WO2017141831A1 - 脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤およびその製造方法 - Google Patents

脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤およびその製造方法 Download PDF

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隼人 倉田
古野 哲生
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    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells
    • A61K35/35Fat tissue; Adipocytes; Stromal cells; Connective tissues

Definitions

  • Non-patent Document 1 or Patent Document 3 are used.
  • the present invention relates to the following: [1] An ischemic disease therapeutic agent comprising adipose tissue-derived stromal cells that have been cryopreserved and thawed at least twice. [2] The therapeutic agent for ischemic disease according to [1], which is used for treating peripheral arterial disease. [3] The therapeutic agent for ischemic disease according to [1] or [2], wherein the adipose tissue-derived stromal cells are allogeneic with respect to a subject. [4] The therapeutic agent for ischemic disease according to any one of [1] to [3], wherein the adipose tissue-derived stromal cells are human adipose tissue-derived stromal cells.
  • the “stromal cell” in the present invention is a cell that has the ability to differentiate into cells belonging to the mesenchymal system (bone cells, cardiomyocytes, chondrocytes, tendon cells, fat cells, etc.) and can proliferate while maintaining the ability. Means.
  • the term stromal cell used in the present invention means the same cell as a mesenchymal stem cell, and does not particularly distinguish both. Therefore, the adipose tissue-derived stromal cells mean stromal cells contained in the adipose tissue, and may be referred to as adipose tissue-derived mesenchymal stem cells.

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Abstract

本発明は、脂肪組織由来間質細胞の虚血性疾患に対する優れた治療効果を保持しつつ、治療剤の調製の利便性にも優れる、脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤の製造方法、そのような製造方法により得られる虚血性疾患治療剤を提供することを課題とする。 本発明は、凍結保存および融解を少なくとも2度行った脂肪組織由来間質細胞を含む、虚血性疾患治療剤である。

Description

脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤およびその製造方法
 本発明は、脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤およびその製造方法に関する。
 血栓や塞栓または種々の要因によって、狭窄または閉塞された血管の下流に存在する組織において、血液の供給量が需要量を下回り虚血性疾患が発症する。狭窄または閉塞した血管の部位により、脳梗塞、虚血性視神経症、心筋梗塞、虚血性大腸炎、虚血性骨壊死、下腿潰瘍または間歇性跛行などの病態が生じる。脳梗塞や心筋梗塞等では、血栓溶解療法、薬剤またはカテーテルを用いた血管拡張術、血管迂回術、病発部位切断術などにより閉塞血管の下流へと血液を送る治療が行われている。
 四肢の動脈の狭窄または閉塞による末梢動脈疾患に対して、血管新生を促進させる目的にて、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)または肝細胞増殖因子(HGF)などの血管新生因子の投与(特許文献1または特許文献2)や当該因子を発現するような遺伝子治療、さらには、細胞を移植する治療法が提案されている。このような末梢動脈疾患の治療に用いる細胞として、末梢血中の造血幹細胞や脂肪組織に存在する間質細胞(非特許文献1または特許文献3)が用いられている。
国際公開第2002/022163号 国際公開第2000/007615号 国際公開第2005/034843号
