JP4163583B2 - シールド掘進機及びトンネル構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シールド掘進機及びトンネル構築方法に係り、特に、所定断面を有するメイントンネルと、周方向の一部が拡幅された拡幅トンネルとを構築するシールド掘進機及びトンネル構築方法に関するものである。
地下トンネルを構築する場合、トンネルの長手方向の一部に、周方向の一部が拡幅された拡幅トンネルを構築する場合がある。例えば、道路トンネルを構築する場合では、所定距離毎に車両の非常駐車帯を設ける必要があるからである。
従来、トンネルの長手方向の一部に拡幅トンネルを構築する場合、まず、シールド掘進機により所定断面のメイントンネルを掘削・構築し、次に、拡幅用のシールド掘削機によりメイントンネルから径方向外側に掘削して拡幅トンネルを構築していた。例えば、特許文献1にもそのような拡幅掘削装置が開示されている。しかしながら、この方法はトンネルを構築するのに二回の工程を必要とするため、コストが高く、かつ工期が長期化するという欠点がある。
特公昭62−1073号公報
そこで近年、シールド掘進機のシールドフレームを拡幅可能に分割して構成し、メイントンネルを構築する途中でシールドフレームを拡幅して拡幅トンネルを連続的に構築するシールド掘進機の開発が進められている。
しかしながら、以下の理由から実用化には至っていなかった。
1)上記シールド掘進機では、図22に示すように、メイントンネルを形成するメインセグメントMSの一部を拡幅セグメントKSに置き換えて周方向に一体的に組み立てて拡幅トンネルKTを構築するのであるが、このように部分的に変形(拡幅)したセグメントは強度が低く、土圧に充分対向できない虞がある。特に、大断面のトンネルを構築する場合にこの問題が生じる。
2)シールドフレームの強度が低下する。
3)拡幅トンネルとシールドフレームとの間の止水性の確保が困難である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、所定断面を有するメイントンネルと、周方向の一部が拡幅された拡幅トンネルとを構築できるシールド掘進機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、地山を掘削するカッタと、そのカッタが掘削した孔内にメインセグメントを組み立ててメイントンネルを構築するメインセグメント組立装置を有するメインシールドと、上記メインセグメント組立装置よりも前方に配置され上記メイントンネルよりも径方向外側の位置に拡幅部材を組み立てる拡幅部材組立装置を有する拡幅シールドとを備え、上記拡幅シールドが、上記メインシールドの径方向内側に位置する非作動位置と、少なくとも一部が上記メインシールドよりも径方向外側に位置する作動位置との間を移動できるように、上記メインシールドに対して径方向に移動可能に設けられたものである。
また、上記メイントンネルの断面と略等しい掘削面を有するメインカッタと、そのメインカッタの掘削面よりも径方向外側の部分を掘削する拡幅カッタとを備えても良い。
また、上記拡幅カッタは、その掘削面が上記メインカッタの掘削面内に位置する非作動位置と、掘削面の少なくとも一部が上記メインカッタの掘削面よりも径方向外側に位置する作動位置との間を移動できるように、上記メインシールドの径方向に移動可能に設けられても良い。
また、上記拡幅カッタは、その掘削面が上記メインシールドの軸心とほぼ平行に位置する非作動位置と、掘削面が上記軸心に対して傾斜する作動位置との間を移動できるように、上記メインシールドに揺動可能に設けられても良い。
また、上記拡幅カッタが、上記メインシールドの径方向に出没可能に設けられたスクリューカッタからなっても良い。
また、上記拡幅カッタは、その掘削面が上記メインカッタの掘削面内に位置する非作動位置と、掘削面の少なくとも一部が上記メインカッタの掘削面よりも径方向外側に位置する作動位置との間を移動できるように、上記メインシールドの径方向に移動可能に設けられると共に、上記作動位置において、上記メインシールドの周方向に揺動可能に設けられても良い。
また、上記拡幅カッタの回転軸に固定された揺動体と、該揺動体を囲むように形成され上記メインシールドの径方向に移動可能に備えられた揺動ガイドと、上記揺動体を上記揺動ガイドと一体的に上記メインシールドの径方向に移動させる第一駆動手段と、上記揺動ガイドの内面に沿って上記揺動体を上記メインシールドの周方向に揺動させる第二駆動手段とを備えても良い。
また、上記拡幅カッタは、地山を掘削するカッタヘッドと、該カッタヘッドを支持すると共に上記カッタヘッドを上記メインシールドの周方向に揺動するブームとを備え、上記メインシールドの径方向に移動可能に設けられたブームカッタであっても良い。
更に本発明は、シールド掘進機のカッタで地山を掘削し、その掘削された孔内でメイントンネルを構築すると共に、メイントンネルの構築位置よりも前方で、メイントンネルよりも径方向外側の位置に拡幅部材を組み立てるトンネル構築方法において、上記カッタで掘削した孔の長手方向一部のみで上記メイントンネルの構築及び拡幅部材の組み立てを行い、それ以外の部分では上記メイントンネルの構築のみを行うようにしたものである。
また、上記メイントンネルと上記拡幅部材とを連通させて、周方向の一部が拡幅された拡幅トンネルとしても良い。
また、上記メイントンネルと上記拡幅部材とを連通させる前に、上記メイントンネル内に補強部材を設けても良い。
本発明によれば、以下に示す如く優れた効果を発揮するものである。
1)メイントンネルと拡幅トンネルとの連続構築を実現でき、コスト低減及び工期短縮が図れる。
