JP2005354790A - 地中埋設管路の補修方法 - Google Patents

地中埋設管路の補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 保護用の外管の中のスペースが少なくても補修部分の強度を充分に確保した状態で内管を補修することが可能な、地中埋設管路の補修方法を提供する。
【解決手段】 内管の外径と略等しい内径を有する短管状体を管軸方向に沿って2個の半割片に分割した一対の合成樹脂製の半割補修スリーブと、内管を管軸方向に沿って2個の半割片に分割した一対の半割内管とのそれぞれの半割片が、いずれも、対となる半割片の少なくとも一方の分割面の形状を鈍角状の鋸歯形状又は滑らかな曲面形状とし、損傷した地中埋設管路の外管の損傷部分を切断して撤去し、内管の損傷部分を切断して撤去した後、内管の撤去部分の長さと同じ長さに切り出した対応する一対の半割内管を配置し、内管と一対の半割内管とを接着剤を介して接合して内管を補修し、内管の補修個所の外側に、半割内管より長めの一対の半割補修スリーブを配置し、補修された内管を接着剤を介して被覆して一対の半割補修スリーブ同士を接合して内管を補強する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、地中に埋設される保護用の外管の中に、ケーブル等の挿通用内管(鞘管ともいう。)を敷設することにより構築される地中埋設管路に損傷が生じた際に、その内管を補修する方法に関する。
通信用の光ファイバーケーブル、電力ケーブル等の各種ケーブルを地中に敷設する管路として、保護用の外管を地中に埋設するとともに、その外管の中にケーブル挿通用の内管を敷設し、各内管に各種ケーブルを挿通する構造の地中埋設管路が構築されている。
ところで、地中埋設管路を構築する際の工事中や、地中埋設管路を構築した後、例えば内管に通すケーブルの増設や入替を行う際の工事、あるいは地中埋設管路を敷設した場所周辺の掘削工事等を行う際のバックホーバケットの操作ミス等により保護用の外管が損傷を受け、損傷が大きい場合では内管にも損傷が及ぶことがある。
内管が損傷した場合、従来では、損傷箇所を補修用の粘着テープ等でテーピングすることにより補修していたが、テーピングだけでは、補修箇所の強度が弱いので、充分な補修効果を得ることはできない。
また、他の補修方法として、フランジ等を備えた補修継手を用いて内管を補修する場合もあるが、保護用の外管内には、通常複数本の内管が敷設されており、外管内部には余分なスペースがほとんどないので、フランジ付きの補修継手等を配置することは難しい。
保護用の外管内にスペースがほとんどない場合の内管の補修方法としては、管状体の一部を切り欠いた断面略C字形のスリーブ本体と、スリーブ本体の切欠き部に嵌合可能な嵌合部材からなる補修スリーブ、及び、内管を半割りにした半割内管を用い、地中埋設管路の内管の破損部分を切断により撤去した後、その撤去部分に半割内管を配置するとともに、半割内管の両端部と内管の撤去部分の端部との合わせ部分に補修スリーブを配置し、その各スリーブ本体を内管及び半割内管に装着するとともに、各スリーブ本体の切欠き部に嵌合部材を嵌め込むことを特徴とする地中埋設管路の補修方法が知られている(例えば特許文献1参照。)。
上記の補修方法においては、スリーブ本体と嵌合部材との合わせ部に凹凸による嵌合構造が設けられた補修スリーブが用いられる場合もある。
しかしながら、文献1の方法は、補修スリーブはスリーブ本体と嵌合部材が用いられ、その合わせ部が凹凸による嵌合構造とされるので、補修スリーブを内管に被せても、スリーブ本体と嵌合部材との位置ずれは生じないが、凹凸形状が矩形であるために、きちんと噛み合わせないと上下の半割管が接合できず、接合作業に注意が必要となり作業性が悪くなるという問題がある。
また、半割内管は、内管を単に半割りにしたものであり、半割線が管軸に沿った直線形となっているために、半割内管同士を合わせたときに位置決めが難しく管軸方向にずれてしまい、補修部分の強度が保てなくなる恐れがある。
特開2002−171631号公報 (請求項2、請求項3)
