JP5218825B2 - トンネル掘削機およびトンネル掘削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば道路トンネルやアンダーパス、共同溝といった主に矩形断面などのトンネルを掘削するためのトンネル掘削機およびこれを用いたトンネル掘削方法に関する。
従来、都市域などで軟弱なシルト層、粘土層、流動性の高い土砂層などの軟弱地盤に採用されるシールド工法として、切羽前面の一部に開口部を設け、その開口部から土砂をトコロテンのように出す構造のブラインド式のシールド掘削機を用いたブラインドシールド工法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このようなブラインドシールド工法では、シールド掘削機の切羽前面に設けられる開口部を大きくすると、土砂の取込み量が増大し、地表面の陥没や沈下を起すおそれがあることから、大断面トンネルの適用が難しく、近年では採用されていない現状がある。
ところで、軟弱地盤で深度の浅いトンネル条件が多い都市域に設けられる道路や共同溝などのトンネルでは、その用途から必要な断面形状を矩形断面とすることが合理的且つ経済的であるとされ、近年では矩形断面シールド掘削機が使用されている。矩形断面シールド掘削機では、円形断面のシールド掘削機によって掘削する場合のように必要以上の断面を掘削することがないことから、上記のような都市トンネルを築造する場合に適用するものとして好適とされている(例えば、特許文献3、4参照)。
特許文献3には、掘削する矩形断面の外周部全周にわたって複数の推進機を連結配置し、これら推進機を同時に推進させると共にそれぞれの推進機の後方に函体を設置して矩形断面の外殻を形成し、その後に外殻の内部を掘削して矩形断面のトンネルを構築するトンネル推進機について記載されている。そして、1台の推進機は、正面視で略正方形をなし、その先端部に回転駆動されるカッタが備えられている。
また、特許文献4は、掘削される矩形断面の全面にわたって正面視で略正方形をなす複数台のシールド掘進機を上下方向及び横方向に配置させ、これら複数のシールド掘進機を同時に掘進させて矩形断面を一度に掘削することが可能な密閉型のシールド機について開示したものである。
特開昭50−141828号公報 特開昭54−71827号公報 特開2005−248546号公報 特開2001−193386号公報
しかしながら、特許文献3、4で開示されている複数台のシールド掘進機を備えた矩形断面の掘削機には、軟弱地盤や深度の浅いトンネルを掘削する場合において地表面の沈下を防ぐことができる密閉型のシールド掘進機が使用されているが、この密閉型のシールド掘進機は、周知のとおり切羽の地山の土水圧を推進力と排土量などで管理しながら掘進する必要があり、シールド掘進機の構造が複雑になるうえ、複数台が必要であることからコストが増大するといった問題があった。
また、矩形断面を掘削するための複数台のシールド掘進機は、それぞれ略正方形状の断面を掘削することになるため、カッタの回転により掘削可能な円形断面形状より外側の部分(つまり、カッタの回転のみで掘削できない矩形断面の四隅の部分)を掘削する必要があった。そのため、例えばカッタスポークやコピーカッタなどを四隅部の位置で伸縮させるといった特殊な機構が用いられることになり、カッタの構造やその制御方法が複雑となることから、コストが増大するといった問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、軟弱地盤のトンネルにおいて地表面沈下の発生をなくすことができ、しかも簡単な構造とすることで掘削機のコストの低減を図ることができるトンネル掘削機およびトンネル掘削方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るトンネル掘削機では、筒状をなす外殻体と、外殻体内で独立してトンネル軸方向に進退可能に設けた複数台の小断面掘削機と、を備え、前記小断面掘削機は、筒状体と、その筒状体の切羽側に開口部を有する面板と、前記開口部を開閉するための蓋部材とを有し、開口部は、面板に対して部分的に開口し、切羽の地山を機内側に取り込み可能な機能を有していることを特徴としている。
