JP5806909B2 - 掘削方法、掘削機構 - Google Patents

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Description

本発明は、掘削方法およびこれに用いる掘削機構に関するものである。
トンネルの掘削時には、掘削機を後方から押出しつつ掘削機により断面を掘削する推進工法や、掘削機による掘進を行うとともに掘削機の後方でシールドの形成を行うシールド工法が用いられる。これらの掘削機の前面にはカッタ等が設けられており、該カッタにより前方の地盤を掘削しながら前進する(特許文献1、2、3参照)。
ところで、掘削時の土被りが小さい場合や、上部に重要構造物が存在する場合には、掘削に伴う前方の地盤沈下を防ぐため、本体掘削機の上部に、本体掘削機とは独立して前方へ移動可能なルーフ掘削機を設け、これを本体掘削機に先行して掘進させることで先受けし、上方の地盤沈下を防ぐ場合がある(特許文献1参照)。
特開2008−303681号公報 特開平7−26889号公報 特許第2510097号
しかしながら、上記のルーフ掘削機を本体掘削機に対して先行して掘進させた場合、ルーフ掘削機が配置されていた元の個所に上方の地盤から土砂や地下水が侵入し地盤沈下や掘削機の故障の原因となる可能性がある。
このため、カバープレート等を設け、ルーフ掘削機を先行させた場合の土砂等の侵入を防ぐといったことが行われる。しかし、この時カバープレートの内側に隙間が生じ、周囲の土圧によりカバープレートが変形、沈下する恐れがある。加えて、カバープレート内部を周囲の土砂等に対し完全に密閉することも難しい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、ルーフ掘削機を先行させた場合に、カバープレートの変形や沈下を防止し、さらに、掘削機への土砂等の侵入も防ぐことができる掘削方法等を提供することにある。
前述した目的を達成するための第1の発明は、本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、前記ルーフ掘削機が、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻に、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられた掘削機構による掘削方法であって、前記外殻を前記箱体から前進させて、前記ルーフ掘削機による掘削を行う工程(a)と、前記工程(a)により前記カバープレートの内側で前記外殻の外部に形成された空間に、前記掘削機構の前記空間に露出する面に形成した第1の孔部を介して充填材を注入する工程(b)と、前記外殻を前記箱体側に後退させて、この時に、注入した前記充填材を前記掘削機構の前記空間に露出する孔部を介して回収する工程(c)と、を有することを特徴とする掘削方法である。
第2の発明は、本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、前記ルーフ掘削機が、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻に、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられた掘削機構による掘削方法であって、前記外殻を前記箱体から前進させて、前記ルーフ掘削機による掘削を行う工程(a)と、前記工程(a)により前記外殻の後部と前記箱体と前記カバープレートに囲われた閉じた空間が形成されていて、前記掘削機構の前記空間に露出する面に形成した第1の孔部を介して充填材を注入する工程(d)と、を有することを特徴とする掘削方法である。
これにより、ルーフ掘削機を本体掘削機に対し前進させた場合に、ルーフ掘削機において、カバープレートの内側で外殻の外部にできる空間に充填材を注入することで、周囲の土圧によるカバープレートの変形や沈下を防ぐことができる。さらに、外部の土砂や地下水が掘削機構に侵入することも無くなり、掘削機構の故障等の原因になることがない。
前記第1の孔部は、前記外殻において前記外殻の後部の内部を前後に区画する隔壁より後方の位置、または、前記箱体の前面に形成されることが望ましい。
これにより、ルーフ掘削機を本体掘削機に対し前進させた場合に、後方の作業空間から充填材の注入作業を行うことができ、充填材の注入が容易となる利点がある。
