JP2005277879A - スキャナの光源ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 予め設定された波長の光線を効率的に得ることが可能なスキャナの光源を構成する。
【解決手段】 発光ダイオード1からの光線が送られる経路に分光センサSSを配置し、発光ダイオード1を支持する基盤Pの裏面側にペルチェ素子14と、フィンと、フィンに冷却風を送るファン16を備え、分光センサSSによって予め設定された目標波長の光線を得るためにペルチェ素子14とファン16とを制御する制御装置30を備えた。
【選択図】 図7

Description

本発明は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部のうちの少なくとも1つの光源部が複数の発光ダイオードを備えているスキャナの光源ユニットに関する。
上記のように構成された光源ユニットと関連する技術として特許文献1及び特許文献2に示されるものが存在する。特許文献1では、写真フィルムの画像を取得するCCDエリアセンサ型の光源部として、基板に多数のLED素子(本発明の発光ダイオード)を2次元的に配置したLED光源を備えており、基板の裏面側にペルチェ素子とサーミスタとを接触固定し、更に、ペルチェ素子に放熱フィンを備え、この放熱フィンを冷却するファンを備えている。そして、温度制御部が、サーミスタによって温度を検知してペルチェ素子とファンとを駆動することにより基板の温度を予め設定した温度に維持するものとなっている。
特許文献2では、デジタルフォトプリンタを構成するスキャナの光源としてLEDアレイ基板上にLED(本発明の発光ダイオード)を備えている。この基板においてLEDの取り付け面の反対側に温度センサを設け、この温度センサの測定結果は変動量補正部の変動量取得部に送られる。前記変動量補正部は、光源の分光強度分布の変動に応じて画像信号を補正するものであり、温度センサの測定結果から光線の分光強度分布の変動量、即ち、山形分布の波長シフト量と、発光強度の変動量とを求めて画像信号を補正するように機能する。つまり、雰囲気温度下における光源からの光線の分光強度の変動量との関係を予め記憶保持してあり、温度センサで測定される温度から分光強度の変動量を求めることによりスキャナで取得した画像の補正を行うよう構成したものである。
特開2001‐346002号公報 (段落番号〔0026〕〜〔0074〕、図5、図7、図8) 特開2001‐223861号公報 (段落番号〔0019〕〜〔0040〕、図1、図2)
カラーの写真フィルムの画像をスキャナによってデジタル化した画像データとして取得する処理を考えるに、この処理では光源からの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズによって光電変換部に結像させ、この光電変換部によって、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色に対応した画像データに変換し、この三原色に対応した3種の画像データを取得し、保存するようになっている。
写真フィルムの画像を取得するスキャナとしては、写真フィルムと光電変換部とを相対的に移動(副走査方向への移動)させながら、写真フィルムの幅方向(主走査方向)の領域を走査する形態でR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色の画像を同時に取得するものや、写真フィルムのコマの領域(2次元的な領域)を一度に撮影する形態で取得するもの、あるいは、R(赤)・G(緑)・B(青)の3種の光線を順次発光させ3度の発光によって画像を取得するもの等が提案されている。
このように写真フィルムの画像をデジタル信号化した画像データとして取得する際には、写真フィルムの画像を三原色に色分解を行うため、光電変換部は必然的にR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した特定の波長における感度(分光感度)が最大となる構造のものが使用される。従って、特許文献1、2に示されるように、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した発光ダイオードを使用することの有効性を見い出すことができる。
具体的には、スキャナに使用する光源として、光電変換部における三原色の最大感度となる波長における光量の発光ダイオードを使用することがエネルギーの無駄を無くし、効率的なスキャニングを実現するため、このような発光ダイオードの使用が考えられているのである。
しかしながら、光電変換部における分光感度に対応した波長の発光ダイオードを使用するものを考えた場合、この発光ダイオードの発光時における波長は温度に影響を受けるため画像データのカラーバランスを維持するためにも温度管理が重要となる。また、発光ダイオードは、その個体の性能のバラツキによって温度と波長との関係にもバラツキを生ずるため、従来は、予め設定した特性のものしか使用できず、しかも、予め設定した特性のものを使用した場合でも、温度と波長との関係は経時的に変化するものであるため、この不都合も解消する必要があった。
本発明の目的は、予め設定された波長の光線を効率的に得ることが可能なスキャナの光源を構成する点にある。
本発明の特徴は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部のうちの少なくとも1つの光源部が複数の発光ダイオードを備えているスキャナの光源ユニットにおいて、
前記3種の光源部を構成する前記複数の発光ダイオードからの光線の波長を計測する分光センサを備え、この分光センサによって予め設定された波長の光線を得るための発光ダイオードの温度又は発光ダイオードへの供給電力を制御する制御装置を備えている点にある。
この構成により、発光ダイオードからの光線の波長を分光センサで計測し、計測される波長が予め設定された値となるように制御装置が発光ダイオードの目標温度を設定する、又は、発光ダイオードへの供給電力を設定することになる。その結果、発光ダイオードから必要とする波長の光線を得て、効率的なスキャニングが可能となるばかりか、スキャニングを行った場合にもカラーバランスが良好な画像データを取得できるのである。特に、発光ダイオードは製造時に温度−波長特性のバラツキを生ずることも多いが、例えば、温度制御を行う構成を採用した場合には、製造時にバラツキを生じても、発光ダイオードを温度−波長特性が等しくなる複数のグループに分け、その何れかのグループに属する発光ダイオードを用いて光源部を構成することにより、必要とする波長の光線を得ることが可能となると云う効果も奏する。
