JP2005350881A - シールド掘削機の拡幅掘削機構 - Google Patents

シールド掘削機の拡幅掘削機構 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明では、1台のシールド掘削機で本線のトンネル掘削と、所望の位置からシールドトンネルの側壁をトンネル掘削と同時に連続して行うことのできるシールド掘進機の拡幅掘削機構を提供する。
【解決手段】シールド掘削機1のカッタヘッド2とは独立してスキンプレート14の側方部に両端部から中央部にかけて外側に膨出した形状を有する拡幅用カッタヘッド30、30’をスキンプレート14の少なくとも一つの側壁方向に対して出没自在に配し、前記拡幅用カッタヘッド30、30’の外周形状は、拡幅部におけるトンネル断面形状と対応させて、拡幅部の拡幅掘削を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、シールド掘削機を用いたトンネル掘削において、本線の掘削途中においてトンネル断面の拡幅を可能としたシールド掘削機の拡幅掘削機構に関するものである。
従来からトンネル掘削に用いられているシールド掘削機は、円筒状のスキンプレートの前端部に円盤状のカッタヘッドを備えた構成を有している。同カッタヘッドを回転させつつ掘進させることで前記スキンプレートと略同径のトンネルを掘削することができる。
シールド掘削機を用いたトンネル掘削では、本線だけを掘削していくことは容易ではあるが、近年においてはトンネルの利用範囲が拡大するのに伴って、地下道路におけるランプや退避場所、地下鉄のプラットホームなど、道路や線路の合流・分岐、側道等の部分でのトンネル幅を拡幅することが求められてきている。しかも、工事期間の短縮、工事費用の低減等の要求から、トンネル幅の拡幅工事を本線のトンネル工事と並行して行うことが求められてきている。
この問題を解決するため、1台のトンネル掘進機でシールドトンネルの必要箇所に拡幅範囲を構築できるようにしたシールド掘削機(例えば、特許文献1参照。)や拡大シールド掘進機(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特許文献1に記載されたシールド掘削機では、図8に示すようにシールド掘削機53の前方部に配したカッタヘッド54に径方向に伸縮制御できるコピーカッタ55を設け、スキンプレート57の一部に張り出し部56を出入可能に設ける。拡幅区間を構築するには、コピーカッタ55を突出させてシールド掘削機53のカッタヘッド54による掘削に伴って拡幅区間を先行切削して地盤を緩め、スキンプレート57から地山保持材を吐出して置き換える。
張り出し部56を側方に張り出してシールド掘削機53の一部を拡大し、この拡大状態にて拡幅範囲を掘進すると共に、張り出し部56内で図示せぬ拡大セグメントを組み立てて順次連結する。拡幅範囲の構築後、コピーカッタ55及び張り出し部56を引っ込めて縮径し、シールド掘削機53で通常径のトンネル掘削を続行する。
特許文献2に記載されたシールド掘進機59では、図9に示すように前端部に第1カッタヘッド60を有する第1掘削機61と、この第1掘削機61の本体に内蔵され、前端部に所定の角度範囲内で往復揺動される第2カッタヘッド63を有する第2掘削機64を備え、第2掘削機64を第1掘削機61の本体から掘進方向に直交する方向に出没させることでトンネルの拡幅掘削を行っている。
特許文献1に記載されたものでは、コピーカッタ55を突出させることで拡幅区間の掘削を行う構造であるため、コピーカッタ55の強度を保って所望の拡幅掘削を行うためにはコピーカッタ55の突出量を制御したり、コピーカッタ55の強度を保ちながら拡幅部の地山を掘削するなど色々と注意を払いながら拡幅掘削作業を行わなければならなかった。更に、コピーカッタ55の強度面の制約により伸縮量を大きくすることが難しく、したがって、この機構を用いて充分な奥行きをもった拡幅を行うことは困難であった。
特許文献2に記載されたものでは、第2掘削機64及び同第2掘削機64に付随するスキンプレート65を別途構成することが必要となり、装置が大型化するとともにシールド掘削機の全長が長くなっていた。また、第2掘削機64の掘削方向は第1掘削機61の掘削方向と同じである(即ち、両掘削機のカッタヘッドの回転軸が平行である。)。換言すると、第2掘削機64を第1掘削機61の掘進方向に直交する方向(以下、「突出方向」と称する。)に突出させる際、突出方向のスキンプレート65前面にある土砂を掘削する手段をもっていない。
このため、第2掘削機64による拡幅部の掘削は、第1掘削機61が掘進しない状態では行うことができない。したがって、第2掘削機64が突出を開始してから完全に突出し終わるまでに、第1掘削機61はかなりの距離を掘削する必要があり、そのための時間も大幅に必要となる。更に、突出のための大きな推進力を得るためには、出没用ジャッキを多数必要とし、出没用油圧ジャッキの場積確保が別途必要であった。
特開2001−329781号公報 特開2000−64769号公報