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたもので、保護用の外管の中のスペースが少なくても補修部分の強度を充分に確保した状態で内管を補修することが可能な、地中埋設管路の補修方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明は、地中に埋設される保護用の外管の中に、ケーブル等の挿通用の内管を敷設することにより構築される地中埋設管路に損傷が生じた際、内管の外径と略等しい内径を有する短管状体を管軸方向に沿って2個の半割片に分割した一対の合成樹脂製の半割補修スリーブと、内管を管軸方向に沿って2個の半割片に分割した一対の半割内管を用いる内管の補修方法であって、上記半割補修スリーブと半割内管のそれぞれの半割片が、いずれも、対となる半割片の少なくとも一方の分割面の形状を鈍角状の鋸歯形状又は滑らかな曲面形状とし、損傷した地中埋設管路の外管の損傷部分を切断して撤去し、内管の損傷部分を切断して撤去した後、内管の撤去部分の長さと同じ長さに切り出した対応する一対の半割内管を配置し、内管と一対の半割内管とを接着剤を介して接合して内管を補修し、内管の補修個所の外側に、半割内管より長めの一対の半割補修スリーブを配置し、補修された内管を接着剤を介して被覆して一対の半割補修スリーブ同士を接合して内管を補強することを特徴とする地中埋設管路の補修方法である。
本発明の補修方法が適用される地中埋設管路は、図5に示すように保護用の外管Gと、ケーブル挿通用の内管3を備え、地中に埋設した外管G内に複数の内管3を敷設し、その各内管3に、通信用の光ファイバーケーブル、電力ケーブル等の各種ケーブルを挿通する構造となっている。
地中埋設管路を構成する外管Gとしては、例えばゴム輪受口を備えた硬質塩化ビニル管が用いられる。外管Gは厚肉管でも薄肉管でもよい。また、内管3としては、硬質塩化ビニル管等の合成樹脂製の薄肉管が用いられる。
本発明の地中埋設管路の補修方法では、内管の外径と略等しい内径を有する短管状体を管軸方向に沿う分割線で2個の半割片に分割された一対の合成樹脂製半割補修スリーブと、内管を管軸方向に沿う線で2個の半割片に分割された一対の半割内管を用いる。この、半割補修スリーブと半割内管のそれぞれの半割片は、いずれも、対となる半割片の対応する少なくとも一方の分割面の形状が、鈍角状の鋸歯形状又は滑らかな曲面形状とされている。
損傷した地中埋設管路の内管を補修する場合には、内管の破損した部分を切断により撤去した後、その撤去部分に一対の半割内管を内部にケーブル等を収めるように配置して両側から突き合わせて接着し、半割内管の両端部と破損した管の撤去部分の端部との合わせ部分が隠れるように一対の半割補修スリーブを配置して内管と補修した半割内管の外表面とに跨って装着し、接着して補修することによって特徴づけられる.
この発明の補修方法によれば、テーピング等の簡易的な補修ではなく、半割内管と半割補修スリーブとを用いて破損した内管を補修するので、補修部分の強度を充分に確保することができる。しかも、フランジ等の突出部材がない半割内管と半割補修スリーブとを用いて補修を行うので、管内部の空きスペースや隣り合う保護管同士のスペースが狭い場合であっても、破損した内管の補修が可能である。
また、半割内管又は半割補修スリーブの分割面の形状を鈍角状の鋸歯形状又は滑らかな曲面形状とすることで、一対の半割内管又は半割補修スリーブを合わせて元の管形状にする場合、一対の半割片同士の互いの位置を、およその位置に合わせて押し込むだけで凹凸の頂上が移動し、それぞれが管軸方向に双方にずれることを防止でき、一対の半割片同士が正しい位置に落ち着くので、接合作業が容易となる。
以下、本発明の実施形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、本発明で用いられる半割補修スリーブの一例を示す正面図および左右側面図である。図2は、図1の半割補修スリーブの変形例を示す正面図および左右側面図である。
