JP2005351414A - 油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイル保持装置からオイル受領装置に供給されるオイルの供給効率を向上させることの可能な油圧制御装置を提供する。
【解決手段】駆動力源から車輪に至る経路に配置された動力伝達装置6と、動力伝達装置6における動力伝達状態を制御するオイル受領装置26,37,38と、オイル受領装置26,37,38にオイルを供給するオイル保持装置とを備えた油圧制御装置において、オイル保持装置56は、オイル受領装置26,37,38に接続された第1の油室57と、第1の油室57との間に動作可能なピストン59が介在された第2の油室58とを有しており、ピストン59には、第1の受圧面62および第2の受圧面63が形成されており、第1の受圧面62の面積よりも第2の受圧面63の面積の方が狭いとともに、第2の油室58の油圧を上昇させてピストン59を動作させ、第1の油室57のオイルをオイル受領装置26,37,38に供給させるオイル供給量制御装置46が設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両の動力伝達装置の状態を油圧により制御する油圧制御装置に関するものである。
従来、車両の駆動力源から車輪に至る経路には動力伝達装置が設けられており、この動力伝達装置の状態を制御する機構としては、油圧制御装置および電磁式制御装置などが知られており、車両の油圧制御装置の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された車両はエンジンを有しており、エンジンのトルクが、トルクコンバータおよび自動変速機およびデファレンシャルを経由して車輪に伝達される構成となっている。前記自動変速機は、複数の前進段および1つの後進段を設定可能な有段式の歯車変速機構を有している。また、前進段が選択された場合に係合されるC1クラッチ、および後進段が選択された場合に係合されるC2クラッチが設けられている。このC1クラッチおよびC2クラッチは、供給される作動油圧の上昇により係合状態となり、作動油圧の下降により解放される構成を有している。
また、前記C1クラッチおよびC2クラッチおよびトルクコンバータなどに供給される作動油の状態を制御する油圧制御装置が設けられており、油圧制御装置はオイルポンプを有している。このオイルポンプは、エンジンの動力により駆動される構成となっており、オイルポンプから吐出された作動油が、プライマリレギュレータバルブを経由してマニュアルバルブに供給される構成となっている。このマニュアルバルブから2方向に分岐した油路が形成されており、1方の油路がC1クラッチの油圧室に接続され、他方の油路がC2クラッチの油圧室に接続されている。さらに、マニュアルバルブからC1クラッチの油圧室に至る経路には、第1の油路と第2の油路とが並列に配置されている。第1の油路には切換弁が設けられており、第2の油路にはオリフィスが設けられている。さらに、プライマリレギュレータバルブを制御するライン圧コントロールソレノイドが設けられている。さらに、プライマリレギュレータバルブとマニュアルバルブとを接続するクラッチ油路が設けられており、このクラッチ油路に接続されたアキュムレータが設けられている。このアキュムレータは、ピストンおよびスプリングを有している。さらにまた、クラッチ油路からアキュムレータに至る経路にはアキュムレータコントロールソレノイドが設けられている。
上記構成の油圧制御装置においては、エンジンの動力によりオイルポンプが駆動されて、オイルポンプから吐出された作動油が、プライマリレギュレータバルブを経由してクラッチ油路に供給される。このクラッチ油路における作動油の油圧は、ライン圧コントロールソレノイドにより制御される。そして、シフトポジションとして、Dポジション、4ポジション、3ポジション、2ポジション、Lポジションのいずれかが選択された場合は、クラッチ油路の作動油が、マニュアルバルブを経由してC1クラッチの油圧室に供給されて、C1クラッチが係合されるとともに、C2クラッチの油圧室から作動油が排出されて、C2クラッチが解放される。後述するエコラン制御が実行されない場合は、C1クラッチの油圧室に作動油を供給する場合に、切換弁が閉じられており、作動油が第2の油路を経由して比較的ゆっくりとC1クラッチの油圧室に供給される。これに対して、Rポジションが選択された場合は、クラッチ油路の作動油が、マニュアルバルブを経由してC2クラッチの油圧室に供給されて、C2クラッチが係合されるとともに、C1クラッチの油圧室から作動油が排出されて、C1クラッチが解放される。
また、特許文献1に記載された車両においては、エコラン制御が実行可能である。例えば、Dポジションが選択され、かつ、市街地走行しているときに、交差点で信号待ちの状態で、自動停止条件、具体的には、アクセルオフおよびブレーキオンおよび車速ゼロなどが検知された場合に、エンジンが自動停止される。これに対して、自動停止条件が成立し得なくなった場合は、エンジンが再始動される。このように、自動停止条件の成立または不成立により、エンジンを自動停止および自動再始動させる制御がエコラン制御である。ここで、エコラン制御を実行した場合、エンジンが自動停止されるため、オイルポンプが停止してC1クラッチにオイルが供給されなくなる。このため、エンジンの始動後において、再度C1クラッチを係合する場合に、その係合応答性が低下する可能性がある。
そこで、特許文献1においては、エンジンの再始動時において、C1クラッチに作動油を供給する場合に、急速増圧制御が実行される。すなわち、切換弁を解放することにより、作動油が第1の油路を経由してC1クラッチの油圧室に迅速に供給され、C1クラッチの係合が促進される。また、急速増圧制御に加えて、アキュムレータコントロールソレノイドが解放されて、アキュムレータに蓄えられていた作動油が、クラッチ油路を経由してC1クラッチの油圧室に供給されて、C1クラッチの油圧室に供給される作動油の流量が一層増加する。
特開2002−115755号公報
ところで、上記の特許文献1において、C1クラッチの油圧室に供給される作動油量の増加を促進するアキュムレータの動作特性は、スプリングのばね定数に依存していた。このため、C1クラッチの油圧室に対する作動油の供給効率を向上させる点で、未だ改善の余地があった。
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、オイル保持装置からオイル受領装置に供給されるオイルの供給効率を向上させることの可能な油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動力源から車輪に至る経路に配置された動力伝達装置と、オイルが供給され、かつ、オイルの供給状態に基づいて、前記動力伝達装置における動力伝達状態を制御するオイル受領装置と、このオイル受領装置にオイルを供給するオイル保持装置とを備えた油圧制御装置において、前記オイル保持装置は、前記オイル受領装置に接続された第1の油室と、この第1の油室との間に動作可能なピストンが介在された第2の油室とを有しており、前記ピストンには、前記第1の油室を形成する第1の受圧面と、前記第2の油室を形成する第2の受圧面とが設けられており、前記第1の受圧面の面積よりも前記第2の受圧面の面積の方が狭く設定されているとともに、前記第2の油室の油圧を上昇させて前記ピストンを動作させることにより、前記第1の油室のオイルを前記オイル受領装置に供給させるオイル供給量制御装置が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記駆動力源にはエンジンが含まれており、このエンジンにより駆動されるオイルポンプが設けられており、前記オイル供給量制御装置は、前記オイルポンプの吐出口に接続されたオイル吸入口と、前記第2の油室に接続されたオイル吐出口とを備えているとともに、前記エンジンが停止状態から運転状態に変更される場合に、前記オイル吸入口から前記オイル吐出口を経由して前記第2の油室に供給されるオイルの流量を増加させる構成を、前記オイル供給量制御装置が有していることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1の構成に加えて、前記動力伝達装置には、プライマリプーリおよびセカンダリプーリと、このプライマリプーおよびセカンダリプーリに巻き掛けられたベルトとを有し、かつ、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとの間における変速比を無段階に制御可能な無段変速機が含まれており、前記プライマリプーリの溝幅を制御するプライマリプーリ用油圧室と、前記セカンダリプーリの溝幅を制御するセカンダリプーリ用油圧室とが設けられており、前記オイル受領装置には、前記セカンダリプーリ用油圧室が含まれているとともに、前記セカンダリプーリ用油圧室に供給するべきオイル量が増加した場合に、前記第1の油室のオイルを前記セカンダリプーリ用油圧室に供給させる構成を、前記オイル供給量制御装置が更に有していることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3の構成に加えて、前記第2の油室に対するオイルの供給状態を制御するソレノイドバルブが、更に設けられていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項3の構成に加えて、前記第2の油室の油圧に応じて前記ピストンに加えられる力と同じ方向の力を生じ、かつ、前記第2の受圧面よりも面積の広い第3の受圧面が、前記ピストンに形成されており、前記第3の受圧面に作用する油圧が入力される第3の油室が設けられており、前記プライマリプーリ用油圧室のオイルを前記第3の油室に導入するオイル導入油路が設けられていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、第2の油室に供給されるオイルの油圧を上昇させてピストンを動作させると、第1の油室のオイルがオイル受領装置に供給される。ここで、第1の油室からオイル受領装置に供給されるオイル量は、例えば、次式で求められる。
第2の油室のオイル量×(第1の受圧面の面積/第2の受圧面の面積)
つまり、オイル保持装置における第2の油室に供給されるオイルの流量よりも、第1の油室からオイル受領装置に供給されるオイルの流量の方が多くなり、オイル受領装置に供給されるオイルの供給効率を上昇させることが可能である。したがって、オイル受領装置における油圧の上昇応答性を向上することができるとともに、動力伝達装置における動力伝達状態の制御応答性が向上する。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、エンジンにより駆動されるオイルポンプから吐出されるオイルを第2の油室に供給することにより、オイル受領装置に供給されるオイルの供給効率を上昇させることが可能である。したがって、エンジンを停止状態から運転状態に変更する場合に、オイル受領装置に供給されるオイルの供給効率を上昇させるために、エンジンにより駆動されるオイルポンプとは別のオイルポンプを用いずに済む。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、セカンダリプーリ用油圧室に供給するべきオイル量が増加した場合に、第1の油室のオイルがセカンダリプーリ用油圧室に供給される。したがって、セカンダリプーリからベルトに加えられる挟圧力の低下が抑制され、かつ、無段変速機における変速比の変化速度の制御応答性が向上する。
請求項4の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、ソレノイドバルブにより、第2の油室に対するオイルの供給状態を制御可能である。
請求項5の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得られる他に、第2の油室の油圧によりピストンを動作させる場合よりも、第3の油室の油圧によりピストンを動作させる場合の方が、ピストンに対して大きな推力を加えることが可能である。
つぎに、この発明の油圧制御装置を有する車両のパワートレーン、およびその車両の制御系統を、図2に示す。図2に示す車両Veにおいては、エンジン1と車輪2との間の動力伝達経路に、流体伝動装置3、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6などが設けられている。また、流体伝動装置3およびロックアップクラッチ4は、エンジン1と前後進切り換え機構5との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置3とロックアップクラッチ4とは相互に並列に配置されている。この流体伝動装置3は、流体の運動エネルギにより動力を伝達する装置であり、ロックアップクラッチ4は、摩擦力により動力を伝達する装置である。
