JP2018061460A - 気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック - Google Patents
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Abstract
【課題】クライオボックス運搬および保管用容器を迅速安定確実に収納し、極低温下に保持する委託保管作業の運用を、長期的に繰り返しかつ安定確実な実施が可能な、気相式液体窒素保存機器用ラックの提供。【解決手段】ラック正面にクライオボックス運搬および保管用容器の格納口が配され、該格納口の右側面部には蓋部材が配され、格納口の右側面部には蓋部材が配され、ラックの平面の上部には立設された把持部が配され、さらに、ラック壁面のうち、ラック正面とラック左側面とが接する位置にある壁面とラック正面とラック平面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とラック正面とラック底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とラック正面と格納部の底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とが、それぞれ格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように欠いた状態とする。【選択図】図2
Description
本発明は、凍結細胞等保管受託サービスなどにおいて用いるクライオボックスを収納したクライオボックス運搬・保管用容器を気相式液体窒素凍結保存機器に格納するための金属製ラックに関するものである。
試験研究、医薬品製造や食品製造のために用いる細胞や組織や病理用包埋カセットなどのサンプルを長期に渡り保存するための手法として、凍結保存法が広く利用されている。細胞や組織などのサンプルは、凍結のための処理を施した後にバイアルなどの小さな容器に入れられる。そして、当該容器は、様々な器具製造会社から製造販売されている略共通の大きさ(例えば、外寸が縦134mm×横134mm×高さ52mmで、内部に様々な大きさのバイアルを収納可能とする仕切りを有するものなど)で、極低温に冷やされた状態でクライオボックスを持ちながらの作業も容易な、樹脂製または紙製のクライオボックスに収納され、液体窒素等の気相の極低温液化ガス中で凍結保存しておくための凍結保存容器や極低温で保存することが可能なディープフリーザーの中にクライオボックスごと格納され、凍結された状態で保管される。
近年、凍結サンプルの保管にあたり、細胞バンクへの寄託、事故や災害時のバックアップ、新たな解析手段が見出された時のためのバックアップ、研究や製造時の信頼性保証、および共同研究者や退職者による研究妨害や秘密漏洩に対するセキュリティー対策や証拠保全対策を図ることが、強く望まれている。そこで、その対応策として、予め凍結サンプルを多重に作製しておき、その一部を自らが保存し、残部を、細胞バンク、別の部署もしくは凍結細胞等保管受託サービスを提供する外部業者のような他者に委託保管する施策が提案され、実施されるようになっており、出願人も、凍結細胞等保管受託サービスにより、凍結サンプルを保存したクライオボックスの保管を受託するサービスを提供している。
この委託保管における保管先には、委託保管には事故や災害時のバックアップとしての位置づけを考慮して、遠隔地が設定されることが多い。そこで、凍結サンプルを保管したクライオボックスは、凍結試料搬送容器を用いて、遠隔地の保管先まで搬送される。この凍結試料搬送容器には、液化窒素を吸着させる吸着材と真空断熱層を配することで約−150℃程度の極低温下にて搬送可能とした凍結試料搬送容器であるドライシッパーが汎用される。凍結サンプルを保管したクライオボックスは、ドライシッパーの中に収納され、トラック等の配送車により凍結保存の委託先へと輸送される。委託先に配送されたドライシッパーに収納されている凍結サンプルを保管したクライオボックスは、ディープフリーザーや液体窒素(気相)保存機器に保管するためのラックに格納された後、ディープフリーザーや液体窒素(気相)保存機器の中で依頼者が所望する極低温条件下で、長期にわたり委託保管される。
この委託保管においては、依頼元と委託先の間のサンプル移送と、委託先におけるサンプル保管に関連する全ての工程において、凍結サンプルの信頼性が確保されるようにしなければならない。特に、凍結サンプルは、輸送や保管の間に過度の温度変化が加わったり、正しい手順を経ることなく解凍されてしまうと、細胞や組織が変質または破壊されてしまう。そこで、委託保管では、凍結サンプルに温度変化を与えることなく極低温下の良好な状態で移動させるとともに、所望のタイミングで委託保管中の凍結サンプルを委託保管の依頼元へ良好な状態で返送するよう配慮することが望まれるようになった。
また、委託保管の依頼元の作業者が用いるクライオボックスや、保管される凍結サンプルの種類や量は、様々に異なる。そこで、凍結サンプル保管の委託先では、予め定めた統一された作業手順により、凍結保存容器やディープフリーザーへと凍結保存条件下で運搬し保管することを可能とする手段を整えることが望まれるようになった。さらには、移送中のサンプル取り違えの事故を防止することや凍結サンプルそのものに対する情報を作業者から秘匿することも望まれるようになった。
そこで、出願人は、長期保管が可能な凍結細胞等保管受託サービスの提供を行い、顧客の研究開発体制のバックアップ、信頼性保証対策、セキュリティー対策及び証拠保全対策をサポートするにあたり、委託保管を行う作業者が、仕様や、保存されている凍結サンプルの種類や数が様々なクライオボックスを、予め定めた統一された作業手順により、凍結保存容器やディープフリーザーへと凍結保存条件下で運搬し保管することを可能とするとともに、サンプル取り違えの事故を防止することや、凍結サンプルそのものに対する情報を関連する作業者から秘匿することを可能とする、新たなクライオボックスの運搬および保管のための手段を提案している(特許文献1参照)。
具体的には、異なる仕様のクライオボックスを、予め定めた統一された作業手順により、容易かつ速やかに、凍結保存容器やディープフリーザーへと凍結保存条件下で運搬し保管することが可能となるよう、上面部が開口し側面部にクライオボックス取り出し用スリットおよび/または底面部にクライオボックス押し上げ用開口部を有するクライオボックスを収納するための箱部と、該箱部の上面部を覆う開閉可能な蓋部とを有することを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器を提案し、さらに、前記箱部の側面部および底面部と蓋部の上面部とに、多数の孔を有することを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器、さらに前記蓋部が箱部を覆う延出部を前面と左右側面に有し該蓋部の左右側面の延出部の背面側部位と箱部の左側面部及び右側面部の背面側の上部とが開閉可能に連結していることを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器、さらに前記延出部に指掛け用延出部と任意に指掛け用延出部の先端部を僅かに外側に折り曲げた指掛り部とが設けられていることを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器とすることを提案している。
また、これらのクライオボックス運搬および保管用容器は、クライオボックスを速やかに極低温に保持するとともにクライオボックスとその内に保管する凍結サンプルの破損を防止するよう、好ましくは熱伝導率に優れるとともに腐食のないステンレスなどの金属で作製されるため、総重量も増加している。