2)高い止水性を確保できる。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1及び図2は本実施形態に係るシールド掘進機の側面断面図、図3はその正面図、図4は図1の4−4線断面図、図5は本実施形態のシールド掘進機が構築するトンネルの断面図である。
本実施形態のシールド掘進機1は、図5(a)に示すように、円形断面を有するメイントンネルMTと、そのメイントンネルMTに隣接配置される断面三日月形状の筒体である拡幅セグメント(拡幅部材)KSとを構築していくものである。
図1及び図2に示すように、本実施形態のシールド掘進機1は、構築すべきメイントンネルMTの断面とほぼ同じ(若干大きい)掘削面を有するメインカッタ2と、メインカッタ2が掘削した孔内にメインセグメントMSを組み立ててメイントンネルMTを構築するメインセグメント組立装置(エレクタ)3を備えたメインシールド5と、メイントンネルMTよりも径方向外側部分を掘削するための拡幅カッタ6と、拡幅カッタ6が掘削した領域に拡幅セグメントKSを組み立てる図示しない拡幅セグメント組立装置(拡幅部材組立装置)を備えた拡幅シールド7とを備える。
メインカッタ2は、メインシールド5のシールドフレーム8の前端部近傍に設けられた隔壁9に回転自在に設けられる。メインカッタ2は、その回転中心から放射状に延出した複数のスポーク10と、そのスポーク10に設けられた多数のカッタビット11と、スポーク10の外側端部に径方向に出没自在に設けられたコピーカッタ12とを備える。メインカッタ2の後面側には回転軸13及びリング体15が設けられ、それら回転軸13及びリング体15が軸受けを介して隔壁9に支持される。隔壁9には、リング体15を介してメインカッタ2を回転駆動するカッタ駆動モータ16が設けられる。
メインカッタ2と隔壁9との間には、メインカッタ2が掘削した土砂を取り込むチャンバ17が形成される。隔壁9には、チャンバ17内に泥土を送り込む送泥管18、チャンバ17内の土砂及び泥土を混ぜ合わせるアジテータ19、及びチャンバ17内で泥土と混ぜ合わされた土砂を後方に排出する排泥管20等が接続される。
メインシールド5のシールドフレーム8はメイントンネルMTとほぼ等しい(若干大きい)断面を有し、その長手方向ほぼ中央部(隔壁9よりも後方)に拡幅カッタ6及び拡幅シールド7が設けられる。メインシールド5の後部(拡幅カッタ6及び拡幅シールド7よりも後方)には、メインセグメントMSを組み立ててメイントンネルMTを構築するエレクタ3(メインセグメント組立装置)と、エレクタ3により組み立てられたメインセグメントMSに反力を取ってシールド掘進機1を推進させるシールドジャッキ21が設けられる。メインシールド5の後端部には、既設されたメインセグメントMSとシールドフレーム8との間を止水するリング状のテールシール22が設けられる。
拡幅カッタ6及び拡幅シールド7は、メインカッタ2よりも後方かつメインシールド5のエレクタ3よりも前方の位置で、メインシールド5に対して径方向(図3において左右方向)に移動可能に設けられる。具体的には、図1,図2及び図4に示すように、メインシールド5のシールドフレーム8の中央側面部に、径方向内側に略コ字状に窪んだガイド部23が形成され、そのガイド部23内に拡幅カッタ6及び拡幅シールド7がスライド可能に収容される。
拡幅カッタ6は、拡幅シールド7のシールドフレーム24の前端部近傍に設けられた隔壁25に回転自在に設けられ、回転中心から放射状に延出する複数(本実施形態では四本)のスポーク26と、そのスポーク26に設けられた多数のカッタビット27と、スポーク26の外側端部に径方向に出没自在に設けられたコピーカッタ28とを備える。図3に示すように、拡幅カッタ6の掘削面は円形であり、その直径はメインカッタ2の掘削面の直径の約半分である。拡幅カッタ6と隔壁25との間には、拡幅カッタ6が掘削した土砂を取り込むチャンバ29が形成される。隔壁25の後面には拡幅カッタ6を回転駆動するカッタ駆動モータ30が設けられる。また、図では示されていないが、隔壁25には、チャンバ29内に泥土を送り込む送泥管、チャンバ29内の土砂及び泥土を混ぜ合わせるアジテータ、チャンバ29内で泥土と混ぜ合わされた土砂を後方に排出する排泥管等が接続される。
拡幅カッタ6は、拡幅シールド7に対して径方向に相対移動可能に取り付けられる。つまり、拡幅カッタ6は、その後面に形成された回転軸31が、拡幅シールド7の隔壁25に対して径方向に移動可能に取り付けられ、隔壁25と回転軸31との間に、拡幅カッタ6と拡幅シールド7とを相対的に移動させる駆動手段32が設けられる。本実施形態では、駆動手段32は、回転軸31の両側部に対称配置された油圧ジャッキからなり、この油圧ジャッキ32を収縮又は伸長させることで拡幅カッタ6と拡幅シールド7とを相対的に移動させることができる。
拡幅シールド7のシールドフレーム24は、メインシールド5のシールドフレーム8のガイド部23内に収容される略コ字状のスライド部24aと、そのスライド部24aに連続して形成され、拡幅セグメントKSの径方向外側表面とほぼ等しい曲率で湾曲した外壁部24bとを備える。メインシールド5のガイド部23と拡幅シールド7のスライド部24aとの間には適切なシール部材が設けられる。
拡幅シールド7のシールドフレーム24の後部には、外壁部24bに連続して形成され、拡幅セグメントKSの径方向内側表面とほぼ等しい曲率(メインシールド5のシールドフレーム8とほぼ等しい曲率)で湾曲した内壁部33が設けられる。外壁部24bと内壁部33とで、既設された拡幅セグメントKSの全周を覆う拡幅フレーム34が構成される。拡幅フレーム34の後端部内面には、拡幅セグメントKSと拡幅フレーム34との間を止水するテールシール35が全周に渡って設けられる。
