JP2005502712A - 非造血組織由来の非胚性細胞の保存 - Google Patents

非造血組織由来の非胚性細胞の保存 Download PDF

Info

Publication number
JP2005502712A
JP2005502712A JP2003528119A JP2003528119A JP2005502712A JP 2005502712 A JP2005502712 A JP 2005502712A JP 2003528119 A JP2003528119 A JP 2003528119A JP 2003528119 A JP2003528119 A JP 2003528119A JP 2005502712 A JP2005502712 A JP 2005502712A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
cells
adipose tissue
stem
adipocyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003528119A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005502712A5 (ja
Inventor
ジョン ケー フレイザー
マーク エイチ ヘドリック
Original Assignee
マクロポー バイオサージェリー インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マクロポー バイオサージェリー インコーポレイテッド filed Critical マクロポー バイオサージェリー インコーポレイテッド
Publication of JP2005502712A publication Critical patent/JP2005502712A/ja
Publication of JP2005502712A5 publication Critical patent/JP2005502712A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N1/00Preservation of bodies of humans or animals, or parts thereof
    • A01N1/02Preservation of living parts
    • A01N1/0278Physical preservation processes
    • A01N1/0284Temperature processes, i.e. using a designated change in temperature over time
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N1/00Preservation of bodies of humans or animals, or parts thereof
    • A01N1/02Preservation of living parts
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N1/00Preservation of bodies of humans or animals, or parts thereof
    • A01N1/02Preservation of living parts
    • A01N1/0205Chemical aspects
    • A01N1/021Preservation or perfusion media, liquids, solids or gases used in the preservation of cells, tissue, organs or bodily fluids
    • A01N1/0221Freeze-process protecting agents, i.e. substances protecting cells from effects of the physical process, e.g. cryoprotectants, osmolarity regulators like oncotic agents

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

本発明は、脂肪組織に由来する凍結保存された幹細胞及び前駆細胞含有集団、前記細胞集団を回収及び貯蔵する方法、並びに解凍した前記細胞集団の治療的使用を対象とする。本発明はさらに結合組織マトリックス物質を対象としており、前記結合組織マトリックス物質は、脂肪組織から抽出されてもよく、後に続く哺乳動物患者における治療的、構造的又は美容的使用のために貯蔵され得る。

