JP2005348862A - ゴルフボール形成用組成物及びマルチピースゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール形成用組成物及びマルチピースゴルフボール Download PDF

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Abstract

【課題】ソフトフィーリングと飛距離とを兼ね備えるゴルフボールを提供する。
【解決手段】 少なくともいずれか一方が3官能以上である、ポリイソシアネート化合物とポリエチレンオキサイド基を有さない活性水素を有する化合物とからなる3次元架橋したポリウレタンゲル微粒子の表面が、ポリウレアコロイド非水溶媒溶液から析出したポリウレアコロイド粒子によって被覆されているポリウレタンゲル複合微粒子と、合成樹脂及びエラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の基材とを含むゴルフボール形成用組成物。いずれか1層以上がこの組成物を用いて形成されているマルチピースゴルフボール。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴルフボール形成用組成物及びマルチピースゴルフボールに関する。
従来、マルチピースゴルフボールのカバー材料としてはアイオノマー樹脂が主流である。アイオノマー樹脂製のカバーを有するゴルフボールは、優れた飛距離及び耐久性を有する一方、打球感が硬く、また打撃時の球離れが速いためにコントロール性に劣る傾向にある。
そこで、近年は、打撃時のソフトフィーリングおよびコントロール性を向上させるために、ポリウレタン樹脂などからなる柔らかいカバーが多く用いられるようになってきた。
ここで、ゴルフボールにおいては、ソフトフィーリングおよびコントロール性と飛距離とを兼ね備えることが求められる。カバー材料として柔らかい材料を用いるとフィーリングは柔らかくなるが、飛距離が伸びず、逆に硬い材料を用いると飛距離は伸びるが、フィーリングが硬くなる。相反するこれらの性質を全て満足するゴルフボールの実現は困難である。
このような目的を達成しようとする技術として、特許文献1には、アイオノマー樹脂にポリウレタンエラストマーを添加するにあたり、分散剤として有機又は無機塩基性化合物を添加した組成物を用いてマルチピースゴルフボールのカバーを形成することを開示している。
特開2003-49028号公報(請求項1、段落0008など)
本発明は、ソフトフィーリングと飛距離とを兼ね備えるマルチピースゴルフボールを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明者は研究を重ね、以下の知見を得た。
(i) マルチピースゴルフボールにおいて、カバーを、基材としてのアイオノマー樹脂又はポリウレタンと、ポリウレタンゲル微粒子の表面がポリウレアコロイド粒子で覆われたポリウレタンゲル複合微粒子とを含む層とすることにより、アイオノマー樹脂及びポリウレタンの特性である優れた飛距離を維持したままで、ポリウレタンゲル複合微粒子により柔らかい打球感が得られ、さらに耐摩耗性などの耐久性に極めて優れたボールとなる。また、カバーと塗膜との密着性が向上する。
(ii) 1層以上の中間層を有するマルチピースゴルフボールにおいて、中間層の1層以上を、基材としてのアイオノマー樹脂、ポリウレタン又はブタジエンゴムとポリウレタンゲル複合微粒子とを含む層とすることにより、アイオノマー樹脂、ポリウレタン及びブタジエンゴムの特性である優れた飛距離を維持したままで、ポリウレタンゲル複合微粒子により柔らかい打球感が得られる。
さらに、カバーと接する層がポリウレタンゲル複合微粒子含有層であるときは、カバーにポリウレタンが含まれる場合に、カバーと中間層との密着性が向上し、その分耐久性や反発性に優れたボールとなる。
(iii) マルチピースゴルフボールにおいて、コアを、基材としてのブタジエンゴムとポリウレタンゲル複合微粒子とを含む層とすることにより、コアが柔軟になって打球感が柔らかくなるとともに、その外側の層(中間層又はカバー)にポリウレタンが含まれる場合に、コアとこの外側の層との密着性が向上し、耐久性と反発性が向上する。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下のゴルフボール形成用組成物及びマルチピースゴルフボールを提供する。
項1. 少なくともいずれか一方が3官能以上である、ポリイソシアネート化合物とポリエチレンオキサイド基を有さない活性水素を有する化合物とからなる3次元架橋したポリウレタンゲル微粒子の表面が、ポリウレアコロイド非水溶媒溶液から析出したポリウレアコロイド粒子によって被覆されているポリウレタンゲル複合微粒子と、合成樹脂及びエラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の基材とを含むゴルフボール形成用組成物。