さらに、前後進切り換え機構5は、入力部材に対する出力部材の回転方向を、選択的に切り換える装置である。この前後進切り換え機構5は、遊星歯車機構(図示せず)と、遊星歯車機構の回転要素に対する動力の伝達状態を制御するクラッチ(図示せず)と、遊星歯車機構の回転要素の回転・停止を制御するブレーキ(図示せず)とを有している。そして、クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置の係合圧が、油圧に制御されるように構成されている。
ベルト式無段変速機6は、前後進切り換え機構5と車輪2との間の動力伝達経路に設けられている。ベルト式無段変速機6は、相互に平行に配置されたプライマリシャフト7およびセカンダリシャフト8を有している。このプライマリシャフト7にはプライマリプーリ9が設けられており、セカンダリシャフト8にはセカンダリプーリ10が設けられている。プライマリプーリ9は、プライマリシャフト7に固定された固定シーブ11と、プライマリシャフト7の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ12とを有している。そして、固定シーブ11と可動シーブ12との間に溝M1が形成されている。
また、この可動シーブ12をプライマリシャフト7の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ12と固定シーブ11とを接近・離隔させる油圧サーボ機構13が設けられている。この油圧サーボ機構13は、油圧室13Aと、油圧室13Aの油圧に応じてプライマリシャフト7の軸線方向に動作できし、かつ、可動シーブ12に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
一方、セカンダリプーリ10は、セカンダリシャフト8に固定された固定シーブ14と、セカンダリシャフト8の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ15とを有している。そして、固定シーブ14と可動シーブ15との間にはV字形状の溝M2が形成されている。また、この可動シーブ15をセカンダリシャフト8の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ15と固定シーブ14とを接近・離隔させる油圧サーボ機構16が設けられている。この油圧サーボ機構16は、油圧室26と、油圧室26の油圧によりセカンダリシャフト8の軸線方向に動作でき、かつ、可動シーブ15に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。上記構成のプライマリプーリ9およびセカンダリプーリ10に、無端状のベルト17が巻き掛けられている。
一方、ベルト式無段変速機6の油圧サーボ機構13,16およびロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を制御する機能を有する油圧制御装置18が設けられている。この油圧制御装置18の構成については後述する。さらに、エンジン1、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6、油圧制御装置18を制御するコントローラとしての電子制御装置52が設けられている。この電子制御装置52には、イグニッションスイッチの信号、エンジン回転数、アクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、スロットルバルブの開度、シフトポジション、プライマリシャフト7の回転数、セカンダリシャフト8の回転数などの検知信号が入力される。電子制御装置52には各種のデータが記憶されており、電子制御装置52からは、エンジン1を制御する信号、ベルト式無段変速機6を制御する信号、前後進切り換え機構5を制御する信号、ロックアップクラッチ4を制御する信号、油圧制御装置18を制御する信号などが出力される。
つぎに、図2に示す車両Veの作用を説明する。エンジン1のトルクは、流体伝動装置3またはロックアップクラッチ4の少なくとも一方を経由して、前後進切り換え機構5に入力される。そして、前後進切り換え機構5から出力されたトルクは、ベルト式無段変速機6を経由して車輪2に伝達されて、駆動力が発生する。
前記ベルト式無段変速機6においては、油圧室13Aに供給されるオイルの流量が制御されて、プライマリプーリ9の可動シーブ12を軸線方向に動作させる推力が変化する。また、油圧室26の油圧が制御されて、セカンダリプーリ10の可動シーブ15を軸線方向に動作させる推力が変化する。そして、可動シーブ12の軸線方向の動作に応じて溝M1の幅が変化し、可動シーブ15の軸線方向の動作に応じて溝M2の幅が変化する。上記のように、油圧室13Aに供給されるオイル量が制御されて、ベルト式無段変速機6の変速比が制御されるとともに、油圧室26の油圧が制御されて、ベルト17に加えられる挟圧力が変化し、ベルト式無段変速機6のトルク容量が調整される。
一方、図2に示す車両Veにおいては、基本的にはイグニッションスイッチの信号に基づいてエンジン1の運転と停止とを選択的に切換可能である。また、イグニッションスイッチの信号以外の条件に基づいて、エンジン1の運転および停止を制御することが可能である。例えば、エンジン1が運転されている場合において、シフトポジションとしてドライブポジションが選択され、かつ、アクセルペダルが戻され、かつ、ブレーキペダルが踏み込まれ、かつ、車両Veが停止していることなどの事項が全て検知された場合は、停止条件が成立したものと判断して、エンジン1を停止させる制御を実行可能である。また、この停止条件が成立し、かつ、エンジン1が停止されている場合に、前記事項のうちの少なくとも1つが検知されなくなった場合に、復帰条件が成立したものと判断して、エンジン1を始動させる制御を実行可能である。つぎに、ロックアップクラッチ4および前後進切り換え機構5およびベルト式無段変速機6を制御する油圧制御装置18の具体的な構成を順次説明する。
油圧制御装置18の実施例1が、図1に示されている。この実施例1は、請求項1および請求項2の発明に対応する実施例である。図1に示す油圧制御装置18は、エンジン1により駆動されるオイルポンプ30を有している。このオイルポンプ30は吸入口31および吐出口32を有しており、吸入口31とオイルパン33とを接続する油路34が設けられている。また、オイルパン33から油路34に至る経路には、逆止弁35が設けられている。逆止弁35は、オイルポンプ33のオイルが油路34に流れることを許容し、油路34のオイルがオイルパン33に逆流することを防止する構成を有している。
一方、吐出口32には油路36が接続されており、前記油圧室26および前後進切り換え機構5の摩擦係合装置用の油圧室37に接続された油路38が形成されている。なお、前記摩擦係合装置はブレーキおよびクラッチを含み、油圧室はそれぞれ設けられているが、便宜上、1つの油圧室37として説明する。前記油路36から油路38に至る経路には、ライン圧コントロールバルブ39が設けられている。ライン圧コントロールバルブ39は、スプール39Aおよび入力ポート40およびドレーンポート41およびフィードバックポート42および弾性部材43を有している。入力ポート40およびフィードバックポート42は油路36に接続され、ドレーンポート41は油路38に接続されている。弾性部材43からスプール39Aに加えられる付勢力と、フィードバックポート42の油圧に基づいて、スプール39Aに加えられる付勢力とが逆向きとなるように構成されている。また、油路36から分岐した油路44が形成されており、油路44にはプレッシャーリリーフバルブ45が設けられている。
さらに前記油路36および油路38に接続された切換弁46が設けられている。切換弁46は、スプール46Aおよび入力ポート47およびドレーンポート48,49,50および制御ポート51および弾性部材71を有している。ここで、入力ポート47は油路36に接続され、ドレーンポート48および制御ポート51は油路38に接続されている。また、弾性部材71からスプール46Aに加えられる付勢力と、フィードバックポート51の油圧に基づいて、スプール46Aに加えられる付勢力とが逆向きとなるように構成されている。
また、前記油路34と油路38とを接続する油路53が設けられており、油路34と油路53との間には逆止弁54が介在され、油路53と油路38との間には逆止弁55が介在されている。逆止弁54は、油路34のオイルが油路53に流れることを許容し、かつ、油路53のオイルが油路34に逆流することを防止する構造を有している。また、逆止弁55は、油路53のオイルが油路38に流れることを許容し、かつ、油路38のオイルが油路53に逆流することを防止する構造を有している。
さらに、油路53と切換弁46のドレーンポート49との間にアキュムレータ56が設けられている。このアキュムレータ56は、第1の油室57と第2の油室58との間に配置され、かつ、軸線方向に動作可能なピストン59とを有している。また、ピストン59は大径部60および小径部61を有しており、大径部60の端面62が第1の油室57に面して配置され、小径部61の端面63が第2の油室58に面して配置されている。ピストン59の軸線方向に直交する平面において、第2の油室58の面積と端面63の面積とがほぼ同じに設定され、第1の油室57の面積と端面62の面積とがほぼ同じに設定されている。また、ピストン59の軸線方向に直交する平面において、第2の油室58および端面63の面積は、第1の油室57および端面62の面積よりも狭く設定されている。さらに、アキュムレータ56は弾性部材56Aを有しており、弾性部材56Aからピストン59を軸線方向に付勢する力が加えられている。具体的には、ピストン59の動作により第2の油室58の容積が狭められる向きの力が加えられる。なお、大径部60と小径部61との間の空間64に接続するドレーンポート65が形成されている。
さらに、油路38の油圧を制御するライン圧コントロールバルブ66が設けられている。ライン圧コントロールバルブ66は、スプール67と、入力ポート68と、ドレーンポート69と、制御ポート70と、フィードバックポート72と、弾性部材73とを有している。入力ポート68およびフィードバックポート72は油路38に接続され、ドレーンポート69は、油路73を経由してオイル必要部74に接続されている。オイル必要部74としては、潤滑系統が挙げられる。また、フィードバックポート72の油圧に応じてスプール67に加えられる付勢力と、弾性部材73の押圧力および制御ポート70の油圧に応じてスプール67に加えられる付勢力とが逆向きになるように構成されている。このライン圧コントロールバルブは、油路38の油圧を制御するものであり、フィードバックポート72の油圧に応じた付勢力と、弾性部材73の付勢力と、制御ポート70の信号油圧に応じた付勢力とに基づいて、油路38の油圧が制御される。なお、特に図示しないが、油圧室13Aにオイル供給する油路も設けられている。
つぎに、油圧制御装置18の機能を説明する。前述のように、車両Veにおいては、イグニッションスイッチの信号以外の条件、つまり、停止条件および復帰条件に基づいてエンジン1の停止および運転を制御することが可能である。このように、停止条件および復帰条件に基づいて、エンジン1の停止および運転を制御する状況としては、市街地などを走行中に、渋滞や信号待ちに遭遇する状況が挙げられる。このような状況では、エンジン1が停止され、かつ、その後にエンジン1が始動される場合に、車両Veの発進性を向上させる必要性があり、図1の油圧制御装置18によれば、このような要求に対処可能である。
まず、前述のように、停止条件が成立してエンジン1が停止した場合は、オイルポンプ30が停止しており、オイルポンプ30から油路36にはオイル(圧油)は吐出されない。したがって、油圧室26,37におけるオイル量が低下しており、前後進切り換え機構5における摩擦係合装置が解放され、かつ、ベルト式無段変速機6の伝達トルクが低下している。ついで、復帰条件が成立してエンジン1が運転された場合は、エンジン1の動力によりオイルポンプ30が駆動される。オイルポンプ30が駆動された場合は、オイルパン3のオイルが吸引され、油路36にオイルが吐出される。
