JP2019146487A - クライオボックス運搬および保管用容器 - Google Patents

クライオボックス運搬および保管用容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2019146487A
JP2019146487A JP2016120269A JP2016120269A JP2019146487A JP 2019146487 A JP2019146487 A JP 2019146487A JP 2016120269 A JP2016120269 A JP 2016120269A JP 2016120269 A JP2016120269 A JP 2016120269A JP 2019146487 A JP2019146487 A JP 2019146487A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cryobox
box
transport
storage container
lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016120269A
Other languages
English (en)
Inventor
靖友 荻原
Yasutomo OGIWARA
靖友 荻原
悠夫 宮澤
Hisao Miyazawa
悠夫 宮澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
WANBISHI ARCHIVES CO Ltd
Original Assignee
WANBISHI ARCHIVES CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by WANBISHI ARCHIVES CO Ltd filed Critical WANBISHI ARCHIVES CO Ltd
Priority to JP2016120269A priority Critical patent/JP2019146487A/ja
Priority to JP2018524058A priority patent/JPWO2017217554A1/ja
Priority to PCT/JP2017/022425 priority patent/WO2017217554A1/ja
Publication of JP2019146487A publication Critical patent/JP2019146487A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61JCONTAINERS SPECIALLY ADAPTED FOR MEDICAL OR PHARMACEUTICAL PURPOSES; DEVICES OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR BRINGING PHARMACEUTICAL PRODUCTS INTO PARTICULAR PHYSICAL OR ADMINISTERING FORMS; DEVICES FOR ADMINISTERING FOOD OR MEDICINES ORALLY; BABY COMFORTERS; DEVICES FOR RECEIVING SPITTLE
    • A61J3/00Devices or methods specially adapted for bringing pharmaceutical products into particular physical or administering forms
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D85/00Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials
    • B65D85/50Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for living organisms, articles or materials sensitive to changes of environment or atmospheric conditions, e.g. land animals, birds, fish, water plants, non-aquatic plants, flower bulbs, cut flowers or foliage
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M1/00Apparatus for enzymology or microbiology

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Evolutionary Biology (AREA)
  • Marine Sciences & Fisheries (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

【課題】依頼元での従来の凍結保存に係る作業手順を変えないままに、委託保管を行う作業者が凍結サンプルの入った容器を収納したクライオボックスに与える温度変化や衝撃を最小限に留めながら、凍結保存容器やディープフリーザーへと凍結保存条件下で運搬し保管することが、統一された作業手順、低コストで実施でき、かつ、保管する凍結サンプルそのものに対する情報を委託保管先の作業者から秘匿することが可能となる新たなクライオボックスの運搬および保管のための手段の提供。【解決手段】上面部が開口し側面部にクライオボックス取り出し用スリットおよび/または底面部にクライオボックス押し上げ用開口部を有するクライオボックスを収納するための箱部と、該箱部の上面部を覆う開閉可能な蓋部とを有することを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、凍結細胞等保管受託サービスなどにおいて用いるクライオボックス運搬および保管用容器に関するものであり、特に凍結保存を行う温度条件下にて用いることに適したクライオボックス運搬および保管用容器に関する。
試験研究、医薬品製造や食品製造のために用いる細胞や組織や病理用包埋カセットなどのサンプルを長期に渡り保存するための手法として、凍結保存法が広く利用されている。細胞や組織などのサンプルは、凍結のための処理を施した後、バイアルなどの小さな容器へ入れられる。そしてその容器は、樹脂製または紙製のクライオボックスに収納された後、液体窒素等の極低温液化ガスによる気相又は液相中で凍結保存しておくための凍結保存容器(特許文献1参照)や極低温で保存することが可能なディープフリーザーの中にクライオボックスごと格納して、凍結した状態で保管される。
