JP2005277158A - スキャナの光源ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】 予め設定された波長の光線を効率的に得ることが可能なスキャナの光源を構成する。
【解決手段】 発光ダイオード1の温度−波長特性データに基づいて予め設定された波長の光線を得るための温度を前記温度制御手段33の目標温度に設定する目標温度設定手段34を備えた。
【選択図】 図8
【解決手段】 発光ダイオード1の温度−波長特性データに基づいて予め設定された波長の光線を得るための温度を前記温度制御手段33の目標温度に設定する目標温度設定手段34を備えた。
【選択図】 図8
Description
本発明は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部のうちの少なくとも1つの光源部が複数の発光ダイオードを備えて構成され、前記発光ダイオードの温度を計測する温度センサと、前記複数の発光ダイオードの温度を調節する温度調節機構とを備え、前記温度センサからの計測信号に基づいて前記温度調節機構を制御して前記発光ダイオードを目標温度に維持する温度制御手段を備えているスキャナの光源ユニットに関する。
上記のように構成された光源ユニットと関連する技術として特許文献1及び特許文献2に示されるものが存在する。特許文献1では、写真フィルムの画像を取得するCCDエリアセンサ型の光源部としてLED光源を備えており、このLED光源は基板に多数のLED素子(本発明の発光ダイオード)を2次元に配置し、また、この基板の裏面側にペルチェ素子とサーミスタとを接触固定し、更に、ペルチェ素子には放熱フィンを備え、これに対応するファンを備えて構成されている。そして、温度制御部が、サーミスタによって温度を検知してペルチェ素子とファンとを駆動することにより基板の温度を予め設定した温度に維持するように構成されている。
特許文献2では、デジタルフォトプリンタを構成するスキャナの光源としてLEDアレイ基板上にLED(本発明の発光ダイオード)を備えている。この基板においてLEDの取り付け面の反対側に温度センサを設け、この温度センサの測定結果は変動量補正部の変動量取得部に送られるように構成されている。前記変動量補正部は、光源の分光強度分布の変動に応じて画像信号を補正するものであり、温度センサの測定結果から光線の分光強度分布の変動量、即ち、山形分布の波長シフト量と、発光強度の変動量とを求めて画像信号を補正するように機能する。つまり、雰囲気温度下における光源からの光線の分光強度の変動量との関係を予め記憶保持してあり、温度センサで測定される温度から分光強度の変動量を求めることによりスキャナで取得した画像の補正を行うよう構成したものである。
カラーの写真フィルムの画像をスキャナによってデジタル化した画像データとして取得する処理を考えるに、この処理では光源からの光線が照射される写真フィルムの画像を光学レンズによって光電変換部に結像させ、この光電変換部によって、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色に対応した画像データに変換し、この三原色に対応した3種の画像データを取得し、保存するようになっている。
写真フィルムの画像を取得するスキャナとしては、写真フィルムと光電変換部とを相対的に移動(副走査方向への移動)させながら、写真フィルムの幅方向(主走査方向)の領域を走査する形態でR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色の画像を同時に取得するものや、写真フィルムのコマの領域(2次元的な領域)を一度に撮影する形態で取得するもの、あるいは、R(赤)・G(緑)・B(青)の3種の光線を順次発光させ3度の発光によって画像を取得するもの等が提案されている。
このように写真フィルムの画像をデジタル信号化した画像データとして取得する際には、写真フィルムの画像を三原色に色分解を行うため、光電変換部は必然的にR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した特定の波長における感度(分光感度)が最大となる構造のものが使用される。従って、特許文献1、2に示されるように、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した発光ダイオードを使用することの有効性を見い出すことができる。
具体的には、スキャナに使用する光源として、光電変換部における三原色の最大感度となる波長における光量の発光ダイオードを使用することがエネルギーの無駄を無くし、効率的なスキャニングを実現するため、このような発光ダイオードの使用が考えられているのである。