Description

【0001】
本出願は、2001年9月14日に出願された米国仮特許出願第60/322,070号の利益を主張する。
本発明は、後に続く使用のために凍結保存される脂肪組織由来の細胞、特に脂肪組織由来の幹細胞及び前駆細胞の集団を対象としており、前記凍結保存された細胞の治療的使用も対象とする。本発明は、脂肪組織から抽出される結合組織マトリックス物質(connective tissue matrix material)の調製及び貯蔵、並びに貯蔵後の前記物質の治療的及び美容的使用も対象とする。前記細胞集団及び前記マトリックス物質は、種々の疾患及び障害を有する患者に対する治療的、構造的及び/又は美容的処置に用いられ得る。好ましい態様では、凍結保存され解凍された細胞が、自家(自己)修復、再構成、再構築及び診断的用途に用いられ得る。本発明は、本発明の幹細胞、前駆細胞及び結合組織の収集、処理及び保存の方法にも関する。前述の方法及び回収して保存した物質は、主としてヒトへの使用のために意図されたが、動物薬に用いることもでき、他の哺乳動物に対して応用し得る。
【0002】
(発明の背景)
[組織工学]
組織工学とは、生体組織の基本的要素を用いて、損傷した又は欠損した身体構造物又は器官を再生、修復又は再構築する技術に一般的に用いられる用語である。例えば、新しい心臓組織を生長させることによって心臓発作を治療し得ること、又は造骨細胞を用いることによって骨折の穏やかな治癒が処置され得ることが企図される。
組織工学の中心的な基本的要素は、(1)細胞、好ましくはユーザー定義の様式で数多くの異なる組織を大量に作製し得る高い増殖能及び分化能を有する細胞;(2)その上で組織が発達する三次元構造を提供する足場であって、天然材料、人工材料又は複合材料のものである前記足場;及び(3)前記細胞に、前記足場を用いて新しい又は修復された組織を生じさせる、成長因子及び化学薬物;である。
本発明の目的は、脂肪組織の抽出、前記脂肪組織中の所望成分の分離、その後に続く上記最初の二つのビルディングブロックの範囲内の材料、すなわち、幹細胞、前駆細胞及び天然足場である結合組織マトリックス物質を含む脂肪組織由来の細胞集団の貯蔵である。
【0003】
(背景技術)
[幹細胞及び前駆細胞]
幹細胞は、体の万能細胞である(Blau HM, TR Brazelton and JM Weimann“The Evolving Concept of a Stem Cell:Entity or Function?”Cell, 105, p829-841,(2001))。胚由来の幹細胞、すなわち胚性幹細胞(ESC)は、体の全部ではないが多くの種類の細胞及び組織になることが知られている。初期胎性細胞とも呼ばれる前記ESCは、個体の全遺伝情報を含むだけでなく、体の200を超える異なる細胞及び組織のいずれかになる発生能も含む。継続中の研究は、これらの細胞が途方もない科学的及び臨床的可能性を有することを示唆している(Weissman IL“Translating Stem and Progenitor Cell Biology to The Clinic:Barriers and Opportunities”Science 287, p1442-1446, (2000))。
しかしながら、ESCは、その使用に対して理論的制限を有する。臨床的に用いられる場合、前記ESCは必ず1個体の胚形態に由来する。前記個体に由来する幹細胞又は組織が別人に移植された場合、レシピエントは拒絶反応を防ぐために有毒な免疫抑制剤を必要とし得る。加えて、個体由来の細胞は、レシピエントにウイルス又は他の稀であるが深刻な疾患を運び得る。また、ESC様細胞(例えば奇形腫)が腫瘍を形成することも知られている。患者における使用のためにESCから発育させた組織のいずれもは、腫瘍を発達させず、生長、生長の停止又は治癒を組織に命ずる正常なシグナルに対して応答する生得的な能力を有する。
【0004】
最近、非胚性幹細胞又は‘成体(adult)’幹細胞が同定され、それらは、ESCの臨床的使用に代わる重要な素質を表している(Pittenger MF, Mackay AM, Beck SC, Jaiswal RK, Douglas R. Mosca JD, Moorman MA, Simonetti DW, Craig S, and Marshak DR“Multilieage Potential of Adult Human Mesenchymal Stem Cells”, Science, 284, p143-147, (1999);Zuk PA, Zhu M, Mizuno H, Huang J, Futrell JW, Katz AJ, Benhaim P, Lorenz HP and Hedrick MH“Multilineage Cells From Human Adipose Tissue:Implications For Cell-Based Therapies”, Tissue Eng 7, p211-218, (2001))。そのような細胞は、全てではないが多くの組織におとなしく存在しており、おそらくは、傷ついた組織を治療し得るように、外傷又は他の破壊的な疾患過程に応答するのを待っている。明らかになってきた科学的な証拠は、各個体が、全てではないが多くの種類の細胞及び組織になる能力をESCと共有し得る幹細胞のプールを持っていることを示している。
前駆細胞は、幹細胞と成熟細胞との間の中間体集団である。前駆細胞は、通常一般的に多様な種類の成熟細胞を生じ得る能力をより制限されており、定義上は、その増殖能を相当制限されており、限られた自己再生能力を有するか又はその能力を欠いている。前駆細胞の例には、造血系のCFU-GM細胞及びBFU-E細胞、前脂肪細胞、並びに間葉系の前骨芽細胞が挙げられる。
【0005】
[組織工学のための細胞供給源としての脂肪組織]
脂肪組織が、治療的用途に適する幹細胞、前駆細胞及びマトリックス物質の供給源であることが最近見出された(Zuk et al, 同書;Huang, JI, SR Beanes, Zhu M, HP Lorenz, Hedrick MH and Benhaim P“Rat extramedullary adipose tissue as a source of osteochondrogenic progenitor cells”Plast Reconstr Surg, 109:p1033-1041;discussion, p1042-1043,(2002);Mizuno H, Zuk PA, Zhu M, Lorenz HP, Benhaim P and Hedrick MH“Myogenic Differentiation by Human Processed Lipoaspirate Cells”Plast Reconstr Surg, 109:p199-209;discussion p210-211(2000))。脂肪組織は血管内皮細胞の豊富な供給源でもあり(Kern PA, Knedler A and Eckel RH“Isolation And Culture Of Microvascular Endothelium From Human Adipose Tissue”J Clin Invest 71, p1822-1829,(1983))、前記血管内皮細胞は、新しい血管の生長を促進することと幹細胞及び前駆細胞の生長を刺激することによって、組織再生及び組織工学においても役割を果たし得る(Hutley LJ, Herington AC, Shurety W, Cheung C, Vesey DA, Cameron DP and Prins JB“Human Adipose Tissue Endothelial Cells Promote Preadipocyte Proliferation”Am J Physiol Endocrinol Metab, 281, p1037-1044,(2001))。他の種類の組織もそのような細胞を含むが、非常に僅かな罹患率を有し、且つヒトから実質的な量を抽出し得る他の組織は存在しない。吸引補助装置を使った(suction-assisted)脂肪形成術(lipoplasty)(脂肪吸引)は、審美的な身体再輪郭形成(body recontouring)のために行われる非常に一般的な方法である。米国審美形成外科学会は、2001年に合衆国で385,000を超える脂肪吸引法が行われたことを報告している。現在の標準的な慣習では、脂肪吸引又は他の脂肪組織除去法に続いて得られた組織を廃棄したり破壊したりする。
【0006】
脂肪組織由来の幹細胞及び前駆細胞集団は、非常に多くの種類の細胞に分化する能力を有することが示されている(Zuk et al, 同書;Huang et al, 同書;Mizuno et al, 同書)。最も重要なのは、中胚葉性器官の細胞系統への分化が前記細胞集団の分化能の最も特徴付けられたものであるが、内胚葉性及び外胚葉性の系統への分化の証拠が存在することである。ヒトの体の全細胞は中胚葉、内胚葉又は外胚葉に由来するので、これらのデータは、脂肪細胞由来の幹細胞及び前駆細胞がヒトの体のいずれかの細胞へと発達する可能性を有し、従って非常に多くの治療的可能性を有することが示されている(200年9月14日に公開された国際公開第00/53795号)。例えば、骨、軟骨、筋肉及び脂肪は中胚葉に由来し、神経及び皮膚の細胞は外胚葉に由来し、膵臓及び腸管のような種々の臓器は内胚葉細胞により扱われ得る。前記の潜在的な全能性分化能に加えて、幹細胞及び前駆細胞は、かなりの増殖能を有し、非常に多い回数の継代(サイクル)を介するin vitro培養に耐え得る。前記の対になっている能力(分化及び増殖)は、脂肪組織由来の幹細胞及び前駆細胞を組織工学及び遺伝子薬に対して価値のあるものにする。
しかしながら、幹細胞の有用性は組織工学を凌ぐ。従って、幹細胞の増殖能及び分化能は、遺伝子導入及び遺伝子治療のアプローチに利用され得る。前記アプローチでは、幹細胞の子孫が遺伝子/遺伝子産物のデリバリービヒクルとして用いられる。
【0007】
[細胞の凍結保存]
単一の細胞、細胞ペレット又は細胞懸濁液が凍結されて細胞内外の流体が凍結するときには、細胞の内部及び周囲での局所的溶質濃度及び氷晶形成におけるばらつきのために、細胞が損傷する機会が非常に多く存在する。これは次の論文で考察されている(Karlsson JO and Toner M,“Long-Term Storage Of Tissues By Cryopreservation:Critical Issues”Biomaterials 17, p243-256, (1996))。凍結保護添加剤を使用することと冷却速度を制御することによって、そのような事象の負の効果が最小限にされ得ることが見出された。ある種の凍結保護添加剤は、細胞壁に浸透し、潜在的に有害な濃度差を減少させることによって作用する。同様に、細胞がゆっくり冷却されるときには水の流出速度が充分に速く、過度の過冷却を防いで、細胞内の氷の形成にまさって細胞の脱水を促進する。多段階冷却法の使用を支持すべく、種々の設定で種々の冷却速度が使用され、いくつかのプロトコルは数学的モデリングを使用する。また、多数の異なる凍結保護剤が、次の文献に記述されている(Pegg DE“The Current Status Of Tissue Cryopreservation”, Cryo Letters 22, p105,(2001);Karlsson JO and Toner M.,同書;Rowley SD“Hematopoietic Stem Cell Cryopreservation:A Review of Current Techniques”J Hematother. 1, p233, (1992)これらは参照により本明細書に含まれるものとする)。
【0008】
非造血性の幹細胞及び前駆細胞の凍結保存が発表された前歴は見出されていないが、白血病及びある種の遺伝病の治療における造血性幹細胞(通常の骨髄移植の臨床的有効性を担う細胞)の保証された臨床的有効性は、造血性細胞の凍結保存の最適化を対象とする多くの研究をもたらしている。二つの研究では、15年までの凍結保存期間の後に解凍された臍帯血から造血性細胞を回収することが調べられている(Mugishima H, Harada K, Chin M, Suzuki T, Takagi K, Hayakawa S, Sato K, Klein JP and Gale RP“Effects Of Long-Term Cryopreservation On Hematopoietic Progenitor Cells n Umbilical Cord Blood”, Bone Marrow Transplant 23, p395-396,(1999);Kobylka P, Ivanyi P, and Breur-Vriesendorp BS“Preservation of Immunological and Colony-forming Capacities of Long-Term (15 years) cryopreserved Cord Blood Cells”Transplantation 65, p1275, (1998))。Reらによる別の研究では、7年以上の間貯蔵されていた凍結保存骨髄幹細胞の臨床的有効性が示された(Re A, Vijayaraghavan K, Basade MM, He S, and Gulati SC“Long-Term Cryopreservation:Successful Trilineage Engraftment After Autologous Bone Marrow Transplantation With Bone Marrow Cryopreserved For Seven Years”, J Hematother 7, p185, (1998))。
従って、骨髄及び血液に由来する造血性幹細胞の凍結保存は、よく確立されている。最近、臍帯血幹細胞の大規模なバンキング(banking)が始められており、新しい複数の私的臍帯血バンクと数十の公的な血液関係を持たないドナーの臍帯血バンクとが世界中に存在する。米国特許第5,004,681号及び第5,192,553号には、臍帯血幹細胞バンキングが記載されている。
【0009】
[幹細胞及び前駆細胞の凍結保存]
人体の全ての細胞集団と同様に、脂肪組織に由来する幹細胞及び前駆細胞は老化する(D’Ippolito G, Schiller PC, Ricordi C, Roos BA, and Howard GA“Age-Related Osteogenic Potential Of Mesenchymal Stromal Stem Cells From Human Vertebral Bone Marrow”, J Bone Miner Res 14, p1115-1122,(1999);Muschler GF, Nitto H, Boehm CA, and Easley KA“Age- and Gender-Related Changes In The Cellularity Of Human Bone Marrow And The Prevalence Of Osteoblastic Progenitors”, J Orthop Res 19, p117-125, (2001);O’Driscoll SW, Saris D.B., Ito Y, and Fitzimmons JS“The Chondrogenic Potential Of Periosteum Decreases With Age”, J Orthop Res 19, p95-103, (2001);Long MW, Ashcraft EK, Normalle D, and Mann KG“Age-Related Phenotypic Alterations In Populations Of Purified Human Bone Precursor Cells”J Gerontol A Biol Sci Med Sci 54, pB54, (1999);Mueller SM and Glowacki J“Age-Related Decline In The Osteogenic Potential Of Human Bone Marrow Cells Cultured In Three-Dimensional Collagen Sponges”J Cell Biochem 82, p583-590, (2001))。細胞の老化は、細胞の機能の低下と関連している。幹細胞及び前駆細胞を効果的に凍結保存する方法は、それらの細胞を仮死状態に置くことである。具体的に、凍結保存に典型的に用いられる温度(−196℃)では、化学反応のためのエネルギーが不充分であり、従って代謝、細胞分裂及び老化過程のためのエネルギーがない。理論上は、凍結保存された細胞に対する損傷又は傷害の唯一の供給源を象徴するのが宇宙線である(Karlsson, et al, 同書)。
【0010】
従って個人は、早い年齢で自身の幹細胞を凍結保存することを合理的に選択して、体内に残る幹細胞が老いてその機能が低下する晩年において見込まれる使用のために、若い、おそらくはより若々しい細胞の供給を保証し得る。老化に勝って、体外での幹細胞の貯蔵が正しいとする他の傷害が存在する。例えば、通常の癌の化学療法及び放射線療法は幹細胞の機能に負の効果を有し、そのような治療の幹細胞に対する悪影響が治療の幾つかの副作用と関連し得ることの充分な証拠が存在する(Kashyap, et al.,“Effects Of Allogeneic Bone Marrow Transplantation On Recipient Bone Mineral Density:A Prospective Study”Biol Blood Marrow Transplant 6, p334, (2000);Banfi A, Podesta M, Fazzuoli L, Sertoli M.R, Venturini M, Santini G, Cancedda R, and Quarto R“High-Dose Chemotherapy Shows A Dose-Dependent Toxicity To Bone Marrow Osteoprogenitors:A mechanism for Post-bone Marrow Transplantation Osteopenia”Cancer 92, p2419, (2001);Galotto M, Berisso G, Delfino L, Podesta M, Ottaggio L, Dallorso S, Dufour C, Ferrara G.B., Abbondandolo A, Dini G, Bacigalupo A, Cancedda R, and Quarto R“Stromal Damage As Consequence Of High-Dose Chemo/Radiotherapy In Bone Marrow Transplant Recipient”Exp Hematol 207, p1460, (1999))。従って、そのような処置を受けようとする患者は、幹細胞及び前駆細胞を抽出して貯蔵しておく合理的な選択をすることができ、よってそのような細胞は化学療法又は放射線療法の影響を受けない。
