JP2005350015A - 車体前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車体重量を抑制するとともに製造コストを抑制しつつ、フロントフェンダに上から作用する衝突エネルギーを十分に吸収すること。
【解決手段】 車体前部構造は、車体11に、車体前部で左右の前輪の上部を覆った左右のフロントフェンダ40と、これらのフロントフェンダの下方で車体前後に延びた左右のアッパメンバ30と、これらのアッパメンバの上から上方へ左右のフロントフェンダの各下面44又はその近傍まで延びた左右の縦板状のフェンダ受け部材50とを設けた自動車である。左右のフェンダ受け部材は、上から見たときに、それぞれ長手途中で屈曲した屈曲部と、屈曲部と交差するようにフェンダ受け部材の長手方向へ延びるビード58とを形成した部材である。左右のフェンダ受け部材の上端54と左右のフロントフェンダの下面との間に、充填剤60を充填した。
【選択図】 図2

Description

本発明は車体前部構造、特にフロントフェンダ並びにアッパメンバ周りの改良技術に関する。
近年、車両前部におけるフロントフェンダの上に衝突物が当ったときに、フロントフェンダが変形することによって衝撃を吸収するようにした、技術の開発が進められている(例えば、特許文献1−2参照。)。
特許第3052727号公報(図1、図17) 特許第3444773号公報(図1−3)
特許文献1に示す従来の車体前部構造を次の図7に基づいて説明する。図7は従来の車体前部構造(第1の従来技術)の概要図である。
第1の従来の車体前部構造は、車体前部で左右のアッパメンバ101(この図では左だけを示す。以下同じ。)を前後に延ばし、これらのアッパメンバ101の上部及び左右の前輪の上部を左右のフロントフェンダ102で覆い、これらのフロントフェンダ102間のエンジンルーム103をフード104で開閉するようにしたというものである。
アッパメンバ101は断面視略矩形状の閉断面体であり、上板105には前後に延びる凹部106を有する。フロントフェンダ102は、エンジンルーム103側の端部から下方へ縦板107を延ばすとともに、その下端を上板105に接合し、一方、下面108には凹部106を覆うように前後に延びる合成樹脂層109を、溶着によって取付けたものである。合成樹脂層109は、縦板107の上部コーナ110部分をも覆う帯状のシートである。
上部コーナ110付近に合成樹脂層109を設けたので、フロントフェンダ102における縦板107の上部コーナ110に、上から衝突物が当ったとき、上部コーナ110付近の変形領域を拡大することができる。この結果、変形する初期におけるフロントフェンダ102の平均反力を大きくすることができる。さらには、凹部106を設けた分、変形ストロークを増加させることができる。
しかしながら、図7に示す第1の従来の車体前部構造は、フロントフェンダ102に合成樹脂層109を溶着する工数が必要であり、製造コストが増大する要因となる。しかも、フロントフェンダ102の下面108に合成樹脂層109を溶着する工程において、下面108から合成樹脂層109が自重で落下しないための配慮が必要であり、製造コストは更に増大する。
さらにはフロントフェンダ102の下面108のうち、合成樹脂層109を溶着した部分には車体の塗装工程において塗装膜を形成することができないので、耐食性を確保するための特別の配慮が必要であり、製造コストが増大する要因となる。
さらにまた、アッパメンバ101に凹部106を設けたので、車体前部の剛性を確保するための特別の配慮が必要であり、この結果、車体重量が増すとともに製造コストが増大する要因となる。
次に、特許文献2に示す従来の車体前部構造を次の図8に基づいて説明する。図8(a),(b)は従来の車体前部構造(第2の従来技術)の概要図であり、(a)は車体前部の右側の断面構成を示し、(b)は車体前部の右側をエンジンルーム側から見た構成を示す。
第2の従来の車体前部構造は、車体前部で左右のアッパメンバ201(この図では右だけを示す。以下同じ。)を前後に延ばし、これらのアッパメンバ201の上部及び左右の前輪の上部を左右のフロントフェンダ202で覆い、これらのフロントフェンダ202間のエンジンルーム203をフード204で開閉するようにしたというものである。
