JP2579840B2 - シールド掘進機 - Google Patents
シールド掘進機Info
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- JP2579840B2 JP2579840B2 JP3039408A JP3940891A JP2579840B2 JP 2579840 B2 JP2579840 B2 JP 2579840B2 JP 3039408 A JP3039408 A JP 3039408A JP 3940891 A JP3940891 A JP 3940891A JP 2579840 B2 JP2579840 B2 JP 2579840B2
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- cutters
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の円形部分が連な
った断面形状をもつトンネルを掘削するための、いわゆ
るマルチフェイスのシールド掘進機に関する。
った断面形状をもつトンネルを掘削するための、いわゆ
るマルチフェイスのシールド掘進機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にシールド掘進機は、土壁の崩壊を
防ぐシールド(楯)と呼ばれる円筒状の筒と、前進のた
めのシールドジャッキ、そしてシールドの前部にあって
地山(切羽)を削るカッターなどを主要部分として構成
されている。
防ぐシールド(楯)と呼ばれる円筒状の筒と、前進のた
めのシールドジャッキ、そしてシールドの前部にあって
地山(切羽)を削るカッターなどを主要部分として構成
されている。
【0003】近年注目を集めているマルチフェイスのシ
ールド掘進機は、円が二つ以上連なった形の断面をもつ
シールドと複数のカッターとを有するものである。円形
部分の連なった(多連の)トンネルを掘削することがで
きるので、複線の鉄道トンネルや、駅・道路などとなる
広い空間を地下に形成する場合に極めて有効である。
ールド掘進機は、円が二つ以上連なった形の断面をもつ
シールドと複数のカッターとを有するものである。円形
部分の連なった(多連の)トンネルを掘削することがで
きるので、複線の鉄道トンネルや、駅・道路などとなる
広い空間を地下に形成する場合に極めて有効である。
【0004】マルチフェイスのシールド掘進機について
は、すでに特開昭62−178693号や実開平2−1
8594号の公報に開示されている。それぞれ、カッタ
ーの形状・配置や駆動方式に特徴があるが、いずれも回
転式のカッターのみを複数そなえており、図7(a)・
(b)のような構造を有する。すなわち、たとえば三連式
のシールド掘進機の場合、回転式カッター10’・2
0’・30’が前後に位置をずらし(図ではカッター2
0’・30’がやや後方にある)、掘削範囲の一部を重
複させて掘進機の前面に並列に配備されている。カッタ
ー10’・20’・30’は、それぞれ多数のカッター
ビット11’・21’・31’を有し、駆動装置(図示
せず)によっていずれも回転駆動されるので、この掘進
機の外形(つまりシールド2’の形状)と同様に円が三
つ連なった断面のトンネルが掘削されることになる。
は、すでに特開昭62−178693号や実開平2−1
8594号の公報に開示されている。それぞれ、カッタ
ーの形状・配置や駆動方式に特徴があるが、いずれも回
転式のカッターのみを複数そなえており、図7(a)・
(b)のような構造を有する。すなわち、たとえば三連式
のシールド掘進機の場合、回転式カッター10’・2
0’・30’が前後に位置をずらし(図ではカッター2
0’・30’がやや後方にある)、掘削範囲の一部を重
複させて掘進機の前面に並列に配備されている。カッタ
ー10’・20’・30’は、それぞれ多数のカッター
ビット11’・21’・31’を有し、駆動装置(図示
せず)によっていずれも回転駆動されるので、この掘進
機の外形(つまりシールド2’の形状)と同様に円が三
つ連なった断面のトンネルが掘削されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7のような従来のシ