Planat-Benard V. et al., Circulation, 2004, 109, pp.656-663 Francois M. et al., Cytotherapy, 2012, 14: pp.147-152 Moll G. et al., Stem Cells, 2014, 32(9): pp.2430-2442 Quimby J. M. et al., Stem Cell Res. Ther., 2013, 4:48
 脂肪組織由来間質細胞を投与直前に培養する場合、医療機関において行う必要が生じる。しかし、このような培養のためには、特殊な培養設備を準備する必要があることから、当該細胞を投与できる医療機関は限定され、結果的にその汎用性は低下する。
 そこで、利便性を高めるため、凍結保存した移植用の脂肪組織由来間質細胞をそのまま投与することが望まれるが、凍結保存した細胞を治療に用いる場合、融解した直後の細胞は、凍結前の細胞または融解後に培養工程を経た細胞と比較して治療効果が減少することや有害事象が増加することが報告されている(非特許文献2から4)。
 従って、凍結融解後の脂肪組織由来間質細胞の虚血性疾患治療への有効性や安全性は、実際に投与し、その結果を確認する必要がある。さらに、凍結融解を繰り返す場合、その効果を推定することはより困難となる。
 本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、脂肪組織由来間質細胞の虚血性疾患に対する優れた治療効果を保持しつつ、治療剤の調製の利便性にも優れる、脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤の製造方法、そのような製造方法により得られる虚血性疾患治療剤を提供することを課題とする。
 すなわち、本発明は、下記に関するものである:
[1]凍結保存および融解を少なくとも2度行った脂肪組織由来間質細胞を含む、虚血性疾患治療剤。
[2]末梢動脈疾患治療用である、[1]記載の虚血性疾患治療剤。
[3]前記脂肪組織由来間質細胞が、被験体に対して同種異系である、[1]または[2]に記載の虚血性疾患治療剤。
[4]前記脂肪組織由来間質細胞が、ヒト脂肪組織由来間質細胞である、[1]から[3]のいずれかに記載の虚血性疾患治療剤。
[5]前記凍結保存および融解を少なくとも2度行うことが、以下の工程を含む、[1]から[4]のいずれかに記載の虚血性疾患治療剤;
(1)脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、
(2)当該融解した細胞を培養する工程、および
(3)当該培養した細胞を凍結保存および融解する工程。
[6]前記工程(3)での融解後、6時間以内に輸液製剤と混合して投与される、[5]に記載の虚血性疾患治療剤。
[7]前記混合が、脂肪組織由来間質細胞を含む凍結保存用の溶液と輸液製剤の混合によって行われる、[6]に記載の虚血性疾患治療剤。
[8]前記脂肪組織由来間質細胞が、4継代以下の脂肪組織由来間質細胞である、[1]から[7]のいずれかに記載の虚血性疾患治療剤。
[9]前記凍結保存が、液体窒素上の気相で行われる、[1]から[8]のいずれかに記載の虚血性疾患治療剤。
[10]前記凍結保存用の溶液が、DMSO(Dimethyl sulfoxide)を含む溶液である、[7]から[9]のいずれかに記載の虚血性疾患治療剤。
[11](i)採取した脂肪組織から分離した間質細胞を培養する工程、(ii)工程(i)で得られた脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、並びに(iii)融解された脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、を含む、脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤の製造方法。
[12]前記虚血性疾患が、末梢動脈疾患である、[11]記載の製造方法。
[13]前記脂肪組織由来間質細胞が、被験体に対して同種異系である、[11]または[12]に記載の製造方法。
[14]前記脂肪組織由来間質細胞が、ヒト脂肪組織由来間質細胞である、[11]から[13]のいずれかに記載の製造方法。
[15](iv)工程(iii)で融解された脂肪組織由来間質細胞を輸液製剤と混合する工程をさらに含む、[11]から[14]のいずれかに記載の製造方法。
[16]前記工程(iii)での融解後、6時間以内に前記工程(iv)を行う、[15]に記載の製造方法。
[17]前記凍結保存が、凍結保存液を用いて行われ、工程(iv)が、融解された脂肪組織由来間質細胞を含む凍結保存液と輸液製剤とを混合する工程である、[15]または[16]に記載の製造方法。
[18]前記工程(i)の培養が、少なくとも1継代行われる、[11]から[17]のいずれかに記載の製造方法。
[19]前記工程(ii)において、融解された脂肪組織由来間質細胞を培養する工程をさらに含む、[11]から[18]のいずれかに記載の製造方法。
[20]前記凍結保存が、液体窒素上の気相で行われる、[11]から[19]のいずれかに記載の製造方法。
[21]前記凍結保存液が、DMSOを含む溶液である、[17]から[20]のいずれかに記載の製造方法。
 本発明によれば、凍結保存および融解された脂肪組織由来間質細胞を用い、虚血性疾患を治療することが可能となる。従って、本発明は凍結保存および融解された脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤を提供する。さらに、本発明は、凍結保存された脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤の製造方法を提供する。
図1は、左肢下肢虚血モデルマウスの右肢に対する左肢の血流量比を示す。グラフは、それぞれ、PBSのみ(陰性対照)、脂肪組織由来間質細胞3×10細胞および1×10細胞を投与した結果を示す。 図2Aは、左肢下肢虚血モデルマウスの右肢に対する左肢の血流量比を示す。図中、controlは、乳酸リンゲルのみ投与の陰性対照を示し、P3およびP2はそれぞれ3継代した細胞および2継代した細胞の投与結果を示す。図2Bは、左肢下肢虚血モデルマウスの虚血側肢の状態の平均スコアを示す。 図3Aは、右肢下肢虚血モデルウサギの左肢に対する右肢の血流量比を示す。基剤のみ(陰性対照)、脂肪組織由来間質細胞1×10細胞および5×10細胞を投与した結果を示す。図3Bは、右肢下肢虚血モデルウサギの虚血側肢での1mmあたりのCD31陽性細胞数を示す。