また、本発明に係るトンネル掘削方法では、筒状をなす外殻体内で独立してトンネル軸方向に進退可能に設けた複数台の小断面掘削機を備え、小断面掘削機には、筒状体と、その筒状体の切羽側に開口部を有する面板と、開口部を開閉するための蓋部材とが設けられ、開口部が面板に対して部分的に開口するトンネル掘削機を用いたトンネル掘削方法であって、小断面掘削機の蓋部材を開いて開口部を開放し、小断面掘削機の筒状体を前進させるとともに、開口部より切羽の地山を小断面掘削機内に取り込みながら推進する工程と、推進停止時には、蓋部材によって開口部を閉塞し、小断面掘削機内を密閉状態とする工程と、複数台すべての小断面掘削機の推進を行った後に、外殻体を前進させる工程と、を有していることを特徴としている。
本発明では、複数台のうち一部の小断面掘削機の面板に設けられている蓋部材を開いて開放し、推進ジャッキなどの押圧手段によって小断面掘削機を前進させることで、面板によって押圧した切羽の地山を開口部から機内に取り込んで、小断面掘削機を推進させることができる。そして、順次小断面掘削機を推進させ、すべての小断面掘削機の推進が終了してから、外殻体を前進させて1サイクルの掘進を行うことができる。このように、推進させる小断面掘削機における面板の開口部のみを開放し、推進しない小断面掘削機は開口部を閉じてその機内を密閉した状態とすることで、トンネル断面の限られた一部の断面のみを開放して掘削することができ、切羽の開放面積を最小限に抑えた状態で掘進ができ、掘進作業中の切羽の緩みを抑制することができる。そのため、軟弱地盤や深度の浅いトンネルであっても地表面への影響を小さくすることができ、地表面沈下を発生させないように掘進してトンネルを築造することができる。
そして、トンネル掘削機は、各小断面掘削機の面板の開口部に蓋部材を設けるだけの簡単な構造であり、従来の土水圧や排土量などを管理する機構や矩形断面とした場合のカッタ機構などの複雑な機構を備えた密閉型のシールド掘進機と比較して、トンネル掘削機のコストの低減を図ることができる。
本発明のトンネル掘削機およびトンネル掘削方法によれば、トンネル断面を分割した複数台の小断面掘削機を、それぞれの面板に形成される開口部を開放して前進させ、その開口部より切羽の地山を機内に取り込んで推進させることで複数台の小断面掘削機から形成される断面のトンネルを掘進できる簡単な構造のトンネル掘削機であるので、例えば矩形断面を掘削するための複雑なカッタ構造を備えた密閉型シールド掘削機に比べてトンネル掘削機のコストを低減することができる。
そして、複数台のうち例えば1台の小断面掘削機における面板の開口部を開放し、トンネル断面のうちの開放される面積を小さくして掘進することができるので、軟弱地盤のトンネルや深度の浅いトンネルであっても掘削時の切羽を安定させて地表面への影響を小さくすることができ、地表面沈下を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態によるトンネル掘削機およびトンネル掘削方法について、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態によるトンネル掘削機の概略構成を示す側面図、図2は図1に示すトンネル掘削機の正面図、図3は図1に示すトンネル掘削機の小断面掘削機の拡大図、図4(a)、(b)はトンネル掘削機による掘進工程を示す図、図5(a)、(b)は図4(b)に続くトンネル掘削機による掘進工程を示す図である。
ここで、以下の説明では、トンネルの掘削方向を「前方」、「先端」とし、その反対方向を「後方」、「後端」として用いる。