ールド掘進機には、カッター10’と20’との間およ
びカッター10’と30’との間に掘削範囲の重複する
部分があるが、構成要素としての各カッター10’・2
0’・30’は、いずれも360°の範囲で回転動作
し、仮に上記重複部分のない各独立なものであってもそ
れぞれ高い掘削能力を有するものである。これは、たと
えば下記イ)・ロ)の観点からみて、従来の掘進機に構造上
のムダがあったことにほかならない。
ールド掘進機には、カッター10’と20’との間およ
びカッター10’と30’との間に掘削範囲の重複する
部分があるが、構成要素としての各カッター10’・2
0’・30’は、いずれも360°の範囲で回転動作
し、仮に上記重複部分のない各独立なものであってもそ
れぞれ高い掘削能力を有するものである。これは、たと
えば下記イ)・ロ)の観点からみて、従来の掘進機に構造上
のムダがあったことにほかならない。
【0006】イ) 図7の例で掘削範囲の重複する部分
は、掘進機の最も前方にある中央のカッター10’が掘
削を受けもつので、左右のカッター20’・30’は、
掘削面積すなわち仕事量がカッター10’よりも少ない
が、それにも拘わらず、カッター20’・30’にはカ
ッター10’とほぼ同等の運動の量(速度および距離)
が必要である。つまりカッター20’・30’において
は、仕事量に比較して、駆動装置や軸受・シール装置な
どの機械部品の摩耗が激しいうえ、動力損失の点でも好
ましくない。
は、掘進機の最も前方にある中央のカッター10’が掘
削を受けもつので、左右のカッター20’・30’は、
掘削面積すなわち仕事量がカッター10’よりも少ない
が、それにも拘わらず、カッター20’・30’にはカ
ッター10’とほぼ同等の運動の量(速度および距離)
が必要である。つまりカッター20’・30’において
は、仕事量に比較して、駆動装置や軸受・シール装置な
どの機械部品の摩耗が激しいうえ、動力損失の点でも好
ましくない。
【0007】ロ) カッター20’・30’に取り付けて
あるカッタービット21’・31’は、全動作時間の何
割かはカッター10’の後ろにかくれて掘削に寄与しな
い。つまり、ビット31を多く配備しても、それが有効
に動作する割合が低い。
あるカッタービット21’・31’は、全動作時間の何
割かはカッター10’の後ろにかくれて掘削に寄与しな
い。つまり、ビット31を多く配備しても、それが有効
に動作する割合が低い。
【0008】なお、上記のほか、ハ)カッター10’・
20’・30’の各駆動源がいずれもモータ(油圧モー
タまたは電動機)にほぼ限定され、また、ニ)カッター
10’・20’・30’間の接触干渉を避けるため図7
(b)のようにカッター10’をセンターで支持しなけ
ればならない──ことから、シールド掘進機における各
部のレイアウトの自由度が制限されるという不都合もあ
る。
20’・30’の各駆動源がいずれもモータ(油圧モー
タまたは電動機)にほぼ限定され、また、ニ)カッター
10’・20’・30’間の接触干渉を避けるため図7
(b)のようにカッター10’をセンターで支持しなけ
ればならない──ことから、シールド掘進機における各
部のレイアウトの自由度が制限されるという不都合もあ
る。
【0009】本発明の目的は、カッター間の掘削範囲の
重複を考慮してシールド掘進機を構成することにより、
上記のムダおよび不都合を解消することである。
重複を考慮してシールド掘進機を構成することにより、
上記のムダおよび不都合を解消することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のシールド掘進機
は、回転式カッターを備える、上記したいわゆるマルチ
フェイスのシールド掘進機であって、回転式カッターの
掘削する円形部分に対し一部を重複させて外側に突出し
た円形部分を掘削するために、同カッターの側方で掘進
方向には同カッターよりやや後方に、揺動(往復回転)
式のカッターを設け、上記の突出した円形部分の全域を
その揺動式カッターで掘削すべく、前方から見た揺動式
カッターの動作範囲の一部を回転式カッターの動作範囲
