JP6630155B2 - 管の接続構造およびこの管の接続構造に用いる管ユニット - Google Patents
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Description
また、剛性の高いコンクリート管等により布設された管路は、長期間使用していると、経年変化により管の変形やひび割れが生じたり、地震動等による地盤変状に伴い、管路の接続部では段差が生じたりするなどの障害が発生することで、老朽化した管路の補修または更新が必要となっている。しかし、管路の補修または更新を行う場合、新たに地表面を掘削して、障害を起こしている管を取り除き、新しい管を布設したのちに埋戻し、舗装等といった復旧工事を伴うため、工期が長くなる問題も生じる。
上記技術1および技術2のように、ロックリングを用いた管の接続構造を用いた場合、ロックリングによって管の抜けを防止できるため、防護工を設けなくてもよくなり、工期の短縮化を図ることができる。
一方、上記技術2のように、挿口を受口に挿し込んだのちに、ロックリングを挿入孔から挿口と受口との嵌合部に形成されるロックリング挿入空間に挿入するようになっているため、上記技術1に比べ、挿口の受口への嵌合作業が容易になる。
ロックリングの挿入が、受口の外側から行われるため、受口の周囲に作業スペースを確保する必要がある。例えば、挿入孔の位置が受口の側方にある場合、ロックリングの挿入治具等を管と掘削した溝の側壁との間に設置しなければならないため、管と溝壁との間に大きな隙間を確保しなければならない。
しかし、溝幅を大きくとると、建築発生土(残土)の発生量が大きくなり、処理費用がかさむとともに、埋め戻しや舗装面積も大きくなり、施工コストがかさむとともに、工期も長くなるおそれがある。
ロックリングの挿入が、受口の外側から行われるため、旧管路内でロックリングの挿入が不可能である。
したがって、旧管路の更新部の一端側に立坑を設け、この立坑内で、挿口を受口に嵌合させるとともに、ロックリングを挿入孔から挿入して管と管とを接続したのち、立坑内に設置した推進機で旧管路内に管と管とを接続するごとに旧管路の他端に向かって推進させていかなければならない。
すなわち、推進機をセットできる十分な大きさの立坑を設けなくてはならず、立坑の施工コストや埋め戻しなどのコストがかかる。
」と記す)は、受口の内周面に沿って設けられた第1ロックキー溝と、挿口の外周面に沿って設けられた第2ロックキー溝とによって、前記受口の周方向に延びる環状のロックキー挿入空間を形成するように、前記受口に前記挿口が嵌合されているとともに、
ロックキーが、前記ロックキー挿入空間に嵌まり込んで、前記受口からの前記挿口の抜けが防止されている管の接続構造であって、
前記ロックキー挿入空間へ前記ロックキーを挿入するロックキー差込孔が、前記挿口の内周面と前記第2ロックキー溝を連通するように設けられており、
前記ロックキーは、長尺で、前記ロックキー挿入孔に先端から挿入されて、前記ロックキー挿入空間にその周方向に沿って潜り込むよう構成されていることを特徴としている。
また、面取り部によって第1面間の距離より幅の狭くなった第2面をロックキー挿入空間側に向けてロックキーを、ロックキー差込孔に差し込んでいくことができるので、ロックキーとロックキー差込孔の接触面積が少なくなる。
したがって、摩擦抵抗が少なくなり、ロックキーの挿入が容易となる。
なお、「面取りされた」とあるのは面取り加工の工程を意味するのではなく、形状を説明するためのものである。
すなわち、ロックキー挿入空間の管軸方向の幅がロックキーの幅より大きいため、挿入抵抗を少なくすることができる。
また、管の熱伸縮を吸収できる遊びを設けることができる。
すなわち、管の接続部(継手部)にある程度の伸縮方向に対する余裕量を持たせることが
でき、管布設時の施工上の管理幅に余裕を持たせることができるとともに、内水圧による
水流の不均衡等による水平・鉛直反力や地盤変状(地震動、等)により起因する「管の抜け
」に対しても余裕を持たせることができるため、管本体を保護する作用を発現できる。
前記ロックキー挿入空間へ前記ロックキーを挿入するロックキー差込孔が、前記挿口の内
周面と前記第2ロックキー溝を連通するように設けられており、ロックキーの挿入先端部の幅が、キー先端に向かって狭くなっている管を含む。
すなわち、先端が細いため、先端がロックキー差込孔に挿入されやすく、ロックキーの
挿入初期のロックキー差込孔への挿入が容易となる。