本発明では、1台のシールド掘削機で本線のトンネル掘削と、所望の位置からシールドトンネルを拡幅し、しかも従来の拡幅工事とは異なる側壁掘削により、本線トンネルの構築と拡幅工事とを効率的に同時に行うことができ、工期の短縮並びに工事費用の低減を図ることのできるシールド掘進機の拡幅掘削機構を提供することにある。
本願発明の課題は本願請求項1〜4に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では請求項1に記載したように、スキンプレートの先端部にカッタヘッドを備えたシールド掘削機の拡幅掘削機構において、前記スキンプレート内に内蔵され、かつ回転軸により回転駆動されて同回転軸の軸端間で外方に膨出した縦断面形状を有する太鼓型の拡幅用カッタヘッドと、前記拡幅用カッタヘッドを前記スキンプレートの内外に収納突出させる出没機構とを備え、前記シールド掘削機の正面視における左右の側壁のうち少なくとも一つの側壁に対して、同側壁に沿って前記拡幅用カッタヘッドを少なくとも1個以上配設し、前記拡幅用カッタヘッドの前記縦断面形状が拡幅掘削部のトンネル仕上がり断面形状に応じた形状となるように、前記拡幅用カッタヘッドが配設されてなることを最も主要な特徴となしている。
また、本願発明では請求項2に記載したように、前記拡幅用カッタヘッドが、一つの側壁に対する拡幅掘削用として同側壁に沿って2個以上配設され、前記2個以上配設された各拡幅用カッタヘッドにおける回転軸は、前記正面視において、前記側壁方向における拡幅掘削の拡幅方向に対して異なる傾斜角度をもって配設されるとともに、前記各拡幅用カッタヘッドの前記縦断面形状が拡幅掘削部のトンネル仕上がり断面形状に応じた形状となるように配置されてなることを主要な特徴となしている。
更に、本発明では請求項3に記載したように、前記拡幅用カッタヘッドが、前記回転軸における略中央部を挟んで2分割型とした2つのカッタヘッド部を有し、前記2つのカッタヘッド部が、前記正面視において上カッタヘッド部と下カッタヘッド部とを形成し、前記上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間に、前記回転軸を支承する支承部材と、同回転軸に回転を伝達するセンター回転軸とを配設し、前記上カッタヘッド部及び下カッタヘッド部のうち少なくとも一方のカッタヘッド部が、前記上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間において出没自在のコピーカッタを備えてなることを主要な特徴となしている。
更にまた、本発明では請求項4に記載したように、一つの側壁に対する拡幅掘削用として同側壁に沿って2個以上配設された前記各拡幅用カッタヘッドのうち隣接する拡幅用カッタヘッド間において、前記隣接する拡幅用カッタヘッドの相互に対向する側に配した前記上カッタヘッド部及び下カッタヘッド部における相互に対向する端部の一部部位に、対向する側に向けて突出した突出カッタヘッド部を形成し、前記各拡幅用カッタヘッドの回転時において、前記突出カッタヘッド部は対向配置した前記上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間で相互に非干渉状態に配設され、各突出カッタヘッド部の掘削により前記隣接する拡幅用カッタヘッド間における前記トンネル仕上がり断面形状を掘削してなることを主要な特徴となしている。
本願発明では、シールド掘削機で掘削した本トンネルの側壁方向への拡幅掘削を、回転軸の軸端間で外方に膨出した縦断面形状を有する太鼓型の拡幅用カッタヘッドを用いて行うことができる。しかも、前記シールド掘削機の正面視における左右の側壁のうち少なくとも一つの側壁に対して、同側壁に沿って少なくとも1個以上の拡幅用カッタヘッドを配設することができる。このとき、側壁に沿って少なくとも1個以上配設した拡幅用カッタヘッドは、一つの側壁に対する拡幅掘削用として使用することができる。
シールド掘削機の正面視における左右の側壁に対してそれぞれ拡幅掘削を行う場合には、それぞれの側壁に対して少なくとも1個以上の拡幅用カッタヘッドを配設することができる。
また、前記拡幅用カッタヘッドの前記縦断面形状を、拡幅掘削部のトンネル仕上がり断面形状に応じた形状となるように、前記拡幅用カッタヘッドを配設しておくことができる。これにより、前記カッタヘッドによる本トンネルの掘削作業と同時に、しかも連続的に拡幅掘削を行うことができるようになる。
シールド掘削機の掘進中に、1つの側壁に対する拡幅掘削用として配設した拡幅用カッタヘッドを、回転させながら本トンネルの側壁方向に突出させることで、拡幅用カッタヘッドの回転軸回りに配したカッタによって連続的な側面溝、即ち、拡幅掘削部を掘削することができる。また、拡幅用カッタヘッドにて掘削した拡幅溝を利用することにより、トンネル本体を拡幅した形状とすることができ、拡幅用カッタヘッドの縦断面形状を適宜選択することによって、シールドトンネルの利用目的に応じた断面形状に拡幅掘削部を構築することが可能となる。
