳酸とカプロラクトンの共重合体及びD,L−乳酸と1,4−ジオキサン−2−オンの共重合体からなる群より選択される一つである。)
  6. 上記親水性ブロックがポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミドからなる群より選択される一つであり、
    上記疎水性ブロックがポリラクチド、ポリグリコリド、ポリジオキサン−2−オン、ポリカプロラクトン、ポリラクチック−コ−グリコリド、ポリラクチック−コ−カプロラクトン、ポリラクチック−コ−ジオキサン−2−オン及びこれらのカルボキシル基末端が脂肪酸で置換された誘導体からなる群より選択される一つである請求項1に記載の高分子組成物。
  7. 上記親水性ブロック及び疎水性ブロックがそれぞれ500〜50,000ダルトンの数平均分子量を持つ請求項6に記載の高分子組成物。
  8. 上記両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロックは疎水性ブロックに対して2:8〜8:2である請求項1に記載の高分子組成物。
  9. 組成物の全重量に対して両親媒性ブロック共重合体は5〜95重量%であり、ポリ乳酸誘導体は5〜95重量%である請求項1に記載の高分子組成物。
  10. 上記ポリ乳酸誘導体が500〜2,500ダルトンの数平均分子量を持つ請求項1に記載の高分子組成物。
  11. 上記ポリ乳酸誘導体が触媒不在下で縮合反応によって合成されたものを炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムまたは炭酸カリウムで中和させて製造したナトリウム塩またはカリウム塩形態である請求項1に記載の高分子組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の高分子組成物70〜99.9重量%及び難水溶性薬物0.1〜30重量%を含み、前記薬物が前記ミセルの疎水性コア内に物理的に封入されてなる、水溶液で安定なミセルを形成しうる薬剤組成物。
  13. ポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基1当量に対して0.01〜0.5当量の二−または三価の金属イオンをさらに含む請求項1〜11のいずれかに記載の高分子組成物。
  14. 上記二価または三価の金属イオンがCa2+、Mg2+、Ba2+、Cr3+、Fe3+、Mn2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+及びAl3+からなる群より選択される一つである請求項13に記載の高分子組成物。
  15. 請求項13に記載の高分子ミセル組成物70〜99.9重量%及び難水溶性薬物0.1〜30重量%を含む薬剤組成物。
  16. 請求項1〜11のいずれかに記載の高分子組成物及びポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基1当量に対して0.5〜10当量の二−または三価の金属イオンを含むナノ粒子−形成高分子組成物。
  17. 上記二価または三価の金属イオンがCa2+、Mg2+、Ba2+、Cr3+、Fe3+、Mn2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+及びAl3+からなる群より選択される一つである請求項16に記載の高分子組成物。
  18. 請求項16に記載の高分子組成物70〜99.9重量%及び難水溶性薬物0.1〜30重量%を含む薬剤組成物。
  19. 両親媒性ブロック共重合体、ポリ乳酸誘導体及び難水溶性薬物を有機溶媒に溶解させる工程、
    有機溶媒を揮発させる工程、
    水溶液を加えて難水溶性薬物含有高分子ミセルを製造する工程、
    からなる難水溶性薬物含有高分子組成物の製造方法。
  20. 上記難水溶性薬物含有高分子ミセルに二価または三価の金属イオン塩を添加してポリ乳酸誘導体のカルボキシル末端基を固定する工程、をさらに含む請求項19に記載の製造方法。
  21. 上記有機溶媒はアセトン、エタノール、メタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、メチレンクロライド、クロロホルム、酢酸及びジオキサンからなる群より選択された一つ以上である請求項19に記載の製造方法。
JP2003536325A 2001-10-18 2002-10-17 安定性を向上した高分子ミセル組成物 Expired - Lifetime JP3955846B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR20010064468 2001-10-18
KR20010076213 2001-12-04
PCT/KR2002/001942 WO2003033592A1 (en) 2001-10-18 2002-10-17 Polymeric micelle composition with improved stability