の一部と重複させたものである。
は、回転式カッターを備える、上記したいわゆるマルチ
フェイスのシールド掘進機であって、回転式カッターの
掘削する円形部分に対し一部を重複させて外側に突出し
た円形部分を掘削するために、同カッターの側方で掘進
方向には同カッターよりやや後方に、揺動(往復回転)
式のカッターを設け、上記の突出した円形部分の全域を
その揺動式カッターで掘削すべく、前方から見た揺動式
カッターの動作範囲の一部を回転式カッターの動作範囲
の一部と重複させたものである。
【0011】
【作用】本発明のシールド掘進機では、揺動式のカッタ
ーが、回転式カッターの掘削する円形部分から外側に突
出する円形部分の掘削を受けもつ。この揺動式カッター
は、上記のように動作範囲が回転式カッターのそれと一
部重複しており、回転式カッターが掘削する円形部分と
の間をつないで上記の突出した円形部分の全域を掘削で
きる。ただし揺動式カッターは回転式カッターのやや後
方に設けてあるため、動作範囲が重複するとはいえ回転
式・揺動式の各カッター同士が接触干渉を起こすことは
容易に回避される。揺動式カッターが受けもつ上記の突
出した円形部分のうち回転式カッターの掘削範囲と重複
する部分は、揺動式カッターが掘削するに及ばないの
で、揺動式カッターは、それが仮に半直線状のもの(中
心から一方へ棒状のカッターが延びたもの)であって
も、動作を必要とする範囲は角度にして360°より小
さくなる。そして、揺動式カッターがたとえば扇形状で
あれば上記の動作範囲がさらに小さくてよいことになる
など、揺動式カッターが運動する量はその仕事量にみあ
った程度に小さくなり、機械部品の摩耗や動力損失が少
なくなる。必要な動作範囲が小さい場合は、駆動源や駆
動機構を選定しやすいうえ、掘進機内の他の部分(回転
式カッターなど)と干渉しにくい、といった利点もあ
る。なお、揺動式カッターが回転式カッターのやや後方
にあって両形式の各カッター同士が接触干渉を起こしに
くいことから、揺動式カッターの揺動中心は、回転式カ
ッターの回転中心に近づけて回転式カッターの掘削部分
からはみ出ない位置(回転半径の内側)におくことも可
能である。
ーが、回転式カッターの掘削する円形部分から外側に突
出する円形部分の掘削を受けもつ。この揺動式カッター
は、上記のように動作範囲が回転式カッターのそれと一
部重複しており、回転式カッターが掘削する円形部分と
の間をつないで上記の突出した円形部分の全域を掘削で
きる。ただし揺動式カッターは回転式カッターのやや後
方に設けてあるため、動作範囲が重複するとはいえ回転
式・揺動式の各カッター同士が接触干渉を起こすことは
容易に回避される。揺動式カッターが受けもつ上記の突
出した円形部分のうち回転式カッターの掘削範囲と重複
する部分は、揺動式カッターが掘削するに及ばないの
で、揺動式カッターは、それが仮に半直線状のもの(中
心から一方へ棒状のカッターが延びたもの)であって
も、動作を必要とする範囲は角度にして360°より小
さくなる。そして、揺動式カッターがたとえば扇形状で
あれば上記の動作範囲がさらに小さくてよいことになる
など、揺動式カッターが運動する量はその仕事量にみあ
った程度に小さくなり、機械部品の摩耗や動力損失が少
なくなる。必要な動作範囲が小さい場合は、駆動源や駆
動機構を選定しやすいうえ、掘進機内の他の部分(回転
式カッターなど)と干渉しにくい、といった利点もあ
る。なお、揺動式カッターが回転式カッターのやや後方
にあって両形式の各カッター同士が接触干渉を起こしに
くいことから、揺動式カッターの揺動中心は、回転式カ
ッターの回転中心に近づけて回転式カッターの掘削部分
からはみ出ない位置(回転半径の内側)におくことも可
能である。
【0012】また揺動式カッターは、上記のように直線
状や扇形状など、完全な円よりも小さい面積に形成すれ
ばよいので、これに沿って配備するカッタービットはそ
の数を減らすことができる。その場合にも、揺動式カッ
ターは上記揺動範囲においてほぼ常に掘削に寄与するの
で、その範囲における掘削性能は悪くない。つまり発明
のシールド掘進機は、カッター間の掘削範囲の重複する