第1ロックキー溝の受口奥側の側壁面および第2ロックキー溝の挿口奥側の側壁面が、前記ロックキーの傾斜面に平行な傾斜面になっていることが好ましい。
本発明の接続構造に採用できるロックキーの材料としては、例えば、ステンレス鋼、バネ鋼、エンジニアリングプラスチック、繊維強化プラスチック等が挙げられる。
すなわち、管接続部の外周方向に作業スペースを確保できない場合においても、管と管をしっかりとした接続状態にすることができる。
すなわち、既設配管を掘削して取り除き、更新配管を敷設したのち、埋め戻しするという施工が不要となり、老朽化した既設配管の更新工事の施工コストが低減できるとともに、施工性も向上する。
前記受口は、第1ロックキー溝がその内周面に沿って設けられていて、前記挿口は、前記受口への嵌合によって、前記第1ロックキー溝とともに、ロックキー挿入空間を形成する第2ロックキー溝がその外周面に沿って設けられているとともに、前記ロックキー挿入空間へ前記ロックキーを挿入するロックキー差込孔が、前記挿口の内周面と前記第2ロックキー溝を連通するよう設けられているので、管ユニットを施工現場に搬送し、各管ユニットの管同士を一方の管の受口に他方の管の挿口を嵌合させるとともに、ロックキーをロックキー挿入空間内に挿入することで、容易に本発明の接続構造を備えた配管を敷設することができる。
図1〜図4は、本発明の接続構造の1つの実施の形態をあらわしている。
受口2は、その先端内周面にゴム輪パッキン22が装着されるとともに、ゴム輪パッキン22より奥側に第1ロックキー溝21が穿設されている。なお、受口2は樹脂製筒体から主に構成され、この筒体の一端側(図1の紙面右側)がFRPM管本体の一端にパッキンや接着剤などで強固に取り付けられている。
第1溝底面21aは、FRPM管1の管軸を中心とする環状に設けられている。
第1奥側壁面21cは、第1溝底面21aに対して鈍角を形成するように第1溝底面21aの端縁から立ち上がっている。
すなわち、第1ロックキー溝21の断面形状は、二つの内角が90度の台形をしている。
第2ロックキー溝31は、図4に示すように、第2溝底面31aと、挿口開口側の第2開口側壁面31bと、奥側すなわち挿口となるFRPM管1の中心側の第2奥側壁面31cを備えている。
第2奥側壁面31cは、第2溝底面31aに対して鈍角を形成するとともに、受口2に挿口3を嵌合した状態で、第1奥側壁面21cと平行となるように第2溝底面31aの端縁から立ち上がっている。
第2開口側壁面31bは、第2溝底面31aに対して直交するように第2溝底面31aの端縁から立ち上がっている。
すなわち、第2ロックキー溝31の断面形状は、二つの内角が90度の台形をしている。
また、ロックキー差込孔32は、第2ロックキー溝31を形成したのち、切削機器(ディスクグラインダー等)を用いて削孔することによって形成されている。
一方、受口2の内面側にある第1ロックキー溝21は、受口カラー部を成形する際に溝形状と同じ形状のシリコン材をセットした状態でFRP基材を用いて積層成形を行い、金型から脱型する際にシリコン材も離脱させることによって形成されている。
また、ロックキー4は、断面六角形状の金属製長尺体で、幅(2つの直角コーナー42の、ロックキー差込孔32の幅方向の壁面に対面する面間の距離)がロックキー差込孔32の幅とほぼ同じになっていて、長手方向の先端部44が、先端に向かって徐々に幅が狭くなっている。ロックキー4の長さは、ほぼ挿口3の外形寸法に等しいか、わずかに短い。
なお、ロックキー4は、FRPM管1に粘着テープで固定してユニット化してもよいし、内径が第2溝底面の外径より小さいCリングにし、第2ロックキー溝21に嵌合しても構わない。
まず、図6に示すように、挿口3を受口2の開口に臨ませ、標線33が受口2の開口端縁位置になるまで、図7に示すように、受口2に嵌合させる。
この嵌合によって、第1ロックキー溝21と第2ロックキー溝31とが対向した状態になり、ロックキー挿入空間5ができる。
すなわち、「内面接合方式」は、図8に示すように、一方のFRPM管1の挿口3を他方のFRPM管1の受口2に臨ませるとともに、一方のFRPM管1の受口2に一方の接合治具6を係止し、他方のFRPM管1の挿口3の先端に他方の接合治具6を係止する。
次に、図9に示すように、ロックキー4を上記嵌合部の挿口3近傍の管内に配置し、図10に示すように、ロックキー4の先端をロックキー差込孔32から第1ロックキー溝21および第2ロックキー溝31によって形成されるロックキー挿入空間5に差し込み、図2に示すように、その後端までロックキー挿入空間5に挿入する。