項2. 基材が、アイオノマー樹脂、ポリウレタン又はブタジエンゴムを含むものである項1に記載の組成物。
項3. ポリウレタンゲル複合微粒子を構成するポリウレアコロイド粒子が、溶媒に対して溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成されており、非溶媒和部分の粒子径が0.01〜1μmである項1又は2に記載の組成物。
項4. ポリウレタンゲル複合微粒子を構成するポリウレアコロイド粒子が、油脂変性ポリオールとポリイソシアネートとポリアミン化合物との反応で得られるポリウレアコロイド粒子であって、非溶媒和部分がウレア結合どうしの水素結合からなっている項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5. ポリウレタンゲル複合微粒子を構成するポリウレアコロイド粒子の非溶媒和部分が、さらに、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基による結合で形成されている項1〜4のいずれかに記載の組成物。
項6. ポリウレタンゲル微粒子の粒子径が0.5〜100μmの範囲である項1〜5のいずれかに記載の組成物。
項7. 基材がアイオノマー樹脂である項1〜6のいずれかに記載の組成物。
項8. ポリウレタンゲル複合微粒子を基材100重量部に対して0.1〜40重量部含む項7に記載の組成物。
項9. 基材がポリウレタンである項1〜6のいずれかに記載の組成物。
項10. ポリウレタンゲル複合微粒子を基材100重量部に対して0.1〜40重量部含む項9に記載の組成物。
項11. 基材がブタジエンゴムである項1〜6のいずれかに記載の組成物。
項12. ポリウレタンゲル複合微粒子を基材100重量部に対して0.1〜30重量部含む項11に記載の組成物。
項13. コアと1層若しくは2層の中間層とカバーとを備えるか、又はコアとカバーとを備え、カバーが項7〜10のいずれかに記載の組成物からなる層であるマルチピースゴルフボール。
項14. コアの基材がブタジエンゴムであり、中間層を有する場合は中間層の基材がブタジエンゴム、ポリウレタン又はアイオノマー樹脂である項13に記載のマルチピースゴルフボール。
項15. コアと1層又は2層の中間層とカバーとを備え、中間層の少なくとも1層が項7〜12のいずれかに記載の組成物からなる層であるマルチピースゴルフボール。
項16. コアの基材がブタジエンゴムであり、カバーの基材がアイオノマー樹脂又はポリウレタンであり、2層の中間層を備えそのうちの1層が項7〜12のいずれかに記載の組成物からなる場合は、他方の中間層の基材がブタジエンゴム、ポリウレタン又はアイオノマー樹脂である項15に記載のマルチピースゴルフボール。
項17. コアと1層若しくは2層の中間層とカバーとを備えるか、又はコアとカバーとを備え、コアが項11又は12に記載の組成物からなる層であるマルチピースゴルフボール。
項18. 中間層を有する場合は中間層の基材がブタジエンゴム、ポリウレタン又はアイオノマー樹脂であり、カバーの基材がアイオノマー樹脂又はポリウレタンである項17に記載のマルチピースゴルフボール。
項19. コアと、1層の中間層と、カバーとを備えるマルチピースゴルフボールであって、コアは球状の本体部と、この本体部の表面に形成される複数のリブとを備え、中間層はリブによって囲まれる凹陥部に充填されている項13〜18のいずれかに記載のマルチピースゴルフボール。
項20. リブは隣接する凹陥部間を連通する少なくとも1つの切欠部を備えている項19に記載のマルチピースゴルフボール。
項21. コア、第1の中間層、第2の中間層、及びカバーを備えたマルチピースゴルフボールであって、第1の中間層はコア上に形成される複数のリブを備え、第2の中間層はリブによって囲まれる凹陥部に充填され、カバーは最外層を形成している項13〜18のいずれかに記載のマルチピースゴルフボール。
項22. リブは隣接する凹陥部間を連通する少なくとも1つの切欠部を備えている項21に記載のマルチピースゴルフボール。
項23. コアと、これを被覆するカバーとを備えたマルチピースゴルフボールであって、コアはその表面に描かれ互いに直交する3つの大円上に溝部を備えており、カバーの内面には、溝部に嵌合する突部が形成されている項13、14、17及び18のいずれかに記載のマルチピースゴルフボール。
本発明の組成物を用いてマルチピースゴルフボールのカバー、中間層及びコアを形成すれば、飛距離と柔らかい打球感とを兼ね備えたマルチピースゴルフボールが得られる。