アッパメンバ201は断面視略矩形状の閉断面体である。フロントフェンダ202は、アッパメンバ201の上面205に対向するフランジ206を備え、このフランジ206の前端部207及び後端部208だけを上面205にボルト止めし、フランジ206の前後方向中間部209を上面205から一定高さだけ浮かせたものである。
上から衝突物がフロントフェンダ202の上部コーナ210に当ったとき、前後方向中間部209が(a)の想像線にて示すように下方へ変形することで、衝突エネルギーを吸収できる。
しかしながら、図8に示す第2の従来の車体前部構造は、フランジ206の前端部207及び後端部208が変形し難いので、この部分で衝突エネルギーを十分に吸収するには改良の余地がある。
さらには、衝突物がフロントフェンダ202の上部コーナ210、すなわちフード204との境界付近に当たったときには衝突エネルギーの吸収効果があるものの、当たる部位によっては十分な吸収効果を得難い。例えば、車両のデザイン上の要請により、フロントフェンダ202の上面を幅広の扁平な形状とすることが考えられる。しかし、その場合には、上面の部分は単なる略水平な薄板であるから、上方からの衝突エネルギーに対する反力が極めて小さいので、衝突エネルギーの吸収性能が小さい。
本発明は、車体重量を抑制するとともに製造コストを抑制しつつ、フロントフェンダに上から作用する衝突エネルギーを十分に吸収できる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体に、車体前部で左右の前輪の上部を覆った左右のフロントフェンダと、これら左右のフロントフェンダの下方で車体前後に延びた左右のアッパメンバと、これら左右のアッパメンバの上から上方へ左右のフロントフェンダの各下面又は各下面の近傍まで延びた左右の縦板状のフェンダ受け部材とを設け、これら左右のフェンダ受け部材が、上から見たときに、それぞれ長手途中で屈曲した屈曲部を形成した車体前部構造である。
請求項2に係る発明は、左右のフェンダ受け部材が、上から見たときに、それぞれ屈曲部と交差するように、フェンダ受け部材の長手方向へ延びるビードを形成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、左右のフェンダ受け部材の上端と左右のフロントフェンダの下面との間に、充填剤を充填したことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、アッパメンバの上から上方にフロントフェンダの下面又は各下面の近傍まで、縦板状のフェンダ受け部材を延ばしたことにより、高剛性のアッパメンバでフェンダ受け部材を介してフロントフェンダの下面を支えることができる。
フロントフェンダの上面に衝突エネルギーが作用したときには、衝突エネルギーをフロントフェンダからフェンダ受け部材へ速やかに伝え、フェンダ受け部材が変形することによって、衝突エネルギーを吸収することができる。
しかも、上方から作用する衝突エネルギーに対して、フロントフェンダ及びフェンダ受け部材に生じる応力は、フロントフェンダをフェンダ受け部材で支えた分だけ増大することになる。すなわち、フェンダ受け部材で支えられたフロントフェンダの剛性は高まる。フロントフェンダ及びフェンダ受け部材は、比較的大きい衝突エネルギーを受けて塑性変形し、その変形量に応じて衝突エネルギーを吸収する。この結果、フロントフェンダに衝突エネルギーが作用した初期の時点から、衝突エネルギーを効率良く吸収できるので、フロントフェンダの部分における衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。
さらに請求項1に係る発明では、フェンダ受け部材を上から見たときに、フェンダ受け部材にその長手途中で屈曲した屈曲部を形成することによって、フェンダ受け部材のうち、屈曲部の剛性を他の部分よりも大きくすることができる。高剛性である屈曲部は、上方からの衝突エネルギーに対して他の部分よりも変形し難いので、衝突エネルギーに対する上記応力も増大する。応力が増大するので、フロントフェンダの上面に衝突エネルギーが作用した初期の時点から、衝突エネルギーを、より一層効率良く吸収できる。