【0011】
[脂肪組織に由来する結合組織マトリックス物質]
脂肪組織は、豊富な血液供給によって供給され、複雑な結合組織マトリックスによって一緒に固定されている成熟脂肪細胞と他の細胞集団とのゆるい集合体である。前記マトリックスの大部分は、主要な構造タンパク質であるコラーゲンで構成されている。前記マトリックスは、組織の再構築において価値があり、また再構成された臓器又は修復された組織損傷において細胞が生育するための足場として価値がある。
【0012】
(発明の要約)
幹細胞及び前駆細胞を含む脂肪組織由来の細胞集団が、解凍された前記細胞の治療的使用のために、単離され凍結保存される。加えて、脂肪組織由来の結合組織マトリックス物質が、後の治療的使用のために、抽出され貯蔵され得る。
特に本発明は、凍結保存された脂肪細胞由来の幹細胞及び前駆細胞含有集団並びにマトリックス物質の単離、保存、並びに、修復、再構成及び/又は再構築のための治療的、構造的又は美容的用途における治療的使用に関する。異種遺伝子配列を含む幹細胞及び前駆細胞を遺伝子治療に使用して、代わりの又は新規の遺伝子配列を送達することも企図される。
本発明の好ましい態様では、凍結保存され解凍された細胞が、自家(自己)再構成に用いられ得る。更に好ましい態様では、結合組織マトリックス物質が、自家(自己)又は同種(非自己)の修復及び再構築に用いられ得る。
本発明は、本発明の結合組織マトリックス並びに幹細胞及び前駆細胞含有細胞集団の収集、処理及び凍結保存の方法にも関する。
本発明は更に、本明細書に記載する処理及び方法によって単離された物体、すなわち細胞集団及びマトリックス物質のユニークな組成物に関する。
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明は、脂肪組織に由来する凍結保存された幹細胞及び前駆細胞含有集団、解凍した前記細胞の治療的使用、並びにそのような材料を得る方法及び処理を対象としている。本発明はさらに、脂肪組織に由来する結合組織マトリックス物質、並びに前記物質の抽出、保存及び貯蔵を対象としている。
特に本発明は、後の使用のための脂肪組織由来の幹細胞及び前駆細胞含有集団と結合組織マトリックスとの収集、処理及び貯蔵に関する。これらの方法はまとめて、脂肪組織由来の細胞及び物質のバンキング(banking)と呼ばれる。好ましい態様は、全身に又は直接体の特定部位に幹細胞及び/又は前駆細胞を送達することによって治療可能な疾患状態を有すると診断されている個人であって前記細胞及び物質が本来由来していた前記個人において、それらの産物を解凍後に使用することを対象とする。前記態様は、脂肪組織由来の幹細胞及び前駆細胞含有集団、及び/又は結合組織マトリックスの自家バンキング及び埋め込みとして記述され得る。
【0014】
現在、幹細胞の数及び能力は、加齢に伴って低下することが実証されている。従って、個人個人が比較的若い間に自身の幹細胞及びその付随産物をバンクし、それによって彼等が年をとって必要とする場合に自身に利用できる貯蔵された生存能力のある若い幹細胞供給源を有することは、理不尽ではない。幹細胞又は前駆細胞の送達が医学上有益な可能性のある種々の異なる疾患状態には、骨粗鬆症、心筋梗塞、骨折、偶発的事故又は関節炎による軟骨損傷、神経の損傷又は疾患、及び審美的又は外傷に関連する形成外科的用途が挙げられるが、これだけに限られない。幹細胞及び/又は前駆細胞の送達が有益である非常に多くの病状が存在しており、また前記細胞の送達の新しい応用が日々発見されていることから、前記の列挙は本発明の有用性を限定することを意図しない。バンクした細胞の利点には、自家(自己)細胞としての前記細胞が、輸血又は移植に関連する疾患の導入の危険性を持たず、且つ同種細胞(別人から提供された細胞)に対する著しい危険である拒絶又は移植片対宿主病の危険性がないという事実が挙げられる。加えて、造血性幹細胞(血液細胞となる幹細胞であって、骨髄、末梢血又は臍帯血に由来する)の研究において、自家細胞の使用は別人に由来する細胞の使用よりも非常に有効であり、何分の一の細胞しか造血系の再構成(機能的血液細胞産生の発達)に必要とされないことが示されている。
【0015】
細胞の回収、単離及び保存の方法は次の工程又は段階の一部又は全部を含み得るが、これだけに限られない:(a)脂肪組織の収集;(b)収集場所における前記組織のパッケージング;(c)処理設備(バンク)への前記組織の輸送;(d)脂肪組織を処理して、幹細胞及び前駆細胞含有集団を抽出し、細胞結合組織マトリックス物質を単離すること;(e)細胞及びマトリックス物質の検査及びテスト;(f)貯蔵;(g)細胞及びマトリックス物質を貯蔵状態から回復させること;(h)回復させた細胞及びマトリックス物質の臨床治療のための調査;(i)前記細胞の任意のex vivo操作;(j)全バンク行為の効率及び品質を最大限にするように機能する品質システム;及び(k)ヒト細胞系、細胞系及び組織の修復、再構成及び再構築における治療的使用。当業者であれば、前記工程の一部を実行する順序は変えられ得ることが分かるであろう。
本発明の手法は組織バンキングの一般的な表題に該当し、従って本発明の手法は、そのような課題に取り組んでいる専門機関(例えば、米国組織バンク協会及び米国血液バンク協会)の要求に適合することが必要とされ得る。合衆国食品医薬品局のような政府機関も、本明細書に示す方法及び使用に応用できる基準(standards)を義務付けている。しかしながら、本発明の新規性は、現在存在し直接適用できる基準が存在しない程である。
【0016】
[脂肪組織の収集]
脂肪組織は、本発明によって企図されている幹細胞及び前駆細胞含有集団並びに結合組織マトリックス物質(好ましい所望成分)の供給源である。しかしながら、残りの部分に存在する他の脂肪組織成分(廃棄し得る成分)は、医学的な価値を有することもあり、他の用途に使用され得る。脂肪組織は、本技術分野で既知の方法によって得られ得る。例えば脂肪組織は、審美的な身体再輪郭形成の目的で行われるもののような種々の慣例的な脂肪吸引法の間に収集され得る。脂肪組織は、バンキングのために脂肪組織を収集する目的で設計された専用の装置の中に収集されてもよく、又は脂肪吸引法の個人実施によって、脂肪吸引物の収集に用いられる通常の装置の中に収集されてもよい。
本明細書に記述する幹細胞を収集する方法は、骨髄、皮膚又は骨格筋のような供給源を用いる他の方法より優れている。この方法は閉鎖系で行うことができ、上に記述するような脂肪吸引は、骨髄採取又は皮膚及び筋肉バイオプシーに付随する副作用及び危険なしに大量の組織を得る。
脂肪組織は、皮膚及び付属する脂肪組織の外科的切除と併せても収集され得る。その例には、腹部整形、切除的な脂肪除去、又は他の外科的処置に付随するものが挙げられる。
脂肪組織の収集は、好ましくは無菌条件下で行われる。脂肪組織及び/又は収集装置は、収集してから直ちに密封されて処理設備に輸送されるべきである。幾つかの設定では、収集設備と処理設備とが極めて近接しており、産物の密封及び一方の領域から他方の領域への輸送の単純化を可能にすることが予測される。
【0017】
[収集される脂肪組織の量]
吸引された脂肪組織は、様々な量の幹細胞、前駆細胞、マトリックス物質、血液、血清、脂質、脂肪細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞及び周囲細胞を含む(Hausman G.J. and R.L. Richardson“Cellular And Vascular Development In Immature Rat Adipose Tissue”J Lipid Res 24, p522-532 (1983);Greenwood M.H.,“Adipose Tissue:Cellular Morphology And Development”Ann Intern Med 103, p996-999,(1985);Kern, et al, 同書)。
第一の態様では、少なくとも約400 gの脂肪組織が得られる。実際の実験により、400 gの脂肪組織はおよそ一億個の有核細胞を産出することが示されている。しかしながら、より少ない量又はより多い量の脂肪組織も許容され得ることが、複数の状況下で示されている。例えば、痩せている人からよりも肥満している又は標準体重を超えた個人から多量の組織を採取することが許容され得る又は好まれ得る。
表1で示されるように、通常のボディマス・インデックスの人からよりも肥満している人からより多くの脂肪が得られ得るが、慣例的な脂肪形成法から得られた脂肪細胞由来の産物における総細胞収量は、著しく異なってはいない。これは、痩せている人が肥満している人よりも脂肪組織1グラムあたりにより多くの非脂肪細胞を有するからである。
このような観察の一つの結論は、本発明の有用性は、脂肪組織が抽出される個人のボディマス・インデックスによって制限されないということである。
さらに、脂肪組織由来の幹細胞及び前駆細胞は、凍結保存の前又は後に培養して増加させられることにより、治療に利用できる細胞数をかなり拡大し得る。
【0018】
【表1】
Figure 2005502712
【0019】
典型的な収集法では、滅菌容器中にパッケージされた収集装置が用いられ得る。ある特定の態様では、収集キット10が、医療グレードの材料で構成された滅菌収集缶12からなる。前記滅菌収集缶は医療グレードのフィルター材14を含み、前記フィルター材は遊離脂質、脂肪形成術に用いられる溶液、及び血液を流し通し、一方、収集装置の細胞収集部分15に脂肪組織断片を保持することができる。前記缶12は、前記フィルター材14の片側上にあって吸引供給源に取付けられたチューブ18を接続するためのポート(port)16と、フレキシブル・チューブ22によって単一用途の滅菌使い捨て脂肪吸引カニューレ24に接続されている第二ポート20を有している。前記缶12は、組織処理の間に用いられる材料の進入及び排出を可能にするために、他のポート26、28及び接続機構30、32も含み得る。装置は、血液収集バッグに貼られたラベルと同様なラベルを取付けられて、前記装置が標識され、組織収集物についての情報(例えばドナー識別表示、日付、時間)を書き加えること及び接着性ラベルをベースとして前記情報を加えることを可能にしてもよい。前記缶は、前記フィルターによって保持された組織の量を測定するための手段又は印(図示せず)を有していてもよい。クランプ又はバルブ34は、チューブ18、22に取付けられるか、又は種々のチューブ・ポート若しくはアクセス・ポート16、20、26、28、30、32のいずれかに含まれて、流体の流れを制御し得る又は真空レベルを施し得る。
幹細胞及び前駆細胞の少なくとも約90%を保持するのに適する典型的なフィルター材は、265 μmの孔径及び47%の開口面積を有する厚さ200 μmのポリエステルメッシュである。
【0020】
使用に先立つ前記缶及び付属部材の滅菌は、本技術分野で既知であるどの技術によって行われてもよい。そのような技術にはβ-線照射、γ-線照射、蒸気滅菌器中における適切な材料の高圧蒸気滅菌、ETO曝露等が挙げられるが、これだけに限られない。例えば好ましい態様では、FDA及び他の取締機関により義務付けられているような所定の規格に従って、無菌状態を提供することが確認されている線量でのγ-線照射によって滅菌が行われる。
収集キット10は、脂肪吸引より前に手術現場に置かれて利用できるように準備されていてもよい。
当業者には数多くの代替的な部材、材料及び装置が思い浮かぶことが予想され、また上記の態様は単に一例として提供されるのであって、本開示に含まれる本発明及びクレームの範囲を限定することを意図しない。審美的な身体再輪郭形成の目的で有資格医療関係者によって行われる吸引補助装置を使った脂肪形成術(脂肪吸引)は、好ましい脂肪組織供給源である。そのような方法では慣例的に100 gを超える脂肪吸引物が産出されるが、本発明のもとで処理され保存され得る組織の量に対しての下限値も上限値も存在しない。動力補助装置を使った(power-assisted)脂肪形成術及び超音波補助装置を使った(ultrasound-assisted)脂肪形成術のような他の脂肪形成技術も、脂肪組織を収集することに用いられ得る。同様に、脂肪切除(脂肪組織の外科的切除)を単独で又はより大きな外科手術(例えば腹部整形)と関連させて用いる技術は、本発明の範囲内である。
患者の脂肪形成法に対する準備に続き、前記治療者の実施によって、収集装置が脂肪吸引ポンプに取付けられ、カニューレがドナーに挿入される。
常に滅菌予防措置を維持しながら、処置が完了するまで又は前記収集装置が充満するまで脂肪吸引法が行われる。収集装置10は次に密封されて、組織を含む内部区画の無菌状態が維持される。次に収集カニューレは、上述する収集装置の操作を特異的に指示するチューブを接続していても接続していなくてもよいが、真空ポンプから外され、処理設備に輸送され得る。
【0021】
[収集システムを使用するための使用説明]
上述の収集装置を操作するための典型的な使用説明は、次のようである。
1.慣習的な脂肪形成術に対して通常行うように、患者を準備する。
2.脂肪吸引ポンプ(通常のトラップとインライン(in-line)微生物フィルターとを有する)を、収集容器12から導かれているホース18に接続する。
*注意:収集システムは、組織の断片及び集合体を収集するように設計されている。生理食塩水、血液及び遊離脂質は、フィルター及び収集容器を自由に通り抜けるであろう。そのため収集容器MUSTは、インライン微生物フィルターを有する通常のトラップの上流に置かれて、前記吸引ポンプの汚染を防ぐ。
3.収集容器12の吸引ポート16に取付けられたチューブ18上のバルブ34と、カニューレ24に至るチューブ22とが開いていることを確実にする。
4.前記カニューレの吸引先端24の方向を確かめて、普通の脂肪吸引カニューレのように使用して脂肪組織を取り出す。
5.収集容器の中に1.2リットルまでの脂肪組織が収集された後、注入チューブ及び排出チューブの上のバルブ34を閉めて、装置を完全に密封する。
*このシステムの無菌状態は、有効な密封に依存する。
6.前記装置の両側においてバルブの外側およそ5.08 cm(2インチ)でチューブを(切断することによって)除去する。
7.クライアント識別表示バーコードラベルを収集容器12に施す。前記ラベル上に処置の日付及び時間を記録する。
8.残りのクライアント識別表示バーコードラベルをワークシートに施し、前記ワークシートを完成させる。その書類のコピー一部を脂肪吸引組織と共に戻し、コピー一部は記録のために保有し、三番目のコピーは患者に与える。
【0022】
好ましい態様では、収集容器12が密封されて、処理場所まで輸送される。任意で、吸引を用いて滅菌洗滌溶液(例えば等張生理食塩水)に装置及び組織を通過させることによって、組織を洗滌してもよい。輸送する間の幹細胞生存度を高めるように設計された保存剤が、組織に添加されてもよい。
患者の情報、脂肪吸引が行われた日付及び時間に加えて、組織が得られた部位と、ドナーに関する他の医学的データ(年齢、性別、病歴等)とを記録することも適切であり得る。
組織収集場所と組織処理場所とが極めて近接しているときは、輸送のために収集容器をパッケージングする必要がない場合もある。
しかしながら、脂肪組織を長距離輸送しなければならないときは、脂肪組織が、バイオハザードを起す可能性のあるヒト材料に対する曝露から輸送に従事する人を保護する様式でパッケージングされるべきである。このことは、輸送の間における前記産物の生存度の保持をも最大限にし得る。
輸送に従事する人の保護は、収集装置を充分に密封することによって、又は脂肪組織をより容易に密封される滅菌容器の中に移すことによって、制御される。次に第一の容器が第二の容器、第三の容器の中にパッケージングされる。前記第二及び第三の容器は、運搬の間に起こることが当然予期される最悪の条件下において密封を保持することが検証されている。
【0023】
組織生存度の保護は、処理設備への速い効率的な輸送を確実にすることによって達成される。細胞生存度を最大限にするために、温度制御も用いられ得る。
従って、収集缶は断熱容器の中に置かれるべきである。パッキングは、本技術分野に既知の温度制御手段のいずれかで(例えば湿った氷、凍結ゲルパック)補われて、予期される輸送所要時間の間中、適切な温度が維持され得る。好ましい態様では、冷却剤及び断熱容器が所定の温度制御機能を提供することが検証されるべきである(例えば、前記冷却剤及び断熱容器が、少なくとも所定の時間の間は所定の温度より下の温度を保つべきである)。
当業者には他の密封及びパッケージングの態様が思い浮かぶであろうし、そのような態様は、要求に応じて用いられて、法的な要求事項又は品質システム改良に適合され得る。
収集時と処理時との間において脂肪組織の幹細胞区画の生存度を保つために、輸送条件が制御されることが必要不可欠である。加えて、試験されていないヒト生体物質の輸送に関する法的な要求事項が存在する。
【0024】
[脂肪組織の処理]
脂肪組織の処理は一連の洗滌及び抽出の工程を含み、前記工程では、対象の細胞集団が抽出される前に脂肪組織断片が任意に洗滌されて、残存する遊離脂質及び血液が除去され得る。脂肪組織の性質を考慮すると、適切なアプローチは、結合組織を崩壊することによって脂肪組織を脱凝集させることである。脂質の低い浮遊密度は遊離脂質及び成熟脂肪細胞に積載された脂質が一般的な等張緩衝化溶液に浮くほどであり、一方脂肪組織由来の幹細胞及び前駆細胞は沈殿して、より多くの脂肪細胞集団の容易な分離を可能にする。適切な緩衝化溶液にはPlasma Lyte A(登録商標)(Baxter Inc.)、Normosol R(Abbott Laboratories)、及びリン酸緩衝化生理食塩水が挙げられるが、これだけに限られない。
組織の脱凝集は本技術分野で既知のいずれかの手段によって行うことができ、前記手段には、コラゲナーゼ、トリプシン若しくはパパインのようなタンパク質分解酵素による消化;切り刻む力若しくは剪断力を使用する機械的な脱凝集;又は他の手段が挙げられるが、これだけに限られない。機械的崩壊及び/又はDNase及びリパーゼといった非タンパク質分解酵素を含む酵素の組合せに加えて、酵素を用いるようなアプローチの組合せも用いられ得る。
脱凝集は、脂肪結合組織マトリックスからの細胞の遊離を可能にする。次に成熟脂肪細胞が、平衡密度遠心分離、浮遊密度浮揚又は他の手段によって取り出され得る。次に残りの脂肪細胞枯渇細胞集団(adipocyte-depleted cell population)が、種々の手段によって濃縮され得る。そのような手段には、遠心分離、スピニング膜分離、抗体被覆ビーズのような固相構造物に対する示差的付着及び溶離、蛍光発色セルソーティング、他の手段、又はこれらの組合せが挙げられるが、これだけに限られない。
