JP2005354512A - フィルムスキャナ - Google Patents

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Hiroshi Miyawaki
浩 宮脇
Masayuki Tamai
雅之 玉井
Koji Seki
孝次 関
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Abstract

【課題】 発光ダイオードの無駄をなくし、必要とする波長の光線を効率的に得ることが可能なスキャナの光源を構成する。
【解決手段】 光電変換ユニットDが赤色光・緑色光・青色光の三原色に対応したラインセンサ6を備え、前記光源ユニットAが赤色光・緑色光・青色光の三原色のうちの少なくとも1つの色相で発光する複数の発光ダイオード1を備え、光軸L1に対するフィルタ面FSの角度に対応して最大透過波長をシフトする波長シフトフィルタTを発光ダイオード1からの光線が透過する位置に配置し、この波長シフトフィルタTの角度を制御することにより、最大透過波長をCCDラインセンサ6の最大感知波長に合致させる制御装置を備えた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光源ユニットからの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズで光電変換ユニットに導き、この光電変換ユニットにおいて画像データとして取得するよう構成されているフィルムスキャナに関する。
上記のように構成されたフィルムスキャナと関連する技術として特許文献1及び特許文献2に示されるものが存在する。特許文献1では、写真フィルムの画像を取得するCCDエリアセンサの光源部としてLED光源を備えており、このLED光源は基板に多数のLED素子を2次元的に配置し、また、この基板の裏面側にペルチェ素子とサーミスタとを接触固定し、更に、ペルチェ素子には放熱フィンを備え、これに対応するファンを備えている。そして、温度制御部が、サーミスタによって温度を検知してペルチェ素子とファンとを駆動することにより基板の温度を予め設定した温度に維持するよう構成されている。
特許文献2では、デジタルフォトプリンタを構成するスキャナの光源としてLEDアレイ基板上にLEDを備えている。この基板においてLEDの取り付け面の反対側に温度センサを設け、この温度センサの測定結果は変動量補正部の変動量取得部に送られるように構成されている。前記変動量補正部は、光源の分光強度分布の変動に応じて画像信号を補正するものであり、温度センサの測定結果から光線の分光強度分布の変動量、即ち、山形分布の波長シフト量と、発光強度の変動量とを求めて画像信号を補正するように機能する。つまり、雰囲気温度下における光源からの光線の分光強度の変動量との関係を予め記憶保持してあり、温度センサで測定される温度から分光強度の変動量を求めることによりスキャナで取得した画像の補正を行うよう構成したものである。
特開2001‐346002号公報 (段落番号〔0026〕〜〔0074〕、図5、図7、図8) 特開2001‐223861号公報 (段落番号〔0019〕〜〔0040〕、図1、図2)
カラーの写真フィルムの画像をスキャナによってデジタル化した画像データとして取得する処理では、光源ユニットからの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズによって光電変換ユニットの光電変換素子に結像させ、この光電変換素子によって、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色に対応した画像データに変換し、この三原色に対応した3種の画像データを取得して保存するように基本的な処理形態が設定されている。
写真フィルムの画像を取得するスキャナとしては、写真フィルムと光電変換ユニットとを相対的に移動(副走査方向への移動)させながら、写真フィルムの幅方向(主走査方向)の領域を走査する形態でR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色の画像を同時に取得するものや、写真フィルムのコマの領域(2次元的な領域)を一度に撮影する形態で取得するもの、あるいは、R(赤)・G(緑)・B(青)の3種の光線を順次発光させ3度の発光によって画像を取得するもの等が提案されている。
このように写真フィルムの画像をデジタル信号化した画像データとして取得する際には、写真フィルムの画像を三原色に色分解を行うため、光電変換ユニットは必然的にR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した特定の波長における感度(分光感度)が最大となる構造のものが使用される。従って、三原色以外の不要な波長の光線を用いないものがエネルギーを無駄にしないものとなり、特許文献1、2に示されるように、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した発光ダイオードを使用することの有効性を見出すことができる。