トンネルの掘削区間のうち拡幅掘削を行わない区間では、拡幅用カッタヘッドをスキンプレート内に収納しておくことができる。また、拡幅作業区間においては、拡幅掘削側の側壁側に面したスキンプレート内から拡幅用カッタヘッドを突出させることで、同拡幅用カッタヘッドを突出させた側壁に対する拡幅掘削を行うことができる。また、本トンネルにおける左右の側壁に対して拡幅掘削を行う場合には、左右の各側壁に沿ってそれぞれ配設した拡幅用カッタヘッドを、スキンプレートから出没自在に配設しておくことにより行うことができる。
拡幅用カッタヘッドは、出没機構によってスキンプレートから出没させることができ、スキンプレートからシールド掘削機の側壁方向へ突出させた状態或いはスキンプレートから突出させた状態からスキンプレート内に収納した状態とすることができる。また、出没機構によって前記側壁方向への拡幅用カッタヘッドの突出量を調整することもできる。これによって、例えば、シールド掘削機の左右の側壁のうち一方の側壁又は左右両方の側壁に対して拡幅掘削部を形成することができる。拡幅用カッタヘッドの突出量を調整することにより、拡幅溝の奥行長を調整することができる。
拡幅用カッタヘッドの出没機構としては、拡幅用カッタヘッドを摺動させる摺動面、拡幅用カッタヘッドの摺動方向を規制するガイド部材、及び拡幅用カッタヘッドをスキンプレートから出没させるスライドジャッキを備えた機構等で構成することができる。
同構成を備えることにより、出没機構の作動により拡幅用カッタヘッドを拡幅方向に沿って摺動させることができるようになる。また、拡幅用カッタヘッドの摺動面にはシール部材を配しておくことにより、土砂等が同摺動面からスキンプレート内に侵入するのを防止するとともに、拡幅用カッタヘッドの摺動が円滑に行えるようにすることができる。
カッタヘッドの一つの側壁方向に配設する拡幅用カッタヘッドの設置個数としては、1個以上の拡幅用カッタヘッドを設置しておくことができる。拡幅用カッタヘッドの設置数が多くなると拡幅用カッタヘッドの駆動機構が複雑になるとともに、トンネル仕上がり断面形状に応じた形状に複数の拡幅用カッタヘッドで掘削することが難しくなる。このため、拡幅用カッタヘッド数としては、請求項2に記載したように一つの側壁に対する拡幅掘削用として2個以上同側壁に沿って配設しておくことが望ましく、好ましくは2個乃至3個配設しておくことが望ましい。
拡幅用カッタヘッドの縦断面形状、即ち、拡幅用カッタヘッドの回転軸の軸線を含む同軸線方向の平面での拡幅用カッタヘッドの縦断面形状としては、回転軸の軸端間で外方に膨出した断面形状としておくことができる。即ち、中央部側が膨出した太鼓形状に形成しておくことができる。また、拡幅用カッタヘッドの縦断面形状は、拡幅部におけるトンネル仕上がり断面形状に応じた形状となるように形成しておくとともに、拡幅用カッタヘッドを配設しておくことができる。
一つの側壁に対する拡幅掘削用として2個以上の拡幅用カッタヘッドを同側壁に沿って配設する場合には、シールド掘削機の正面視において各拡幅用カッタヘッドの回転軸を拡幅掘削の拡幅方向に対してそれぞれ所望の傾斜角度を持つように配設させることで、各拡幅用カッタヘッドの縦断面形状によって形成される断面形状を、拡幅部におけるトンネル仕上がり断面形状に応じた形状となるようにさせることができる。
拡幅用カッタヘッドにおける回転軸の支承及び回転駆動の構成としては、請求項3に記載したように、拡幅用カッタヘッドの回転軸における略中央部を挟んで2分割型とした2つのカッタヘッド部を有する構成とすることができる。同2つのカッタヘッド部はシールド掘削機の正面視において、上カッタヘッド部と下カッタヘッド部とに分けて形成しておくことができる。
前記上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間には、回転軸を支承する支承部材と、同回転軸に対して回転を伝達するセンター回転軸とを配設しておくことができる。また、拡幅用カッタヘッドを3分割以上のカッタヘッド部に分割し、分割したカッタヘッド部間において、その回転軸を支承する支承部材及び同回転軸を回転駆動する回転駆動部材を介在させることもできる。
更に、拡幅用カッタヘッドにおける回転軸の両端部においてその回転軸を支承し、同回転軸の一端部側から同回転軸を回転駆動させる構成とすることもできる。また、拡幅用カッタヘッドにおける回転軸の両端部においてその回転軸を支承する場合、拡幅用カッタヘッドの外周面に対して回転駆動力を伝達する回転駆動部材を配設する構成とすることもできる。
回転軸の回転駆動部材は回転軸の支承部材内に配設しておくことができる。回転軸を支承している支承部材の配設領域に対する掘削は、シールド掘削機のカッタヘッドによる掘削領域及び同カッタヘッドに配設したコピーカッタによる掘削領域内に支承部材の配設領域が概ね収まるように配設しておくことにより行うことができる。また、スキンプレートからの拡幅用カッタヘッドの突出量を調整することで、支承部材の配設領域が前記カッタヘッドによる掘削領域及び前記コピーカッタによる掘削領域内に収まるように調整することもできる。