 本発明において「脂肪組織」とは、脂肪細胞、および微小血管細胞等を含む間質細胞を含有する組織を意味し、例えば、哺乳動物の皮下脂肪を外科的切除または吸引して得られる組織である。脂肪組織は、皮下脂肪より入手され得る。後述する脂肪組織由来間質細胞の投与対象と同種動物から入手されることが好ましく、ヒトへ投与することを考慮すると、より好ましくは、ヒトの皮下脂肪である。皮下脂肪の供給個体は、生存していても死亡していてもよいが、本発明において用いる脂肪組織は、好ましくは、生存個体から採取された組織である。個体から採取する場合、脂肪吸引は、例えば、PAL(パワーアシスト)脂肪吸引、エルコーニアレーザー脂肪吸引、または、ボディジェット脂肪吸引などが例示され、細胞の状態を維持するという観点から、超音波を用いないことが好ましい。
 本発明における「間質細胞」は、間葉系に属する細胞(骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、腱細胞、脂肪細胞など)への分化能を有し、当該能力を維持したまま増殖できる細胞を意味する。本発明において用いる間質細胞なる用語は、間葉系幹細胞と同じ細胞を意味し、両者を特に区別するものではない。従って、脂肪組織由来間質細胞とは、脂肪組織に含有される間質細胞を意味し、脂肪組織由来間葉系幹細胞と称しても良い。
 本発明において、脂肪組織由来間質細胞とは、脂肪組織由来間質細胞を含む任意の細胞集団を意味する。当該細胞集団は、少なくとも20%以上、好ましくは、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、93%、96%、97%、98%または99%が脂肪組織由来間質細胞である。
 当該脂肪組織由来間質細胞は、例えば、米国特許第6,777,231号に記載の製造方法によって得られて良く、例えば、以下の工程(a)~(c)を含む、方法で製造することができる:
(a)脂肪組織を酵素による消化により細胞懸濁物を得る工程;
(b)細胞を沈降させ、細胞を適切な培地に再懸濁する工程;ならびに
(c)細胞を固体表面で培養し、固体表面への結合を示さない細胞を除去する工程。
 工程(a)において用いる脂肪組織は、洗浄されたものを用いることが好ましい。洗浄は、生理学的に適合する生理食塩水溶液(例えばリン酸緩衝食塩水(PBS))を用いて、激しく攪拌して沈降させることによって行い得る。これは、脂肪組織に含まれる夾雑物(デブリとも言い、例えば損傷組織、血液、赤血球など)を組織から除去するためである。したがって、洗浄および沈降は一般に、上清からデブリが総体的に除去されるまで繰り返される。残存する細胞は、さまざまなサイズの塊として存在するので、細胞そのものの損傷を最小限に抑えながら解離させるため、洗浄後の細胞塊を、細胞間結合を弱めるか、または破壊する酵素(例えば、コラゲナーゼ、ディスパーゼまたはトリプシンなど)で処理することが好ましい。このような酵素の量および処理期間は、使用される条件に依存して変わるが、当技術分野で既知である。このような酵素処理に代えて、または併用して、細胞塊を、機械的な攪拌、超音波エネルギー、熱エネルギーなどの他の処理法で分解することができるが、細胞の損傷を最小限に抑えるため、酵素処理のみで行うことが好ましい。酵素を用いた場合、細胞に対する有害な作用を最小限に抑えるために、適切な期間をおいた後に培地等を用いて酵素を失活させることが望ましい。
 工程(a)により得られる細胞懸濁物は、凝集状の細胞のスラリーまたは懸濁物、ならびに各種夾雑細胞、例えば赤血球、平滑筋細胞、内皮細胞、および線維芽細胞を含む。従って、続いて凝集状態の細胞とこれらの夾雑細胞を分離、除去してもよいが、後述する工程(c)での接着および洗浄により、除去可能であることから、当該分離、除去は割愛しても良い。夾雑細胞を分離、除去する場合、細胞を上清と沈殿に強制的に分ける遠心分離によって達成しえる。得られた夾雑細胞を含む沈殿は、生理学的に適合する溶媒に懸濁させる。懸濁状の細胞には、赤血球を含む恐れがあるが、後述する個体表面への接着による選択により、赤血球は除外されるため、溶解する工程は必ずしも必要ではない。赤血球を選択的に溶解する方法として、例えば、塩化アンモニウムによる溶解による高張培地または低張培地中でのインキュベーションなど、当技術分野で周知の方法を使用することができる。溶解後、例えば濾過、遠心沈降、または密度分画によって溶解物を所望の細胞から分離してもよい。
 工程(b)において、懸濁状の細胞において、間質細胞の純度を高めるために、1回もしくは連続して複数回洗浄し、遠心分離し、培地に再懸濁してもよい。この他にも、細胞を、細胞表面マーカープロファイルを基に、または細胞のサイズおよび顆粒性を基に分離しても良い。
 再懸濁において用いる培地は、間質細胞を培養できる培地であれば、特に限定されないが、このような培地は、基礎培地に、血清を添加する、および/または、アルブミン、トランスフェリン、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、コレステロール、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’-チオールグリセロールなどの1つ以上の血清代替物を添加して作製してもよい。これらの培地は、必要に応じて、さらに脂質、アミノ酸、タンパク質、多糖、ビタミン、増殖因子、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などの物質を添加しても良い。基礎培地は、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle’s Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco’s modified Eagle’s Medium(DMEM)培地、Ham’s F12培地、RPMI 1640培地、Fischer’s培地、MCDB201培地およびこれらの混合培地などが挙げられる。血清は、例えば、ヒト血清、ウシ胎児血清(FBS)、ウシ血清、仔ウシ血清、ヤギ血清、ウマ血清、ブタ血清、ヒツジ血清、ウサギ血清、ラット血清などがあるがこれらに限定されない。