特に、光電変換部における分光感度に対応した波長の発光ダイオードを使用するものを考えた場合、この発光ダイオードの発光時における波長は温度に影響を受けるため画像データのカラーバランスを維持するためにも温度管理が重要となる。また、発光ダイオードの個体の性能のバラツキによって温度と波長との関係にもバラツキを生じているのが現状であり、しかも、この温度と波長との関係は経時的に変化するものであるため、この不都合も解消する必要がある。
本発明の目的は、予め設定された波長の光線を効率的に得ることが可能なスキャナの光源を構成する点にある。
本発明の特徴は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部のうちの少なくとも1つの光源部が複数の発光ダイオードを備えて構成され、前記発光ダイオードの温度を計測する温度センサと、前記複数の発光ダイオードの温度を調節する温度調節機構とを備え、前記温度センサからの計測信号に基づいて前記温度調節機構を制御して前記発光ダイオードを目標温度に維持する温度制御手段を備えているスキャナの光源ユニットにおいて、
前記発光ダイオードの温度−波長特性データに基づいて予め設定された波長の光線を得るための温度を前記温度制御手段の目標温度に設定する目標温度設定手段を備えている点にある。
前記発光ダイオードの温度−波長特性データに基づいて予め設定された波長の光線を得るための温度を前記温度制御手段の目標温度に設定する目標温度設定手段を備えている点にある。
この構成により、温度−波長特性データに基づいて目標温度設定手段が、発光ダイオードから予め設定された波長の光線を得るための温度に維持するための目標温度を設定し、温度制御手段が目標温度に維持する制御を行うことになる。その結果、発光ダイオードから必要とする波長の光線を得て、効率的なスキャニングが可能となるばかりか、スキャニングを行った場合にもカラーバランスが良好な画像データを取得できるのである。特に、発光ダイオードは製造時に温度−波長特性のバラツキを生ずることも多いが、本発明によると、バラツキを生じた場合でも、発光ダイオードを温度−波長特性が等しくなる複数のグループに分け、その何れかのグループに属する発光ダイオードを用い、そのグループにおいて必要となる波長を得るための温度を設定することにより光源として使用できると云う効果も奏する。
本発明は、前記複数の発光ダイオードが基板の表面側に直線的な列状に支持されると共に、この基板に支持された複数の発光ダイオードの列の中央位置の基板に前記温度センサを備え、この基板の裏面側に接する状態で前記温度調節機構を備えても良い。
この構成により、複数の発光ダイオードを備えているものでありながら、この複数の発光ダイオードの温度を最も良好に反映する位置に配置した温度センサの計測信号を取得して温度調節機構を制御するので、精度の高い温度制御が実現され、さらには基板を介して複数の発光ダイオードの温度制御を行えるので、複数の発光ダイオードの温度調節を適正に行えるものとなる。
本発明は、前記温度調節機構が、前記基板の裏面側に接触するペルチェ素子と、このペルチェ素子において前記基板の反対側に配置された熱交換用のフィンとで構成されても良い。
この構成により、発光ダイオードの温度上昇を図る場合でも、温度低下を図る場合でもペルチェ素子に対する電力の通電方向の切り換えで済むものとなり、このように温度調節を行う際においてペルチェ素子の基板の反対側で吸熱を必要とする場合にも、放熱を必要とする場合でも、フィンを介して効率的な熱交換が可能となり、発光ダイオードの温度調節を迅速に行える。
本発明は、前記温度−波長特性データが、発光ダイオードの発光積算時間に対応して異なる特性となる構造であり、発光ダイオードの発光積算時間を求め、かつ、この発光時間の積算値に基づいて前記温度−波長特性データから予め設定された波長の光線を得るための目標温度を更新する目標温度更新手段を備えても良い。
この構成により、発光ダイオードの光線の波長が経時的に変化する場合でも、目標温度更新手段が、発光ダイオードの発光積算時間に対応して目標温度を更新することにより、発光ダイオードからの光線の波長が必要とする値となる最適な温度に維持する制御が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、光源ユニットA、フィルムキャリアB、レンズユニットC、光電変換部としての光電変換ユニットDを備えて写真フィルムFの画像情報をデジタル信号化して取り込むフィルムスキャナが構成されている。
図1に示すように、光源ユニットA、フィルムキャリアB、レンズユニットC、光電変換部としての光電変換ユニットDを備えて写真フィルムFの画像情報をデジタル信号化して取り込むフィルムスキャナが構成されている。