拡幅シールド7は更に、拡幅カッタ6が掘削した領域に拡幅セグメントKSを組み立てる拡幅セグメント組立装置(図示せず)と、その拡幅セグメント組立装置により組み立てられた拡幅セグメントKSに反力を取ってシールド掘進機1を推進させるシールドジャッキ36とを備える。拡幅セグメント組立装置は、後方から搬送された拡幅セグメントKSを把持し、拡幅シールド7の径方向外側に移動させて掘削カッタ6が掘削した領域に配置する装置からなる。なお、拡幅セグメント組立装置としてエレクタを用いることもできる。
拡幅カッタ6及び拡幅シールド7は、図2及び図3(b)に示すように、最も径方向内側に位置すると、メインシールド5のシールドフレーム8の径方向内側に完全に収容される。メイントンネルMTのみを構築する場合は、このように拡幅カッタ6及び拡幅シールド7をメインシールド5内に収容し、拡幅カッタ6による掘削および拡幅シールド7による拡幅セグメントKSの組み立ては行わない。拡幅カッタ6及び拡幅シールド7がメインシールド5内に収容された状態(位置)を拡幅カッタ6及び拡幅シールド7の「非作動位置」という。
拡幅カッタ6及び拡幅シールド7が非作動位置から径方向外側に移動すると、図1及び図3(a)に示すように、拡幅カッタ6及び拡幅シールド7の一部がメインシールド5よりも径方向外側に位置する。従って、この状態で拡幅カッタ6を回転させると、拡幅カッタ6はメインカッタ2の掘削面(メインシールド5の断面)よりも径方向外側の部分を掘削する。このように、拡幅カッタ6及び拡幅シールド7の少なくとも一部がメインシールド5よりも径方向外側に位置する状態(位置)を「作動位置」という。
次に、図6〜図12を用いて、本実施形態のシールド掘進機1によるトンネル構築方法を説明する。
まず、拡幅カッタ6及び拡幅シールド7を非作動位置に位置させた状態で地中掘削及びメイントンネルMTの構築を行う。このとき、拡幅シールド7の拡幅フレーム34内に、中央部に穴を有さない蓋セグメントHSと、それに隣接する所定数(図では二個)の拡幅セグメントHSとを予め組み立て、シールドジャッキ36が拡幅セグメントKSに反力を取れるようにしておく。また、蓋セグメントHSは、拡幅シールド7とメインシールド5との間をシールする機能も有している。
そして、シールド掘進機1が所定位置に到達したならば、図6に示すように、拡幅カッタ6を回転させながら拡幅シールド7に対して径方向外側に所定距離移動させ、コピーカッタ28により拡幅シールド7の径方向外側部分を掘削する。これによって、拡幅カッタ6の掘削面の一部がメインカッタ2の掘削面よりも径方向外側に位置し、メイントンネルMTよりも径方向外側の部分の掘削が可能となる。この状態で、図7に示すように、シールド掘進機1を少なくとも拡幅シールド7の長さLと同じ距離だけ推進させる。
次に、図8に示すように、油圧ジャッキ32により拡幅シールド7(蓋セグメントHSと拡幅セグメントKSとを含む)を拡幅カッタ6側に引き寄せる。つまり、拡幅シールド7をメインシールド5の径方向外側に移動させて、拡幅カッタ6が掘削した領域内に位置させる。そして、図9に示すように、拡幅カッタ6を再度拡幅シールド7の径方向外側に移動させて、更に径方向外側部分の掘削を行う。かかる作業を、拡幅カッタ6が掘削する領域が、拡幅セグメントKSの断面とほぼ等しくなるまで繰り返す。この作業の間、メインカッタ2による地山掘削、及びエレクタ3によるメイントンネルMTの構築は常に行われる。
図10に、拡幅カッタ6が掘削する領域が拡幅セグメントKSの断面とほぼ等しくなった状態を示す。図に示すように、拡幅カッタ6がそれまで掘削した領域X内には順次充填剤が充填される。そして、既設された拡幅セグメントKSに隣接させて新たな拡幅セグメントKSを順次組み立てていく。つまり、エレクタ3によるメイントンネルMTの構築と、拡幅セグメント組立装置による拡幅セグメントKSの組み立てとを同時進行していく。このとき、拡幅セグメント組立装置はエレクタ3よりも前方に配置されているので、拡幅セグメントKSの組立は常に、メイントンネルMTの構築位置よりも前方、つまり、メイントンネルMTが構築されていない領域で行われる。
次に、図11に示すように、拡幅セグメントKSが必要長さ分組み立てられたならば、最先端の拡幅セグメントKSに隣接させて蓋セグメントHSを組み立て、図12に示すように、拡幅カッタ6及び拡幅シールド7をメインシールド5の径方向内側に移動させて、非作動位置に位置させる。拡幅カッタ6及び拡幅シールド7を移動させることにより生じた隙間Yには充填剤を充填する。その後は、メインカッタ2による地山掘削、およびエレクタ3によるメイントンネルMTの構築を継続する。
この結果、トンネルの長手方向一部において、図5(a)に示すように、メイントンネルMTの外側に拡幅セグメントKSが隣接配置される。
その後、拡幅セグメントKSとメイントンネルMTとの接続部の外側部分Zに、メイントンネルMTの内側から作業穴を介して薬品を注入して地盤改良を行う。そして、メイントンネルMTの内側に補強部材37を掛け渡した後、拡幅セグメントKSの内側に位置するメインセグメントMS1を取り外すと共に拡幅セグメントKSの内壁KS1を切断する。次に、拡幅セグメントKSとメイントンネルMT(メインセグメントMS)とを連結板等を介して溶接接合する。これによって、メイントンネルMTと拡幅セグメントKSとが連通され、図5(b)に示すように、周方向の一部が拡幅された拡幅トンネルKTが構築される。なお、本実施形態では、拡幅セグメントKSの内壁KS1及び拡幅セグメントKSの内側に位置するメインセグメントMS1はスチール製のものが用いられる。