本発明は、前記発光ダイオードを基板の表面に支持し、この基板の裏面側にペルチェ素子を接触状態で備え、このペルチェ素子に熱交換用のフィンを備えると共に、前記制御装置が前記ペルチェ素子を制御する温度制御手段を備えて構成しても良い。
この構成により、発光ダイオードの温度上昇を図る場合でも、温度低下を図る場合でもペルチェ素子に対する電力の通電方向の切り換えで済むものとなり、このように温度制御を行う際においてペルチェ素子の基板の反対側で吸熱を必要とする場合にも、放熱を必要とする場合でも、フィンを介して効率的な熱交換が可能となり、発光ダイオードの温度調節を迅速に行え、この温度制御により必要とする波長の光線を得る。
本発明は、前記制御装置が、前記発光ダイオードに供給する電力を目標電力値に維持する電力制御手段を備えて構成されても良い。
この構成により、発光ダイオードに供給する電力を電力制御手段で制御することにより必要とする波長の光線を得るものとなる。
本発明は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部の全てが複数の発光ダイオードを備えて構成され、これらの発光ダイオードからの光線を合流させて送り出す光路において、光軸から離間した位置に前記分光センサを配置しても良い。
前記発光ダイオードは点光源ではなく、面積を持ったものであるため、例えば集光レンズを用いる構造であっても、光路においては光軸から外れた方向に光線が送られるものであり、光軸から離れた位置に分光センサを備えることにより、光線を構成する三原色の光線の波長を分光センサで常時計測し、この計測結果に基づいて波長を維持する制御を実現できる。
本発明の特徴は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部のうちの少なくとも1つの光源部が複数の発光ダイオードを備えているスキャナの光源ユニットにおいて、
前記複数の発光ダイオードからの光線の波長を計測する分光センサを備え、この分光センサによって予め設定された波長の光線を得るための発光ダイオードの温度又は発光ダイオードへの供給電力を求める目標値設定手段を備え、この目標値設定手段で設定された目標温度又は目標電力を維持する制御装置を備えている点にある。
この構成により、分光センサで予め設定された波長を得るように目標値設定手段が発光ダイオードの目標温度(目標値)を設定する、又は、発光ダイオードへの供給電力(目標値)を設定し、このように設定された目標値を維持するように制御装置が制御を実行することになる。その結果、分光センサで波長を常時計測しなくとも、発光ダイオードから必要とする波長の光線を得て、効率的なスキャニングが可能となるばかりか、スキャニングを行った場合にもカラーバランスが良好な画像データを取得できるのである。特に、発光ダイオードは製造時に温度−波長特性のバラツキを生ずることも多いが、例えば、温度制御を行う構成を採用した場合には、製造時にバラツキを生じても、発光ダイオードを温度−波長特性が等しくなる複数のグループに分け、その何れかのグループに属する発光ダイオードを用いて光源部を構成することにより、必要とする波長の光線を得ることが可能となると云う効果も奏する。
本発明は、前記複数の発光ダイオードが基板の表面側に支持され、この基板の表面側に温度センサを備え、この基板の裏面側に接する状態で、この基板の温度を調節する温度調節機構を備えると共に、
前記目標値設定手段は、前記発光ダイオードの目標温度を設定し、前記制御装置は、前記温度センサの計測値を目標温度に維持するため前記温度調節機構を制御する温度制御手段を備えて構成しても良い。
この構成により、複数の発光ダイオードを備えているものでありながら、温度センサの配置によって発光ダイオードの温度を精度良く計測し、この計測結果に基づいて温度制御手段が温度調節機構を制御することにより基板を介して複数の発光ダイオードを目標温度に維持できるものとなる。
本発明は、前記温度調節機構が、前記基板の裏面側に接触するペルチェ素子と、このペルチェ素子において前記基板の反対側に配置された熱交換用のフィンとで構成しても良い。
この構成により、発光ダイオードの温度上昇を図る場合でも、温度低下を図る場合でもペルチェ素子に対する電力の通電方向の切り換えで済むものとなり、このように温度調節を行う際においてペルチェ素子の基板の反対側で吸熱を必要とする場合にも、放熱を必要とする場合でも、フィンを介して効率的な熱交換が可能となり、発光ダイオードの温度調節を迅速に行える。
本発明は、前記複数の発光ダイオードに供給される電力を計測する電力計測器を備え、複数の発光ダイオードに供給する電力を調節する電力調節機構を備えると共に、
前記目標値設定手段は、前記発光ダイオードの目標電力を設定し、前記制御装置は、前記電力計測器の計測値を目標電力に維持するよう前記電力調節機構を制御する電力制御手段を備えて構成しても良い。
この構成により、目標値設定手段が、分光センサで計測される波長が予め設定された値となるように発光ダイオードに供給する電力を目標電力に設定し、この目標電力を計測手段で計測するように電力制御手段が電力調節機構を制御するものとなる。
本発明は、前記分光センサが、前記発光ダイオードからの光線が送られる光路中の計測位置と、この経路から離間した退避位置とに切り換え自在に構成され、前記目標値設定手段は予め設定された期間毎に前記分光センサを計測位置に設定して目標値を取得し、その目標値を記憶手段に記憶するように構成しても良い。
発光ダイオードの温度−波長特性や電力に対する波長の特性は経時的に変化するものであるが、この経時的な変化は僅かであるため、分光センサによる波長の計測は頻繁に行う必要はない。従って、予め設定された期間毎に分光センサを計測位置にセットして光源の波長を計測して目標値を記憶手段に記憶することによって経時変化に充分に対応して必要とする波長の光線を得るものとなり、分光センサを待避位置にセットすることによって、この分光センサがスキャニング時に光線を遮ることもない。