前記切換弁46の制御ポート51には、油路38の油圧が入力されており、制御ポート51の油圧に応じてスプール46Aに加えられる付勢力に基づいて、切換弁46の動作が制御される。具体的には、油路38の油圧が第2の油圧以下である場合は、入力ポート47とドレーンポート49とが接続され、かつ、ドレーンポート48,50が遮断される。このように、入力ポート47とドレーンポート49とが接続され、かつ、ドレーンポート48,50が遮断される状態が、「切換弁46のオフ状態」である。
一方、ライン圧コントロールバルブ39においては、油路36の油圧が第1の油圧以下である場合は、入力ポート40とドレーンポート41とが遮断されるため、油路36のオイルが、ライン圧コントロールバルブ39を経由して油路38に排出されることはない。さらに、油路36,44の油圧が第3の油圧以下である場合は、プレッシャーリリーフバルブが閉じられており、油路44のオイルがドレーンされることはない。ここで、第1の油圧よりも第2の油圧の方が低圧であり、第1の油圧よりも第3の油圧の方が高圧となるように、切換弁46の特性およびライン圧コントロールバルブ39の特性およびプレッシャーリリーフバルブ45の特性が設定されている。
前述のように、エンジン1の始動後において、油路38の油圧が第2の油圧以下である場合は、油路36のオイルが、切換弁46の入力ポート47およびドレーンポート49を経由して、アキュムレータ56における第2の油室58に供給される。このようにして、第2の油室58の油圧が上昇し、ピストン59が図1において右方向に動作することで、第2の油室58の容積が拡大し、かつ、第1の油室57の容積が縮小される。第1の油室57には、予めオイルが保持されているため、第1の油室57の容積の縮小にともない油圧が上昇して、そのオイルが油路53に排出される。ここで、油路53の油圧の方が油路38の油圧よりも高圧である場合は、逆止弁55が解放されて、油路53のオイルが油路38に供給される。なお、逆止弁54が設けられているため、油路53のオイルが油路34に逆流することはない。
上記のようにして、第1の油室57のオイルが油路38に供給されて、油路38の油圧が上昇し、切換弁46の制御ポート51に入力される油圧が第2の油圧を越えた場合は、入力ポート47とドレーンポート48とが接続され、かつ、ドレーンポート49とドレーンポート50とが接続される。このように、入力ポート47とドレーンポート48とが接続され、かつ、ドレーンポート49とドレーンポート50とが接続された状態を「切換弁46のオン状態」と呼ぶ。このため、油路36のオイルは、切換弁46の入力ポート47およびドレーンポート48を経由して油路38に供給される。また、油路38から第2の油室58にはオイルが供給されなくなり、かつ、第2の油室58のオイルが、ドレーンポート50を経由して油路53に排出されて、第2の油室58の油圧が低下する。
すると、弾性部材56Aの付勢力により、ピストン59が図1において左方向に動作し、第2の油室58の容積が縮小され、かつ、第1の油室57の容積が拡大される。このようにして、第1の油室57が負圧となり、逆止弁54が解放され、油路34のオイルが油路53を経由して第1の油室57に吸引され、次回のエンジン1の停止後のエンジン1の始動に備える。なお、第1の油室57が負圧となった場合、逆止弁55が設けられているため、油路38のオイルが油路53に逆流することを防止できる。
一方、ライン圧コントロールバルブ39においては、油路36の油圧が第1の油圧を越えた場合は、スプール39Aの動作により、入力ポート40とドレーンポート41とが接続され、油路36のオイルが油路38に排出されて、油路36の上昇が抑制される。以下、フィードバックポート42に入力される油圧に応じてスプール39Aが動作し、油路36から油路38に排出されるオイルの流量が調整される。このようにして、油路36の油圧、すなわち、第1のライン圧がコントロールバルブ39により制御される。なお、油路36の油圧が第3の油圧を越えた場合は、プレッシャーリリーフバルブ45が解放され、油路36のオイルがプレッシャーリリーフバルブ45を経由してオイルパン33に排出される。
また、油路38の油圧は、ライン圧コントロールバルブ66のフィードバックポート72に入力されており、油路38の油圧が第4の所定圧以下である場合は、入力ポート68とドレーンポート69とが遮断されている。そして、油路38の油圧が第4の油圧を越えた場合は、スプール67の動作により入力ポート68とドレーンポート69とが接続され、油路38のオイルが油路73を経由してオイル必要部74に供給される。さらに、油路38の油圧が低下した場合は、スプール67の動作により、油路38から油路73に排出されるオイルの流量が減少する。このように、フィードバックポート72に入力される油圧に応じてスプール67が動作し、油路38の油圧、すなわち、第2のライン圧がライン圧コントロールバルブ66により制御される。なお、上記第4の油圧は、前記第2の油圧よりも高圧であり、かつ、前記第1の油圧よりも低圧である。
上記のようにして、油路38に供給されたオイルは油圧室26,37に供給され、セカンダリプーリ10からベルト17に加えられる挟圧力が増加するとともに、前後進切り換え機構5の摩擦係合装置の係合圧が高められる。したがって、車両Veが発進する場合に、前後進切り換え機構5の伝達トルクおよびベルト式無段変速機6の伝達トルクが高められる。また、この実施例1においては、停止しているエンジン1を始動すると、油路38の油圧が第2の油圧以下である場合は、油路36のオイルが切換弁46を経由してアキュムレータ56の第2の油室58に供給されて、アキュムレータ56の機能により第1の油室57で保持されているオイルが、油路53を経由して油路38に供給される。
この実施例1においては、
PL1>(PL2FULL・B1+We+F)A1 ・・・(1)
とすると、
Q2=Q1・(B1/A1) ・・・(2)
となる。
上記の式(1)および上記の式(2)において、「PL1」は「第1の油圧」であり、「PL2FULL」は「第2の油圧」であり、「B1」は、「端面62の面積」であり、「A1」は、「端面63の面積」であり、「Q2」は「第1の油室57から油路38に供給されるオイル量」であり、「Q1」は「第2の油室58に供給されるオイル量」である。前記第2の油圧は、「油路38に圧油が充填された。」と判断できるレベルの油圧である。また、弾性部材56Aから端面62に加えられる荷重は、WsないしWeの範囲で変化する。ここで、弾性部材56Aが伸びきった場合に最低荷重Wsが発生し、弾性部材56Aが縮んだ場合に最高荷重Weが発生する。また、上記の「F」はピストン59が動作する場合の摩擦抵抗である。
このように、実施例1においては、停止しているエンジン1を始動させて、オイルポンプ30から吐出されたオイルを油路38に供給する場合の前半段階においては、第2の油室58に供給されるオイルの流量よりも、第1の油室57から、油路38を経由して油圧室26,37に供給されるオイルの流量の方が多くなり、油路38および油圧室26,37に供給されるオイルの供給効率を上昇させることが可能である。このため、油路38および油圧室26,37における油圧の上昇応答性を向上することができ、油圧制御装置18の信頼性が向上する。したがって、前後進切り換え機構5およびベルト式無段変速機6における伝達トルクの制御応答性が向上し、前後進切り換え機構5における摩擦係合装置の滑りおよびベルト式無段変速機6におけるベルト17の滑りを抑制することができ、車両Veの発進性能が向上する。
さらに、オイルポンプ30の吐出容量自体を増加せずに済み、オイルポンプ30を駆動するエンジン1の燃費の低下を抑制できる。さらに、エンジン1により駆動されるオイルポンプ30から吐出されるオイルを第2の油室58に供給することにより、油路38および油圧室26,37に供給されるオイルの供給効率を上昇させることが可能である。したがって、エンジン1により駆動されるオイルポンプ30とは別のオイルポンプ(電動オイルポンプ)を用いずに済み、部品点数の増加を抑制できる。
また、切換弁46がオン状態に制御された場合は、第2の油室58のオイルが油路53を経由して第1の油室57に吸引されるため、オイルパン33から第1のオイル室57に汲み上げるオイル量を少なくでき、かつ、第1の油室57に吸引されるオイルの流通距離を可及的に短くすることが可能である。したがって、アキュムレータ56の応答性が向上するとともに、第2の油室58の油圧が低下しやすくなり、弾性部材56Aのばね定数を低下させて、ピストン59に加えられる荷重を低減することが可能である。また、低温時にオイルの粘度が高まった場合でも、第1の油室57に吸引されるオイルの流通距離が短いために、第1の油室57におけるオイルの吸引性能の低下を抑制できる。さらに、アキュムレータ56においては、第1の油室57で負圧によりオイルを保持している間、圧力を所定値以上に保持する構成は設けられていない。したがって、オイル漏れなどの発生を回避できる。
ここで、図1および図2で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、エンジン1が、この発明の駆動力源に相当し、前後進切り換え機構5およびベルト式無段変速機6が、この発明の動力伝達装置に相当し、ベルト式無段変速機6が、この発明における無段変速機に相当し、前後進切り換え機構5における摩擦係合装置の係合圧および伝達トルクと、ベルト式無段変速機6における油圧室26の油圧および伝達トルクが、この発明における「動力伝達装置の動力伝達状態」に相当し、油路38および油圧室26,37における圧油の供給量および油圧が、この発明における「オイルの供給状態」に相当し、油路38および油圧室26,37が、この発明のオイル受領装置に相当し、アキュムレータ56が、この発明のオイル保持装置に相当し、端面62Aが、この発明における第1の受圧面に相当し、端面63が、この発明における第2の受圧面に相当し、切換弁46が、この発明のオイル供給量制御装置に相当し、入力ポート47が、この発明のオイル吸入口に相当し、ドレーンポート49が、この発明のオイル吐出口に相当する。
前記油圧制御装置18の実施例2を、図3に基づいて説明する。この実施例2は、請求項1ないし請求項3の発明に対応する実施例である。この実施例2においては、油路36と、アキュムレータ56の第2の油室58とが直接接続されており、前述した切換弁46は設けられていない。この実施例2のその他の構成は、実施例1の構成と同じである。この実施例2においては、エンジン1が始動されて、オイルポンプ30から吐出されたオイルが油路36を経由してアキュムレータ56の第2の油室58に供給されて、実施例1と同様の原理により、第1の油室57のオイルが油路53を経由して油路38に供給される。そして、第1の油室57のオイルが全て油路38に供給される以前に、油路36のオイルが、入力ポート40およびドレーンポート41を経由して油路38に供給されるように、ライン圧コントロールバルブ39の特性が構成されている。
また、この実施例2においては、エンジン1が運転されている間、油路36のオイルが第2の油室58に供給され続けるため、ピストン59は、図3において右方向に動作した所定位置で停止している。そして、エンジン1が停止してオイルポンプ30から油路36にオイルが吐出されなくなり、第2の油室58の油圧が低下すると、弾性部材56Aからピストン59に加えられる荷重によりピストン56Aが、図3において左方向に動作し、第1の油室57が負圧となり、油路34のオイルが油路53を経由して第1の油室57に吸引される。この実施例2の構成においても、実施例1と同様の構成については、実施例1と同様の作用効果が生じる。この実施例2においては、油路36が、この発明におけるオイル供給量制御装置に相当し、油圧室13Aが、この発明のプライマリプーリ油圧室に相当し、油圧室26が、この発明のセカンダリプーリ油圧室に相当する。実施例2のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、実施例1の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、油圧制御装置18の実施例3を、図4に基づいて説明する。この実施例3は、請求項1ないし請求項3の発明に対応する実施例である。この実施例3においては、油圧室26に接続された油路75が設けられており、油路75の油圧が、切換弁46の制御ポート51に入力される構成となっている。また、油路75と油路53とが接続されており、油路75と油路53との間に逆止弁55が介在されている。逆止弁55は、油路53のオイルが油路75に供給されることを許容し、かつ、油路75のオイルが油路53に逆流することを防止する構成を有している。