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005505674A true JP2005505674A (ja) 2005-02-24
JP2005505674A5 JP2005505674A5 (ja) 2006-01-12
JP3955846B2 JP3955846B2 (ja) 2007-08-08

Family

ID=36293229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003536325A Expired - Lifetime JP3955846B2 (ja) 2001-10-18 2002-10-17 安定性を向上した高分子ミセル組成物

Country Status (12)

Country Link
US (1) US7879317B2 (ja)
EP (1) EP1448707B1 (ja)
JP (1) JP3955846B2 (ja)
CN (1) CN1303155C (ja)
AT (1) ATE370988T1 (ja)
AU (1) AU2002348660B2 (ja)
CA (1) CA2463172C (ja)
DE (1) DE60222007T2 (ja)
ES (1) ES2292827T3 (ja)
MX (1) MXPA04003621A (ja)
NZ (1) NZ532198A (ja)
WO (1) WO2003033592A1 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007507568A (ja) * 2003-09-30 2007-03-29 メディオラヌム ファルマチェウティチ ソシエタ ペル アチオニ 1−ビニルピロリジン−2−オン/エステル共重合体
JP2007520576A (ja) * 2003-06-27 2007-07-26 株式會社アモーレパシフィック 生理活性成分を含有する自己集合性高分子ナノ粒子及びこれを含有する外用剤組成物
JP2007217794A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 金属ナノ粒子及びその製造方法
JP2009537541A (ja) * 2006-05-15 2009-10-29 マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー 機能的粒子のためのポリマー
JP2010065067A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 粒子およびその製造方法、ならびにゲル
JP2011508046A (ja) * 2007-12-31 2011-03-10 サムヤン コーポレイション ポリ(α−ヒドロキシ酸)の疎水性高分子ブロックを含む高純度の両親媒性ブロック共重合体及びその製造方法
JP2011509322A (ja) * 2007-12-31 2011-03-24 サムヤン コーポレイション タキサン含有両親媒性ブロック共重合体ミセル組成物及びその製造方法
JP2012509318A (ja) * 2008-11-21 2012-04-19 サミャン コーポレイション 耐性がん治療用高分子ミセル組成物及びその製造方法
JP2012513985A (ja) * 2008-12-26 2012-06-21 サムヤン コーポレイション 水難溶性薬物含有高分子ミセルナノ粒子組成物の製造方法
JP2013516407A (ja) * 2009-12-30 2013-05-13 サムヤン バイオファーマシューティカルズ コーポレイション 改善された水溶解度を有するラパマイシン含有高分子ナノ粒子注射剤組成物及びその製造方法、並びに放射線療法と併用するための抗癌組成物
JP2014501253A (ja) * 2010-12-24 2014-01-20 サムヤン バイオファーマシューティカルズ コーポレイション 水難溶性薬物含有徐放性微小粒子及びその製造方法
US9795562B2 (en) 2007-12-31 2017-10-24 Samyang Biopharmaceuticals Corporation Method for stabilizing amphiphilic block copolymer micelle composition containing poorly water-soluble drug
US11534447B2 (en) 2016-11-18 2022-12-27 Samyang Holdings Corporation Emulsion composition for chemoembolization and method for producing same