別の観点から考えると、光電変換ユニットではR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応して最大感知波長が設定されるものであるが、この最大感知波長から外れた波長の光線も感知するのが現状であり、カラーバランスを考えた場合には、最大感知波長から外れた波長の光線が含まない光源ユニットが望まれている。
しかしながら、発光ダイオードは、その個体の性能のバラツキによって発光時の波長が異なるため、光電変換ユニットにおける最大感知波長に対応した波長の発光ダイオードを使用することを考えた場合、光電変換ユニットの最大感知波長に対応した発光ダイオードを抽出する必要があるため、発光ダイオードの歩留まりが悪く光源ユニットのコスト上昇に繋がるものであった。
また、光電変換ユニットにおける最大感知波長に対応した波長の発光ダイオードを使用するものでも、この発光ダイオードの発光時における波長は温度に影響を受けるため画像データのカラーバランスを維持するためにも温度管理は重要である。
本発明の目的は、発光ダイオードの無駄をなくし、必要とする波長の光線を効率的に得ることが可能なスキャナの光源を構成する点にある。
本発明の特徴は、光源ユニットからの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズで光電変換ユニットに導き、この光電変換ユニットにおいて画像データとして取得するよう構成されているフィルムスキャナであって、
前記光電変換ユニットが、少なくとも赤色光・緑色光・青色光の三原色に対応した複数の光電変換素子を備えて構成されると共に、前記光源ユニットが、前記光電変換素子に対応する少なくとも1つの色相で発光する複数の発光ダイオードを有する光源部を備えて構成され、
フィルタ面に対する光線の入射角度に応じて最大透過波長をシフトする波長シフトフィルタを前記光源部に備え、前記発光ダイオードからの光線を送り出す光軸を基準にして前記フィルタ面の角度を設定する波長制御手段を備えている点にある。
この構成により、光電変換素子において最大となる分光感度から外れた波長の光線を発する発光ダイオードを光源部に使用する場合でも、波長シフトフィルタを用い、この波長シフトフィルタのフィルタ面の角度を設定することにより、その発光ダイオードの光線の波長を、光電変換素子の最大感知波長と合致する波長の光線を透過させ、この波長から外れた波長の光線の低減が可能となる。つまり、従来からのフィルムスキャナでは、光電変換部に使用するCCD型やCMOS型等の光電変換素子の分光感度に適合した波長となる発光ダイオードの使用を必須としていたが、この分光感度から外れた波長の発光ダイオードの使用が可能となるのである。その結果、必要とする波長の光線を得るものでありながら、発光ダイオードの歩留まりが高まり、コスト低下が可能なフィルムスキャナが構成されたのである。
これに関連する技術として、特開平5−34608号公報に示されるものが存在する。この技術では、光源からの光束をコールドミラーで反射させた後、分光用のダイクロイックミラーに送る光路中に補正用コールドフィルタを配置してあり、コールドミラーの経時変化によって波長シフトを生じた場合には、補正用コールドフィルタの光軸に対する角度の調整により、この補正用コールドミラーの波長シフト作用によって補正できるよう構成した点が示されている。
本発明は、前記波長シフトフィルタが、前記フィルタ面を有するフィルタ材と、前記光軸と直交する姿勢の軸芯周りで揺動自在に前記フィルタ材を支持する支持部と、前記フィルタ材を前記軸芯周りで揺動させてフィルタ材の姿勢を設定するアクチュエータとを備えて構成され、前記波長制御手段は、前記フィルタ材の前記角度と、この角度に対応する最大透過波長とを関連付ける参照データを備え、この波長制御手段は、前記光電変換ユニットの光電変換素子の最大感知波長と、前記シフト後の最大透過波長とを合致させる角度を前記参照データから抽出し、この角度を制御目標に設定して前記アクチュエータを制御するように構成しても良い。
この構成により、参照データから、波長制御手段が、光電変換素子の最大感知波長となる角度を抽出し、この角度を制御目標として波長制御手段がアクチュエータを制御することにより、光電変換ユニットにおいて必要とする波長の光線を光源ユニットから供給できるものとなる。
本発明は、前記波長シフトフィルタから送り出された光線の波長を計測する波長センサを備えると共に、前記波長制御手段は、前記波長センサでの計測結果に基づいて前記最大感知波長の光線が最大光量となる角度を求め、この角度を前記制御目標に代えてセットするプログラムを備えても良い。