2分割した前記上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間の領域に対する掘削は、上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間で出没自在のコピーカッタを少なくとも一方のカッタヘッド部の端部に配設することで対応することができる。上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間に配設した回転軸周りで回転している前記コピーカッタを、同コピーカッタが支承部材に当接する手前でカッタヘッド部内に収納し、同コピーカッタが支承部材の配設部位を通過した後に、上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間に突出させることができる。
これにより、支承部材とコピーカッタとの干渉を防止しながら上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間の領域を掘削することができる。また、拡幅用カッタヘッド及び上記コピーカッタで掘削できない領域は、シールド掘削機のカッタヘッドに配設したコピーカッタや余堀りカッタにて掘削することができる。
各拡幅用カッタヘッドとしてはシールド掘削機の本体に備えたカッタヘッドと同様な排土用の構成を有している。拡幅用カッタヘッドにて掘削した地山の土砂等を拡幅用カッタヘッドの周面から拡幅用カッタヘッド内に取り込み、あるいは、そのままチャンバに取り込み、取り込んだ土砂等は排泥管等により排出する。
また、本線トンネルの掘削中に拡幅用カッタヘッドをスキンプレート内に収納させておくときには、拡幅用カッタヘッド側のバルクヘッド内に地山保持材や土砂等を充填させておくことによって拡幅用カッタヘッド内にシールド掘削機の側壁部の地山が崩れ込まないように防止しておくことが望ましい。地山保持材としては、例えばベントナイトと地下水に対して流出し難く流動性の高い物質とを混合したもの等を用いることができる。
あるいは、拡幅用カッタヘッドを収容したスキンプレート内にシールド掘削機の側壁部の地山が崩れ込まないようにするため、スキンプレートにおける拡幅用カッタヘッドを出没させる開口部を、スキンプレートの内外周面の少なくとも一方の面側に配設したカバーにより開閉自在に覆う構成としておくこともできる。
本願発明においては、側壁方向に配設した拡幅用カッタヘッドの外周部を覆うカバーをスキンプレートに配設し、同カバーを前記拡幅用カッタヘッドの出没機構の作動に連動して開閉操作させることができる。
請求項4に記載したように、一つの側壁に対する拡幅掘削用として同側壁に沿って2個以上配設した各拡幅用カッタヘッドのうち隣接する拡幅用カッタヘッド間で、前記隣接する拡幅用カッタヘッドの相互に対向する側に配した前記上カッタヘッド部及び下カッタヘッド部における相互に対向する端部の一部部位に、対向する側に向けて突出した突出カッタヘッド部を形成しておくことができる。
同形成した突出カッタヘッド部は、各拡幅用カッタヘッドの回転時において前記突出カッタヘッド部の突出方向に対向する側に対峙して配置された前記上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間で相互に干渉しない状態となるように配設することが望ましい。また、各突出カッタヘッド部による掘削によって、隣接する拡幅用カッタヘッド間におけるトンネル仕上がり断面形状の一部を掘削することができる。
また、拡幅用カッタヘッドの両端部近傍周辺における地山の一部が掘削できない場合には、シールド掘削機本体のカッタヘッドに備えられているコピーカッタ、オーバカッタを用いて前記両端部近傍周辺の地山を余掘りさせておくことで対応することができる。
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。図1は、本発明の1実施例を示すシールド掘削機の側断面図である。図2はシールド掘削機のカッタヘッドを示す正面図である。図3は拡幅用カッタヘッドの断面図及び要部側面図を示している。図4はカバーを開放した状態の上面図を示しており、図5はカバーを閉鎖した状態の上面図を示している。図6は片側の側壁を掘削している状態を示した上面図であり、図7は、両側の側壁を掘削している状態を示した上面図である。
図1は、従来から用いられていると同様の構成を備えたシールド掘削機1の側部に、スキンプレート14側部から突出及びスキンプレート14内への収納を自在とした拡幅用カッタヘッド(図1では、図示省略してある。)を備えた概略図を示している。シールド掘削機1本体には、スキンプレート14の前端部において隔壁で仕切られたバルクヘッド3が設けられ、バルクヘッド3の前端には駆動モータ4により回転駆動されるカッタヘッド2が回動自在に取り付けられている。
バルクヘッド3は従来と同様の構成を備え、送泥管5、循環管6、排泥管9が接続され、また、アジテータ8等が設けられている。送泥管5及び排泥管9は図示せぬ機外のポンプ等と接続している。