図1および図2に示すように、本実施の形態によるトンネル掘削機1は、例えば道路トンネルやアンダーパス、共同溝といった用途で構築される矩形断面のトンネルに適用され、シルト層、粘土層、地盤中の水が少なく流動性のよい土砂層等の地質を対象とし、深度の浅いトンネルに採用される。そして、基本的には周知のシールド掘削機と同様に、地盤を掘削しつつその後方で例えば鉄筋コンクリート製、或いはスチール製などのセグメントSをトンネル壁面に沿って設置し、その組み付けたセグメントSから反力を取って掘進するものである。
トンネル掘削機1は、断面視矩形状の筒体をなしていて掘削機の外殻体をなす外殻スキンプレート3を有する掘削機本体2と、外殻スキンプレート3の内側でそれぞれが独立してトンネル軸方向に進退可能に設けられた複数台(本実施の形態では6台)の小断面掘削機10(図2に示す符号10A〜10F)とからなる。つまり、本実施の形態によるトンネル掘削機1の断面形状は、横方向の長さが縦方向の長さより長い矩形状をなしている。
掘削機本体2は、上述した外殻スキンプレート3と、外殻スキンプレート3の後胴部3b内側に周方向に沿って設けられた複数台のシールドジャッキ4、4、…と、外殻スキンプレート3の先端側の上部内面の範囲に配置されていて切羽側に向けて突出可能に設けられたスライドフード5とを備えて概略構成されている。掘削機本体2の先端形状は、図1に示す側面視で上方に向かうにしたがって漸次前方に張り出す傾斜部を形成させた形状となっている。
また、掘削機本体2の前方(外殻スキンプレート3の前胴部3aの内空側)には、小断面掘削機10A〜10Fの収容部を形成するようにして縦横方向に仕切る分割壁6が設けられている。
さらに、各小断面掘削機10を切羽側に押し出すための押圧手段をなす推進ジャッキ7が設けられている。
そして、外殻スキンプレート3の後胴部3bの内周面に沿って矩形状に枠組みされた支持枠8が設けられており、この支持枠8の全周にわたって所定間隔をもって複数台のシールドジャッキ4、4、…が配置され、これらシールドジャッキ4を伸長させてジャッキ先端部のスプレッダ4aをセグメントSに押し付けて反力をとることにより、トンネル掘削機1を前進させる構成となっている。なお、外殻スキンプレート3の後胴部3bの内側には、セグメントSの組み立てに使用するためのエレクタ装置(図示省略)が備えられている。
スライドフード5は、図2に示す正面視で掘削機本体2の上部に配置される上部フード5Aと、この上部フード5Aとは別体で設けられるとともに掘削機本体2の両側部に配置される側部フード5B、5Bとからなる。そして、図1および図3に示すように、これら上部フード5A及び側部フード5B、5Bは、それぞれ前端部に刃先5aを備えるとともに、フード基端5bがフード用ジャッキ9のシリンダ先端9aに固定されており、このフード用ジャッキ9の伸縮によってトンネル掘進方向に進退移動する構造となっている。スライドフード5の刃先5aは、トンネル掘削機1の進行方向に直交する垂直面に対して、外周側が内周側より切羽側に張り出す傾斜面を有している。なお、フード用ジャッキ9は、図1では示していないが、スライドフード5の配置方向に沿って複数台設けられ、その前方への突出長さ寸法は、1サイクル分の掘削距離より大きい寸法となっている。
このように構成されるスライドフード5を、掘進時に切羽側に突出させて地山内に挿入することで、フード上方(或いは、フード外周部)の地山を支持して防護することで、掘進時による周囲の地山の緩みを抑えることができるようになっている。
図3に示すように、推進ジャッキ7は、上述したように外殻スキンプレート3に一体に設けられている支持枠部(図示省略)に固定され、そのシリンダ先端7aが小断面掘削機10(正確には後述する小断面スキンプレート11の後端部11a)に固定されている。つまり、掘進時において、外殻スキンプレート3が固定されている状態で、推進ジャッキ7を伸長させることで、小断面掘削機10が前進する構成となっている。なお、推進ジャッキ7は、図1では小断面掘削機10に対して上下に2台示されているが、その台数は小断面掘削機10に必要とされる推進力に応じて任意に設定されるものである。