この構成により、波長シフトフィルタからの光線の波長を波長センサで計測し、この計測により最大光量となる光線の波長が光電変換ユニットの最大感知波長と合致させるように角度を設定するプログラムの処理が行われることにより、必要とする波長の光線を精度高く得ることが可能となった。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、光源ユニットA、フィルムキャリアB、レンズユニットC、光電変換ユニットDを備えて写真フィルムFの画像をデジタル信号化し画像データとして取り込むフィルムスキャナが構成されている。
このフィルムスキャナは、現像済みの写真フィルムFのサイズ(135サイズ、240サイズ、120・220サイズ等)に対応した前記フィルムキャリアBの装着が可能に構成され、光源ユニットAからの光線をフィルムキャリアBに支持された写真フィルムFに照射する照明光学系と、写真フィルムFを透過した光線をレンズユニットCから前記光電変換ユニットDに導く結像光学系とを備えている。
結像光学系としての前記レンズユニットCはズーム型の光学レンズ5を有し、写真フィルムFの主走査方向に沿う領域からの可視光画像を設定された拡大率で光電変換ユニットDに内蔵したCCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサ6(光電変換素子の一例)の光電変換面に結像させると同時に、写真フィルムFの主走査方向に沿う領域からの赤外光画像を光電変換ユニットDに内蔵した赤外光(IR)用のCCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサ7の光電変換面に結像させるよう機能するものであり、この光電変換ユニットDは、写真フィルムFの可視光画像をR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応したデジタル信号化した画像データ(可視光データ)として取得すると同時に、写真フィルムFのゴミや傷に起因する赤外光画像をゴミや傷に対応する欠陥データ(赤外光データ)として取得するよう構成されている。
前記光源ユニットAは、図2〜図4に示すように、前記三原色及び赤外光を送り出すよう、多数の発光ダイオード1を基板P(後述する第1、第2、第3基板P1、P2、P3の3つの基板の総称)において主走査方向に直線状に配置した光源部としての発光ダイオードアレイLED(後述する発光ダイオードアレイG−LED、B−LED、R・IR−LEDの3種の発光ダイオードアレイの総称)を有し、この発光ダイオードアレイLEDからの光線を合流させ白色光線とした状態で上方に向けて送り出すよう構成されている。前記フィルムキャリアBは、長手方向を主走査方向に沿う姿勢に設定したスリット状のスキャンゲートSGが形成されたケース20を備えると共に、写真フィルムFを長手方向(副走査方向)に往復搬送させる複数の圧着型の搬送ローラ21と、下面側の集光レンズ22とを備えて構成されている。
前記光電変換ユニットDは、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した3ライン型のラインセンサ6と赤外光(IR)を感知する1ライン型のラインセンサ7とを内蔵すると共に、前記光学レンズ5からの可視光を透過させ、赤外光を反射させるダイクロイック型のスプリッター8を内蔵している。
このフィルムスキャナでスキャニングを行う際には、取り込む画像の画素数に基づいて光学レンズ5による拡大率(主走査方向での画素数)を設定すると同時に、フィルムキャリアBでの写真フィルムFの搬送速度(副走査方向での画素数)が設定され、この設定の後に、写真フィルムFに対して光源ユニットAからの光線を照射する状態で、前記搬送ローラ21の駆動で写真フィルムFを設定された速度で搬送し、この搬送速度と同期したタイミングで光電変換ユニットDのラインセンサ6、7において主走査方向に沿うライン状の画像を取り込み画像データとして取得する処理が行われる。
この処理が行われることにより、写真フィルムFのコマに対応する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の2次元の画像データを得ると同時に、写真フィルムFのコマに対応する赤外光(IR)の2次元画像データの構造を有する欠陥データを得るものとなる。この欠陥データを生成した後には、欠陥データに基づき、画像データにおける傷や塵埃等の欠陥位置が特定され、この欠陥位置の画像データに対して、濃度調整処理の他にニアレストネイバー法、バイリニア法、バイキュービック法等による補間処理を行うことにより、画像データの欠陥部分の修復が可能となる。