シールド掘削機1の後部は、シールド本体拡幅部47として構成され、通常のシールド本体拡幅部に備えられている構成を有している。シールド本体拡幅部47には、例えばセグメントエレクタや形状保持装置等が配備され、セグメント18、18’の組み付け組み立てや拡幅部の支持等を行うことができる構成となっている。また、シールド掘削機1の後部側に配したシールドジャッキ13を、トンネル周方向への組み立てが完了したセグメント18に当接させ、その反力を得てシールド掘削機1を推進させることができる構成等を備えている。
図3(a)には、左側に示す2個の拡幅用カッタヘッド30、30’がスキンプレート14から突出し、右側に示す2個の拡幅用カッタヘッド30、30’がスキンプレート14内に収納されている状態を示している。上側及び下側に示す各拡幅用カッタヘッド30、30’は、それぞれ同じ構成機能を備えている。以下においては、主として左側に示した拡幅用カッタヘッド30、30’を用いてその構成及び機能を説明し、右側に示した拡幅用カッタヘッド30、30’の構成及び機能は、左側に示した拡幅用カッタヘッド30、30’の説明をもって代えることにする。
図3(a)に示すように一つの側壁方向に配した左側に示す2個の拡幅用カッタヘッド30、30’は、通常はスキンプレート14内に収納され、各拡幅用カッタヘッド30、30’が拡幅開始位置に到達したときには、図3(a)の左半分に示すようにスライドジャッキ44の作動により、左方向に突出させる。このとき、各拡幅用カッタヘッド30、30’は、駆動モータ36、36’の回転駆動によりそれぞれのセンター軸35、35’を回転させ、かさ歯車40、40’を介して拡幅用カッタヘッド30、30’の各回転軸39、39’を回転させておくことが必要である。
なお、拡幅用カッタヘッドスライドジャッキ44のストローク長を短くするため、拡幅用カッタヘッドスライドジャッキ44のピストンロッドの先端とバルクヘッド34との間に複数のスペーサを介在させることもできる。拡幅用カッタヘッド30、30’の摺動面は、シールド掘削機1に設けたガイドに沿って、その摺動方向が規制されて前後動できる構成となっている。ガイドと拡幅用カッタヘッド30、30’の摺動面との間には、シール部材が配されており、土砂等がシールド掘削機1内に侵入するのを防いでいる。
また、各拡幅用カッタヘッド30、30’は、支承部材41、41’によりそれぞれ回転自在に支持され、駆動モータ36、36’によりセンター軸35、35’を介して回転駆動される。バルクヘッド34には、排泥管45、送泥管46等が接続され、バルクヘッド34内には、アジテータ等が設けられている。
各拡幅用カッタヘッド30、30’は、回転軸39、39’にそれぞれ支持され、上カッタヘッド部31、31’と下カッタヘッド部32、32’とに2分割された構成となっている。拡幅用カッタヘッド30、30’の構成としては、2分割した2つのカッタヘッド部を有する構成をもとに以下において説明を行うが、拡幅用カッタヘッド30、30’は、2つに分けたものに限定されるものではなく、3つ以上に分けたカッタヘッド部を有する構成とすることも、分割せずに1つのカッタヘッド部により構成しておくこともできる。
また、拡幅用カッタヘッド30、30’を分割せずに一体のものとして構成とした場合には、各拡幅用カッタヘッドの回転軸39、39’の両端部でそれぞれの拡幅用カッタヘッド30、30’を支承する構成とし、各回転軸39、39’の一端部から回転力を伝達する構成、あるいは各拡幅用カッタヘッド30、30’の外周面からそれぞれ回転力を伝達する構成を用いることができる。
各拡幅用カッタヘッド30、30’は、その回転軸39、39’の軸端間で外方に膨出した太鼓型の形状に形成されている。太鼓型の外周面は、連続した曲面形状として形成することも不連続な直線により形成することもできる。上下に配した上カッタヘッド部31と下カッタヘッド部32との間及び上カッタヘッド部31’と下カッタヘッド部32’との間はそれぞれ離間しており、同離間した間に回転軸39、39’を支承する支承部材41、41’をそれぞれ配設することができる。
図3(b)に示すように、各拡幅用カッタヘッド30、30’の外周面には複数の掘削用カッタ30a、30’aが取り付けられており、また、同外周面には掘削した土砂等を拡幅用カッタヘッド30、30’内に取り込むスリット42、42’が複数形成されている。また、図3(a)に示すように、上方に配設した拡幅用カッタヘッド30の回転軸39と下方に配設した拡幅用カッタヘッド30’の回転軸39’とは、拡幅方向に対してそれぞれ傾斜して配設されている。
各拡幅用カッタヘッド30、30’のそれぞれの回転軸39、39’を相互に傾斜して配設し、各拡幅用カッタヘッド30、30’の縦断面形状が拡幅部におけるトンネル仕上がり断面形状に対応じた形状となるようにすることができる。