部分を考慮し、不必要な装備を省いて余計な運動を費や
さぬよう構成されており、所期の掘削能力を効率的に発
揮するといえる。
状や扇形状など、完全な円よりも小さい面積に形成すれ
ばよいので、これに沿って配備するカッタービットはそ
の数を減らすことができる。その場合にも、揺動式カッ
ターは上記揺動範囲においてほぼ常に掘削に寄与するの
で、その範囲における掘削性能は悪くない。つまり発明
のシールド掘進機は、カッター間の掘削範囲の重複する
部分を考慮し、不必要な装備を省いて余計な運動を費や
さぬよう構成されており、所期の掘削能力を効率的に発
揮するといえる。
【0013】揺動式カッターは、それ自体の掘削能力は
回転式カッターに比べて高いとはいえないが、本発明の
ように回転式カッターよりやや後方に配備され、回転式
カッターで掘削される主たる円形部分に対し一部重複し
て突出する部分を掘削する場合には、十分な掘削性能を
発揮する。回転式カッターが掘削した円形部分の側方に
連なる、断面積の比較的小さな突出部分は、揺動式カッ
ターでも容易に掘削できるからである。
回転式カッターに比べて高いとはいえないが、本発明の
ように回転式カッターよりやや後方に配備され、回転式
カッターで掘削される主たる円形部分に対し一部重複し
て突出する部分を掘削する場合には、十分な掘削性能を
発揮する。回転式カッターが掘削した円形部分の側方に
連なる、断面積の比較的小さな突出部分は、揺動式カッ
ターでも容易に掘削できるからである。
【0014】
【実施例】図1および図2に、本発明の実施例であるシ
ールド掘進機1について概要を示す。図1は掘進機1の
正面図、図2は図1のA−A断面図である。
ールド掘進機1について概要を示す。図1は掘進機1の
正面図、図2は図1のA−A断面図である。
【0015】この掘進機1は、重複し合って三つの円が
連なった断面形状をもつ、いわば三連円のトンネルを掘
削するマルチフェイスのもので、図1のように、前面に
三つのカッター10・20・30が配置され、それらの
輪郭線に沿って三連円の断面をもつ筒状のシールド2が
設けられている。カッター10・20・30は、言うま
でもなく地山を削るもので、それぞれが多数のカッター
ビット11・21・31を備える。また掘進機1は、図
2のように、隔壁4で前部のチャンバ5と仕切られたシ
ールド2の内側後部に、シールドジャッキ3A・3Bや
セグメントエレクター8A・8B、送水管7および排泥
管(図示せず)などを備えている。
連なった断面形状をもつ、いわば三連円のトンネルを掘
削するマルチフェイスのもので、図1のように、前面に
三つのカッター10・20・30が配置され、それらの
輪郭線に沿って三連円の断面をもつ筒状のシールド2が
設けられている。カッター10・20・30は、言うま
でもなく地山を削るもので、それぞれが多数のカッター
ビット11・21・31を備える。また掘進機1は、図
2のように、隔壁4で前部のチャンバ5と仕切られたシ
ールド2の内側後部に、シールドジャッキ3A・3Bや
セグメントエレクター8A・8B、送水管7および排泥
管(図示せず)などを備えている。
【0016】泥水式である掘進機1においては、カッタ
ー10・20・30にて掘削された土砂が、アジテータ
6A・6Bの作用により送水管7からの水とチャンバ5
内で撹拌・混合されたうえ排泥管から排出される。掘削
が進むにつれ、エレクター8A・8Bによりトンネルの
内壁面にセグメントaが内張り施工されるが、掘進機1
は、施工したセグメントaの端面にジャッキ3A・3B
を押し付けることにより推進力を得て、さらにトンネル
の掘削を進める。セグメントaとシールド2との間は、
シールド2の後端部にあるシール材2aによって塞がれ
ている。
ー10・20・30にて掘削された土砂が、アジテータ
6A・6Bの作用により送水管7からの水とチャンバ5
内で撹拌・混合されたうえ排泥管から排出される。掘削
が進むにつれ、エレクター8A・8Bによりトンネルの
内壁面にセグメントaが内張り施工されるが、掘進機1
は、施工したセグメントaの端面にジャッキ3A・3B
を押し付けることにより推進力を得て、さらにトンネル
の掘削を進める。セグメントaとシールド2との間は、