さらには、屈曲部の数量、位置、形状、大きさを適宜設定することによって、フェンダ受け部材による衝突エネルギー吸収性能を、より適切なものに設定することができる。しかも、フロントフェンダの上面のうち任意の部位毎に、衝突エネルギー吸収性能を適宜設定することができる。
さらには、屈曲部を設けるだけで上記応力を最適なものに増すことができるので、フェンダ受け部材の構成の簡略化並びに軽量化を図ることができる。
このように請求項1に係る発明では、車体重量を抑制するとともに製造コストを抑制しつつ、フロントフェンダに上から作用する衝突エネルギーを効率良く十分に吸収することができる。そして、フロントフェンダの上面に当たった衝突物への衝撃を、十分に緩和することができる。
請求項2に係る発明では、フェンダ受け部材を上から見たときに屈曲部と交差するように、フェンダ受け部材の長手方向へ延びるビードを形成することで、高剛性である屈曲部の部分のうち、ビードの部分の剛性を下げることができる。この結果、上方から衝突エネルギーが作用したとき、屈曲部はビードの部分から先に座屈変形を開始し、その後に、上から下方へ順に変形して、衝突エネルギーを効率良く吸収することができる。
このように、フェンダ受け部材に屈曲部及びビードの組合せ構造を設けることにより、(1)フェンダ受け部材による衝突エネルギー吸収性能を最適なものに設定することができるとともに、(2)衝突エネルギーを受けたときにフェンダ受け部材のうち、変形を開始する部位、すなわち変形開始点を適宜設定することができる。
請求項3に係る発明では、フェンダ受け部材の上端とフロントフェンダの下面との間に隙間が有ったとしても、この隙間に充填剤を充填することにより、フェンダ受け部材の上端にフロントフェンダの下面を隙間無く当てることができる。従って、フロントフェンダの上面に衝突エネルギーが作用したときには、衝突エネルギーをフロントフェンダからフェンダ受け部材へ、より一層速やかに伝えることができる。この結果、フロントフェンダに衝突エネルギーが作用した初期の時点から、フェンダ受け部材によって衝突エネルギーを一層効率良く吸収することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側、CLは車幅中心(車体中心)を示す。
図1は本発明に係る車両の前部構造を示す斜視図である。図2は図1の2−2線断面図であり、車体前部における左側の構成を示す。
図1及び図2に示すように車両10は、車体11(車体フレーム11)に、車体前部でエンジンルーム12を開閉する中央のフード13と、車体前部で且つフード13の左右両側方で左右の前輪14,14(左側のみを示す。)の上部を覆った左右のフロントフェンダ40,40とを設けた自動車である。
図中、15はフロントグリル、16はフロントガラス、17,17はヘッドランプである。
車体11は、車体前部で前後に延びる左右のサイドフレーム21,21並びに左右のアッパメンバ30,30を設けた構成である。車体11の下部に配置されたサイドフレーム21,21の前端及び車体11の上部に配置されたアッパメンバ30,30の前端には、フロントバルクヘッド(図示せず)を接合したものである。サイドフレーム21,21並びにアッパメンバ30,30は、フロントフェンダ40,40の下方に配置することにより、フロントフェンダ40,40で上部並びに左右の外方部が覆われることになる。
図1及び図2に示すように、板材からなるフロントフェンダ40は、上面41が幅広の扁平な形状、すなわち、車幅方向の幅寸法が大きい概ね水平に近い略平坦な形状を呈し、エンジンルーム12側に開口端42を有するとともに、車幅方向外側に外側面43を有する。なお、アッパメンバ30は正面断面視略矩形状を呈した閉断面体である。
以下、左のアッパメンバ30及び左のフロントフェンダ40について説明する。
図3は本発明に係る左のフロントフェンダ及びアッパメンバを左側方から見た車体構成図である。図4は図3の4−4線断面図である。図5は本発明に係る左のアッパメンバ周りを前上方から見た斜視図である。図6(a),(b)は本発明に係るフェンダ受け部材の構成図兼作用図であり、(a)はフェンダ受け部材を車体幅中央側から見た構成を示し、(b)は(a)のフェンダ受け部材の作用を示す。