一方、油路36に接続された油路76が設けられており、油路36と油路76との間にライン圧コントロールバルブ77が設けられている。ライン圧コントロールバルブ77は、リリーフ弁により構成されており、ライン圧コントロールバルブ77は、弁体77Aと、弁体77Aを弁座77Bに押し付ける弾性部材77Cとを有している。そして、ライン圧コントロールバルブ77は、油路36の油圧を制御する機能を有している。また、油路76と油路75との間には、セカンダリシーブ圧制御弁78が設けられている。セカンダリシーブ圧制御弁78は、入力ポート79および出力ポート80およびドレーンポート81およびフィードバックポート82を有している。そして、入力ポート79と油路76とが接続され、出力ポート80およびフィードバックポート82が、油路75に接続され、ドレーンポート81がオイルパン33に接続されている。なお、油路76と入力ポート79との間には逆止弁83が設けられている。この逆止弁83は、油路76のオイルが入力ポート79に供給されることを許容し、かつ、入力ポート79のオイルが油路76に逆流することを防止する構成を有している。
さらに、油路76にはライン圧コントロールバルブ84が接続されている。ライン圧コントロールバルブ84は、入力ポート85およびドレーンポート86およびフィードバックポート87を有している。この入力ポート85およびフィードバックポート87が、油路76に接続され、ドレーンポート86には油路88を介してオイル必要部74が接続されている。なお、図4のその他の構成は、図1の構成と同じである。
この実施例4においては、油路75の油圧が切換弁46の制御ポート51に入力されており、油路75の油圧に応じて切換弁46の動作が切り換えられる。前述のように、エンジン1が停止状態にある場合は、オイルポンプ30が停止し、油路75および油圧室26に供給されるオイル量が減少して、油路75および油圧室26の油圧が低下する。このように、油路75の油圧が低下し、制御ポート51に入力される油圧が低圧である場合は、切換弁46がオフ状態となる。
ついで、復帰条件が成立して、エンジン1が停止状態から運転状態に変更された場合は、オイルポンプ30が駆動されて、オイルポンプ30から油路36にオイルが吐出される。油路36に吐出されたオイルの一部は、実施例1と同様にして第2の油室58に供給される。そして、実施例1で説明した原理と同じ原理により、第1の油室57のオイルが油路53に排出され、そのオイルが油路75および油圧室26に供給される。さらに、油路75の油圧が第5の油圧以上に上昇した場合は、制御ポート51に入力される油圧が上昇して、切換弁46がオン状態に切り換えられる。すると、油路36のオイルが入力ポート47およびドレーンポート48を経由して油路76に供給される。
一方、油路75の油圧が第6の油圧以下である場合は、セカンダリシーブ圧制御弁78の入力ポート79と出力ポート80とが接続され、ドレーンポート81が遮断されている。ここで、第6の油圧は第5の油圧よりも高圧である。このため、油路76のオイルは、セカンダリシーブ圧制御弁78を経由して油路75に供給される。また、切換弁46がオン状態に切り換えられると、第2の油室58がオイルパン33に接続されて、第2の油室58の油圧が低下するとともに、弾性部材56Aからピストン59に加えられる付勢力により、ピストン59が図4において左方向に動作して、第2の油室58のオイルが切換弁46を経由してオイルパン33に排出される。このピストン59の動作にともない、実施例1と同様の原理により、第1の油室57にオイルが吸引される。
このようにして、オイルポンプ30から吐出されたオイルが、油路36および油路76およびセカンダリシーブ圧制御弁78を経由して油路75に供給される。ここで、油路75の油圧が第6の油圧を越えた場合は、出力ポート80とドレーンポート81とが接続され、かつ、入力ポート79が遮断される。すると、油路75のオイルがドレーンポート81を経由してオイルパン33に排出されて、油路75の油圧の上昇が抑制または低下される。そして、油路75の油圧が第6の油圧以下になった場合は、再度、入力ポート79と出力ポート80とが接続され、かつ、ドレーンポート81が遮断されて、油路76のオイルが油路75に供給される。このようにして、セカンダリシーブ圧制御弁78により、油路75の油圧が制御される。
上記のような動作中、油路36の油圧が第7の油圧以下である場合は、ライン圧コントロールバルブ77が閉じられている。これに対して、油路36の油圧が第7の油圧を越えた場合は、ライン圧コントロールバルブ77が開放されて、油路36のオイルがライン圧コントロールバルブ77を経由して油路76に排出される。さらに、油路76の油圧が第8の油圧以下である場合は、ライン圧コントロールバルブ84の入力ポート85とドレーンポート86とが遮断されている。そして、油路76の油圧が第8の油圧を越えた場合は、入力ポート85とドレーンポート86とが接続されて、油路76のオイルが油路88を経由してオイル必要部74に供給される。
この実施例3においては、
PL1>(PsecFULL・B1+We+F)/A1 ・・・(3)
とすることにより、
前述した式(2)が成立する。上記の式(3)において、「PsecFULL」は「油路75の油圧」である。そして、この実施例3においても、実施例1と同様の構成部分については、実施例1と同様の効果を得ることができる。ここで、実施例3とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、油路75および油圧室26が、この発明のオイル受領装置に相当する。実施例3のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、実施例1の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、油圧制御装置18の実施例4の構成を、図5に基づいて説明する。この実施例4は、請求項1ないし請求項3の発明に対応するものである。実施例4における油圧制御装置18の構成は、実施例3における油圧制御装置18の構成とほぼ同じであり、実施例3の油圧制御装置18との相違点を説明する。実施例5においては、切換弁46のドレーンポート50が油路53に接続されている。油路53とドレーンポート50との接続位置は、逆止弁54と逆止弁55との間である。また、油路36から油路76に至る経路にライン圧コントロールバルブ100が設けられている。ライン圧コントロールバルブ100は、入力ポート101とドレーンポート102とフィードバックポート103とを有しており、入力ポート101およびフィードバックポート103が、油路36に接続され、ドレーンポート102が油路76に接続されている。
また、油路36におけるオイルポンプ30とライン圧コントロールバルブ100との間には、プレッシャーリリーフバルブ500が設けられている。プレッシャーリリーフバルブ500は、弁体502Aと、弁体502を弁座501に押し付ける弾性部材503とを有している。そして、プレッシャーリリーフバルブ500が開弁されると、油路36のオイルがドレーンされる構成となっている。
この実施例4においては、切換弁46がオン状態になり、かつ、ピストン59が図5において左方向に動作する場合に、第2の油室58のオイルが、切換弁46を経由して油路53に供給され、そのオイルが第1の油室57に吸引される。したがって、オイルパン33から第1の油室57に吸引するオイル量を低減でき、かつ、第1の油室57に吸引されるオイルの流通距離が短くなり、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、油路36の油圧が所定圧、つまりライン圧コントロールバルブ100の開弁圧以上になった場合は、入力ポート101とドレーンポート102とが連通されて、油路36のオイルが油路76に排出されて、油路36の油圧の上昇が抑制される。さらに、油路36の油圧が低下した場合は、入力ポート101とドレーンポート102とが遮断されて、油路36から油路76にオイルが排出されなくなる。このようにして、ライン圧コントロールバルブ100により油路36の油圧が制御される。
ところで、プレッシャーリリーフバルブ500の開弁圧は、ライン圧コントロールバルブ100の開弁圧よりも高圧に設定されている。そして、ライン圧コントロールバルブ100が閉弁状態でフェールした場合は、油路36の油圧がライン圧コントロールバルブ100の開弁圧以上となった場合でも、油路36のオイルがドレーンポート102に排出されない。そこで、油路36の油圧が更に上昇して、プレッシャーリリーフバルブ500の開弁圧以上になった場合は、プレッシャーリリーフバルブ500が開弁されて、油路36のオイルをドレーンして、油路36の油圧が更に上昇することを抑制できる。なお、図5の油圧制御装置18において、プレッシャーリリーフバルブ500は設けられていなくてもよい。実施例4におけるその他の作用効果は、実施例1および実施例3と同じである。
この実施例4で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、切換弁46が、この発明におけるオイル供給量制御装置に相当する。実施例4のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、実施例1の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、油圧制御装置18の実施例5の構成を、図6に基づいて説明する。この実施例5は、請求項3ないし請求項4の発明に対応するものである。実施例5の構成は実施例4の構成と共通しており、実施例4との相違点を説明する。実施例5においては、切換弁46における制御ポート51と油路36との間にソレノイドバルブ89が設けられている。ソレノイドバルブ89は、磁気吸引力で所定方向に付勢されるスプール104と、スプール104を磁気吸引力とは逆向きに付勢する弾性部材105と、入力ポート90と、出力ポート91と、ドレーンポート92とを有している。この入力ポート90と油路36とが接続され、出力ポート91と制御ポート51とが接続され、ドレーンポート92とオイルパン33とが接続されている。
一方、逆止弁55におけるオイルの吐出許容方向の下流には、切換弁93が設けられている。この切換弁93は、入力ポート94と、出力ポート95,96と、制御ポート97とを有している。制御ポート97に入力される信号圧の高低に応じて、出力ポート95,または出力ポート96のいずれか一方が、入力ポート94と接続される。そして、出力ポート95には油路75が接続され、出力ポート96には油路98を経由して油圧室13Aが接続されている。実施例5におけるその他の構成は、実施例4におけるその他の構成と同じである。
この実施例5の油圧制御装置18によれば、エンジン1の停止状態においては、ソレノイドバルブ89は、出力ポート91とドレーンポート92とが接続され、入力ポート90が遮断されるように制御される。このため、切換弁46の制御ポート51のオイルがドレーンポート92から排出されて、制御ポート51の油圧が低下する。したがって、切換弁46はオン状態となり、第2の油室58のオイルがドレーンポート50から排出されて、前述と同様の原理により、第1の油室57にオイルが吸引される。
ついで、復帰条件が成立して、エンジン1を停止状態から運転状態に変更する場合は、ソレノイドバルブ89は、入力ポート90と出力ポート91とが接続され、ドレーンポート92が遮断されるように制御される。その結果、オイルポンプ30から吐出されたオイルが、油路36および入力ポート90および出力ポート91を経由して制御ポート51に供給されて、制御ポート51の油圧が上昇する。制御ポート51の油圧が上昇して、切換弁46がオフ状態になると、実施例4と同様の原理により、第1の油室57のオイルが油路53を経由して切換弁93に供給される。ここで、エンジン1の始動時には、入力ポート94と出力ポート95とが接続され、出力ポート96が遮断されるように、切換弁93が制御されている。このため、切換弁93に供給されたオイルは、油路75を経由して油圧室26に供給され、油圧室26の油圧が上昇する。なお、切換弁93を経由することなく油路98に供給されたオイルが油圧室13に供給されている。
このようにして、油路75にオイルが供給され、油路75の油圧が所定油圧以上になった場合に、ソレノイドバルブ89は、入力ポート90が遮断され、出力ポート91とドレーンポート92とが接続されるように制御される。すると、制御ポート51の油圧が低下して切換弁46がオン状態となり、油路36のオイルが入力ポート47およびドレーンポート48を経由して油路76に供給される。この実施例5においても、実施例1および実施例4と同じ構成分については、実施例1および実施例4と同じ作用効果を得ることが可能である。