次に、小断面掘削機10の構成について詳細に説明する。
図1乃至図3に示すように、小断面掘削機10A〜10F(図2)は、それぞれの断面形状が外殻スキンプレート3の内空側の断面を縦横に6分割させた矩形断面形状をなし、上下方向に2段で、各段の横方向(図2の紙面に向かって左右方向)に3列配置されている。ここで、上段に位置する小断面掘削機を図2の紙面左側から右側の順に符号10A,10B、10Cとし、同じく下段に位置する小断面掘削機を同じく符号10D、10E、10Fとする。これら小断面掘削機10A〜10Fは、上述したようにそれぞれ掘削機本体2に対してトンネル掘進方向に進退移動可能に設けられている。
各小断面掘削機10は、略正方形の断面形状の筒状体をなす小断面スキンプレート11と、小断面スキンプレート11の先端側の周縁部内側に全周にわたって配置された刃口体12と、小断面スキンプレート11の切羽側に設けられていてその中央に開口部13aを有する面板13と、開口部13aを開閉するための開閉ゲート14(蓋部材)とを備えて構成されている。
そして、小断面掘削機10の内方には、掘進時に小断面スキンプレート11内に取り込まれた土砂を後方に搬出するための搬送ベルトコンベア15が設けられている。また、各小断面掘削機10の後端部(小断面スキンプレート11の後端部11a)には、上述した推進ジャッキ7のシリンダ先端部7aが固定されている。
図3に示すように、刃口体12は、外周側が刃先頂部12aとなるように正面視で小断面掘削機10の内側から外側に向けて前方に張り出す傾斜面を有している。先端部に刃口体12を備えることにより、推進ジャッキ7の押圧により、小断面掘削機10が切羽の地山に貫入し易くなる機能をもたせることができる。
面板13は、平板形状をなし、側面視で外殻スキンプレート3の前端部の傾斜面に沿う方向に向けて配置されるとともに、刃口体12によって囲われた小断面開口部10aを閉塞するものであり、本実施の形態では開閉可能に設けられている。具体的には、面板13の上端部13b(矩形断面の面板13の上部に位置する一辺)が小断面スキンプレート11の前側上部に回動可能に支持され、図示しない駆動装置を使用して回動される構造となっている。つまり、面板13が閉じた状態(面板13の開口部13aも閉じた状態)のときには、小断面掘削機10の機内が切羽に対して密閉され、面板13を開いたときには状態のときには、切羽側開口部10aを開放することができるようになっている。
図2に示すように、面板13に形成されている開口部13aは、正面視中央において正方形状に形成され、この開口部13aから切羽の地山を機内に例えばトコロテンのように流入させて取り込む機能をもたせたものとなっている。
開閉ゲート14は、面板13の機内側において面板13の面方向に沿ってスライド可能な構造をなし、例えば図示しない伸縮ジャッキのシリンダ先端に固定され、その伸縮ジャッキの伸縮動作によりスライドして、面板13の開口部13aを開閉させるように構成されている。そして、前記伸縮ジャッキの伸縮長を調整可能とすることで、開閉ゲート14の開口量を調整することが可能である。
搬送ベルトコンベア15は、その切羽側先端部が小断面掘削機10の機内底盤部の位置で、且つ面板13の開口部13aの下方の位置に配置され、開口部13aから取り込まれた土砂が搬送ベルト上に落下するように設置されており、その後端部が例えばトンネル掘削機1の後方に配置されたダンプトラック(図示省略)などの搬出手段に連絡できるような構成になっている。
次に、上述したトンネル掘削機1を用いたトンネル掘進方法について図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態のトンネル掘進方法では、6つの小断面掘削機10A〜10Fのそれぞれを第1〜第6小断面掘削機と区別して称し、第1小断面掘削機から順に単独で推進され、それぞれ推進する小断面掘削機10における面板13の開閉ゲート14のみを開けて、開口部13aを開放した状態で推進ジャッキ7により推進される。