一旦凍結された細胞や組織は、正しい手順を経ることなく解凍したり、過度の温度変化を加えると、細胞や組織が変質または破壊されてしまう。そこで、保管作業中にクライオボックスを取り扱う作業者は、凍結したサンプルの入った容器やその容器を収納したクライオボックスに過度の温度変化が加わることの無いよう極力速やかに取り扱い、温度変化を最小限に留めることが要請されている。
そこで、上記要請に応えるべく、作業工程を共通化し、未習熟の作業者であってもマニュアル通りの保管作業が遅滞なく行うことが可能となるよう、凍結したサンプルの入った容器を収納するクライオボックスは、収納するバイアルや病理用包埋カセットのサイズに合わせて共通した大きさのものが汎用されている。特に、液体窒素(気相)保存やディープフリーザーにおいてサンプルを保存する際は、バイアルや病理用包埋カセットが多数収納可能なクライオボックスが用いられている。多くの場合において、様々な器具製造会社から製造販売されているほぼ共通の大きさ(例えば、外寸が縦134mm×横134mm×高さ52mmのもので、内部に、バイアルのサイズに合わせて81本から100本などが収納可能な仕切りを有するものなど)で、極低温に冷やされた状態でクライオボックスを持ちながらの作業も容易な、樹脂製または紙製のクライオボックスが採用されている。
このようにして、サンプルをクライオボックスを用いて液体窒素(気相)保存やディープフリーザー中に効率的に、かつ、分類整理しながら保管することが可能となったため、各研究・製造サイトごとに、非常に多くの種類及び数のサンプルがライブラリーとして極低温下で凍結保存されている。通常、このような凍結サンプルは、クライオボックスに格納された後、各利用者の所属する研究・製造サイトにて所有する凍結保存容器やディープフリーザーに保管される。
さらに近年は、細胞バンクへの寄託、事故・災害時のバックアップ、新たな解析手段が見出された時のためのバックアップ、研究・製造時の信頼性保証、および、共同研究者や退職者による研究妨害や秘密漏洩に対するセキュリティー対策や証拠保全対策を図るべく、凍結サンプルを予め多重に作製しておき、一部は自らが保存し、残部を細胞バンク、別の部著または外部業者などへと輸送し、委託保管することが行われている。この委託保管においては、凍結したサンプルそのものの信頼性を担保するために、凍結したサンプルを委託先の保管場所まで良好な状態で移動させ、所望のタイミングで委託保管中の凍結したサンプルを委託元に良好な状態で返送できるようにしなければならない。そこで、移動時における凍結サンプルにおける極低温からの温度変化を避けるとともに、サンプル取り違えの事故を防止することや、凍結サンプルそのものに対する情報を関連する作業者から秘匿することが要請されている。
そこで、上記要請に応えるべく、現在、中身を視認できない紙製か不透明のクライオボックスに凍結サンプルを入れ、当該クライオボックスを、液体窒素(気相)保存やディープフリーザーから液化窒素を吸収体に吸着させて気相の液化窒素下において極低温に保持したままで搬送可能なドライシッパーなどの凍結サンプル専用の運搬容器へ移し替えて委託先に運搬し、当該クライオボックスを液体窒素(気相)保存やディープフリーザーへ移し替えて、極低温下で保管することが行われている。中身を視認できない紙製か不透明のクライオボックスを用いることで、移動時に凍結サンプル自体を作業者が触ることを避けることで過度の温度変化やサンプル取り違えを防止することが可能となっている。
しかし、クライオボックスが紙製であると、温度が上昇した場合に紙に霜が付くなどして吸湿するために強度が下がる不安がある。また、作業時に時間を要すると、作業者の体温が装着したクライオグローブから僅かに移るなどし、特に箱の角を持っている部分の温度が局所的に上昇すると、当該部分の吸湿により箱の強度が大きく下がる場合がある。また、クライオボックスは、外寸はほぼ共通であっても蓋や箱本体の形状は、用いる素材や器具製造会社ごとに様々であり、最適な把持部位がそれぞれ異なる。そのため、正しい部位を把持していないと、移動時に不意の衝撃が加わった際にクライオボックスの蓋が開いてしまい、サンプルに付した情報が見える状態になったり、クライオボックス自体が破損して収納したサンプルがクライオボックス外へ飛散してしまう危険性がある。そのため、本来は温度変動を最小にすべく急いで扱わなければならないクライオボックスの取り扱いを、十分慎重に行わなければならず、改善が求められていた。
そして、クライオボックスの運搬・保管時の慎重な取り扱いのためには標準的な作業手順を策定することになるが、取り扱う可能性のあるクライオボックスの種類ごとに運搬・保管に関連する各種の作業工程を細かく規定せざるを得ず、煩雑なものとなってしまうので、対策が求められていた。また、作業者は、クライオボックスの種類ごとに策定された標準的な作業手順全てに対応する必要があるため、負担が非常に大きくなる状況が生じており、改善が求められていた。
さらには、クライオボックスの運搬や保管の作業は、そのような細かい作業工程を安定して実施することが可能な、習熟した作業者によって取り扱われることが特に望まれるが、そのような習熟した作業者の安定した確保は難しく、未熟な作業者に対しては予め十分に教育訓練を施す必要があり、固定費も上昇するため、この点についても改善が求められていた。
また、委託保管先においては、クライオボックス内に収納した各種サンプルの詳細情報に触れることなくクライオボックスの所在管理や移動管理を行うことが望まれるが、上述した強度低下、開封や破損の問題のためにクライオボックス自体に履歴管理機能を持たせて履歴管理を安定的に行うことが難しい状況にあり、対策が求められていた。
特開2005−143873号公報
本発明が解決しようとする課題は、凍結保存サンプルを移送して委託保管するにあたり、委託保管の依頼元の作業者が用いている仕様が様々に異なるクライオボックスの種類を1つに統一する必要がなく、さらに、委託保管を行う作業者が、それら異なる仕様のクライオボックスを、予め定めた統一された作業手順により、凍結保存容器やディープフリーザーへと凍結保存条件下で運搬し保管することが可能な、新たなクライオボックスの運搬および保管のための手段を提供することであり、また、上記運搬・保管作業に関する統一された標準的な作業手順の策定を容易にし、さらに、習熟した作業者でなくとも確実な運搬・保管作業を可能とし、かつ、運搬・保管作業にかかる固定費などの関連するコストを削減することを可能とすることである。
