JP2006094327A - フィルムスキャナ及びフィルムスキャナのシェーディング補正方法 - Google Patents

フィルムスキャナ及びフィルムスキャナのシェーディング補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィルムスキャナにおけるシェーディング補正に使用する補正データとして、真フイルムの特性を反映させる。
【解決手段】 フィルムキャリアに写真フィルムをセットし、光源ユニットAからの光線を写真フィルムに照射した状態でキャニングを行う際に、コマ領域の画像データと、コマ領域外の光量データとを光電変換ユニットDにおいて取得し、補正データ取得手段74がコマ領域外における複数の光量データを平均化して補正データを生成し、この補正データに基づいてシェーディング補正手段73が画像データのシェーディング補正を行う。
【選択図】 図7

Description

本発明は、光源ユニットからの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズで光電変換ユニットの光電変換面に結像させる結像光学系を備え、前記写真フィルムの副走査方向への搬送と連係して写真フィルムの主走査方向に沿う領域の画像データを連続的に取り込む画像データ取得手段を備え、この画像データ取得系で取得した画像データに対してシェーディング補正を行うシェーディング補正手段を備えているフィルムスキャナ及びフィルムスキャナのシェーディング補正方法に関する。
上記のように構成された、フィルムスキャナとして、特許文献1及び特許文献2に記載されるものが存在する。つまり、特許文献1では、光源部からの光線を送り出す側にフィルムキャリアとレンズユニットとラインCCDとを、この順序で配置している。フィルムキャリアの光源側には散光板を配置し、このフィルムキャリアのレンズ側にはガラス板を配置し、これらの中間位置にフィルムを搬送する位置が配置されている。散光板にはポジフィルム用の補正板とネガフィルム用の補正板とを接合しており、シェーディングデータを取得する際には補正板を光軸上に配置してラインCCDによって光量分布を取得している。
特許文献2では、駒部分が未露光のフィルムをフィルムキャリアにセットしてシェーディングスキャンを開始し、シェーディングデータのサンプリングが行われる。このようにサンプリングを行うことにより、照明光量の分布、ラインセンサの個々の素子の感度のばらつき等を補正するものとなる。
特開2000‐358142号公報 (段落番号〔0056〕〜〔0078〕、図2) 特開平5‐276378号公報 (段落番号〔0025〕〜〔0027〕、図6)
前述したように、写真フィルムを副走査方向に搬送し、この搬送と連係して写真フィルムの主走査方向に沿う領域の画像データを光電変換ユニットにおいて取得する構造のフィルムスキャナでは、光源から写真フィルムに照射される光線の主走査方向の光量分布が均一であることが重要であり、しかも、光源からの光線が写真フィルムを透過する際に、写真フィルムからの影響を無視することができないため、特許文献1、特許文献2に示されるように、シェーディング補正を必要としている。
特許文献2に記載されるように、補正データを取得する際に写真フィルムの未露光の部分を使用することを考えると、写真フィルムの未露光部分を透過した光線の光量は、写真フィルムのベースそのものの着色や、ベースによる光線の吸収を反映するものであり、良好な補正データを取得できる。特に、写真フィルムは照射された光線を拡散する性質があり、写真フィルムの未露光の部分を使用することにより、この光線の拡散の性質も補正データに反映させる点において有効と考えられる。
しかしながら、写真フィルムの未露光部分であっても、現像処理を済ませたものは乳剤面側に粒子が現れることもあるため、この粒子が補正データの取得時に光量に影響を与え取得した補正データが不正確になることが考えられた。別の観点から写真フィルムを考えると、写真フィルムのベースとして樹脂が用いられ、スキャニング時にはカーリングする性質を有するものの、その形状は一定でないため、写真フィルムのベースの表面での反射する光線の量や、ベース内部での屈折で光線が透過する方向が決まらず、このような理由からも取得した補正データが不正確になることも考えられ改善の余地がある。
本発明の目的は、フィルムスキャナにおいてシェーディング補正に使用する適正な補正データに写真フィルムを適正に反映させる点にある。
本発明の特徴は、光源ユニットからの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズで光電変換ユニットの光電変換面に結像させる結像光学系を備え、前記写真フィルムの副走査方向への搬送と連係して写真フィルムの主走査方向に沿う領域の画像データを連続的に取り込む画像データ取得手段を備え、この画像データ取得系で取得した画像データに対してシェーディング補正を行うシェーディング補正手段を備えているフィルムスキャナにおいて、
前記シェーディング補正手段は、前記写真フィルムを搬送する搬送経路に対してデータ取得用写真フィルムを搬送しながら、このデータ取得用写真フィルムを透過した光線を前記光電変換ユニットに対して前記光学レンズによって導き、この光電変換ユニットにおいてデータ取得用写真フィルムの主走査方向への光量データを複数回取得し、この複数回取得した光量データを平均化することにより補正データを生成する補正データ取得手段を備えている点にある。