Families Citing this family (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100502840B1 (ko) * 2002-09-04 2005-07-21 학교법인 포항공과대학교 약물 담지능력이 우수한 블록 공중합체 미셀 조성물
JP2006199590A (ja) * 2003-09-04 2006-08-03 Nano Career Kk 水溶性の塩基性薬物内包ナノ粒子含有組成物
WO2005035606A1 (en) 2003-10-10 2005-04-21 Samyang Corporation Amphiphilic block copolymer and polymeric composition comprising the same for drug delivery
US7311901B2 (en) 2003-10-10 2007-12-25 Samyang Corporation Amphiphilic block copolymer and polymeric composition comprising the same for drug delivery
AU2003272127A1 (en) * 2003-10-24 2005-05-11 Samyang Corporation Polymeric composition for drug delivery
KR20050064075A (ko) * 2003-12-23 2005-06-29 주식회사 삼양사 이트라코나졸을 유효성분으로 하는 약학적 조성물
EP1698329A4 (en) * 2003-12-24 2009-10-28 Ltt Bio Pharma Co Ltd PHARMACEUTICAL NANOTEILS, METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF AND PARENTERALLY APPLIED PRODUCT FROM NANOTEILES
AU2004312336A1 (en) * 2003-12-30 2005-07-21 3M Innovative Properties Company Medicinal compositions and method for the preparation thereof
US7151077B2 (en) 2004-03-29 2006-12-19 Halliburton Energy Services, Inc. Polymersome compositions and associated methods of use
US7345093B2 (en) 2004-04-27 2008-03-18 Formatech, Inc. Methods of enhancing solubility of compounds
US7659310B2 (en) 2004-04-27 2010-02-09 Formatech, Inc. Methods of enhancing solubility of agents
AU2005239948B9 (en) * 2004-05-06 2009-04-23 Samyang Biopharmaceuticals Corporation Delivery system for bioactive agents on the basis of a polymeric drug carrier comprising an amphiphilic block polymer and a polylacticacid derivative
US9492400B2 (en) 2004-11-04 2016-11-15 Massachusetts Institute Of Technology Coated controlled release polymer particles as efficient oral delivery vehicles for biopharmaceuticals
CA2526541C (en) * 2004-12-01 2013-09-03 Tyco Healthcare Group Lp Novel biomaterial drug delivery and surface modification compositions
US7662753B2 (en) 2005-05-12 2010-02-16 Halliburton Energy Services, Inc. Degradable surfactants and methods for use
US7677315B2 (en) 2005-05-12 2010-03-16 Halliburton Energy Services, Inc. Degradable surfactants and methods for use
US9267937B2 (en) 2005-12-15 2016-02-23 Massachusetts Institute Of Technology System for screening particles
KR100858508B1 (ko) * 2005-12-23 2008-09-12 주식회사 삼양사 아졸계 항진균제를 포함하는 조성물 및 그의 제조방법
WO2007150030A2 (en) 2006-06-23 2007-12-27 Massachusetts Institute Of Technology Microfluidic synthesis of organic nanoparticles
WO2008098165A2 (en) 2007-02-09 2008-08-14 Massachusetts Institute Of Technology Oscillating cell culture bioreactor
WO2008124632A1 (en) 2007-04-04 2008-10-16 Massachusetts Institute Of Technology Amphiphilic compound assisted nanoparticles for targeted delivery
WO2008137733A2 (en) * 2007-05-02 2008-11-13 Emory University Micellar structures, methods of making micellar structures, methods of imaging, and methods of delivering agents
FR2921068B1 (fr) * 2007-09-19 2010-12-24 Arkema France Composition renfermant un homopolymere d'acide lactique et un copolymere a blocs
PT2644594T (pt) 2007-09-28 2017-11-20 Pfizer Direcionamento a células cancerosas utilizando nanopartículas
JP2011500569A (ja) 2007-10-12 2011-01-06 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー ワクチンナノテクノロジー
US8652506B2 (en) * 2008-06-05 2014-02-18 Boston Scientific Scimed, Inc. Bio-degradable block co-polymers for controlled release
US8591905B2 (en) 2008-10-12 2013-11-26 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Nicotine immunonanotherapeutics
US8277812B2 (en) 2008-10-12 2012-10-02 Massachusetts Institute Of Technology Immunonanotherapeutics that provide IgG humoral response without T-cell antigen
EP2201935B1 (en) 2008-12-26 2020-07-08 Samyang Biopharmaceuticals Corporation Polymeric micelle composition containing a poorly soluble drug and preparation method of the same
US20150359777A1 (en) * 2008-12-26 2015-12-17 Samyang Biopharmaceuticals Corporation Preparation method of polymeric micellar nanoparticles composition containing a poorly water-soluble drug
WO2010114768A1 (en) * 2009-03-30 2010-10-07 Cerulean Pharma Inc. Polymer-epothilone conjugates, particles, compositions, and related methods of use
CA2756072A1 (en) * 2009-03-30 2010-10-14 Cerulean Pharma Inc. Polymer-agent conjugates, particles, compositions, and related methods of use
WO2010127271A1 (en) 2009-04-30 2010-11-04 Intezyne Technologies, Incorporated Polymer micelles containing anthracylines for the treatment of cancer
US8524784B2 (en) 2009-04-30 2013-09-03 Intezyne Technologies, Incorporated Polymer micelles containing anthracylines for the treatment of cancer
US10143652B2 (en) 2009-09-23 2018-12-04 Curirx Inc. Methods for the preparation of liposomes
WO2011038068A1 (en) 2009-09-23 2011-03-31 Formatech, Inc. Methods for the preparation of liposomes
KR101224004B1 (ko) * 2009-12-29 2013-01-22 주식회사 삼양바이오팜 단백질, 폴리펩타이드 또는 펩타이드 약물 전달용 고분자 및 그 제조방법, 및 단백질, 폴리펩타이드 또는 펩타이드 약물의 서방형 조성물 및 그 제조 방법
KR101508275B1 (ko) 2011-12-16 2015-04-08 주식회사 삼양바이오팜 고분자 나노입자 수용액 조성물 및 그 제조방법
CN103479573B (zh) * 2013-07-26 2017-04-19 中国科学院长春应用化学研究所 聚乙二醇单甲醚‑聚酯两嵌段共聚物胶束及载药胶束的制备方法
CN104086726A (zh) * 2014-07-08 2014-10-08 成都市绿科华通科技有限公司 聚乳酸星型二嵌段共聚物药用功能材料
JP6487051B2 (ja) * 2014-12-30 2019-03-20 サムヤン バイオファーマシューティカルズ コーポレイションSamyang Biopharmaceuticals Corporation ポリマーナノ粒子の凍結乾燥物、及びその製造方法
WO2016110839A1 (en) 2015-01-05 2016-07-14 B.G. Negev Technologies And Applications Ltd., At Ben-Gurion University Nanoparticles and methods for preparation thereof
KR101787447B1 (ko) * 2015-07-28 2017-10-19 주식회사 삼양바이오팜 보관 안정성이 향상된 약학 조성물 및 그의 제조 방법
KR101745429B1 (ko) 2015-07-28 2017-06-12 주식회사 삼양바이오팜 양친성 블록 공중합체의 정제방법, 이로부터 얻어지는 양친성 블록 공중합체, 및 이를 포함하는 약학 조성물
KR101748191B1 (ko) * 2015-07-28 2017-06-19 주식회사 삼양바이오팜 보관 안정성이 향상된 약학 조성물 및 그의 제조 방법
KR101787451B1 (ko) * 2015-07-28 2017-10-19 주식회사 삼양바이오팜 보관 안정성이 향상된 약학 조성물 및 그의 제조 방법
KR101787453B1 (ko) * 2015-07-28 2017-10-19 주식회사 삼양바이오팜 보관 안정성이 향상된 약학 조성물 및 그의 제조 방법
US10457772B2 (en) 2017-09-08 2019-10-29 International Business Machines Corporation Preparation of robust polythioaminal carriers
CN110156971A (zh) * 2018-02-13 2019-08-23 上海时莱生物技术有限公司 一种两亲性嵌段共聚物及其制备方法和纳米胶束载药系统