各支承部材41、41’内には複数の駆動モータ36、36’により回転駆動されるセンター軸35、35’が収納されている。各センター軸35、35’の端部にはかさ歯車40、40’がそれぞれ取り付けられ、各回転軸39、39’の中央部に取付けられたかさ歯車40、40’と噛合している。センター軸35、35’及びかさ歯車40、40’の回転伝達機構部は密閉され、各拡幅用カッタヘッド30、30’の掘削作業により各拡幅用カッタヘッド30、30’内に取り込んだ土砂等が浸入しないようにシールされている。各センター軸35、35’を回転駆動する駆動モータ36、36’は、各センター軸35、35’周りに複数配設している。
上下に配した上カッタヘッド部31と下カッタヘッド部32及び上カッタヘッド部31’と下カッタヘッド部32’にはコピーカッタ50、50’がそれぞれ出没自在に配設され、上カッタヘッド部31と下カッタヘッド部32との間及び上カッタヘッド部31’と32’との間のそれぞれの領域に対する掘削作業を行うことができる。即ち、各拡幅用カッタヘッド30、30’の回転に伴ってそれぞれのコピーカッタ50、50’が支承部材41、41’とは当接しないように、各コピーカッタ50、50’がそれぞれの支承部材41、41’近傍に近づいたときには、各コピーカッタ50、50’のシリンダの作動により上カッタヘッド部31、下カッタヘッド部32内及び上カッタヘッド部31’、下カッタヘッド部32’内にそれぞれ収納することができる。また、各コピーカッタ50、50’が支承部材41、41’を通過した後には、各コピーカッタ50、50’のシリンダの作動によりそれぞれのコピーカッタ50、50’を上カッタヘッド部31と下カッタヘッド部32との間及び上カッタヘッド部31’と下カッタヘッド部32’との間に突出させ、上カッタヘッド部31と下カッタヘッド部32との間及び上カッタヘッド部31’と下カッタヘッド部32’との間の掘削を引き続いて行うことができる。
図3において上方に記載した拡幅用カッタヘッド30と下方に記載した拡幅用カッタヘッド30’との間の掘削作業を行うために、上方に記載した拡幅用カッタヘッド30における下カッタヘッド部32の端部には突出カッタヘッド部43を形成するとともに、下方に記載した拡幅用カッタヘッド30’における上カッタヘッド部31’の端部には突出カッタヘッド部43’を形成している。
各突出カッタヘッド部43、43’は、各拡幅用カッタヘッド30、30’の回転時において前記各突出カッタヘッド部43、43’の突出方向側に配置された下カッタヘッド部32と上カッタヘッド部31’とに干渉しない状態で配設されている。また、各突出カッタヘッド部43、43’の回転掘削によって、拡幅用カッタヘッド30、30’間におけるトンネル仕上がり断面形状の一部を掘削し、トンネル仕上がり断面が連続断面となるように掘削している。
また、図3(a)に示すように、各拡幅用カッタヘッド30、30’の両端部近傍周辺における地山の一部が掘削できない領域48に関しては、シールド掘削機1本体のカッタヘッド2に備えられているコピーカッタ22(図2参照。)又はスキンプレート14(図1参照。)内に出没自在に設けられた余堀りカッタ7を用いて、前記両端部近傍周辺の地山を余掘りさせておくことができる。
図2には、コピーカッタ22を突出させた状態におけるカッタヘッド2の正面図を示している。従来から用いられているカッタヘッドにおける構成と同様に、カッタヘッド2の前面部には掘削用カッタが径方向に沿って複数配されている。また、カッタヘッド2の外周部には、径方向に出没自在なコピーカッタ22が複数配されている。図2においては、コピーカッタ22の配置を説明するため、カッタヘッド2の外周部から突出した状態を示しているが、カッタヘッド2による掘削作業中ではコピーカッタ22はオーバカット量に応じてその突出量が調整されているものである。
各拡幅用カッタヘッド30、30’の外周部には、図4〜図7に示すようにフード33が配されている。フード33は、シールド掘削機1の推進方向、即ち、図6、図7おける左方向が開口し、シールド掘削機1の推進方向とは反対方向における拡幅用カッタヘッド30、30’の外周部を囲っている。
これによって、各拡幅用カッタヘッド30、30’にて掘削した土砂等を後方側に侵入するのを防ぐことができる。なお、拡幅用カッタヘッド30、30’にて掘削した掘削溝部には、地山保持材等を注入しておくことができる。
尚、図4〜図7においては、拡幅用カッタヘッド30、30’としては一方の拡幅用カッタヘッド30を示されているが、他方の拡幅用カッタヘッド30’は、一方の拡幅用カッタヘッド30の下方側の隠れた位置に配されている。
フード33の形状としては、図6、図7に示されているように、シールド掘削機1の推進方向における拡幅用カッタヘッド30、30’の掘削面が露呈し、拡幅用カッタヘッド30、30’にて掘削した土砂等が掘削済みの拡幅溝内に侵入するのを防止できる形状とすることが望ましい。
拡幅用カッタヘッド30、30’のスキンプレート14からの突出及びスキンプレート14内への収納は、シールド掘削機1内に配したバルクヘッド34を摺動させるスライドジャッキ44の伸長動作、縮小動作により行うことができる。