前記照明光学系は、前記発光ダイオードアレイLEDからの光線を合流させて上方に送り出す合流光学系と、この合流光学系からの光線を拡散させるよう前記光源ユニットAに内蔵された拡散板10とで構成されている。
具体的に説明すると、前記光源ユニットAは樹脂成形品で成る上壁部11と、アルミニウム合金で成る側壁部12と、同じくアルミニウム合金で成る底壁部13とでケース状に形成されている。また、上壁部11の内部には、その表面側に前記発光ダイオードアレイLEDを形成した第1基板P1と、第2基板P2と、第3基板P3とを支持してあり、これら、第1基板P1、第2基板P2、第3基板P3の表面側に温度センサTS(図5を参照)を備え、裏面側にアルミニウム製のフィン14を備えている。また、この光源ユニットAの側壁部12には、3つのフィン14に対して冷却風を送る一対の電動型のファン15を備え、この光源ユニットAの内部にはファン15夫々からの冷却風を案内する導風体16を備えている。
前記第1基板P1にチップ状の多数の緑色の発光ダイオード1を主走査方向に直線状に配置して成る緑色の発光ダイオードアレイG−LEDを備え、第2基板P2にチップ状の多数の青色の発光ダイオード1を主走査方向に直線状に配置して成る青色の発光ダイオードアレイB−LEDを備え、第3基板P3にチップ状の多数の第1、第2赤色の発光ダイオード1と、チップ状の多数の赤外光の発光ダイオード1とを交互に主走査方向に配置した赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDを備えている。夫々の発光ダイオードアレイLEDに対応する位置に夫々の発光ダイオードアレイからの光線を平行光線化するように夫々の発光ダイオード1に焦点位置を設定した平行化レンズ18を備え、これらの平行化レンズ18を介して送り出された光線を合流させるダイクロイック型のミラーM(後述する第1ミラーM1、第2ミラーM2の総称)を備えている。
具体的には、緑色の発光ダイオードアレイG−LEDからの光線を上方に送る縦向き姿勢の第1光軸L1上に前記平行化レンズ18と、波長シフトフィルタTと、第1ミラーM1とを配置し、青色の発光ダイオードアレイB−LEDからの光線を上方に送る縦向き姿勢の第2光軸L2上に前記平行化レンズ18を配置し、赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDからの光線を水平方向に送る横向き姿勢の第3光軸L3上に前記平行化レンズ18と、第2ミラーM2とを配置している。前記第1、第2、第3光軸L1、L2、L3は、夫々の発光ダイオードアレイLEDの形成方向(主走査方向)での中央位置で、かつ、前記基板Pに垂直となる仮想直線として設定されたものであり、第1光軸L1の延長上方に前記集光レンズ22とスキャンゲートSGが配置され、前記第2光軸L2は前記第2ミラーM2において前記第3光軸L3と合流する位置に配置されている。
前記青色の発光ダイオード1は400〜480nmの波長域において前記ラインセンサ6の最大感知波長と合致する波長のものが使用され、緑色の発光ダイオード1は520〜560nmの波長域において前記波長シフトフィルタTを透過した光線の波長が前記ラインセンサ6の最大感知波長と合致する波長のものが使用され、赤色の発光ダイオード1は620〜750nmの波長域において前記ラインセンサ6の最大感知波長と合致する波長のものが使用され、赤外光の発光ダイオード1の波長は830〜950nmの波長域において前記ラインセンサ7の最大感知波長と合致するものが使用されている。
前記第1ミラーM1は前記波長シフトフィルタTを透過した光線(520〜560nm)を透過し、これ以外の光線を反射する性能のものであり、前記第2ミラーM2は赤色光と赤外光と発光ダイオード1からの波長(620〜750nm及び830〜950nm)の光線を透過し、青色の発光ダイオード1からの波長(400〜480nm)の光線を反射する性能のものを使用している。
前記波長シフトフィルタTは、図2及び図7に示すように、フィルタ面FSに対する光線の入射角度に応じて最大透過波長がシフトする性質となるフィルタ材25と、このフィルタ材25を光軸L1(図2を参照)と直交する姿勢の軸芯X周りで揺動自在に支持する支持部材26と、この支持部材26を前記軸芯X周りで揺動フィルタ材25を揺動操作する電動モータ27(アクチュエータの一例)とを備えて構成されている。前記電動モータ27はステッピングモータのように回転量を制御できる性能のものと減速ギヤとを組み合わせることにより、制御信号に基づいて角度を設定できるよう構成されたものであり、電動モータ27を制御することにより波長シフトフィルタTのフィルタ面FSと光軸L1との角度を設定して最大透過波長をシフトするように機能する。尚、前記フィルタ材25として干渉フィルタを用い、フィルタ面FSに対する光線の入射角度によって、見かけ上の干渉膜の厚みが変化することによって最大透過波長がシフトするものを想定している。また、前記第1ミラーM1からの反射光が入射する位置には、フィルムスキャナにおいて使用される光線の波長域における光量(分光強度)を計測可能な波長センサWSを備えている。