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2709516B2 (ja) 1989-07-12 1998-02-04 多木化学株式会社 医用組成物
IT1243390B (it) * 1990-11-22 1994-06-10 Vectorpharma Int Composizioni farmaceutiche in forma di particelle atte al rilascio controllato di sostanze farmacologicamente attive e procedimento per la loro preparazione.
CA2087125A1 (en) 1992-01-23 1993-07-24 Mridula Nair Chemically fixed micelles
JP3107451B2 (ja) 1992-03-31 2000-11-06 竹本油脂株式会社 ポリカーボネート樹脂用帯電防止剤及びこれを含有するポリカーボネート樹脂組成物
KR940003548U (ko) 1992-08-14 1994-02-21 김형술 세탁물 건조기
JP3270592B2 (ja) 1992-10-26 2002-04-02 日本化薬株式会社 ブロック共重合体−抗癌剤複合体医薬製剤
JPH0769917A (ja) 1993-06-24 1995-03-14 Takeda Chem Ind Ltd 抗エンドセリン物質の徐放性製剤
US5565215A (en) * 1993-07-23 1996-10-15 Massachusettes Institute Of Technology Biodegradable injectable particles for imaging
US6447796B1 (en) * 1994-05-16 2002-09-10 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Sustained release hydrophobic bioactive PLGA microspheres
JPH10110019A (ja) 1996-10-08 1998-04-28 Kazunori Kataoka 安定化高分子ミセルおよび生理活性物質のキヤリヤーとしてのその使用
US6267987B1 (en) * 1997-12-12 2001-07-31 Samyang Corporation Positively charged poly[alpha-(omega-aminoalkyl) glycolic acid] for the delivery of a bioactive agent via tissue and cellular uptake
KR100360827B1 (ko) 1999-08-14 2002-11-18 주식회사 삼양사 난용성 약물을 가용화하기 위한 고분자 조성물 및 그의 제조방법
US6743446B2 (en) * 1999-12-15 2004-06-01 The Ohio State University Research Foundation Methods for stabilizing biologically active agents encapsulated in biodegradable controlled-release polymers
KR100416242B1 (ko) * 1999-12-22 2004-01-31 주식회사 삼양사 약물전달체용 생분해성 블록 공중합체의 액체 조성물 및이의 제조방법
US7217770B2 (en) 2000-05-17 2007-05-15 Samyang Corporation Stable polymeric micelle-type drug composition and method for the preparation thereof
KR100446101B1 (ko) * 2000-12-07 2004-08-30 주식회사 삼양사 수난용성 약물의 서방성 제형 조성물