そこで、出願人は、上記クライオボックス運搬および保管用容器の工夫に加え、クライオグローブを使用していても極低温下に冷やされているクライオボックス運搬および保管用容器を、より容易かつ速やかに開閉することが可能となる工夫を加えることも提案している。具体的には、上記クライオボックス運搬および保管用容器に、さらに前記延出部に指掛け用延出部が前面中央部から左側または右側に偏った部位に設けられていることを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器、さらに前記蓋部の延出部の前面中央部、左側面部の前面側および右側面部の前面側には箱部側に突出した凸部または凹部を備え、該凸部または凹部に対応する部位の箱部の前面、左側面および右側面には前記箱部側に突出した凸部または凹部と係合する凹部または蓋部側に突出した凸部とを有することを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器とすることを提案している。
またさらに、凍結サンプルそのものに対する情報を秘匿しつつ、各クライオボックス運搬および保管用容器の個体識別を容易にする工夫を提案している。具体的には、クライオボックス運搬および保管用容器に、さらに前記箱部の前面部に個体識別ラベル貼付用プレートの差し込み口と個体識別ラベル表示用窓とを備えた個体識別ラベル表示部を有していることを特徴とするクライオボックス運搬および保管用容器とすることを提案している。
凍結細胞等保管受託サービスでは、顧客の研究開発体制のバックアップ、信頼性保証対策、セキュリティー対策及び証拠保全対策を長期にわたりサポートする必要がある。そこで、委託保管を行う作業者は、予め定めた統一された作業手順を策定し、それに従って、仕様や保存されている凍結サンプルの種類や数が様々なクライオボックスを、委託保管の依頼元から預かり、凍結保存容器やディープフリーザーを用い顧客の所望する温度条件下にて保管することが求められる。そして、特に長期の保存することから、電源喪失時にも長期間安定して極低温条件が保持できる大型の気相式液体窒素凍結保存機器が汎用される。
この気相式液体窒素凍結保存機器は、保存できる凍結サンプルやクライオボックスの数を増やすために凍結サンプル保管庫を大きくし、他方、凍結サンプル保管庫上部に設けられるサンプル入出口の口径を、クライオボックス1個を通過させることができる程度にまで狭くし、クライオボックスを、縦型のラックに格納して、ラックごと収納するようにして製造される。この大型の気相式液体窒素凍結保存機器は、サンプルの入出口の口径が狭いため、保管するクライオボックスを格納したラックを内部に効率良く配置し速やかに取り出せるようにするための工夫として、凍結サンプル保管庫の内部には回転テーブルが設けられており、さらに、回転テーブル上に置かれた各ラックの位置の迅速な把握が容易となるよう、回転テーブルを4区画に区切って各区画を区別できるようにし、その区画にラックをそれぞれ3基配置できるようにしている。これにより、ラックがサンプルの入出口から離れた位置にあっても、回転テーブルを回転させることでサンプルの入出口付近に容易に移動させ、3基のラックを区画内で移動させて、所望のラックを迅速に取り出すことが可能となっている。
ところで、上記出願人が提案した特許文献のクライオボックス運搬および保管用容器は、仕様や、保存されている凍結サンプルの種類や数が様々なクライオボックスを、予め定めた統一された作業手順により、凍結保存容器やディープフリーザーへと凍結保存条件下で運搬し保管することを可能とするとともに、サンプル取り違えの事故を防止することや、凍結サンプルそのものに対する情報を関連する作業者から秘匿することを可能とするよう、クライオボックスごと格納することが可能な金属製の運搬および保管用容器である。汎用のクライオボックスを保管でき、かつ、容易に取り出せるようにするため、上記のクライオボックス運搬および保管用容器の内寸は、それよりも大きくなっており、クライオボックス運搬および保管用容器そのものの金属の厚みも加わるため、上記のクライオボックス運搬および保管用容器の外寸は、さらに大きくなっている。そのため、大型の気相式液体窒素凍結保存機器用に上記出願人が提案した特許文献のクライオボックス運搬および保管用容器を保管する場合には、従来の大型の気相式液体窒素凍結保存機器用に用いられるラックには入らないため、より大きなラックを用いなければならない。また、長期保管すると、容器に霜が付きやすく、ラックと容器との隙間が狭すぎると、ラックと容器が固着してしまうことが想定されることから、さらに大きさに余裕を持たせる必要がある。
しかしながら、大型の気相式液体窒素凍結保存機器は、従来のクライオボックスと該クライオボックスを格納するためのラックの大きさに最適化されており、より大きなラックを用いると、回転テーブルで区切られた区画に同時に3基のラックを入れることができず2基しか保管できない。その結果、保管できるクライオボックスの総数が2/3に減ってしまうことになる。また、凍結細胞等保管受託サービスは長期にサンプルを保管することから、サンプルは長期に保管されたままとなり、入れ替わる機会が少ない。そのため、従来同様の凍結サンプルの保管数量を確保するには、追加の大型の気相式液体窒素凍結保存機器とその設置場所の確保ならびに増設分の機器作業管理者の確保が必須となり、固定費の大幅上昇が避けられない。また、従来よりも縦横の外寸が大きなクライオボックスもしくはクライオボックス運搬および保管用容器が保存できる専用の気相式大型液体窒素凍結保存機器の製造を製造業者に新たに委託することも、多額の費用が掛かるために現実的な策ではない。よって、従来よりも外寸の大きなクライオボックスやクライオボックス運搬および保管用容器を有効に利用できる環境を揃えるよう、早急に改善が求められることとなった。
また、クライオボックスに保管される凍結細胞などの凍結サンプルについては、一度でも温度が上昇してサンプルが融解するか、温度変動により細胞や組織を構成する成分が変性するなどすると、凍結サンプルとしての信頼性が失われてしまう。そのため、内壁の極低温保持機能が損なわれるリスクを抱えることや、実際に機能が損なわれることにより温度変動を生じさせることは、厳に避けなければならない。この点を踏まえると、特に高い信頼性が要求される凍結細胞等保管受託サービスの運用においては、大型の気相式液体窒素凍結保存機器に凍結サンプルを保存しているクライオボックスを迅速に収納し、または取り出す作業を、クライオグローブを使用しながらも、速やかに、かつ、安定確実に実施しなければならない。
しかし、上記出願人が提案した特許文献のクライオボックス運搬および保管用容器は、金属製であることから、軽量化の工夫を施しているものの、その重量はクライオボックス単独の場合よりも重くなることは避けられず、ラックにクライオボックスを格納したクライオボックス運搬および保管用容器を10個収納するとなおさら重くなる。そのため、作業者の体格によっては、そのような重量の増した金属製のクライオボックス運搬および保管用容器が複数個収納されたラックを、大型の気相式液体窒素凍結保存機器に迅速に収納し、または取り出すことに苦労する場面が度々生じており、その点においても改善が求められることとなった。
さらに、上記出願人が提案した特許文献のクライオボックス運搬および保管用容器は、極低温下での作業性を向上させるよう左右非対称の構造とするともに、クライオボックス運搬および保管用容器の個体情報を記録した個体識別ラベルを表示するための、個体識別ラベル表示部を備えているため、重量バランスが若干偏ったものとなっており、ラックに当該クライオボックス運搬および保管用容器を10個収納すると、ラック全体の重量バランスがさらに偏る。そのため、ラックが斜めになり重量のあるクライオボックス運搬および保管用容器がラックからはみ出さないように配慮が求められるので、ラックを支える作業者の負担が増しており、その点においても改善が求められることとなった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、従来よりも縦横の外寸が大きなクライオボックスもしくはクライオボックス運搬および保管用容器を用いても、従来から使用している大型の気相式液体窒素保存機器に、従来同様の数のクライオボックスもしくはクライオボックス運搬および保管用容器を、迅速安定確実に収納し、かつ取り出すことができ、極低温下に保持した凍結サンプルの委託保管作業の運用を、長期的に、繰り返しかつ安定確実に行なうことが可能な、新たなクライオボックスおよびクライオボックス運搬および保管用容器の気相式液体窒素保存機器への格納手段を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、クライオグローブを使用しながらも、重量の増し、重量バランスが若干偏る金属製のクライオボックス運搬および保管用容器を複数個格納しても、作業者の体格に関わらず、大型の気相式液体窒素凍結保存機器に迅速に収納し、または取り出すことができ、極低温下に保持したクライオボックス、クライオボックス運搬および保管用容器に保管された凍結サンプルの温度変動を極力減らすことが可能な、新たなクライオボックスおよびクライオボックス運搬および保管用容器の気相式液体窒素凍結保存機器への格納手段を提供することである。