シールド2の後端部にあるシール材2aによって塞がれ
ている。
【0017】トンネルの三連円のうち中央の大径の円形
部分を掘削するカッター10は、図1のように360°
にわたり全面的にカッタービット11を配されて一定の
向きに連続的に回転する回転式カッターである。図2の
ように、カッター10は、半径の中間の位置に設けた複
数のサポートビーム13をはさんで環状のドラム14と
一体化されており、そのドラム14が、軸受15やシー
ル材16を介し掘進機1の本体に回転自在に組み付けら
れたうえ、ギヤ17aを介してモータ17(駆動装置)
と接続されている。モータ17が起動されたとき、ドラ
ム14とともにカッター10が回転する。
部分を掘削するカッター10は、図1のように360°
にわたり全面的にカッタービット11を配されて一定の
向きに連続的に回転する回転式カッターである。図2の
ように、カッター10は、半径の中間の位置に設けた複
数のサポートビーム13をはさんで環状のドラム14と
一体化されており、そのドラム14が、軸受15やシー
ル材16を介し掘進機1の本体に回転自在に組み付けら
れたうえ、ギヤ17aを介してモータ17(駆動装置)
と接続されている。モータ17が起動されたとき、ドラ
ム14とともにカッター10が回転する。
【0018】この掘進機1の特徴は、回転式カッター1
0の両側にあって三連円のうち外側に突出した比較的小
径の円形部分を掘削するカッター20・30として、回
転式でなく揺動式のカッターを配備したことにある。以
下、これらのカッター20および30につき、カッター
20(カッター30はこれと構造が同じで配置が対称)
に代表させて説明する。
0の両側にあって三連円のうち外側に突出した比較的小
径の円形部分を掘削するカッター20・30として、回
転式でなく揺動式のカッターを配備したことにある。以
下、これらのカッター20および30につき、カッター
20(カッター30はこれと構造が同じで配置が対称)
に代表させて説明する。
【0019】カッター20は、つぎのように構成してい
る。すなわち、まず図1のように、180°の扇形の範
囲でシャフト23から放射状に7本のアームを延ばし、
その前面に複数のカッタービット21を取り付けた。そ
して図2のとおり、カッター20は、カッター10との
接触を避けるようそれよりもやや後方に、カッター10
と平行に配置し、軸受箱25にシャフト23を支持させ
たうえ、そのシャフト23に設けたブラケット23aに
対し油圧シリンダ27の伸縮端27aを連結した。ブラ
ケット23aとシリンダ27の組は、カッター20につ
いて図1のように一対とした。
る。すなわち、まず図1のように、180°の扇形の範
囲でシャフト23から放射状に7本のアームを延ばし、
その前面に複数のカッタービット21を取り付けた。そ
して図2のとおり、カッター20は、カッター10との
接触を避けるようそれよりもやや後方に、カッター10
と平行に配置し、軸受箱25にシャフト23を支持させ
たうえ、そのシャフト23に設けたブラケット23aに
対し油圧シリンダ27の伸縮端27aを連結した。ブラ
ケット23aとシリンダ27の組は、カッター20につ
いて図1のように一対とした。
【0020】二つの油圧シリンダ27を交互に伸縮(一
方を伸ばすとき他方を縮める)させることにより、カッ
ター20は、図1の実線の位置から右および左(図中の
仮想線参照)へ30°ずつ揺動する。カッター20が、
半円状の掘削範囲のほぼ全体をカバーする180°の広
さをもち、またその7本のアームの間隔が約30°であ
ることから、上記した±30°の揺動によって、受け持
ちの範囲の掘削が十分に行える。
方を伸ばすとき他方を縮める)させることにより、カッ
ター20は、図1の実線の位置から右および左(図中の
仮想線参照)へ30°ずつ揺動する。カッター20が、
半円状の掘削範囲のほぼ全体をカバーする180°の広
さをもち、またその7本のアームの間隔が約30°であ
ることから、上記した±30°の揺動によって、受け持
ちの範囲の掘削が十分に行える。
【0021】カッター20および30が揺動式であるた
め、この掘進機1には下記のメリットがある。すなわ