さらに、この実施例5においては、つぎのような制御を実行することも可能である。前述のようにして、エンジン1が運転状態となった後は、切換弁46はオン状態となっている。また、ソレノイドバルブ89は、入力ポート90が遮断され、出力ポート91とドレーンポート92とが接続されており、制御ポート51の油圧が低圧となっている。このような状況において、ベルト式無段変速機6の変速比を急激に変化させる条件が成立した場合は、切換弁46をオン状態からオフ状態に切り換えて、アキュムレータ56のピストン59を図6において右方向に動作させ、第1の油室57のオイルを油路53に排出する制御を実行することが可能である。
ここで、ベルト式無段変速機6の変速比を大きくするダウンシフト条件が成立している場合は、切換弁93は、入力ポート94と出力ポート95とが接続され、かつ、出力ポート96が遮断されるように制御される。このため、油路53のオイルは油路75を経由して油圧室26に供給される。これとは逆に、ベルト式無段変速機6の変速比を小さくするアップシフト条件が成立している場合は、切換弁93は、入力ポート94と出力ポート96とが接続され、かつ、出力ポート95が遮断されるように制御される。このため、油路53のオイルは油路98を経由して油圧室13Aに供給される。なお、第2の油室57のオイルが排出され終わった場合は、ダウンシフトまたはアップシフトのいずれの場合も、切換弁46がオン状態に切り換えられる。このようにして、ベルト式無段変速機6における変速比の変化速度の制御応答性を向上させ、かつ、セカンダリプーリ10からベルト17に加えられる挟圧力の制御応答性を向上することが可能である。
この実施例5で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、油路38および油圧室13A,26,37が、この発明のオイル受領装置に相当し、切換弁46およびソレノイドバルブ89が、この発明におけるオイル供給量制御装置に相当する。実施例5のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、実施例1の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、油圧制御装置18の実施例6を図7に基づいて説明する。この実施例6は、請求項1ないし請求項3に対応する実施例である。この実施例6は実施例3と共通点があり、実施例6の油圧制御装置18は、実施例3の油圧制御装置18における切換弁46が設けられていない。すなわち、油路36が直接第2の油室58に接続されている。実施例6におけるその他の構成は、実施例3の構成と同じである。
この実施例6においては、エンジン1が始動されて、オイルポンプ30から吐出されたオイルが油路36を経由してアキュムレータ56の第2の油室58に供給されて、実施例1と同様の原理により、第1の油室57のオイルが油路53を経由して油路75に供給される。また、ピストン59が図7において右方向に動作しており、油路36の油圧が所定圧以下である場合は、ライン圧コントロールバルブ77は閉じられている。
そして、第1の油室57のオイルが全て油路38に供給される以前に、油路36の油圧が所定圧を越えると、ライン圧コントロールバルブ77が開放されて、油路36のオイルが、ライン圧コントロールバルブ77を経由して油路76に供給される。油路76のオイルは、実施例3と同様の原理により、油圧室26に供給される。
また、この実施例6においては、エンジン1が運転されている間、油路36のオイルが第2の油室58に供給され続けるため、ピストン59は、図7において右方向に動作した所定位置で停止している。そして、エンジン1が停止してオイルポンプ30から油路36にオイルが吐出されなくなり、第2の油室58の油圧が低下すると、実施例2と同様にして、油路34のオイルが第1の油室57に吸引される。この実施例6の構成においても、実施例1および実施例3と同様の構成については、実施例1および実施例3と同様の作用効果が生じる。この実施例6においては、油路36が、この発明におけるオイル供給量制御装置に相当する。実施例6のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、実施例1の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、油圧制御装置18の実施例7を図8に基づいて説明する。この実施例8は、請求項1ないし請求項3に対応する実施例である。この実施例8は実施例4と共通点があり、実施例7の油圧制御装置18は、実施例4の油圧制御装置18におけるライン圧コントロールバルブ100に代えて、ライン圧コントロールバルブ77が用いられている。実施例7におけるその他の構成は、実施例4の構成と同じである。そして、実施例7においては、油路36の油圧が低圧である場合は、ライン圧コントロールバルブ77が閉じられている一方、切換弁46がオン状態に制御され、かつ、油路36の油圧が所定圧を越えた場合は、ライン圧コントロールバルブ77が開放されて、油路36のオイルが油路76に排出される。なお、実施例7の油圧制御装置18におけるその他の作用効果は、実施例4の油圧制御装置18における作用効果と同じである。なお、実施例7で説明した構成とこの発明の構成との対応関係は、実施例4の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、油圧制御装置18の実施例8を、図9に基づいて説明する。この実施例8は、請求項1ないし4の発明に対応する実施例である。図9に示す油圧制御装置18の基本的な構成は、図1に示された油圧制御装置18の構成と共通している。図9に示す油圧制御装置18と、図1に示す油圧制御装置18との相違点を説明すると、図9に示す切換弁46と、図1に示す切換弁46とでは、弾性部材71からスプール46Aに加えられる付勢力の向きが逆となっている。また、図9に示す切換弁46と、図1に示す切換弁46とでは、制御ポート51からスプール46Aに加えられる付勢力の向きが逆となっている。
また、図9に示す油圧制御装置18においては、油路36から制御ポート51に至る経路にソレノイドバルブ89が設けられている。このソレノイドバルブ89は、略直線状に動作可能であり、磁気吸引力により所定の向きで付勢されるスプール104と、このスプール104に磁気吸引力とは逆向きの付勢力を与える弾性部材105と、入力ポート90と、出力ポート91と、ドレーンポート92とを有している。この入力ポート90と油路36とが接続され、出力ポート91と制御ポート51とが接続され、ドレーンポート92とオイルパン33とが接続されている。このソレノイドバルブ89は、通電時に入力ポート90と出力ポート91とが接続され、かつ、非通電時に入力ポート90と出力ポート91とが遮断される特性のソレノイドバルブ、すなわち、ノーマルオープン型のソレノイドバルブである。
つぎに、図9に示された油圧制御装置18の機能について説明すると、エンジン1が停止状態である場合は、オイルポンプ30が停止しており、油路36にオイルが吐出されない。ついで、復帰条件が成立してエンジン1が停止状態から運転状態に変更されると、オイルポンプ30が駆動されて、油路36にオイルが吐出される。一方、油路38の油圧が所定圧以下である場合は、ソレノイドバルブ89が非通電状態に制御されている。このため、油路36のオイルは制御ポート51には入力されず、制御ポート51の油圧が最低圧となっている。このため、切換弁46がオフ状態となり、油路36のオイルの一部は入力ポート47およびドレーンポート49を経由して、アキュムレータ56における第2の油室58に供給される。その結果、実施例1で説明した原理と同じ原理により、第1の油室57のオイルが、油路38を経由して油圧室26,37に供給される。
上記のようにして、油路38にオイルが供給されるとともに、油路38の油圧が所定圧を越えた場合は、ソレノイドバルブ89が通電状態に制御される。すると、油路36のオイルが制御ポート51に供給されて、制御ポート51の油圧が上昇する。その結果、切換弁46がオン状態に切り換えられるとともに、油路36のオイルが入力ポート47およびドレーンポート48を経由して、油路38および油圧室26,37に供給される。また、第2の油室58の油圧が低下して、ピストン59が図9において左方向に動作し、第2の油室58のオイルが油路53に排出されるとともに、実施例1と同様の原理により、第2の油室57へオイルが吸引される。
以上のように、この実施例8においても、エンジン1を停止状態から運転状態に変更する場合に、実施例1と同様の効果を得ることが可能である。また、実施例8においても、実施例5で説明した制御と同様の制御を実行可能である。すなわち、エンジン1が運転状態となった後に、ベルト式無段変速機6の変速比を急激に変化させる条件が成立した場合、または、前後進切り換え機構5の摩擦係合装置の係合圧を高める条件が成立した場合に、ソレノイドバルブ89を制御することにより、切換弁46をオン状態からオフ状態に切り換えて、第1の油室57のオイルを油路38に供給することも可能である。このような制御を実行すると、実施例5で説明した効果と同様の効果を得ることが可能である。なお、実施例8におけるその他の構成部分については、実施例1と同様の作用が生じる。
また、実施例8においては、
PL1>(PL2・B1+We+F)/A1 ・・・(4)
となるように、ライン圧コントロールバルブ39による油路36の油圧制御特性を制御することにより、実施例1で説明した式(2)が成立する。ここで、PL1は油路36の油圧であり、PL2は油路38の油圧である。
さらに、実施例8においては、ソレノイドバルブ89としてノーマルオープン型のソレノイドバルブを用いているため、ソレノイドバルブ89を通電状態とすることができないフェールが生じた場合、例えば、電線が断線した場合は、入力ポート90と出力ポート91とが接続される。ここで、復帰条件が成立して、エンジン1を停止状態から運転状態に変更すると、オイルポンプ30が駆動されて油路36にオイルが吐出される。油路36のオイルは制御ポート51に供給されるが、制御ポート51の油圧が所定圧以下である場合は、切換弁46はオフ状態にある。このため、油路36のオイルが第2の油室58に供給されて、第2の油室58の油圧が上昇し、ピストン59が図9において右方向に動作し、第1の油室57のオイルが油路38に供給される。
ついで、油路36の油圧が上昇した場合は、制御ポート51に入力される油圧も上昇して、切換弁46がオン状態となる。その結果、油路36のオイルは、入力ポート47およびドレーンポート48を経由して油路38に供給される。このように、ソレノイドバルブ89を通電状態とすることができないフェールが生じるとともに、エンジン1を停止状態から運転状態に変更する場合に、油路38へオイルを急速充填した後、緩やかにオイルを油路38に供給することが可能である。
ここで、アキュムレータ56を用いて、油路38に供給されるオイル量を増加する構成の実施例と、オイルポンプの吐出容量を増加して、所定の油路に供給されるオイル量を増加する比較例との対応関係を説明する。まず、オイルポンプから吐出されるオイルの流量と、油路の油圧(ライン圧)との関係の一例を、図10に基づいて説明する。図10の特性線図に示すように、オイルポンプから吐出されるオイルの流量が増加するほど、ライン圧が上昇する特性となる。
つぎに、比較例に相当するオイルの消費流量と、実施例8におけるオイルの消費流量との関係を、図11のグラフ図に基づいて説明する。比較例の通常時においては、オイルのの総消費量のうち、ライン圧を保持するために消費される流量の割合と、潤滑系統で消費される流量の割合とがほぼ同じである。ここで、通常時とは、ベルト式無段変速機の変速比が略一定に維持される場合を意味する。一方、ベルト式無段変速機の変速比を急激に変化させる場合において、ライン圧を保持するために消費される流量の割合は、通常時の場合、または急変速時の場合共に同じである。しかしながら、急変速時にはベルト式無段変速機の油圧室で消費される流量が増加するため、急変速時における総消費量は、通常時における総消費量よりも多くなる。