【0025】
脂肪組織(及び脂肪枯渇細胞集団)から得られた細胞集団の更なる分画が行われ得る。対象とする種類の細胞を最大限保持することが確実にされるように、注意が払われるべきである。多くの細胞分離技術が本技術分野に既知であって、そのような技術が脂肪組織から分離された前記細胞集団を更に操作することに用いられ得る。
例えば残存する赤血球の除去は、赤血球の浸透圧感受性を利用し、前記細胞集団を低調ショックに曝露させて赤血球を溶解させることによって達成され得る。平衡密度遠心分離又は遠心的溶離のような遠心分離アプローチも、免疫磁性細胞選択、蛍光発色セルソーティング又はパニング(panning)技術のような抗体をベースとするアプローチと同じように用いられ得る。正の選択、負の選択及びこの両方の組合せは、本発明の範囲内に含まれる。
プラスチックに対する付着及び細胞培養アプローチは、細胞の分画及び/又は処理の一環として用いられ得る。
前駆細胞から幹細胞を分離する程度まで前記細胞集団を分画し濃縮することは、細胞培養、抗体を介する正及び/又は負の選択、示差的密度遠心分離、遠心的溶離、又は本技術分野に既知である他の手段によって達成され得る。しかしながら、本技術分野に既知の純粋な若しくは濃縮された集団を作り出す手段のいずれか、又はそれら手段の組合せが用いられ得る。
【0026】
脂肪組織由来の結合組織マトリックス物質は、脂肪組織全体から直接的に、又は幹細胞及び前駆細胞の集団が抽出された組織から抽出され得る。好ましい態様では、マトリックス物質の大部分が細胞収集部分15の中(フィルターで囲まれた領域の中)に保持され、続いて前記収集部分15から幹細胞及び前駆細胞含有細胞集団が放出されて、濃縮及び凍結保存のために取り出される。次に、マトリックス物質の抽出が種々の異なる手段によって行われ得る。その例には、低調ショック(例えば滅菌蒸留水)への曝露による成熟脂肪細胞の溶解;ドデシル硫酸ナトリウム、トリトンX-100、Tween20のようなイオン性又は非イオン性界面活性剤を用いた抽出によるもの;アセトン又はイソプロピルアルコールのような有機溶媒を用いた抽出によるものを含む。前記のような抽出溶媒の組合せが用いられてもよい。例えば、細胞が水を用いて溶解され、残存する細胞マトリックスが界面活性剤を用いて抽出されてから、残存する脂質がアセトンを用いて抽出されてもよい。
好ましい態様では、脂肪組織が、滅菌済みの緩衝化等張生理食塩水を用いて洗滌され、適切な脱凝集を提供するのに充分なコラゲナーゼ濃度、温度及び時間にてコラゲナーゼと共にインキュベートされる。適切な溶液は約10 μg/ml-約50 μg/mlのコラゲナーゼ濃度を有しており、約30℃-約38℃にて約20分間-約60分間インキュベートされる。所望の細胞集団を抽出するときにシステムが効率的であることを実証するために、前記のようなパラメータはコラゲナーゼ酵素の供給源によって変動し、観察に基づく研究によって最適化されるであろう。特に好ましい濃度、時間及び温度は、20 μg/mlのコラゲナーゼ(Blendzyme 1, Roche)を45分間、約37℃にてインキュベートすることである。特に好ましい態様では、使用されるコラゲナーゼ酵素が、関係当局(例えば合衆国食品医薬品局)によってヒトへの使用が許可されている材料である。使用されるコラゲナーゼは、微生物及びエンドトキシンのような汚染を含まないようにすべきである。
【0027】
細胞及び/又はマトリックス物質の処理は、上に列挙する工程の一部又は全部を組み込んで、手動で又は自動化された様式で行われ得る。
好ましい態様では、外来性の微生物により又は同時に処理されている別のドナー由来の細胞により細胞集団が汚染される危険性を最小限にすることが、閉鎖処理システムの使用によって容易にされる。
無菌閉鎖流体経路を維持するアプローチを用いて、収集装置へ試薬が添加されるべきであり、また収集装置から廃棄物及び細胞を取り出すべきである。このことには、組織を洗滌するための緩衝化等張液の添加、組織を脱凝集させることに使用される酵素の添加、及び消化後の抽出された細胞集団を取り出すことが含まれる。
好ましい態様では、収集装置から導かれている閉鎖滅菌チューブを、緩衝化生理食塩水のバッグから導かれている別の一つの閉鎖滅菌チューブに接続する滅菌接続装置の使用によって、無菌閉鎖流体経路を維持することが達成される。同様に、洗滌の間に作り出される廃液は閉鎖滅菌チューブを通って収集装置から除去され、前記閉鎖滅菌チューブは、閉鎖滅菌廃棄バッグに通じている閉鎖滅菌チューブに接続されている。処理の間に脂肪組織から遊離した細胞は、同様に閉鎖滅菌チューブを通って収集装置から取り出され、前記閉鎖滅菌チューブは第二の閉鎖滅菌容器に通じている。そのような態様では、廃棄容器及び細胞収集容器が、柔軟な滅菌プラスチックバッグである。次に細胞収集バッグが遠心分離機の中に置かれて、細胞が400×gにて10分間沈殿させられ、安定な細胞ペレットが作り出される。前記の細胞収集バッグから導かれている閉鎖滅菌チューブは、次に第二の廃棄バッグに通じている閉鎖滅菌チューブに接続されて、細胞枯渇溶液の移動と前記細胞ペレットの保持とを可能にする。次に前記細胞ペレットは、凍結保存のために再懸濁され調製され得る。最後に、細胞を含んでいる前記バッグが、適切な凍結保存容器に通じている閉鎖滅菌チューブに接続され得る。
【0028】
このようにして、細胞は、収集箇所から凍結保存箇所までの閉鎖無菌流体経路の中に完全に維持され得る。
脂肪組織由来のマトリックス物質は、同様な連続的閉鎖滅菌チューブ接続の一般的アプローチで処理され得る。結合組織マトリックスは、幹細胞及び前駆細胞含有集団を最初に抽出していない脂肪組織から直接に、又は脂肪組織の消化が終わった時点で存在している粘着性の廃棄物質を抽出することによって、抽出される。
好ましい態様では、関係当局によってヒトへの使用が許可されている試薬及びシステムを利用するよう努力される。これは、ドナーの安全を促し、関連規則とのコンプライアンスを向上させるためである。必要とされる試薬がヒトへの使用に許可されている形態で入手可能でない場合は、有効性検証の研究を行い、前記試薬又はその成分が所定の適合性基準を満たすことを確実にすべきである。そのような基準には、純度分析、エンドトキシン含有量、無菌状態等が挙げられ得る。
ヒトへの使用が許可されている滅菌等張緩衝化溶液は、医療行為において非常に一般的であり、必需品として様々な製造業者及び卸売業者から入手可能である。同様に、滅菌収集装置を使用する収集に適切な閉鎖滅菌チューブを有している閉鎖滅菌バックは、血液バンキングの部品として一般的に入手可能である。凍結保存に適切である柔軟なプラスチックバッグは、骨髄移植プログラムにおいても常用されており、購入を目的として入手できる。
【0029】
回収された細胞及びマトリックス物質に対して行われる典型的なテストには、次のものが挙げられるが、これだけに限られない:
処理が終わった時点での細胞集団
細胞の総収量
細胞の無菌状態
細胞の生存度;
最終産物に含まれる小集団の含有量(次の物が挙げられるが、これだけに限られない)
内皮細胞
幹細胞
前駆細胞
血液細胞
残存する成熟脂肪細胞;
処理が終わった時点でのマトリックス物質
コラーゲン含有量
無菌状態
コラーゲンの完全性。
このようなテスト及び検査は、本技術分野に既知の手法を用いて行われる。例えば、細胞の生存度が生体色素排除試験(vital dye exclusion)によって決定されてもよく、幹細胞含有量が、有効なクローン原性アッセイ系におけるCFU-Fの増殖によって又は免疫検出を用いた細胞表面表現型の使用によって決定されてもよく、コラーゲンの完全性が透過電子顕微鏡によって決定されてもよい。これらのアッセイは例示の目的で列挙したものであって、当業者に既知の選択肢のような見込まれるアッセイを網羅的に列挙することを意図しない。
【0030】
[細胞の凍結保存及び貯蔵]
上に示すように、適切な添加剤及び有効な凍結保存処理を欠いている細胞凍結は、細胞に対して破壊的である。幹細胞及び前駆細胞が、凍結前に脂肪組織及び他の生体物質から分離されなければならないことも見出された。脂肪組織を凍結保存して解凍した後に幹細胞を分離する試みでは、生存能力のある幹細胞が有用な量で生成しなかった。
凍結保存添加剤は、二つの一般的なカテゴリー;細胞膜を通過し得る浸透性の凍結保護剤と非浸透性の凍結保護剤とに分類される。浸透性の凍結保護剤の例には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール及び1,2-プロパンジオールが挙げられるが、これだけに限られない。非浸透性の凍結保護剤の例には、ヒドロキシエチルスターチ、アルブミン及びポリビニルピロリドンが挙げられるが、これだけに限られない。
最も一般的に使用される浸透凍結保護剤はDMSOであり、しばしば、自家血漿、ヒト血清アルブミン及び/又はヒドロキシエチルスターチのような非浸透剤と組合せて用いられる。
好ましい態様では、用いられる特定の凍結保護添加剤が検証されて、解凍後の細胞の適切な回復が保証される。
凍結保存に続いて、凍結過程の間の冷却速度を制御することによって、生存能力のある細胞の回復が最適化され得る。最も一般的な冷却プロトコルは、開始から約−50℃までの重要な冷却段階の間、−1℃から−3℃の一定な冷却速度を維持する。
前記冷却速度は、種々の手段によって達成され得る。そのような手段にはコンピュータ制御された凍結速度を使用すること、冷却した有機溶媒浴に浸漬すること、又はメカニカルフリーザーの中に設置することが挙げられるが、これだけに限られない。好ましい態様では、選択されたシステムの能力が、所定の冷却速度を生じることについて検証される。しかしながら、選択された前記冷却速度は、用いる冷却速度が凍結保存後の細胞の適切な回復を提供することについて検証されている限りは、上で指定するパラメータ(開始から−50℃までは、−1℃から−3℃)を超えてもよい。
【0031】
細胞を適切な温度に冷却することに続いて、サンプルが長期貯蔵容器に移され得る。好ましい態様では、前記容器が真空ジャケット付き液体窒素デュワー瓶の形をとり、その中でサンプルが液相中に浸漬され得る又はチャンバーの気相中に固定され得る。このような容器は多数の製造業者及び卸売業者を介して入手可能であって、農業的用途(動物の精子及び卵子の貯蔵)及び医学的用途(ヒト精子バンキング及び骨髄移植プログラム)において一般的に用いられている。
好ましい側面では、処理された細胞が、5体積%のヒト血清アルブミン(American Red Cross Blood Services, Washington DC)を補足した緩衝化等張液(例えばPlasma-Lyte A, Baxter)中に再懸濁され、4℃まで冷却される。次にジメチルスルホキシド(DMSO)が凍結保護剤として添加されて、約5%-約20%、好ましくは10%の最終DMSO濃度が得られる。適切なバリデーション研究が行われて、対象細胞の解凍後の回復が同等又はより優れて達成されることが検証される限りは、20体積%までの最終DMSO濃度の使用がなされ得る。DMSOは、細胞を絶えず混合しながら例えばシリンジポンプを用いてゆっくり(およそ15分間かけて)添加され、添加の間はコールドパックを用いて細胞の温度が4℃に保持される。
細胞は、DMSOの添加に続いて、液体窒素における長期貯蔵に適する柔軟なプラスチックバッグの中に無菌状態の様式で移される。前記バッグは密封されて、アルミニウム囲い(enclosure)のようなカセット中に置かれる。前記カセットはフリーザーの中に置かれ、細胞が毎分−1℃の制御された速度で4℃から−50℃まで冷却される。次に温度は、毎分−10℃の速度で−90℃まで低下させられる。次に前記カセットが、液体窒素デュワー瓶の気相に置かれる。
【0032】
好ましい態様では、細胞が、幾つかのアリコート(一つ以上の凍結保存容器を使用するか又は複数の区画に分けられている凍結保存容器を使用することによって)で凍結保存される。これにより、残りの貯蔵状態を危うくすることなく、凍結細胞の一部を回復させることが可能となる。
代替的な凍結保存技術の例には、窒素の液相中で貯蔵すること、メカニカルフリーザー中で貯蔵すること、クライオバッグ(cryobag)でなく一つ以上のクライオチューブ(cryotube)に貯蔵すること、より高い又はより低い最終DMSO濃度を使用すること等が挙げられる。同様に、材料を常には無菌閉鎖流体経路の中に維持しないシステム、又は実際に材料がそのような経路に決して存在しないシステムを用いた態様が用いられ得る。
脂肪組織由来のマトリックス物質は大部分がコラーゲンで構成されており、コラーゲンは中性pHでは水に不溶性の非常に安定なタンパク質である。前記マトリックス物質は、懸濁液中で若しくは乾いたペレットとして凍結されてから氷点下の温度にて貯蔵されてもよく、残存する水分含有量が0.5質量%-5質量%になるまで凍結乾燥することによって室温(<25℃)にて貯蔵されてもよく、又は本技術分野に既知である他の手段によって貯蔵されてもよい。前記マトリックス物質は、使える状態にされている完全に処理済みの材料として、又は製品の中間産物として貯蔵され得る。
適切な貯蔵容器には、予備装荷されたシリンジ、ガラスアンプル、チューブ又は柔軟性プラスチックバッグ中での貯蔵が挙げられるが、これだけに限られない。
マトリックス物質は安定であって、貯蔵条件はそれほど重要ではなく、長期貯蔵及び短期貯蔵の複数手段が当業者にとっては明らかであろう。
【0033】
[凍結保存された細胞の回復]
温度を上昇させて細胞が解凍される条件も重要である。例えば、細胞内の非常に小さい氷の粒子が、核形成及び再結晶化をもたらし得る。同様に、凍結の間に観察された浸透圧が、解凍の間における細胞損傷の源でもあり得る。さらに、凍結保護剤DMSOは、4℃より上では細胞にとって有害であることを示唆する証拠が存在する(Hak A.M., F.G. Offerijins and C.C. Verheul“Toxic Effects Of DMSO On Cultured Beating Heart Cells At Temperatures Above Zero”Cryobiology 10, p244-250,(1973))。このように、解凍後の前記凍結保護剤への曝露は、最小限にされるべきである。
加えて、無菌閉鎖システム及び許可された試薬の使用が、本発明の施用の好ましい点である。
好ましい態様では、細胞を入れているカセットが液体窒素貯蔵容器から取り出され、フリーザーバッグが前記カセットから取り出されて柔軟な滅菌外部容器(例えば、滅菌済みのジップロック形式プラスチックバッグ)の中に置かれる。前記プラスチックバッグは、密封されて37℃の水浴に浸漬されて、その温度を約4℃まで上昇させる。前記プラスチックバッグは解凍する間そっと操作されて、バッグ内部の物質の粘稠性が半解け雪のようになるまで温める間、物質全体にわたる均一な熱移動が確実にされる。この時点で、クライオバッグは水浴及び外部容器から取り出されてコールドパック上に置かれ、その間に、クライオバッグから導かれているチューブ又はポートが、閉鎖滅菌容器に通じている閉鎖滅菌チューブに接続される。閉鎖滅菌容器は、5%ヒト血清アルブミンのようなタンパク質源が補足された緩衝化等張溶液を含み得る。次に細胞がチューブを通ってクライオバッグから閉鎖滅菌容器に移される。次に、無菌閉鎖流体系を保つ手段により接続されている第二の閉鎖滅菌バッグに液相を圧出することによって、過剰なアルブミン溶液及びDMSOが細胞から除去され得る。次に、患者へ送達するために、細胞が更に別の等張溶液に再懸濁され得る。
【0034】
上の特定の態様に記述するように、細胞が複数の凍結保存容器又は複数区画の凍結保存容器に貯蔵されている場合、必要とされるバッグ又は区画のみを回復時に解凍する必要がある。
洗滌及び遠心分離を用いずにDMSOを排除する代替的態様、代わりのタンパク質源の補足といった代わりの洗滌条件若しくは洗滌溶液を用いる代替的態様、又は閉鎖無菌流体経路を使用しない代替的態様も、本発明の範囲内であり得る。
更なる組成物が洗滌溶液に添加され、細胞の回復を高め得る。例えば、凍結保存の間に破裂させられた細胞は、しばしばそのDNAを媒体中に放出する。DNAの高度に帯電した高分子的性質は、細胞を凝集させ得る。従ってDNaseのような薬品(DNAを切断する酵素)が添加されて、細胞凝集を最小限にし得る。
Horwitzらは、骨産生の遺伝病である骨形成不全症を患っている患者にヒト骨髄由来の骨芽前駆細胞を移植した結果を記述している(Horwitz EM, Prockop DJ, Gordon PL, Koo WW, Gordon PL, Neel MD, Sussman M, Orchard P, Marx JC, Pyeritz RE and Brenner MK“Transplantability and Therapeutic Effects Of Bone Marrow-Derived Mesenchymal Cells In Children With Osteogenesis Imperfecta”Nat Med 5, p3009,(1999);Horwitz EM, Prockop DJ, Gordon PL, Koo WW, Gordon PL, Neel MD, McCarville ME, Orchard PJ, Pyeritz RE and Brenner MK“Clinical Responses To Bone Marrow Transplantation In Children With Severe Osteogenesis Imperfecta”Blood 97, p1227,(2001))。これらの研究では、患者が3.2×109細胞数の用量の移植有核細胞を受け取った。Muschlerらによって発表されたデータにより、前記3.2×109の有核骨髄細胞がおよそ176,000個の骨芽前駆細胞(CFU-AP)を含んでいることが示されている(Muschler GF, Nitto H, Boehm CA and Easley KA“Age-And Gender-Related Changes In The Cellularity Of Human Bone Marrow And The Prevalence Of Osteoblastic Progenitors”J Orthop Res 19, p117,(2001))。
【0035】