本発明は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部の全てが複数の発光ダイオードを備えて構成され、これらの発光ダイオードからの光線を合流させて送り出す光路が形成され、前記分光センサで発光ダイオードの波長を計測する際には、前記分光センサを計測位置に設定した状態で、3種の発光ダイオードを独立して順次発光させることにより、3種の発光ダイオード夫々における目標値を取得するように構成しても良い。
この構成により、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の全ての光源部が発光ダイオードで構成されているものでも、夫々の光源部からの光線について、1つの分光センサで波長を計測して目標値を設定することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
図1に示すように、光源ユニットA、フィルムキャリアB、レンズユニットC、光電変換部としての光電変換ユニットDを備えて写真フィルムFの画像情報をデジタル信号化して取り込むフィルムスキャナが構成されている。
このフィルムスキャナは、現像済みの写真フィルムFのサイズ(135サイズ、240サイズ、120・220サイズ等)に対応したフィルムキャリアBを装着自在に構成されると共に、光源ユニットAからの光線をフィルムキャリアBに支持された写真フィルムFに照射する照明光学系と、写真フィルムFを透過した光線をレンズユニットCから前記光電変換ユニットDに導く結像光学系とを備えている。結像光学系としてのレンズユニットCは、写真フィルムFの主走査方向に沿う領域からの可視光画像を光電変換ユニットDに内蔵したCCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサの光電変換面に結像させると同時に、写真フィルムFの主走査方向に沿う領域からの赤外光画像を光電変換ユニットDに内蔵した赤外光(IR)用のCCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサの光電変換面に結像させるよう機能するものであり、前記光電変換ユニットDは、写真フィルムFの可視光画像をR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応したデジタル信号化した画像データ(可視光データ)として取得すると同時に、写真フィルムFのゴミや傷に起因する赤外光画像をゴミや傷に対応する欠陥データ(赤外光データ)として取得するよう構成されている。
前記光源ユニットAは、図2〜図4に示すように、前記三原色及び赤外光を送り出すよう、多数の発光ダイオード1を基板P(後述する第1、第2、第3基板P1、P2、P3の3つの基板の総称)において主走査方向に直線状に配置した光源部としての発光ダイオードアレイLED(後述する発光ダイオードアレイG−LED、B−LED、R・IR−LEDの3種の発光ダイオードアレイの総称)を具備し、この発光ダイオードアレイLEDからの光線を合流させ白色光線として上方に向けて送り出すよう構成されている。前記フィルムキャリアユニットBは、長手方向を主走査方向に沿う姿勢に設定したスリット状のスキャンゲートSGが形成されたケース20を備えると共に、写真フィルムFを長手方向(副走査方向)に往復搬送させる複数の圧着型の搬送ローラ21と、下面側の集光レンズ22とを備えて構成されている。
前記レンズユニットCは、フィルムキャリアBに支持された写真フィルムFの画像を前記光電変換ユニットDに内蔵した前記CCDラインセンサ6の光電変換面に対して任意の拡大率で結像させるようズーム型の光学レンズ5を備えている。前記光電変換ユニットDは、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した3ライン型のCCDラインセンサ6と赤外光(IR)を感知する1ライン型のCCDラインセンサ7とを内蔵すると共に、前記光学レンズ5からの可視光を透過させ、赤外光を反射させるダイクロイック型のスプリッター8を内蔵している。
スキャニングを行う際には、光学レンズ5による拡大率(主走査方向での画素数)が設定されると同時に、フィルムキャリアBでの写真フィルムFの搬送速度(副走査方向での画素数)が設定され、この設定の後に、写真フィルムFに対して光線を照射する状態で、前記搬送ローラ21を駆動することにより写真フィルムFを設定された速度で搬送し、この搬送速度と同期したタイミングで光電変換ユニットDのCCDラインセンサ6、7において主走査方向に沿うライン状の画像情報を取り込む処理が行われる。この処理が行われることにより、写真フィルムFのコマに対応する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の2次元の画像データを得ると同時に、写真フィルムFのコマに対応する赤外光(IR)の2次元画像データの構造を有する欠陥データを得るものとなる。この欠陥データを生成した後には、欠陥データに基づき、画像データにおける傷や塵埃等の欠陥位置が特定され、この欠陥位置の画像データに対して、輝度調整処理や、ニアレストネイバー法、バイリニア法、バイキュービック法等による補間処理を行うことにより、画像データの欠陥部分の修復が可能となる。
前記照明光学系は、前記発光ダイオードアレイLEDからの光線を合流させて上方に送り出す合流光学系と、この合流光学系からの光線を拡散させるよう前記光源ユニットAに内蔵された拡散板10とで構成されている。
具体的に説明すると、前記光源ユニットAは樹脂成形品で成る上壁部11と、アルミニウム合金で成る側壁部12と、同じくアルミニウム合金で成る底壁部13とでケース状に形成されている。また、上壁部11の内部には、その表面側に前記発光ダイオードアレイLEDを形成した第1基板P1と、第2基板P2と、第3基板P3とを支持してあり、これら、第1基板P1、第2基板P2、第3基板P3の裏面側にペルチェ素子14を備え、更に、このペルチェ素子14における基板Pと反対側にアルミニウム製のフィン15を備えている。この光源ユニットAの側壁部12には、3つのフィン15に対して独立して冷却風を送る一対の電動型のファン16を備えている。尚、光源ユニットAの内部にはファン16からの冷却風をフィンに15に導くための導風体17を備えており、前記ペルチェ素子14とフィン15とファン16とで温度調節機構が構成されている。