具体的には、図4(a)に示すように、先ずフード用ジャッキ9を伸長駆動させてスライドフード5(上部フード5A、および両側部フード5B、5B)を所定長さ分(1サイクルの掘進長分に相当)だけ突出させて、切羽側の地山内に挿入する。これにより、本トンネル掘削機1で掘進するトンネル周囲の地山の安定化を図るようにする。
先ず、上段に位置する第1小断面掘削機10Aのみを先行して推進させる。つまり、第1小断面掘削機10Aの面板13を閉じた状態で、開閉ゲート14を開いて面板13の開口部13aを開放しつつ、推進ジャッキ7によって第1小断面掘削機10Aを押圧して推進させる。このとき、外殻スキンプレート3に反力を取って推進ジャッキ7を伸長駆動させることで刃口体12を地山に挿入させ、小断面スキンプレート11を前進させる。この移動に伴って、面板13で切羽の地山が押圧され、圧力がかかった地山は開放された開口部13aから例えばトコロテンのように機内に流入し、その掘削土砂は搬送ベルトコンベア15の搬送ベルト上に落下し、そのままトンネル掘削機1の後方へ搬送される。
そして、図4(b)に示すように、小断面掘削機10Aにおける1サイクル分の推進を行う。推進完了後、開閉ゲート14を閉じ、小断面掘削機10A内を切羽に対して密閉状態とし、閉じた開閉ゲート14によって切羽の土水圧に対応する圧力となるまで切羽を押圧する。なお、第1小断面掘削機10Aの推進中における他の第2〜第6小断面掘削機10B〜10F(図2参照)については、推進停止時であり、それぞれ開閉ゲート14によって開口部13aを閉塞し、機内を密閉状態とし、さらに開閉ゲート14によって切羽の土水圧に対応する圧力で切羽を押さえ、切羽の地山を安定させた状態としておく。このときの圧力管理は、推進ジャッキ7の圧力で管理することができる。
次に、第1小断面掘削機10Aに続いて、図2に示すトンネル断面上段に位置する第2、第3小断面掘削機10B、10Cをその順で順次、第1小断面掘削機10Aの推進工程と同様の手順により推進させる。
次いで、図4(b)に示すように、トンネル断面下段に位置する第4小断面掘削機10Dの開閉ゲート14を開けて面板13の開口部13aを開放して、推進ジャッキ7により小断面スキンプレート11を前進させつつ、その開口部13aより土砂を取り込んで1サイクル分を推進させる。
さらに、第4小断面掘削機10Dに続いて、図2に示すトンネル断面下段に位置する第5、第6小断面掘削機10E、10Fをその順で、第4小断面掘削機10Dの推進工程と同様の手順により順次繰り返して推進し、すべての小断面掘削機10A〜10Fを推進させる。
なお、本実施の形態では、面板13が開閉可能な構造であるので、小断面推進機10の推進工程中において、例えば掘削する地山の一部に砂層が介在し、開口部13aから土砂を取り込めない状態の場合には、例えばトンネル掘削機1の機内側から切羽の地山に対して地盤改良を実施し、小断面掘削機10の面板13を開いて機内側から切羽の地山をショベル等の機械や人力により掘削して対応することができる。また、残置杭等が存在する場合にも、同じく地盤改良後に面板13を開けて、機内側からその残置杭等を切断し、撤去することができる。
その後、図5(a)に示すように、組み立て済みのセグメントSに反力を取ってシールドジャッキ4、4、…を伸長させ、そのジッャキストロークに対応する長さだけ外殻スキンプレート3を前進(推進)させると同時に、そのときの移動速度に同調させたジャッキ速度で小断面掘削機10A〜10D(図2参照)用の推進ジャッキ7、7、…と、フード用ジャッキ9を縮退させる。