図2〜図4に示すように車体11は、左のアッパメンバ30の上から上方へ左のフロントフェンダ40の下面44(すなわち裏面)又は下面44の近傍まで延びた左のフェンダ受け部材50を設けたことを特徴とする。すなわち、図2に示すようにフロントフェンダ40の車幅方向の略中央位置における下面44又は下面44の近傍まで、フェンダ受け部材50を延ばした。
フェンダ受け部材50やフロントフェンダ40には製作上の精度を有する。このため、フェンダ受け部材50の上端54とフロントフェンダ40の下面44との間には、極く若干の隙間Cr(図2参照)を有した方が、フロントフェンダ40の組み付け性が良い。
フェンダ受け部材50はアッパメンバ30の前後方向、すなわち長手方向に沿って長い縦板状部材であって、アルミニウム材(アルミニウム合金を含む)等の軽量合金又は鋼材からなる板材を、縦板状にプレス成形した成形品である。
詳しく説明すると、フェンダ受け部材50は、アッパメンバ30の上面31に接合する下フランジ51と、下フランジ51から起立したウエブ52(縦板部52)と、ウエブ52の上端に連なりフロントフェンダ40の下面44に略平行な上フランジ53とを、一体に形成した正面断面視略コ字状体(通称;溝形状部材、チャンネル状部材)である。
アッパメンバ30の上面31に下フランジ51を前後3カ所でスポット溶接するとともに、アッパメンバ30の縦フランジ32にウエブ52を後部1カ所でスポット溶接することにより、アッパメンバ30にフェンダ受け部材50を接合することができる。
上フランジ53は下フランジ51に略平行であり、しかも、フロントフェンダ40の下面44に極く若干の隙間Cr(図2参照)を有して接近している。フェンダ受け部材50の上端54とフロントフェンダ40の下面44との間には、充填剤60を充填することにより、フェンダ受け部材50の上端54とフロントフェンダ40の下面44とを充填剤60にて接合した構成である。充填剤60は、例えばマスチックシーラント(mastic-sealant)等である。
図2〜図5及び図6(a)に示すように、ウエブ52は、前端の前フランジ55及び後端の後フランジ56を有する。下・上フランジ51,53及び前・後フランジ55,56は車幅方向の外側を向いている。
このようなフェンダ受け部材50は、上から見たときに、車体前後に延びる長手途中で屈曲した少なくとも1つの屈曲部57と、この屈曲部57と交差するようにフェンダ受け部材50の長手方向へ延びるビード58とを形成した部材であり、平面視略「く」字状を呈する。
図6(a)に示すように、屈曲部57(角稜部57)は、フェンダ受け部材50の全長に対して、フェンダ受け部材50の後端から約3/4の位置に有る。屈曲部57の屈曲する方向は、車幅方向の例えば外側である。なお、屈曲部57は車幅中心CL側へ屈曲してもよい。屈曲角θは、前後に長い後半部分50Rに対して約45度である。フェンダ受け部材50のうち、屈曲部57よりも前半部分50Fは、そのまま連続して曲がっている。
図2及び図3に示すようにビード58は、フロントフェンダ40の下面44に略平行に延びるとともに、車幅中心CL側が窪んだ断面視半円状の横溝である。このようなビード58は、フェンダ受け部材50の上部に配置することが好ましく、例えば、フェンダ受け部材50の全高さに対して下から約2/3の高さに有る。
次に、上記構成のフェンダ受け部材50の作用を図2及び図6に基づき説明する。
図2において、フロントフェンダ40だけについて考える。フロントフェンダ40における上面41の部分は単なる略水平な薄板であるから剛性が極めて小さく、衝突エネルギーEnの吸収性能が比較的小さい。衝突物が上面41に当たったとき、上面41は容易に変形する。この結果、フロントフェンダ40における衝突エネルギーEnの吸収効果は小さくならざるを得ない。上面41の部分における衝突エネルギーEnの吸収性能は比較的小さい。
これに対して本発明では、図2に示すようにアッパメンバ30の上から上方に、幅広であるフロントフェンダ40の車幅方向の略中央位置における下面44又は各下面44の近傍まで、縦板状のフェンダ受け部材50を延ばしたことにより、高剛性のアッパメンバ30でフェンダ受け部材50を介してフロントフェンダ40の下面44を支えることができる。