前記第1基板P1にチップ状の多数の緑色の発光ダイオード1を主走査方向に直線状に配置して成る緑色の発光ダイオードアレイG−LEDを備え、第2基板P2にチップ状の多数の青色の発光ダイオード1を主走査方向に直線状に配置して成る青色の発光ダイオードアレイB−LEDを備え、第3基板P3にチップ状の多数の第1、第2赤色の発光ダイオード1と、チップ状の多数の赤外光の発光ダイオード1とを交互に主走査方向に配置した赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDを備えている。夫々の発光ダイオードアレイLEDに対応する位置に、夫々の発光ダイオードアレイからの光線を平行光線化するよう、夫々の発光ダイオード1に焦点位置を設定した平行化レンズ18を備え、これらの平行化レンズ18を介して送り出された光線を合流させるダイクロイック型のミラーM(後述する第1ミラーM1、第2ミラーM2の総称)を備えている。
つまり、緑色の発光ダイオードアレイG−LEDからの光線を上方に送る縦向き姿勢の第1光軸L1上に前記平行化レンズ18と、第1ミラーM1とを配置し、青色の発光ダイオードアレイB−LEDからの光線を上方に送る縦向き姿勢の第2光軸L2上に前記平行化レンズ18とを配置し、赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDからの光線を水平方向に送る横向き姿勢の第3光軸L3上に前記平行化レンズ18と、第2ミラーM2とを配置している。
前記第1、第2、第3光軸L1、L2、L3は、夫々の発光ダイオードアレイLEDの形成方向(主走査方向)での中央位置で、かつ、前記基板Pに垂直となる仮想直線として設定されたものであり、第1光軸L1の延長上方に前記集光レンズ22とスキャンゲートSGが配置され、前記第2光軸L2は前記第2ミラーM2において前記第3光軸L3と合流する位置に配置されている。また、第1軸L1に沿って形成される光路の内壁面に対して分光センサSSを備えている。この分光センサSSは光軸L1に沿って上方に送られる光線を構成する3種の波長の光線の最大光量の波長を計測する性能のものである。因みに、この分光センサSSは、前記散光板10からの反射光を受けるように構成されているが、光軸L1から離間する方向に向かう光線を受けるように構成しても良い。
前記青色の発光ダイオード1の波長は400〜480nm、緑色の発光ダイオード1の波長は520〜560nm、赤色の発光ダイオード1の波長は620〜750nm、赤外光の発光ダイオード1の波長は830〜950nmのものが使用されている。前記第1ミラーM1は緑色の発光ダイオード1からの光線(520〜560nm)を透過し、これ以外の光線を反射する性能のものであり、前記第2ミラーM2は赤色光と赤外光の発光ダイオード1からの波長(620〜750nm及び830〜950nm)の光線を透過し、青色の発光ダイオード1からの波長(400〜480nm)の光線を反射する性能のものを使用している。
このような構造から、前記緑色の発光ダイオードアレイG−LEDから第1光軸L1に沿って送り出される光線は、平行化レンズ18で平行光線化した状態で第1ミラーM1を透過して第1光軸L1に沿って上方に送られ、前記青色の発光ダイオードアレイB−LEDから第2光軸L2に沿って送り出される光線は、平行化レンズ18で平行光線化した後に第2ミラーM2で反射して第3光軸L3と合流し、赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDから第3光軸L3に沿って送り出される光線は、平行化レンズ18で平行光線化した状態で第2ミラーM2を透過するものとなり、このように第3光軸L3に沿って送られる青色の発光ダイオードアレイB−LEDからの光線と、赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDからの光線とは第1ミラーM1で反射され、第1光軸L1に沿って上方に送られる結果、この第1光軸L1では、緑色の光線、青色の光線、赤色の光線(赤外線を含む)が合流した白色の光線が送られ、前記拡散板10で拡散されるのである。
緑色の発光ダイオードアレイG−LEDを備えた部位を例に挙げて基板Pの詳細を説明すると、図5に示すように、熱伝導率が高いアルミニウム製の基材の表面にセラミック材料等の絶縁層を形成した積層構造の基板Pの絶縁層の表面に対して、前述したチップ状の発光ダイオード1を主走査方向に沿って直線状にダイボンディングにより固定している。また、この基板Pにおいて前記発光ダイオード1の近傍位置に対して矩形の枠体2、反射体3夫々を発光ダイオードアレイLEDの形成方向(主走査方向)と並行する姿勢で固定し、チップ状の発光ダイオード1と、基板Pに形成したプリント配線部Paとをボンディングワイヤ4で結線することにより、プリント配線部Paからの電力により発光ダイオード1を発光させ得るものにしている。
前記枠体2と反射体3とは耐熱性に優れた液晶性ポリマーによって一体形成されたものであり、前記反射体3は、発光ダイオード1と対向する側に対して傾斜姿勢の反射面3aを備えている。
前記拡散板10は、主走査方向での長さが、前記発光ダイオードアレイLEDの主走査方向の長さより充分に長く、副走査方向での幅が、前記平行化レンズ18の副走査方向での幅より充分に大きい幅に形成されたサイズのビーム整形ディフューザ(LSD)が使用されている。この拡散板10は、図6に示すように、平坦な板状の樹脂製の素材の表面に微細な突出部10aを多数形成した拡散面を備えており、素材の表面に対して直交する姿勢の軸Xに沿って入射した光線を設定された角度θとなる範囲に拡散させる機能を有するものである。この拡散板10では、同図に示す如く入射した光線を拡散させる角度θとして30〜40度程度の性能のもの(軸Xを中心として頂点の角度θが30〜40度程度となる円錐形に拡散する性能のもの)を使用している。
図7に示すように、フィルムスキャナの制御系が構成されている。この制御系では第1基板P1と、第2基板P2と、第3基板P3との夫々に対して独立した制御を実現するものであるが、同図においては1つの基板Pに対する制御系の構成要素を示している。