このように、本実施形態のシールド掘進機1によれば、所定断面のメイントンネルMTと周方向の一部が拡幅された拡幅トンネルKTとを連続的に構築できるため、低コストかつ短期間での構築が可能となる。
特に、拡幅トンネルKTを構築する際に、まず、メインセグメントMSと、拡幅セグメントKSとを別々に(独立して)組み立てるので、セグメントの強度不足の問題を回避できる。つまり、メインセグメントMSと拡幅セグメントKSとを別々に組み立てて、メインセグメントMSを補強部材37で補強した後に、拡幅セグメントKSとメインセグメントMSとを連通することによって、メイントンネルMTと拡幅トンネルKTとの連続構築を実現可能としたものである。
また、拡幅セグメントKSの組立時において、メインセグメントMSの外周全域がメインシールド5のテールシール22によりシールされ、拡幅セグメントKSの外周全域が拡幅シールド7のテールシール35によりシールされるため、高い止水性を確保できる。
なお、上記実施形態では、拡幅カッタ6及び拡幅シールド7を段階的に径方向外側へ移動させるとして説明したが、土質が柔らかい場合などでは、拡幅カッタ6及び拡幅シールド7を一度に必要な距離だけ移動させることもできる。
以下、本発明の他の実施形態について説明する。
なお、以下の説明において、図1に示したシールド掘進機と同一の構成要素には同一の符号を付す。
まず、図13及び図14に示した形態は、拡幅カッタ38を、メインカッタ2の後方(チャンバ17内)に配置し、メインシールド5の隔壁9に回転自在に設けたものである。拡幅カッタ38は、互いに対向させて配置された二本のスポーク39と、スポーク39に設けられた多数のビット40と、スポーク39の外側端部に径方向に出没自在に設けられたコピーカッタ(図示せず)とを備える。
拡幅カッタ38の掘削面は図14にラインAで示すように円状である。拡幅カッタ38の作動位置と非作動位置との間の移動は、拡幅カッタ38の回動を制御することで行う。つまり、図14に示すように、両スポーク39がほぼ垂直に位置した状態で拡幅カッタ38を停止すれば、拡幅カッタ38がメインカッタ2の掘削面内に完全に位置する。従って、この状態が非作動位置となる。一方、拡幅カッタ38を回転させると、両スポーク39が順次メインカッタ2の掘削面よりも径方向外側に突出して、メインカッタ2よりも径方向外側の部分を掘削する。従って、拡幅カッタ38を回転させた状態が作動位置である。
拡幅シールド7は、図1に示した形態と同様の構成であり、拡幅シールド7をメインシールド5に対して径方向に移動させるための油圧ジャッキなどの駆動手段(図示せず)が別途設けられる。
この形態によれば、拡幅カッタ38をメインシールド5に対して径方向に移動させる必要がないため、シンプルかつ低コストな構造とできる。
次に、図15及び図16に示す形態は、拡幅カッタ41をメインシールド5の側部に揺動可能に設けたものである。具体的にはメインシールド5のシールドフレーム8の側部に径方向内側に窪んだガイド部42が形成され、そのガイド部42内にスライド部44がスライド自在に収容される。そして、そのスライド部44に、外側面が球状の揺動体43が揺動可能に設けられる。ガイド部42とスライド部44及びスライド部44と揺動体43との間は適切なシール部材によりシールされる。揺動体43は、メインシールド5の軸心Cに対して傾斜する方向に揺動可能に設けられ、その揺動体43に拡幅カッタ41が回転可能に設けられる。拡幅カッタ41は回転中心から放射状に延出したスポーク45と、スポーク45に設けられたビット46とを備える。メインシールド5のシールドフレーム8には、拡幅カッタ41との間にチャンバ47を形成する隔壁48が設けられる。スライド部44は油圧ジャッキなどの駆動手段(図示せず)によりメインシールド5の径方向に移動される。また、揺動体43も、油圧ジャッキなどの駆動手段(図示せず)によりメインシールド5の軸心Cに対して揺動される。スライド部44の移動及び揺動体43の揺動に伴って、拡幅カッタ41が移動及び揺動する。
この形態では、拡幅カッタ41の作動位置と非作動位置との間の移動は、スライド部44の径方向の移動及び揺動体43の揺動により行う。つまり、図15に点線で示すように、拡幅カッタ41の掘削面(スポーク45)がメインシールド5の軸心Cとほぼ平行に位置するように揺動体43を揺動させると共に、スライド部44を径方向内側に最も移動させると、拡幅カッタ41がメインカッタ2の掘削面内に完全に収容される。従って、この状態が非作動位置となる。一方、図15に実線で示すように、また図16に示すように、スライド部44を径方向外側に移動させると共に、揺動体43をメインシールド5の軸心Cに対して傾斜させると、拡幅カッタ41の掘削面が前方側を向き、その掘削面の一部がメインカッタ2の掘削面よりも径方向外側に位置する。この状態が作動位置である。なお、拡幅シールド7は図13の形態と同様の構成である。
この形態では、拡幅カッタ41を傾斜させて回転することで径方向及び軸方向への掘削が可能となる。従って、拡幅セグメントKSを組み立てるのに必要な領域まで迅速に掘削でき、無駄な掘削を省くことができると共に充填剤の充填領域を少なくできる。
次に、図17〜図19に示した形態は、拡幅シールド48のシールドフレーム49をメインシールド5に対して揺動可能に設けたものである。即ち、メインシールド5のシールドフレーム8の側部に径方向内側に窪んだガイド部50が形成され、そのガイド部50内に拡幅シールド48のシールドフレーム49が収容される。シールドフレーム49は、その上部がピン51(図18及び図19参照)を介してメインシールド5のシールドフレーム8に回動(揺動)自在に取り付けられ、図示しない油圧ジャッキ等の駆動手段によりピン51廻りに揺動される。拡幅シールド48のシールドフレーム49の下面49aと、メインシールド5のガイド部50の下面50aとはほぼ同じ曲率で湾曲する(図18参照)。シールドフレーム49の後部には、図1に示した拡幅フレーム34と同様の拡幅フレーム52が設けられる。