この構成により、スキャニング時に写真フィルムを搬送する搬送経路に対してデータ取得用写真フィルムを搬送し、この搬送時に、補正データ取得手段が、データ取得用写真フィルムの主走査方向での光量データを光電変換手段によって複数回取得し、この複数回取得した光量データを平均化することにより補正データを生成することになるので、補正データを生成する場合には、例えば、フィルムキャリアにデータ取得用写真フィルムをセットすることで光量データの取得が可能となり、また、データ取得用写真フィルムとして現像済み写真フィルムの未露光部分を使用することも可能となる。また、光量データを取得する際にはデータ取得用写真フィルムが副走査方向に移動することになるので、データ取得用写真フィルムの異なる位置で光量データを取得し、平均化するため、例えば、そのデータ取得用写真フィルムの乳剤側に粒子が存在する場合でも、粒子の影響を低減し、データ取得用写真フィルムの表面での光線の反射や、光線の屈折の影響も低減できる。その結果、フィルムスキャナにおいてシェーディング補正に使用する適正な補正データを取得できた。
本発明は、前記写真フィルムを前記搬送経路に搬送するフィルムキャリアを備えると共に、このフィルムキャリアに前記写真フイルムをセットして搬送し、この搬送時にコマ領域の画像データを前記光電変換ユニットを介して取得する画像データ取得処理と、この搬送時にコマ領域外における主走査方向に沿う領域を透過する光線の光量データを前記光電変換ユニットで取得する光量データ取得処理とを行い、
前記補正データ取得手段は、前記光量データ取得処理で取得した複数の光量データを平均化することにより前記補正データを生成するよう処理形態を設定することにより、前記写真フィルムを前記データ取得用写真フィルムに兼用しても良い。
この構成により、フィルムキャリアに現像済みの写真フィルムをセットすることにより、画像データ取得処理によって、その写真フィルムのコマ領域の画像データを取得すること、及び、光量データ取得処理によって、その写真フィルムのコマ領域外における主走査方向を透過する光線の光量を取得することが可能となる。つまり、光量データを取得するために専用のデータ取得用写真フィルムを用いずに済むばかりでなく、写真フィルムから画像データを取得するスキャニングと同時に光量データを取得して補正データを生成することが可能となり、補正データを生成するための操作を省ける。
本発明は、前記補正データ取得手段が、複数のコマ領域同士の中間位置を前記コマ領域外として、その領域の光量データを取得するよう処理形態を設定すると共に、
前記補正データは、前記画像データ取得処理で取得した画像データを、その画像データを取得したコマ領域に最も近い位置のコマ領域外において取得した前記光量データに基づいて生成された補正データに基づいてシェーディング補正を行うように処理形態を設定しても良い。
この構成により、写真フィルムのコマ領域から取得した画像データをシェーディング補正する場合に、その画像データを取得したコマ領域に近い写真フィルムを透過した光線の光量から生成した補正データに基づいて行うので、その画像データに近い部位の写真フィルムの影響を反映したシェーディング補正を実現して良好な画像データを得る。
本発明は、前記光電変換ユニットが、写真フィルムの画像をR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色に色分解して取得する3種の光電変換部を備えて構成され、前記補正データ取得手段は前記3種の光電変換部で取得した3種の光量データに基づいて前記補正データを取得するように構成しても良い。
この構成により、光電変換ユニットにおいて三原色に対応して取得した3種の光量データに基づいて補正データを生成するので、写真フィルムのベースが特定の波長の光線を吸収する特性や、特定の波長の光線を反射する特性であっても適正なシェーディング補正を実現する。
本発明は、光源ユニットからの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズで光電変換ユニットの光電変換面に結像させる結像光学系を備え、前記写真フィルムの副走査方向への搬送と連係して写真フィルムの主走査方向に沿う領域の画像データを連続的に取り込む画像データ取得手段を備え、この画像データ取得系で取得した画像データに対してシェーディング補正を行うフィルムスキャナのシェーディング補正方法において、
前記写真フィルムを搬送する搬送経路に対してデータ取得用写真フィルムを搬送しながら、この写真フィルムを透過した光線を前記光電変換ユニットに対して前記光学レンズによって導き、この光電変換ユニットにおいてデータ取得用写真フィルムの主走査方向での光量データを複数回取得し、この複数回取得した光量データを平均化することにより補正データを生成し、この補正データに基づいて光電変換ユニットで取得した写真フィルムの画像データを補正しても良い。