このフィルムスキャナは、現像済みの写真フィルムFのサイズ(135サイズ、240サイズ、120・220サイズ等)に対応したフィルムキャリアBを装着自在に構成されると共に、光源ユニットAからの光線をフィルムキャリアBに支持された写真フィルムFに照射する照明光学系と、写真フィルムFを透過した光線をレンズユニットCから前記光電変換ユニットDに導く結像光学系とを備えている。結像光学系としてのレンズユニットCは、写真フィルムFの主走査方向に沿う領域からの可視光画像を光電変換ユニットDに内蔵したCCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサの光電変換面に結像させると同時に、写真フィルムFの主走査方向に沿う領域からの赤外光画像を光電変換ユニットDに内蔵した赤外光(IR)用のCCD( Charge Coupled Device)型のラインセンサの光電変換面に結像させるよう機能するものであり、前記光電変換ユニットDは、写真フィルムFの可視光画像をR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応したデジタル信号化した画像データ(可視光データ)として取得すると同時に、写真フィルムFのゴミや傷に起因する赤外光画像をゴミや傷に対応する欠陥データ(赤外光データ)として取得するよう構成されている。
前記光源ユニットAは、図2〜図4に示すように、前記三原色及び赤外光を送り出すよう、多数の発光ダイオード1を基板P(後述する第1、第2、第3基板P1、P2、P3の3つの基板の総称)において主走査方向に直線状に配置した光源部としての発光ダイオードアレイLED(後述する発光ダイオードアレイG−LED、B−LED、R・IR−LEDの3種の発光ダイオードアレイの総称)を具備し、この発光ダイオードアレイLEDからの光線を合流させ白色光線とした状態で上方に向けて送り出すよう構成されている。前記フィルムキャリアユニットBは、長手方向を主走査方向に沿う姿勢に設定したスリット状のスキャンゲートSGが形成されたケース20を備えると共に、写真フィルムFを長手方向(副走査方向)に往復搬送させる複数の圧着型の搬送ローラ21と、下面側の集光レンズ22とを備えて構成されている。
前記レンズユニットCは、フィルムキャリアBに支持された写真フィルムFの画像を前記光電変換ユニットDに内蔵した前記CCDラインセンサ6の光電変換面に対して任意の拡大率で結像させるようズーム型の光学レンズ5を備えている。前記光電変換ユニットDは、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した3ライン型のCCDラインセンサ6と赤外光(IR)を感知する1ライン型のCCDラインセンサ7とを内蔵すると共に、前記光学レンズ5からの可視光を透過させ、赤外光を反射させるダイクロイック型のスプリッター8を内蔵している。
スキャニングを行う際には、取り込む画像の画素数に基づいて光学レンズ5による拡大率(主走査方向での画素数)が設定されると同時に、フィルムキャリアBでの写真フィルムFの搬送速度(副走査方向での画素数)が設定され、この設定の後に、写真フィルムFに対して光線を照射する状態で、前記搬送ローラ21を駆動することにより写真フィルムFを設定された速度で搬送し、この搬送速度と同期したタイミングで光電変換ユニットDのCCDラインセンサ6、7において主走査方向に沿うライン状の画像情報を取り込む処理が行われる。この処理が行われることにより、写真フィルムFのコマに対応する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の2次元の画像データを得ると同時に、写真フィルムFのコマに対応する赤外光(IR)の2次元画像データの構造を有する欠陥データを得るものとなる。この欠陥データを生成した後には、欠陥データに基づき、画像データにおける傷や塵埃等の欠陥位置が特定され、この欠陥位置の画像データに対して、輝度調整処理や、ニアレストネイバー法、バイリニア法、バイキュービック法等による補間処理を行うことにより、画像データの欠陥部分の修復が可能となる。
前記照明光学系は、前記発光ダイオードアレイLEDからの光線を合流させて上方に送り出す合流光学系と、この合流光学系からの光線を拡散させるよう前記光源ユニットAに内蔵された拡散板10とで構成されている。
具体的に説明すると、前記光源ユニットAは樹脂成形品で成る上壁部11と、アルミニウム合金で成る側壁部12と、同じくアルミニウム合金で成る底壁部13とでケース状に形成されている。また、上壁部11の内部には、その表面側に前記発光ダイオードアレイLEDを形成した第1基板P1と、第2基板P2と、第3基板P3とを支持してあり、これら、第1基板P1、第2基板P2、第3基板P3の裏面側にペルチェ素子14を備え、更に、このペルチェ素子14における基板Pと反対側にアルミニウム製のフィン15を備えている。この光源ユニットAの側壁部12には、3つのフィン15に対して独立して冷却風を送る一対の電動型のファン16を備えている。尚、光源ユニットAの内部にはファン16からの冷却風をフィン15に導くための導風体17を備えており、前記ペルチェ素子14とフィン15とファン16とで温度調節機構が構成されている。