スライドジャッキ44のストロークを短くするため、スライドジャッキ44のピストンロッドの先端とバルクヘッド34との間に複数のスペーサを介在させることもできる。拡幅用カッタヘッド30、30’の摺動面は、シールド掘削機1に設けたガイドに沿って、その摺動方向が規制されて前後動できるように構成されている。ガイドと各拡幅用カッタヘッド30、30’の摺動面間には、シール部材が配されており、土砂等がシールド掘削機1内に侵入するのを防ぐことができる。
各拡幅用カッタヘッド30、30’にて掘削した地山の土砂等は、拡幅用カッタヘッド30、30’のそれぞれの周面に形成したスリット42、42’や上カッタヘッド部31と下カッタヘッド部32との間及び上カッタヘッド部31’と下カッタヘッド部32’との間等から拡幅用カッタヘッド30、30’内にそれぞれ取り込み、取り込んだ土砂等をバルクヘッド34側に出し、その後取り出した土砂等を排泥管45により排出することができる。このため、バルクヘッド34の前端部には排泥管45やバルクヘッド34内に土砂等を充填させる送泥管46を配しておくことができる。
また、本線トンネルの掘削中に拡幅用カッタヘッド30、30’をスキンプレート14内に収納させておくときには、拡幅用カッタヘッド30、30’側のバルクヘッド34内に地山保持材や土砂等を充填させておくことによって拡幅用カッタヘッド30、30’内にシールド掘削機の側壁部の地山が崩れ込まないように防止しておくことができる。地山保持材としては、例えばベントナイトと地下水に対して流出し難く流動性の高い物質とを混合したもの等を用いることができる。
あるいは、図3(a)の右半分や図5に示すように、拡幅用カッタヘッド30、30’を収容したスキンプレート14内にシールド掘削機1の側壁部の地山が崩れ込まないようにするため、スキンプレート14における拡幅用カッタヘッド30、30’を出没させる開口部を、カバー37により開閉自在に覆う構成としておくこともできる。カバー37は、カバースライドジャッキ38によりスキンプレート14の周軸方向に収納することができる。
図4には、カバースライドジャッキ38によりカバー37を開放し拡幅用カッタヘッド30、30’を突出させ得る状態を示している。また、図5には、カバースライドジャッキ38によりスキンプレート14の開口部をカバー37で閉鎖し、拡幅用カッタヘッド30、30’をスキンプレート14内に閉鎖した状態を示している。スキンプレート14に開閉用のカバー37を備えることにより、拡幅用カッタヘッド30、30’をスキンプレート14内に収納した状態で側壁部の土泥等がシールド掘削機内に侵入するのを防止することができる。また、カバー37とスキンプレート14との摺動面間には、シール部材が配設されている。
図3(a)の左半分および図6の下半分に示すように、各拡幅用カッタヘッド30、30’の支承部材41、41’は、概ねカッタヘッド2及び図2に示すコピーカッタ22、あるいは図1に示す余堀りカッタ7による掘削領域内に収まる配置構成となっている。
図6には、本トンネルの側壁のうち一方の側壁を拡幅掘削している状態を示している。拡幅を行わない側壁側に配した拡幅用カッタヘッド30、30’は、カバー37により密閉状態でスキンプレート14内に収納されている。また、スキンプレート14から突出した拡幅用カッタヘッド30、30’により一方の側壁側における拡幅掘削されている。拡幅用カッタヘッド30、30’により拡幅掘削された拡幅溝に対して拡幅用のセグメント18’が組み立てられる。拡幅用のセグメント18’を組み立てるため、同拡幅溝内に突出することのできる拡幅スキンプレート17が、スキンプレート14の後部側に配されている。
図7には、本トンネルの両側壁を拡幅用カッタヘッド30、30’によりそれぞれ拡幅掘削している状態を示している。拡幅された拡幅溝内に対しては、図6で示したように拡幅用のセグメント18’を組み立てるため、拡張スキンプレート17が拡幅溝内に突出している。
図6、図7に示すように、シールド掘削機1が掘進を行いながら、スキンプレート14から突出させた各拡幅用カッタヘッド30、30’により側壁の掘削を行うときに、拡幅スキンプレート17を突出させるまでは、拡幅用カッタヘッド30、30’の後部側に形成された拡幅溝内には、地山保持材等を充填することによって掘削した拡幅溝内に地山が崩落するのを防止しておくことができる。地山保持材としては、例えばベントナイトと地下水に対して流出し難く流動性の高い物質との混合材等を用いることができる。
本願発明のシールド掘削機1の拡幅掘削機構においては、スキンプレート14の前端部に設けたカッタヘッド2によって、本線トンネルの掘削を行うことができ、拡幅区間に拡幅用カッタヘッド30、30’が到達したときには、本線トンネルの掘削を行いつつ、センター軸35、35’を介して拡幅用カッタヘッド30、30’をそれぞれの駆動モータ36、36’により回転駆動させながらスキンプレート14から突出させる。これにより、拡幅溝を本線トンネルの掘削と同時に連続して形成することができる。
このとき、一対の拡幅溝拡幅用カッタヘッド30、30’の外周径の形状に応じて、拡幅掘削部としての連続的な側面溝を設けることができる。また、拡幅用カッタヘッド30、30’の突出の度合いに応じて、拡幅溝の奥行長を調整することができる。