第3の発明は、本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、前記ルーフ掘削機が、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻に、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられた掘削機構による掘削方法であって、前記外殻を前記箱体から前進させて、前記ルーフ掘削機による掘削を行う工程(a)と、前記工程(a)により前記カバープレートの元の位置に形成された空間に充填材を注入する工程(e)と、を有することを特徴とする掘削方法である。
前記掘削機構は、前記本体掘削機と前記ルーフ掘削機の後方に後胴部を有し、前記工程(a)により前記カバープレートの元の位置に形成された空間に露出する前記後胴部の前面に、第2の孔部が設けられ、記第2の孔部を介して充填材を注入するとが望ましい。
これにより、ルーフ掘削機を本体掘削機に対し前進させた場合に、カバープレートの元の位置にできる空間に充填材を充填させることで、該空間に周囲の地山の土砂等が侵入することによる地盤沈下や変位を防ぐことができる。
前記掘削機構は、前記本体掘削機と前記ルーフ掘削機の後方に後胴部を有し、前記工程(a)により前記カバープレートの元の位置に形成された空間に露出する前記箱体の上面に、第3の孔部が設けられ、記第3の孔部を介して充填材を注入するとが望ましい。
ルーフ掘削機を本体掘削機に対し前進させた場合にカバープレートの元の位置にできる空間に充填する充填材は、地山への散逸を防ぐため比較的流動性の低いものを用いることから、上記の構成により箱体の上面から充填材を注入することで、上記の空間に充填材をスムーズに行き渡らせることができる。
前記外殻の後部は、矩形の角部を曲線状に面取りした形状の断面を有することが望ましい。
これにより、トンネル掘削中にルーフ掘削機の外殻に上部から加わる土圧が、後部断面の角部に集中して作用し変形の原因となる恐れがなくなる。また、外殻の後部と、箱体の前面開口との間に設ける止水用のパッキンが角部で止水性における弱部となることも無くなる。ただし、この場合、ルーフ掘削機を本体掘削機に対し前進させた場合に、カバープレートの内側でルーフ掘削機の外殻の外部にできる空間が大きくなるので、本発明により、充填材を充填することが特に有効となる。
の発明は、本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、前記ルーフ掘削機は、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻には、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられ、前記外殻を前記箱体から前進させた際に形成される前記外殻の後部と前記箱体と前記カバープレートに囲われた閉じた空間に充填材を注入するための部を、前記外殻を前記箱体から前進させた際に前記空間に露出する面に設けたことを特徴とする掘削機構である。
第5の発明は、本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、前記ルーフ掘削機は、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻には、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられ、前記外殻を前記箱体から前進させた際に前記カバープレートの元の位置に形成される空間に充填材を注入するための孔部を、前記外殻を前記箱体から前進させた際に前記空間に露出する面に設けたことを特徴とする掘削機構である。
前記部は、前記外殻において前記外殻の後部の内部を前後に区画する隔壁より後方の位置、または、前記箱体の前面に形成されることが望ましい。
前記掘削機構は、前記本体掘削機と前記ルーフ掘削機の後方に後胴部を有し、前記外殻を前記箱体から前進させた際に前記カバープレートの元の位置に形成される空間に露出する前記後胴部の前面または前記箱体の上面に、填材を注入するための前記孔部を設けることが望ましい。
さらに、前記外殻の後部は、矩形の角部を曲線状に面取りした形状の断面を有することが望ましい。
4、5の発明は、削方法に用いる掘削機構である。
本発明によれば、ルーフ掘削機を先行させた場合に、カバープレートの変形や沈下を防止し、さらに、掘削機への土砂等の侵入も防ぐことができる掘削方法等を提供することができる。