これに対して、実施例の通常時における総消費量は、比較例の場合と同じであり、かつ、ライン圧の保持に消費される流量の割合と、潤滑系統で消費される流量の割合とがほぼ同じである。また、実施例の急変速時における総消費量は、実施例の通常時における総消費量と同じとなる。一方、実施例8においては、アキュムレータ56の機能によりライン圧を上昇させているため、急変速時にライン圧を確保するために消費される流量は、通常時にライン圧を確保するために消費される流量よりも多くなる。これは、端面63の面積よりも端面62の面積の方が広いため、第2の油室58に供給されるオイル量よりも、第1の油室57から吐出されるオイル量の方が多くなり、第2の油室58の油圧よりも、第1の油室57の油室の方が低圧となり、第1の油室57の油圧を上昇させるためには、第2の油室58に供給するオイル量を増加する必要があるからである。
しかしながら、図10に示すように、流量とライン圧との対応関係は、流量が所定値以上になった場合におけるライン圧の上昇割合は、流量が所定値Q3未満である場合におけるライン圧の上昇割合よりも多くなる特性を示す。したがって、ベルト式無段変速機の油圧室の油圧を所定圧まで高める場合、図11の特性線図に示すように、オイルポンプの吐出流量を増加する比較例に比べて、ライン圧自体を高める実施例の方が、オイルの総消費量は少なくなる。つまり、実施例の油圧制御装置の方が、比較例の油圧制御装置に比べて、オイルポンプの吐出容量を少なくすることができ、オイルポンプ30の小型化に寄与できるとともに、オイルポンプ30を駆動するエンジン1の燃費の低下を抑制できる。なお、図10および図1を用いて説明した作用効果は、実施例5の場合にも対応する。
つぎに、油圧制御装置18の実施例9の構成を、図12に基づいて説明する。この実施例9は、請求項1ないし4の発明に対応する実施例である。図12に示す油圧制御装置18の基本的な構成は、図1に示された油圧制御装置18の構成と共通している。図9に示す油圧制御装置18と、図1に示す油圧制御装置18との相違点を説明すると、まず、アキュムレータ56を制御する切換弁106の構成が異なる。図12に示す切換弁106は、スプール107と、スプール107を所定方向に付勢する力を生じる弾性部材108と、入力ポート109および出力ポート110およびドレーンポート111および制御ポート112,113を有している。入力ポート109および制御ポート107は、油路36に接続され、出力ポート110は第2の油室58に接続されている。また、制御ポート113は油路38に接続されている。さらに、制御ポート113の油圧により、弾性部材108と同じ向きの付勢力がスプール107に加えられる。これに対して、制御ポート112の油圧により、弾性部材108の付勢力とは逆向きの付勢力がスプール107に加えられる。
また、図12の油圧制御装置18においては、ライン圧コントロールバルブ39の調圧特性を制御するソレノイドバルブ114が設けられている。このソレノイドバルブ114は、スプール115および弾性部材116および入力ポート117および出力ポート118およびドレーンポート119を有している。さらに、ライン圧コントロールバルブ39には制御ポート120が設けられている。この制御ポート120には出力ポート118の油圧が入力されて、制御ポート120の油圧により、弾性部材43の付勢力と同じ向きの付勢力が、スプール39Aに加えられる構成となっている。さらに、入力ポート117は油路36に接続されている。なお、このソレノイドバルブ114は、非通電時に入力ポート117が遮断され、かつ、出力ポート118とドレーンポート119とが接続されるとともに、通電時に入力ポート117と出力ポート118とが接続され、かつ、ドレーンポート119が遮断される構成のソレノイドバルブ、つまり、ノーマルクローズ型のソレノイドバルブである。
つぎに、図12の油圧制御装置18における作用を説明する。まず、復帰条件が成立して、エンジン1が停止状態から運転状態に変更されると、オイルポンプ30が駆動されてオイルが油路36に供給される。また、ソレノイドバルブ114が通電状態に制御されて、油路36から制御ポート120に入力される油圧が上昇する。このため、ライン圧コントロールバルブ39の開弁圧が上昇しており、油路36の油圧が、その開弁圧未満の範囲で上昇する。すると、油路36から切換弁106の制御ポート112に入力される油圧が上昇する。
一方、エンジン1を停止状態から運転状態に切り換えた時点では、油路38の油圧が低圧であるため、制御ポート112の油圧が上昇する。すると、弾性部材108および制御ポート113の油圧に応じてスプール107に加えられる付勢力よりも、制御ポート112の油圧に応じて、スプール107に加えられる付勢力の方が強いため、スプール107が、図12において上側に動作する。このスプール107の動作により、切換弁106の入力ポート109と出力ポート110とが接続され、かつ、ドレーンポート111が遮断される。このように、切換弁106の入力ポート109と出力ポート110とが接続され、かつ、ドレーンポート111が遮断された状態を、切換弁106のオン状態と呼ぶ。このように、切換弁106がオン状態になった場合は、油路36のオイルが入力ポート109および出力ポート110を経由して、アキュムレータ56の第2の油室58に供給される。その結果、実施例1と同様の原理により、第1の油室57のオイルが油路38および油圧室26,37に供給される。
このようにして、油路38にオイルを急速充填した後、ソレノイドバルブ114が非通電状態に制御される。すると、ライン圧コントロールバルブ39の開弁圧が低下するとともに、油路36の油圧が開弁圧を越えていれば、ライン圧コントロールバルブ39が開弁されて、油路36のオイルが、入力ポート40およびドレーンポート41を経由して油路38に供給される。上記のようにして、油路38の油圧が上昇し、油路36の油圧と油路38の油圧とがほぼ同じとなる。
一方、油路36のオイルがライン圧コントロールバルブ39を経由して油路38に供給されると、油路36の油圧が低下して、切換弁106の制御ポート112に入力される油圧が低下する。そして、弾性部材108の付勢力および制御ポート113の油圧に応じた付勢力の方が、制御ポート112の油圧に応じた付勢力よりも強くなると、スプール107が図12において下向きに動作して、切換弁106の出力ポート110とドレーンポート111とが接続され、かつ、入力ポート109が遮断される。このように、切換弁106の出力ポート110とドレーンポート111とが接続され、かつ、入力ポート109が遮断された状態を、切換弁106のオフ状態と呼ぶ。
そして、切換弁109がオフ状態になると、アキュムレータ56においては、第2の油室58の油圧が低下して、弾性部材56Aの付勢力でピストン59が図12において左方向に動作する。その結果、第2の油室58のオイルが、出力ポート110およびドレーンポート111を経由して油路53に排出される。また、実施例1と同様の原理により、油路53を経由して、オイルが第1の油室57に吸引される。以上のように、この実施例9においても、エンジン1を停止状態から運転状態に変更する場合に、アキュムレータ56の第1の油室57のオイルを油路38に供給することにより、実施例1と同様の効果を得られる。
この実施例9においても、前述した式(4)となるように、ライン圧コントロールバルブ39の調圧特性を設定することにより、前述した式(2)を満足することが可能である。ここで、式(4)のPL1は油路36の油圧であり、PL2は油路38の油圧である。また、実施例9においても、実施例5で説明した制御と同様の制御を実行可能である。すなわち、エンジン1が運転状態となった後に、ベルト式無段変速機6の変速比を急激に変化させる条件が成立した場合、または、前後進切り換え機構5の摩擦係合装置の係合圧を高める条件が成立した場合に、ソレノイドバルブ114を制御することにより、切換弁106をオフ状態からオン状態に切り換えて、第1の油室57のオイルを油路38に供給することも可能である。このような制御を実行すると、実施例5で説明した効果と同様の効果を得ることが可能である。なお、実施例9の構成において、実施例1と同様の構成部分については、実施例1と同様の作用効果を得られる。また、図10および図11に基づいて説明した実施例と比較例との対応関係は、この実施例9についてもあてはまる。
ここで、実施例9で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、切換弁106が、この発明におけるオイル供給量制御装置に相当する。なお、実施例9のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、実施例1の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、油圧制御装置18の実施例10の構成を、図13に基づいて説明する。この実施例10は、請求項1ないし4の発明に対応する実施例である。図13に示す油圧制御装置18の構成は、図1に示された油圧制御装置18の構成と共通している。また、図13においては、図1に示された切換弁46に代えて、図12の切換弁106と同じ構成の切換弁106が設けられている。さらに、図13においては、油路53に、図1の逆止弁55に代えて、逆止弁121が設けられている。この逆止弁121は、油路53のオイルが油路38に供給されることを許容し、かつ、油路38のオイルが油路53に逆流することを防止する構成を有している。また、逆止弁121はオリフィス122を有している。
一方、図13においては、ライン圧コントロールバルブ66の制御ポート70に制御圧を供給する油路123が設けられており、油路123と、ライン圧コントロールバルブ39の制御ポート120との間の油路に、ソレノイドバルブ124が設けられている。このソレノイドバルブ124は、磁気吸引力により所定方向に付勢されるスプール125と、スプール125を所定方向とは逆方向に付勢する弾性部材126と、入力ポート127と、出力ポート128と、ドレーンポート129とを有している。そして、入力ポート127が油路123に接続され、出力ポート128と制御ポート120とが接続されている。このソレノイドバルブ124は、非通電時において、入力ポート127が遮断され、かつ、出力ポート128とドレーンポート129とが接続されるとともに、通電状態で、入力ポート127と出力ポート128とが接続され、かつ、ドレーンポート129が遮断される構成のソレノイドバルブ、つまり、ノーマルクローズ型のソレノイドバルブである。図13におけるその他の構成は、図1の構成と同じである。
上記のように構成された図13の油圧制御装置18においては、復帰条件が成立してエンジン1を停止状態から運転状態に変更する場合は、ソレノイドバルブ124が通電状態に制御されて、油路123の信号油圧がソレノイドバルブ124を経由して、ライン圧コントロールバルブ39の制御ポート120に入力される。したがって、ライン圧コントロールバルブ39の開弁圧が上昇する。
そして、エンジン1が駆動されて、オイルポンプ30から吐出されたオイルが油路36に供給されるとともに、実施例9と同様の原理により、切換弁106がオン状態となり、油路36のオイルが、アキュムレータ56における第2の油室58に供給される。そして、実施例1と同様の原理により、第1の油室57のオイルが油路53に吐出されるとともに、油路53のオイルが逆止弁121を経由して、油路38に急速充填される。このようにして、油路38にオイルが急速充填された後は、ソレノイドバルブ124が非通電状態に制御される。すると、制御ポート120のオイルがドレーンポート129から排出されて、ライン圧コントロールバルブ39の開弁圧が低下する。
そして、ライン圧コントロールバルブ39の機能により、油路36のオイルが油路38に排出されて、油路36の油圧と、油路38の油圧とがほぼ同じになるとともに、実施例9と同じ原理により、切換弁106がオフ状態となる。すると、実施例9と同様にして、第2の油室58のオイルが油路53に排出されるとともに、実施例1と同様の原理により、油路53を経由してオイルが第1の油室57に吸引されて、次回のオイル供給に備える。
この実施例10においても、ソレノイドバルブ124がオン状態に制御された場合に、前述の式(4)が成立するように、ライン圧コントロールバルブ39の調圧特性を制御することにより、前述した式(2)で表されるオイル供給状態を得られる。また、実施例10においても、実施例5で説明した制御と同様の制御を実行可能である。すなわち、エンジン1が運転状態となった後に、ベルト式無段変速機6の変速比を急激に変化させる条件が成立した場合、または、前後進切り換え機構5の摩擦係合装置の係合圧を高める条件が成立した場合に、ソレノイドバルブ124をオン状態に制御して、ライン圧コントロールバルブ39の開弁圧を上昇させ、切換弁106をオフ状態からオン状態に切り換えることにより、第1の油室57のオイルを油路38に供給することも可能である。このような制御を実行すると、実施例5で説明した効果と同様の効果を得ることが可能である。なお、実施例10の構成において、実施例1と同様の構成部分については、実施例1と同様の作用効果を得られる。また、図10および図11に基づいて説明した実施例と比較例との対応関係は、この実施例10についてもあてはまる。