前記第1基板P1にチップ状の多数の緑色の発光ダイオード1を主走査方向に直線状に配置して成る緑色の発光ダイオードアレイG−LEDを備え、第2基板P2にチップ状の多数の青色の発光ダイオード1を主走査方向に直線状に配置して成る青色の発光ダイオードアレイB−LEDを備え、第3基板P3にチップ状の多数の第1、第2赤色の発光ダイオード1と、チップ状の多数の赤外光の発光ダイオード1とを交互に主走査方向に配置した赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDを備えている。夫々の発光ダイオードアレイLEDに対応する位置に、夫々の発光ダイオードアレイからの光線を平行光線化するよう、夫々の発光ダイオード1に焦点位置を設定した平行化レンズ18を備え、これらの平行化レンズ18を介して送り出された光線を合流させるダイクロイック型のミラーM(後述する第1ミラーM1、第2ミラーM2の総称)を備えている。
つまり、緑色の発光ダイオードアレイG−LEDからの光線を上方に送る縦向き姿勢の第1光軸L1上に前記平行化レンズ18と、第1ミラーM1とを配置し、青色の発光ダイオードアレイB−LEDからの光線を上方に送る縦向き姿勢の第2光軸L2上に前記平行化レンズ18とを配置し、赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDからの光線を水平方向に送る横向き姿勢の第3光軸L3上に前記平行化レンズ18と、第2ミラーM2とを配置している。前記第1、第2、第3光軸L1、L2、L3は、夫々の発光ダイオードアレイLEDの形成方向(主走査方向)での中央位置で、かつ、前記基板Pに垂直となる仮想直線として設定されたものであり、第1光軸L1の延長上方に前記集光レンズ22とスキャンゲートSGが配置され、前記第2光軸L2は前記第2ミラーM2において前記第3光軸L3と合流する位置に配置されている。
前記青色の発光ダイオード1の波長は400〜480nm、緑色の発光ダイオード9の波長は520〜560nm、赤色の発光ダイオード1の波長は620〜750nm、赤外光の発光ダイオード1の波長は830〜950nmのものが使用されている。前記第1ミラーM1は緑色の発光ダイオード1からの光線(520〜560nm)を透過し、これ以外の光線を反射する性能のものであり、前記第2ミラーM2は赤色光と赤外光と発光ダイオード1からの波長(620〜750nm及び830〜950nm)の光線を透過し、青色の発光ダイオード1からの波長(400〜480nm)の光線を反射する性能のものを使用している。
このような構造から、前記緑色の発光ダイオードアレイG−LEDから第1光軸L1に沿って送り出される光線は、平行化レンズ18で平行光線化した状態で第1ミラーM1を透過して第1光軸L1に沿って上方に送られ、前記青色の発光ダイオードアレイB−LEDから第2光軸L2に沿って送り出される光線は、平行化レンズ18で平行光線化した状態で第2ミラーM2で反射して第3光軸L3と合流し、赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDから第3光軸L3に沿って送り出される光線は、平行化レンズ18で平行光線化した後に第2ミラーM2を透過するものとなり、このように第3光軸L3に沿って送られる青色の発光ダイオードアレイB−LEDからの光線と、赤色・赤外光の発光ダイオードアレイR・IR−LEDからの光線とは第1ミラーM1で反射され、第1光軸L1に沿って上方に送られる結果、この第1光軸L1では、緑色の光線、青色の光線、赤色の光線(赤外線を含む)が合流した白色の光線が送られ、前記拡散板10で拡散されるのである。
緑色の発光ダイオードアレイG−LEDを備えた部位を例に挙げて基板Pの詳細を説明すると、図5に示すように、基板Pは熱伝導率が高いアルミニウム製の基材の表面にセラミック材料等の絶縁層を形成した積層構造であり、この基板Pの絶縁層の表面に対して前述したチップ状の発光ダイオード1を主走査方向に沿って直線状にダイボンディングにより固定している。また、この基板Pにおいて前記発光ダイオード1の近傍位置に対して矩形の枠体2、反射体3夫々を発光ダイオードアレイLEDの形成方向(主走査方向)と並行する姿勢で固定し、チップ状の発光ダイオード1と、基板Pに形成したプリント配線部Paとをボンディングワイヤ4で結線することにより、プリント配線部Paからの電力により発光ダイオード1を発光させ得るものにしている。