また、上記キャップまたは栓は、着脱可能なものでも、接着などで固着されるものでも構わない。
(1)ロックキー挿入空間5内にロックキー4が挿入されているので、抜け方向の力が加わって、FRPM管1が抜け方向に移動しようとしても、図5に示すように、一方の直角コーナー42を形成するロックキー3の第1面42aに第1ロックキー溝21の第1開口側壁面21bが受けられ、他方の直角コーナー42を形成するロックキー3の第1面42aに第2ロックキー溝31の第2開口側壁面31bが平面で受けられてそれ以上移動しないようになる。
すなわち、耐震化管路としての高い離脱防止機能を有するため、変動且つ偶発的に作用する地震動により生じる管継手部の抜けによる漏水事故を確実に防止することができる。
また、FRPM管1の受口2に装着されているゴム輪パッキン22で高い水密性を確保できる。
一方、押し方向の力が加わっても、他方の直角コーナー42が第1奥側壁面21cで受け止められて、一方のFRPM管1が他方の管に突き当らないので、受口2や挿口3が破損することはなく、漏水事故を確実に防止することができる。
(2)ロックキー4を挿口3の内側からロックキー挿入空間5内に挿入することができるので、FRPM管1の周囲にロックキー4の挿入作業スペースを確保する必要がない。
したがって、例えば、新たに管を布設する場合に、ロックキー4の挿入作業スペースを確保できる大きな掘削幅の掘削溝を掘削する必要がない。すなわち、管を布設した後の埋戻し及びタンパ等の専用機器による締固めを行うためのスペースを確保するだけの、より狭い掘削幅であっても施工が可能となる利点がある。結果として、掘削による残土処分費及び埋戻し土の購入費、作業労務費のコスト縮減にも貢献が可能となる。
また、老朽化した管路内に新管を布設する場合においても、内面接合方式を用いれば、管外作業がなく、更には、従来技術で用いる管を押し込むための推進機が不要となるため、立坑規模も小さくなる。したがって、立坑築造費の縮減及び推進機等で生じる機械器具損料(または賃料)の削減にもつながる。
(3)ロックキー4の先端部か先端に向かって徐々に幅が狭くなっているので、ロックキー4の先端をロックキー差込孔32に容易に挿入できる。
(4)ロックキー4が2つの対角に位置する直角コーナー42を備える横断面六角形に形成されているので、ロックキー4を挿入する際にロックキー差込孔32の内壁面との摩擦抵抗を少なくすることができるとともに、正しい姿勢でスムーズに挿入できる。
したがって、ロックキー4のロックキー挿入空間5内への挿入時において、ロックキー差込孔32の幅をできるだけロックキー4の幅に近い状態にしても、挿入抵抗が少なくスムーズに挿入できる。
また、ロックキー差込孔32の幅をできるだけロックキー4の幅に近い状態にすることで、ロックキー4が捩れようとしても、ロックキー4の2つの直角コーナー42を形成する第1面42aがロックキー差込孔32の幅方向の両内壁面に当接し、捩れが防止される。
したがって、ロックキー4が正しい姿勢を保ちながら、ロックキー挿入空間5内に挿入される。
(5)挿口3に標線33が設けられているので、挿口3の受口2への嵌合深さを正確な位置に合わせやすい。
したがって、ロックキー4を迅速かつ容易にロックキー挿入空間5内に挿入できる。
(6)第1ロックキー溝21の溝幅が、第2ロックキー溝31より大きくなっているので、ロックキー4の挿入をスムーズに行うことができる。
(7)管がFRPM管1であるので、鋳鉄管などに比べ軽量であり、施工性が良好であるとともに、耐蝕性に優れている。
(8)ロックキー4が予め接続に必要な長さに形成されているとともに、FRPM管1とユニット化されているので、施工現場でロックキーを裁断したり、施工時にロックキーの数が足りないということを防止することができる。
(9)受口2に挿口3を嵌合後にロックキー4をロックキー挿入空間5に挿入するため、ゴム輪パッキン22の損傷を抑制することができる。
上記の実施の形態では、FRPM管を既設配管に内部に更新管として施工するようにしていたが、上記FRPM管は、新設配管の施工にも用いることができる。
上記の実施の形態では、FRPM管の口径が、管内部で人が作業可能な口径であったが、ロックキーを支持しつつ管内を走行可能で、ロックキー差込孔を介してロックキーをロックキー挿入空間に挿入できるような構造の小型のロボットを用いれば、人が入れないような小径の管の接続も可能である。