掘削機構1の垂直方向の構成を示す図 矩形ルーフ掘削機2、本体掘削機3の水平方向の構成を示す図 孔部231、232、42について説明する図 矩形ルーフ掘削機2を前進させた状態を示す図 掘削機構1によるトンネル掘削について説明する図 掘削機構1によるトンネル掘削について説明する図 充填材200、300の充填について示す図 掘削機構1の別の例について示す図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず、図1、図2を参照して、本実施形態の掘削機構1の概略について説明する。図1は、掘削機構1の垂直方向の構成を示す図である。図2(a)、図2(b)は、それぞれ、掘削機構1の矩形ルーフ掘削機2の水平方向の構成を示す図、掘削機構1の本体掘削機3の水平方向の構成を示す図である。
図1、図2に示すように、掘削機構1は、前胴部1aと後胴部1bからなる。前胴部1aでは、矩形ルーフ掘削機2が本体掘削機3の上方に配置される。本実施形態では、図2に示すように、矩形ルーフ掘削機2、本体掘削機3が、それぞれ、スペーサ210、スペーサ310を挟んで平面に2つ並べて配置される。後胴部1bには、推進ジャッキ41等が配置される。
本体掘削機3では、本体内部がバルクヘッド33(隔壁)により前後に区画されており、バルクヘッド33の前方の本体前面にカッタ31が設けられる。
図1、図2(b)に示すように、カッタ31は、接続材312で接続された円柱状の一対のカッタスポーク313の上下方向に沿ってカッタビット311を設け、これら一対のカッタスポーク313を、上下の支持杆315を介して回転軸317に接続したものである。
この回転軸317には、上下にリンク材318の一端が取り付けられる。これらリンク材318の他端に、平面上交差して配置される2つの油圧ジャッキ319の一端がそれぞれ接続される。一方の油圧ジャッキ319を伸長させるとともに他方の油圧ジャッキ319を収縮させる動作を油圧ジャッキ319間で交互に行うことにより、カッタ31が本体掘削機3の幅方向を円弧状の軌跡で往復揺動する。
また、本体掘削機3では、本体内部にスクリューコンベア32が設けられる。スクリューコンベア32は本体前面で開口しており、カッタ31で掘削した土砂を搬送して掘削機構1の後方へ排出する。
矩形ルーフ掘削機2は、本体掘削機3の上方に設けられる。
図1、図2(a)に示すように、矩形ルーフ掘削機2では、カッタ24やスクリューコンベア26等が外殻としてのルーフマシンボックス25の内側に配置される。ルーフマシンボックス25は前部25aと後部25bにより構成され、後部25bが、ルーフマシンボックス25の後方に設けた箱体であるルーフ推進ボックス23の内部に収容される。
また、後部25bの内部はバルクヘッド251(隔壁)により前後に区画される。
カッタ24は、ルーフマシンボックス25の前面に配置される掘削手段である。
カッタ24は、接続材242で接続した円柱状の一対のカッタスポーク243の上下方向に沿ってカッタビット241を設け、これら一対のカッタスポーク243を、支持杆245を介して回転軸247に接続したものである。
回転軸247には、さらにリンク材248の一端が接続され、該リンク材248の他端と、油圧ジャッキ249の一端が接続される。この油圧ジャッキ249を伸縮することにより、カッタ24が矩形ルーフ掘削機2の幅方向を円弧状の軌跡で往復揺動する。また、油圧ジャッキ249の他端は、ルーフ推進ボックス23等を貫通し、後胴部1bに設置した中折れジャッキ27に接続される。中折れジャッキ27は、カッタ24の姿勢制御を行うためのものである。
スクリューコンベア26は、ルーフマシンボックス25の前面で開口しており、カッタ24で掘削した土砂を搬送し、土砂圧送管を介して掘削機構1の後方へ排出する。
ルーフマシンボックス25の前部25aの後端には、カバープレート21が取り付けられる。カバープレート21は、ルーフ推進ボックス23の上面および外側の側面を覆うように設けられる。
ルーフ推進ボックス23には、ルーフ推進ジャッキ22の端部が取り付けられる。ルーフ推進ジャッキ22を伸長させることにより、ルーフマシンボックス25が本体掘削機3とは独立して前進する。
図3(a)は、矩形ルーフ掘削機2、本体掘削機3による前胴部1a、および後胴部1bの概略構成を示す斜視図である。図3(a)では、カバープレート21の内側のルーフ推進ボックス23等を鎖線で、その内部のルーフマシンボックス25の後部25bを点線で示した。