血清を用いる場合、基礎培地に対して、5v/v%から15v/v%、好ましくは、10v/v%を添加しても良い。脂肪酸は、リノール酸、オレイン酸、リノレイン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、パルミトイル酸、パルミチン酸、及びステアリン酸等が例示されるが、これらに限定されない。脂質は、フォスファチジルセリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルコリン等が例示されるが、これらに限定されない。アミノ酸は、例えば、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン、L-システイン、L-シスチン、L-グルタミン酸、L-グルタミン、L-グリシンなどを含むがこれらに限定されない。タンパク質は、例えば、エコチン、還元型グルタチオン、フィブロネクチンおよびβ2-ミクログロブリン等が例示されるが、これらに限定されない。多糖は、グリコサミノグリカンが例示され、グリコサミノグリカンのうち特に、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸等が例示されるが、これらに限定されない。増殖因子は、例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF-β)、肝細胞増殖因子(HGF)、上皮成長因子(EGF)、結合組織増殖因子(CTGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)等が例示されるが、これらに限定されない。本発明において得られる脂肪由来間質細胞を細胞移植に用いるという観点から、血清等の異種由来成分を含まない(ゼノフリー)培地を用いることが好ましい。このような培地は、例えば、PromoCell社、Lonza社、Biological Industries社、Veritas社、R&D Systems社、Corning社およびRohto社などから間葉系幹細胞(間質細胞)用として予め調製された培地として提供されている。
 続いて、工程(c)では、工程(b)で得られた細胞懸濁液中の細胞を分化させずに固体表面上で、上述の適切な細胞培地を使用して、適切な細胞密度および培養条件で培養する。本発明において、「固体表面」とは、本発明の脂肪組織由来間質細胞の結合を可能とする任意の材料を意味する。特定の態様では、このような材料は、その表面への哺乳類細胞の結合を促すように処理されたプラスチック材料である。固体表面を有する培養容器の形状は特に限定されないが、シャーレやフラスコなどが好適に用いられる。非結合状態の細胞および細胞の破片を除去するために、インキュベーション後に細胞を洗浄する。
 本発明では、最終的に固体表面に結合した状態で留まる細胞を、脂肪組織由来間質細胞の細胞集団として選択することができる。
 選択された細胞について、本発明の脂肪組織由来間質細胞であることを確認するために、表面抗原についてフローサイトメトリー等を用いて従来の方法で解析しても良い。さらに、各細胞系列に分化する能力について検査してもよく、このような分化は、従来の方法で行うことができる。
 本発明の脂肪組織由来間質細胞は、上述の通り製造することができるが、次の特性を持つ細胞として定義してもよい;
(a)標準培地での培養条件で、プラスチックに接着性を示す、
(b)表面抗原CD105、CD73、CD90が陽性であり、CD45、CD34、CD11b、CD19、HLA-DRが陰性であり、および
(c)培養条件にて骨細胞、脂肪細胞、軟骨細胞に分化可能。
 本発明の脂肪組織由来間質細胞は、虚血性疾患治療剤として用いるために、適宜、凍結保存および融解を繰り返しても良く、好ましくは、凍結保存および融解を少なくとも2度行うことである。凍結保存および融解を少なくとも2度行うとは、脂肪組織由来間質細胞を凍結保存して任意の期間の後に融解する操作を、少なくとも2度行うことである。また、少なくとも2度行うとは、例えば、2度以上、3度以上、4度以上、5度以上行うこと、10度以下、9度以下、8度以下、7度以下、6度以下行うことが挙げられる。さらに好ましくは、凍結保存および融解を2度行うことである。
 脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤を調製する過程において実施される評価試験により不適合が確認された場合、当該細胞を廃棄する必要が生じる。しかし、評価試験の結果を得るまでに時間が経過する場合、当該試験中においても細胞の培養を継続する必要がある。そこで、評価試験以前に凍結保存を行うことで結果的に廃棄することになる細胞を培養する工程等の実施を避けることができる。このような無駄な工程を省くことで、全体として製造コストを抑制することができる。また、虚血性疾患治療剤を製造する作業を中断することで、当該治療剤の製造スケジュールを人為的に制御することができる。本発明の脂肪組織由来間質細胞は、このように凍結保存および融解を2度以上行っても、本発明の虚血性疾患治療剤としての優れた治療効果を保持していることが、実施例にて確認されている。
 凍結保存および融解を少なくとも2度行う場合、例えば、(1)脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、(2)当該融解した細胞を培養する工程、および(3)当該培養した細胞を凍結保存および融解する工程を含む方法を用いることができる。なお、最後の融解する工程は、医療機関で行うことが好ましい。ドナーから採取した脂肪組織を入手した場合、(i)採取した脂肪組織から分離した間質細胞を培養する工程、(ii)工程(i)で得られた脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、(iii)融解された脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、および(iv)工程(iii)で融解された脂肪組織由来間質細胞を輸液製剤と混合する工程を含む方法が挙げられ、好ましくは、前記工程(ii)の後、融解された脂肪組織由来間質細胞を培養する工程をさらに含む。必要に応じて、工程(iii)を繰り返すことができる。工程(iii)を繰り返す場合、融解された脂肪組織由来間質細胞を培養する工程をさらに含んでもよい。