つまり、マイクロプロセッサを備えた制御装置30に対して前記分光センサSSからの計測信号が入力する入力系が形成されると共に、制御装置30から複数の発光ダイオード1で構成される発光ダイオードアレイLED、ペルチェ素子14、一対のファン16夫々に対してPWM式に電力を制御するドライバ27を介して電力を供給する出力系が形成されている。尚、分光センサSSは3つの基板Pの温度制御に兼用されている。
制御装置30は前記入力系からの信号の入力を許し、前記出力系に対する信号の出力を許すインタフェース31(I/O)を備えると共に、半導体メモリRAM/ROMを備え、また、発光ダイオード1への供給電力を制御する光量制御手段32と、発光ダイオードアレイLEDを構成する複数の発光ダイオード1の温度を制御する温度制御手段33と、前記分光センサSSからの計測信号からR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応する光線の最大光量となる波長を抽出する波長解析手段34とを備えている。
前記光量制御手段32と、温度制御手段33と、波長解析手段34とはソフトウエアで構成されているが、これらをソフトウエアとハードウエアとの組み合わせで構成することや、ハードウエアで構成することも可能である。また、光量制御手段32は前記発光ダイオードアレイLEDを構成する複数の発光ダイオード1に対して予め設定された電力を供給する単純な制御を行う処理を実行する。
この制御装置30では、発光ダイオード1からの光線の波長を目標値に維持するための制御プログラム(前記温度制御手段33と波長解析手段34とで構成されている)での処理の概要を図8のフローチャートのように示すことが可能である。つまり、イニシャライズ(初期設定)において目標波長λxをセットし、分光センサSSからの計測信号を取得し、この計測信号から最大光量となる計測波長λsを抽出する(#101〜#103ステップ)。#103ステップでは、三原色を構成する3種の光線のうち制御対象とする波長領域の光線から最大光量となる波長λsを抽出する処理であり、このフローチャートでは1つの波長のみを抽出しているが、現実の制御時には三原色を構成する3種の光線の全てについて最大光量となる波長λsが抽出される。
また、前記目標波長λxは、R(赤)・G(緑)・B(青)三原色に対応して3種設定されるものであり、この3種の目標波長λxは、前記CCDラインセンサ6においてR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色について最も感度が高い波長と一致する波長に設定されている。
次に、計測波長λsと、目標波長λxとに基づいて、計測波長λsが目標波長λxに一致する方向への温度制御を実行し、この制御をフィルムスキャナの稼動が終了するまで継続して行われる(#104、#105ステップ)。つまり、#04ステップでは目標波長λxに数値dを与えて不感帯を設定した状態において、計測波長λsが目標波長λxより短い場合〔(λx−d)≧λs〕には前記ペルチェ素子14に通電して発光ダイオード1を加熱し、計測波長λsが目標波長λxより長い場合〔(λx+d)≦λs〕には前記ペルチェ素子14に対して逆方向に通電し、かつ、ファン16を駆動して発光ダイオード1の放熱を行い、これ以外の場合には〔(λx−d)≦λs≦(λx+d)〕、制御を加熱も放熱も行わないよう処理形態が設定されているが、厳密には、PID制御により加熱時においてペルチェ素子14に供給する電力を制御し、放熱時においてペルチェ素子14に逆方向に供給する電力を制御し、ファン16を駆動する電力を制御している。
前記発光ダイオード1の温度−波長特性を示すグラフを図9のように示すことが可能であり、このグラフから明らかなようにR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色を構成する発光ダイオード1は、温度上昇に伴って波長が長くなる傾向がある。このような理由から、より長い波長の光線を必要とする場合には加熱し、より短い波長の光線を必要とする場合には放熱しているのである。
このように、第1の実施形態のフィルムスキャナでは、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色の発光ダイオード1から予め設定された波長の光線を得るための目標波長λxを設定し、光線の波長を常時計測できる位置に配置した分光センサSSの計測信号に基づいて分光センサSSで計測される計測波長λsが目標波長λxと一致する方向に温度制御を行うことによって、必要とする波長の光線を得るものとなる。そして、このように必要とする波長の光線を得ることから、効率的なスキャニングが可能となり、スキャニングを行った場合にも、カラーバランスが良好な画像データを取得できるものとなっている。
また、発光ダイオード1の製造時には温度−波長特性にバラツキを生ずることがあり、このようにバラツキを生じた場合には、発光ダイオード1を同じ温度−波長特性を持つ複数のグループに分類しておき、複数の発光ダイオード1を用いて前記発光ダイオードアレイLEDを形成する場合には、同じグループの発光ダイオード1を用い、本発明の制御系を備えることにより、特性にバラツキがある発光ダイオード1から必要とする波長(目標波長λx)の光線を得て無駄なく使用できると云う良好な面も現れる。
〔第2の実施形態〕
この第2の実施形態では前記第1の実施形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している。
この第2の実施形態では、ハードウエアは第1の実施の形態と基本的に変わるところがない。この制御を行う上でペルチェ素子14、フィン15、ファン16は不要であるが、発光ダイオード1の温度管理を行うために備えても良い。また、この第2の実施形態では、図10のように制御系を構成することが可能である。
つまり、マイクロプロセッサを備えた制御装置30に対して前記分光センサSSからの計測信号が入力する入力系が形成されると共に、制御装置30から複数の発光ダイオード1で構成される発光ダイオードアレイLEDに対してPWM式に電力を制御するドライバ27を介して電力を供給する出力系が形成されている。
制御装置30は前記入力系からの信号の入力を許し、前記出力系に対する信号の出力を許すインタフェース31(I/O)を備えると共に、半導体メモリRAM/ROMを備え、また、発光ダイオード1への供給電力を制御する電力制御手段41と、前記分光センサSSからの計測信号からR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応する光線の最大光量となる波長を抽出する波長解析手段34とを備えている。