動物の研究では、Orlicらにより、心筋梗塞を受けて損傷した心筋に幹細胞を埋め込む可能性及びそのような埋め込みが心機能の改善と関連していることが実証されている。(Orlic D, Kajstura J, Chimenti S, Bodine DM, Leri A and Anversa P“Mobilized Bone Marrow Cells Repair The Infracted Heart, Improving Function And Survival”Proc Natl Acad Sci USA 98, p10344,(2001);Orlic D, Kajstura J, Chimenti S, Bodine DM, Leri A and Anversa P“Transplanted Adult Bone Marrow Cells Repair Myocardial Infracts In Mice”Ann NY Acad Sci 938, p221,(2001);Orlic D, Kajstura J, Chimenti S, Jakoniuk I, Anderson SM, Li B, Pickel J, McKay R, Nadal-Ginard B, Bodine DM, Leri A and Anversa P“Bone Marrow Cells Regenerate Infracted Myocardium”Nature 410, p701,(2001))ある研究では、彼らのグループにより、幹細胞が生存の向上を与えることが実証された(Orlic, et al,“Mobilized Bone Marrow Cells Repair The Infracted Heart, Improving Function And Survival”Proc Natl Acad Sci USA 98, p10344,(2001))。部分的に精製された幹細胞画分を用いた動物実験からのOrlicらの結果は、24,000個の細胞を注入することによって実現され、前記細胞は開始時の骨髄全体のおよそ1%に相当する。凍結保存した血液及び骨髄由来幹細胞を用いて得られた公表データにより、血液及び骨髄由来幹細胞は幹細胞の生存度を保持し得ることが示された。
【0036】
(実施例1)
次のデータは、14個体から収集したサンプルから得た。収集は、吸引補助装置を使った脂肪形成術を用いて、上述し図1、2に示す収集装置の中に組織を収集して行った。次に前記装置を密封し、断熱輸送容器の中に2つの凍結ゲルパックと共に置いて、処理設備に輸送した。次に組織を、等張生理食塩水で洗滌し、Liberase Blendzyme 1コラゲナーゼ(20 μg/ml;Roche Diagnostics, Indianapolis, IN)を用いて消化することによって処理した。遊離した細胞を、凍結保存に備えて、10分間、4℃にて400 ×gの遠心分離によって濃縮し5%ヒト血清アルブミン(American Red Cross Blood Service, Washington, DC)及び10%DMSO(Cryoserv;Edwards Life Sciences, Irvine, CA)を補足した50 mLのPlasma-Lyte A(Baxter Inc)に再懸濁した。
生存能力のある細胞の可視化のためにトリパンブルー色素排除試験を用い、血球計数板を使用することによって、細胞の数を数えた。幹細胞含有量はCFU-APアッセイを用いて決定した。前記アッセイでは、1,000個の細胞を培地にまいて10日間培養した時点で、その細胞をまいたプレートを、骨形成前駆細胞のマーカーとしてアルカリホスファターゼ酵素を表す細胞について染色した。14のサンプルに関する情報を、以下に列挙する。
【0037】
【表2】
Figure 2005502712
【0038】
[治療上の有用性]
上記データにより、脂肪吸引物から得られた平均CFU-AP(幹細胞)量は2.6×108細胞数であることが実証される。最も少ない収集物(サンプル6、10及び14)であっても、176,000を超えるCFU-APを産出した。収集したサンプルのアリコートは、上で考察するように10% DMSOを用いて凍結保存し、毎分−1℃の制御した速度にて4℃から−50℃まで冷却した。ひとたびサンプルが−50℃に到達したら、−90℃に達するまで冷却速度を毎分−10℃に増やした。その後アリコートサンプルを、密封したクライオチャンバー中の液体窒素上部の気相に置いた。
前記サンプルを平均で約30日間−196℃にて維持した。
次に、凍結保存した細胞集団のアリコートを解凍して、有核細胞の回復及び多系統分化能の保持について分析した。
細胞は、37℃の水浴に細胞容器を置くことによって解凍し、細胞容器中の細胞及び媒体の粘稠性がどろどろになるまで穏やかに振とうした。次に細胞容器を水浴から直ちに取り出し、4℃に平衡化したゲルパック上に置いた。細胞容器を開けて、20%血清を補足した組織培地を含む洗滌溶液の中に細胞を放出した。次に細胞を4℃にて400 ×gで遠心分離することによって洗滌し、細胞を含まない上清を捨てて、10%血清を補足した組織培地中に細胞を再懸濁した。トリパンブルー色素排除試験を用い血球計数板により計数して、細胞の数を数え、生存度を決定した。次に、細胞の増殖能力及び分化能力を決定するために細胞を培養して、解凍後の幹細胞含有量(CFU-APアッセイ)を評価した。
凍結保存した細胞の80.9%が解凍後に回復したと決定された。これらの細胞は、脂肪細胞系統に沿った分化能力(凍結前の103%)、骨芽細胞分化能力(凍結前の105%)及び神経細胞分化能力(凍結前の97%)を全く損失していないことを示した。軟骨形成分化の定量は、培養物の結節状構造のために不可能であった。しかしながら、定性的レベルにおける軟骨形成の可能性は、凍結保存を受けても全く損失していないことが観察された。凍結保存して解凍した細胞のサンプルの例を、図3に示す。
【0039】
(実施例2)
次のデータは、特定の脂肪組織サンプルに施した方法の有用性を実証する目的で引用する。
サンプルID#: SVF 94
ドナーの性別: 女性
ドナーの年齢: 68
[脂肪組織の収集]
収集した組織の量: 400mL
収集方法:脂肪吸引補助装置を使った脂肪形成術
組織容器の種類(収集装置):上述し、図1及び2に示す滅菌収集装置
収集の所要時間:およそ2時間
収集時に集めたデータ:脂肪形成法の日付及び時間
施術者の識別表示
ドナーの識別表示(バーコード識別表示にリンクされている)
現在の薬物治療
閉経状態
喫煙者又は非喫煙者
以前の手術
以前の脂肪形成術
一般的な健康状態履歴
【0040】
[処理場所への組織の輸送]
輸送のためのパッキング:収集装置を二重のプラスチックバッグで密封した。
輸送の所要時間:2.5時間
輸送の間のサンプル温度(受取り時に測定した):4℃
[組織の処理]
使用したシステムの種類:閉鎖無菌流体経路
組織洗滌溶液:等張生理食塩水(温度38℃)
使用した洗滌溶液の体積:1,500 mL
洗滌液の収集メカニズム:3 L 血漿移送バッグ(無菌的ドッキングによって取付けた)
組織消化の方法:酵素/コラゲナーゼ:Blndzyme 1, Roche Diagnostics;20 g/mLで用いた。
組織消化時間:60分間
組織消化体積:600 mL
遊離細胞の収集メカニズム:600 mL 血漿移送バッグ
細胞収集メカニズム:Sorvall RC3遠心機で10分間、4℃にて400 ×gでの遠心分離
廃液収集メカニズム:600 mL 血漿移送バッグ(Charter Medical)への上清液の圧出
細胞懸濁媒体:5%ヒト血清アルブミンを補足したPlasma Lyte A(登録商標)(Baxter Inc);総体積 52 mL
凍結保護剤:Cryoserv DMSO(Edwards Life Science) 5.75 mLを添加した。
【0041】
[凍結保存の手順]
凍結保護剤を添加するためのメカニズム:シリンジポンプを用いて0.25 mL/分にて添加した。細胞を4℃まで予備冷却した。;凍結保護剤の添加の間、Insul-Ice(Polyfoam Packers)を用いて4℃に予備調節した温度を維持した。
凍結保存容器:幹細胞凍結バッグ(Pall Medical)(2つのバッグを用いた)を、アルミニウム外部容器(Pacific Sciences)の中に置いた。
凍結保存メカニズム:次のプログラムに従ってコンピュータ制御した凍結保存チャンバーの冷却を用いているMVE KryoSave:
開始温度:4℃
冷却速度A:−1℃/分
冷却範囲A:4℃から−50℃
冷却速度B:−10℃/分
冷却範囲B:−50℃から−90℃
終了(保持)温度:−90℃
凍結貯蔵条件:MVE 1841 液体窒素貯蔵タンクの気相
[細胞試験]
細胞計数メカニズム:血球計数板及び手動計数
細胞の最終収量:4.5×107個の生存能力のある有核細胞
細胞の生存度:トリパンブルー色素排除試験、80%の生存能力のある細胞
CFU-AP含有量:1,000個の有核細胞あたり7.7 CFU-AP、合計345,375 CFU-AP
無菌状態アッセイ:10 mLの上清液を、BacT_Alert無菌状態テストシステムの好気性チューブと嫌気性チューブとに添加した。培養物を14日間維持した。
無菌状態の結果:微生物の増殖は検出されなかった。
【0042】
[凍結保存した細胞の解凍後アッセイ]
幹細胞アッセイ(CFU-AP)
凍結前:培養した20,000個の細胞あたり153.5 CFU-AP
解凍後:培養した20,000個の細胞あたり146 CFU-AP
解凍後のCFU-AP回復率:95%
最初のCFU-AP収量=345,375に基づく解凍後の収量(回復率95%)=328,106
[細胞増殖]
20,000個の細胞を、幹細胞組織培地(10%ウシ胎児血清及び抗生物質を補足したDMEM)に入れて、空気+5%CO2の加湿雰囲気中で37℃にて14日間インキュベートした。次に、短時間のトリプシン処理によって細胞をはがし、血球計数板を用いて細胞数/収量を決定した。
凍結前:細胞産出量 2.2±0.1×104個の有核細胞
解凍後:細胞産出量 2.4±0.4×104個の有核細胞
要約:増殖能に統計上の著しい差異は無かった。
このテストにより、凍結保存して解凍した細胞は、凍結保存する前にテストした同バッチの細胞と実質的に同じ生存度を有したことが示された。
細胞は、解凍した後に完全に機能を保持しており、細胞培養の間に軟骨細胞(軟骨)、骨芽細胞(骨)、神経細胞(神経)及び脂肪細胞(脂肪)へと分化する能力を全く損失していないことが示された。
【0043】
前記細胞のin vivo分化は、凍結保存したラット脂肪組織由来細胞を用いて別のラットの心臓中に埋め込んだラットモデルにおいても実証された(図4)。前記の解凍細胞を埋め込みから1週間後に採取することによって、前記細胞がレシピエントの心臓において増殖能力及び分化能力を保持していたことが示された。解凍したヒト脂肪組織由来細胞を、ヒト細胞の平滑筋様細胞への分化の証拠を有する(図5)免疫不全マウスの膀胱中に埋め込んでも、同様の結果が得られた。このように、無処置の脂肪組織の凍結保存を用いた先の試みの失敗(Lidagoster, MI, Cinelli PB, Levee EM and Sian CS“Comparison of Autologous Fat Transfer in Fresh, Refrigerated, and Frozen Specimens:an Animal Model.”Ann Plast Surg.44, p512-515,(2000))と対照的に、脂肪組織由来細胞の凍結保存に成功した。
[マトリックス物質の回復]
マトリックス物質の回復は、その物質を貯蔵するのに用いた具体的手段に依存するであろう。前記手段は、シリンジ中に貯蔵した物質に対して液体媒体を添加して、生産途中の中間体である前記物質を解凍してから処理を継続するように変えた選択肢も含み得る。貯蔵したマトリックスの有用性は、貯蔵したマトリックス物質を回復させ、脂肪組織のin vitro発生の足場として使用した図6において示されている。図6は、前記のマトリックス足場上の脂質を積載した成熟脂肪細胞(矢印)を示している。
【0044】
[細胞及びマトリックス物質の貯蔵後の検査]
臨床使用を対象とした細胞及び物質を、臨床応用に先立って検査及び/又はテストしてもよい。そのような行為を行う場合には、解凍した細胞の生存度を保つように注意すべきである。
見込まれるテストには、トリパンブルー色素排除試験又は同様な技術を用いる細胞の数及び生存度の測定、並びにDNAフィンガープリンティング又は同様なアプローチによる細胞ドナーの同一性の確認が挙げられるが、これだけに限られない。好ましい態様では、凍結貯蔵バッグに通じる滅菌チューブの中に密封されている凍結保存物質の一部が、解凍を妨害することなく又はバッグの中身が周囲環境に曝露されることなく、バッグから切り離され得る。前記チューブの全長に密封された細胞は、前記バッグの中身全てが解凍するのに先立って、解凍され検査され得る。このようにして、細胞の主体が解凍される前にテストが行われて、ドナーと細胞との同一性が確かめられ得る。
加えて、処理の終了時点の細胞に対して、上に列挙する検査及びテスト(例えば表現型の検査又はクローン原性培養)の一部又は全部が用いられてもよい。
[臨床応用に先立っての細胞及び物質の貯蔵後操作]
脂肪組織に含まれる幹細胞及び前駆細胞集団の性質は、組織工学及び遺伝子医学を含む非常に多くの用途に用いられ得る。そのような分野のある種の特別な用途では、レシピエント内への配置又は研究での使用に先だって、幹細胞及び前駆細胞集団の操作が必要とされることもある。
その例には、細胞培養して細胞集団の数及び/又は純度を増加させること、小集団の濃縮又は精製、細胞への遺伝物質の導入、又は細胞培養に基づき細胞集団を分化させて所望の表現型若しくは機能の獲得を容易にすることが挙げられるが、これだけに限られない。
【0045】
[細胞及びマトリックスのバンキングに対する品質システム応用]
統合的品質システムは、本発明の任意の部分である。そのようなシステムは、本発明の全ての側面を網羅し、プロセス制御とエラーの機会を最小限にすることとを確実にし得る。
任意であると思われるが、本発明の品質システムを欠いた実施は、結局、品質の低下、サンプル識別表示のエラー、及び他の問題をもたらし得る。
米国組織バンク協会及び米国血液バンク協会のような専門機関は、その対象分野に応用できる品質システムの明確化を必要としており、前記のようなシステムは本発明の内容においてかなりの価値を有する。同様に、国際標準化機構によって確立された国際標準化規格ISO 9000シリーズは、一般的なものであるが本発明に応用され得る。サンプルに関する政府規制は、合衆国食品医薬品局によって公表されている優れた組織処理法(Good Tissue Practices)を網羅する規制に含まれている。
【0046】
本発明の実施に応用し得る品質システムの幾つかの構成要素には、次のものが挙げられるが、これだけに限られない:
・組織処理の各局面(本プログラムとドナーとの最初の接触から、組織収集、処理設備での受取り、処理、テスト、貯蔵及び放出まで)の手順を用いるプロセス制御;
・製造の間中、細胞集団/マトリックス物質産物を標識しておくこと;
・品質システムの開発及び実行を担う人々の指定を含む、プログラムの組織化、管理及び監視;
・スタッフの選択、訓練及び教育;
・供給品の選択、購入、検査及び使用;
・設備の選択、購入、検査、メンテナンス及び使用;
供給業者の評価;
プログラムによってのみ又はプログラム専用に製造される製品の設計及び製造;
・ドキュメント及びレコードの作成、改変及び制御;
・設備;
・プロセスの改良;
・エラー/偶発的な事件の検出;
・顧客の苦情に対する証拠書類調査及び対応;
・製品及びプロセス仕様の開発;
・安全性;
品質システムの順守を評価する内部プログラムの開発及び実行。
本発明の実施は、上記任意の構成要素を全く含まなくてもよく、又は一部若しくは全部を含んでもよい。
【0047】
本発明の脂肪組織に由来する幹細胞及び前駆細胞集団並びにマトリックス物質は、様々な治療的、構造的及び美容的用途の可能性を有する。そのような用途のための細胞及び/又はマトリックス物質は、これらが用いられる予定の個人から(自家適用)、又は血縁ドナー若しくは非血縁ドナーから(同種適用)提供され得る。本発明の細胞集団の好ましい態様では、細胞及び/又はマトリックス物質が、脂肪組織を得た人に戻される自家適用で用いられる。そのようなアプローチは、抗拒絶反応薬物の使用を回避し、組織の拒絶と病原菌の導入との危険性を減少する。そのようなアプローチは、幹細胞及び前駆細胞集団並びにマトリックス物質が、それらの細胞が意図される健康状態の背景の一部でない状況において、実行可能である。例えば、自家の幹細胞及び前駆細胞は、心筋組織の修復を促進すること又は軟骨修復に適し得る。しかしながら、遺伝子導入を欠く場合に、自家の脂肪組織由来の幹細胞及び前駆細胞は、骨形成の遺伝病である骨形成不全を患っている患者の骨の修復に使用することには適さない。そのような設定の場合は、血縁ドナー又は非血縁ドナーからの同種の幹細胞及び前駆細胞が好まれ得る。
本発明の変更及び変形は、本発明の意図及び範囲から離れることなく成され得る。本開示に含まれる具体的な実施例及び態様は例示の目的でのみ提供されるものであり、本発明は付記するクレームの点からのみ限定される。
例えば好ましい収集法は、廃棄し得る成分から所望成分を最初に分離するために中に透過性膜を有する収集装置を利用しているが、単一患者からの脂肪吸引の吸引物を全て単一収集容器に集めて、次にその収集物質全てを、凍結乾燥に先だって幹細胞、前駆細胞、マトリックス物質及び他の所望成分の分離及び単離する場所へ輸送してもよい。
さらに本発明は、脂肪吸引吸引物全体の収集、輸送及び凍結保存も企図する。幹細胞、前駆細胞、マトリックス物質及び他の所望成分は、前記吸引物が適切な処理温度、例えば4℃又は4℃より高いが好ましくは体温より低い温度まで再加熱された後に、上述の方法を用いて回収及び分離され得る。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】脂肪組織を収集するのに使用する収集装置の概略図であって、缶を部分的に切断してある。
【図2】図1の缶の部分的な切断図である。
【図3】本明細書に記述する方法に従って凍結保存し解凍した後の脂肪組織由来細胞集団からの培養物中で形成された、軟骨細胞の顕微鏡写真(原物の倍率=100倍)である(染色にはアリシアンブルーを用い、アリシアンブルーは軟骨型細胞を染色するのに用いられる標準的な試薬であって、この画像では濃い灰色として示されている)。
【図4】本発明に従って処理され貯蔵されてから解凍されてラット心臓に埋め込まれたラット脂肪組織由来細胞の顕微鏡写真(原物の倍率=400倍)である(動物は、埋め込みから5日後に屠殺した)。埋め込んだ細胞のクラスターを矢印で示した。
【図5】本発明に従って処理され貯蔵されてから、解凍されて免疫不全マウスの膀胱に埋め込まれたヒト脂肪組織由来細胞の顕微鏡写真(原物の倍率=400倍)である。動物は、埋め込みから30日後に屠殺した。細胞は、埋め込みに先立ってブロモデオキシウリジンで標識した。標識した細胞は、この画像の至るところに濃い灰色/黒色で現れており、例を矢印で強調してある。
【図6】本発明に従って調製し貯蔵した脂肪組織由来マトリックスの足場上で生長している、ヒト脂肪組織由来細胞の顕微鏡写真(原物の倍率=400倍)である。脂肪を積んだ成熟脂肪細胞を矢印で強調してある。