またさらに、本発明が解決しようとする課題は、重量バランスの偏りにより重量のあるクライオボックス運搬および保管用容器が格納手段からはみ出さず、作業者の負担なく、大型の気相式液体窒素保存機器に迅速に収納しまたは取り出すことができ、極低温下に保持したクライオボックス、クライオボックス運搬および保管用容器に保管された凍結サンプルの温度変動を極力減らすことが可能な、新たなクライオボックスおよびクライオボックス運搬および保管用容器の気相式液体窒素凍結保存機器への格納手段を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の第1の手段は、クライオボックスを収納したクライオボックス運搬および保管用容器を格納するための格納部を複数段有する気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックであって、該ラックの正面にはクライオボックス運搬および保管用容器を差し込みまたは抜き出すための格納口が配され、該格納口の右側面部には蓋部材が配され、該ラックの平面の上部には立設された把持部が配され、さらに、ラック壁面のうち、ラック正面とラック左側面とが接する位置にある壁面と、ラック正面とラック平面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面とラック底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面と格納部の底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とが、それぞれ格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように欠いた状態となっていることを特徴とする、気相式液体窒素凍結保存機器用ラックである。
上記の課題を解決するための本発明の第2の手段は、前記蓋部材がスプリング付きヒンジを有するものであることを特徴とする、第1の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックである。
上記の課題を解決するための本発明の第3の手段は、前記蓋部材の開口部に指掛り部が設けられていることを特徴とする、第1または第2の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックである。
上記の課題を解決するための本発明の第4の手段は、前記指掛り部が、蓋部材が10度〜60度格納部から外側の方向に折り曲げられた状態のものであることを特徴とする、第1〜第3のいずれか1の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックである。
上記の課題を解決するための本発明の第5の手段は、前記蓋部材が、クライオボックス運搬および保管用容器に配される個体識別ラベル表示部を遮蔽しないように配されていることを特徴とする、第1〜第4のいずれか1の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックである。
上記の課題を解決するための本発明の第6の手段は、前記気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックが左側面、右側面、背面、底面のラック壁面、クライオボックス運搬および保管用容器格納部底面のいずれかに開口部を有していることを特徴とする、第1〜第5のいずれか1の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックである。
従来のラックは、気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックは、汎用のクライオボックスに合わせた大きさとなっており、それよりも大きな内寸と外寸を有する、クライオボックスを格納するためのクライオボックス運搬および保管用容器は格納できない。そこで、この大きなクライオボックス運搬および保管用容器が格納できるように気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックの大きさを単に拡張したものとすると、クライオボックス運搬および保管用容器は保管できるようになるものの、ラックの外寸が大きすぎるため、ラックと気相式液体窒素凍結保存機器の回転テーブルの中央部と収納部の内壁が緩衝し、ラックを従来同様3基収納することができず、収納数が減ってしまう。
しかしながら、本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックとすることで、該ラック壁面のうち、ラック壁面のうち、ラック正面とラック左側面とが接する位置にある壁面と、ラック正面とラック平面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面とラック底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面と格納部の底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とが、それぞれ格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように欠いた状態となる。すると、気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックの格納部の回転テーブルの中央部(10c)と格納部の内壁面(10d)とに、格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分(4)が接するようにして本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックを3基配置することが可能となる。また、本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックは角部分を欠いていることから、格納部の内壁面と緩衝しないので、気相式液体窒素凍結保存機器の回転テーブルを従来同様に回転させることができ、迅速に所望のラックを取り出すことが可能となっている。
さらに、本発明の手段では、気相式液体窒素凍結保存機器用ラックの平面の上部に立設された状態で固定された把持部が配されていることにより、作業者が厚手のグローブであるクライオグローブを装着していても、把持部を厚手のクライオグローブで引き起こすという作業をせずに既に立設している把持部を容易に掴むことができる。そして、本発明の手段のドライシッパー用ラックは、立設して固定された把持部をクライオグローブでしっかりと掴むことが出来るため、重量バランスが偏るクライオボックスまたはクライオボックス運搬および保管用容器を収納してもラックが傾きにくく安定し、様々な箇所にぶつかる危険性が大きく低減されたものとなっている。また、気相式液体窒素凍結保存機器用ラックの平面の上部に立設された状態で固定された把持部が配されていることにより、クレーンの把持手段にて容易に把持させることが可能となっているので、重く、重量バランスに偏りがあっても、気相式液体窒素凍結保存機器の収納部へのラックの出し入れがより容易に、かつ確実に実施されるように配慮されている。
