JP2005502780A - 転炉ギヤユニット - Google Patents

Abstract

本発明は、転炉ギヤユニット（９）の少なくとも１つの駆動ピニオン（８）と係合している、転炉容器の旋回軸（６）と結合されたリングギヤ（７）と、水平な軸（１０）に配設された歯部（１１）によって形成されたロックアーム（１２）の形の、リングギヤ（７）の歯部へと入旋回又は出旋回可能な少なくとも１つのロック装置とを有する転炉ギヤユニットに関する。ロック装置の改善は、ロックアーム（１２）の軸（１０）が、少なくとも１つの末端の軸受（１３、１３’）内に軸受けされており、ロックアーム（１２）が、特にその端部領域において作用する動力手段（１４，１４’）によってリングギヤ（７）の歯部へと動力伝達可能に係入可能であるか、もしくは歯部への係合から係脱可能であることにある。更に、ロックアーム（１２）の軸（１０）は、互いに自由に回転可能に配設されたそれぞれ２つの偏心ブッシュ（４，５）によって、その軸端部において転炉ギヤユニット（９）のハウジング内に軸受けされている。軸受部は、偏心ブッシュを別々に捩ることによってロック装置（１２）並びにリングギヤ（７）の共同する両方の歯部領域の相互の理想的な係合位置が調節可能であるように構成されている。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、転炉ギヤユニットの少なくとも１つの駆動ピニオンと係合している、転炉容器の旋回軸と結合されたリングギヤと、水平な軸に配設された歯部によって形成されたロックアームの形の、リングギヤの歯部へと入旋回又は出旋回可能な少なくとも１つのロック装置とを有する転炉ギヤユニットに関する。
【背景技術】
【０００２】
転炉ギヤユニットは、酸素吹込み工程の間に高いかつ変動するモーメントによって負荷を受ける。これらのモーメントは、通常、面負荷を極端に高くし、これにより歯部の摩耗を過度にする。
【０００３】
有害な負荷をロックアームの使用によって明らかに低減することが公知である。転炉容器におけるリングギヤの歯部へのロックをする係合のためのロックアームの末端のロックアーム歯部は、「めす型」として、約５〜６個分の出力ギヤの歯溝に相当する。この場合一様に歯部の領域に分散される荷重は、歯部の面圧及びこれにより引き起こされる磨耗の著しい低減を生じさせる。
【０００４】
この構造における欠点は、特に独立した２つのブロックレバーを配設する際の、ブロックレバー及びその軸受部が調節精度を要することである。この場合、既に、理想的な係合位置からの僅かな偏差は、拘束力及び応力を極端に高くし、これによりリングギヤ及びロックアーム歯部の摩耗を早める。
【０００５】
これらの結果を回避するため、ハウジング及びロックアームの孔を共に加工するという措置が使用されていた。このため、ギヤホイール及びロックアームをその最適な位置でハウジング内に予め組み付けること、更には固定すること、そして最後に共に加工することが必要である。
【０００６】
この場合、非常に高い製造コスト以外に、ロックアームの後からの交換もしくは再調整が、特別な処理順序のために可能でないという更なる欠点が生じる。
【０００７】
特許文献１には、ロックすべき要素のレリーフ式の凹部及び凸部を有する領域に対して相補的な、その周囲に設けられたレリーフ式の凸部及び凹部の領域を有する構成部品を有し、ロックアームの端部に、ロックすべき要素との「外係合」をする受動的な位置と、要素もしくは構成部品の凸及び凹にされた領域が要素を予め設定された位置でロックするために互いに侵入する能動的な位置との間で構成部品を変位させるための装置が配設された、鋳造用取鍋において動的なチェンの要素をロックするための装置が記載されている。更に、その凸及び凹にされた領域に関して予め設定された位置にある要素のための表示手段、並びにロックアームの位置を表示するための手段が設けられている。
【特許文献１】
欧州特許出願公開第１ ０２２ ４８２号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