また、本発明が解決しようとする課題は、凍結保存サンプルを凍結条件下で移送して委託保管するにあたり、委託保管の依頼元の作業者における従来の作業手順、すなわち、凍結保存サンプルを極低温に冷やされた状態での作業が容易な樹脂製または紙製のクライオボックスに収納し、当該クライオボックスごと凍結保存容器やディープフリーザーにて保管するという作業手順は変えないままに、委託保管を行う作業者が、クライオボックスや凍結サンプル自体を手またはクライオグローブを介して直接触ることを防止し、凍結したサンプルの入った容器やその容器を収納したクライオボックスに与える極低温からの温度変化や衝撃を最小限に留めながら、凍結保存容器やディープフリーザーにへと運搬して凍結保管することが可能で、かつ、汎用性が高く再利用可能な、新たなクライオボックスの運搬および保管のための手段を提供することである。
また、本発明が解決しようとする更なる課題は、委託保管するクライオボックスの委託保管業務に携わる担当者が、当該クライオボックスを開封して収納されている各種サンプルやそれに付された情報を確認せずとも、当該クライオボックスに関する所在管理や移動管理を行うことを可能とし、当該クライオボックスやサンプル取り違えの事故を防止し、さらに、当該クライオボックスに保管されている凍結サンプルそのものに対する情報を関連する作業者から秘匿することができる新たなクライオボックスの運搬および保管のための手段を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の第1の手段は、上面部が開口し側面部にクライオボックス取り出し用スリットおよび/または底面部にクライオボックス押し上げ用開口部を有するクライオボックスを収納するための箱部と、該箱部の上面部を覆う開閉可能な蓋部とを有することを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器である。
上記の課題を解決するための本発明の第2の手段は、前記箱部の側面部および底面部と蓋部の上面部とに、多数の孔を有することを特徴とする、第1の手段のクライオボックス運搬および保管用容器である。
上記の課題を解決するための本発明の第3の手段は、前記蓋部が箱部を覆う延出部を前面と左右側面に有し、該蓋部の左右側面の延出部の背面側部位と、箱部の左側面部及び右側面部の背面側の上部とが開閉可能に連結していることを特徴とする、第1または第2の手段のクライオボックス運搬および保管用容器である。
上記の課題を解決するための本発明の第4の手段は、前記延出部に、さらに指掛け用延出部と任意に指掛け用延出部の先端部を僅かに外側に折り曲げた指掛り部とが設けられていることを特徴とする、第1〜第3のいずれか1の手段のクライオボックス運搬および保管用容器である。
上記の課題を解決するための本発明の第5の手段は、前記延出部に指掛け用延出部が、前面中央部から左側または右側に偏った部位に設けられていることを特徴とする、第1〜第4のいずれか1の手段のクライオボックス運搬および保管用容器である。
上記の課題を解決するための本発明の第6の手段は、前記蓋部の延出部の前面中央部、左側面部の前面側および右側面部の前面側には、箱部側に突出した凸部または凹部を備え、該凸部または凹部に対応する部位の箱部の前面、左側面および右側面には、前記箱部側に突出した凸部または凹部と係合する、凹部または蓋部側に突出した凸部とを有することを特徴とする、第1〜第5のいずれか1の手段のクライオボックス運搬および保管用容器である。
上記の課題を解決するための本発明の第7の手段は、前記箱部の前面部に、個体識別ラベル貼付用プレートの差し込み口と個体識別ラベル表示用窓とを備えた個体識別ラベル表示部を有していることを特徴とする、第1〜第6のいずれか1の手段のクライオボックス運搬および保管用容器である。
上記の課題を解決するための本発明の第8の手段は、前記箱部および蓋部が金属製および/または樹脂製であることを特徴とする、第1〜第7のいずれか1の手段のクライオボックス運搬および保管用容器である。
上記の課題を解決するための本発明の第9の手段は、凍結条件下で用いるためのものであることを特徴とする、第1〜第8のいずれか1の手段のクライオボックス運搬および保管用容器である。
上記の課題を解決するための本発明の第10の手段は、第1〜第9の手段のクライオボックス運搬および保管用容器と、個体識別ラベル貼付用プレートと個体識別ラベルとを備えることを特徴とする、クライオボックス運搬および保管用容器セットである。
上記の課題を解決するための本発明の第11の手段は、さらに、開封確認用セキュリティーシールを備えることを特徴とする、第10の手段のクライオボックス運搬および保管用容器セットである。
本発明の手段によって、凍結保存サンプルを移送して委託保管するにあたり、委託保管の依頼元の作業者が用いている仕様が様々に異なるクライオボックスの種類を、予め1つに統一する必要がなくなる。委託保管の依頼元の作業者における従来の作業手順、すなわち、凍結保存サンプルを極低温に冷やされた状態での作業が容易な樹脂製または紙製のクライオボックスに収納し、当該クライオボックスごと凍結保存容器やディープフリーザーにて保管するという作業手順は変えずに済ますことが可能となる。
また、本発明の手段によって、委託保管を行う作業者が、クライオボックスや凍結サンプル自体を手またはクライオグローブを介して直接触ることを防止し、凍結したサンプルの入った容器やその容器を収納したクライオボックスに与える極低温からの温度変化や衝撃を最小限に留めながら、凍結保存容器やディープフリーザーにへと運搬して凍結保管することが可能となる。そして、汎用性が高く再利用可能な、新たなクライオボックスの運搬および保管のための手段を提供することも可能となる。
さらに、本発明の手段によって、委託保管するクライオボックスの委託保管業務に携わる担当者が、当該クライオボックスを開封して収納されている各種サンプルやそれに付された情報を確認せずとも、当該クライオボックスに関する所在管理や移動管理を行うことが可能となる。そして、当該クライオボックスやサンプル取り違えの事故を防止し、さらに、当該クライオボックスに保管されている凍結サンプルそのものに対する情報を関連する作業者から秘匿することが可能となる。
加えて、本発明の手段によって、委託保管を行う作業者が統一された作業手順を策定することが容易となる。そして、委託保管を行う作業者の習熟度を問わず、それら異なる仕様のクライオボックスを、委託保管先の凍結保存容器やディープフリーザーへと、凍結保存条件下で運搬し保管することが可能となるとともに、運搬・保管作業にかかる固定費などの関連するコストが削減される。
本発明の実施の形態のクライオボックス運搬および保管用容器の斜視図である。 本発明の実施の形態のクライオボックス運搬および保管用容器の斜視図である。 本発明の実施の形態のクライオボックス運搬および保管用容器にクライオボックスを収納した状態を説明する斜視図である。 本発明の実施の形態のクライオボックス運搬および保管用容器にクライオボックスを収納し、蓋を閉じた状態を説明する斜視図である。 (a)本発明の実施の形態のクライオボックス運搬および保管用容器の正面図であり、(b)背面図である。 (a)本発明の実施の形態のクライオボックス運搬および保管用容器の右側面図であり、(b)左側面図である。 本発明の実施の形態のクライオボックス運搬および保管用容器の上面図である。 本発明の実施の形態のクライオボックス運搬および保管用容器の底面図である。 比較例2のクライオボックス運搬および保管用容器の正面図である。 比較例3のクライオボックス運搬および保管用容器の正面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ以下適宜説明する。