本願発明は、本線トンネルの拡幅区間を1台のシールド掘削機で掘削することができるものであり、途中に拡幅区間を有するトンネル工事等に対して本願発明の技術を適用することもできる。
本発明の実施例に係わるシールド掘削機の側断面図である。(実施例) カッタヘッドの正面図である。(実施例) 拡幅用カッタヘッドの断面図及び要部側面図である。(実施例) カバーを開放した状態を示す上面図である。(実施例) カバーを閉鎖した状態を示す上面図である。(実施例) 片側の側壁を掘削している状態を示す上面図である。(実施例) 両側の側壁を掘削している状態を示す上面図である。(実施例) シールド掘削機の概略斜視図である。(従来例1) シールド掘削機の概略斜視図である。(従来例2)
符号の説明
1 シールド掘削機
2 カッタヘッド
3 バルクヘッド
4 カッタヘッド駆動モータ
5 送泥管
6 循環管
7 余堀りカッタ
8 アジテータ
9 排泥管
10 バイパス管
13 シールドジャッキ
14 スキンプレート
17 拡幅スキンプレート
18、18’ セグメント
22 コピーカッタ
30、30’ 拡幅用カッタヘッド
31、31’ 上カッタヘッド部
32、32’ 下カッタヘッド部
33 フード
34 バルクヘッド
35、35’ センター軸
36、36’ 駆動モータ
37 カバー
38 カバースライドジャッキ
39、39’ 回転軸
40、40’ かさ歯車
41、41’ 支承部材
42、42’ スリット
43、43’ 突出カッタヘッド部
44 拡幅用カッタヘッドスライドジャッキ
45 排泥管
46 送泥管
48 前方での掘削を必要とする領域(余堀り必要領域)
50、50’ コピーカッタ
53 シールド掘削機
54 カッタヘッド
55 コピーカッタ
56 張り出し部
57 スキンプレート
59 シールド掘進機
60 第1カッタヘッド
61 第1掘削機
63 第2カッタヘッド
64 第2掘削機
65 スキンプレート

Claims (4)

  1. スキンプレートの先端部にカッタヘッドを備えたシールド掘削機の拡幅掘削機構において、
    前記スキンプレート内に内蔵され、かつ回転軸により回転駆動されて同回転軸の軸端間で外方に膨出した縦断面形状を有する太鼓型の拡幅用カッタヘッドと、
    前記拡幅用カッタヘッドを前記スキンプレートの内外に収納突出させる出没機構と、
    を備え、
    前記シールド掘削機の正面視における左右の側壁のうち少なくとも一つの側壁に対して、同側壁に沿って前記拡幅用カッタヘッドを少なくとも1個以上配設し、
    前記拡幅用カッタヘッドの前記縦断面形状が拡幅掘削部のトンネル仕上がり断面形状に応じた形状となるように、前記拡幅用カッタヘッドが配設されてなることを特徴とするシールド掘削機の拡幅掘削機構。
  2. 前記拡幅用カッタヘッドが、一つの側壁に対する拡幅掘削用として同側壁に沿って2個以上配設され、前記2個以上配設された各拡幅用カッタヘッドにおける回転軸は、前記正面視において、前記側壁方向における拡幅掘削の拡幅方向に対して異なる傾斜角度をもって配設されるとともに、前記各拡幅用カッタヘッドの前記縦断面形状が拡幅掘削部のトンネル仕上がり断面形状に応じた形状となるように配置されてなることを特徴とする請求項1記載のシールド掘削機の拡幅掘削機構。
  3. 前記拡幅用カッタヘッドが、前記回転軸における略中央部を挟んで2分割型とした2つのカッタヘッド部を有し、
    前記2つのカッタヘッド部が、前記正面視において上カッタヘッド部と下カッタヘッド部とを形成し、
    前記上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間に、前記回転軸を支承する支承部材と、同回転軸に回転を伝達するセンター回転軸とを配設し、
    前記上カッタヘッド部及び下カッタヘッド部のうち少なくとも一方のカッタヘッド部が、前記上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間において出没自在のコピーカッタを備えてなることを特徴とする請求項1又は2記載の拡幅掘削機構。
  4. 前記一つの側壁に対する拡幅掘削用として同側壁に沿って2個以上配設された前記各拡幅用カッタヘッドのうち隣接する拡幅用カッタヘッド間において、前記隣接する拡幅用カッタヘッドの相互に対向する側に配した前記上カッタヘッド部及び下カッタヘッド部における相互に対向する端部の一部部位に、対向する側に向けて突出した突出カッタヘッド部を形成し、前記各拡幅用カッタヘッドの回転時において、前記突出カッタヘッド部は対向配置した前記上カッタヘッド部と下カッタヘッド部との間で相互に非干渉状態に配設され、各突出カッタヘッド部の掘削により前記隣接する拡幅用カッタヘッド間における前記トンネル仕上がり断面形状を掘削してなることを特徴とする請求項3記載の拡幅掘削機構。
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