この構成により、スキャニング時に写真フィルムを搬送する搬送経路に対してデータ取得用写真フィルムを搬送し、この搬送時にデータ取得用写真フィルムの主走査方向での光量データを光電変換手段によって複数回取得し、この複数回取得した光量データを平均化することにより補正データを生成することになるので、補正データを生成する場合には、例えば、フィルムキャリアにデータ取得用写真フィルムをセットすることで光量データの取得が可能となり、また、データ取得用写真フィルムとして現像済み写真フィルムの未露光部分を使用することも可能となる。また、光量データを取得する際にはデータ取得用写真フィルムが副走査方向に移動することになるので、データ取得用写真フィルムの異なる位置で光量データを取得し、平均化するため、例えば、そのデータ取得用写真フィルムの乳剤側に粒子が存在する場合でも、粒子の影響を低減し、データ取得用写真フィルムの表面での光線の反射や、光線の屈折の影響も低減できる。その結果、フィルムスキャナにおいてシェーディング補正に使用する適正な補正データを取得してシェーディング補正を行えるものとなる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕図1に示すように、光源ユニットA、フィルムキャリアB、レンズユニットC、光電変換ユニットD、主制御装置Eを備えることにより写真フィルムFの画像情報をデジタル信号化して取り込むフィルムスキャナ1が構成されている。同図に示すように、このフィルムスキャナ1は、取得した画像データを汎用コンピュータ2に伝送し、汎用コンピュータ2ではディスプレイ3に画像データを表示した状態でキーボード4から必要な情報を入力すること、あるいは、ポインティングデバイスとしてのマウス5を用いることによって色補正等の画像処理を行い、また、プリント処理に必要なオーダ情報を生成して写真プリント装置6に伝送することにより画像データのプリント媒体(図示せず)へのプリントを実現するものであり、これらフィルムスキャナ1、汎用コンピュータ2、写真プリント装置6によって写真処理システムが構成される。
前記フィルムスキャナ1は、135サイズ、240サイズ、120・220サイズ等の複数種の写真フィルムFに対応したフィルムキャリアBが準備され、写真フィルムFに対応したフィルムキャリアBを使用することにより、各種のサイズの写真フィルムFに対応したスキャニングを行えるように構成されている。また、前記写真プリント装置6はプリント媒体として銀塩印画紙にデジタル型のプリントヘッドで露光を行った後に現像処理を行うものや、プリント媒体として専用のペーパを用い昇華型のプリントヘッドでプリントを行うものや、インクジェット型のプリントヘッドを用いるもの等を想定している。
図2に示すように、前記フィルムスキャナ1は光源ユニットAからの光線を、フィルムキャリアBに支持された現像済みの写真フィルムFに照射することにより、レンズユニットCを構成するズーム型の光学レンズ41が写真フィルムFのコマ画像の主走査方向に沿う領域からの可視光画像を光電変換ユニットDに導き、この光電変換ユニットDのスプリッター47を透過した後CCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサ45の光電変換面に結像させると同時に、写真フィルムFのコマ画像の主走査方向に沿う領域からの赤外光画像を光電変換ユニットDのスプリッター47で反射させて赤外光(IR)用のCCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサ46の光電変換面に結像させるよう構成されている。
そして、スキャニング時には、フィルムキャリアBにセットした写真フィルムFを、該フィルムキャリアBの内部の搬送経路において長手方向(副走査方向)に移動させ、この移動と同期して前記光電変換ユニットDが写真フィルムFのコマ画像を主走査方向に沿って順次取り込むことにより、写真フィルムFの可視光画像をR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応したデジタル信号化した画像データ(可視光データ)として取得すると同時に、写真フィルムFのゴミや傷に起因する赤外光画像をゴミや傷に対応する欠陥データ(赤外光データ)として写真フィルムFのコマ画像に対応した画像データを取得する。
尚、前記画像データ及び欠陥データは、前記主制御装置Eから前記汎用コンピュータ2に伝送され、この汎用コンピュータ2に備えた半導体メモリやハードディスク等のストレージにおいてコマ単位で保存される(この保存処理を主制御装置Eで行っても良い)。また、汎用コンピュータ2は、前記ストレージに保存した画像データを欠陥データに基づいて、その欠陥を修復する補正処理を行うと共に、写真フィルムFの画像データをコマ単位で出力できるように処理形態が設定されている(この処理を主制御装置Eで行っても良い)。
〔光源ユニット〕図2〜図4に示すように、前記光源ユニットAは、前記三原色及び赤外光を発光する複数の発光ダイオード10(後述する4種の発光ダイオードの総称)を基板P(後述する3つの基板の総称)において主走査方向に直線状に配置した発光ダイオードアレイを具備し、この発光ダイオードアレイからの光線をフィルムキャリアBの側に送り出す照明光学系を備えている。
具体的に説明すると、光源ユニットAは、樹脂成形品で成る上部ケース20と、アルミニウム合金で成る下部ケース21とを重ね合わせることにより内部空間を形成し、この内部空間に対して前記発光ダイオードアレイを支持した3枚の基板P(後述する第1基板P1、第2基板P2、第3基板P3の総称)を備えている。内部空間には、夫々の発光ダイオードアレイからの光線を平行光線化するシリンドリカル型の平行化レンズ22を備え、この平行化レンズ22を介して送り出される発光ダイオードアレイからの光線を合流させる合流光学系を備え、このように合流させた光線を拡散により平均化して前記フィルムキャリアBに送り出す拡散板23を備えている。また、基板Pには放熱用のフィン24を備え、下部ケース21の外部には、前記フィン24に対して冷却風を供給する電動型のファン25を備えている。また、このフィルムスキャナでは、発光ダイオードアレイからの光線が合流して送られる光経路中にセット可能なNDフィルタGを備えている。