さらに、本発明の手段によって、格納口に配設された蓋部材やスプリング付きヒンジにより、クライオボックスまたはクライオボックス運搬および保管用容器格納後の蓋部材を閉じた状態のままに保持できることから、凍結サンプルを保存したクライオボックスを内包するクライオボックス運搬および保管用容器を格納した本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用ラックが、重く、かつ、重量バランスに偏りを有していて、移送作業時に傾いたとしても、格納口からクライオボックス運搬および保管用容器がはみ出してしまう心配が無いものとなっている。
そして、長期に極低温条件下に保管するとクライオボックス運搬および保管用容器や気相式液体窒素凍結保存機器用ラックに霜が付き、蓋部材が固着しやすくなって開閉しづらくなる場合も想定されるが、蓋部材の開口部には、蓋部材を10度〜60度格納部から外側の方向に折り曲げるなどして、指掛り部を設けることで、作業者が厚手のグローブであるクライオグローブを装着していても、指掛り部に厚手グローブの指を掛けて、速やかに蓋部材を開閉することが可能となっており、クライオボックス運搬および保管用容器の極低温からの温度変化を最小限に留めることが可能となっている。
加えて、本発明の手段では、気相式液体窒素凍結保存機器用ラックが左側面、右側面、背面、底面のラック壁面、クライオボックス運搬および保管用容器格納部底面のいずれかに開口部を有するので、気相式液体窒素凍結保存機器内の極低温雰囲気の窒素ガスなどの気体が速やかに流入し、気相式液体窒素凍結保存機器の格納部内へ格納したクライオボックス運搬および保管用容器を速やかに極低温状態に保持することで、極低温からの温度変化を最小限に留めることが可能となっている。
さらに、本発明の手段は、前記閉じた状態を保持可能な蓋部材がクライオボックス運搬および保管用容器に配される個体識別ラベル表示部を遮蔽しないように配されているため、クライオボックス運搬および保管用容器の気相式液体窒素凍結保存機器による委託保管業務に携わる担当者が、気相式液体窒素凍結保存機器用ラックにクライオボックス運搬および保管用容器を格納したままで個体識別ラベル表示部を容易に視認し識別することが可能となっており、極低温からの温度変化を最小限に留めながらの作業が可能となっている。
そして、本発明の手段によって、委託保管を行う作業者の習熟度を問わず、極低温からの温度変化を最小限に留めつつ、極めて容易かつ速やかに、気相式液体窒素凍結保存機器によるクライオボックス運搬および保管用容器の委託保管業務が可能となるため、統一された作業手順を策定することが容易となるとともに、作業者に対する教育訓練も容易となり、委託保管業務にかかる固定費などの関連するコストが削減される。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ以下適宜説明する。
<気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックの素材について>
本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)に用いる素材は、容器に用いるものであれば特に制限されないが、凍結保存を行うことや、特に液体窒素による気相の、極低温での保管に耐えるものとすることを考慮し、金属製のものとする。
本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)に用いる素材は、容器に用いるものであれば特に制限されないが、凍結保存を行うことや、特に液体窒素による気相の、極低温での保管に耐えるものとすることを考慮し、金属製のものとする。
使用する金属は、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金、銅合金など、容器に用いるものであれば特に制限されないが、長期使用に耐えることを考慮し、好適には、耐衝撃性や耐腐食性を備えていることが知られるステンレス鋼を用いるものとする。ステンレス鋼としては、さらに加工性、溶接性が良好なオーステナイト系ステンレスを用い、好適にはSUS304を用いるものとする。各部材を接合させるためにリベットを用いることができ、その場合には、加工が容易で強度が保持しやすい銅合金を用いることが好ましい。
<気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックについて>
本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)は、クライオボックス運搬および保管用容器を格納するための格納部(6)をラックの正面に配し、該格納口には蓋部材(3)が配し、該ラックの平面の上部には立設された把持部(5)を配しするとともに、ラック壁面のうち、ラック正面とラック左側面とが接する位置にある壁面と、ラック正面とラック平面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面とラック底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面と格納部の底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とが、それぞれ格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように、壁面をそれぞれ欠いた状態としてなるものとする(図1、図3〜図8)。そして、この気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)には、格納するクライオボックス運搬および保管用容器の大きさに合わせて、格納部(6)を縦方向に複数段設ける。
本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)は、クライオボックス運搬および保管用容器を格納するための格納部(6)をラックの正面に配し、該格納口には蓋部材(3)が配し、該ラックの平面の上部には立設された把持部(5)を配しするとともに、ラック壁面のうち、ラック正面とラック左側面とが接する位置にある壁面と、ラック正面とラック平面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面とラック底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面と格納部の底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とが、それぞれ格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように、壁面をそれぞれ欠いた状態としてなるものとする(図1、図3〜図8)。そして、この気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)には、格納するクライオボックス運搬および保管用容器の大きさに合わせて、格納部(6)を縦方向に複数段設ける。
上記気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)は、気相式液体窒素凍結保存機器のラックの格納部に収納可能な範囲で、内部に格納する汎用のクライオボックスを内部に格納できるクライオボックス運搬および保管用容器(8)の挿入や取り出しに支障が出ないようにすることが望ましい。一方で、長期にわたり極低温条件下で保管するために、気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)やクライオボックス運搬および保管用容器(8)には、保管作業中に空気中の水分が気相式液体窒素凍結保存機器内に混入し、ラックや容器表面に霜が固着する場合が想定される。そこで、気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)の内寸は、クライオボックス運搬および保管用容器(8)の高さ方向の外寸を若干大きくなるように設定する。このようにすることで、気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)とクライオボックス運搬および保管用容器(8)との間に霜が付いて固着する事故が防止される。