この形態では、拡幅シールド48の作動位置と非作動位置との移動は、シールドフレーム49の揺動により行う。つまり、図18に点線で示すように、また図19(a)に示すように、シールドフレーム49を径方向内側に揺動させると、拡幅シールド48は完全にメインシールド5の径方向内側に収容される。従って、この位置が拡幅シールド48の非作動位置である。そして、図18に実線で示すように、また図19(b)に示すように、シールドフレーム49をピン51回りに径方向外側に回動すると、拡幅シールド48の一部がメインシールド5の径方向外側に突出する。これが、拡幅シールド48の作動位置である。
一方、拡幅カッタ53は、拡幅シールド48の直前の位置で、メインシールド5のシールドフレーム8に対して径方向に出没可能に設けられた複数のスクリューカッタ54からなる。シールドフレーム8の側部には各スクリューカッタ54の収容スペース55が径方向内側に窪んで形成される。収容スペース55は拡幅シールド48とほぼ同じ高さに渡って上下に複数配置され、各収容スペース55内にスクリューカッタ54がそれぞれ配置される。各スクリューカッタ54には駆動装置(油圧ジャッキ)56がそれぞれ接続され、この油圧ジャッキ56により各スクリューカッタ54がそれぞれ独立して径方向に移動される。図19(a)に示すように、各スクリューカッタ54がメインシールド5の径方向内側に最も後退すると、全てのスクリューカッタ54は完全にメインカッタ2の掘削面内に位置する。これが、拡幅カッタ53の非作動位置である。そして、各スクリューカッタ54が径方向外方に突出すると、メインカッタ2の掘削面よりも径方向外側に位置して掘削を行う。このとき、各スクリューカッタ54は、図19(b)に示すように、拡幅シールド48の形状に合わせてその突出距離が各々調節される。スクリューカッタ54により掘削された土砂はメインシールド5に設けられたチャンバ57内に取り込まれて後方へと排出される。
この形態では、拡幅セグメントKSの形状に合わせて各スクリューカッタ54を突出することで、任意形状の掘削を行うことができるという利点を有する。
次に、図23〜図28に示した形態は、拡幅カッタ60をメインカッタ2よりも後方に配置している。この拡幅カッタ60は、回転中心から放射状に延出する複数(本実施形態では四本)のスポーク61と、そのスポーク61に設けられた多数のカッタビット62と、スポーク61の外側端部に径方向に出没自在に設けられたコピーカッタ63とを備える。図24に示すように、拡幅カッタ60の掘削面は円形であり、その直径はメインカッタ2の直径の約半分である。
図23に示すように、メインシールド5のシールドフレーム8の側面部には、径方向内側に略コ字形状に窪んだガイド部64が形成されている。このガイド部64には、スライド部65がメインシールド5の径方向に移動可能に設けられる。スライド部65の前面には、隔壁66が配置されている。
隔壁66と拡幅カッタ60との間には、拡幅カッタ60が掘削した土砂を取り込むチャンバ74が形成される。隔壁66と拡幅カッタ60の回転軸72との間は、シール部材75によりシールされている。また、図では示されていないが、ガイド部64には、チャンバ74内に泥土を送り込む送泥管、チャンバ74内の土砂及び泥土を混ぜ合わせるアジテータ、チャンバ74内で泥土と混ぜ合わされた土砂を後方に排出する排泥管等が接続される。
スライド部65の側面部には、スライド筒67が設けられている。このスライド筒67は、ガイド部64を貫通して、シールドフレーム8内へ延出している。スライド筒67とガイド部64との間は、シール部材68によりシールされている。
スライド部65内には、揺動ガイド70が設けられている。この揺動ガイド70の内面の、メインシールド5の前後方向の厚さは、後述する揺動体71の厚さと略同一に形成されている。一方、図26(b)に示すように、揺動ガイド70の内面の、メインシールド5の径方向の長さは、揺動体71の長さより大きく形成されている。また、揺動ガイド70の内面であって、メインシールド5の径方向の外方側には、図26(b)中示した上下部にR部70aと、このR部70aを繋ぐ直線部70bとが形成されている。
揺動ガイド70内には、揺動体71が収容されている。この揺動体71は、拡幅カッタ60の回転軸72に固定されている。この揺動体71の一端(図中の左側)に形成されたR部71aは、揺動ガイド70のR部70aと略同一の曲率で形成されている。
図23に示すように、スライド部65の一端(図中の上方向)には、第一駆動手段69が備えられている。本実施の形態においては、第一駆動手段69は、二本のスライドジャッキ(油圧ジャッキ)であり、スライドジャッキ69のシリンダ部は、ガイド部64に固定されている。スライド部65は、スライドジャッキ69により、メインシールド5の径方向に移動される。このとき、揺動体71は、揺動ガイド70と一体的に、メインシールド5の径方向に移動される。
図26(b)に示すように、揺動体71の径方向の内方側(図中の右方向)に複数の第二駆動手段73が設けられている。各第二駆動手段73は、その一端が揺動体71の径方向の内方側の上下部にそれぞれ回転可能に接続される。本実施の形態においては、第二駆動手段73は、シフトジャッキ(油圧ジャッキ)であり、その他端は、スライド部65にそれぞれ回転可能に接続される。