また、図3(b)は、図3(a)の線A−Aに沿って、ルーフ推進ボックス23の垂直方向の断面をルーフ推進ボックスの前面23bの方向に見た図である。内部の油圧ジャッキ249等の図示は省略した。
図3(c)は、図3(a)の線B−Bに沿って、ルーフ推進ボックス23の上面23a等の垂直方向の断面を見た図である。
図3(a)、図3(b)に示すように、ルーフマシンボックス25の後部25bは、矩形の角部を曲線状に面取りした形状の断面を有する。ルーフ推進ボックス23の前面23bには、この後部25bを挿入するための開口23cが設けられる。
後部25bが矩形断面である場合、矩形ルーフ掘削機2を先行させてトンネルを掘削する際に、ルーフマシンボックス25に上部から加わる土圧が後部25bの断面角部に集中して作用し変形の原因となる恐れがあり、また、ルーフマシンボックス25の後部25bとルーフ推進ボックス23の前面23bの開口23cの間に設ける止水用のパッキン(不図示)が角部で止水性における弱部となるためである。
なお、ルーフマシンボックス25の前部25aは矩形断面を有する。
さらに、ルーフ推進ボックス23の前面23bには、図示しない蓋により開閉可能な孔部232(第1の孔部)が設けられる。
また、図3(c)に示すように、後胴部1bの前面40aにも、カバープレート21に対応する高さ位置に、蓋42aにより開閉可能な孔部42(第2の孔部)が設けられる。
加えて、図3(a)、図3(c)に示すように、ルーフ推進ボックス23の上面23aにも、蓋231aにより開閉可能な孔部231(第3の孔部)が設けられる。
図4は矩形ルーフ掘削機2を前進させた状態を示す図である。図4(a)は、掘削機構1の垂直方向の構成を示す図である。図4(b)は、矩形ルーフ掘削機2、本体掘削機3による前胴部1a、および後胴部1bの概略構成を示す斜視図である。
図に示すように、ルーフ推進ジャッキ22を伸長させると、ルーフマシンボックス25およびカバープレート21が前進する。これにより、カバープレート21の内側で、ルーフ推進ボックス23から出たルーフマシンボックス25の後部25bの外部に空間20が形成され、ルーフ推進ボックス23の前面23bの孔部232が該空間20に露出する。
また、カバープレート21の元の位置に窪み状の空間30が形成され、ルーフ推進ボックス23の上面23aの孔部231、および後胴部1bの前面40aの孔部42(図3(c)参照)が該空間30に露出する。
次に、上述した掘削機構1を用いてトンネルを掘削する方法の一例について図5、6を用いて説明する。本実施形態では、シールド工法により地山にトンネルを形成する例について説明する。
掘削機構1を用いてトンネルを形成する場合、まず、図5(a)に示すように、地山に発進側の立坑100を掘削し、立坑100内に受台130を配置し、受台130上に掘削機構1を設置する。また、立坑100の掘進方向後方の壁面に反力架台110を固定し、推進ジャッキ41の端部を当接させる。また、坑口の形成予定位置の周囲には、エントランスパッキン120が設けられる。エントランスパッキン120は、ゴムの表面に鉄板を張り付けて設ける。
その後、推進ジャッキ41を伸長させて掘削機構1を前進させたのち推進ジャッキ41を収縮させ、図5(b)に示すように、セグメントを組み立てて推進ジャッキ41と反力架台110の間で鋼殻140を形成し、推進ジャッキ41の端部を鋼殻140に当接させる。この後、推進ジャッキ41を伸長させて掘削機構1を前進させる。
そして、図5(c)に示すように、掘削機構1の前端が立坑100の掘進方向前方の壁面に接する時点で鏡切りを行って坑口を形成し、掘削機構1の前部を地山に挿入する。この時、エントランスパッキン120が地山に向かって折れ曲がり地山と掘削機構1の間をシールし、地山からの地下水の漏出等が防がれる。
次いで、図5(d)に示すように、ルーフ推進ジャッキ22を伸長させ、矩形ルーフ掘削機2を本体掘削機3に対して先行させる。矩形ルーフ掘削機2は、カッタ24を往復揺動させて地山を掘削しつつ前進する。掘削土(図示せず)は、土圧を管理しながらスクリューコンベア26で取り込まれ、土砂圧送管を用いて掘進方向後方へ運搬される。
この際、前記したルーフ推進ボックス23の前面23bの孔部232(図3参照)を開き、カバープレート21の内側でルーフマシンボックス25の後部25bの外部に形成された空間20(図4参照)に充填材200を注入する。充填材200を注入した後、孔部232を閉じる。