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007520576A (ja) * 2003-06-27 2007-07-26 株式會社アモーレパシフィック 生理活性成分を含有する自己集合性高分子ナノ粒子及びこれを含有する外用剤組成物
JP2007507568A (ja) * 2003-09-30 2007-03-29 メディオラヌム ファルマチェウティチ ソシエタ ペル アチオニ 1−ビニルピロリジン−2−オン/エステル共重合体
JP2007217794A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 金属ナノ粒子及びその製造方法
JP2009537541A (ja) * 2006-05-15 2009-10-29 マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー 機能的粒子のためのポリマー
US8853351B2 (en) 2007-12-31 2014-10-07 Samyang Biopharmaceuticals Corporation Highly pure amphiphilic copolymer comprising hydrophobic block from alpha-hydroxy acid and process for the preparation thereof
JP2011508046A (ja) * 2007-12-31 2011-03-10 サムヤン コーポレイション ポリ(α−ヒドロキシ酸)の疎水性高分子ブロックを含む高純度の両親媒性ブロック共重合体及びその製造方法
JP2011509322A (ja) * 2007-12-31 2011-03-24 サムヤン コーポレイション タキサン含有両親媒性ブロック共重合体ミセル組成物及びその製造方法
US9801818B2 (en) 2007-12-31 2017-10-31 Samyang Biopharmaceuticals Corporation Method for stabilizing amphiphilic block copolymer micelle composition containing poorly water-soluble drug
US9795562B2 (en) 2007-12-31 2017-10-24 Samyang Biopharmaceuticals Corporation Method for stabilizing amphiphilic block copolymer micelle composition containing poorly water-soluble drug
JP2015034172A (ja) * 2007-12-31 2015-02-19 サムヤン バイオファーマシューティカルズ コーポレイション タキサン含有両親媒性ブロック共重合体ミセル組成物及びその製造方法
JP2010065067A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 粒子およびその製造方法、ならびにゲル
JP2012509318A (ja) * 2008-11-21 2012-04-19 サミャン コーポレイション 耐性がん治療用高分子ミセル組成物及びその製造方法
JP2012513985A (ja) * 2008-12-26 2012-06-21 サムヤン コーポレイション 水難溶性薬物含有高分子ミセルナノ粒子組成物の製造方法
JP2013516407A (ja) * 2009-12-30 2013-05-13 サムヤン バイオファーマシューティカルズ コーポレイション 改善された水溶解度を有するラパマイシン含有高分子ナノ粒子注射剤組成物及びその製造方法、並びに放射線療法と併用するための抗癌組成物
JP2015078247A (ja) * 2009-12-30 2015-04-23 サムヤン バイオファーマシューティカルズ コーポレイシ 放射線療法と併用して肺癌の治療に有用なラパマイシン含有高分子ナノ粒子静脈注射用抗癌組成物
JP2014501253A (ja) * 2010-12-24 2014-01-20 サムヤン バイオファーマシューティカルズ コーポレイション 水難溶性薬物含有徐放性微小粒子及びその製造方法
US9011921B2 (en) 2010-12-24 2015-04-21 Samyang Biopharmaceuticals Corporation Sustained-release polymeric microparticles containing poorly water-soluble drug and method for preparing the same
JP2016000744A (ja) * 2010-12-24 2016-01-07 サムヤン バイオファーマシューティカルズ コーポレイション 水難溶性薬物含有徐放性微小粒子及びその製造方法
US11534447B2 (en) 2016-11-18 2022-12-27 Samyang Holdings Corporation Emulsion composition for chemoembolization and method for producing same