図27(b)に示すように、上下のシフトジャッキ73の長さを同じだけ延ばすと、揺動体71が揺動ガイド70の内面に沿って、メインシールド5の径方向に真直に移動される。このとき、揺動体71のR部71aが、揺動ガイド70の直線部70bと接するまで移動させておく。この位置において、図28(a)に示すように、上のシフトジャッキ73の長さを縮退させて、下のシフトジャッキ73の長さを伸長させると、揺動体71が揺動ガイド70の直線部70bに沿って移動し、揺動体71のR部71aが揺動ガイド70の上部のR部70aと当接するまで、上方向に傾斜される。一方、図28(b)に示すように、上のシフトジャッキ73の長さを伸長させて、下のシフトジャッキ73の長さを縮退させると、揺動体71が揺動ガイド70の直線部70bに沿って移動し、揺動体71のR部71aが揺動ガイド70の下部のR部70aと当接するまで、下方向に傾斜される。
ここで、図26(a)に示すように、非作動位置においてスライド部65は、メインフレーム8よりも内方に収容され、メインフレーム8との間に隙間76が形成されている。この隙間76に土砂が侵入すると、スライド部65がメインシールド5の径方向の外方に移動されない。そのため、図25に示すように、シールドフレーム8の内方には、外筒扉76と、この外筒扉76をメインシールド5の周方向にスライドするための扉用ジャッキ77が備えられている。この外筒扉76は、シールドフレーム8の曲率と略同一の曲率で形成されている。非作動位置において、外筒扉76をメインシールド5の周方向にスライドして隙間76を覆う。このとき、スライド部65を拡幅カッタ60と共に外部と区画して、メインシールド5の内部に収容することができる(図26(a)の破線部分を外筒扉76が覆う)。
図23に示す拡幅シールド7は、図1に示した形態と同様の構成であり、拡幅シールド7をメインシールド5に対して径方向に移動させるための油圧ジャッキなどの駆動手段(図示せず)が別途設けられる。
この形態では、拡幅カッタ60の作動位置と非作動位置との間の移動は、スライドジャッキ69により行う。図27(b)に示すように、スライドジャッキ69により、スライド部65をメインシールド5の径方向に移動させると、拡幅カッタ60が径方向に移動される。また、シフトジャッキ73により、揺動体71をメインシールド5の径方向に移動させることでも、拡幅カッタ60が径方向に移動される。
一方、作動位置における拡幅カッタ60のメインシールド5の周方向への揺動は、シフトジャッキ73により行う。図28(a)に示すように、シフトジャッキ73により、揺動体71を上方向に傾斜させると、拡幅カッタ60がメインシールド5の周方向に略沿って、上方向に揺動される。一方、図28(b)に示すように、シフトジャッキ73により、揺動体71を下方向に傾斜させると、拡幅カッタ60がメインシールド5の周方向に略沿って、下方向に揺動される。
図24に示すように、拡幅カッタ60を上方向に揺動すると、一点鎖線で示す位置Dに移動する。一方、拡幅カッタ60を下方向に揺動すると、二点鎖線で示す位置Eに移動する。即ち、拡幅カッタ60をメインシールド5の周方向に揺動することで、拡幅カッタ60の掘削面よりも広範囲の地山(ハッチングで囲った部分の領域F)を掘削することができる。
ところで、拡幅カッタ60をメインシールド5の周方向へ揺動させずに領域Fを掘削するためには、拡幅カッタ60の掘削面を領域Fを含んだ大きさに拡大する必要がある。しかしながら、拡幅カッタ60をメインシールド5の周方向に揺動することで、その掘削面を拡大することなく、領域Fを掘削することができる。即ち、拡幅カッタ60の掘削面を拡大する必要がないので、拡幅カッタ60を大きくすることはなく、拡幅カッタ60の収容スペースを小さくすることを維持できる。
この形態では、メインシールド5の径方向に移動させる拡幅カッタ60を、メインシールド5の周方向へも揺動させることにより、拡幅カッタ60の掘削面よりも広範囲の地山を掘削することができるという利点を有する。また、拡幅カッタ60の掘削面を拡大せずに、拡幅カッタ60をメインシールド5の周方向へ揺動させる構造としたことにより、拡幅カッタ60を大きくすることはなく、拡幅カッタ60の収容スペースを小さくすることを維持できるという利点を有する。
次に、図29〜図30に示した形態は、拡幅カッタ80をメインカッタ2よりも後方に配置している。この拡幅カッタ80は、地山を掘削するカッタヘッド81と、カッタヘッド81を支持すると共に、カッタヘッド81をメインシールド5の周方向に揺動するブーム82とを備え、メインシールド5の径方向に移動可能に設けられたブームカッタである。
図30(a)に示すように、メインシールド5のシールドフレーム8の側面部には、径方向内側に略コ字形状に窪んだガイド部83が形成されている。このガイド部83には、スライド部84がメインシールド5の径方向に移動可能に設けられる。ガイド部83とスライド部84との間は、シール部材85によりシールされている。
スライド部84の側方(図中の左方向)には、拡幅カッタ(ブームカッタ)80が掘削した土砂を取り込むチャンバ86が形成される。また、スライド部84には、チャンバ86内に泥土を送り込む送泥管87、チャンバ86内の土砂及び泥土を混ぜ合わせるアジテータ(図示せず)、チャンバ86内で泥土と混ぜ合わされた土砂を後方に排出する排泥管88等が接続される。
スライド部84の一端(図中の右方向)には、駆動手段89が備えられている。本実施の形態においては、駆動手段89は、二本のスライドジャッキ(油圧ジャッキ)であり、スライドジャッキ89のシリンダ部は、ガイド部83に固定されている。スライド部84は、スライドジャッキ89により、メインシールド5の径方向に移動される。
図29に示すように、スライド部84の側面部(図中の下方向)には、ブーム82が接続されている。ブーム82は、メインブーム90と、メインブーム90に接続された第一屈曲部(第一ジャッキ)91と、第一ジャッキ91に接続された第二屈曲部(第二ジャッキ)92とを備えている。これら第一ジャッキ91、及び第二ジャッキ92は、屈曲手段(ロータリアクチュエータ)93、94によりそれぞれ屈曲される。