その後、図6(a)に示すように、矩形ルーフ掘削機2を本体掘削機3に対し先行した状態で、前記のように推進ジャッキ41の伸縮と鋼殻140の形成を交互に行い掘削機構1を前進させる。
この際、矩形ルーフ掘削機2のカッタ24を往復揺動させるとともに、本体掘削機3のカッタ31も往復揺動させ、上下のカッタ24、31で地山を掘削しつつ前進させる。本体掘削機3のカッタ31で掘削を行った掘削土は、スクリューコンベア32により掘進方向後方へ運搬される。
また、掘削機構1の後胴部1bが地山に入ると、後胴部1bの前面40aの孔部42とルーフ推進ボックス23の上面23aの孔部231(図3参照)を空けて、矩形ルーフ掘削機2の前進によりカバープレート21の元の位置に形成された空間30(図4参照)に、孔部42、孔部231を介して充填材300を注入する。充填材300を注入した後、孔部42、孔部231は閉じる。
図7は、充填材200、300を充填した状態の掘削機構1について拡大して示す図である。
充填材200は、カバープレート21の内側でルーフマシンボックス25の後部25bの外部に形成される空間20を埋めて、周囲の土圧によるカバープレート21の変形や沈下を防ぐとともに、外部の土砂や地下水が掘削機構1に侵入することを防ぐためのものである。
充填材300は、カバープレート21の前進によりカバープレート21の元の位置に形成された空間30を埋めて該空間30に周囲の地山の土砂等が侵入することによる地盤沈下や変位を防ぐためのものである。
これら充填材200、300には、例えばグリース等が用いられる。充填材300としては、地山への散逸を防ぐため、充填材200に比べ流動性の低いものを用いる。
ルーフ推進ボックス23の上面23aの孔部231から充填材300を注入するのは、流動性が比較的低い充填材300を用いるため、上記の空間全体に充填材300をスムーズに行き渡らせるためである。
以降、前記と同様にして掘削機構1を前進させつつ、鋼殻140を組み立ててトンネルを形成してゆき、図6(b)に示すように、到達側の立坑150の手前まで来れば、ルーフ推進ジャッキ22を収縮させて上部の矩形ルーフ掘削機2を後退させる。この時、前記の孔部231、232、42を再び開状態とし、これらの孔部を介して、圧力を管理しつつ前記の充填材200、300を回収する。
その後、更に掘削機構1を前進させつつ、鋼殻140を組み立て、図6(c)に示すように、鋼殻140によるトンネルの前部が到達側の立坑150に到達すれば、本実施形態の掘削機構1による掘削を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、ルーフ推進ボックス23の前面23bに設けた孔部232から、矩形ルーフ掘削機2を本体掘削機3に対し前進させた場合に、カバープレート21の内側でルーフマシンボックス25の後部25bの外部にできる空間20に充填材200を注入することができ、周囲の土圧によるカバープレート21の変形や沈下を防ぐことができる。さらに、外部の土砂や地下水が掘削機構1に侵入することも無くなる。
本実施形態のような扁平な矩形状の矩形ルーフ掘削機2は、先受けとして地山を保護する上で非常に効果的であるが、一方、扁平な矩形状であることで、上部の土圧に対し変形しやすい構造となっている。そこで、本実施形態のように、カバープレート21の内側の空間20に充填材200を注入することで、カバープレート21の変形を防ぐことが特に有効になる。
さらに、後胴部1bの前面40aに設けた孔部42から、カバープレート21の元の位置にできる空間30にも充填材300を充填させることで、該空間30に周囲の地山の土砂等が侵入することによる地盤沈下や変位を防ぐことができる。
また、上記の空間30には、ルーフ推進ボックス23の上面23aの孔部231からも充填材300を注入する。この充填材300は、地山への散逸を防ぐため比較的流動性の低いものを用いることから、孔部231からも注入を行うことで、上記の空間に充填材300をスムーズに行き渡らせることができる。
なお、孔部42および孔部231は、いずれか一方のみを用いてもよい。