つぎに、この実施例10において、油路53から油路38にオイルを供給する場合に、逆止弁121による流量制御について説明する。この実施例10においては、ライン圧コントロールバルブ66の制御ポート70に制御油圧が入力される構成となっており、この制御油圧により、ライン圧コントロールバルブ66による油路38の油圧制御特性が変化する。すなわち、制御油圧が上昇することにともない、油路38の油圧も上昇する特性となる。
また、ソレノイドバルブ124がオン状態に制御された場合は、油路123の制御油圧がライン圧コントロールバルブ39の制御ポート120に入力され、ライン圧コントロールバルブ39による油路36の油圧制御特性が変化する。そして、油路36のオイルが切換弁106を経由して、アキュムレータ56における第2の油室58に供給されて、第1の油室57のオイルが油路53に供給される構成である。このように、油路123の制御油圧は、油路36の油圧および油路53の油圧にも影響を及ぼす。
ここで、油路123の制御油圧Psolに対応する油路36の油圧PL1および油路38の油圧PL2および油路53の油圧PL3の関係の一例を、図14の特性線図に基づいて説明する。前述のように、油路123の制御油圧Psolが上昇するほど、油路36の油圧PL1および油路38の油圧PL2および油路53の油圧PL3が上昇する特性となる。また、油路36のオイルが第2の油室58に供給され、かつ、ピストン59が動作して第1の油室57のオイルが油路53に排出される構成であり、さらに、面積A1よりも面積B1の方が大きいため、油路36の油圧PL1よりも油路53の油圧PL3の方が低圧である。さらに、油路53のオイルは、オリフィス121を通過して油路38に供給される際に減圧されて、油路53の油圧PL3よりも油路38の油圧PL2の方が低圧となる。そして、油路36の油圧PL1、および油路38の油圧PL2、および油路53の油圧PL3は、例えば次式により表される。
PL1=K1・Psol+W1 ・・・(5)
PL2=K2・Psol+W2 ・・・(6)
PL3=(PL1・A1−W−F)/B1 ・・・(7)
また、油圧PL3は更に、次式で表される。
PL3=(K1・Psol+W1)・A1/B1−(W+F)/B1
=K1・A1/B1・Psol+W1・A1/B1−(W+F)/B1
・・・(8)
さらに、前記油圧PL2と油圧PL3との圧力差ΔPは、次式で表される。
ΔP=PL3−PL2
=(K1・Psol+W1)・A1/B1−(W+F)/B1
=(K1・A1/B1−K2)・Psol+W1・A1/B1−(W+F)/B1
−W2 ・・・(9)
上記の各式において、Wは、アキュムレータ56において、弾性部材56Aからピストン59に加えられる力であり、W1は、ライン圧コントロールバルブ39において、弾性部材43からスプール39Aに加えられる力であり、K1およびK2は係数である。
さらにまた、油路53から逆止弁121のオリフィス122を通過して油路38に供給されるオイルの流量Qは、次式で表される。
Q=K・C・a√(ΔP/ρ) ・・・(10)
この式(10)において、Kは定数であり、Cは流量係数であり、aはオリフィス122の断面積であり、ρはオイルの密度である。これらの式から、油圧PL2に応じて、流量Qを設定することが可能である。例えば、
K1・A1/B1=K2 ・・・(11)
W≒const(Ws≒We:ばね定数小) ・・・(12)
の条件においては、
ΔP≒const ・・・(13)
となり、
Q≒const ・・・(14)
となる。
ここで、各式において、「const」は「一定」を意味する。すなわち、油圧PL2が変化する場合でも、オリフィス122の断面積aの設定により、油路38に供給される「単位時間あたりのオイルの流量Qまたは流速」を、一定に制御することが可能である。例えば、上記の各式で説明された条件を設定するにあたり、第1の油室57の容量(面積B1×ピストンのストローク量)を、ベルト式無段変速機6の油圧室の容積変化量(プーリに接続されたピストンの受圧面積×変速時最大ストローク量)に対応する値に設定し、かつ、油路38に供給するオイルの流量Qを、急変速時にベルト式無段変速機6の油圧室に供給されるオイルの流量(ピストンの受圧面積×変速時最大ストローク量)に対応する値に設定することにより、急変速時に油路38に供給するべき必要流量のオイルを、アキュムレータ56から油路38に供給することが可能である。なお、実施例10における構成と、この発明の構成との対応関係は、実施例9の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、油圧制御装置18の実施例11の構成を、図15に基づいて説明する。この実施例11は、請求項1ないし4の発明に対応する実施例である。図15に示す油圧制御装置18の構成は、図12に示された油圧制御装置18の構成と共通している。また、図15においては、油路53に、図12の逆止弁55に代えて、前述と同じ構成の逆止弁121が設けられている。さらに図15に示す油圧制御装置18においては、ライン圧コントロールバルブ114に、出力ポート118に接続されたフィードバックポート130が設けられている。フィードバックポート130の油圧に応じて、弾性部材116の付勢力と同じ向きの付勢力が、スプール115に加えられる構成となっている。
つぎに、図15に示す油圧制御装置18の作用は、図12に示す油圧制御装置18の作用とほぼ同じである。また、図15の油圧制御装置18においては、出力ポート118の油圧が所定圧を越えた場合、フィードバックポート130に入力される油圧も上昇して、スプール115が動作し、油路36からライン圧コントロールバルブ39の制御ポート120に供給されるオイル量が減少して、制御ポート120に入力差される制御油圧が低下する。一方、アキュムレータ56に関しては、前述と同様の原理により、第1の油室57のオイルが油路53に吐出され、かつ、そのオイルが逆止弁121のオリフィス12を通過して油路38に供給される。なお、油路38の油圧が、ライン圧コントロールバルブ66により調圧されることも、実施例9と同じである。
また、この実施例11においては、オリフィス122を通過して油路38に供給されるオイルの流量を以下のように制御することが可能である。すなわち、図15に示す油圧制御装置18においては、次式の関係が成立する。
PL1=K1・Psol1+W1 ・・・(15)
PL2=K2・Psol2+W2 ・・・(16)
なお、前述した式(7)は、実施例1でも成立する。また、実施例11において、油圧PL3は更に、次式で表される。
PL3=(K1・Psol1+W1)・A1/B1−(W+F)/B1
=K1・A1/B1・Psol1+W1・A1/B1−(W+F)/B1
・・・(17)
さらに、この実施例11において、油圧PL2と油圧PL3との圧力差ΔPは、次式で表される。
ΔP=PL3−PL2
=(K1・Psol1+W1)・A1/B1−(W+F)/B1
=K1・A1/B1・Psol1+K2・Psol2+W1・A1/B1−
(W+F)/B1−W2 ・・・(18)
各式において、「Psol1」は、制御ポート120に入力される制御油圧であり、「Psol2」は、制御ポート70に入力される制御油圧である。さらに、前述の式(10)の関係は、実施例11においても成立する。そして、この実施例11においては、ライン圧コントロールバルブ39の制御ポート120に入力される制御油圧と、ライン圧コントロールバルブ66の制御ポート70に入力される制御油圧とを別々に制御でき、かつ、異なる油圧に設定することが可能である。したがって、油路38の油圧PL2に対応させて、オイルの流量Qを任意に調整(変更)することが可能である。
例えば、上記の各式で説明された条件を設定するにあたり、第1の油室57の容量(面積B1×ピストンのストローク量)を、ベルト式無段変速機6の油圧室の容積変化量(プーリに接続されたピストンの受圧面積×変速時最大ストローク量)に対応する値に設定し、かつ、油路38に供給するオイルの流量Qを、急変速時にベルト式無段変速機6の油圧室に供給されるオイルの流量(ピストンの受圧面積×変速時最大ストローク量)に対応する値に設定することにより、「ベルト式無段変速機6の変速比の変化速度」の変化に対応させて、油路38で必要とされるオイル量Qを供給することが可能である。なお、実施例11において、実施例1および実施例9と同じ構成部分については、実施例1および実施例9と同じ作用効果を得られる。また、図10および図11に基づいて説明した事項は、この実施例11にもあてはまる。さらに実施例11における構成とこの発明の構成との対応関係は、実施例9の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、油圧制御装置18の実施例12を、図16に基づいて説明する。この実施例12は、請求項1ないし請求項5の発明に対応する。図16の構成は、基本的には図1の構成と同じである。また、図16の油圧制御装置18においては、油路36であって、オイルポンプ30からライン圧コントロールバルブ84に至る経路に、ライン圧コントロールバルブ100が設けられている。このライン圧コントロールバルブ100の構成および機能は、図6に示されたライン圧コントロールバルブ100と同じである。
一方、油路76と油路98とを接続する経路には、プライマリシーブ圧制御弁131が設けられている。プライマリシーブ圧制御弁131は、入力ポート132および出力ポート133およびドレーンポート134およびフィードバックポート135を有している。そして、入力ポート132と油路76とが接続され、出力ポート133およびフィードバックポート135が、油路98に接続され、ドレーンポート134がオイルパン33に接続されている。このプライマリシーブ圧制御弁131は、油路76から油路98に供給されるオイル量を制御するものである。
さらに、アキュムレータ56の動作を制御する切換弁136が設けられている。この切換弁136は、他の実施例で説明した切換弁の構成とは異なっている。すなわち、切換弁136は、直線状に往復移動可能なスプール137と、このスプール137を所定方向に付勢する弾性部材138と、入力ポート139と、この入力ポート139と選択的に接続される出力ポート140,141と、出力ポート140と選択的に接続されるドレーンポート142と、入力ポート143と、この入力ポート143と選択的に接続される出力ポート144と、出力ポート144と選択的に接続されるドレーンポート147と、制御ポート145,146とを有している。そして、入力ポート139と油路36とが接続され、出力ポート140と第2の油室58とが接続され、出力ポート141と油路76とが接続され、入力ポート143と油路98とが接続され、出力ポート144と中間室64とが接続され、制御ポート145と出力ポート91とが接続され、制御ポート146と油路98とが接続されている。
制御ポート145,146の油圧に応じてスプール137に加えられる力の向きは、弾性部材138からスプール137に加えられる力の向きとが逆となるように構成されている。このように、切換弁136は、制御ポート145,146の油圧に応じてスプール137に加えられる力と、弾性部材138からスプール137に加えられる力との対応関係によりスプール137の動作が決定されて、各ポート同士の接続・遮断が選択的に切り換えられるように、弾性部材138のばね定数が設定されている。そして、入力ポート139および出力ポート140,141およびドレーンポート142により第1の切換機構136Aが構成され、入力ポート143および出力ポート144およびドレーンポート147により第2の切換機構136Bが構成されている。
一方、アキュムレータ64においては、大径部60に端面148が形成されており、小径部61に端面149が形成されている。ピストン59の軸線方向で、中間室64の両側に端面148,149が配置されており、中間室64の油圧が、端面148,149に作用する。ここで、端面148の面積は端面62の面積と同じであり、端面149の面積は端面63の面積と同じである。つまり、端面148の面積の方が端面149の面積よりも大きい。そして、端面148に作用する油圧に応じてピストン59に加えられる軸線方向の力と、端面149に作用する油圧に応じてピストン59に加えられる軸線方向の力とが逆である。したがって、端面148の面積と端面149の面積との差と、中間室64の油圧とを乗算した値に相当する軸線方向の力が、ピストン59に加えられる構成となっている。