2 受口
21 第1ロックキー溝
21a 第1溝底面
21b 第1開口側壁面
21c 第1奥側壁面
22 ゴム輪パッキン
3 挿口
31 第2ロックキー溝
31a 第2溝底面
31b 第2開口側壁面
31c 第2奥側壁面
32 ロックキー差込孔
4 ロックキー
41 傾斜面(面取り部)
42 直角コーナー
42a 第1面
42b 第2面
44 先端部
5 ロックキー挿入空間
6 接合治具
7 シャックル
8 ワイヤーロープ
9 挿入機
Claims (5)
- 受口の内周面に沿って設けられた第1ロックキー溝と、挿口の外周面に沿って設けられた第2ロックキー溝とによって、前記受口の周方向に延びる環状のロックキー挿入空間を形成するように、前記受口に前記挿口が嵌合されているとともに、
ロックキーが、前記ロックキー挿入空間に嵌まり込んで、前記受口からの前記挿口の抜けが防止されている管の接続構造であって、
前記ロックキー挿入空間へ前記ロックキーを挿入するロックキー差込孔が、前記挿口の内周面と前記第2ロックキー溝を連通するように設けられており、
前記ロックキーは、長尺で、前記ロックキー挿入孔に先端から挿入されて、前記ロックキー挿入空間にその周方向に沿って潜り込むよう構成されていることを特徴とする管の接続構造。 - 受口の内周面に沿って設けられた第1ロックキー溝と、挿口の外周面に沿って設けられた第2ロックキー溝とによってロックキー挿入空間を形成するように、前記受口に前記挿口が嵌合されているとともに、
ロックキーが、前記ロックキー挿入空間に嵌まり込んで、前記受口からの前記挿口の抜けが防止されている管の接続構造であって、
前記ロックキー挿入空間へ前記ロックキーを挿入するロックキー差込孔が、前記挿口の内周面と前記第2ロックキー溝を連通するように設けられており、
前記第1ロックキー溝の受口先端側の側壁面および前記第2ロックキー溝の挿口先端側の側壁面がそれぞれ溝底面に対して垂直に設けられていて、
前記ロックキーが、仮想長方形または仮想正方形の1つの直角コーナーが面取りされた面取り部を有する五角形の横断面形状または前記仮想長方形または仮想正方形の前記対角に位置する2つの直角コーナーが面取りされた2つの面取り部を有する六角形の横断面形状をしているとともに、前記第1ロックキー溝の前記受口先端側の側壁面および前記第2ロックキー溝の前記挿口先端側の側壁面に平行な第1面と、この第1面に直交する第2面を有し、
前記面取り部が設けられた側の前記対角に位置する2つの直角コーナーの前記第2面を前記第1ロックキー溝の溝底面に向けるように前記ロックキー挿入空間に挿入されている管の接続構造。 - 受口の内周面に沿って設けられた第1ロックキー溝と、挿口の外周面に沿って設けられ
た第2ロックキー溝とによってロックキー挿入空間を形成するように、前記受口に前記挿
口が嵌合されているとともに、
ロックキーが、前記ロックキー挿入空間に嵌まり込んで、前記受口からの前記挿口の抜け
が防止されている管の接続構造であって、
前記ロックキー挿入空間へ前記ロックキーを挿入するロックキー差込孔が、前記挿口の内
周面と前記第2ロックキー溝を連通するように設けられており、
ロックキーの挿入先端部の幅が、キー先端に向かって狭くなっている管の接続構造。 - ロックキーが、対角に位置する2つの直角コーナーと、2つの直角コーナーを連結する
2つの傾斜面を面取り部として備えた横断面六角形をしていて、
第1ロックキー溝の受口奥側の側壁面および第2ロックキー溝の挿口奥側の側壁面が、前
記ロックキーの傾斜面に平行な傾斜面になっている請求項2、又は請求項3に記載の管の接続構造。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の管の接続構造に用いられる管とロックキーを備
える管ユニットであって、
前記管は、一端に受口を有し、他端に前記受口に嵌合される挿口を有し、
前記受口は、第1ロックキー溝がその内周面に沿って設けられていて、
前記挿口は、前記受口への嵌合によって、前記第1ロックキー溝とともに、ロックキー挿
入空間を形成する第2ロックキー溝がその外周面に沿って設けられているとともに、
前記ロックキー挿入空間へ前記ロックキーを挿入するロックキー差込孔が、前記挿口の内
周面と前記第2ロックキー溝を連通するよう設けられていることを特徴とする管ユニット。
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