ロータリアクチュエータ93、94により、第一ジャッキ91、及び第二ジャッキ92を屈曲させると、メインブーム90は、メインシールド5の周方向に揺動される。即ち、ブーム82は、メインシールド5の周方向に屈曲可能に設けられている。本実施の形態のブーム82は、二つの屈曲部(第一ジャッキ91、及び第二ジャッキ92)を備えているので、二段階に屈曲することが可能である。
ブーム82は、スライド部84に取り付けられたロッド95aに接続されている。このロッド95aは、スライド部84に設けられた筒体95bに挿入されており、駆動手段96により、メインシールド5の径方向に移動される。駆動手段96は、二本のシフトジャッキ(油圧ジャッキ)である。ブーム82は、ロッド95aがメインシールド5の径方向に移動されることにより、メインシールド5の径方向に移動される。
メインブーム90の長手方向の途中には、カッタヘッド81が掘削した土砂をメインシールド5の内方へと取り込むスクリュー97が、メインブーム90の軸廻りに回転可能に設けられている。スクリュー97は、図示しない駆動手段により、メインブーム90の軸廻りに回転される。
メインブーム90の先端部には、カッタヘッド81がメインブームの軸廻りに回転可能に取り付けられている(支持されている)。カッタヘッド81は、放射状に設けられた多数のカッタビット(図示せず)を備えている。カッタヘッド81は、図示しない駆動手段により、メインブーム90の軸廻りに回転される。
カッタヘッド81は、二段階に屈曲可能なブーム82により支持されているので、任意の位置に移動することができる。即ち、カッタヘッド81は、任意形状の掘削を行うことができる
図30(b)に示すように、拡幅カッタ80(カッタヘッド81)の作動位置と非作動位置との間の移動(メインシールド5の周方向への移動)は、スライドジャッキ89、及びシフトジャッキ96により行う。
一方、作動位置における拡幅カッタ80(カッタヘッド81)のメインシールド5の周方向への揺動は、ブーム82により行う。第一ジャッキ91、又は第二ジャッキ92により、ブーム82を上方向又は下方向に屈曲させると、ブーム82の屈曲に応じて、カッタヘッド81が、上方向又は下方向に揺動される。
この形態では、拡幅セグメントKS(図5参照)の形状に合わせて拡幅カッタ80を移動することで、任意形状の掘削を行うことができるという利点を有する。
さて、本発明は以上説明した実施形態に限定されず、様々な変形例が考えられるものである。
例えば、拡幅カッタとして、図1に示すコピーカッタ12の突出ストロークを大きくしたものを用いることもできる。
また、拡幅カッタは必ずしも設ける必要はない。例えば、図20に示すように、メインカッタによりメイントンネルMTよりも大きな断面の孔Hを掘削し、その孔Hで拡幅セグメントKS及びメイントンネルMTの組み立てを行っても良い。なお、この場合、拡幅セグメントKS及びメイントンネルMTと孔Hとの間に充填剤を充填する。
また、掘削する地山が柔らかい場合などは、メインカッタでメイントンネルMTとほぼ同じ断面の孔を掘削すると共に、拡幅シールドを、側部の地山内に埋め込むように径方向に押し出して、拡幅セグメントKSを組み立てることも考えられる。
また、拡幅シールドをメインシールドの両側部に設けて、左右両側に拡幅した拡幅トンネルを構築するようにしても良い。更に、拡幅シールドを上又は下方向に移動可能に設け、上下方向に拡幅したトンネルを構築するようにしても良い。
また、図21に示すように、円状のトンネルを複数接続した多円形トンネルTTを構築するシールド掘進機にも適用可能である。
更に、本発明のシールド掘進機は、トンネルの長手方向の一部に拡幅トンネルを構築する場合のみならず、トンネル全域に渡って拡幅トンネルを構築することもできる。また、拡幅セグメントを一つのトンネルとして、二つの並列したトンネルとすることもできる。
更に上記実施形態では、拡幅セグメントは筒体であると説明したが、周方向に複数分割された構造であっても良い。
また、上記実施形態で説明したカッタ、カッタ駆動手段及び泥土排出手段などは一例として示したものであり、本発明を限定するものではない。
本発明の一実施形態に係るシールド掘進機の側面断面図であり、拡幅カッタ及び拡幅シールドが作動位置に位置した状態を示している。 本発明の一実施形態に係るシールド掘進機の側面断面図であり、拡幅カッタ及び拡幅シールドが非作動位置に位置した状態を示している。 (a)は、図1のシールド掘進機の正面図であり、拡幅カッタ及び拡幅シールドが作動位置に位置した状態を示している。(b)は、図1のシールド掘進機の正面図であり、拡幅カッタ及び拡幅シールドが非作動位に位置した状態を示している。 図1の4−4線断面図である。 (a)は、図1のシールド掘進機が構築するメイントンネルと拡幅セグメントとを示す断面図である。(b)は、図5(a)のメイントンネルと拡幅セグメントとを連通させて拡幅トンネルとした状態の断面図である。 図1のシールド掘進機のトンネル構築方法を説明する側面断面図である。 図1のシールド掘進機のトンネル構築方法を説明する側面断面図である。 図1のシールド掘進機のトンネル構築方法を説明する側面断面図である。 図1のシールド掘進機のトンネル構築方法を説明する側面断面図である。 図1のシールド掘進機のトンネル構築方法を説明する側面断面図である。 図1のシールド掘進機のトンネル構築方法を説明する側面断面図である。 図1のシールド掘進機のトンネル構築方法を説明する側面断面図である。 本発明の他の実施形態を示す側面断面図である。 