Claims (39)

  1. 治療的用途のために、脂肪組織から幹細胞、前駆細胞及びマトリックス物質を回収及び保存する方法であって、
    a.容器の細胞収集部分の中に脂肪組織を真空吸引する工程であって、
    前記細胞収集部分は、細胞分離部分を取り囲んでいる前記容器から透過性膜によって離されており、前記透過性膜は、脂肪組織の所望成分を細胞収集部分の中に保持して、廃棄し得る成分を廃棄処分のために通り抜けさせる前記工程;
    b.前記収集部分に保持されている物質を分離し、分離された前記物質を洗滌して廃棄し得る成分のいずれをも除去して、マトリックス物質及び脂肪細胞枯渇細胞集団のうち少なくとも一つを分離する前記工程;
    c.前記少なくとも一つの脂肪細胞枯渇細胞集団及びマトリックス物質のうち、一つ又はそれ以上の所望部分を凍結保存及び低温貯蔵する工程;
    を含む前記方法。
  2. 所望成分が、幹細胞、前駆細胞及びマトリックス物質を含む細胞集団を含み、廃棄し得る成分が膨張溶液、生理食塩水、血液、血餅、遊離脂質及び成熟脂肪細胞を含む、請求項1の方法。
  3. 透過性膜が、規定された多孔度のフィルター材である、請求項1の方法。
  4. 分離及び洗滌する工程が、
    収集部分に保持されている物質を単離すること、前記単離された物質を脱凝集及び等張緩衝化溶液中に置くことによって遊離脂質及び脂肪細胞から幹細胞及び前駆細胞を分離すること、並びに前記遊離脂質及び脂肪細胞を除去すること、を含む請求項1の方法。
  5. 脱凝集が、収集部分中の物質のタンパク質分解酵素への曝露、機械的脱凝集又はこれらの組合せによって達成される、請求項4の方法。
  6. 脱凝集が、収集部分中の物質のコラゲナーゼ、トリプシン、パパイン、DNase若しくはリパーゼへの曝露、細かく刻む若しくは剪断する行為、又はそれらの組合せによって達成される、請求項5の方法。
  7. 幹細胞及び前駆細胞が、遠心分離又は浮遊密度浮揚によって廃棄し得る成分から分離される、請求項5の方法。
  8. 脂肪細胞枯渇細胞集団が、他の物質から遠心分離、スピニング膜分離、固相構造物に対する示差的付着及び溶離のいずれかと蛍光発色セルソーティングとによって、又はそれらの組合せによって収集される、請求項1の方法。
  9. 固相構造物が抗体被覆ビーズである、請求項8の方法。
  10. 脂肪細胞枯渇細胞集団を、幹細胞に富む相と前駆細胞に富む相とに分離することを更に含む、請求項8の方法。
  11. 治療目的で同種の哺乳動物への送達に適する哺乳動物幹細胞であって、脂肪組織から分離された生存能力のある幹細胞を含み、凍結保存された後に解凍された状態である前記幹細胞。
  12. 凍結保存する工程が、
    脂肪細胞枯渇細胞集団を、一つ以上の凍結保護添加剤と混合すること;
    そのようにして生成した混合物を、−50℃に到達するまで約−1℃から約−3℃の一定な冷却速度にて冷却すること;及び
    冷却した前記混合物を、液体窒素が入っている貯蔵容器の中に置くこと;
    を含む請求項1の方法。
  13. 凍結保護添加剤が、浸透性の凍結保護剤、非浸透性の凍結保護剤及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項12の方法。
  14. 浸透性の凍結保護剤がジメチルスルホキシド、グリセロール、1,2-プロパンジオール又はこれらの組合せであり、非浸透性の凍結保護剤が自家血漿、ヒト血清、ヒドロキシエチルスターチ、アルブミン、ポリビニルピロリドン又はこれらの組合せである、請求項13の方法。
  15. a.脂肪細胞枯渇細胞集団が、5%ヒト血清アルブミン溶液の細胞懸濁液として調製され;
    b.前記懸濁液が4℃まで冷却され;
    c.前記懸濁液が4℃に維持され、一方ジメチルスルホキシドが冷却された懸濁液にゆっくり添加されて、約5体積%-約20体積%の最終DMSO濃度にされ;
    d.前記細胞懸濁液を、−50℃の温度が得られるまで毎分約−1℃の速度にて冷却し;
    e.前記細胞懸濁液を、−90℃の温度が得られるまで毎分約−10℃の速度にて冷却して;
    f.前記細胞懸濁液が、液体窒素貯蔵容器の気相中に置かれる;
    請求項1の方法。
  16. 脂肪細胞枯渇細胞集団が、凍結保存前に二つ以上の部分に分離される、請求項1の方法。
  17. 最終DMSO濃度が10体積%である、請求項15の方法。
  18. 凍結保存された脂肪細胞枯渇細胞集団を回復させる工程であって、前記細胞集団の温度を約4℃までゆっくり上昇させることを含む前記工程をさらに含む、請求項1の方法。
  19. マトリックス物質が、回収された他の物質から分離され、残留する水分含有量が約0.5体積%-約5.0体積%になるまで凍結乾燥され、約25℃以下にて貯蔵される、請求項1の方法。
  20. 患者に送達するための担体溶液中に生存能力のある幹細胞を含む治療用組成物であって、
    前記幹細胞は、脂肪組織から回収されたものであって脂肪組織中に存在する他の細胞材料から分離されたものであり、凍結保存された後に解凍された状態であって治療的又は美容的用途のために生存能力がある、前記治療用組成物。
  21. 脂肪組織から回収され、幹細胞と同様な処理を受けた前駆細胞を更に含む、請求項20の治療用組成物。
  22. 単一ドナーの脂肪組織に由来する生存能力のある幹細胞を、前記幹細胞の生存度を適切なレベルに保つのに充分な量の凍結保存剤中に含む凍結保存治療用組成物であって、
    前記幹細胞は、解凍され前記凍結保存剤を除去された後に種々の細胞種に分化して増殖するのに充分な量で存在している、前記治療用組成物。
  23. 生存能力のある前駆細胞を更に含む、請求項22の凍結保存治療用組成物。
  24. 幹細胞及び/又は前駆細胞の送達によって治療可能な疾患状態を有すると診断された哺乳動物対象個体を治療する方法であって、
    前記の個体の脂肪組織から前もって採取され凍結保存された幹細胞、前駆細胞又はこれらの組合せを、前記個体の体に送達することを含む前記方法。
  25. 凍結保存された幹細胞及び前駆細胞が、
    a.脂肪組織を容器の中の細胞収集部分中に真空吸引する工程であって、
    前記細胞収集部分は、細胞分離部分を取り囲んでいる前記容器から透過性膜によって離されており、前記透過性膜は、脂肪組織の所望成分を細胞収集部分の中に保持して、廃棄し得る成分を廃棄処分のために通り抜けさせる前記工程;及び
    b.前記収集部分に保持されている物質を分離し、分離された物質を洗滌して廃棄し得る成分のいずれもを除去して、脂肪細胞枯渇細胞集団を分離する工程;
    で構成される方法によって哺乳動物対象個体の脂肪組織から回収及び貯蔵され、
    凍結保存され低温貯蔵されている脂肪細胞枯渇細胞集団が、貯蔵庫から取り出され少なくとも約4℃まで加熱されて、前記個体に送達されるのに先立って、存在している凍結保存剤の実質的に全てが除去される、請求項24の方法。
  26. 治療的用途のために、脂肪組織から幹細胞、前駆細胞及びマトリックス物質を回収及び保存する方法であって、
    a.患者から脂肪組織を取り出す工程;
    b.前記脂肪組織から、脂肪細胞枯渇細胞集団及びマトリックス物質の少なくとも一つを分離する工程;及び
    c.前記少なくとも一つの脂肪細胞枯渇細胞集団及びマトリックス物質を凍結保存する工程;
    を含む前記方法。
  27. 凍結保存された脂肪細胞枯渇細胞集団を解凍する工程を更に含む、請求項26の方法。
  28. 解凍する工程が、脂肪細胞枯渇細胞集団を約37℃の温度まで温めることを含む、請求項27の方法。
  29. 取り出す工程が、患者から脂肪組織を吸引することを含む、請求項26の方法。
  30. 取り出す工程が、脂肪組織に含まれている幹細胞及び前駆細胞から前記脂肪組織を分離し得る容器の中に脂肪組織を吸引することを含む、請求項28の方法。
  31. 分離する工程が、実質的に同一であるが前記分離する工程を含まない方法に対して、生存能力のある細胞数を増加させることを提供するのに有効である、請求項26の方法。
  32. 分離する工程が、脂肪組織から多能性幹細胞を分離することを含む、請求項26の方法。
  33. 凍結保存する工程が、脂肪細胞枯渇細胞集団を凍結保護剤と混合することを含む、請求項26の方法。
  34. 取り出す工程、分離する工程及び凍結保存する工程が連続的に行われる、請求項26の方法。
  35. 分離する工程が、遠心分離、スピニング膜分離、固相構造物に対する示差的付着及び溶離の少なくとも一つと蛍光発色セルソーティングとを含む、請求項26の方法。
  36. 凍結保存されたマトリックス物質を解凍する工程を更に含む、請求項26の方法。
  37. 解凍する工程が、マトリックス物質を約37℃の温度まで温めることを含む、請求項36の方法。
  38. 取り出す工程が、脂肪細胞に含まれている他の組織からマトリックス物質を分離し得る容器の中に脂肪組織を吸引することを含む、請求項37の方法。
  39. 凍結保存する工程が、マトリックス物質を凍結保護剤と混合することを含む、請求項26の方法。
JP2003528119A 2001-09-14 2002-09-13 非造血組織由来の非胚性細胞の保存 Pending JP2005502712A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US32207001P 2001-09-14 2001-09-14
US10/242,094 US20030054331A1 (en) 2001-09-14 2002-09-12 Preservation of non embryonic cells from non hematopoietic tissues
PCT/US2002/029207 WO2003024215A1 (en) 2001-09-14 2002-09-13 Preservation of non embryonic cells from non hematopoietic tissues