<クライオボックス運搬および保管用容器の素材について>
本発明の手段のクライオボックス運搬および保管用容器(1)に用いる素材は、容器に用いるものであれば特に制限されないが、凍結保存を行うことや、特に液体窒素による気相又は液相のような極低温での保管に耐えるものとすることを考慮し、好ましくは金属製もしくは樹脂製の板状のものとする。そして、クライオボックスの長期保存を行うことと、保管容器のスペースが限られていることを考慮し、より薄くしても長期にわたり強度を保持することができるものとして、より好ましくは、金属製のものとする。
使用する金属は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅など、容器に用いるものであれば特に制限されないが、長期保管にも耐えることを考慮し、好適には、耐衝撃性や耐腐食性を備えていることが知られるステンレス鋼を用いるものとする。ステンレス鋼としては、さらに加工性、溶接性が良好なオーステナイト系ステンレスを用い、好適にはSUS304を用いるものとする。蓋部と箱部を接合させるリベットには、加工が容易で強度が保持しやし銅を用いることが好ましい。
使用する樹脂は、容器に用いるものであれば特に制限されないが、特に液体窒素による気相又は液相のような極低温での保管に耐えるものであることを考慮し、ポリカーボネートを用いることが好ましい。樹脂を用いて箱部および蓋部を製造する場合には、それらの接合に用いるリベットは、極低温での保管に耐えるものであれば樹脂製、金属製のいずれであっても良いが、なるべく耐久性のあるものを選択する。
<クライオボックス運搬および保管用容器の形状について>
本発明の手段のクライオボックス運搬および保管用容器(1)は、クライオボックス(17)を上部から挿入して収納することができる上面部が開口したほぼ立方体の形状を有する箱部(2)と、その上面部を覆う開閉可能な蓋部(3)とからなるものとする(図1、図2)。
箱部(2)の内寸は、その上面部が開口から挿入して収納するクライオボックス(17)の外寸よりも大きくなるように設定する。凍結保存容器やディープフリーザーなどの既成の保管機器の保管場所の大きさには限りがあることから、出来る限り多くのクライオボックス運搬および保管用容器(1)を収納することが可能になるよう、箱部(2)の縦横の大きさは、クライオボックスの挿入や取り出しに支障が出ない程度になるよう、外寸よりも僅かに大きくするに留めることが好ましい。例えば、クライオボックス(17)の外寸が縦133mm×横133mm×高さ52mmのものであれば、クライオボックス運搬および保管用容器(1)は、板厚が0.5mm〜1.4mm程度のSUS304を用いる場合には、外寸 縦136mm×横136mm×高さ58mmとすると良い。高さに余裕を持たせることで、凍結保存容器やディープフリーザー中の冷気を速やかにかつ効率良くクライオボックス(17)に触れさせることができ、移動中に生じたクライオボックス(17)の温度変化を最小限に留めることが可能となる。
さらに、軽量化を図るとともに、クライオボックス運搬および保管用容器(1)の箱部(2)へ空気や液体窒素が自由に出入りして、クライオボックス運搬および保管用容器(1)の取り扱いや、箱部(2)へのクライオボックス(17)の挿入や取り出しや押し上げが容易となるよう、クライオボックス運搬および保管用容器(1)の箱部(2)と蓋部(3)の壁面には適宜、多数の孔(11)を設けると良い(図1、図2、図5〜図8)。
なお、箱部(2)の前面部の指掛け用延出部(6)付近は、貼付したシールを剥がすと、開封済みであることを示す接着部位がシールから剥がれて残存するような、開封確認用セキュリティーシールを貼付できる部位として利用する場合には、孔(11)を開けないようにする(図1、図2、図5)。そして、指掛け用延出部(6)と箱部(2)の前面部とをまたがるようにシールするようにして開封確認用セキュリティーシールを貼付することで、委託保管していたクライオボックスの返却受領後に、委託保管先においてクライオボックス運搬および保管用容器(1)の開封がされていないことを、委託保管の依頼元の依頼者が確認できるようになる。
また、箱部(2)におけるクライオボックス(17)の挿入や取り出しが更に容易となるよう、箱部(2)の側面部にはクライオボックス取り出し用スリット(7)、箱部(2)の底面部にはクライオボックス押し上げ用開口部(8)を設けると良い(図1、図2、図6、図8)。これにより、クライオグローブを装着したままであっても、クライオボックス(17)をより迅速に上方に持ち上げて取り出すことが可能になる。また、側面部もしくは底面部の一部に大きなスリットや開口部が設けられることで、クライオボックス運搬および保管用容器(1)の重量を軽減する効果も得られる。
さらに、蓋部(3)は、箱部(2)の前面部、左側面部および右側面部の上部をそれぞれ覆うことができるよう、蓋部の前面、左側面部及び右側面部にはそれぞれ折り曲げられた延出部(4)を有するものとする。そして、蓋部(3)は、その左側面部及び右側面部における折り曲げられた延出部(4)の背面側部位と、箱部の左側面部及び右側面部の背面側の上部とを、リベット(5)で接合して開閉可能に連結しているので、箱部(2)を覆う蓋部(3)が開閉可能となっている(図1)。
また、上記延出部(4)には、箱部側に突出した凸部または凹部(9)を備え、該凸部または凹部に対応する部位の箱部(2)には、箱部側に突出した凸部または凹部(9)と係合するようにして、凹部または蓋部側に突出した凸部(10)を設ける。クライオボックス運搬および保管用容器(1)は立方体の形状を有し、その角の部分が運搬用の保存容器や保管用の凍結保存容器の内壁面を含む、その他様々な部位と接触しやすくなっており、蓋部の前面、左側面部及び右側面部にそれぞれ折り曲げられた延出部(4)を有していても、閉じているべき蓋部が開いてしまう事故が発生する可能性があるが、このように、互いに係合する凸部と凹部を蓋部と箱部とに設けることで、蓋部が不意に開くことを防止することが可能となる。
加えて、蓋部(3)の前面に折り曲げられた延出部(4)には、クライオグローブで蓋を開ける際に指を掛けることが可能な部位としてさらに突出した、指掛け用延出部(6)を設けることができる。この指掛け用延出部(6)は、その先端部を僅かに外側に折り曲げた、指掛り部(6a)を有するものとすることができ、このようにすることでクライオグローブの指掛かりが良くなり蓋部(2)の開閉が容易になる。