例えば、例えば、内部に格納するクライオボックス(9)の外寸が縦133mm×横133mm×高さ52mmのものであれば、クライオボックス運搬および保管用容器は、板厚が0.5mm〜1.4mm程度のSUS304を用いる場合には、外寸 縦136mm×横136mm×高さ58mmとなるため、気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)の格納部(6)の内寸は、縦横をさらに3〜10mm程度大きくなるように設定し、好ましくは3〜5mm程度大きくなるように設定する。そして、クライオボックスまたはクライオボックス運搬および保管用容器を10段収納することができるようにするには、高さ617mm程度のラックとし、各段の内寸を高さ61mm程度にすることで、霜が固着しにくくなる。このように大きさを設定すると、作業に要する時間と温度変化の少なさが両立し、信頼性の高い保管作業が可能となる。
さらに、クライオグローブを装着したままであっても、クライオボックス運搬および保管用容器のより迅速な挿入や取り出しを可能とし、かつ、ドライシッパー内の極低温雰囲気の気体を速やかにクライオボックスやクライオボックス運搬および保管用容器に触れさせて凍結サンプルの温度変化を最小限に留めることが可能となる効果を得て、さらに、気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)の軽量化という効果も発揮させるため、気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)の左側面、右側面、背面、底面のラック壁面、クライオボックス運搬および保管用容器格納部底面には、開口部(7)を設けると良い(図1、図3〜図8)。特に、左側面、右側面、背面の開口部を大きくとると、クライオグローブを装着しながら、クライオボックス運搬および保管用容器を押し出すことが容易になるとともに、気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックの重量をより軽減する効果が得られる。
加えて、本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)の平面の上部には、立設された状態で固定された把持部(5)が配される。把持部(5)が立設された状態で固定されているため、速やかに立設して固定された把持部をクライオグローブでしっかりと掴むことが出来る。そして、クライオグローブ装着時の作業が容易となるよう、把持部(5)は、高さ50mm程度、幅120mm程度とし、四角い輪状の形状のものとし、さらに適宜中央部を高めに設定してクライオグローブを差し込み易くすると良い(図1、図3〜図6、図9)。このようにして、把持部(5)を気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)の平面の上部に立設された状態で固定することで、重量バランスが偏るクライオボックス運搬および保管用容器を収納した状態でドライシッパー用ラックを作業者が持ち上げても立設して固定された把持部をクライオグローブでしっかりと掴むことが出来るため、ラックが傾きにくく安定し、様々な箇所にぶつかる危険性が大きく低減されるものとなる。
また、気相式液体窒素凍結保存機器用ラックの平面の上部に立設された状態で固定された把持部(5)が配されていることにより、クレーンの把持手段にて容易に把持させることが可能となっている。そのため、重く、重量バランスに偏りがあっても、作業者の経験や体格等に関わりなく、クレーンを補助的に使用しながら、気相式液体窒素凍結保存機器の収納部へのラックの出し入れがより容易に、かつ確実に実施されるものとなっている。
さらに、本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用ラックの蓋部材(3)には、スプリング付きヒンジ(3a)を用いるなどして、クライオボックス運搬および保管用容器を収納した後、スプリング付きヒンジにより作業者が手を離すと自動的に蓋部材が閉じた状態に戻り、ラック搬送時には、蓋部材が閉じた状態が維持されるようにすることが好ましい。これにより、気相式液体窒素凍結保存機器用ラックが傾くなどして、収納したクライオボックス運搬および保管用容器が飛び出してしまう事故が防止できるものとなる。
また、上記の蓋部材(3)には、クライオグローブで蓋を開ける際に指を掛けることが可能な部位として指掛り部(3b)を設けることができる。この指掛り部(3b)は、蓋部材の先端部を10度〜60度格納部から外側の方向に折り曲げられた状態としたものとすることができ、このようにすることでクライオグローブの指掛かりが良くなり蓋部材(3)を開くことが容易になる。
さらに、クライオボックス運搬および保管用容器(8)には、収納したクライオボックスに関する情報を記録したデータベースにアクセスするための、個体識別ラベルを掲示することができる個体識別ラベル表示用窓を備えた、個体識別ラベル表示部(8a)が備えられる。この個体識別ラベル表示部(8a)を備えたクライオボックス運搬および保管用容器(8)を収納した場合、委託先の作業者は、表示された個体識別ラベルの情報を速やかに読み取る必要がある。そこで、個体識別ラベル表示部を遮蔽しないよう、また、個体識別ラベルを傷つけて情報が失われてしまう事故を防止するよう、閉じた状態を保持可能な蓋部材(3)は、個体識別ラベル表示部(8a)の上方または下方へとずらした位置に配置することが好ましい。
<作業手順について>
本発明の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)を用いた委託保管作業の手順の一例を、以下に示す。
本発明の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック(1)を用いた委託保管作業の手順の一例を、以下に示す。
1.委託保管先から委託保管の依頼元へ、クライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を配送する。
2.委託保管の依頼元にて、細胞や組織などのサンプルを、所定の凍結保存方法により処理しバイアルなどの容器に格納する。該容器をクライオボックス(9)に収納し、気相式液体窒素凍結保存機器やディープフリーザーなどに格納する。収納したサンプルの情報を、依頼元が管理するデータベースに保存する。これを、必要な処理が完了するまで繰り返す。
3.委託保管の依頼元でのサンプルの凍結保存とクライオボックス(9)への収納が完了したら、該クライオボックス(9)を、依頼元の気相式液体窒素凍結保存機器やディープフリーザーなどに格納したクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)に入れ、個体識別ラベルを個体識別ラベル表示部(8a)に収納し、気相式液体窒素凍結保存機器やディープフリーザーなどに再度格納する。
4.委託保管先にて、ドライシッパーの吸収体に液体窒素を染みこませて、サンプルをドライな状態で極低温下にて輸送をすることが可能な状態にする。次いで、ドライシッパー用ラックをドライシッパーに収納し、委託保管の依頼元へ配送する。
5.委託保管の依頼元において、気相式液体窒素凍結保存機器やディープフリーザーから、クライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を取り出し、ドライシッパー用ラックへと格納し、該ラックをドライシッパーに収納する。
6.ドライシッパーを委託保管先まで配送する。併せて、配送した個体識別ラベルの情報を、委託保管の担当先に伝える。
7.委託保管の担当先において、配送されたドライシッパーに収納されている、ドライシッパー用ラックを取り出し、クライオボックス運搬および保管用容器(8)の個体識別ラベル表示部(8a)に示されている個体識別ラベルの情報を読み取りデータベースに照会して、クライオボックス運搬および保管用容器(8)の保存先や保管を希望している温度条件等を確認する。