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009189198A Division JP2009269930A (ja) 2001-09-14 2009-08-18 非造血組織由来の非胚性細胞の保存

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005502712A true JP2005502712A (ja) 2005-01-27
JP2005502712A5 JP2005502712A5 (ja) 2006-08-17

Family

ID=26934818

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003528119A Pending JP2005502712A (ja) 2001-09-14 2002-09-13 非造血組織由来の非胚性細胞の保存
JP2009189198A Pending JP2009269930A (ja) 2001-09-14 2009-08-18 非造血組織由来の非胚性細胞の保存

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009189198A Pending JP2009269930A (ja) 2001-09-14 2009-08-18 非造血組織由来の非胚性細胞の保存

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20030054331A1 (ja)
EP (1) EP1427279A1 (ja)
JP (2) JP2005502712A (ja)
KR (1) KR100779812B1 (ja)
CN (1) CN1585602A (ja)
AU (1) AU2002326901B2 (ja)
CA (1) CA2460402A1 (ja)
WO (1) WO2003024215A1 (ja)

Families Citing this family (137)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7028339B2 (en) * 2000-08-28 2006-04-11 Visible Assets Inc. High security wireless key for asynchronous delivery drop boxes
US20050048035A1 (en) 2001-12-07 2005-03-03 Fraser John K. Methods of using regenerative cells in the treatment of stroke and related diseases and disorders
EP2308963A3 (en) 2001-12-07 2011-09-21 Cytori Therapeutics, Inc. System for processing lipoaspirate cells
US9597395B2 (en) 2001-12-07 2017-03-21 Cytori Therapeutics, Inc. Methods of using adipose tissue-derived cells in the treatment of cardiovascular conditions
US7771716B2 (en) 2001-12-07 2010-08-10 Cytori Therapeutics, Inc. Methods of using regenerative cells in the treatment of musculoskeletal disorders
US20050095228A1 (en) 2001-12-07 2005-05-05 Fraser John K. Methods of using regenerative cells in the treatment of peripheral vascular disease and related disorders
US7585670B2 (en) 2001-12-07 2009-09-08 Cytori Therapeutics, Inc. Automated methods for isolating and using clinically safe adipose derived regenerative cells
US7651684B2 (en) 2001-12-07 2010-01-26 Cytori Therapeutics, Inc. Methods of using adipose tissue-derived cells in augmenting autologous fat transfer
US20040092011A1 (en) * 2002-04-03 2004-05-13 Wilkison William O. Adipocytic differentiated adipose derived adult stem cells and uses thereof
US7992725B2 (en) 2002-05-03 2011-08-09 Biomet Biologics, Llc Buoy suspension fractionation system
US20030205538A1 (en) 2002-05-03 2003-11-06 Randel Dorian Methods and apparatus for isolating platelets from blood
US7832566B2 (en) 2002-05-24 2010-11-16 Biomet Biologics, Llc Method and apparatus for separating and concentrating a component from a multi-component material including macroparticles
US20060278588A1 (en) 2002-05-24 2006-12-14 Woodell-May Jennifer E Apparatus and method for separating and concentrating fluids containing multiple components
US7845499B2 (en) 2002-05-24 2010-12-07 Biomet Biologics, Llc Apparatus and method for separating and concentrating fluids containing multiple components
WO2003099412A1 (en) 2002-05-24 2003-12-04 Biomet Manufacturing Corp. Apparatus and method for separating and concentrating fluids containing multiple components
AU2004213858B2 (en) * 2003-02-20 2009-01-22 Macropore Biosurgery, Inc. Methods of using adipose tissue-derived cells in the treatment of cardiovascular conditions
US20040193274A1 (en) * 2003-03-28 2004-09-30 Trieu Hai H. Materials and methods for augmenting and/or repairing intervertebral discs
CA2548643A1 (en) * 2003-04-07 2004-10-28 Neostem, Inc. System capable of treating and defining various diseases using stem cells
CA2530630A1 (en) * 2003-06-25 2005-02-10 Macropore Biosurgery Inc. Systems and methods for separating and concentrating regenerative cells from tissue
MXPA06003088A (es) * 2003-09-17 2006-06-20 Macropore Biosurgery Inc Metodos para usar celulas regenerativas en el tratamiento de enfermedades vasculares perifericas y trastornos relacionados.
EP2450433A3 (en) 2003-10-08 2012-08-08 Vet-Stem Inc Methods of preparing and using stem cell compositions and kits comprising the same
US7840646B2 (en) * 2003-10-08 2010-11-23 Yahoo! Inc. Learned upload time estimate module
US20070184030A1 (en) * 2004-03-03 2007-08-09 Cryo-Save Ag (Formerly Life Sciences Ag) Large scale storage of viable somatic stem and/or progenitor cells
ES2602559T3 (es) * 2004-03-19 2017-02-21 Cytori Therapeutics, Inc. Soporte celular y dispositivos de contención de soporte celular que contienen células regenerativas
ES2351341T3 (es) 2004-07-01 2011-02-03 Cytori Therapeutics, Inc. Procedimientos de uso de células regenerativas en el tratamiento de trastornos y enfermedades renales.
JP4937119B2 (ja) * 2004-07-01 2012-05-23 サイトリ セラピューティクス インコーポレイテッド 筋骨格疾患の治療に再生細胞を使用する方法
US20060045872A1 (en) 2004-08-25 2006-03-02 Universidad Autonoma De Madrid Ciudad Universitaria de Cantoblanco Use of adipose tissue-derived stromal stem cells in treating fistula
WO2006062989A1 (en) * 2004-12-07 2006-06-15 Bacterin International, Inc. Three-dimensional cell culsture system
AU2005322873B2 (en) * 2004-12-30 2011-09-01 Primegen Biotech, Llc Adipose-derived stem cells for tissue regeneration and wound healing
WO2006086201A2 (en) 2005-02-07 2006-08-17 Hanuman Llc Platelet rich plasma concentrate apparatus and method
US7824559B2 (en) * 2005-02-07 2010-11-02 Hanumann, LLC Apparatus and method for preparing platelet rich plasma and concentrates thereof
US7866485B2 (en) 2005-02-07 2011-01-11 Hanuman, Llc Apparatus and method for preparing platelet rich plasma and concentrates thereof
US20070032774A1 (en) * 2005-05-17 2007-02-08 Clifford Glade Container for transporting blood and blood products
JP4907908B2 (ja) * 2005-06-29 2012-04-04 ルネサスエレクトロニクス株式会社 駆動回路及び表示装置
JP5925408B2 (ja) 2005-09-23 2016-05-25 タイジェニックス、ソシエダッド、アノニマ、ウニペルソナルTigenix S.A.U. 免疫調節活性を有する細胞集団、単離方法および使用
NZ612132A (en) * 2005-10-13 2015-01-30 Anthrogenesis Corp Immunomodulation using placental stem cells
US20070213718A1 (en) * 2006-02-14 2007-09-13 Sdgi Holdings, Inc. Treatment of the vertebral column
US20070227547A1 (en) * 2006-02-14 2007-10-04 Sdgi Holdings, Inc. Treatment of the vertebral column
US20070213717A1 (en) * 2006-02-14 2007-09-13 Sdgi Holdings, Inc. Biological fusion in the vertebral column
US8163018B2 (en) * 2006-02-14 2012-04-24 Warsaw Orthopedic, Inc. Treatment of the vertebral column
US8567609B2 (en) 2006-05-25 2013-10-29 Biomet Biologics, Llc Apparatus and method for separating and concentrating fluids containing multiple components
WO2007139551A1 (en) * 2006-05-30 2007-12-06 Cytori Therapeutics, Inc. Systems and methods for manipulation of regenerative cells from adipose tissue
KR100803576B1 (ko) * 2006-06-14 2008-02-15 주식회사 인피트론 지방줄기세포 및 지방세포를 포함한 이식용 조성물
US20100015104A1 (en) * 2006-07-26 2010-01-21 Cytori Therapeutics, Inc Generation of adipose tissue and adipocytes
US8034014B2 (en) 2007-03-06 2011-10-11 Biomet Biologics, Llc Angiogenesis initation and growth
WO2008127639A1 (en) 2007-04-12 2008-10-23 Biomet Biologics, Llc Buoy suspension fractionation system
US8328024B2 (en) 2007-04-12 2012-12-11 Hanuman, Llc Buoy suspension fractionation system
US20090192528A1 (en) * 2008-01-29 2009-07-30 Biomet Biologics, Inc. Method and device for hernia repair
PL2259774T3 (pl) 2008-02-27 2013-04-30 Biomet Biologics Llc Sposoby i kompozycje dla wprowadzania antagonisty receptora interleukiny-1
WO2009111338A1 (en) 2008-02-29 2009-09-11 Biomet Manufacturing Corp. A system and process for separating a material
WO2009115581A2 (en) * 2008-03-19 2009-09-24 Cryo-Save Ag Improved cryopreservation of adipose tissue for the isolation of mesenchymal stem cells
US8012077B2 (en) 2008-05-23 2011-09-06 Biomet Biologics, Llc Blood separating device
BRPI0917993B8 (pt) 2008-08-14 2021-05-25 Mesoblast Int Sarl composições de célula-tronco mesenquimal purificada
WO2010021993A1 (en) * 2008-08-19 2010-02-25 Cytori Therapeutics, Inc. Methods of using adipose tissue-derived cells in the treatment of the lymphatic system and malignant disease
AU2009201915C1 (en) * 2008-08-22 2015-02-26 Regeneus Ltd Therapeutic methods
AU2011247866C9 (en) * 2008-08-22 2014-02-13 Regeneus Ltd. Allogeneic therapeutic methods using adipose tissue-derived cell suspensions
US8187475B2 (en) 2009-03-06 2012-05-29 Biomet Biologics, Llc Method and apparatus for producing autologous thrombin
US8313954B2 (en) 2009-04-03 2012-11-20 Biomet Biologics, Llc All-in-one means of separating blood components
US9133431B2 (en) * 2009-05-01 2015-09-15 Bimini Technologies Llc Systems, methods and compositions for optimizing tissue and cell enriched grafts
US20100291534A1 (en) * 2009-05-12 2010-11-18 National Central University Methods and Systems for Isolating, Ex Vivo Expanding and Harvesting Hematopoietic Stem Cells
US9011800B2 (en) 2009-07-16 2015-04-21 Biomet Biologics, Llc Method and apparatus for separating biological materials
US8591391B2 (en) 2010-04-12 2013-11-26 Biomet Biologics, Llc Method and apparatus for separating a material
US10130736B1 (en) 2010-05-14 2018-11-20 Musculoskeletal Transplant Foundation Tissue-derived tissuegenic implants, and methods of fabricating and using same
US9352003B1 (en) 2010-05-14 2016-05-31 Musculoskeletal Transplant Foundation Tissue-derived tissuegenic implants, and methods of fabricating and using same
US8883210B1 (en) 2010-05-14 2014-11-11 Musculoskeletal Transplant Foundation Tissue-derived tissuegenic implants, and methods of fabricating and using same
EP2593117B1 (en) 2010-07-12 2019-03-20 University of Southern California Biocompatible substrate for facilitating interconnections between stem cells and target tissues and methods for implanting same
EP2625577B1 (en) 2010-10-08 2019-06-26 Terumo BCT, Inc. Customizable methods and systems of growing and harvesting cells in a hollow fiber bioreactor system
KR101951055B1 (ko) * 2010-12-16 2019-02-21 인제네론 인코포레이티드 조직 검체로부터 세포 및 세포가 풍부한 기질의 강화된 회수를 위한 방법 및 기구
JP6200883B2 (ja) 2011-04-29 2017-09-20 ユニヴァーシティー オブ サザン カリフォルニア ポリマー基質上の幹細胞由来網膜色素上皮細胞の低温保存方法
WO2012149468A2 (en) 2011-04-29 2012-11-01 University Of Southern California Instruments and methods for the implantation of cell-seeded substrates
US8877489B2 (en) 2011-12-05 2014-11-04 California Institute Of Technology Ultrathin parylene-C semipermeable membranes for biomedical applications
US9109198B2 (en) * 2011-04-29 2015-08-18 General Electric Company Automated systems and methods for isolating regenerative cells from adipose tissue
US8834928B1 (en) 2011-05-16 2014-09-16 Musculoskeletal Transplant Foundation Tissue-derived tissugenic implants, and methods of fabricating and using same
EP3546569B1 (en) 2011-09-23 2021-06-16 Cell Ideas Pty Ltd. Therapeutics using adipose cells and cell secretions
US10154664B2 (en) * 2011-10-06 2018-12-18 David K Moscatello Systems and methods for the digestion of adipose tissue samples obtained from a client for cryopreservation
US8932805B1 (en) 2011-10-31 2015-01-13 BioDlogics, LLC Birth tissue material and method of preparation
KR102001701B1 (ko) 2011-11-08 2019-10-01 악소셀 래버러토리스 인코포레이티드 세포 프로세싱을 위한 시스템 및 방법
ES2377796B8 (es) * 2011-11-25 2012-12-28 Banc De Sang I Teixits Procedimiento para preparar productos de terapia celular o ingeniería tisular.
US9248013B2 (en) 2011-12-05 2016-02-02 California Institute Of Technology 3-Dimensional parylene scaffold cage
BR112014013756A8 (pt) * 2011-12-07 2017-06-13 Cytovera Inc método e dispositivo para o processamento de amostra
EP3338645B1 (en) * 2012-01-17 2022-01-12 Nico Corporation Tissue preservation, cooling and tissue sample retrieval and preservation systems
EP2859090A4 (en) * 2012-06-07 2015-11-25 David K Moscatello COMPOSITIONS AND METHODS OF REMOVING, CLEANSING, CRYOKON SURVIVAL, RECOVERY AND RETURN OF LIPOAS PIRATES TO THE DOCTOR FOR AUTOLOGOUS FATTYTE TRANSMISSION
WO2013192342A1 (en) * 2012-06-20 2013-12-27 Celula, Inc. Materials and methods for processing cell populations
CN102907416B (zh) * 2012-08-01 2016-08-03 西比曼生物科技(上海)有限公司 一种可维持细胞活性的组织冻存液
US9642956B2 (en) 2012-08-27 2017-05-09 Biomet Biologics, Llc Apparatus and method for separating and concentrating fluids containing multiple components
US9950035B2 (en) 2013-03-15 2018-04-24 Biomet Biologics, Llc Methods and non-immunogenic compositions for treating inflammatory disorders
MX369521B (es) * 2013-03-15 2019-11-11 Genzyme Corp Metodos de creacion de bancos de celulas de alta densidad.
US10143725B2 (en) 2013-03-15 2018-12-04 Biomet Biologics, Llc Treatment of pain using protein solutions
US10208095B2 (en) 2013-03-15 2019-02-19 Biomet Manufacturing, Llc Methods for making cytokine compositions from tissues using non-centrifugal methods
US20140271589A1 (en) 2013-03-15 2014-09-18 Biomet Biologics, Llc Treatment of collagen defects using protein solutions
US9895418B2 (en) 2013-03-15 2018-02-20 Biomet Biologics, Llc Treatment of peripheral vascular disease using protein solutions
JP6677634B2 (ja) 2013-06-11 2020-04-08 プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ SC−β細胞及び組成物並びにその生成方法
US9580678B2 (en) 2013-06-21 2017-02-28 The Regents Of The University Of California Microfluidic tumor tissue dissociation device
EP3019599B1 (en) * 2013-07-10 2018-06-13 Agency For Science, Technology And Research Method for isolating stromal vascular fraction
CA2919374C (en) 2013-07-30 2019-12-03 Musculoskeletal Transplant Foundation Acellular soft tissue-derived matrices and methods for preparing same
US20160245825A1 (en) * 2013-10-04 2016-08-25 Cell Ideas Pty Ltd Biomarkers for Cell Therapy
EP3068866B1 (en) 2013-11-16 2018-04-25 Terumo BCT, Inc. Expanding cells in a bioreactor
WO2015120114A1 (en) 2014-02-05 2015-08-13 Muffin Incorporated Compartmented cryopreservation container and uses thereof
EP3613841B1 (en) 2014-03-25 2022-04-20 Terumo BCT, Inc. Passive replacement of media
US9993748B2 (en) 2014-08-11 2018-06-12 Auxocell Laboratories, Inc. Centrifuge clip and method
USD748462S1 (en) 2014-08-11 2016-02-02 Auxocell Laboratories, Inc. Centrifuge clip
CN106715676A (zh) 2014-09-26 2017-05-24 泰尔茂比司特公司 按计划供养
US10201573B1 (en) 2014-10-27 2019-02-12 Brahm Holdings, Llc Human birth tissue material composition and methods for the treatment of damage associated with a cerebral vascular accident
US10265438B1 (en) 2014-11-03 2019-04-23 BioDlogics, LLC Methods and compositions for the repair and replacement of connective tissue
US9713810B2 (en) 2015-03-30 2017-07-25 Biomet Biologics, Llc Cell washing plunger using centrifugal force
FR3035407B1 (fr) 2015-04-23 2022-06-17 Francais Du Sang Ets Procede de conservation de cellules, tissus ou organes en hypothermie
US9757721B2 (en) 2015-05-11 2017-09-12 Biomet Biologics, Llc Cell washing plunger using centrifugal force
US10531957B2 (en) 2015-05-21 2020-01-14 Musculoskeletal Transplant Foundation Modified demineralized cortical bone fibers
WO2017004592A1 (en) 2015-07-02 2017-01-05 Terumo Bct, Inc. Cell growth with mechanical stimuli
US10912864B2 (en) 2015-07-24 2021-02-09 Musculoskeletal Transplant Foundation Acellular soft tissue-derived matrices and methods for preparing same
US11052175B2 (en) 2015-08-19 2021-07-06 Musculoskeletal Transplant Foundation Cartilage-derived implants and methods of making and using same
SG11201804307WA (en) * 2015-11-24 2018-06-28 Rohto Pharmaceutical Co Ltd Therapeutic agent for liver disease containing stromal cells derived from adipose tissue and method for producing the same
CN105613484B (zh) * 2015-12-16 2018-10-26 华南生物医药研究院 巨核祖细胞冻存液及其应用
US10722540B1 (en) 2016-02-01 2020-07-28 The Regents Of The University Of California Microfluidic device and method for shear stress-induced transformation of cells
WO2017141831A1 (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 ロート製薬株式会社 脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤およびその製造方法
GB201604304D0 (en) 2016-03-14 2016-04-27 Tigenix S A U Adipose tissue-derived stromal stem cells for use in treating refractory complex perianal fistulas in crohn's disease
CN109415696A (zh) 2016-05-25 2019-03-01 泰尔茂比司特公司 细胞扩增
US11685883B2 (en) 2016-06-07 2023-06-27 Terumo Bct, Inc. Methods and systems for coating a cell growth surface
US11104874B2 (en) 2016-06-07 2021-08-31 Terumo Bct, Inc. Coating a bioreactor
WO2017214323A1 (en) 2016-06-08 2017-12-14 The Regents Of The University Of California Method and device for processing tissues and cells
JP2019146487A (ja) * 2016-06-16 2019-09-05 株式会社ワンビシアーカイブズ クライオボックス運搬および保管用容器
CN106465710B (zh) * 2016-08-19 2020-04-14 杭州易文赛生物技术有限公司 脂肪组织冻存液及脂肪组织冻存方法
US11624046B2 (en) 2017-03-31 2023-04-11 Terumo Bct, Inc. Cell expansion
CN117247899A (zh) 2017-03-31 2023-12-19 泰尔茂比司特公司 细胞扩增
CN108925548A (zh) * 2017-05-24 2018-12-04 西比曼生物科技(香港)有限公司 一种冻存细胞制剂及细胞复苏方式
CN108477141B (zh) * 2018-03-14 2021-01-05 重庆奥纳思生物科技有限公司 一种脐带血干细胞医用储藏箱
CN108402032B (zh) * 2018-03-14 2021-01-05 重庆奥纳思生物科技有限公司 一种脐带血干细胞储藏方法
ES2738956B2 (es) * 2018-07-26 2022-01-17 Disentropic S L Dispositivo para el procesado del tejido graso y sus usos
WO2020051097A1 (en) 2018-09-07 2020-03-12 University Of Southern California Cryopreservation of cell-seeded substrates and related methods
KR102146379B1 (ko) * 2019-03-04 2020-08-21 고려대학교 산학협력단 조직의 급속동결 보관장치 및 조직의 급속동결 보관방법
US11697799B2 (en) 2019-04-15 2023-07-11 Ossium Health, Inc. System and method for extraction and cryopreservation of bone marrow
JP2022539249A (ja) 2019-07-05 2022-09-07 ケース ウェスタン リザーブ ユニバーシティ 幹細胞培養及び幹細胞治療用プライム化培地及びプライム化方法
EP4181675A4 (en) 2020-07-18 2024-04-24 Ossium Health Inc PERMEATION OF WHOLE VERTEBRAL BODY WITH CRYOPROTECTIVE USING VACUUM-ASSISTED DIFFUSION
CA3195653A1 (en) 2020-10-14 2022-04-21 Ossium Health, Inc. Systems and methods for extraction and cryopreservation of bone marrow
CN117279650A (zh) 2020-12-18 2023-12-22 奥瑟姆健康公司 细胞治疗方法
EP4323497A1 (en) 2021-04-11 2024-02-21 President and Fellows of Harvard College Cardiomyocytes and compositions and methods for producing the same
CN114916534A (zh) * 2022-02-11 2022-08-19 南京艾拓生命科技有限公司 一种间充质干细胞活性因子包装结构