ち、a)カッター10の掘削範囲と重複する部分にはカッ
ター20や30がほとんど動作しないため、カッター2
0・30に関する各種機械部品の摩耗が少なく、その寿
命が長い。b)カッター20・30が円盤状で全面的にカ
ッタービットを有する場合に比べると、取り付けたカッ
タービット21・31の数はかなり少ないが、それら
は、カッター10の後ろにかくれる時間がほとんどない
ため十分な掘削性を発揮する。c)上記の揺動範囲ではカ
ッター20・30がカッター10の回転中心へあまり接
近しないために、前述のとおりカッター10は、半径の
中間位置に設けた複数のサポートビーム13によって支
持することができ(図7と同様にセンターで軸支するこ
とも不可能ではない)、したがってカッター10の中心
部に図2のように送水管7や排泥管などを設けることも
可能となった。d)カッター20の駆動源として、油圧モ
ータや電動機(これらを使用することもできるが)より
も安価な油圧シリンダ27を使用できたので、上記のb)
と合わせ、製造コストの面で好ましい。
め、この掘進機1には下記のメリットがある。すなわ
ち、a)カッター10の掘削範囲と重複する部分にはカッ
ター20や30がほとんど動作しないため、カッター2
0・30に関する各種機械部品の摩耗が少なく、その寿
命が長い。b)カッター20・30が円盤状で全面的にカ
ッタービットを有する場合に比べると、取り付けたカッ
タービット21・31の数はかなり少ないが、それら
は、カッター10の後ろにかくれる時間がほとんどない
ため十分な掘削性を発揮する。c)上記の揺動範囲ではカ
ッター20・30がカッター10の回転中心へあまり接
近しないために、前述のとおりカッター10は、半径の
中間位置に設けた複数のサポートビーム13によって支
持することができ(図7と同様にセンターで軸支するこ
とも不可能ではない)、したがってカッター10の中心
部に図2のように送水管7や排泥管などを設けることも
可能となった。d)カッター20の駆動源として、油圧モ
ータや電動機(これらを使用することもできるが)より
も安価な油圧シリンダ27を使用できたので、上記のb)
と合わせ、製造コストの面で好ましい。
【0022】ところで、本発明のシールド掘進機に関し
ては、回転式カッターの台数をはじめ、揺動式カッター
の台数や形状・配置・動作範囲などが異なる各種の実施
態様が考えられる。それらの例を、図3〜図6(いずれ
も各掘進機の正面図)によって以下に説明する。
ては、回転式カッターの台数をはじめ、揺動式カッター
の台数や形状・配置・動作範囲などが異なる各種の実施
態様が考えられる。それらの例を、図3〜図6(いずれ
も各掘進機の正面図)によって以下に説明する。
【0023】図3の掘進機40は、掘削範囲が一部重複
する左右二台の回転式カッター41・42の各外側(や
や後方)に、揺動式カッター43および44を設けたも
のである。カッター43・44は、約240°の広がり
をもつとともに±30°程度の範囲で揺動することによ
り、回転式カッター41・42が掘削する二つの大きな
円から外側に突出したやや小さな円形断面部分を掘削す
る。したがってこの掘進機40により、合計四つの大小
の円が横に連なったった断面のトンネルが掘削される。
する左右二台の回転式カッター41・42の各外側(や
や後方)に、揺動式カッター43および44を設けたも
のである。カッター43・44は、約240°の広がり
をもつとともに±30°程度の範囲で揺動することによ
り、回転式カッター41・42が掘削する二つの大きな
円から外側に突出したやや小さな円形断面部分を掘削す
る。したがってこの掘進機40により、合計四つの大小
の円が横に連なったった断面のトンネルが掘削される。
【0024】図4の掘進機50は、上記と同じく左右二
台の回転式カッター51・52に対し、揺動式カッター
53・54をそれぞれ上・下の側方に突出させて設けた
ものである。そしてこの揺動式カッター53・54は、
60°程度に広がった扇形のもので、揺動範囲は±45
°ぐらいである。この掘進機50によっては、大きな水
平の二連円に加えて中間部の上下に小径の円弧部分があ
る断面のトンネルを掘削することができる。