上記の指掛け用延出部(6)は、蓋部の前面に折り曲げられた延出部(4)の任意の場所に設けることができるが、蓋部の前面に折り曲げられた延出部(4)の左側もしくは右側に偏った中央寄りの部位に設ける(図1〜図5)ことが好ましい。このように指掛け用延出部(6)を前面中央部から左側または右側に偏った部位に設けることで、指掛け用延出部(6)を中央部に設けた場合(図8)よりも、弱い力で蓋部を開けることが可能となり、クライオボックス運搬および保管用容器(1)に霜が付くなどして蓋部(3)が箱部(2)と固着してしまっても、弱い力で速やかに蓋を開けることができるようになり、クライオボックス(17)が受ける温度変化の程度を、より少なくすることが可能となっている。
またさらに、指掛け用延出部(6)に加えて、前面中央部、左側面部の前面側、右側面部の前面側の3箇所において、箱部と蓋部が互いに係合するよう凸部と凹部(9、10)を設けると(図1〜図6)、蓋部の前面の角の部位に上向きに力を加えても、蓋部が開きにくくなる。また、指掛け用延出部(6)を左側もしくは右側に偏った中央寄りの部位に設けているため、前面中央部の凸部と凹部の係合箇所が支点となり、てこの原理でより少ない力で蓋が開くようになる。他方、不意の力が掛かりやすい蓋部(3)の角の部分に力が掛かるような事態が生じても、角に近接した左側面部の前面側と右側面部の前面側に凸部と凹部の係合箇所が設けられていることにより、蓋が開きにくくなっている。
クライオボックス運搬および保管用容器(1)の前面部には、さらに、収納したクライオボックス(17)に関する情報を記録したデータベースにアクセスするための、個体識別ラベル(12)を掲示することができる個体識別ラベル表示用窓(13)を備えた個体識別ラベル表示部(14)を有するものとすることが好ましい。個体識別ラベル貼付用プレート(15)の両面には、それぞれ同じ個体識別ラベル(12)を貼付する(図1)。そして、両面に個体識別ラベル(12)を貼付した個体識別ラベル貼付用プレート(15)を、個体識別ラベル表示部(14)の上部に設けられた差し込み口(16)から差し入れる(図1、図2)。
液体窒素による極低温下での保管のような厳しい条件下で保管する場合、個体識別ラベル(12)は、そのような条件下でも剥がれくい、ポリエステルフィルムとアクリル系永久粘着材を用いたラベルなどを利用することが好ましい。しかし、貼付したラベルの種類によっては、長期に保管するとラベルが剥がれるなどの事故が発生しやすくなり、クライオボックス運搬および保管用容器(1)に直接個体識別ラベル(12)を貼付していると、貼付したラベルが落下して、収納したクライオボックス(17)の個別識別が出来なくなる不具合が生じる懸念がある。
そこで、本発明においては、クライオボックス運搬および保管用容器(1)に個体識別ラベル表示部(14)備えたものとし、個体識別ラベル(12)を貼付した個体識別ラベル貼付用プレート(15)を、差し込み口(16)に差し入れるようにしている。この新たな工夫により、個体識別ラベル表示部(14)の表示部よりも若干大きい個体識別ラベル(12)を用いることが可能となり、個体識別ラベル(12)やそれを貼付した個体識別ラベル貼付用プレート(15)自体を個体識別ラベル表示部(14)の枠部分で保護し、個体識別ラベル(12)が剥がれ落ちることを防止したり、個体識別ラベル貼付用プレート(15)が落下することを防止できるようになった。
さらに、上記の個体識別ラベル貼付用プレート(15)の裏面には、個体識別ラベルをもう一枚貼付しておくことができる。そのため、仮に個体識別ラベル貼付用プレート(15)の表面に貼付した個体識別ラベル(12)が汚れたり、付着した霜を取り除く際に個体識別ラベル(12)の印字が消えても、さらには、個体識別ラベル(12)が剥がれて個体識別ラベル表示部(14)の枠部分から落下してしまっても、個体識別ラベル表示部(14)から個体識別ラベル貼付用プレート(15)を取り出して、その裏面に貼付したもう一枚の個体識別ラベル(12)の表示内容を確認することで、クライオボックス運搬および保管用容器(1)に入れたクライオボックス(17)の個体識別を確実に実施することが可能になった。さらに、保管中に個体識別ラベル貼付用プレート(15)の裏面に貼付した個体識別ラベル(12)が個体識別ラベル貼付用プレート(15)から剥がれ落ちたとしても、個体識別ラベル貼付用プレート(15)とクライオボックス運搬および保管用容器(1)の箱部(2)の前面部との間に、剥がれ落ちた個体識別ラベル(2)が失われずに残るので、その個体識別ラベル(2)を用いてデータベースに照会することで、預かっているクライオボックス(17)の個体識別を、クライオボックス(17)を未開封に保持したままで実施することが可能となった。
なお、個体識別ラベル表示部(14)には、RFID(radio frequency identifier)タグを備えたものを挿入して用いても良い。そして、液体窒素を用いる極低温下でクライオボックス運搬および保管用容器(1)を使用する場合には、パッシブ型のRFIDタグを用いることが好ましい。
<クライオボックスについて>
収納するクライオボックス(17)は、凍結のための処理を施した試験研究、医薬品製造や食品製造のために用いる細胞や組織を保存するバイアルなどの小さな容器や病理用包埋カセットなどのサンプルを、液体窒素(気相)保存やディープフリーザーにおいて保存するために使用されるものである。
このクライオボックス(17)は、様々な器具製造会社から、液体窒素(気相)保存やディープフリーザーでの使用を考慮して、ほぼ共通の大きさのものが製造販売されている。特に、外寸が縦133mm×横133mm×高さ52mm程度のもので、ポリカーボネート製または紙製のクライオボックスが汎用されている。クライオボックス内部は、保存するバイアルなどの小さな容器や病理用包埋カセットに併せてウェルにより分画されており、例えば、クライオバイアルが81本〜100本保存できるものとなっている。そして、蓋とウェルにナンバーリングがされており、保存するバイアルなどの小さな容器や病理用包埋カセットなどのサンプルの個別情報と、クライオボックスにおける格納箇所の位置情報とを対応させることが可能になっている。
<使用手順について>
本発明のクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(1)の使用手順の一例を、以下に示す。
1.委託保管の担当先から、クライオボックス運搬および保管用容器(1)と、個体識別ラベル貼付用プレート(15)と、個体識別ラベル(12)を3枚以上と、任意に開封確認用セキュリティーシールを複数枚とを、クライオボックスの委託保管の依頼元に配送する。委託保管の依頼元にクライオボックス(17)の準備がされていない場合には、クライオボックス運搬および保管用容器(1)に収納できる大きさのクライオボックス(17)を併せて配送する。