前記電力制御手段41と、波長解析手段34とはソフトウエアで構成されているが、これらをソフトウエアとハードウエアとの組み合わせで構成することや、ハードウエアで構成することも可能である。
この制御装置30では、発光ダイオード1からの光線の波長を目標値に維持するための制御プログラム(前記電力制御手段41と波長解析手段34とで構成されている)での処理が実行されるものであるが、この制御は分光センサSSからの計測波長を取得し、この計測波長が目標波長と一致するように発光ダイオード1に供給する電力をコントロールする点に特徴を有し、このように目的波長を得るためにコントロールするものが、制御形態は電力である点を除いて前記第1の実施形態において図8に示したものと基本的に同じであるので図面には示していない。
また、発光ダイオード1に供給する電力の制御によって、目標波長となる光線を得ることが可能となる理由は第1の実施形態において温度−波長特性を示すグラフに基づいて説明したように、温度変化に対応して波長が変化する現象を利用したものであり、電力の供給によって発光ダイオード1の内部に生ずる熱を制御し、必要とする波長の光線を得ているのである。
このように、第2の実施形態ではこのフィルムスキャナでは、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色の発光ダイオード1から予め設定された波長の光線を得るための目標波長を設定し、光線の波長を常時計測できる位置に配置した分光センサSSの計測信号に基づいて、この分光センサSSで計測される計測波長が目標波長と一致する方向に電力制御を行うことによって、必要とする波長の光線を得るものとなる。そして、このように必要とする波長の光線を得ることから、効率的なスキャニングが可能となり、スキャニングを行った場合にも、カラーバランスが良好な画像データを取得できるものとなっている。
〔第3の実施形態〕
この第3の実施形態では前記第1の実施形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している。
この第3の実施形態では、ハードウエアは第1の実施の形態の分光センサSSによる光線の計測形態、及び、発光ダイオード1を支持する基板Pに温度センサSTを備えた点を除いて基本的に変わるところがない。具体的に説明すると、図11及び図12(a)、(b)に示すように、分光センサSSは、出退アーム45の先端に支持され、この出退アーム45にクランクアーム46を連結し、このクランクアーム46を操作する出退モータ47を備えて出退作動ユニットUを構成している。また、図14に示すように、複数の発光ダイオード1の形成方向(主走査方向)の中央位置の基板Pの表面にはサーミスタ等で成る温度センサSTを備えている。
このような構成から、分光センサSSを突出させて計測位置にセットすることにより、光軸L1に沿って送られる光線の波長を計測することが可能となり、この分光センサSSを退避位置にセットすることにより、光源からの光線を遮ることがない。また、複数の発光ダイオード1の形成方向での中央位置に温度センサSTを備えることによって、発光ダイオード1の温度を精度良く計測できるものにしている。
図13に示すように、フィルムスキャナの制御系が構成されている。この制御装置は第1基板P1と、第2基板P2と、第3基板P3夫々に対して独立した制御を実現するものであるが、同図においては1つの基板Pに対する制御系の構成要素を示している。
つまり、マイクロプロセッサを備えた制御装置30に対して、分光センサSSからの計測信号が入力する信号系、前記温度センサSTからの計測信号がA/D変換器25を介して入力する入力系が形成されると共に、制御装置30から前記作動ユニットUに対して制御信号を出力する信号系、複数の発光ダイオード1で構成される発光ダイオードアレイLED、ペルチェ素子14、一対のファン16夫々に対してPWM式に電力を制御するドライバ27を介して電力を供給する出力系が形成されている。
制御装置30は前記入力系からの信号の入力を許し、前記出力系に対する信号の出力を許すインタフェース31(I/O)を備えると共に、半導体メモリRAM/ROM及びEEPROMを備え、また、発光ダイオード1への供給電力を制御する光量制御手段32と、発光ダイオードアレイLEDを構成する複数の発光ダイオード1の温度を制御する温度制御手段33と、前記分光センサSSからの計測信号からR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応する光線の最大光量となる波長を抽出する波長解析手段34と、前記温度制御手段33での制御時における目標温度を設定する目標温度設定手段35(目標値設定手段の一例)とを備えている。
前記光量制御手段32と、温度制御手段33と、波長解析手段34と、目標温度設定手段35とはソフトウエアで構成されているが、これらをソフトウエアとハードウエアとの組み合わせで構成することや、ハードウエアで構成することも可能である。また、光量制御手段32は前記発光ダイオードアレイLEDを構成する複数の発光ダイオード1に対して予め設定された電力を供給する単純な制御を行う処理を実行する。
この制御装置30では、発光ダイオード1からの光線の波長を目標値に維持するための制御プログラム(前記温度制御手段33と波長解析手段34と目標温度設定手段35とで構成されている)での処理の概要を図15の目標温度設定ルーチンと、図16の波長制御とのフローチャートのように示すことが可能である。つまり、目標温度設定ルーチンでは、イニシャライズ(初期設定)において、目標波長λxをセットし、分光センサSSを計測位置にセットした状態において、ペルチェ素子14に対する通電によって基板Pの昇温を図り、この昇温時に分光センサSSでの計測波長λsと、温度センサSTでの計測値Tsとを同時にサンプリングする(#201〜#203ステップ)。
次に、サンプリングした計測波長λsが目標波長λxと一致したタイミングにおける計測値Tsを目標温度Txに設定し、この目標温度Txを目標温度保存手段としてのEEPROMに保存し、昇温を停止し、分光センサSSを退避位置にセットして処理を終了する(#204〜#205ステップ)。