フェンダ受け部材50にてフロントフェンダ40を支えることで、フロントフェンダ40を補強したので、幅広のフロントフェンダ40であるにもかかわらず、上方から軽荷重が作用したとき(例えば、フロントフェンダ40を上から手で押したとき)に、フロントフェンダ40全体が下方へ大きく撓むことはない。
当然のことながら、上からの衝突エネルギーEnに対する剛性は、フロントフェンダ40やフェンダ受け部材50の方が、アッパメンバ30よりも小さい。
フロントフェンダ40の上面41に衝突エネルギーEnが作用したときには、衝突エネルギーEnをフロントフェンダ40からフェンダ受け部材50へ速やかに伝え、フェンダ受け部材50が変形することによって、衝突エネルギーEnを吸収することができる。
しかも、上方から作用する衝突エネルギーEnに対して、フロントフェンダ40及びフェンダ受け部材50に生じる応力は、フロントフェンダ40をフェンダ受け部材50で支えた分だけ増大することになる。すなわち、フェンダ受け部材50で支えられたフロントフェンダ40の剛性は高まる。フロントフェンダ40及びフェンダ受け部材50は、比較的大きい衝突エネルギーEnを受けて塑性変形し、その変形量に応じて衝突エネルギーEnを吸収する。この結果、フロントフェンダ40に衝突エネルギーEnが作用した初期の時点から、衝突エネルギーEnを効率良く吸収できるので、フロントフェンダ40の部分における衝突エネルギーEnの吸収性能を高めることができる。
さらに本発明では、図6(a)に示すように、フェンダ受け部材50を上から見たときに、フェンダ受け部材50にその長手途中で屈曲した屈曲部57を形成することによって、フェンダ受け部材50のうち、屈曲部57の剛性を他の部分よりも大きくすることができる。高剛性である屈曲部57は、上方からの衝突エネルギーEnに対して他の部分よりも変形し難いので、衝突エネルギーEnに対する上記応力も増大する。応力が増大するので、図2及び図6(a)に示すように、フロントフェンダ40の上面41に衝突エネルギーEnが作用した初期の時点から、衝突エネルギーEnを、より一層効率良く吸収できる。
さらには、屈曲部57の数量、位置、形状、大きさを適宜設定することによって、フェンダ受け部材50による衝突エネルギー吸収性能を、より適切なものに設定することができる。しかも、フロントフェンダ40の上面41のうち任意の部位毎に、衝突エネルギー吸収性能を適宜設定することができる。
さらには、屈曲部57を設けるだけで上記応力を最適なものに増すことができるので、フェンダ受け部材50の構成の簡略化並びに軽量化を図ることができる。
このように本発明では、車体11の重量を抑制するとともに製造コストを抑制しつつ、フロントフェンダ40に上から作用する衝突エネルギーEnを効率良く十分に吸収することができる。そして、フロントフェンダ40の上面41に当たった衝突物への衝撃を、十分に緩和することができる。
さらに本発明では、図6(a)に示すように、フェンダ受け部材50を上から見たときに屈曲部57と交差するように、フェンダ受け部材50の長手方向へ延びるビード58を形成することで、高剛性である屈曲部57の部分のうち、ビード58の部分の剛性を下げることができる。この結果、図6(b)に示すように、上方から衝突エネルギーEnが作用したとき、屈曲部57はビード58の部分から先に座屈変形を開始し、その後に、上から下方へ順に変形して、衝突エネルギーEnを効率良く吸収することができる。
このように、フェンダ受け部材50に屈曲部57及びビード58の組合せ構造を設けることにより、(1)フェンダ受け部材50による衝突エネルギー吸収性能を最適なものに設定することができるとともに、(2)衝突エネルギーEnを受けたときにフェンダ受け部材50のうち、変形を開始する部位、すなわち変形開始点を適宜設定することができる。いわゆる、フロントフェンダ40の上面41(図2参照)に対する荷重制御をすることができる。変形開始点については、ビード58の位置、形状、大きさを設定すればよい。