つぎに、図16に示す油圧制御装置18の作用を説明する。まず、エンジン1の停止状態においては、ソレノイドバルブ89は、出力ポート91とドレーンポート92とが接続され、入力ポート90が遮断されるように制御される。このため、切換弁4136の制御ポート145のオイルがドレーンポート92から排出されて、制御ポート145の油圧が低下する。また、油圧室13Aのオイルもドレーンされており、油圧室13Aの油圧が定圧となり、制御ポート146の油圧も低圧となっている。
このため、第1の切換機構136Aにおいては、入力ポート139と出力ポート141とが接続され、出力ポート140とドレーンポート142とが接続された状態、つまり、オン状態となる。第1の切換機構136Aがオン状態になると、第2の油室58のオイルがドレーンポート142から排出されて、第2の油室58が大気圧になる。また、入力ポート143が遮断され、かつ、出力ポート144とドレーンポート147とが接続されて、第2の切換機構136Bがオン状態となっている。第2の切換機構136Bがオン状態になると、中間室64のオイルがドレーンポート147から排出されて、中間室64が大気圧になる。その結果、アキュムレータ56においては、弾性部材56Aから加えられる付勢力によりピストン59が図16において左方向に動作し、油路53を経由してオイルが第1の油室57に吸引されている。
ついで、復帰条件が成立して、エンジン1を停止状態から運転状態に変更する場合は、ソレノイドバルブ89は、入力ポート90と出力ポート91とが接続され、ドレーンポート92が遮断されるように制御される。すると、オイルポンプ30から吐出されたオイルが、油路36および入力ポート90および出力ポート91を経由して制御ポート145に供給されて、制御ポート145の油圧が上昇する。制御ポート145の油圧が上昇すると、第1の切換機構136Aにおいて、入力ポート139と出力ポート140とが接続され、ドレーンポート142が遮断され、第1の切換機構136Aがオフ状態となる。このように、第1の切換機構136Aがオフ状態になると、油路36のオイルが、入力ポート139および出力ポート140を経由して第2の油室58に供給されて、第2の油室58の油圧が上昇する。なお、この時点では油圧室13Aの油圧が低圧であるため、制御ポート146の制御油圧は低圧であり、したがって、第2の切換機構136Bはオン状態が継続される。上記のようにして、第2の油室58の油圧が上昇すると、前述の実施例と同様の原理により、第1の油室57のオイルが油路53を経由して、油圧室26に供給される。
一方、前述の実施例と同様にして、油路36のオイルの一部は、ライン圧コントロールバルブ100を経由して油路76に供給されるとともに、油路76のオイルも油路75に供給される。また、油路76のオイルの一部は、プライマリシーブ圧制御弁131および油路98を経由して油圧室13Aにに供給され、油圧室13Aに供給されるオイル量が増加する。ここで、油路98の油圧が所定圧以下である場合は、プライマリシーブ圧制御弁131において、入力ポート132と出力ポート133とが接続され、ドレーンポート134が遮断されており、油路76のオイルが油圧室13Aに供給され続ける。
これに対して、油路98の油圧が所定圧を越えた場合は、入力ポート132が遮断され、かつ、出力ポート133とドレーンポート134とが接続されて、油圧室13Aのオイルがドレーンポート134から排出されて、油圧室13Aの油圧の上昇が抑制、または油圧が低下される。このようにして、油圧室13Aの油圧に応じてプライマリシーブ圧制御弁131が動作し、油路76から油圧室13Aに供給されるオイルの流量が制御される。
以上のようにして、油圧室26に対するオイルの急速充填をおこなった後、油路36の油圧と油路76の油圧とがほぼ同じになった場合は、ソレノイドバルブ89が制御されて、入力ポート90が遮断され、かつ、出力ポート91とドレーンポート92とが接続される。その結果、切換弁136の制御ポート145の油圧が低下して、第1の切換機構136Aがオン状態に戻る。すると、油路36のオイルは、入力ポート139および出力ポート141を経由して油路76に供給されるとともに、第2の油室58のオイルがドレーンポート142から排出されて、第2の油室58の油圧が低下し、前述の実施例と同様の原理により、第1の油室57にオイルが吸引される。なお、この実施例12においても、前述した各実施例と同じ構成部分については、前述した各実施例と同様の作用効果を得られる。
また、この実施例12において、エンジン1が運転状態となった後において、ベルト式無段変速機6の変速比を急激に変化させる条件が成立して、油圧室26の油圧が上昇するとともに、ベルト17の張力によりプライマリプーリ9の溝幅が広げられて、プライマリプーリ9のピストンが動作し、油圧室13Aの油圧が上昇すると、油路98を経由して切換弁136の制御ポート146に入力される油圧も上昇する。そして、第2の切換機構136Bが、入力ポート143と出力ポート144とが接続され、かつ、ドレーンポート147が遮断されるオン状態になった場合は、油圧室13Aの油圧が油路98および入力ポート143および出力ポート144を経由して、アキュムレータ56の中間室64に伝達されて、中間室64の油圧が上昇する。
このように、中間室64の油圧が上昇すると、ピストン59を図16において右方向に付勢する力が増加して、ピストン59が図16において右方向に動作し、第1の油室57のオイルが油路53に排出される。したがって、ベルト式無段変速機6の急変速時に、油圧室26に供給するオイル量を急激に増加することが可能となり、各実施例と同様の効果を得られる。なお、油圧室13Aの油圧が低下した場合は、制御ポート146に作用する油圧も低下して、第2の切換機構136Bは、入力ポート143が遮断され、かつ、出力ポート144とドレーンポート147とが接続されたオフ状態となる。
そして、この実施例12においては、油路36の油圧PL1を、次式のように制御することにより、中間室64の油圧に応じた付勢力でピストン59を動作させ、第1の油室57のオイルを油圧室26に供給することができる。
PL1>(Psecfull×B1+We+F)/A1−(Ppri×(B1−A1)) /A1 ・・・(19)
この式(19)において、Psecfullは、油路53を経由して油圧室26に供給するべきオイルの油圧であり、Ppriは、油圧室13Aの油圧である。また、「(Ppri×(B1−A1))」の項は、中間室64の油圧に応じて、ピストン59をZ16で右方向に動作させる推力である。そして、端面148の面積は、端面63の面積よりも広いため、ピストン59を図16において右方向に動作させる場合において、実施例12の構成と、中間室64に油圧室13Aの油圧を入力させない構成とを比較すると、実施例12の構成の方が、「(Ppri×(B1−A1))/A1」の項に相当する油圧分、油路36の油圧PL1を低減することが可能である。したがって、オイルポンプ30の駆動による動力損失を低減することが可能である。
ここで、実施例12の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、中間室64が、この発明における第3の油室に相当し、油路98および切換弁136が、この発明のオイル導入油路に相当し、端面148が、この発明の第3の受圧面に相当する。
この発明における油圧制御装置の実施例1を示す概念図である。 この発明の対象となる車両のパワートレーンおよび制御系統を示す概念図である。 この発明における油圧制御装置の実施例2を示す概念図である。 この発明における油圧制御装置の実施例3を示す概念図である。 この発明における油圧制御装置の実施例4を示す概念図である。 この発明における油圧制御装置の実施例5を示す概念図である。 この発明における油圧制御装置の実施例6を示す概念図である。 この発明における油圧制御装置の実施例7を示す概念図である。 この発明における油圧制御装置の実施例8を示す概念図である。 この発明の実施例において、ライン圧とオイルの流量との対応関係を示す線図である。 この発明の実施例におけるオイルの消費流量と、比較例におけるオイルの消費流量との関係を示すグラフ図である。 この発明における油圧制御装置の実施例9を示す概念図である。 この発明における油圧制御装置の実施例10を示す概念図である。 図13に示す油圧制御装置において、制御油圧と各油路の油圧との関係の一例を示す特性線図である。 この発明における油圧制御装置の実施例11を示す概念図である。 この発明における油圧制御装置の実施例12を示す概念図である。
符号の説明
1…エンジン、 2…車輪、 5…前後進切り換え機構、 6…ベルト式無段変速機、 9…プライマリプーリ、 10…セカンダリプーリ、 18…油圧制御装置、 13A,26,37…油圧室、 30…オイルポンプ、 32…吐出口、 36,38,98…油路、 46、106,136…切換弁、 47…入力ポート、 49…ドレーンポート、 56…アキュムレータ、 57…第1の油室、 58…第2の油室、 59…ピストン、 62,63,148…端面、 64…中間室、 89,114,124…ソレノイドバルブ、 98…油路。

Claims (5)

  1. 駆動力源から車輪に至る経路に配置された動力伝達装置と、オイルが供給され、かつ、オイルの供給状態に基づいて、前記動力伝達装置における動力伝達状態を制御するオイル受領装置と、このオイル受領装置にオイルを供給するオイル保持装置とを備えた油圧制御装置において、
    前記オイル保持装置は、前記オイル受領装置に接続された第1の油室と、この第1の油室との間に動作可能なピストンが介在された第2の油室とを有しており、
    前記ピストンには、前記第1の油室を形成する第1の受圧面と、前記第2の油室を形成する第2の受圧面とが設けられており、前記第1の受圧面の面積よりも前記第2の受圧面の面積の方が狭く設定されているとともに、
    前記第2の油室の油圧を上昇させて前記ピストンを動作させることにより、前記第1の油室のオイルを前記オイル受領装置に供給させるオイル供給量制御装置が設けられていることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記駆動力源にはエンジンが含まれており、このエンジンにより駆動されるオイルポンプが設けられており、前記オイル供給量制御装置は、前記オイルポンプの吐出口に接続されたオイル吸入口と、前記第2の油室に接続されたオイル吐出口とを備えているとともに、前記エンジンが停止状態から運転状態に変更される場合に、前記オイル吸入口から前記オイル吐出口を経由して前記第2の油室に供給されるオイルの流量を増加させる構成を、前記オイル供給量制御装置が有していることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記動力伝達装置には、プライマリプーリおよびセカンダリプーリと、このプライマリプーおよびセカンダリプーリに巻き掛けられたベルトとを有し、かつ、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとの間における変速比を無段階に制御可能な無段変速機が含まれており、
    前記プライマリプーリの溝幅を制御するプライマリプーリ用油圧室と、前記セカンダリプーリの溝幅を制御するセカンダリプーリ用油圧室とが設けられており、前記オイル受領装置には、前記セカンダリプーリ用油圧室が含まれているとともに、
    前記セカンダリプーリ用油圧室に供給するべきオイル量が増加した場合に、前記第1の油室のオイルを前記セカンダリプーリ用油圧室に供給させる構成を、前記オイル供給量制御装置が更に有していることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  4. 前記第2の油室に対するオイルの供給状態を制御するソレノイドバルブが、更に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の油圧制御装置。
  5. 前記第2の油室の油圧に応じて前記ピストンに加えられる力と同じ方向の力を生じ、かつ、前記第2の受圧面よりも面積の広い第3の受圧面が、前記ピストンに形成されており、前記第3の受圧面に作用する油圧が入力される第3の油室が設けられており、前記プライマリプーリ用油圧室のオイルを前記第3の油室に導入するオイル導入油路が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の油圧制御装置。
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