図1に示すように、半割補修スリーブ1は、その内径が補修される内管3の外径と略等しく、その長さが補修のために切除された内管3の切除長さよりも内管3の外径の約2倍分長い短管を、管軸方向に沿った滑らかな曲面形状の分割線131、132で二個の半割片11、12に分割したものである。この場合、分割線131、132の形状は、分割線の中心に対して点対称とされている。
なお、この場合、図2に示すように、分割線132の形状を直線状にしてもよい。また、図3に示すように、分割線131、132の形状を鈍角状の鋸歯形状、つまり、ジグザグな線状としてもよい。さらに、この場合、図4に示すように、分割線132の形状を直線状にしてもよい。要は、半割補修スリーブ1の半割片11、12の分割線131、132の少なくとも一方の形状が、滑らかな曲面形状又は鈍角状の鋸歯形状とされていればよい。
各分割片11、12は、元の短管を管軸方向に沿って上下に二分割されているが、必ずしも正確に上下に分割されていなくても良い。どちらかの分割片11又は12が大きい場合は、大きい方の分割片の分離された部分を広げて内管の外側から被せ、小さい方の分割片を大きい方の分割片の分離された部分に嵌め込んで装着すれば良い。
分割線131、132の凹凸形状は、一対の半割片11、12同士を分割線131、132で合わせた時に、互いの半割部11、12同士が軸方向にずれない為に設けられる。従って、凹凸形状は、二本の分割線131、132のうち少なくとも一方の分割線例えば131のみに設けられれば良い。具体的には、短管の一箇所を管軸方向に沿って前述のような凹凸形状の分割線で切断し、切断した箇所を基準に、管断面の対角線上の位置を、管軸方向に直線状に又は波状に凹凸をつけて切断する等されれば良い。
この半割補修スリーブ1は、補修される内管3の外径と略同じ内径である既存の硬質塩化ビニル管があればその既存品を使用すれば良く、該当するものがない場合は、内管3の外径に略等しい内径となるように熱変形して用いられれば良い。
図5に示すように、半割内管2は、補修される内管3と同じ管を、損傷を受けた個所を含んで鋸等で切断して除去された内管の切除長さに等しく切り出し、それを管軸方向に沿った滑らかな曲面形状の分割線231、232で二個の半割片21、22に分割したものである。この場合、図1の場合と同様に、分割線231、232の形状は、分割線の中心に対して点対称とされている。
なお、この場合、図2の場合と同様に、分割線232の形状を直線状にしてもよい。また、図3の場合と同様に、分割線231、232の形状を鈍角状の鋸歯形状、つまり、ジグザグな直線状としてもよい。さらに、図4の場合と同様に、分割線232の形状を直線状にしてもよい。要は、半割内管2の半割片21、22の分割線231、232の少なくとも一方の形状が、滑らかな曲面形状又は鈍角状の鋸歯形状とされていればよい。
各分割片21、22は、元の管を管軸方向に縦に略半割されているが、正確に半分に分割されていなくても良い。どちらかの分割片21又は22が大きい場合は、大きい方の分割片の分離された部分を広げてケーブルK等の外側から被せ、小さい方の分割片を大きい方の分割片の分離された部分に嵌め込んで、ケーブルK等が内管内部に挿通されるようにして内管と接続すれば良い。
分割線231、232の凹凸形状は、一対の半割片21、22同士を分割線231、232で合わせた時に、互いの半割部21、22同士が軸方向にずれない為に設けられる。具体的には、管の一箇所を管軸方向に沿って前述のような凹凸形状の分割線で切断し、切断した箇所を基準に、管断面の対角線上の位置を、管軸方向に直線状に又は波打つように凹凸をつけて切断する等されれば良い。
次に、本発明の補修方法の作業手順を、図6を参照しながら説明する。
まず、図1にて示した半割補修スリーブ1と、図5にて示した半割内管2とを準備する。図6(a)に示すように、地中埋設管路の保護用の外管G及び内管3にバックホーバケットの操作ミス等により損傷が生じた場合、その損傷箇所の周辺を掘り起こした後、図6(b)に示すように、保護用の外管Gの損傷箇所を含む部分を鋸等により切断して撤去し、さらに、内管3の損傷箇所を含む部分を、内管3内部に挿通されているケーブルK等を傷つけないようにして、鋸等により切断して撤去する。