また、本実施形態において、ルーフマシンボックス25の後部25bは、矩形の角部を曲線状に面取りした形状の断面を有している。これは、後部25bが矩形断面である場合、矩形ルーフ掘削機2を先行させてトンネルを掘削する際に、ルーフマシンボックス25に上部から加わる土圧が後部25bの断面角部に集中して作用し変形の原因となる恐れがあり、また、ルーフマシンボックス25の後部25bとルーフ推進ボックス23の前面23bの開口23cの間に設ける止水用のパッキンが角部で止水性における弱部となるためであるが、この場合、矩形ルーフ掘削機2を本体掘削機3に対し前進させた場合に、カバープレート21の内側でルーフマシンボックス25の後部25bの外部にできる空間が大きくなるので、充填材200を充填することが特に有効となる。
また、本実施形態では、前記の空間20に充填材200を注入するための第1の孔部を、ルーフ推進ボックス23の前面23bに設けた(孔部232)が、充填材200を注入するための孔部はこれに限ることはない。
例えば図8(a)に示すように、矩形ルーフ掘削機2を先行させた際、前記の空間20に露出するルーフマシンボックス25の後部25bにおいて、バルクヘッド251の後方に充填材200を注入するための孔部252(第1の孔部)を設けてもよい。
バルクヘッド251の後方に孔部252を設けることにより、バルクヘッド251の後方の作業空間において充填材200の注入作業を行うことができ、充填材200の注入が容易となる。
なお、前記の実施形態のようにルーフ推進ボックス23の前面23bの孔部232を介して充填材200の注入を行う場合も、後方の作業空間において注入作業が行えるので同様の利点がある。
このように、充填材200を注入する第1の孔部は、矩形ルーフ掘削機2を先行させた際に前記の空間20に露出する面であれば設けることができる。
例えば、図8(a)に示した例の他にも、図8(b)に示すように、本体掘削機3の上面で、ルーフ推進ボックス23よりも前方の位置に、充填材200を注入するための孔部34(第1の孔部)を設けてもよい。この場合、本体内部のバルクヘッド33より後方に孔部34を設けると、バルクヘッド33の後方の作業空間において充填材200の注入作業を行うことができ、前記と同じく充填材200の注入が容易になる。
これらの場合も、掘削手順は前記したものと同様であり、充填材200の注入、回収の手順についても同様である。図示しない蓋の脱着により孔部252や孔部34を開閉し、これらの孔部を介して充填材200の注入、回収を行うとよい。これにより前記と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態ではシールド工法の例について説明したが、立坑100の掘進方向後方の壁面に設けた推進ジャッキを用いた元押しにより掘削機構1を推進させつつ掘削を行う推進工法についても同様に適用でき、本実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態ではカッタ24、31により断面の掘削を行っているが、その他の掘削手段により掘削を行うものであってもよい。
また、本実施形態では、カバープレート21が、ルーフ推進ボックス23の上面および外側の側面を覆うように設けられているが、カバープレート21の配置は掘削機構1の形態等に応じて可変であり、ルーフ推進ボックス23の少なくとも一部を覆うものであればよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………掘削機構
1a………前胴部
1b………後胴部
2………矩形ルーフ掘削機
3………本体掘削機
21………カバープレート
23………ルーフ推進ボックス
24、31………カッタ
25………ルーフマシンボックス
34、42、231、232、252………孔部
200、300………充填材

Claims (10)

  1. 本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、
    前記ルーフ掘削機が、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻に、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられた掘削機構による掘削方法であって、
    前記外殻を前記箱体から前進させて、前記ルーフ掘削機による掘削を行う工程(a)と、
    前記工程(a)により前記カバープレートの内側で前記外殻の外部に形成された空間に、前記掘削機構の前記空間に露出する面に形成した第1の孔部を介して充填材を注入する工程(b)と、
    前記外殻を前記箱体側に後退させて、この時に、注入した前記充填材を前記掘削機構の前記空間に露出する孔部を介して回収する工程(c)と、