図13のシールド掘進機の正面図である。 本発明の他の実施形態を示す側面断面図である。 図15のシールド掘進機の正面図である。 本発明の他の実施形態を示す側面断面図である。 図17の18−18線断面図である。 図17のシールド掘進機の拡幅カッタ及び拡幅シールドを示す図である。 メインカッタが掘削した孔内で拡幅セグメントとメイントンネルを構築する状態を示す図である。 多円形トンネルの両側部に拡幅セグメントを組み立てた状態を示す図である。 周方向に一体的に構築された拡幅トンネルを示す図である。 本発明の他の実施形態を示す側面断面図である。 図23のシールド掘進機の正面図である。 図23のB−B線断面図である。 (a)は、図23のシールド掘進機の側面断面図であり、拡幅カッタが非作動位置に位置した状態を示している。(b)は、図23のシールド掘進機の正面断面図であり、拡幅カッタが非作動位置に位置した状態を示している。 (a)は、図23のシールド掘進機の側面断面図であり、拡幅カッタが作動位置に位置した状態を示している。(b)は、図23のシールド掘進機の正面断面図であり、拡幅カッタが作動位置に位置した状態を示している。 (a)は、図23のシールド掘進機の正面断面図であり、拡幅カッタが作動位置に位置すると共に、メインシールドの周方向の上側に揺動された状態を示している。(b)は、図23のシールド掘進機の正面断面図であり、拡幅カッタが作動位置に位置すると共に、メインシールドの周方向の下側に揺動された状態を示している。 本発明の他の実施形態を示す側面断面図である。 (a)は、図29のシールド掘進機の正面断面図であり、拡幅カッタが非作動位置に位置した状態を示している。(b)は、図29のシールド掘進機の正面断面図であり、拡幅カッタが作動位置に位置した状態を示している。
符号の説明
1 シールド掘進機
2 メインカッタ
3 メインセグメント組立装置(エレクタ)
6 拡幅カッタ
7 拡幅シールド
KS 拡幅セグメント(拡幅部材)
MS メインセグメント
MT メイントンネル

Claims (11)

  1. 地山を掘削するカッタと、該カッタが掘削した孔内にメインセグメントを組み立ててメイントンネルを構築するメインセグメント組立装置を有するメインシールドと、上記メインセグメント組立装置よりも前方に配置され上記メイントンネルよりも径方向外側の位置に拡幅部材を組み立てる拡幅部材組立装置を有する拡幅シールドとを備え
    上記拡幅シールドが、上記メインシールドの径方向内側に位置する非作動位置と、少なくとも一部が上記メインシールドよりも径方向外側に位置する作動位置との間を移動できるように、上記メインシールドに対して径方向に移動可能に設けられたことを特徴とするシールド掘進機。
  2. 上記メイントンネルの断面と略等しい掘削面を有するメインカッタと、該メインカッタの掘削面よりも径方向外側の部分を掘削する拡幅カッタとを備えた請求項1記載のシールド掘進機。
  3. 上記拡幅カッタは、その掘削面が上記メインカッタの掘削面内に位置する非作動位置と、掘削面の少なくとも一部が上記メインカッタの掘削面よりも径方向外側に位置する作動位置との間を移動できるように、上記メインシールドの径方向に移動可能に設けられた請求項2に記載のシールド掘進機。
  4. 上記拡幅カッタは、その掘削面が上記メインシールドの軸心とほぼ平行に位置する非作動位置と、掘削面が上記軸心に対して傾斜する作動位置との間を移動できるように、上記メインシールドに揺動可能に設けられた請求項2に記載のシールド掘進機。
  5. 上記拡幅カッタが、上記メインシールドの径方向に出没可能に設けられたスクリューカッタからなる請求項2に記載のシールド掘進機。
  6. 上記拡幅カッタは、その掘削面が上記メインカッタの掘削面内に位置する非作動位置と、掘削面の少なくとも一部が上記メインカッタの掘削面よりも径方向外側に位置する作動位置との間を移動できるように、上記メインシールドの径方向に移動可能に設けられると共に、上記作動位置において、上記メインシールドの周方向に揺動可能に設けられた請求項2に記載のシールド掘進機。
  7. 上記拡幅カッタの回転軸に固定された揺動体と、該揺動体を囲むように形成され上記メインシールドの径方向に移動可能に備えられた揺動ガイドと、上記揺動体を上記揺動ガイドと一体的に上記メインシールドの径方向に移動させる第一駆動手段と、上記揺動ガイドの内面に沿って上記揺動体を上記メインシールドの周方向に揺動させる第二駆動手段とを備えた請求項6に記載のシールド掘進機。
  8. 上記拡幅カッタは、地山を掘削するカッタヘッドと、該カッタヘッドを支持すると共に上記カッタヘッドを上記メインシールドの周方向に揺動するブームとを備え、上記メインシールドの径方向に移動可能に設けられたブームカッタである請求項2に記載のシールド掘進機。
  9. シールド掘進機のカッタで地山を掘削し、その掘削された孔内でメイントンネルを構築すると共に、メイントンネルの構築位置よりも前方で、メイントンネルよりも径方向外側の位置に拡幅部材を組み立てるトンネル構築方法において、
    上記カッタで掘削した孔の長手方向一部のみで上記メイントンネルの構築及び拡幅部材の組み立てを行い、それ以外の部分では上記メイントンネルの構築のみを行うことを特徴とするトンネル構築方法。
  10. 上記メイントンネルと上記拡幅部材とを連通させて、周方向の一部が拡幅された拡幅トンネルとする請求項9に記載のトンネル構築方法。
  11. 上記メイントンネルと上記拡幅部材とを連通させる前に、上記メイントンネル内に補強部材を設ける請求項10記載のトンネル構築方法
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