前記上部ケース20の底面部に第1基板P1と、第2基板P2とを支持し、この内部空間の側面部に第3基板P3を支持し、第1基板P1にチップ状の複数の緑色の発光ダイオード10Gを主走査方向に直線状に配置して成る緑色の発光ダイオードアレイを備え、第2基板P2にチップ状の複数の青色の発光ダイオード10Bを主走査方向に直線状に配置して成る青色の発光ダイオードアレイを備え、第3基板P3にチップ状の複数の赤色の発光ダイオード10Rと、チップ状の複数の赤外光の発光ダイオード10IRとを交互に主走査方向に配置した赤色・赤外光の発光ダイオードアレイを備えている。そして、夫々の発光ダイオードアレイからの光線を平行光線化するように、対応する発光ダイオード10に焦点位置を設定して前記平行化レンズ22を備えている。
緑色の発光ダイオードアレイを備えた部位を例に挙げて基板P(第1基板P1)の詳細を説明すると、図5に示すように、熱伝導率が高いアルミニウム製の基材11の表面に対してセラミック材料等の絶縁層12を形成し、更に、この絶縁層12にプリント配線を形成した回路基板13を形成することにより積層構造の基板Pを構成している。この基板Pの裏面に対して前記フィン24を取り付け、この基板Pの回路基板13の表面に対して、前記チップ状の発光ダイオード10(10G)を主走査方向に沿って直線状にダイボンディングにより固定している。この回路基板13の表面に対して、基板面に直交する方向視で矩形となる枠体14と、反射体15とを発光ダイオードアレイの形成方向(主走査方向)と並行する姿勢で固定している。
前記回路基板13に備えたチップ状の発光ダイオード10は、基板Pの表面に形成したプリント配線16に対してボンディングワイヤ17を介して電気的に接続しており、発光ダイオードアレイの近傍位置にはサーミスタで成る温度センサTSを備えている。前記枠体14と反射体15とは耐熱性に優れた液晶性ポリマーによって一体形成されたものであり、前記反射体15は、発光ダイオード10と対向する側に対して傾斜姿勢の反射面15aを備えている。
前記NDフィルタGは、前記拡散板23の下方の機能位置と、前記光経路から離間する離間位置とに切り換え自在に支持されると共に、電磁ソレノイド型の電動アクチュエータ26からの駆動力で作動するクランク機構27と連係している。このNDフィルタGは可視光線の波長域の光線を平均的に減ずる減光手段として機能するものである。
図2、図3に示すように、前記拡散板23に対して下方から直接的に光線を送る主光路の形成方向の中央位置を主光軸L1とした場合、前記緑色の発光ダイオードアレイからの光線を送り出す光軸を主光軸L1に一致させ、この主光軸L1中に、図3に示す方向視において主光軸L1と45度の姿勢で交差するダイクロイックミラー型の第1ミラーM1を配置している。また、この第1ミラーM1での反射によって主光軸L1の方向に光線を導く副光路の形成方向の中央位置を副光軸L2とした場合、この副光軸L2中に、図3に示す方向視において副光軸L2と45度の姿勢で交差するダイクロイックミラー型の第2ミラーM2を配置している。前記赤色・赤外光の発光ダイオードアレイからの光線を送り出す光軸を前記副光軸L2に一致させ、第2ミラーM2での反射によって副光軸L2の方向に光線を導く合流光路の形成方向の中央位置を合流光軸L3とした場合、前記青色の発光ダイオードアレイの光軸を合流光軸L3に一致させている。尚、前記発光ダイオードアレイの光軸は、夫々の発光ダイオードアレイの形成方向(主走査方向)での中央位置で、かつ、前記基板Pに垂直となる仮想直線と一致する。
前記青色の発光ダイオード10Bの波長は400〜480nm、緑色の発光ダイオード10Gの波長は520〜560nm、赤色の発光ダイオード10Rの波長は620〜750nm、赤外光の発光ダイオード10IRの波長は830〜950nmのものが使用されている。前記第1ミラーM1は緑色の発光ダイオード10Gからの波長(520〜560nm)の光線を透過させ、これ以外の波長の光線を反射させる性能のものを使用し、前記第2ミラーM2は赤色光と赤外光と発光ダイオード10R・10IRからの波長(620〜750nm及び830〜950nm)の光線を透過させ、青色の発光ダイオード10Bからの光線(400〜480nm)を反射させる性能のものを使用している。
そして、前記緑色の発光ダイオードアレイの発光ダイオード10Gの位置に焦点を設定して前記平行化レンズ22を配置し、前記青色の発光ダイオードアレイの発光ダイオード10Bの位置に焦点を設定して前記平行化レンズ22配置し、前記赤色・赤外光の発光ダイオードアレイの発光ダイオード10R・10IRに焦点位置を設定して前記平行化レンズ22を配置している。
〔フィルムキャリア〕前記フィルムキャリアBは、現像済みの写真フィルムFを圧着して該フィルムキャリアBの搬送経路において搬送するローラ30と、このローラ30を駆動する駆動機構(図示せず)とを備えており、このフィルムキャリアBに形成されたスキャニングゲートSGに対して光線を導く位置にシリンドリカル型又はトロイダル型の集光レンズ31を備えている。