 本発明において、凍結保存は、当業者に周知の凍結保存液へ脂肪組織由来間質細胞を懸濁し、冷却することによって行い得る。懸濁は、細胞をトリプシンなどの剥離剤によって剥離し、凍結保存容器に移し、適宜、処理した後、凍結保存液を加えることによって行い得る。
 凍結保存液は、凍害防御剤として、DMSO(Dimethyl sulfoxide)を含有していても良いが、DMSOは、細胞毒性に加えて、間質細胞を分化誘導する特性を有することから、DMSO含有量を減らすことが好ましい。DMSOの代替物として、グリセロール、プロピレングリコールまたは多糖類が例示される。DMSOを用いる場合、5%~20%の濃度、好ましくは5%~10%の濃度、より好ましくは10%の濃度を含有する。この他にも、WO2007/058308に記載の添加剤を含んでも良い。このような凍結保存液として、例えば、バイオベルデ社、日本ジェネティクス株式会社、リプロセル社、ゼノアック社、コスモ・バイオ社、コージンバイオ株式会社、サーモフィッシャーサイエンティフィック社などから提供されている凍結保存液を用いても良い。
 上述の懸濁した細胞を凍結保存する場合、-80℃~-100℃の間の温度(例えば、-80℃)で保管することで良く、当該温度に達成しえる任意のフリーザーを用いて行い得る。特に限定されないが、急激な温度変化を回避するため、プログラムフリーザーを用いて、冷却速度を適宜制御しても良い。冷却速度は、凍結保存液の成分によって適宜選択しても良く、凍結保存液の製造者指示に従って行われ得る。
 保存期間は、上記条件で凍結保存した細胞が融解した後、凍結前と同等の性質を保持している限り、特に上限は限定されないが、例えば、1週間以上、2週間以上、3週間以上、4週間以上、2か月以上、3か月以上、4か月以上、5か月以上、6か月以上、1年以上、またはそれ以上が挙げられる。より低い温度で保存することで細胞障害を抑制することができるため、液体窒素上の気相(約-150℃以下から-180℃以下)へ移して保存しても良い。液体窒素上の気相で保存する場合、当業者に周知の保存容器を用いて行うことができる。特に限定されないが、例えば、2週間以上保存する場合、液体窒素上の気相で保存することが好ましい。
 融解した脂肪組織由来間質細胞は、次の凍結保存までに適宜、培養しても良い。脂肪組織由来間質細胞の培養は、上述した間質細胞を培養できる培地を用いて行われ、特に限定されないが、約30~40℃、好ましくは約37℃の培養温度で、CO含有空気の雰囲気下で行われても良い。CO濃度は、約2~5%、好ましくは約5%である。培養において、培養容器に対して適切なコンフルエンシー(例えば、培養容器に対して、50%から80%を細胞が占有することが挙げられる)に達した後に、細胞をトリプシンなどの剥離剤によって剥離し、別途用意した培養容器に適切な細胞密度で播種して培養を継続しても良い。細胞を播種する際において、典型的な細胞密度として、約100細胞/cm~約100,000細胞/cm、約500細胞/cm~約50,000細胞/cm、約1,000~10,000細胞/cm、約2,000~10,000細胞/cmなどが例示される。特定の態様では、細胞密度は2,000~10,000細胞/cmである。適切なコンフルエンシーに達するまでの期間が、3日間から7日間となるように調整することが好ましい。培養中、必要に応じて、適宜、培地を交換しても良い。
 凍結保存した細胞の融解は、当業者に周知の方法によって行い得る。例えば、37℃の恒温槽内または湯浴中にて静置または振とうすることによって行う方法が例示される。融解した細胞は、再度凍結保存する前に、培養してもよく、後述する治療剤として調製されても良い。融解後、再度培養する場合は、別途用意した培養容器に上述の通り適切な細胞密度で播種することによって行い得る。
 脂肪組織由来間質細胞は、培養方法によって、虚血性疾患への治療効果を失うことなく数回継代し、その数を増やすことができるが、継代回数はより少ないことが好ましいが、培養によって虚血性疾患治療に必要な細胞数を確保するため、継代を行うことが好ましい。本発明の治療に用いる脂肪組織由来間質細胞は、例えば、8回以下、7回以下、6回以下、5回以下、4回以下、または3回以下の継代を経た細胞であることが好ましい。より好ましくは、4回以下の継代を経た細胞である。本発明では、培養後の細胞を剥離し回収する工程を1回の継代として計数する。剥離後の細胞は、再播種または凍結保存等に供する。このような脂肪組織由来間質細胞を得る一つの態様として、(1)脂肪組織から分離された間質細胞を少なくとも1回細胞剥離し再播種することを伴い培養する工程、(2)細胞を剥離し凍結保存する工程、(3)融解する工程、(4)培養する工程、(5)細胞を剥離し凍結保存する工程、および(6)融解する工程が例示される。当該工程(4)では、さらに、細胞剥離し播種することを伴い培養する工程を含み得る。
 上記で調製した脂肪組織由来間質細胞は虚血性疾患の治療剤として利用が可能である。本発明において、虚血性疾患とは、動脈が血栓や塞栓、または種々の要因によって狭窄または閉塞された血管の下流に存在する組織において、血液の供給の減少により、細胞死が進行する疾患であり、例えば、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、末梢動脈疾患等が挙げられる。本発明において、虚血性疾患の治療とは、血液の供給の減少した組織において血流改善を促すことを意味し、当該血流改善は、血管再生、すなわち新規血管構築(側副血行の発達)を促進することによって成しえることを含む。従って、虚血部位での組織細胞の増殖を見込める病態に適用することが好ましく、このような病態として、末梢動脈疾患が例示される。本発明において、末梢動脈疾患とは、糖尿病、バージャー病、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症等を原因とする末梢での血行不良の病態を意味し、これらのすべてが虚血性疾患に含有される。すなわち、本発明において、末梢動脈疾患の治療とは、虚血の原因となる末梢動脈の下流の組織、特に、四肢末梢において、血管再生、すなわち新規血管構築を促進することを意味する。
 虚血性疾患の治療剤として用いるため、脂肪組織由来間質細胞は、ヒト由来の脂肪組織から分離された間質細胞であることが望ましく、凍結保存した脂肪組織由来間質細胞を用いるという観点から、虚血性疾患を罹患した投与対象ではない、他の対象から脂肪組織を採取することが望ましい。すなわち、脂肪組織由来間質細胞は、被験体に対して同種異系であることが好ましい。