図5に示すように光源ユニットAを管理する制御系が構成されている。つまり、マイクロプロセッサを備えた制御装置30(波長制御手段の一例)に対して前記3つの温度センサTSと前記波長センサWSとからの検出信号が入力する信号系、及び、ラインセンサ6の最大感知波長を入力する入力部31からの信号系が形成されると共に、前記3つのファン15と、前記波長シフトフィルタTの電気モータ27とを制御する信号系を形成している。
前記制御装置30は、ダイオード温度制御プログラム33と、フィルタ角度制御プログラム34とがセットされると共に、参照データとしてのテーブルデータ35を備えている。このテーブルデータ35は、前記波長シフトフィルタTのフィルタ面FSの光軸に対する角度と、この角度における最大透過波長とを関連付けたデータ構造を具備している。前記ダイオード温度制御プログラム33は温度センサTSからの検出信号に基づいて対応する前記ファン15を制御し、前記フィルタ角度制御プログラム34は、前記テーブルデータ35に基づき制御目標として設定された目標角度を得るよう前記電動モータ27を制御すると共に、このように目標角度に設定された状態において前記波長センサWSからのフィードバック信号に基づいて制御目標として目標角度を新たに設定し、温度シフトフィルタTのフィルタ面FSを変更された目標角度に設定するように前記電動モータ26を制御する。
前記ダイオード温度制御プログラム33は、発光ダイオード1の発光時に前記温度センサTSで計測される温度が予め設定された温度を超えた場合に、対応する前記ファン15を駆動して、冷却を行うことにより発光ダイオード1の温度を設定された温度領域に維持するように制御形態が設定されている。
前記フィルタ角度制御プログラム34は、対応するラインセンサ6の最大感知波長と対応する最大透過波長を前記テーブルデータから求め、更に、このテーブルデータから最大透過波長に対応する設定角度(初期の制御目標)を抽出し、この設定角度に対応するだけ前記電力モータ27を制御すると共に、このように角度を設定した状態において前記波長センサWSからのフィードバック信号に基づき、この波長センサWSにおいて計測した最大光量となる光線の波長が前記最大透過波長(最大感知波長と等しい)と合致する角度(稼働時の制御目標)を求め、この角度を得るように前記電動モータ27を制御するように制御形態が設定されている。
尚、本実施の形態では、前記波長シフトフィルタTが前記緑色の発光ダイオード1からの光線が透過する位置に配置されているが、この波長シフトフィルタTを青色の発光ダイオード1からの光線が透過する位置に配置することや、第1、第2赤色の発光ダイオード1からの光線を透過する位置に配置するよう構成しても良い。
緑色の発光ダイオードアレイG−LEDを備えた部位を例に挙げて基板Pの詳細を説明すると、図5に示すように、基板Pは熱伝導率が高いアルミニウム製の基材の表面にセラミック材料等の絶縁層を形成した積層構造であり、この基板Pの絶縁層の表面に対して前述したチップ状の発光ダイオード1を主走査方向に沿って直線状にダイボンディングにより固定している。また、この基板Pにおいて前記発光ダイオード1の近傍位置に対して矩形の枠体2、反射体3夫々を発光ダイオードアレイLEDの形成方向(主走査方向)と並行する姿勢で固定し、チップ状の発光ダイオード1と、基板Pに形成したプリント配線部Paとをボンディングワイヤ4で結線することにより、プリント配線部Paからの電力により発光ダイオード1を発光させ得るものにしている。
前記枠体2と反射体3とは耐熱性に優れた液晶性ポリマーによって一体形成されたものであり、前記反射体3は、発光ダイオード1と対向する側に対して傾斜姿勢の反射面3aを備えており、図7に示すように、この複数の発光ダイオード1の形成方向(主走査方向)の中央位置の基板Pの表面にはサーミスタ等で成る前記温度センサTSを備えている。
この構造から、前記緑色の発光ダイオードアレイG−LEDから第1光軸L1に沿って送り出される光線は、平行化レンズ18で平行光線化した後に、波長シフトフィルタTによって必要とする波長の光線が選択された状態で第1ミラーM1を透過して第1光軸L1に沿って上方に送られ、前記青色の発光ダイオードアレイB−LEDから第2光軸L1に沿って送り出される光線は、平行化レンズ18で平行光線化した後に、第2ミラーM2で反射して第3光軸L3と合流し、赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDから第3光軸L1に沿って送り出される光線は、平行化レンズ18で平行光線化した後に第2ミラーM2を透過するものとなり、このように第3光軸L3に沿って送られる青色の発光ダイオードアレイB−LEDからの光線と、赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDからの光線とは第1ミラーM1で反射され、第1光軸L1に沿って上方に送られる結果、この第1光軸L1では、緑色の光線、青色の光線、赤色の光線(赤外線を含む)が合流した白色の光線が送られ、前記拡散板10で拡散され、前記スキャンゲートSGに導かれるのである。