2.クライオボックス運搬および保管用容器(1)と、それに収納するクライオボックス(17)を、依頼先の液体窒素(気相)保存やディープフリーザーなどに格納し、予め保管を希望している温度になるまで保管する。クライオボックス(17)には、個体識別ラベル(12)を貼付しておく。
3.細胞や組織などのサンプルを、所定の凍結保存方法により処理して、バイアルなどの容器に格納し、前記のクライオボックス(17)に収納し、依頼元の液体窒素(気相)保存やディープフリーザーなどに再度格納する。そして、収納したサンプルの情報を、依頼元が管理するデータベースに保存する。これを、必要な処理が完了するまで繰り返す。
4.サンプルの凍結保存とクライオボックス(17)への収納が完了したら、任意で、クライオボックス(17)に開封確認用セキュリティーシールを貼付する。
5.クライオボックス(17)に貼付された個体識別ラベル(12)を確認し、同じ個体識別ラベル(12)を個体識別ラベル貼付用プレート(15)の両面にそれぞれ貼付する。
6.前記クライオボックス(17)を、依頼元の液体窒素(気相)保存やディープフリーザーなどに格納して予め保管を希望している温度にしたクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(1)の箱部(2)中に入れ、蓋部(3)を閉める。
7.任意で、開封確認用セキュリティーシールを、指掛け用延出部(6)と箱部(2)の前面部とをまたがるようにして貼付する。
8.その後、前記同じ個体識別ラベル(12)を両面にそれぞれ貼付した個体識別ラベル貼付用プレート(15)を、クライオボックス運搬および保管用容器(1)の個体識別ラベル表示部(14)の上部に設けられた差し込み口(16)から差し入れる。
9.前記クライオボックス運搬および保管用容器(1)を、依頼元の液体窒素(気相)保存やディープフリーザーなどに再度格納する。
10.前記クライオボックス運搬および保管用容器(1)を、液体窒素を吸収体に染みこませてドライな状態で輸送をすることが可能なドライシッパーなどに格納し、委託保管先まで配送する。併せて、配送した個体識別ラベル(12)の情報を、委託保管の担当先に伝える。
11.委託保管の担当先において、配送されたドライシッパーから、格納された前記クライオボックス運搬および保管用容器(1)を取り出し、個体識別ラベル表示部(14)に示されている個体識別ラベル(12)の情報を読み取り、当該クライオボックス運搬および保管用容器(1)を、所定の液体窒素(気相)保存やディープフリーザーなどに格納し、予め保管を希望している温度にて保管するとともに、保管日時や液体窒素(気相)保存やディープフリーザーにおける格納位置や保管条件を、個体識別ラベル(12)情報に紐付けて委託保管の担当先が管理するデータベースに保存する。
12.委託保管の依頼元から、再配送を希望する個体識別ラベル(12)情報が委託保管の担当先に伝えられたら、委託保管の担当先が管理するデータベースから、再配送を希望するクライオボックス運搬および保管用容器(1)の位置情報等を検索し、該当するクライオボックス運搬および保管用容器(1)を、個体識別ラベル表示部(14)に示されている個体識別ラベル(12)の情報を読み取ることで確認した後、ドライシッパーなどに格納して、委託保管の依頼元まで再配送する。
13.委託保管の依頼元に再配送されたドライシッパーから、クライオボックス運搬および保管用容器(1)を取り出し、開封確認用セキュリティーシールが依頼時のままで残っていることを確認したのち、所定の液体窒素(気相)保存やディープフリーザーなどに格納する。個体識別ラベル(12)情報を読みとり、依頼元が管理するデータベースに保管されている個体識別ラベル(12)情報と照合し、再配送されたクライオボックス運搬および保管用容器(1)の中から、所望の細胞や組織などのサンプルが凍結保存されているバイアルを取り出し、利用する。
以下に、本発明の手段のクライオボックス運搬および保管用容器(1)を製造し使用した実施例を示す。本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
[実施例1]
図1に示す本発明の手段のクライオボックス運搬および保管用容器(1)を製造した。金属板として、板厚が1.0mmのSUS304を用い、蓋部の外寸 縦138mm×横138mm×高さ9.8mm、箱部が、内寸 縦134mm×横134mm×高さ57.8mmのものを製造した。左側面部及び右側面部には、下辺65mm×上辺30mm×高さ40mmのクライオボックス取り出し用スリット(7)を設け、底面には、直径50mmのクライオボックス押し上げ用開口部(8)を設けた。蓋部の上面、箱部の左右側面部及び底面部には、図に示すように多数の孔(11)を設けた。蓋部の延出部(4)に設けた指掛け用延出部(6)は、幅が20mmで、その中央が前面部の左から61mm、右から75mmの位置にくるよう設定した(図5)。また、蓋部の延出部(4)には、前面中央部、左側面部の前面側、右側面部の前面側の3箇所に互いに係合するよう凸部と凹部(9、10)とを設けた。蓋部(3)は、その左側面部及び右側面部における折り曲げられた延出部(4)の背面側部位と、箱部の左側面部及び右側面部の背面側の上部とを、リベット(5)で接合して、開閉可能に連結した。そして、箱部前面の左下部には、個体識別ラベル表示部(14)を配した。
[比較例2]
図1に示すクライオボックス運搬および保管用容器(1)において、蓋部の延出部(4)に設けた指掛け用延出部(6)が中央部に配設されるように換えたものを作製した。
[比較例3]
図1に示すクライオボックス運搬および保管用容器(1)において、蓋部の延出部(4)に互いに係合するよう設けた凸部と凹部(9、10)を、前面中央部、左側面部の前面側、右側面部の前面側の3箇所から、前面の中央付近に左右均等に2箇所となるように換えたものを作製した。
[試験例1]
蓋部を開けるために通常要する力を測定するため、実施例1の本発明の手段のクライオボックス運搬および保管用容器と、比較例2のクライオボックス運搬および保管用容器とを用いて、蓋部の前面に秤を掛けて上方に引き上げ、蓋部を開けるために要する力を測定した。
比較例2の指掛け用延出部(6)が中央部に配設されるクライオボックス運搬および保管用容器において、中央部で蓋部を引き上げたところ、蓋部の開封に要する引っ張り力は、0.369kgであった。比較例3でも同程度であった。
一方、実施例1の本発明の手段のクライオボックス運搬および保管用容器の、左側に偏って設けられた指掛け用延出部(6)の中央部(前面部の左から61mm、右から75mmの位置)で蓋部を引き上げたところ、蓋部の開封に要する引っ張り力は、僅か0.242kgであった。そして、その指掛け用延出部が中央部から偏って設けられることで、てこの原理により、より少ない力で開封できるようになることが理解される。指掛け用延出部があることから、作業者は自然と当該指掛け用延出部の中央付近に指を掛けて蓋部を引き上げることになり、そのような容易な開封が誘導されるものであることが理解できる。