8.委託保管の依頼元が希望している温度条件等に合致する気相式液体窒素凍結保存機器から、立設された状態で固定された把持部(5)をクライオグローブを装着した左右何れかの手で把持し、もしくは、クレーンの把持手段を用いて把持し、気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)のを取り出す。次いで、ドライシッパー用ラックに格納されていたクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を取り出し、クライオグローブを装着した作業者の手の指を気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)の蓋部材の指掛り部(3b)にかけて蓋部材(3)を開け、該クライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)の格納口(2)から差し込み、格納部(6)に格納する。
9.その後、速やかに、気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)を、気相式液体窒素凍結保存機器(10)のサンプル入出口(10a)から格納部へと入れる。気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)は、格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分を回転テーブルの中央部(10c)に向け、該中央部と接触しないようにして置く。第2、第3の気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)が格納部に格納されていない場合には、後に格納するラック(1)のための格納スペースを開けておくため、格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分を格納部の内壁面(10d)に向け、該内壁面と接触しないようにして格納部内に置く。
10.クライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を保管した気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)の位置や温度条件、気相式液体窒素凍結保存機器の情報を、個体識別ラベル情報に紐付けて委託保管の担当先が管理するデータベースに保存する。
11.委託保管の依頼元より保管中のクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)の返送希望の連絡が届いたら、委託保管の担当先が管理するデータベースに照会して返送希望のクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)の保管場所を同定し、気相式液体窒素凍結保存機器から当該返送希望のクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を取り出し、ドライシッパーとドライシッパー用ラックとを用いて委託保管の依頼元へと配送する。
2.委託保管の依頼元にて、細胞や組織などのサンプルを、所定の凍結保存方法により処理しバイアルなどの容器に格納する。該容器をクライオボックス(9)に収納し、気相式液体窒素凍結保存機器やディープフリーザーなどに格納する。収納したサンプルの情報を、依頼元が管理するデータベースに保存する。これを、必要な処理が完了するまで繰り返す。
3.委託保管の依頼元でのサンプルの凍結保存とクライオボックス(9)への収納が完了したら、該クライオボックス(9)を、依頼元の気相式液体窒素凍結保存機器やディープフリーザーなどに格納したクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)に入れ、個体識別ラベルを個体識別ラベル表示部(8a)に収納し、気相式液体窒素凍結保存機器やディープフリーザーなどに再度格納する。
4.委託保管先にて、ドライシッパーの吸収体に液体窒素を染みこませて、サンプルをドライな状態で極低温下にて輸送をすることが可能な状態にする。次いで、ドライシッパー用ラックをドライシッパーに収納し、委託保管の依頼元へ配送する。
5.委託保管の依頼元において、気相式液体窒素凍結保存機器やディープフリーザーから、クライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を取り出し、ドライシッパー用ラックへと格納し、該ラックをドライシッパーに収納する。
6.ドライシッパーを委託保管先まで配送する。併せて、配送した個体識別ラベルの情報を、委託保管の担当先に伝える。
7.委託保管の担当先において、配送されたドライシッパーに収納されている、ドライシッパー用ラックを取り出し、クライオボックス運搬および保管用容器(8)の個体識別ラベル表示部(8a)に示されている個体識別ラベルの情報を読み取りデータベースに照会して、クライオボックス運搬および保管用容器(8)の保存先や保管を希望している温度条件等を確認する。
8.委託保管の依頼元が希望している温度条件等に合致する気相式液体窒素凍結保存機器から、立設された状態で固定された把持部(5)をクライオグローブを装着した左右何れかの手で把持し、もしくは、クレーンの把持手段を用いて把持し、気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)のを取り出す。次いで、ドライシッパー用ラックに格納されていたクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を取り出し、クライオグローブを装着した作業者の手の指を気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)の蓋部材の指掛り部(3b)にかけて蓋部材(3)を開け、該クライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)の格納口(2)から差し込み、格納部(6)に格納する。
9.その後、速やかに、気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)を、気相式液体窒素凍結保存機器(10)のサンプル入出口(10a)から格納部へと入れる。気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)は、格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分を回転テーブルの中央部(10c)に向け、該中央部と接触しないようにして置く。第2、第3の気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)が格納部に格納されていない場合には、後に格納するラック(1)のための格納スペースを開けておくため、格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分を格納部の内壁面(10d)に向け、該内壁面と接触しないようにして格納部内に置く。
10.クライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を保管した気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)の位置や温度条件、気相式液体窒素凍結保存機器の情報を、個体識別ラベル情報に紐付けて委託保管の担当先が管理するデータベースに保存する。
11.委託保管の依頼元より保管中のクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)の返送希望の連絡が届いたら、委託保管の担当先が管理するデータベースに照会して返送希望のクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)の保管場所を同定し、気相式液体窒素凍結保存機器から当該返送希望のクライオボックスの運搬用および凍結保管用容器(8)を取り出し、ドライシッパーとドライシッパー用ラックとを用いて委託保管の依頼元へと配送する。