前記拡散板23として、主走査方向での長さが、前記発光ダイオードアレイの主走査方向の長さより充分に長く、副走査方向での幅が、前記平行化レンズ22の副走査方向での幅より充分に大きい幅に形成されたサイズのビーム整形ディフューザ(LSD)が使用されている。この拡散板23は、平坦な板状の樹脂製の素材の表面に微細な突出部を多数形成した拡散面を備えた構造のものを想定しているが、乳白色の樹脂板を用いても良い。
〔レンズユニット及び光電変換ユニット〕前記レンズユニットCは、ズーム型の光学レンズ41を備えると共に、この光学レンズ41の焦点を合わせる合焦モータ(図示せず)と、この光学レンズ41の焦点距離を設定するズームモータ(図示せず)と、合焦の基準位置及びズームの基準位置(所謂、ホームポジション)を取得するセンサ類を備えており、フィルムキャリアBに支持された写真フィルムFの画像を前記光電変換ユニットDに内蔵した前記ラインセンサ45、46の光電変換面に対して任意の拡大率で結像させるよう構成されている。
図2に示すように、前記光電変換ユニットDは、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した3ライン型のCCDラインセンサ45(光電変換部の一例)と赤外光(IR)を感知する1ライン型のCCDラインセンサ46とを内蔵すると共に、前記光学レンズ41からの可視光を透過させ、赤外光を反射させるダイクロイックミラー型のスプリッター47を内蔵している。図面には示していないが、この光電変換ユニットDは、写真フィルムFの搬送速度と同期した信号に基づいて、可視光線を感知する前記3つのCCDラインセンサ45からの信号、及び、赤外光(IR)を感知する1つのCCDラインセンサ46からの信号をA/D変換することで、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の画像データとして前記主制御装置Eに出力すると共に、赤外光(IR)を感知する前記CCDラインセンサ46からの信号をA/D変換することで赤外光の欠陥データとして前記主制御装置Eに出力する処理回路を備えている。
〔フィルムスキャナの制御構成〕本発明のフィルムスキャナ1の制御系の概略を図6のように示すことが可能である。つまり、前記主制御装置Eは、前記光電変換ユニットD、前記レンズユニットC、前記フィルムキャリアB、前記光源ユニットA夫々と信号のアクセスが可能に構成されている。また、主制御装置Eは前記汎用コンピュータ2に対して制御信号を出力し、これらからの信号の入力できるように構成され、この汎用コンピュータ2は写真プリント装置6に対して画像データとオーダデータとの転送を行えるよう構成されている。
前記フィルムスキャナ1で写真フィルムFの画像データを取得する場合には、写真フィルムFを、そのフィルムサイズに適合したフィルムキャリアBにセットした状態で、そのフィルムキャリアBをフィルムスキャナ1の本体にセットし、取得する画像データの画素数を設定して画像を取得する処理を実行する。具体的に説明すると、前記主制御装置Eが、光源ユニットAの全ての発光ダイオード10を発光させ、レンズユニットCを制御して光学レンズ41の焦点距離を必要とする拡大率に対応した値に設定し、フィルムキャリアBでの写真フィルムFの搬送速度を設定し、これらの設定の後に、フィルムキャリアBで写真フィルムFの搬送を開始し、この搬送速度と同期したタイミング毎に光電変換ユニットDのCCDラインセンサ45とCCDラインセンサ46とにおいてライン状のデータ(主走査方向に沿うデータ)を取得することになり、前記主制御装置Eでは、取得したライン状の画像データを2次元データに展開することにより、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応したビットマップ構造となる画像データ、及び、赤外光(IR)に対応したビットマップ構造となる欠陥データを取得できるものなっている。
尚、前記欠陥データ(赤外光の画像データ)に基づき、その欠陥を修復する補正処理の具体的な処理形態として、濃度調整処理を例に挙げることが可能であり、また、この濃度調整処理の他にニアレストネイバー法、バイリニア法、バイキュービック法等による補間処理を例に挙げることができる。
この画像データの取得時において光源ユニットAでは、緑色の発光ダイオードアレイからの光線は平行化レンズ22で平行光線化し、第1ミラーM1を透過することにより主光軸L1に沿って送り出される。赤色・赤外光の発光ダイオードアレイからの光線は平行化レンズ22で平行光線化した状態で副光軸L2に沿って送り出され、第1ミラーM1で反射されることによって主光軸L1の光線に合流する状態で送り出される。青色の発光ダイオードアレイからの光線は平行化レンズ22で平行光線化した状態で合流光軸L3に沿って送り出され、第2ミラーM2に反射されることよって副光軸L2に合流し、この後、第1ミラーM1で反射されることによって主光軸L1の光線に合流する状態で送り出される。そして、これらの波長の光線は主光軸L1に沿って上方に送られることにより混合して白色光となり、更に、拡散板23で拡散されることにより主走査方向での光量の分布が平均化する。この光源ユニットAからの光線は集光レンズ31によって写真フィルムFのフィルム面に焦点を結ぶ形態で集光することにより、結果として、光線の無駄を少なくして効率的に写真フィルムFを照明できるものとなっている。