台の回転式カッター51・52に対し、揺動式カッター
53・54をそれぞれ上・下の側方に突出させて設けた
ものである。そしてこの揺動式カッター53・54は、
60°程度に広がった扇形のもので、揺動範囲は±45
°ぐらいである。この掘進機50によっては、大きな水
平の二連円に加えて中間部の上下に小径の円弧部分があ
る断面のトンネルを掘削することができる。
【0025】図5の掘進機60は、同じ直径の二つの円
が一部を重複させて左右に連なった断面のトンネルを掘
削するもので、一方の円形部分を掘るために回転式カッ
ター61を有するとともに、他方の円形部分のために揺
動式カッター62を備えている。カッター62が受け持
つ円形部分は直径こそ大きいが、もう一方の円形部分と
の重複が多くて実質の面積が小さいことに基づき、カッ
ター62を揺動式にしたのである。
が一部を重複させて左右に連なった断面のトンネルを掘
削するもので、一方の円形部分を掘るために回転式カッ
ター61を有するとともに、他方の円形部分のために揺
動式カッター62を備えている。カッター62が受け持
つ円形部分は直径こそ大きいが、もう一方の円形部分と
の重複が多くて実質の面積が小さいことに基づき、カッ
ター62を揺動式にしたのである。
【0026】図6の掘進機70は、回転式カッター71
の側方に揺動式カッター72を配備し、さらにその側方
にも揺動式カッター73を設けた例である。カッター7
1・72・73はこの順に直径が小さくなっているが、
図のような配置は、たとえば地下鉄の駅(ホームの部
分)を掘削する場合に好適である。なお、この例のほか
図1や図3の例に関連して述べれば、駅の部分のみで、
車両の走行部分の片側または両側に、ホームとなるやや
小さな円形断面部分を掘削するためには、揺動式カッタ
ーやそれに続くシールドの一部等を、掘進機に対し着脱
可能に構成するのが最も望ましい。
の側方に揺動式カッター72を配備し、さらにその側方
にも揺動式カッター73を設けた例である。カッター7
1・72・73はこの順に直径が小さくなっているが、
図のような配置は、たとえば地下鉄の駅(ホームの部
分)を掘削する場合に好適である。なお、この例のほか
図1や図3の例に関連して述べれば、駅の部分のみで、
車両の走行部分の片側または両側に、ホームとなるやや
小さな円形断面部分を掘削するためには、揺動式カッタ
ーやそれに続くシールドの一部等を、掘進機に対し着脱
可能に構成するのが最も望ましい。
【0027】
【発明の効果】本発明のシールド掘進機は、カッター間
の掘削範囲の重複を考慮して不必要な装備を省き、余計
な運動を費やさぬよう構成することにより所期の掘削能
力を効率的に発揮することから、下記の効果をもたら
す。
の掘削範囲の重複を考慮して不必要な装備を省き、余計
な運動を費やさぬよう構成することにより所期の掘削能
力を効率的に発揮することから、下記の効果をもたら
す。
【0028】1) 機械部品の摩耗や動力損失が小さくな
る。
る。
【0029】2) 装備すべきカッタービットの数が少な
くてすむ。
くてすむ。
【0030】3) カッター間の接触干渉を避けることが
容易である。
容易である。
【0031】4) 一部のカッター(すなわち揺動式カッ
ター)については、駆動源や駆動機構を自由に選択し、
簡素化することができる。
ター)については、駆動源や駆動機構を自由に選択し、
簡素化することができる。
【図1】本発明の実施例としてのシールド掘進機1につ
き概要を示す正面図(カッタービットの一部については
図示を省略している。以下も同じ)である。
き概要を示す正面図(カッタービットの一部については
図示を省略している。以下も同じ)である。
【図2】図1のA−Aにおける、シールド掘進機1の断
面図である。
面図である。
【図3】別の実施例のシールド掘進機40についての概
略正面図である。
略正面図である。
【図4】別の実施例のシールド掘進機50についての概
略正面図である。
略正面図である。
【図5】別の実施例のシールド掘進機60についての概
略正面図である。
略正面図である。
【図6】別の実施例のシールド掘進機70についての概
略正面図である。