以下に、本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)を製造し使用した実施例を示す。本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
実施例1として、本発明の手段の気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)を製造した。金属板として、板厚が1.0mmのSUS304を用い、ラックの外寸 縦145mm×横148mm×高さ617mm、クライオボックスまたはクライオボックス運搬および保管用容器を格納するための、内寸 縦143mm×横143mm×高さ61mmの格納部を縦に10段有するものとし、さらに、図1、図3〜図8に示す形状にて、ラック壁面のうち、ラック正面とラック左側面とが接する位置にある壁面と、ラック正面とラック平面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面とラック底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面と格納部の底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とが、それぞれ格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように、壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分(4)を設け、正面から背面への方向に向かう5mm、左側面の角から右側面に向かって20mm短くなるように角部を斜めに欠いた状態とした部分となるようにした。そして、さらに、ラックの格納口(2)には、図1、図3〜図8に示すようにして、それぞれの格納口の右側に、長さ75mmで、幅が21mmとなるSUS304の蓋部材(3)を配し、ラックの平面の上部には、図1、図3〜図7に示すように、高さ50mm、幅120mmで、四角い輪状の形状で、中央部を高くなるようにしたSUS304の把持部(5)を立設させて、把持部を立設し固定する固定具などにより固定したものを製造した。左側面、右側面、背面、底面のラック壁面、クライオボックスまたはクライオボックス運搬および保管用容器格納部底面には図1、図3〜図6、図8に示すようにそれぞれ開口部(7)を設けた。
実施例2として、上記気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)において、蓋部材が、さらにスプリング付きヒンジ(3a)を有するものを製造した。
実施例3として、上記気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)において、蓋部材の開口部に、さらに指掛り部を設けたものとして、図1、図11に示すように、蓋部材が格納部から外側の方向に折り曲げられた状態のものを製造した。
実施例4として、上記気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)において、前記蓋部材(3)がクライオボックス運搬および保管用容器に配される個体識別ラベル表示部を遮蔽しないよう、図2〜図8に示すように、個体識別ラベル表示部の上方に蓋部材(3)配した状態となるものを製造した。
比較例5として、ラックの平面の上部に、固定されておらす通常は倒れている把持部を有したドライシッパー用ラックを作製した。
比較例6として、蓋部材(3)を有しないドライシッパー用ラックを作製した。
さらに、上記各実施例および各比較例のドライシッパー用ラックに格納するための、クライオボックス運搬および保管用容器(8)を製造した。金属板として、板厚が1.0mmのSUS304を用い、蓋部の外寸 縦138mm×横138mm×高さ9.8mm、箱部が、内寸 縦134mm×横134mm×高さ57.8mmのものを製造した。左側面部及び右側面部には、下辺65mm×上辺30mm×高さ40mmのクライオボックス取り出し用スリットを設け、底面には、直径50mmのクライオボックス押し上げ用開口部を設けた。蓋部の上面、箱部の左右側面部及び底面部には、図に示すように多数の孔を設けた。蓋部の延出部に設けた指掛け用延出部は、幅が20mmで、その中央が前面部の左から61mm、右から75mmの位置にくるよう設定した。また、蓋部の延出部には、前面中央部、左側面部の前面側、右側面部の前面側の3箇所に互いに係合するよう凸部と凹部とを設けた。蓋部は、その左側面部及び右側面部における折り曲げられた延出部の背面側部位と、箱部の左側面部及び右側面部の背面側の上部とを、リベットで接合して、開閉可能に連結した。そして、箱部前面の左下部には、個体識別ラベル表示部を配した。
また、クライオボックス運搬および保管用容器に収納する、外寸が縦133mm×横133mm×高さ52mm、1mL〜2mLサンプルチューブを81本保存できるポリカーボネート製および紙製のクライオボックスを準備した。そして、それらのクライオボックスに、サンプルを入れた1mLチューブを81本詰めたもの、および、45本を一箇所に集めて詰めて、重量バランスに偏りを設けたものをそれぞれ準備した。
・試験例1
上記サンプルチューブを81本詰めたクライオボックスを保管したクライオボックス運搬および保管用容器、または、上記サンプルチューブ45本を一箇所に集めて詰めて重量バランスに偏りを設けたクライオボックスを保管したクライオボックス運搬および保管用容器を、上記各実施例及び各比較例の気相式液体窒素凍結保存機器用ラックにそれぞれ収納した。
上記サンプルチューブを81本詰めたクライオボックスを保管したクライオボックス運搬および保管用容器、または、上記サンプルチューブ45本を一箇所に集めて詰めて重量バランスに偏りを設けたクライオボックスを保管したクライオボックス運搬および保管用容器を、上記各実施例及び各比較例の気相式液体窒素凍結保存機器用ラックにそれぞれ収納した。
体格の異なる複数の作業者により、上記クライオボックス運搬および保管用容器を格納した各実施例及び各比較例の気相式液体窒素凍結保存機器用ラックを、気相式液体窒素凍結保存機器の収納部へ、繰り返し出し入れする作業を行わせた。その結果、実施例1〜実施例4の気相式液体窒素凍結保存機器用ラックを用いる場合には、クライオグローブを装着していても、ラック平面の上部に立設し固定した把持部(5)をしっかりと持って気相式液体窒素凍結保存機器用ラックが揺れないように保持することが可能であったため、安定した出し入れの作業を繰り返すことが出来た。また、ラックを傾けても、蓋部材によりクライオボックス運搬および保管用容器が保持され、飛び出してくることは無かった。
実施例2のものは、蓋部材がスプリング付きヒンジ(3a)を有しており、作業者の片手が塞がっていても蓋がスプリングの作用により自動的に閉まるため、作業が迅速に行える利点があることが確認された。また、ドライシッパー用ラックを敢えて斜めにしても、スプリングの作用により蓋が閉まっているため、クライオボックス運搬および保管用容器が飛び出てくることが効果的に防止できていた。
実施例3のものは、蓋部材の開口部に、さらに指掛り部を設けたものとして、図1、図11に示すように、蓋部材が格納部から外側の方向に折り曲げられた状態のものとなっているため、クライオグローブを装着していても、クライオグローブが指掛り部に容易に引っかかるものとなっているため、大変スムーズに蓋部材を開けることができるものであった。また、クライオボックス運搬および保管用容器を格納した気相式液体窒素凍結保存機器用ラックを霜で固着させたものについても確認したところ、霜で固着した蓋部材を、指掛り部にクライオグローブの指部分を引っ掛けて引くだけで、固着した部分を剥がして蓋部材を開けることができるものであることが判明した。