前記枠体2と反射体3とは耐熱性に優れた液晶性ポリマーによって一体形成されたものであり、前記反射体3は、発光ダイオード1と対向する側に対して傾斜姿勢の反射面3aを備えており、図7に示すように、この複数の発光ダイオード1の形成方向(主走査方向)の中央位置の基板Pの表面にはサーミスタ等で成る温度センサSを備えている。
前記拡散板10は、主走査方向での長さが、前記発光ダイオードアレイLEDの主走査方向の長さより充分に長く、副走査方向での幅が、前記平行化レンズ18の副走査方向での幅より充分に大きい幅に形成されたサイズのビーム整形ディフューザ(LSD)が使用されている。この拡散板10は、図6に示すように、平坦な板状の樹脂製の素材の表面に微細な突出部10aを多数形成した拡散面を備えており、素材の表面に対して直交する姿勢の軸Xに沿って入射した光線を設定された角度θとなる範囲に拡散させる機能を有するものである。この拡散板10では、同図に示す如く入射した光線を拡散させる角度θとして30〜40度程度の性能のもの(軸Xを中心として頂点の角度θが30〜40度程度となる円錐形に拡散する性能のもの)を使用している。
図8に示すように、フィルムスキャナの制御系が構成されている。この制御装置は第1基板P1と、第2基板P2と、第3基板P3夫々に対して独立した制御を実現するものであるが、同図においては1つの基板Pに対する制御系の構成要素を示している。
つまり、マイクロプロセッサを備えた制御装置30に対して前記温度センサSからの計測信号がA/D変換器25を介して入力する入力系、及び、ランクスイッチ26からの信号が入力する入力系が形成されると共に、制御装置30から複数の発光ダイオード1で構成される発光ダイオードアレイLED、ペルチェ素子14、一対のファン16夫々に対してPWM式に電力を制御するドライバ27を介して電力を供給する出力系が形成されている。
制御装置30は前記入力系からの信号の入力を許し、前記出力系に対する信号の出力を許すインタフェース31(I/O)を備えると共に、半導体メモリRAM/ROM及びEEPROMを備え、また、発光ダイオード1への供給電力を制御する光量制御手段32と、発光ダイオードアレイLEDを構成する複数の発光ダイオード1の温度を制御する温度制御手段33と、この温度制御手段33での制御時における目標温度を設定する目標温度設定手段34と、発光時間の積算値に基づいて目標温度を更新する目標温度更新手段35と、発光ダイオード1の発光時間を積算する発光時間積算手段36とを備えている。
前記光量制御手段32と、温度制御手段33と、目標温度設定手段34と、目標温度更新手段35と、発光時間積算手段36とはソフトウエアで構成されているが、これらをソフトウエアとハードウエアとの組み合わせで構成することや、ハードウエアで構成することも可能である。また、光量制御手段32は前記発光ダイオードアレイLEDを構成する複数の発光ダイオード1に対して予め設定された電力を供給する単純な制御を行う処理を実行する。
この制御装置30では、発光ダイオード1からの光線の波長を目標値に維持するための制御プログラム(前記温度制御手段33と目標温度設定手段34と目標温度更新手段35と発光時間積算手段36とで構成されている)での処理の概要を図9のフローチャートのように示すことが可能である。つまり、前記EEPROM(積算時間保存手段として機能する)に保存された積算時間を取得し、この積算時間に対応した目標温度Txを目標温度テーブル(Table)に基づいて設定する(#01、#02ステップ)。この処理では後述するように発光ダイオード1が発光した積算時間がEEPROMに保存されており、この積算時間を取得した後に、この積算時間が予め設定された目標温度テーブルの積算時間に合致する場合には、その積算時間に対応する目標温度Txを抽出して、これを目標温度Txに設定する処理を行うことを意味している。
つまり、発光ダイオード1の温度−波長特性の一例を示すグラフを図10のように示すことが可能であり、このグラフに示される特性からR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色を構成する発光ダイオード1から必要とする波長の光線を得るように目標温度Txが設定される。また、前記グラフに示す傾向は経時的に変化するため、この制御装置30では経時的に異なる特性となる温度−波長特性に基づいて、予め設定された時間経過に対応して設定された目標温度Txを前記目標温度テーブル(Table)として予め保存しており、例えば、1000時間毎に目標温度テーブルに保存されている目標温度Txを更新する処理が実行されるのである。尚、必要とする波長とは、前記R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色に対応した3ライン型のCCDラインセンサ6において三原色における分光感度が最高となる波長のことである。