 本発明によれば、上記した脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤または脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療用キットが提供される。さらに本発明によれば、細胞移植治療のために使用される、上記した脂肪組織由来間質細胞が提供される。更に本発明によれば、虚血性疾患に罹患した被験者に、上記の脂肪組織由来間質細胞の治療有効量を投与する工程を含む、被験者に細胞を移植する方法、並びに被験者の疾患の治療方法が提供される。なお、本発明における虚血性疾患治療剤としては、上記した脂肪組織由来間質細胞を含む医薬であれば特にその形態は限定されない。即ち、上記した脂肪組織由来間質細胞が凍結保存されている状態のもの、脂肪組織由来間質細胞が投与用又は保存用の輸液等に懸濁された状態のもの等、種々の形態のものが本発明の虚血性疾患治療剤に含まれる。
 上記の方法により得られた凍結保存された脂肪組織由来間質細胞は、融解後、輸液製剤と混合することで、脂肪組織由来間質細胞物を含む虚血性疾患治療剤を製造することができる。混合にあっては、融解後の細胞が懸濁された凍結保存液を輸液製剤と混合しても良く、遠心分離等により細胞を溶媒と分離した後、細胞のみを輸液製剤と混合しても良い。手技の煩雑さを回避するため、融解後、培養する工程を含まないこと、または融解後の細胞が懸濁された凍結保存液を直接輸液製剤と混合することが好ましい。本発明では、脂肪組織由来間質細胞は、融解後3時間以内、2時間以内、または1時間以内に輸液製剤と混合することが好ましく、さらに好ましくは、輸液製剤と混合後、3時間以内、2時間以内、または1時間以内に被験体へ投与することが望ましい。すなわち、脂肪組織由来間質細胞を融解後6時間以内、5時間以内、4時間以内、3時間以内、2時間以内、または1時間以内に被験体へ投与することが望ましい。
 本発明における「輸液製剤」としては、ヒトの治療の際に用いられる溶液であれば特に限定されないが、たとえば、生理食塩水、5%ブドウ糖液、リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、1号液、2号液、3号液、4号液等が挙げられる。
 本発明の虚血性疾患治療剤には、凍結した脂肪組織由来間質細胞と輸液製剤とを組み合わせたキットも含まれる。
 細胞を混合した輸液製剤は、さらに、薬学的に許容される担体を添加しても良い。本発明において、担体とは、治療薬を投与するための懸濁剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、保存剤、吸着防止剤、界面活性剤、希釈剤、媒体、pH調整剤、無痛化剤、緩衝剤、含硫還元剤、酸化防止剤などをいい、これらを適切に添加することができる。
 懸濁剤の例としては、メチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等を挙げることができる。溶液補助剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マクロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステルなどを挙げることができる。安定化剤としては、デキストラン40、メチルセルロース、ゼラチン、亜硫酸ナトリウム、メタ硫酸ナトリウム等を挙げることができる。等張化剤としては、例えば、D-マンニトール、ソルビトール等を挙げることができる。保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾール等を挙げることができる。吸着防止剤としては、例えば、ヒト血清アルブミン、レシチン、デキストラン、エチレンオキシドプロピレンオキシド共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。含硫還元剤としては、例えば、N-アセチルシステイン、N-アセチルホモシステイン、チオキト酸、チオジグリコール、チオエタノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸及びその塩、チオ硫酸ナトリウム、グルタチオン、炭素原子数1~7のチオアルカン酸などのスルホヒドリル基を有するもの等を挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、α-トコフェロール、酢酸トコフェロール、L-アスコルビン酸及びその塩、L-アスコルビン酸パルミテート、L-アスコルビン酸ステアレート、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミル、没食子酸プロピルまたはエチレンジアミン4酢酸ナトリウム(EDTA)、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどのキレート剤等を挙げることができる。さらには、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの有機塩、グルコースなどの糖類など通常的に添加される成分を適宜添加していてもよい。
 細胞を混合した輸液製剤は、局所投与のために、バイオポリマーなどの有機物、ハイドロキシアパタイトなどの無機物、具体的には、コラーゲンマトリックス、ポリ乳酸ポリマーまたはコポリマー、ポリエチレングリコールポリマーまたはコポリマー及びその化学的誘導体と混合しても良い。
 本発明の虚血性疾患治療剤の投与方法は、虚血部位に直接注射によって投与することが好ましく、特に限定されないが、例えば、脳内投与、筋肉内投与(心筋内投与および骨格筋内投与等を含む)、皮下投与等が例示される。投与の手技は、虚血部位に細胞を搬入することのできるものであれば特に限定されないが、例えば、針またはカテーテルを用いて行われ得る。
 本発明の虚血性疾患治療剤の投与量は、被験者に投与した場合に、投与していない被験者と比較して疾患に対して治療効果を得ることができる細胞量である。具体的な投与量は、被験者の年齢、体重、虚血の範囲、症状等によって適宜決定することができるが、一例としては、脂肪組織由来間質細胞数で、ヒト(例えば成人)の1回の投与当たり1x10~1x10個/kg体重が好ましく、1x10~1x10個/kg体重がより好ましく、1x10~1x10個/kg体重がさらに好ましい。