〔シェーディング補正〕前記光源ユニットAでは、複数の発光ダイオード10を主走査方向に列状に配置しているため、発光ダイオードアレイを構成する複数の発光ダイオード10の何れか1つでも光量が適正でない場合には、その光量のバラツキが画像データの濃度に影響を与えるものとなる。また、前記CCDラインセンサ45、46も主走査方向に複数の受光素子を配置しているため、夫々の受光素子の性能のバラツキが画像データの濃度に影響を与えるものとなる。このような不都合を解消するため、本発明のフィルムスキャナ1では、主走査方向での光量のバラツキを予め取得して補正データを生成しておき、画像データを取得した後には、補正データに基づいてシェーディング補正を行うことにより画像データの濃度を適正に変換して、光源ユニットAの主走査方向での光量のバラツキを解消して高品質の画像データを取得できるようにしている。
〔制御系〕図7に示すように、前記主制御装置Eは、情報のアクセスを許す入出力インタフェース61と、この入出力インタフェース61からの情報を処理するマイクロプロセッサCPUとを備えている。前記入出力インタフェース61は、前記温度センサTSからの信号がA/D変換回路62を介して入力し、前記ファン25に対してPWM型の電力制御回路63を介して制御信号を出力し、前記3つの基板P1、P2、P3夫々の発光ダイオードアレイを構成する複数の発光ダイオード10に対して電力を供給する電力供給回路64に制御信号を出力し、前記電動アクチュエータ26に対して制御信号を出力し、前記光学レンズ41の焦点調節(ピント調節)と焦点距離の調節(ズーム調節)とを行うレンズ制御回路65に制御信号を出力し、前記CCDラインセンサ45、46からの画像データが入力するように信号のアクセス系が形成されている。尚、同図においては、温度センサTS、ファン25、発光ダイオード10を1つだけ示しているが、温度センサTSは基板Pの数と等しい数が存在し、ファン25は6つ備えられ、R・G・B・IRの発光ダイオード10は基板Pに対して複数備えられており、図面には代表するものを示している。
また、前記マイクロプロセッサCPUに対してRAMやROMで成る半導体メモリ71と、EEPROMで成るデータ記憶部72と、ソフトウエアで成るシェーディング補正手段73と、ソフトウエアで成る補正データ取得手段74と、ソフトウエアで成る温度管理手段75と、ソフトウエアで成るレンズ制御手段76と、ソフトウエアで成る画像データ取得手段77とを備えている。
尚、前記シェーディング補正手段73、補正データ取得手段74、温度管理手段75、レンズ制御手段76、画像データ取得手段77は一部又は全てをハードウエアで構成しても良い。前記主制御装置Eは、前記光電変換ユニットD、レンズユニットC、前記フィルムキャリアB、及び、前記汎用コンピュータ2に対して情報をアクセスする信号系が形成されるものであるが、図7には示していない。
前記データ記憶部72は、4種の発光ダイオードアレイに対応した補正データを識別可能に保存し、前記シェーディング補正手段73は、補正データに基づいてシェーディング補正を実行する。
前記温度管理手段75は、前記温度センサTSで計測される基板Pの温度に基づいて前記ファン25の回転速度の制御や、ファン25の駆動開始や停止を制御することにより、基板Pの温度を目標とする温度に維持する制御を実現する。また、前記レンズ制御手段76は写真フィルムFのサイズや取得する画素数に基づいて焦点距離を設定し、必要な場合には焦点調節を行う。
前記画像データ取得手段77は、前述したようにフィルムキャリアBで写真フィルムFを搬送し、この搬送と同期したタイミングで前記光電変換ユニットDにおいて写真フィルムFの主走査方向に沿う領域のR(赤)、G(緑)、B(青)に対応した画像データを取得し、これと同時に赤外線に対応した欠陥データを取得し、2次元画像となるビットマップ構造の画像データ、及び、欠陥データとして汎用コンピュータ2に記憶する処理を実現する。
〔スキャニング〕従来からのフィルムスキャナでは現像済みの写真フィルムFから画像データを取得する際には、画像データの取得に先立って補正データを取得する操作を必要とするものであるが、本発明のフィルムスキャナ1では補正データを先に取得しなくとも、画像データの取得を行う写真フィルムFのスキャニングを行うだけで、前記画像データ取得手段77が画像データを取得し、前記補正データ取得手段74が未露光の部位を透過する光線の光量に基づいて補正データを取得し、前記シェーディング補正手段73が画像データのシェーディング補正を行うことにより手間を掛けずに済むものにしている。そして、この処理形態の概要を図10のフローチャートのように示すことが可能である。
つまり、全ての発光ダイオード10を発光させ、温度センサTSからの計測結果に基づいて発光ダイオード10の温度が目標とする温度に達して光量と波長が安定するまで待機し(#101、#102ステップ)、この待機時においてスキャニングを行う写真フィルムFをフィルムキャリアBにセットしておく。
この待機の後には、フィルムキャリアBにおいて写真フィルムF(この写真フィルムFがデータ取得用写真フィルムに兼用されている)を長手方向(副走査方向)に搬送しながらCCDラインセンサ45、46からR・G・B・IR夫々の主走査方向に沿うデータ(主走査方向に沿う画像データ)を取得する(#103、#104ステップ)。このスキャニングにおいては、光電変換ユニットDにおいて写真フィルムFの1本分のR・G・B・IRのデータを連続したビットマップ構造のデータとして取得される。