次に、温度センサSから計測温度Tsを取得し、この計測温度Tsと目標温度Txとから温度制御を実行し、発光時間を積算する(#03〜#05ステップ)。#04ステップでは目標温度Txに数値dを与えて不感帯を設定した状態において、前記ペルチェ素子14に通電して加熱を行う条件、前記ペルチェ素子14に対して逆方向に通電し、かつ、ファン16を駆動して放熱を行う条件、加熱も放熱も行わない条件を示しているが、厳密には、PID制御により加熱時においてペルチェ素子14に供給する電力を制御し、放熱時においてペルチェ素子14に逆方向に供給する電力を制御し、ファン16を駆動する電力を制御している。また、#05ステップでは、発光ダイオード1の発光時間を単純に積算する処理が行われる。
この制御はフィルムスキャナの稼働が終了するまで継続して行われ、終了する際には発光時間の積算した積算時間を前記EEPROMにオーバライトする形態で保存する処理が行われるのである(#06、#07ステップ)。尚、これらの制御のうち#02ステップが目標温度設定手段34での処理に対応し、#04ステップが温度制御手段33での処理対応し、#05、#02ステップとを併せたものが目標温度更新手段35に対応する。
処理として示していないが、前記ランクスイッチ26(ランク認識手段)はR(赤)・G(緑)・B(青)の3種の発光ダイオード1のランク番号を入力するために、制御装置30の基板上等に備えられた複数のディップスイッチやロータリ型のスイッチ等、複数ビットの信号を出力するよう構成されたものである。
発光ダイオード1の製造時には温度−波長特性にバラツキを生ずることがあり、このようにバラツキを生じた場合には、発光ダイオードを同じ温度−波長特性を持つ複数のグループに分類して夫々にランク番号を与えておき、同じランク番号(同じグループ)の発光ダイオード1を用いて前記発光ダイオードアレイLEDを形成している。また、同じランク番号(同じグループ)の発光ダイオード1に対しても前述したものと同様に夫々のランク番号に対応した温度−波長特性が与えられるものであり、前記EEPROMにはランクデータとして夫々のランク番号に対応した温度−波長特性に基づいて必要とする波長を得るための目標温度Tx、及び、積算時間に対応して更新されるべき目標温度Txを保存してある。そして、ランクスイッチ26を操作することによりランク番号に対応する値が目標温度Txとして保存されるように処理形態が設定されているのである。
因みに、発光ダイオード1の温度−波長特性にバラツキがある場合でも、温度の単位変化に対する波長の変化量には大きな差を生ずるものではないため、前述のようにランク番号に基づいて目標温度Txを与えた後には、基準となるランク番号とにおける目標温度Txとのオフセット量を予め設定しておき、基準となるランク番号の発光ダイオード1において必要とする波長を得るための温度に対してオフセット量を加算することや減算する処理によって、そのランク番号における目標温度Txを設定するよう処理形態を設定しても良い。
このように、このフィルムスキャナでは、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色の発光ダイオード1から予め設定された波長の光線を得るための目標温度Txを自動的に設定し、複数の発光ダイオード1のうち最も適正な温度を計測できる位置に配置した温度センサSの計測信号に基づいて精度の高い温度制御が可能になるばかりでなく、複数の発光ダイオード1を支持する基板Pを介して加熱と放熱とを行うので、高精度の温度制御を実現することになる。そして、このように必要とする波長の光線を得ることから、効率的なスキャニングが可能となり、スキャニングを行った場合にも、カラーバランスが良好な画像データを取得できるものとなっている。
特に本発明では、発光ダイオードアレイLEDを構成する複数の発光ダイオード1として同じランクにものを使用するので、特定の性能の発光ダイオード1のみを使用するものと比較して、コストダウンが可能となり、また、発光ダイオード1の経時的な特性の変化に対応した処理を実行することにより、長期に亘って効率的にスキャニングを行い、長期に亘って良好な画像データを取得できるのである。
〔別実施の形態〕
本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い。
本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い。
(イ)温度調節機構として、ジュール熱を発する構造の電気ヒータと、放熱を行うファンとを組み合わせても良い。このように構成した場合には、ペルチェ素子を用いるものと比較してコストの低減が可能となる。