このように、本発明によると、ラインセンサ6において最大感知波長から少し外れた波長の光線を発する発光ダイオード1を光源部に使用する場合でも、波長シフトフィルタTを用い、この波長シフトフィルタTのフィルタ面FSの角度を設定することにより、ラインセンサ6において最大感知波長となる光線を選択的に透過させることが可能となる。これにより、従来からのフィルムスキャナでは、光電変換部に使用するCCD型やCMOS型等の光電変換素子の分光感度に適合した波長となる発光ダイオードを用いることが必須であったものが、この分光感度から外れた発光ダイオード1の使用が可能となり、その結果、必要とする波長の光線を得るものでありながら、発光ダイオード1の歩留まりが高まり、良好なカラーバランスの画像データの取得が可能となり、また、フィルムスキャナのコスト低下が可能となるのである。
〔別実施の形態〕
本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い。
例えば、赤外光や赤色光のように波長が長い光線を多く含むハロゲンランプを用いてこれらの色相の光線を得ると共に、これより波長が短い緑色や青色の光源として発光ダイオードを用い、これらの発光ダイオードからの光線が透過する位置に波長シフトフィルタを配置しても良い。
フィルムスキャナの斜視図 光源ユニットの構成を示す斜視図 光源ユニットの縦断正面図 光源ユニットの縦断側面図 発光ダイオードの支持部を示す基板の断面図 制御系のブロック回路図 波長シフトフィルタと波長センサとの配置と傾斜状態の波長シフトフィルタを示す図
符号の説明
1 発光ダイオード
5 光学レンズ
6、7 光電変換素子
25 フィルタ材
26 支持部材
27 アクチュエータ
30 波長制御手段
35 参照データ
A 光源ユニット
D 光電変換ユニット
F 写真フィルム
T 波長シフトフィルタ
X 軸芯
FS フィルタ面
L1 光軸

Claims (3)

  1. 光源ユニットからの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズで光電変換ユニットに導き、この光電変換ユニットにおいて画像データとして取得するよう構成されているフィルムスキャナであって、
    前記光電変換ユニットが、少なくとも赤色光・緑色光・青色光の三原色に対応した複数の光電変換素子を備えて構成されると共に、前記光源ユニットが、前記光電変換素子に対応する少なくとも1つの色相で発光する複数の発光ダイオードを有する光源部を備えて構成され、
    フィルタ面に対する光線の入射角度に応じて最大透過波長をシフトする波長シフトフィルタを前記光源部に備え、前記発光ダイオードからの光線を送り出す光軸を基準にして前記フィルタ面の角度を設定する波長制御手段を備えているフィルムスキャナ。
  2. 前記波長シフトフィルタが、前記フィルタ面を有するフィルタ材と、前記光軸と直交する姿勢の軸芯周りで揺動自在に前記フィルタ材を支持する支持部と、前記フィルタ材を前記軸芯周りで揺動させてフィルタ材の姿勢を設定するアクチュエータとを備えて構成され、
    前記波長制御手段は、前記フィルタ材の前記角度と、この角度に対応する最大透過波長とを関連付ける参照データを備え、この波長制御手段は、前記光電変換ユニットの光電変換素子の最大感知波長と、前記シフト後の最大透過波長とを合致させる角度を前記参照データから抽出し、この角度を制御目標に設定して前記アクチュエータを制御するように構成されている請求項1記載のフィルムスキャナ。
  3. 前記波長シフトフィルタから送り出された光線の波長を計測する波長センサを備えると共に、前記波長制御手段は、前記波長センサでの計測結果に基づいて前記最大感知波長の光線が最大光量となる角度を求め、この角度を前記制御目標に代えてセットするプログラムを備えている請求項2記載のフィルムスキャナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102905050A (zh) * 2012-10-18 2013-01-30 卡莱泰克图像系统(苏州)有限公司 扫描仪光源模组

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