 本発明の虚血性疾患治療剤の投与回数としては、上記投与量を1回または複数回に分けて虚血部全体に投与しても良い。複数回投与する場合、投与箇所を適宜変更することが好ましく、その投与箇所は、虚血組織の大さに依存するが、例えば、10ヵ所以上、20ヵ所以上、30ヵ所以上、40ヵ所以上、50ヵ所以上、60ヵ所以上、70ヵ所以上またはそれ以上に投与することが挙げられる。1ヵ所の注入量は1mL以下、0.9mL以下、0.8mL以下、0.7mL以下、0.6mL以下、0.5mL以下であることが好ましい。従って、適宜、細胞濃度を調整して、虚血性疾患治療剤を製造することが好ましい。
 本発明の虚血性疾患治療剤は、他の治療薬と併用して用いても良く、単剤として用いても良い。
 以下の実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]本発明の虚血性疾患治療剤の調製
脂肪組織由来間質細胞の樹立
 ヒトドナーから同意を得た後、脂肪吸引法で得た皮下脂肪組織を生理食塩液で洗浄した。細胞外基質の破壊、および細胞の単離を達成するために、コラゲナーゼ(Roche社)(溶媒は生理食塩液)を添加し、37℃で90分間振倒し、分散した。続いて、この上記懸濁液を800gで5分間、遠心分離して間質血管細胞群の沈殿を得た。
 上記細胞の沈殿に間質細胞用無血清培地(Rohto社)を加え、当該細胞懸濁液を400gで5分間遠心分離し、上清除去後に間質細胞用無血清培地(Rohto社)に再懸濁し、フラスコに細胞を播種した。
 細胞を37℃で数日間、5%CO中で培養した。数日後に培養物をPBSで洗浄して、培養液中に含まれていた血球や脂肪組織の残存等を除去し、プラスチック容器に接着している間質細胞を得た。
 トリプシンを加え、細胞を剥離し、細胞を希釈したうえ、フラスコに播種し、間質細胞用無血清培地(Rohto社)を加え培養した。
脂肪組織由来間質細胞の凍結保存
 得られた脂肪組織由来間質細胞をトリプシンを用いて剥離し、遠沈管に移し、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、細胞凍結保存液(STEM-CELLBANKER(ゼノアック社))を適量加え懸濁した。当該細胞懸濁溶液を、クライオチューブに分注した後、フリーザー内で-80度にて保存後、液体窒素上の気相に移し、保存を継続した。
脂肪組織由来間質細胞の融解
 37℃の恒温槽で、凍結保存したクライオチューブを溶解させ遠沈管に移し、間質細胞用無血清培地(Rohto社)で希釈した後、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、間質細胞用無血清培地(Rohto社)に懸濁し、フラスコに播種した。数日後にトリプシンを加え、細胞を剥離し、継代培養を継続し、凍結保存した。疾患個体に対して投与する際には、後述の実施例で示す通りこの凍結細胞を融解し、適切な懸濁液に懸濁したものを本発明の虚血性疾患治療剤として用いた。
 すなわち、以下の実施例2~4では、処理した皮下脂肪組織を播種してから、2度目の凍結保存を行うまでに、計2継代、計3継代、または計4継代を伴う拡大培養を行って得られた脂肪組織由来間質細胞を使用した。
[実施例2]
投与細胞の調製
 実施例1において計4継代を伴う拡大培養をして保存した脂肪組織由来間質細胞を、ウォーターバス(37℃)を用いて融解し、10mLのDMEMを入れた遠心管に移した。400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、間質細胞用無血清培地(Rohto社)に懸濁し、フラスコへ移し、6日間培養した。培地を除去し、StemPro Accutase(Thermo Fisher Scientific)を添加し、5分間インキュベートし、細胞を剥離させ、遠心管に移した。遠心後、上清を除去し、DMEMを添加後、細胞濃度を計数し、上清を除去後、PBSを添加し1.67×10細胞/mLおよび5.56×10細胞/mLに調整した。
モデルマウスの作製および治療効果
 BALB/cマウスを2%イソフルラン吸入麻酔し、左鼠径部を切開し、左大腿動脈を露出させた。大腿動脈起因部を結紮し、さらに、膝窩動脈と伏在動脈の分岐部直前を結紮した。結紮後、大腿動脈を切除した。カナマイシン液を術部に添加後、切開した鼠径部を縫合し、下肢虚血モデルマウスを作製した。手術翌日に3か所(腓腹筋、薄筋、大腿四頭筋)へPBSのみ(陰性対照)、3×10細胞/180μLまたは1×10細胞/180μLを各3匹のモデルマウスの虚血部位近傍にて筋肉内投与した。
 手術後7日目および14日目の血流量を血流画像化装置moorFLPI(Moor Instrument)を用いて後肢の血流量を測定した。血流の評価は、右肢に対する左肢の血流量の比で行った。その結果、用量依存的に血流量の改善が確認された(図1)。
[実施例3]
投与細胞の調製
 実施例1において計2継代または3継代を伴う拡大培養をして保存した脂肪組織由来間質細胞を、ウォーターバス(37℃)を用いて融解し、遠心管に移し、間質細胞用無血清培地(Rohto社)を加えて全量を13mLとした。380gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、12mL間質細胞用無血清培地(Rohto社)に懸濁し、3mLずつ4本のフラスコへ移し、4日間培養した。培地を除去し、StemPro Accutase(Thermo Fisher Scientific)を添加し、5分間インキュベートし、細胞を剥離させ、遠心管に移した。遠心後、上清を除去し、間質細胞用無血清培地(Rohto社)を添加後、細胞濃度を計数し、上清を除去後、乳酸リンゲル液を添加し5.56×10細胞/mLに調整した。
モデルマウスの作製および治療効果
 BALB/cマウスを2%イソフルラン吸入麻酔し、左鼠径部を切開し、左大腿動脈を露出させた。大腿動脈起因部を結紮し、さらに、膝窩動脈と伏在動脈の分岐部直前を結紮した。結紮後、大腿動脈を切除した。カナマイシン液を術部に添加後、切開した鼠径部を縫合し、下肢虚血モデルマウスを作製した。手術翌日に3か所(腓腹筋、薄筋、大腿四頭筋)へ乳酸リンゲル液のみ(陰性対照)、1×10細胞/180μLを各5匹のモデルマウスの虚血部位近傍にて筋肉内投与した。