さらに、ポリウレタンゲル複合微粒子の添加により耐摩耗性及び隣接する層との密着性が向上し、耐久性が著しく向上する。すなわち打撃による亀裂の発生、層間の剥離、表面損傷が少なくなる。
また、カバーをポリウレタンゲル複合微粒子含有層とする場合は、ポリウレタンゲル複合微粒子の比重を比較的大きくすることにより、ポリウレタンゲル複合微粒子を添加しない場合に較べてカバーを重くすることができ、その結果、大きな慣性モーメントを有し、安定して回転するボールが得られる。
また、硬質なアイオノマーカバーを備えるボールでは、打球音が金属音に近い高い音となるが、アイオノマーカバーにポリウレタンゲル複合微粒子を添加することにより、柔らかい打球音が得られる。柔らかい打球音はプレイヤーに好まれるとともに、打ち放し場などにおける騒音対策上も好都合である。
さらに本発明のマルチピースゴルフボールは、基材のポリマーアロイ化又は共重合化などの手法によらず、基材にポリウレタンゲル複合微粒子を添加するだけの簡単な方法で、基材及びポリウレタンゲル複合微粒子の双方のメリットを兼ね備えたゴルフボールが得られる。また複合微粒子の粒径、硬度、比重、形状、添加量などを調整するだけで簡単に、飛距離や打球時のフィーリング等のボール特性を調整することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)ゴルフボール形成用組成物
本発明のゴルフボール形成用組成物は、ポリウレタンゲル複合微粒子と基材とを含むゴルフボール用組成物である。基材は、ゴルフボール基材として使用される合成樹脂及びエラストマーであれば制限なく使用できる。好ましいものとして、本発明の組成物には、基材としてアイオノマー樹脂を含む第1の組成物、基材としてポリウレタンを含む第2の組成物、及び基材としてブタジエンゴムを含む第3の組成物が包含される。
ポリウレタンゲル複合微粒子
ポリウレタンゲル複合微粒子は、少なくとも一方の化合物が3官能以上である、ポリイソシアネート化合物とポリエチレンオキサイド基を有さない活性水素を有する化合物とからなる3次元架橋したポリウレタンゲル微粒子の表面がポリウレアコロイド非水溶媒溶液から析出したポリウレアコロイド粒子によって被覆されている微粒子である。
<ポリウレタンゲル微粒子>
ポリウレタンゲル微粒子は、少なくとも一方が3官能以上であるポリイソシアネート化合物と活性水素を有する化合物とを、乳化剤としてのポリウレアコロイド粒子の存在下に、不活性液体中で乳化重合させることによって得られる。
本発明において使用するポリウレタンゲル微粒子は上記方法によって得られるが、好ましい方法は、ポリウレアコロイド粒子を分散含有する不活性媒体を撹拌機や乳化機付きのジャケット式合成釜に仕込み、この中に少なくとも一方が3官能以上であるポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物の不活性媒体溶液を添加及び乳化し、これらの合成原料を反応させてポリウレタンゲル微粒子を合成する方法や、少なくとも一方が3官能以上であるポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物を夫々別個に、ポリウレアコロイド粒子の存在下に不活性媒体中に乳化させ、これらを反応させる方法等が挙げられる。
合成温度は特に限定されないが、好ましい温度は40〜120℃程度である。又、合成時に使用するポリウレアコロイド粒子の使用量は、少なくとも一方が3官能以上であるポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物夫々の100重量部当たり0.5重量部以上を使用することができ、好ましくは1〜20重量部程度である。ポリウレアコロイド粒子の使用量が余りにも少ないと、原料の乳化性が不十分で、合成過程でポリウレタンゲル微粒子の大きい凝集塊が発生し、目的とする微細な重合体の分散体が得難い。一方、ポリウレアコロイド粒子の使用量が余りにも多い場合、ポリウレタンの原料の乳化性には問題はなくポリウレタンゲル微粒子の分散体は製造することが出来るが、乳化剤としての作用として過剰な量であり特に利点はない。
ポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物の不活性液体中における濃度は、低い程小さい粒径のものが得られ易く、生産性から好ましい濃度は20〜70重量%程度である。
本発明のポリウレタンゲル微粒子の合成に使用するポリイソシアネート化合物は特に限定されないが、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の2個のイソシアネート基を有するものが挙げられる。