前記の従来技術から出発して、本発明の基本にある課題は、請求項１の上位概念において述べた様式の転炉ギヤユニットを、改善された構造様式で製造し、駆動ピニオンとリングギヤとの間の歯部の理想的な係合位置の調節をするための手段によって、ギヤユニットのリングギヤに対して相対的なロックレバーの最適な調節精度を、常にこれらの要素の製造に依存せずに再調整することができるように形成することである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
この課題を解決するために、冒頭で述べた様式の転炉ギヤユニットにおいては、本発明により、ロックアームの軸が、少なくとも１つの末端の軸受内に軸受けされており、ロックアームが、動力手段によってリングギヤの歯部へと動力伝達可能に係入可能であるか、もしくは歯部への係合から係脱可能であること、そして、ロックアームの軸が、互いに自由に回転可能に配設されたそれぞれ２つの偏心ブッシュによって、偏心ブッシュを別々に捩ることによってロック装置並びにリングギヤの共同する両方の歯部領域の相互の理想的な係合位置が調節可能であるように、その軸端部において転炉ギヤユニットのハウジング内に軸受けされていること、が提案される。
【００１０】
ロックアームの軸受部の本発明による構造様式によれば、ギヤユニットの駆動歯部のバックラッシュの最適な調整能力が、常に、またギヤユニットの製造に依存せずに得られる、及び／又はバックラッシュを再調整することができるということが得られので、大変有利である。これにより、ロック歯部の領域内での一様な荷重分布が、約５〜６個分の出力ギヤの係合領域の歯溝である場合でも、歯のフランク部の劇的に低減された面負荷と共に得られる。ギヤユニットのギヤホイールの摩耗は、相応に低減される。
【００１１】
本発明による軸受部の有効な形成は、従属請求項に応じて行なわれる。
【００１２】
本発明による構造様式のロックアームの軸の遊びの少ない軸受部の調整をするための方法は、緊張要素が緊張を除去された際に軸の偏心ブッシュを捩じることによって、先ず、リングギヤの歯部へのロック装置の歯部領域の最適な係合が調節され、その後、両方の末端の軸受部の緊張要素が、拡幅によって遊びの少ない軸受状態へともたらされ、偏心ブッシュが、その際得られる調節を確定されることによって際立っている。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明の更なる詳細、特徴及び利点は、図面に概略的に図示した幾つかの実施例の以下の説明から分かる。
【００１４】
図１は、側面図に、転炉ギヤユニット９の少なくとも１つの駆動ピニオン８と係合している図示されてない転炉容器の旋回軸６と結合されたリングギヤ７と、水平な軸１０に配設された歯部１１によって特にその端部領域において旋回可能に形成もしくは軸受けされたロックアーム１２の形の、リングギヤ７の歯部へと入旋回又は出旋回可能な少なくとも１つのロック装置とを有する転炉ギヤユニット９を示す。
【００１５】
ロックアーム１２は、軸１０によって、少なくとも１つの末端の軸受１３，１３’内に軸受されされており、特にその端部領域において作用する動力手段１４，１４’、例えば油圧シリンダによってリングギヤ７の歯部へと動力伝達可能に係入可能であるか、もしくは歯部への係合から係脱可能である。ロックアーム１２の軸１０は、互いに自由に回転可能に配設されたそれぞれ２つの偏心ブッシュ４，５によって、その軸端部において転炉ギヤユニット９のハウジング内に軸受けされている。偏心ブッシュを別々に捩じることによって、ロック装置１２並びにリングギヤ７の協働する両方の歯部領域の相互の理想的な係合位置が調節可能である。
【００１６】
偏心ブッシュ４，５及びこれらの偏心ブッシュを収容する転炉ギヤユニット９の孔１８，１８’には、それぞれ１つの緊張要素１６，１６’が、遊びの少ない軸受部１３，１３’を調節するために付設されている。これは、例えば、緊張要素１６が、軸方向楔１７によって内外径が拡幅可能な締付けブッシュであることによって得ることができる。
【００１７】