このように目標温度Txが保存された後には、温度制御を実行する。つまり、イニシャライズ(初期設定)において、目標温度Txをセットし、温度センサSTで基板Pの温度、即ち、計測温度Tsのフィードバックを行いながら温度制御を実行し、この制御をスキャナの稼働が終了するまで継続するのである(#301〜#304ステップ)。この温度制御では、#303ステップにおいては、計測温度Tsが目標温度Txより低温である場合〔(Tx−d)≧Ts〕には前記ペルチェ素子14に通電して発光ダイオード1を加熱し、計測温度Tsが目標波長Txより高温場合〔(λx+d)≦λs〕には発光ダイオード1の前記ペルチェ素子14に対して逆方向に通電し、かつ、ファン16を駆動して放熱を行い、これ以外の場合には制御を加熱も放熱も行わないよう処理形態が設定されているが、厳密には、PID制御により加熱時においてペルチェ素子14に供給する電力を制御し、放熱時においてペルチェ素子14に逆方向に供給する電力を制御し、ファン16を駆動する電力を制御している。
このように、第3の実施形態のフィルムスキャナでは、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色の発光ダイオード1から目標波長λxを得るための基板Pの温度を目標温度Txとして保存しておき、基板Pが目標温度Txに維持されるよう、比較的単純な温度制御を行うだけで夫々の発光ダイオード1から必要とする波長の光線を得ることが可能となる。そして、このように必要とする波長の光線を得ることから、効率的なスキャニングが可能となり、スキャニングを行った場合にもカラーバランスが良好な画像データを取得できるのである。特に、発光ダイオード1の温度−波長特性は短時間に変化するものではないので、例えば、1000時間に1度程度目標温度設定ルーチンを実行するだけで、その発光ダイオード1の経時変化に適応した制御によって必要とする波長の光線を得ることになるのである。
また、発光ダイオード1の製造時には温度−波長特性にバラツキを生ずることがあり、このようにバラツキを生じた場合には、発光ダイオードを同じ温度−波長特性を持つ複数のグループに分類しておき、複数の発光ダイオード1を用いて前記発光ダイオードアレイLEDを形成する場合には、同じグループの発光ダイオード1を用い、本発明の制御系を備えることにより、特性にバラツキがある発光ダイオード1から必要とする波長(目標波長λx)の光線を得て無駄なく使用できると云う良好な面も現れる。
〔第4の実施形態〕
この第4の実施形態では前記第1の実施形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している。
この第4の実施形態では、ハードウエアは第3の実施の形態と基本的に変わるところがない。この制御を行う上でペルチェ素子14、フィン15、ファン16は不要であるが、発光ダイオード1の温度管理を行うために備えても良い。また、この第4の実施形態では、図17のように制御系を構成することが可能である。
つまり、マイクロプロセッサを備えた制御装置30に対して前記分光センサSSからの計測信号が入力する入力系が形成されると共に、制御装置30から前記作動ユニットUに対して制御信号を出力する信号系、複数の発光ダイオード1で構成される発光ダイオードアレイLEDに対してPWM式に電力を制御するドライバ27を介して電力を供給する出力系、及び、この発光ダイオードLEDに供給される電力を計測する電力センサ28(電力計測器の一例)を介装し、この電力センサ28から制御装置30に計測結果をフィードバックする信号系が形成されている。
制御装置30は前記入力系からの信号の入力を許し、前記出力系に対する信号の出力を許すインタフェース31(I/O)を備えると共に、半導体メモリRAM/ROMを備え、また、発光ダイオード1への供給電力を制御する電力制御手段41と、前記分光センサSSからの計測信号からR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応する光線の最大光量となる波長を抽出する波長解析手段34と、目標電力設定手段42(目標値設定手段の一例)とを備えている。
前記電力制御手段41と、波長解析手段34と、目標電力設定手段42とはソフトウエアで構成されているが、これらをソフトウエアとハードウエアとの組み合わせで構成することや、ハードウエアで構成することも可能である。
この制御装置30では、発光ダイオード1からの光線の波長を目標値に維持するための制御プログラム(前記電力制御手段41と波長解析手段34と目標電力設定手段42とで構成されている)での処理の概要を第3の実施の形態で説明した図15の目標温度設定ルーチンと、図16の波長制御とのフローチャートと同様の処理を行うように構成されている。
つまり、目標温度設定ルーチンでは、目標波長の波長の光線を得るために発光ダイオード1に供給した電力を前記電力センサ28からの信号から求め、この電力値を目標電力に設定する。波長制御では、電力センサ28からの信号のフィードバックしながら発光ダイオード1に対して目標電力を供給する制御を行う点において相違するものであるが、基本的な制御形態は第3の実施形態と異なるものではないので、図面には示していない。
また、発光ダイオード1に供給する電力の制御によって、目標波長となる光線を得ることが可能となる理由は第1の実施形態において図9の温度−波長特性を示すグラフに基づいて説明したように、温度変化に対応して波長が変化する現象を利用したものであり、電力の供給によって発光ダイオード1の内部に生ずる熱を制御し、必要とする波長の光線を得ているのである。
このように、第4の実施形態のフィルムスキャナでは、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色の発光ダイオード1から目標波長λxを得るための目標電力として保存しておき、発光ダイオード1に供給される電力が目標電力に維持されるよう、比較的単純な制御を行うだけで、夫々の発光ダイオード1から必要とする波長の光線を得ることが可能となる。そして、このように必要とする波長の光線を得ることから、効率的なスキャニングが可能となり、スキャニングを行った場合にも、カラーバランスが良好な画像データを取得できるのである。特に、発光ダイオード1の温度−波長特性は短時間に変化するものではないので、例えば、1000時間に1度程度目標温度設定ルーチンを実行するだけで、その発光ダイオード1に適応した制御によって必要とする波長の光線を得ることになるのである。