実施例4のものは、クライオボックス運搬および保管用容器に配される個体識別ラベル表示部を遮蔽しないよう、図2〜図8に示すように、個体識別ラベル表示部の上方に蓋部材(3)配していることから、気相式液体窒素凍結保存機器用ラックからクライオボックス運搬および保管用容器を取り出さずとも、クライオボックス運搬および保管用容器に付された個体識別ラベル表示部に表示されている情報を確認することが可能となり、速やかに気相式液体窒素凍結保存機器用ラックの搬出入作業を実施することが可能となっているものであることが理解されるものであった。
そして、さらに、上記各実施例の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックは、いずれも、ラック壁面のうち、ラック壁面のうち、ラック正面とラック左側面とが接する位置にある壁面と、ラック正面とラック平面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面とラック底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面と格納部の底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とが、それぞれ格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように欠いた状態(4)となっている。この欠いた状態の部分があることにより、ラックを3基配置し、かつ、取り出すことが容易なものとなっていた。具体的には、気相式液体窒素凍結保存機器のサンプル入出口(10a)から気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックを挿入し、それを、図9および図10に示すように、格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分を格納部の内壁面に向け、該内壁面と接触しないようにして回転テーブル(10b)上に置く。2基までは、この状態で置く。そして、残りの1基は、図9および図10に示すように、回転テーブルの中央部の横に、格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分を回転テーブルの中央部(10c)に向け、該中央部と接触しないようにして置く。このように配置することで、3基の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックを、気相式液体窒素凍結保存機器の格納部の内壁面に接触させず、回転テーブルを回転可能な状態のままにすることが明らかとなった。また、欠いた状態の部分があるため、ラックを回転テーブル上で僅かに移動させることができ、速やかな搬送作業を繰り返すことが容易になることが明らかとなった。
他方、比較例5のものは、ラック平面の上部に設けた把持部が固定されておらず、把持部が動いてしまうため、特に小柄な作業者の場合には、ラックが揺れないように安定して保持することが困難であった。また、比較例6のものは、ラックを傾けた際に、重量バランスが特に偏ったクライオボックス運搬および保管用容器が、ラック格納部から飛び出す事例が確認された。
また、作業者に換えて、クレーンを用いた場合には、実施例1〜実施例4のものは、ラック平面の上部に立設し固定した把持部(5)があるため、クレーンの把持手段を気相式液体窒素凍結保存機器(10)のサンプル入出口(10a)から挿入して立設し固定した把持部(5)を容易に把持させることができるため、気相式液体窒素凍結保存機器用ラック(1)を安定して出し入れし続けることができた。また、把持部の形状を変えて同様の作業を試みた結果、クレーンを用いる場合には、クレーンの把持手段を差し込んで吊り下げることが容易となるよう、図1、図3〜図7に示すように、四角い輪状で中央部を高くなるようにした形状とることが好ましいことが明らかとなった。
1 気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック
2 格納口
3 蓋部材
3a スプリング付きヒンジ
3b 指掛り部
4 格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分
5 立設された把持部
5a 把持部を立設し固定する固定具
6 クライオボックスまたはクライオボックス運搬および保管用容器を格納するための格納部
7 開口部
8 クライオボックス運搬および保管用容器
8a 個体識別ラベル表示部
9 クライオボックス
10 気相式液体窒素凍結保存機器
10a サンプル入出口
10b 回転テーブル
10c 回転テーブルの中央部
10d 格納部の内壁面
2 格納口
3 蓋部材
3a スプリング付きヒンジ
3b 指掛り部
4 格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように壁面をそれぞれ欠いた状態とした部分
5 立設された把持部
5a 把持部を立設し固定する固定具
6 クライオボックスまたはクライオボックス運搬および保管用容器を格納するための格納部
7 開口部
8 クライオボックス運搬および保管用容器
8a 個体識別ラベル表示部
9 クライオボックス
10 気相式液体窒素凍結保存機器
10a サンプル入出口
10b 回転テーブル
10c 回転テーブルの中央部
10d 格納部の内壁面
Claims (6)
- クライオボックスを収納したクライオボックス運搬および保管用容器を格納するための格納部を複数段有する気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックであって、該ラックの正面にはクライオボックス運搬および保管用容器を差し込みまたは抜き出すための格納口が配され、該格納口の右側面部には蓋部材が配され、該ラックの平面の上部には立設された把持部が配され、さらに、ラック壁面のうち、ラック正面とラック左側面とが接する位置にある壁面と、ラック正面とラック平面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面とラック底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分と、ラック正面と格納部の底面とラック左側面とが接する位置にある壁面の角部分とが、それぞれ格納部に格納されたクライオボックス運搬および保管用容器が突出しないように欠いた状態となっていることを特徴とする、気相式液体窒素凍結保存機器用ラック。
- 前記蓋部材がスプリング付きヒンジを有するものであることを特徴とする、請求項1に記載の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック。
- 前記蓋部材の開口部に指掛り部が設けられていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック。
- 前記指掛り部が、蓋部材が10度〜60度格納部から外側の方向に折り曲げられた状態のものであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック。
- 前記蓋部材が、クライオボックス運搬および保管用容器に配される個体識別ラベル表示部を遮蔽しないように配されていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック。
- 前記気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラックが左側面、右側面、背面、底面のラック壁面、クライオボックス運搬および保管用容器格納部底面のいずれかに開口部を有していることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック。
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JP2016200461A JP2018061460A (ja) | 2016-10-11 | 2016-10-11 | 気相式液体窒素凍結保存機器用金属製ラック |
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-
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