図6(c)に示すように、内管3の撤去部分に一対の半割内管2の半割片21、22を配置し、その一方の半割片21内にケーブルK等を入れて、分割線231、232及び長さ方向の端面に接着剤を塗布し、他方の半割片22の長さ方向の端面及び必要があれば分割面に接着剤(例えばエポキシ系接着剤)を塗布し、分割面に設けられている凹凸形状の分割線231又は232同士が合うように半割片21、22同士を突き合わせ、手で押すようにして互いを圧迫して密接すると共に内管3の切断端面に半割内管2の端面を密接し、接着剤が固化するまで手で押さえるか又は固定具(図示せず)等で押さえて固定する。
半割内管2を内管3の補修個所に接着固定し終わったら、図6(d)に示すように、半割補修スリーブ1の半割片11、12を、その分割線131、132が半割内管の分割線231、232内管3の切断個所と重ならないように、且つ内管3の補修部の両端部を完全に覆うように被せて配置する。半割補修スリーブ1の半割片11、12の内周面、及び必要があれば、補修された内管と半割内管との半割補修スリーブ1が被さる外周面に、接着剤(例えばエポキシ系接着剤)を塗布し、接着剤が固化するまで手で押さえるか又は固定具等で押さえて固定する。
半割補修スリーブ1が補修された内管3に接着固化した後、保護用の外管Gの補修を行い、更に埋め戻しを行うことによって補修作業が完了する。
本作業において、半割内管2の外周面は、内管3に架けて半割補修スリーブ1で覆われ、半割補修スリーブ1が接着剤で内管3及び半割内管2と接着固定されるので、半割内管2の半割片21、22同士は必ずしも接着剤等で接着固定される必要はない。
尚、保護用の外管Gの補修の方法として、内管3を補修した方法と同様に、外管の管形状に応じて作製された、半割外管及び半割補修スリーブを用いて補修が可能であるが、水密面を考慮して、最後に半割補修スリーブの端面と外管にも密着させる形で接着剤又はシーリング剤にて目地を埋めると良い。
本発明で用いられる半割補修スリーブの一例を示す正面図および左右側面図である。 図1の半割補修スリーブの変形例を示す正面図および左右側面図である。 本発明で用いられる半割補修スリーブの別の一例を示す正面図および左右側面図ある。 図3の半割補修スリーブの変形例を示す正面図および左右側面図である。 本発明で用いられる半割内管の一例を示す正面図および左右側面図である。 本発明の補修方法の施工手順を示す説明図である。 ケーブル等が内管に挿通され複数の内管が保護用の外管に入れられて外管が地中に埋設されている地中埋設配管の一例を示す部分断面図である。
符号の説明
1 半割補修スリーブ
11、12 半割補修スリーブの半割片
131、132 分割線
2 半割内管
21、22 半割内管の半割片
231、232 分割線
3 内管
K ケーブル等
G 外管

Claims (1)

  1. 地中に埋設される保護用の外管の中に、ケーブル等の挿通用の内管を敷設することにより構築される地中埋設管路に損傷が生じた際、内管の外径と略等しい内径を有する短管状体を管軸方向に沿って2個の半割片に分割した一対の合成樹脂製の半割補修スリーブと、内管を管軸方向に沿って2個の半割片に分割した一対の半割内管を用いる内管の補修方法であって、上記半割補修スリーブと半割内管のそれぞれの半割片が、いずれも、対となる半割片の少なくとも一方の分割面の形状を鈍角状の鋸歯形状又は滑らかな曲面形状とし、損傷した地中埋設管路の外管の損傷部分を切断して撤去し、内管の損傷部分を切断して撤去した後、内管の撤去部分の長さと同じ長さに切り出した対応する一対の半割内管を配置し、内管と一対の半割内管とを接着剤を介して接合して内管を補修し、内管の補修個所の外側に、半割内管より長めの一対の半割補修スリーブを配置し、補修された内管を接着剤を介して被覆して一対の半割補修スリーブ同士を接合して内管を補強することを特徴とする地中埋設管路の補修方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018010196A (ja) * 2016-07-14 2018-01-18 住友電気工業株式会社 直接埋設用ケーブルの補修方法

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