〔別実施の形態〕
本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い。
(イ)分光センサを光電変換ユニットDの内部に備えることにより、光学レンズ5を通過した光線について波長を計測するように構成する。このように構成した場合には、光学レンズ5による光線の吸収や反射を考慮して最良のカラーバランスを設定することも可能となる。
(ロ)温度調節機構として、ジュール熱を発する構造の電気ヒータと、放熱を行うファンとを組み合わせても良い。このように構成した場合には、ペルチェ素子を用いるものと比較してコストの低減が可能となる。
(ハ)複数の発光ダイオードを2次元的に配列して光源部を構成する。このように構成した場合には、光電変換部に2次元型のCCD等を用いて写真フィルムを移動させずに画像データを取得することが可能となる。
第1の実施形態のフィルムスキャナの斜視図 第1の実施形態のフィルムスキャナの光学系の斜視図 第1の実施形態の光源ユニット部の縦断正面図 第1の実施形態の光源ユニットの縦断側面図 第1の実施形態の発光ダイオードの支持構造を示す断面図 第1の実施形態の散光板の拡大断面図 第1の実施形態の制御系のブロック回路図 第1の実施形態の波長制御のフローチャート 第1の実施形態の発光ダイオードの温度−波長特性を示すグラフ 第2の実施形態の制御系のブロック回路図 第3の実施形態の光源ユニット部の縦断正面図 第3の実施形態の分光センサの出退構造を示す断面図 第3の実施形態の制御系のブロック回路図 第3の実施形態の温度センサの配置を示す平面図 第3の実施形態の目標温度設定ルーチンのフローチャート 第3の実施形態の波長制御のフローチャート 第4の実施形態の制御系のブロック回路図
符号の説明
1 発光ダイオード
14 ペルチェ素子
15 フィン
28 電力計測器
30 制御装置
35 目標値設定手段(目標温度設定手段)
41 電力制御手段
42 目標値設定手段(目標電力設定手段)
L1 光軸
SS 分光センサ
LED 光源部

Claims (10)

  1. R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部のうちの少なくとも1つの光源部が複数の発光ダイオードを備えているスキャナの光源ユニットであって、
    前記3種の光源部を構成する前記複数の発光ダイオードからの光線の波長を計測する分光センサを備え、この分光センサによって予め設定された波長の光線を得るための発光ダイオードの温度又は発光ダイオードへの供給電力を制御する制御装置を備えているスキャナの光源ユニット。
  2. 前記発光ダイオードを基板の表面に支持し、この基板の裏面側にペルチェ素子を接触状態で備え、このペルチェ素子に熱交換用のフィンを備えると共に、前記制御装置が前記ペルチェ素子を制御する温度制御手段を備えて構成されている請求項1記載のスキャナの光源ユニット。
  3. 前記制御装置が、前記発光ダイオードに供給する電力を目標電力値に維持する電力制御手段を備えて構成されている請求項1記載のスキャナの光源ユニット。
  4. R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部の全てが複数の発光ダイオードを備えて構成され、これらの発光ダイオードからの光線を合流させて送り出す光路において、光軸から離間した位置に前記分光センサを配置している請求項1〜3のいずれか1項に記載のスキャナの光源ユニット。
  5. R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部のうちの少なくとも1つの光源部が複数の発光ダイオードを備えているスキャナの光源ユニットであって、
    前記複数の発光ダイオードからの光線の波長を計測する分光センサを備え、この分光センサによって予め設定された波長の光線を得るための発光ダイオードの温度又は発光ダイオードへの供給電力を求める目標値設定手段を備え、この目標値設定手段で設定された目標温度又は目標電力を維持する制御装置を備えているスキャナの光源ユニット。
  6. 前記複数の発光ダイオードが基板の表面側に支持され、この基板の表面側に温度センサを備え、この基板の裏面側に接する状態で、この基板の温度を調節する温度調節機構を備えると共に、
    前記目標値設定手段は、前記発光ダイオードの目標温度を設定し、前記制御装置は、前記温度センサの計測値を目標温度に維持するため前記温度調節機構を制御する温度制御手段を備えて構成されている請求項5記載のスキャナの光源ユニット。
  7. 前記温度調節機構が、前記基板の裏面側に接触するペルチェ素子と、このペルチェ素子において前記基板の反対側に配置された熱交換用のフィンとで構成されている請求項6記載のスキャナの光源ユニット。
  8. 前記複数の発光ダイオードに供給される電力を計測する電力計測器を備え、複数の発光ダイオードに供給する電力を調節する電力調節機構を備えると共に、
    前記目標値設定手段は、前記発光ダイオードの目標電力を設定し、前記制御装置は、前記電力計測器の計測値を目標電力に維持するよう前記電力調節機構を制御する電力制御手段を備えて構成されている請求項5記載のスキャナの光源ユニット。
  9. 前記分光センサが、前記発光ダイオードからの光線が送られる光路中の計測位置と、この経路から離間した退避位置とに切り換え自在に構成され、前記目標値設定手段は予め設定された期間毎に前記分光センサを計測位置に設定して目標値を取得し、その目標値を記憶手段に記憶するように構成されている請求項5〜8のいずれか1項に記載のスキャナの光源ユニット。
  10. R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部の全てが複数の発光ダイオードを備えて構成され、これらの発光ダイオードからの光線を合流させて送り出す光路が形成され、前記分光センサで発光ダイオードの波長を計測する際には、前記分光センサを計測位置に設定した状態で、3種の発光ダイオードを独立して順次発光させることにより、3種の発光ダイオード夫々における目標値を取得するように構成されている請求項5〜8のいずれか1項に記載のスキャナの光源ユニット。
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