このときの各ジャッキ(シールドジャッキ4、推進ジャッキ7、フード用ジャッキ9)の同調方法としては、例えば、シールドジャッキ4と推進ジャッキ7のストロークを検知し、推進ジャッキ7に送る油量を制御することで縮退速度を調整する方法や、推進ジャッキ7の油圧が小断面掘削機10における切羽の土水圧に対応する所定圧力以上になったときに、リリーフ弁(図示省略)によってその圧力を超える分を減圧するように制御する方法等を採用することができる。
次いで、図5(b)に示すように、適宜必要な本数のシールドジャッキ4を縮め、その縮めたシールドジャッキ4と設置済みのセグメントSとの間に形成される空間に図示しないエレクタなどを用いて新たなセグメントSを設置する。ここまでがトンネル掘削機1における1サイクル分の掘進工程であり、この掘進工程を順次繰り返すことで、矩形断面をなすトンネルが築造されることになる。
また、本トンネル掘削機1では、側面視で上部が下部より前方に張り出した形状であり、しかもトンネル断面上段に位置する第1〜第3小断面掘削機10A〜10Cをその順で先行して推進し、その後に下段に位置する第4〜第6小断面掘削機10D〜10Fをその順で推進する方法であるので、トンネル掘削機1の上部で先受けて切羽を安定させて掘進することができる。
また、推進させる小断面掘削機10における面板13の開口部13aのみを開放し、推進しない小断面掘削機10は開口部13aを閉じてその機内を密閉した状態とすることで、トンネル断面の限られた一部の断面のみを開放して掘削することができ、切羽の開放面積を最小限に抑えた状態で掘進ができ、掘進作業中の切羽の緩みを抑制することができる。そのため、浅い深度のトンネルであっても地表面への影響を小さくすることができ、地表面沈下を発生させないように掘進してトンネルを築造することができる。
そして、トンネル掘削機1は、各小断面掘削機10の面板13の開口部13aに開閉ゲート14を設けるだけの簡単な構造であり、従来の土水圧や排土量などを管理する機構や矩形断面とした場合のカッタ機構などの複雑な機構を備えた密閉型のシールド掘進機と比較して、トンネル掘削機1のコストの低減を図ることができる。
上述のように本実施の形態によるトンネル掘削機およびトンネル掘削方法では、トンネル断面を分割した複数台の小断面掘削機10を、それぞれの面板13に形成される開口部13aを開放して前進させ、その開口部13aより切羽の地山を機内に取り込んで推進させることで複数台の小断面掘削機10から形成される断面のトンネルを掘進できる簡単な構造のトンネル掘削機1であるので、例えば矩形断面を掘削するための複雑なカッタ構造を備えた密閉型シールド掘削機に比べてトンネル掘削機1のコストを低減することができる。
そして、複数台のうち例えば1台の小断面掘削機10における面板13の開口部13aを開放し、トンネル断面のうちの開放される面積を小さくして掘進することができるので、軟弱地盤のトンネルや深度の浅いトンネルであっても掘削時の切羽を安定させて地表面への影響を小さくすることができ、地表面沈下を抑制することができる。
以上、本発明によるトンネル掘削機およびトンネル掘削方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では第1〜第6小断面掘削機10A〜10Fの順番で推進しているが、このような推進順序であることに限定されることはない。また、小断面掘削機10を1台ずつ推進させる方法としているが、例えばトンネル断面上段に位置する第1〜第3小断面掘削機10A〜10Cをほぼ同時に推進させ、それらの推進後に下段に位置する第4〜第6小断面掘削機10D〜10Fをほぼ同時に推進させるようにしてもかまわない。或いは、先行する小断面掘削機10の推進中に、他の小断面掘削機10の面板13の開口部13aを開放して推進させることも可能である。要は、小断面掘削機10における面板13に形成される開口部13aを開放して推進するときに、掘削土砂の取込み過ぎにより切羽の地山が緩んで、その影響が地表面に及ぼさないように掘進できるように、地山状態に応じて適宜小断面掘削機10の推進順序を決めればよいのである。