    を有することを特徴とする掘削方法。
  2. 本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、
    前記ルーフ掘削機が、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻に、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられた掘削機構による掘削方法であって、
    前記外殻を前記箱体から前進させて、前記ルーフ掘削機による掘削を行う工程(a)と、
    前記工程(a)により前記外殻の後部と前記箱体と前記カバープレートに囲われた閉じた空間が形成されていて、前記掘削機構の前記空間に露出する面に形成した第1の孔部を介して充填材を注入する工程(d)と、
    を有することを特徴とする掘削方法。
  3. 本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、
    前記ルーフ掘削機が、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻に、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられた掘削機構による掘削方法であって、
    前記外殻を前記箱体から前進させて、前記ルーフ掘削機による掘削を行う工程(a)と、
    前記工程(a)により前記カバープレートの元の位置に形成された空間に填材を注入する工程(e)と、
    を有することを特徴とする掘削方法。
  4. 前記掘削機構は、前記本体掘削機と前記ルーフ掘削機の後方に後胴部を有し、
    前記工程(a)により前記カバープレートの元の位置に形成された空間に露出する前記後胴部の前面に、第2の孔部が設けられ、
    記第2の孔部を介して充填材を注入するとを特徴とする請求項に記載の掘削方法。
  5. 前記掘削機構は、前記本体掘削機と前記ルーフ掘削機の後方に後胴部を有し、
    前記工程(a)により前記カバープレートの元の位置に形成された空間に露出する前記箱体の上面に、第3の孔部が設けられ、
    記第3の孔部を介して充填材を注入するとを特徴とする請求項3に記載の掘削方法。
  6. 前記外殻の後部は、矩形の角部を曲線状に面取りした形状の断面を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の掘削方法。
  7. 本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、
    前記ルーフ掘削機は、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻には、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられ、
    前記外殻を前記箱体から前進させた際に形成される前記外殻の後部と前記箱体と前記カバープレートに囲われた閉じた空間に充填材を注入するための部を、前記外殻を前記箱体から前進させた際に前記空間に露出する面に設けたことを特徴とする掘削機構。
  8. 本体掘削機と、前記本体掘削機の上面に配置されたルーフ掘削機とを有し、
    前記ルーフ掘削機は、内側に掘削手段が設けられるとともに前進可能な外殻と、前記外殻の後部を収容する箱体を有し、前記外殻には、カバープレートが前記箱体の少なくとも一部を覆うように取り付けられ、
    前記外殻を前記箱体から前進させた際に前記カバープレートの元の位置に形成される空間に充填材を注入するための部を、前記外殻を前記箱体から前進させた際に前記空間に露出する面に設けたことを特徴とする掘削機構。
  9. 前記掘削機構は、前記本体掘削機と前記ルーフ掘削機の後方に後胴部を有し、
    前記外殻を前記箱体から前進させた際に前記カバープレートの元の位置に形成される空間に露出する前記後胴部の前面または前記箱体の上面に、填材を注入するための前記孔部を設けたことを特徴とする請求項記載の掘削機構。
  10. 前記外殻の後部は、矩形の角部を曲線状に面取りした形状の断面を有することを特徴とする請求項から請求項9のいずれかに記載の掘削機構。
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