[試験例2]
液体窒素(気相)保存やディープフリーザー、ドライシッパーなどにクライオボックス運搬および保管用容器を収納すると、該容器の角の部分が引っかかるなどすることにより、蓋が不用意に開く懸念がある。そこで、実施例1の本発明の手段のクライオボックス運搬および保管用容器と、比較例3のクライオボックス運搬および保管用容器とを用いて、蓋部の左右の角にそれぞれ秤を掛けて上方に引き上げ、蓋部を開けるために要する力を測定した。
比較例3の蓋部の延出部(4)に互いに係合するよう設けた凸部と凹部(9、10)が前面の中央付近のみに左右均等に2箇所設けられ、側面部には設けられていないものでは、蓋部の開封に要する引っ張り力は、0.382kgであった。試験例1において中央部で要する引っ張り力は、0.369kg、0.374kgであり、左右の側面部に互いに係合するよう凸部と凹部(9、10)とを設けない場合には、蓋が容易に開く可能性があることが理解される。
これに対し、左右の側面部に互いに係合するよう凸部と凹部(9、10)が設けられ、さらに中央部にも凸部と凹部(9、10)が設けられている実施例1の本発明の手段のクライオボックス運搬および保管用容器では、蓋部の開封に要する引っ張り力はそれぞれ、0.463kgおよび0.482kgを要した。この引っ張り力は、試験例1において、指掛け用延出部(6)にて引き上げた場合の二倍弱と大きく、不意の力が加わった場合には蓋が開きにくくする効果を発揮するものであることが理解される。しかし、左右の側面部に互いに係合するよう凸部と凹部(9、10)が設けられていて、さらに、前面にも互いに係合するよう凸部と凹部(9、10)が設けられていても、試験例1の結果から明らかなように、指掛け用延出部が中央部から偏って設けられることで、通常の蓋の開閉動作は、予想外にも少ない力で可能とする効果を発揮していることが理解される。
このことから、本発明の手段のクライオボックス運搬および保管用容器とすることで、通常時には、より速やかに蓋の開閉作業を行うことができ、中に収納するクライオボックスの温度変化の程度がより少なくなる効果が得られることが理解され、さらに、不意の力が加わった場合には、蓋が開きにくく、委託保管における秘匿性の保持に有効であることが理解できる。
1 クライオボックス運搬および保管用容器
2 箱部
3 蓋部
4 蓋部の延出部
5 リベット
6 指掛け用延出部
6a 指掛り部
7 クライオボックス取り出し用スリット
8 クライオボックス押し上げ用開口部
9 箱部側に突出した凸部または凹部
10 凹部または蓋部側に突出した凸部
11 孔
12 個体識別ラベル
13 個体識別ラベル表示用窓
14 個体識別ラベル表示部
15 個体識別ラベル貼付用プレート
16 差し込み口
17 クライオボックス
18 中心線

Claims (11)

  1. 上面部が開口し側面部にクライオボックス取り出し用スリットおよび/または底面部にクライオボックス押し上げ用開口部を有するクライオボックスを収納するための箱部と、該箱部の上面部を覆う開閉可能な蓋部とを有することを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器。
  2. 前記箱部の側面部および底面部と蓋部の上面部とに、多数の孔を有することを特徴とする、請求項1に記載のクライオボックス運搬および保管用容器。
  3. 前記蓋部が箱部を覆う延出部を前面と左右側面に有し、該蓋部の左右側面の延出部の背面側部位と、箱部の左側面部及び右側面部の背面側の上部とが開閉可能に連結していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のクライオボックス運搬および保管用容器。
  4. 前記延出部に、さらに指掛け用延出部と任意に指掛け用延出部の先端部を僅かに外側に折り曲げた指掛り部とが設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のクライオボックス運搬および保管用容器。
  5. 前記延出部に指掛け用延出部が、前面中央部から左側または右側に偏った部位に設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のクライオボックス運搬および保管用容器。
  6. 前記蓋部の延出部の前面中央部、左側面部の前面側および右側面部の前面側には、箱部側に突出した凸部または凹部を備え、該凸部または凹部に対応する部位の箱部の前面、左側面および右側面には、前記箱部側に突出した凸部または凹部と係合する、凹部または蓋部側に突出した凸部とを有することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のクライオボックス運搬および保管用容器。
  7. 前記箱部の前面部に、個体識別ラベル貼付用プレートの差し込み口と個体識別ラベル表示用窓とを備えた個体識別ラベル表示部を有していることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のクライオボックス運搬および保管用容器。
  8. 前記箱部および蓋部が金属製および/または樹脂製であることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のクライオボックス運搬および保管用容器。
  9. 凍結条件下で用いるためのものであることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のクライオボックス運搬および保管用容器。
  10. 請求項1〜9に記載のクライオボックス運搬および保管用容器と、個体識別ラベル貼付用プレートと個体識別ラベルとを備えることを特徴とする、クライオボックス運搬および保管用容器セット。
  11. さらに、開封確認用セキュリティーシールを備えることを特徴とする、請求項10に記載のクライオボックス運搬および保管用容器セット。
JP2016120269A 2016-06-16 2016-06-16 クライオボックス運搬および保管用容器 Pending JP2019146487A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016120269A JP2019146487A (ja) 2016-06-16 2016-06-16 クライオボックス運搬および保管用容器
JP2018524058A JPWO2017217554A1 (ja) 2016-06-16 2017-06-16 クライオボックス運搬および保管用容器