次に、取得したデータのうち図9に示すコマ領域Jから画像データと欠陥データとを抽出してファイル化し、また、コマ領域外Kから複数の光量データを抽出する(#105ステップ)。このように抽出した画像データと欠陥データとは、R・G・B・IR夫々のビットマップ構造であり、この画像データを抽出する処理が本発明の画像データ取得処理に相当する。抽出した複数の光量データは、写真フィルムFの未露光の領域において副走査方向に夫々が変位した複数の位置における、主走査方向での光量データの分布を示すものであり、この複数の光量データもR・G・B・IR夫々のデータで構成されている。この複数の光量データを抽出する処理が本発明の光量データ取得処理に相当する。
前述したように光量データが取得された後には、隣接するコマ領域Jに挟まれる位置の複数のコマ領域外Kからの複数の光量データを平均化し、目標光量データとの偏差に基づいてR・G・B・IRに対応した補正データを生成して前記データ記憶部72記憶する(#106ステップ)。
例えば、緑(G)の光線ついて取得した主走査方向での複数の光量データを平均化したデータを図8に示すように光量データXとした場合、前記目標光量データYは、主走査方向での光量が一定となる値をとる直線的なグラフとして表すことが可能である。また、この目標光量データYはR・G・B・IR夫々に対応して独立に設定されるものであり、カラーバランスを考慮することにより夫々の目標光量データYが示す光量の値は異なる。また、前記データ記憶部72に記憶した補正データは、CCDラインセンサ45、46を構成するCCD素子個々の光量データに対応して個々に設定された補正係数群として捉えることが可能であり、光電変換部としてのCCDラインセンサ45、46で取得したデータに乗ずる演算によってシェーディング補正を実現するようにしている。
前述した処理によって1本の写真フィルムFに対して複数の補正データが生成されるものとなり、画像データ、欠陥データのシェーディング補正を行う場合には、その画像データに対応するコマ領域Jに隣接するコマ領域外Kの光量データに基づいて生成された補正データに基づいてシェーディング補正を行い、コマ単位で記憶する処理が行われる(#107ステップ)。このようにシェーディング補正された画像データ、及び、欠陥データをコマ単位で前記半導体メモリ71に一時的に記憶した後、前記汎用コンピュータ2に伝送される。
この処理では、写真フィルムFのコマ領域Jとコマ領域Jとに挟まれる領域(コマ領域外K)毎に補正データを生成し、夫々の補正データに基づいて対応する画像データのシェーディング補正を行っていたが、単一の補正データに基づいて、その写真フィルムFから取得した画像データの全てのシェーディング補正を行うよう処理形態を設定することが可能であり、また、コマ領域Jとコマ領域Jとに挟まれる領域(コマ領域外K)毎に取得した光量データの全てを平均化する処理を行うことによって補正データを生成するよう処理形態を設定しても良い。
このように、本発明によると、フィルムキャリアBに写真フィルムFをセットし、スキャニングを行う処理を実行するだけで、写真フィルムFのコマ領域Jから画像データが取得されると共に、このコマ領域Jに挟まれる位置のコマ領域外Kから主走査方向に沿う複数の光量データが取得され、この複数の光量データを平均化することにより補正データが生成されるので、補正データを生成するためだけに特別な処理を行わずに済むばかりでなく、例えば、その写真フィルムFの乳剤側に粒子が存在する場合でも、補正データに対する粒子の影響を低減し、写真フィルムFの表面での光線の反射や、光線の屈折の影響も平均化処理によって低減でき、この補正データように生成された複数の補正データに基づいて隣接する位置のコマ領域Jから取得された画像データのシェーディング補正を行うので、フィルムベースの影響を極力排除した良好な画質の画像データを取得できるのである。
〔別実施の形態〕
本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い。
(イ)補正データを生成する際に、フィルムキャリアBに対してデータ取得用写真フィルムをセットし、このデータ取得用写真フィルムをフィルムキャリアBにおいて副走査方向に搬送しながら、主走査方向に沿う複数の光量データを取得し、このように取得した複数の光量データを平均化することにより、補正データを生成するよう処理形態を設定しても良い。
具体的には、図11のフローチャートに示すように、NDフィルタGを図3に示される機能位置(光量を低減する位置に)にセットし、全ての発光ダイオード10を発光させ、温度センサTSからの計測結果に基づいて発光ダイオード10の温度が目標とする温度に達して光量と波長が安定するまで待機し(#201〜#203ステップ)、この待機時においてデータ取得用写真フィルムをフィルムキャリアBにセットしておく。次に、データ取得用写真フィルムを長手方向(副走査方向)に搬送しながらCCDラインセンサ45、46からR・G・B・IR夫々の主走査方向に沿うデータを複数回取得する(#204、#205ステップ)。この後、取得した光量データを平均化し、目標光量データとの偏差に基づいてR・G・B・IRに対応した補正データを生成して前記データ記憶部72記憶する(#206ステップ)。