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0413700A (ja) * 1990-05-08 1992-01-17 Katsuya Takasu コラーゲンの分離方法
JPH05292941A (ja) * 1991-05-03 1993-11-09 Becton Dickinson & Co 脂肪組織の採取ならびに処理および微小血管内皮細胞の調製方法と装置
JPH07255469A (ja) * 1994-03-17 1995-10-09 Kurabo Ind Ltd 動物細胞の凍結保存液
JPH08208401A (ja) * 1994-11-08 1996-08-13 Asta Medica Ag 赤血球−液状貯蔵物及び赤血球−凍結貯蔵用の添加剤、赤血球濃縮物の製法及び赤血球−凍結貯蔵物の製法
JPH09255588A (ja) * 1996-03-28 1997-09-30 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 骨強化用医薬、飲食品及び飼料
JPH1017310A (ja) * 1996-07-03 1998-01-20 Ehime Pref Gov コラーゲン、ヒドロキシアパタイトの製造方法及びその生成物
US5783408A (en) * 1995-06-07 1998-07-21 Hamilton; Bradford S. Method for screening potential anti-obesity agents
WO2000053795A1 (en) * 1999-03-10 2000-09-14 University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education Adipose-derived stem cells and lattices

Family Cites Families (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4458678A (en) * 1981-10-26 1984-07-10 Massachusetts Institute Of Technology Cell-seeding procedures involving fibrous lattices
US5312380A (en) * 1985-06-06 1994-05-17 Thomas Jefferson University Endothelial cell procurement and deposition kit
US5035708A (en) * 1985-06-06 1991-07-30 Thomas Jefferson University Endothelial cell procurement and deposition kit
US4820626A (en) * 1985-06-06 1989-04-11 Thomas Jefferson University Method of treating a synthetic or naturally occuring surface with microvascular endothelial cells, and the treated surface itself
US5372945A (en) * 1985-06-06 1994-12-13 Alchas; Paul G. Device and method for collecting and processing fat tissue and procuring microvessel endothelial cells to produce endothelial cell product
US5436135A (en) * 1985-09-02 1995-07-25 Pasteur Merieux Serums Et Vaccins New preparation of placenta collagen, their extraction method and their applications
US4963489A (en) * 1987-04-14 1990-10-16 Marrow-Tech, Inc. Three-dimensional cell and tissue culture system
US5158867A (en) * 1987-08-21 1992-10-27 Cryolife Inc. Method for cryopreserving blood vessels
US4883755A (en) * 1987-10-28 1989-11-28 Thomas Jefferson University Method of reendothelializing vascular linings
US4834703A (en) * 1987-11-23 1989-05-30 Dubrul Will R Liposuction filter and lipoplasty device
US5092883A (en) * 1988-12-28 1992-03-03 Eppley Barry L Method for promoting soft connective tissue growth and repair in mammals
ES2071733T3 (es) * 1990-02-09 1995-07-01 Univ Jefferson Dispositivo para recoger y elaborar tejido graso a fin de producir un producto celular endotelial.
US5641622A (en) * 1990-09-13 1997-06-24 Baxter International Inc. Continuous centrifugation process for the separation of biological components from heterogeneous cell populations
US5486359A (en) * 1990-11-16 1996-01-23 Osiris Therapeutics, Inc. Human mesenchymal stem cells
US5837539A (en) * 1990-11-16 1998-11-17 Osiris Therapeutics, Inc. Monoclonal antibodies for human mesenchymal stem cells
US5226914A (en) * 1990-11-16 1993-07-13 Caplan Arnold I Method for treating connective tissue disorders
US5261612A (en) * 1991-10-09 1993-11-16 Newman-Ftaiha, Inc. Method and apparatus for extracting injectable collagen from adipose tissue
US5316942A (en) * 1993-06-16 1994-05-31 Battelle Memorial Institute Process for the production of low-cost soluble high-molecular weight collagen
US5409833A (en) * 1993-07-01 1995-04-25 Baxter International Inc. Microvessel cell isolation apparatus
US5470307A (en) * 1994-03-16 1995-11-28 Lindall; Arnold W. Catheter system for controllably releasing a therapeutic agent at a remote tissue site
WO1996001641A1 (de) * 1994-07-08 1996-01-25 Sulzer Medizinaltechnik Ag Verfahren zur herstellung von implantationsmaterialien
JPH0892001A (ja) * 1994-09-26 1996-04-09 Asahi Medical Co Ltd 細胞集団の保存方法
DE19519887C1 (de) * 1995-05-31 1996-06-13 Henkel Kgaa Verfahren zur Epoxidierung olefinisch ungesättigter Verbindungen
US6200606B1 (en) * 1996-01-16 2001-03-13 Depuy Orthopaedics, Inc. Isolation of precursor cells from hematopoietic and nonhematopoietic tissues and their use in vivo bone and cartilage regeneration
US5980887A (en) * 1996-11-08 1999-11-09 St. Elizabeth's Medical Center Of Boston Methods for enhancing angiogenesis with endothelial progenitor cells
US5830741A (en) * 1996-12-06 1998-11-03 Boehringer Mannheim Corporation Composition for tissue dissociation containing collagenase I and II from clostridium histolyticum and a neutral protease
US5786207A (en) * 1997-05-28 1998-07-28 University Of Pittsburgh Tissue dissociating system and method
JPH114682A (ja) * 1997-06-16 1999-01-12 Asahi Medical Co Ltd 有核細胞保存方法、有核細胞保存用組成物及び有核細胞分離方法
US6030836A (en) * 1998-06-08 2000-02-29 Osiris Therapeutics, Inc. Vitro maintenance of hematopoietic stem cells
US6090121A (en) * 1998-12-02 2000-07-18 Weber; Paul J. Highly flexible, reinforced swan neck liposuction cannulas
US6777231B1 (en) * 1999-03-10 2004-08-17 The Regents Of The University Of California Adipose-derived stem cells and lattices
US6316247B1 (en) * 1999-06-15 2001-11-13 University Of Pittsburgh System and method for refining liposuctioned adipose tissue

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0413700A (ja) * 1990-05-08 1992-01-17 Katsuya Takasu コラーゲンの分離方法
JPH05292941A (ja) * 1991-05-03 1993-11-09 Becton Dickinson & Co 脂肪組織の採取ならびに処理および微小血管内皮細胞の調製方法と装置
JPH07255469A (ja) * 1994-03-17 1995-10-09 Kurabo Ind Ltd 動物細胞の凍結保存液
JPH08208401A (ja) * 1994-11-08 1996-08-13 Asta Medica Ag 赤血球−液状貯蔵物及び赤血球−凍結貯蔵用の添加剤、赤血球濃縮物の製法及び赤血球−凍結貯蔵物の製法
US5783408A (en) * 1995-06-07 1998-07-21 Hamilton; Bradford S. Method for screening potential anti-obesity agents
JPH09255588A (ja) * 1996-03-28 1997-09-30 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 骨強化用医薬、飲食品及び飼料
JPH1017310A (ja) * 1996-07-03 1998-01-20 Ehime Pref Gov コラーゲン、ヒドロキシアパタイトの製造方法及びその生成物
WO2000053795A1 (en) * 1999-03-10 2000-09-14 University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education Adipose-derived stem cells and lattices

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
増井 徹・水沢 博: "細胞と組織の凍結保存と解凍操作", 蛋白質 核酸 酵素, vol. 45, no. 13, JPN6009022879, 10 September 2000 (2000-09-10), JP, pages 201 - 207, ISSN: 0001321124 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20030054331A1 (en) 2003-03-20
KR100779812B1 (ko) 2007-11-28
AU2002326901B2 (en) 2007-11-01
JP2009269930A (ja) 2009-11-19
CA2460402A1 (en) 2003-03-27
EP1427279A1 (en) 2004-06-16
CN1585602A (zh) 2005-02-23
WO2003024215A1 (en) 2003-03-27
KR20040044912A (ko) 2004-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100779812B1 (ko) 비-조혈 조직으로부터의 비-배아세포의 보존
AU2002326901A1 (en) Preservation of non embryonic cells from non hematopoietic tissues
US8481253B2 (en) Cryopreservation of adipose tissue for the isolation of mesenchymal stem cells
AU2006329195B2 (en) Viable cells from frozen umbilical cord tissue
JP2005502712A5 (ja)
JP7401865B2 (ja) 機能的な間葉系幹細胞の富化集団を得る方法、それによって得られる細胞、およびその細胞を含む組成物
TW200902718A (en) Procurement, isolation, and cryopreservation of endometrial/menstrual cells
CN106614524B (zh) 一种间充质干细胞的保存液以及保存方法
CN107072189B (zh) 用于改善干细胞稳定性的组合物
US20170224736A1 (en) Method and apparatus for recovery of umbilical cord tissue derived regenerative cells and uses thereof
CN111587877A (zh) 干细胞冻存保护剂、制备方法及应用
WO2014203268A2 (en) Method for isolation, purification and industrial scale expansion of equine adipose tissue derived mensenchymal stem cells
CN111647551B (zh) 同一胎盘绒毛小叶组织来源细胞的提取及保存方法
WO2018147457A1 (ja) ヒト幹細胞の保存液、ヒト幹細胞懸濁液およびヒト幹細胞の保存方法
ENNIS et al. Patent 2634820 Summary

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050419

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050419

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20060630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090518

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090818

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090825

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100308