(ロ)ランク認識手段として、ランクスイッチを用いずに、ランク番号をEEPROMに保存しておき、制御の実行時にEEPROMに保存したランク番号を読み出してランクを指定することや、ソフトウエア的なデータをランク番号として外部から伝送するよう構成するよう構成しても良い。
(ハ)複数の発光ダイオードを2次元的に配列して光源部を構成する。このように構成した場合には、光電変換部に2次元型のCCD等を用いて写真フィルムを移動させずに画像データを取得することが可能となる。
1 発光ダイオード
14 ペルチェ素子
15 フィン
33 温度制御手段
35 目標温度更新手段
P 基板
S 温度センサ
Tx 目標温度
14 ペルチェ素子
15 フィン
33 温度制御手段
35 目標温度更新手段
P 基板
S 温度センサ
Tx 目標温度
Claims (4)
- R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を構成する3種の光源部のうちの少なくとも1つの光源部が複数の発光ダイオードを備えて構成され、前記発光ダイオードの温度を計測する温度センサと、前記複数の発光ダイオードの温度を調節する温度調節機構とを備え、前記温度センサからの計測信号に基づいて前記温度調節機構を制御して前記発光ダイオードを目標温度に維持する温度制御手段を備えているスキャナの光源ユニットであって、
前記発光ダイオードの温度−波長特性データに基づいて予め設定された波長の光線を得るための温度を前記温度制御手段の目標温度に設定する目標温度設定手段を備えているスキャナの光源ユニット。 - 前記複数の発光ダイオードが基板の表面側に直線的な列状に支持されると共に、この基板に支持された複数の発光ダイオードの列の中央位置の基板に前記温度センサを備え、この基板の裏面側に接する状態で前記温度調節機構を備えている請求項1記載のスキャナの光源ユニット。
- 前記温度調節機構が、前記基板の裏面側に接触するペルチェ素子と、このペルチェ素子において前記基板の反対側に配置された熱交換用のフィンとで構成されている請求項2記載のスキャナの光源ユニット。
- 前記温度−波長特性データが、発光ダイオードの発光積算時間に対応して異なる特性となる構造であり、発光ダイオードの発光積算時間を求め、かつ、この発光時間の積算値に基づいて前記温度−波長特性データから予め設定された波長の光線を得るための目標温度を更新する目標温度更新手段を備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載のスキャナの光源ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004089379A JP2005277158A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | スキャナの光源ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004089379A JP2005277158A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | スキャナの光源ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005277158A true JP2005277158A (ja) | 2005-10-06 |
Family
ID=35176475
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004089379A Pending JP2005277158A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | スキャナの光源ユニット |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005277158A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012117766A1 (ja) * | 2011-03-02 | 2012-09-07 | Nkワークス株式会社 | Led光照射装置および印刷装置 |
-
2004
- 2004-03-25 JP JP2004089379A patent/JP2005277158A/ja active Pending
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WO2012117766A1 (ja) * | 2011-03-02 | 2012-09-07 | Nkワークス株式会社 | Led光照射装置および印刷装置 |
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