そして、本実施の形態では、上下2段で、その段毎に3列で設けた6基の小断面掘削機10A〜10Fを備えるようにしてトンネル断面を6分割した構成としているが、このような分割数、分割形態に限定されることはなく、構築するトンネル断面の形状、大きさに対応させて、1台の小断面掘削機の大きさ、分割数などを設定すればよい。
また、面板13に形成される開口部13aの位置は、正面視中央であることに限定されず、また開口部13aの形状についても正方形状であることに制限されることはなく、例えば円形、長方形、台形などとすることができる。そして、開口部13aを開閉する開閉ゲート14の開閉方法についても、本実施の形態ではスライド式の構造としているがこれに限定されることはなく、例えば上端部を回動軸にして下方側が開くような扉状の構造を採用してもよい。
さらにまた、本実施の形態では、各小断面掘削機10の面板13を開閉可能な構造としているが、開閉機能をもたず、開口部13aのみを有する固定式の面板としてもよい。
また、面板13の前面(切羽側の面)にエアバックを備えておき、そのエアバックの内部に空気(流体)を流入させることで、所定の圧力で膨張させて切羽を押圧するようにしてもかまわない。
さらに、本実施の形態では開口部13aから取込んだ土砂を搬送ベルトコンベア15で後方に搬出する構成としているが、ベルトコンベアであることに制限されることはなく、例えばホッパを開口部13aの下方に設置しておき、そのホッパ内にスクリューコンベアの取込み口を配置させた構造の搬送機構を採用することもできるし、トンネル掘削機の前進方式も、立坑に設けた元押しジャッキでセグメントとともに前進させる推進方式を採用することもできる。
本発明の実施の形態によるトンネル掘削機の概略構成を示す側面図である。 図1に示すトンネル掘削機の正面図である。 図1に示すトンネル掘削機の小断面掘削機の拡大図である。 (a)、(b)はトンネル掘削機による掘進工程を示す図である。 (a)、(b)は図4(b)に続くトンネル掘削機による掘進工程を示す図である。
符号の説明
1 トンネル掘削機
2 掘削機本体
3 外殻スキンプレート(外殻体)
4 シールドジャッキ
5 スライドフード
7 推進ジャッキ
10、10A〜10F 小断面掘削機
10a 切羽側開口部
11 小断面スキンプレート(筒状体)
12 刃口体
13 面板
13a 開口部
14 開閉ゲート(蓋部材)
15 搬送ベルトコンベア
S セグメント

Claims (2)

  1. 筒状をなす外殻体と、
    該外殻体内で独立してトンネル軸方向に進退可能に設けた複数台の小断面掘削機と、
    を備え、
    前記小断面掘削機は、筒状体と、その筒状体の切羽側に開口部を有する面板と、前記開口部を開閉するための蓋部材とを有し、
    前記開口部は、前記面板に対して部分的に開口し、切羽の地山を機内側に取り込み可能な機能を有していることを特徴とするトンネル掘削機。
  2. 筒状をなす外殻体内で独立してトンネル軸方向に進退可能に設けた複数台の小断面掘削機を備え、
    該小断面掘削機には、筒状体と、その筒状体の切羽側に開口部を有する面板と、前記開口部を開閉するための蓋部材とが設けられ、前記開口部が前記面板に対して部分的に開口するトンネル掘削機を用いたトンネル掘削方法であって、
    前記小断面掘削機の蓋部材を開いて前記開口部を開放し、前記小断面掘削機の筒状体を前進させるとともに、前記開口部より切羽の地山を前記小断面掘削機内に取り込みながら推進する工程と、
    推進停止時には、前記蓋部材によって前記開口部を閉塞し、前記小断面掘削機内を密閉状態とする工程と、
    前記複数台すべての小断面掘削機の推進を行った後に、前記外殻体を前進させる工程と、
    を有していることを特徴とするトンネル掘削方法。
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