 手術後7日目および14日目の血流量を血流画像化装置moorFLPIを用いて後肢の血流超を測定した。血流の評価は、右肢に対する左肢の血流量の比で行った。その結果、継代数にかかわらず血流量の改善が確認された(図2A)。さらに、手術後7日目および14日目に虚血側肢の状態を観察し、次の基準でスコア化した。
 0:正常な外観
 1:爪の色の変化
 2:足趾の損傷
 3:足趾の脱落初期
 4:足趾以遠の脱落初期または下肢の損傷
 5:足首以遠の脱落または下肢損傷の拡大
その結果、細胞投与群ではスコアの悪化が抑制されることが確認された(図2B)。
[実施例4]
投与細胞の調製
 実施例1において計4継代を伴う拡大培養をして保存した脂肪組織由来間質細胞を、ウォーターバス(37℃)を用いて融解し、遠心管に移し、PBSを加えて全量を14mLとした。400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を少し残して除去した後、細胞密度を計数し、8.33×10細胞/mLまたは4.17×10細胞/mLとなるようにPBSを加え、投与液を調製した。
モデルウサギの作製および治療効果
 JWウサギを3%イソフルラン吸入麻酔し、腹部を切開し、腹部大動脈から総腸骨動脈を露出させた。右総腸骨動脈を2ヶ所結紮し、その間の右総腸骨動脈を切除した。カナマイシン液を術部に添加後、切開した部分を縫合し、下肢虚血モデルウサギを作製した。手術翌日にPBSのみ(陰性対照)、1×10細胞/1200μLまたは5×10細胞/1200μLを各3匹のモデルウサギの虚血側の大腿筋膜張筋付近の6箇所に筋肉内投与した。細胞は融解後、投与液の調製を行い3時間以内に投与した。
 手術後4日目、7日目および14日目の血流量を、血流画像化装置moorFLPIを用いて後肢の血流超を測定した。血流の評価は、左肢に対する右肢の血流量の比で行った。その結果、14日目においていずれの投与量においても血流量の改善が確認された(図3A)。さらに、14日目の血流量を測定した後、放血致死させ、虚血側肢の骨格筋(大腿筋膜張筋および内転筋)を採取し、常法に従って切片を作製し、CD31抗体を用いて免疫染色を行った。1mm当たりのCD31陽性細胞数を算出し、血管新生の評価を行ったところ、いずれの投与量においても内転筋においてCD31陽性細胞数が増加傾向を示した。(図3B)。

Claims (21)

  1.  凍結保存および融解を少なくとも2度行った脂肪組織由来間質細胞を含む、虚血性疾患治療剤。
  2.  末梢動脈疾患治療用である、請求項1に記載の虚血性疾患治療剤。
  3.  前記脂肪組織由来間質細胞が、被験体に対して同種異系である、請求項1または2に記載の虚血性疾患治療剤。
  4.  前記脂肪組織由来間質細胞が、ヒト脂肪組織由来間質細胞である、請求項1から3のいずれか1項に記載の虚血性疾患治療剤。
  5.  前記凍結保存および融解を少なくとも2度行うことが、以下の工程を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の虚血性疾患治療剤;
    (1)脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、
    (2)当該融解した細胞を培養する工程、および
    (3)当該培養した細胞を凍結保存および融解する工程。
  6.  前記工程(3)での融解後、6時間以内に輸液製剤と混合して投与される、請求項5に記載の虚血性疾患治療剤。
  7.  前記混合が、脂肪組織由来間質細胞を含む凍結保存用の溶液と輸液製剤の混合によって行われる、請求項6に記載の虚血性疾患治療剤。
  8.  前記脂肪組織由来間質細胞が、4継代以下の脂肪組織由来間質細胞である、請求項1から7のいずれか1項に記載の虚血性疾患治療剤。
  9.  前記凍結保存が、液体窒素上の気相で行われる、請求項1から8のいずれか1項に記載の虚血性疾患治療剤。
  10.  前記凍結保存用の溶液が、DMSO(Dimethyl sulfoxide)を含む溶液である、請求項7から9のいずれか1項に記載の虚血性疾患治療剤。
  11.  (i)採取した脂肪組織から分離した間質細胞を培養する工程、
    (ii)工程(i)で得られた脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、並びに
    (iii)融解された脂肪組織由来間質細胞を凍結保存および融解する工程、
    を含む、脂肪組織由来間質細胞を含む虚血性疾患治療剤の製造方法。
  12.  前記虚血性疾患が、末梢動脈疾患である、請求項11に記載の製造方法。
  13.  前記脂肪組織由来間質細胞が、被験体に対して同種異系である、請求項11または12に記載の製造方法。
  14.  前記脂肪組織由来間質細胞が、ヒト脂肪組織由来間質細胞である、請求項11から13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. (iv)工程(iii)で融解された脂肪組織由来間質細胞を輸液製剤と混合する工程をさらに含む、請求項11から14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16.  前記工程(iii)での融解後、6時間以内に前記工程(iv)を行う、請求項15に記載の製造方法。
  17.  前記凍結保存が、凍結保存液を用いて行われ、工程(iv)が、融解された脂肪組織由来間質細胞を含む凍結保存液と輸液製剤とを混合する工程である、請求項15または16に記載の製造方法。
  18.  前記工程(i)の培養が、少なくとも1継代行われる、請求項11から17のいずれか1項に記載の製造方法。
  19.  前記工程(ii)において、融解された脂肪組織由来間質細胞を培養する工程をさらに含む、請求項11から18のいずれか1項に記載の製造方法。
  20.  前記凍結保存が、液体窒素上の気相で行われる、請求項11から19のいずれか1項に記載の製造方法。
  21.  前記凍結保存液が、DMSOを含む溶液である、請求項17から20のいずれか1項に記載の製造方法。
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