Also Published As

Publication number Publication date
CN1571816A (zh) 2005-01-26
DE60222007D1 (de) 2007-10-04
EP1448707B1 (en) 2007-08-22
DE60222007T2 (de) 2008-05-15
JP3955846B2 (ja) 2007-08-08
MXPA04003621A (es) 2004-07-30
ES2292827T3 (es) 2008-03-16
CA2463172C (en) 2009-08-18
NZ532198A (en) 2006-03-31
US20040253195A1 (en) 2004-12-16
US7879317B2 (en) 2011-02-01
ATE370988T1 (de) 2007-09-15
AU2002348660B2 (en) 2006-01-12
WO2003033592A1 (en) 2003-04-24
EP1448707A1 (en) 2004-08-25
CA2463172A1 (en) 2003-04-24
CN1303155C (zh) 2007-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3955846B2 (ja) 安定性を向上した高分子ミセル組成物
US7311901B2 (en) Amphiphilic block copolymer and polymeric composition comprising the same for drug delivery
AU2002348660A1 (en) Polymeric micelle composition with improved stability
KR101056509B1 (ko) 난용성 약물 함유 고분자 미셀 나노입자 조성물의 제조방법
KR100360827B1 (ko) 난용성 약물을 가용화하기 위한 고분자 조성물 및 그의 제조방법
EP1670838B1 (en) Amphiphilic block copolymer and polymeric composition comprising the same for drug delivery
EP1280557B1 (en) Method for the preparation of polymeric micelle via phase separation of block copolymer
JP4885846B2 (ja) 両親性ブロック共重合体及びポリ乳酸誘導体を含む高分子薬物担体に基づいた生物活性剤の細胞内伝達システム
JP5121790B2 (ja) 薬剤送達のための生物分解性ブロックコポリマー組成物
KR100531269B1 (ko) 수용액에서 안정한 미셀 또는 나노 파티클을 형성하는고분자 조성물
JP2005505675A (ja) 高分子ミセルを形成するpH応答性生分解性ポリ乳酸誘導体及び難溶性薬物伝達体への当該誘導体の使用
AU2002353551A1 (en) pH responsive biodegradable polylactic acid derivatives forming polymeric micelles and uses thereof for poorly water soluble drug delivery
WO2005040247A1 (en) Polymeric composition for drug delivery
KR100492805B1 (ko) 안정성이 향상된 고분자 미셀 조성물
SHAOQIONG Study of environmentally sensitive polymeric carriers for controlled drug delivery

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3955846

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term