PCT/JP2017/022425 WO2017217554A1 (ja) 2016-06-16 2017-06-16 クライオボックス運搬および保管用容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016120269A JP2019146487A (ja) 2016-06-16 2016-06-16 クライオボックス運搬および保管用容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019146487A true JP2019146487A (ja) 2019-09-05

Family

ID=60664197

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016120269A Pending JP2019146487A (ja) 2016-06-16 2016-06-16 クライオボックス運搬および保管用容器
JP2018524058A Pending JPWO2017217554A1 (ja) 2016-06-16 2017-06-16 クライオボックス運搬および保管用容器

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018524058A Pending JPWO2017217554A1 (ja) 2016-06-16 2017-06-16 クライオボックス運搬および保管用容器

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JP2019146487A (ja)
WO (1) WO2017217554A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57107510U (ja) * 1980-12-19 1982-07-02
US20030054331A1 (en) * 2001-09-14 2003-03-20 Stemsource, Inc. Preservation of non embryonic cells from non hematopoietic tissues
JP4303592B2 (ja) * 2001-10-12 2009-07-29 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー 生体試料を輸送する方法及びバスケット装置
CA2738317C (en) * 2008-09-24 2020-01-14 Straus Holdings Inc. Imaging analyzer for testing analytes
CN102481570B (zh) * 2009-06-25 2014-03-19 角田新一郎 盖体阵列及包含该盖体阵列的微型管阵列组
JP6157050B2 (ja) * 2011-06-22 2017-07-05 株式会社ジェイ・エム・エス 細胞凍結保存容器
JP2014124234A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Jms Co Ltd 金属製容器
JP5802298B2 (ja) * 2014-03-25 2015-10-28 テルモ株式会社 凍結保存細胞からの生細胞の回収方法およびシステム
JP2017112835A (ja) * 2014-04-17 2017-06-29 東京エレクトロン株式会社 多能性幹細胞の凍結保存方法および凍結保存システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2017217554A1 (ja) 2019-09-05
WO2017217554A1 (ja) 2017-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9858457B2 (en) Tamper evident point of containment, inventory and accountability system and method
JP2018061460A (ja) 気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック
US8863947B2 (en) Storage preservation and transport for a controlled substance
JP2018062360A (ja) ドライシッパー用ラック
US20230257165A1 (en) Securable Clip
Simione et al. Best practices for storing and shipping cryopreserved cells
US6880208B2 (en) Packaging connector
WO2017217554A1 (ja) クライオボックス運搬および保管用容器
US20200307862A1 (en) Storage container with label
RU2708496C1 (ru) Футляр для часов или ювелирных изделий
US6378314B1 (en) Cryogenic system having unique storage frames for storing bio-organic specimens
EP0270326A2 (en) Storage container
EP1768080A1 (en) Security seal with incorporated chip
US20040074119A1 (en) Method and system for organizing samples
US20100294680A1 (en) Universal Retail Security Package With Cover Window
US20240025598A1 (en) Hardened reusable shipper with reversible label holder
US20150183558A1 (en) Locking System
US20220237552A1 (en) Product Tracking System And Method
Kartoglu et al. Vaccine vial monitor based vaccine management: An Albania experience
US11673716B2 (en) Bag for the distribution of goods in mail order trade
Velasquez Evidence Tracking and Secure Storage
EP3729964A1 (en) Apparatus to encapsulate a cryobag during storage and shipping
Hughes et al. Receiving and Checking
JP3123809U (ja) かご台車のカバー
CN206437415U (zh) 一种基因检测试剂盒