ロック装置のロックアーム１２の軸１０の遊びの少ない軸受部１３，１３’の調節及び転炉ギヤユニット９のリングギヤ７へのロックアーム１２の歯部領域の最適な係合の調節は、緊張要素１６が緊張を除去された際に偏心ブッシュ４，５を捩じることによって行なわれる。これにより、両方の末端の軸受部１３，１３’の緊張要素１６は、拡幅によって遊びの少ない軸受状態にもたらされ、偏心ブッシュ４，５が、その調整を確定される。
【００１８】
このため、図３〜６は、内側の偏心ブッシュ４による外側の偏心ブッシュ５の侵入の異なった状態を示す。
【００１９】
この場合、それぞれ、外側のブッシュ５の回転中心は符号「１」で、内側のブッシュ４の回転中心は符号「２」で、そして内側のブッシュ４内での孔の中心は符号「３」で指示されている。
【００２０】
図３は、いわゆる中立位置を示し、この中立位置では、両方のブッシュの偏心度が、互いに相殺される。従って、記載された間隔「Ｓ」は、ブッシュの偏心度を示す。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】側面図に、転炉ギヤユニットを示す。
【図２】図１における切断面Ｉ−Ｉの断面図に、偏心ブッシュ内のロックアームの軸の軸受部を示す。
【図３】軸方向の横断面図に、偏心位置に互いに軸受けされた偏心ブッシュの対を示す。
【図４】互いに軸受けされた偏心ブッシュの異なった偏心位置を示す。
【図５】互いに軸受けされた偏心ブッシュの異なった偏心位置を示す。
【図６】互いに軸受けされた偏心ブッシュの異なった偏心位置を示す。
【符号の説明】
【００２２】
１ 外側のブッシュの中心
２ 内側のブッシュの中心
３ 内側のブッシュの孔の中心
４ 内側の偏心ブッシュ
５ 外側の偏心ブッシュ
６ 転炉容器の旋回軸
７ リングギヤ
８ 駆動ピニオン
９ 転炉ギヤユニット
１０ 水平な軸
１１ 歯部
１２ ロックアーム
１３ 軸受
１４ 動力手段
１６ 緊張要素
１７ 軸方向楔
１８ 孔

Claims (4)

1. 転炉ギヤユニット（９）の少なくとも１つの駆動ピニオン（８）と係合している、転炉容器の旋回軸（６）と結合されたリングギヤ（７）と、水平な軸（１０）に配設された歯部（１１）によって形成されたロックアーム（１２）の形の、リングギヤ（７）の歯部へと入旋回又は出旋回可能な少なくとも１つのロック装置とを有する転炉ギヤユニットにおいて、
   −ロックアーム（１２）の軸（１０）が、少なくとも１つの末端の軸受（１３、１３’）内に軸受けされており、ロックアーム（１２）が、動力手段、例えば油圧シリンダ（１４，１４’）によってリングギヤ（７）の歯部へと動力伝達可能に係入可能であるか、もしくは歯部への係合から係脱可能であること、そして、
   −ロックアーム（１２）の軸（１０）が、互いに自由に回転可能に配設されたそれぞれ２つの偏心ブッシュ（４，５）によって、偏心ブッシュを別々に捩ることによってロック装置（１２）並びにリングギヤ（７）の共同する両方の歯部領域の相互の理想的な係合位置が調節可能であるように、その軸端部において転炉ギヤユニット（９）のハウジング内に軸受けされていること、
   を特徴とする転炉ギヤユニット。
2. 偏心ブッシュ（４，５）及びこれらの偏心ブッシュを収容する転炉ギヤユニット（９）の孔（１８，１８’）に、遊びの少ない軸受部（１３）の調節をするためのそれぞれ１つの緊張要素（１６，１６’）が付設されていることを特徴とする請求項１に記載の転炉ギヤユニット。
3. 緊張要素（１６）が、軸方向楔（１７）によって内径もしくは外径が拡幅可能な締付けブッシュであることを特徴とする請求項１又は２に記載の転炉ギヤユニット。
4. 転炉ギヤユニット（９）のリングギヤ（７）へのロックアーム（１２）の歯部領域の最適な係合のために、転炉ギヤユニット（９）におけるロック装置のロックアーム（１２）の軸（１０）の遊びの少ない軸受部の調節をするための方法において、
   軸の軸受部の緊張要素（１６）が緊張を除去された際に偏心ブッシュ（４，５）を捩じることによって、先ず、リングギヤ（７）の歯部へのロック装置（１２）の歯部領域の最適な係合が調節され、その後、両方の末端の軸受部（１３，１３’）の緊張要素（１６）が、拡幅によって遊びの少ない軸受状態へともたらされ、偏心ブッシュ（４，５）が、その調節を確定されることを特徴とする方法。