略正面図である。
【図7】従来のシールド掘進機を示す概要図で、図7
(a)は正面図、図7(b)はそのB−B断面図である。
(a)は正面図、図7(b)はそのB−B断面図である。
1・40・50・60・70 シールド掘進機 2 シールド 10・41・42・51・52・61・71 回転式カ
ッター 20・30・43・44・53・54・62・72・7
3 揺動式カッター 11・21・31 カッタービット 27 油圧シリンダ
ッター 20・30・43・44・53・54・62・72・7
3 揺動式カッター 11・21・31 カッタービット 27 油圧シリンダ
Claims (1)
- 【請求項1】 複数の円形部分が連なった断面形状のト
ンネルを掘削する、回転式カッターを備えたシールド掘
進機であって、 回転式カッターの掘削する円形部分に対し一部を重複さ
せて外側に突出した円形部分を掘削するために、同カッ
ターの側方で掘進方向には同カッターよりやや後方に、
揺動式のカッターを設け、上記の突出した円形部分の全域をその揺動式カッターで
掘削すべく、前方から見た揺動式カッターの動作範囲の
一部を回転式カッターの動作範囲の一部と重複させた こ
とを特徴とするシールド掘進機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3039408A JP2579840B2 (ja) | 1991-02-08 | 1991-02-08 | シールド掘進機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3039408A JP2579840B2 (ja) | 1991-02-08 | 1991-02-08 | シールド掘進機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04258493A JPH04258493A (ja) | 1992-09-14 |
JP2579840B2 true JP2579840B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=12552169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3039408A Expired - Fee Related JP2579840B2 (ja) | 1991-02-08 | 1991-02-08 | シールド掘進機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579840B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2540431Y2 (ja) * | 1993-06-23 | 1997-07-02 | 川崎重工業株式会社 | シールド掘進機の揺動式カッター駆動装置 |
KR102040133B1 (ko) * | 2017-11-23 | 2019-11-04 | 강원대학교산학협력단 | 복층터널구조물 및 그 시공방법 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0641718B2 (ja) * | 1989-03-02 | 1994-06-01 | 清水建設株式会社 | 分離型シールド掘削機 |
-
1991
- 1991-02-08 JP JP3039408A patent/JP2579840B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04258493A (ja) | 1992-09-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
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S531 | Written request for registration of change of domicile |
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