この処理ではデータ取得用写真フィルムとして現像済みの写真フィルムの未露光部分や、補正データ取得のために作り出したフィルムを用いて良く、このように専用のデータ取得用写真フィルムを用いる場合には、スキャニングの対象とする写真フィルムFのベースの特性に近似するものを用いる必要があるが、決まった特性の補正データを生成することが可能となる。また、この処理では、光源ユニットAからの大光量の光線が光学レンズ41を介してCCDラインセンサ45、46に直接的に照射するため、CCDラインセンサ45、46を傷めることや、性能を低下させ不都合を回避するためにNDフィルタGを用いることによって、CCDラインセンサ45、46に達する光量を低減している。
(ロ)光源ユニットとして、赤色光と赤外光とを得るためにハロゲンランプを用い、青色と緑色との光線を得るために複数の発光ダイオードを用いた発光ダイオードアレイを用いる。
写真処理システムの構成を示す斜視図 フィルムスキャナの光学系の斜視図 光源ユニットとフィルムキャリアとの縦断正面図 光源ユニットの縦断側面図 基板の断面図 写真処理システムの制御系のブロック回路図 フィルムスキャナの制御系のブロック回路図 光量と目標光量データとをグラフ化した図 写真フィルムにおけるコマ領域とコマ外領域とを示す図 スキャニングルーチンのフローチャート 補正データ取得ルーチンのフローチャート
符号の説明
41 光学レンズ
73 シェーディング補正手段
74 補正データ取得手段
77 画像データ取得手段
A 光源ユニット
B フィルムキャリア
D 光電変換ユニット
F 写真フィルム

Claims (5)

  1. 光源ユニットからの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズで光電変換ユニットの光電変換面に結像させる結像光学系を備え、前記写真フィルムの副走査方向への搬送と連係して写真フィルムの主走査方向に沿う領域の画像データを連続的に取り込む画像データ取得手段を備え、この画像データ取得系で取得した画像データに対してシェーディング補正を行うシェーディング補正手段を備えているフィルムスキャナであって、
    前記シェーディング補正手段は、前記写真フィルムを搬送する搬送経路に対してデータ取得用写真フィルムを搬送しながら、このデータ取得用写真フィルムを透過した光線を前記光電変換ユニットに対して前記光学レンズによって導き、この光電変換ユニットにおいてデータ取得用写真フィルムの主走査方向での光量データを複数回取得し、この複数回取得した光量データを平均化することにより補正データを生成する補正データ取得手段を備えているフィルムスキャナ。
  2. 前記写真フィルムを前記搬送経路に搬送するフィルムキャリアを備えると共に、このフィルムキャリアに前記写真フイルムをセットして搬送し、この搬送時にコマ領域の画像データを前記光電変換ユニットを介して取得する画像データ取得処理と、この搬送時にコマ領域外における主走査方向に沿う領域を透過する光線の光量データを前記光電変換ユニットで取得する光量データ取得処理とを行い、
    前記補正データ取得手段は、前記光量データ取得処理で取得した複数の光量データを平均化することにより前記補正データを生成するよう処理形態を設定することにより、前記写真フィルムを前記データ取得用写真フィルムに兼用する請求項1記載のフィルムスキャナ。
  3. 前記補正データ取得手段が、複数のコマ領域同士の中間位置を前記コマ領域外として、その領域の光量データを取得するよう処理形態が設定されると共に、
    前記補正データは、前記画像データ取得処理で取得した画像データを、その画像データを取得したコマ領域に最も近い位置のコマ領域外において取得した前記光量データに基づいて生成された補正データに基づいてシェーディング補正を行うように処理形態が設定されている請求項2記載のフィルムスキャナ。
  4. 前記光電変換ユニットが、写真フィルムの画像をR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色に色分解して取得する3種の光電変換部を備えて構成され、前記補正データ取得手段は前記3種の光電変換部で取得した3種の光量データに基づいて前記補正データを取得するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムスキャナ。
  5. 光源ユニットからの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズで光電変換ユニットの光電変換面に結像させる結像光学系を備え、前記写真フィルムの副走査方向への搬送と連係して写真フィルムの主走査方向に沿う領域の画像データを連続的に取り込む画像データ取得手段を備え、この画像データ取得系で取得した画像データに対してシェーディング補正を行うフィルムスキャナのシェーディング補正方法であって、
    前記写真フィルムを搬送する搬送経路に対してデータ取得用写真フィルムを搬送しながら、この写真フィルムを透過した光線を前記光電変換ユニットに対して前記光学レンズによって導き、この光電変換ユニットにおいてデータ取得用写真フィルムの主走査方向での光量データを複数回取得し、この複数回取得した光量データを平均化することにより補正データを生成し、この補正データに基づいて光電変換ユニットで取得した写真フィルムの画像データを補正するフィルムスキャナのシェーディング補正方法。
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