さらに本発明では、図2に示すように、フェンダ受け部材50の上端54とフロントフェンダ40の下面44との間に隙間Cr(図2参照)が有ったとしても、この隙間Crに充填剤60を充填することにより、フェンダ受け部材50の上端54にフロントフェンダ40の下面44を隙間無く当てることができる。従って、フロントフェンダ40の上面41に衝突エネルギーEnが作用したときには、衝突エネルギーEnをフロントフェンダ40からフェンダ受け部材50へ、より一層速やかに伝えることができる。この結果、フロントフェンダ40に衝突エネルギーEnが作用した初期の時点から、フェンダ受け部材50によって衝突エネルギーEnを一層効率良く吸収することができる。
なお、右のアッパメンバ30、フロントフェンダ40及びフェンダ受け部材50については左のアッパメンバ30、フロントフェンダ40及びフェンダ受け部材50と左右対称形である他には同じ構成であり、同じ作用、効果を奏するので説明を省略する。
なお、本発明は実施の形態では、車体11の前部において、フロントフェンダ40を支える支持部材を有していない部位(いわゆる、初期荷重を発生させる部材を有していない部位)、例えばフロントフェンダ40における扁平な上面41の真下などに、フェンダ受け部材50を適宜配置した構成であればよい。
また、フェンダ受け部材50の材質、形状並びに寸法や、屈曲部57の位置、屈曲角θ、形状並びに寸法については、フェンダ受け部材50による衝突エネルギーEnの吸収性能を考慮して、任意に設定すればよい。例えば、屈曲部57は図6(a)の想像線にて示すように、ウエブ52の一部だけを折り曲げた屈曲形状、すなわち縦のビード状(縦溝状)にしてもよい。
また、フェンダ受け部材50に対する屈曲部57の数量については、上からの衝突エネルギーEnに対して、上述の大きい応力を発生させる範囲の大きさに応じて、設定すればよい。例えば、フェンダ受け部材50を上から見たときに、フェンダ受け部材50にその長手方向に一定のピッチで複数の屈曲部57・・・を形成してもよい。その場合には、ピッチはフェンダ受け部材50の全高さを超えないことが好ましい。このようにピッチを設定することにより、フェンダ受け部材50で、屈曲部57,57間における部分の座屈に対する剛性を十分に確保することができる。
本発明のフェンダ受け部材50を備えた車両前部構造は、フロントフェンダ40の下面44をフェンダ受け部材50にて支えて、上からの衝突エネルギーEnを吸収することができるので、幅広のフロントフェンダ40を有する車両に好適である。
本発明に係る車両の前部構造を示す斜視図である。 図1の2−2線断面図である。 本発明に係る左のフロントフェンダ及びアッパメンバを左側方から見た車体構成図である。 図3の4−4線断面図である。 本発明に係る左のアッパメンバ周りを前上方から見た斜視図である。 本発明に係るフェンダ受け部材の構成図兼作用図である。 従来の車体前部構造(第1の従来技術)の概要図である。 従来の車体前部構造(第2の従来技術)の概要図である。
符号の説明
10…車両、11…車体、14…前輪、30…アッパメンバ、40…フロントフェンダ、44…フロントフェンダの下面、50…フェンダ受け部材、54…フェンダ受け部材の上端、57…屈曲部、58…ビード、60…充填剤、En…衝突エネルギー、θ…屈曲角。

Claims (3)

  1. 車体に、車体前部で左右の前輪の上部を覆った左右のフロントフェンダと、これら左右のフロントフェンダの下方で車体前後に延びた左右のアッパメンバと、これら左右のアッパメンバの上から上方へ前記左右のフロントフェンダの各下面又は各下面の近傍まで延びた左右の縦板状のフェンダ受け部材とを設け、
    これら左右のフェンダ受け部材は、上から見たときに、それぞれ長手途中で屈曲した屈曲部を形成した車体前部構造。
  2. 前記左右のフェンダ受け部材は、上から見たときに、それぞれ前記屈曲部と交差するように、フェンダ受け部材の長手方向へ延びるビードを形成したことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記左右のフェンダ受け部材の上端と前記左右のフロントフェンダの下面との間に、充填剤を充填したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体前部構造。
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