又、これらの化合物をイソシアヌレート体、ビューレット体、アダクト体、ポリメリック体とした多官能のイソシアネート基を有するもの、例えば、4,4’、4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの環状三量体、2,6−トリレンジイソシアネートの環状三量体、混合した3モルの2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネートの環状三量体、ジフェニールメタン−4,4’−ジイソシアネートの三量体、3モルのジフェニールメタン−4,4’−ジイソシアネートと1モルのトリメチロールプロパンとの反応生成物、3モルの2,4−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチロールプロパンとの反応生成物、3モルの2,6−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチロールプロパンとの反応生成物、3モルの2,4−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチロールエタンとの反応生成物、3モルの2,6−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチロールエタンとの反応生成物、混合した3モルの2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチロールプロパンとの反応生成物等、及びこれらのポリイソシアネートを、メタノール、エタノール、フェノール、クレゾール、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトンオキシム、アセトンオキシム、N,N−ジメチルヒドロキシアミン、マロン酸ジエチル、アセチルアセトン等の活性水素を分子内に1個有する化合物とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部又は全部を反応したもの等を使用することが出来る。
本発明で使用する活性水素を有する化合物の例として、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチルロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、1,4−ベンゼンチオール、ソルビトール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリヘキサメチレンカーボネート、水素添加ダイマーポリオール、ヒマシポリオール、ポリオレフイン系ポリオール、ポリエチレングリコール、酸化エチレンと酸化プロピレンとの共重合体、酸化エチレンとビスフェノールAとの共重合体、酸化エチレン及び/又は酸化プロピレンとテトラヒドロフランやグリセリン付加物等の単独、混合物、共重合物等、ポリイソシアネート化合物と反応するものは全て使用することが出来る。
本発明に使用されるポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物の種類、使用量及び使用比率は、得られるポリウレタンゲル微粒子の使用目的によって決定されるが、いずれか一方の成分が3官能以上であることが必要である。例えば、ポリイソシアネートが2官能である場合には、活性水素を有する化合物は3官能以上であり、又、活性水素を有する化合物が2官能である場合には、ポリイソシアネートが3官能以上が必要であり、両成分とも3官能以上であってもよい。
また、NCO/OH比は、使用する化合物と生成物に要求される性能によって決定されるが、好ましくは0.5〜1.2程度の範囲である。
上記両化合物の反応に使用し、生成するポリウレタンゲル微粒子分散体の連続相を形成する不活性液体は、生成するポリウレタンに対して実質的に非溶媒であり且つ活性水素を有しないものである。その例として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリット、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素、ジメチルポリシロキサン等の単独又は混合物が挙げられ、これらの不活性液体は、該不活性液体と合成されたポリウレタンの分離工程の生産性の点からは150℃以下の沸点を有するものが好ましい。
<ポリウレアコロイド粒子>
本発明のポリウレタンゲル微粒子の合成に際しては公知の触媒を使用すれば低温でもよいが、作業面から40℃以上の反応温度が好ましい。
上記ポリウレタンゲル微粒子の合成時に乳化剤として使用するポリウレアコロイド粒子は、溶媒に対して溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成されており、非溶媒和部分の粒子径が好ましくは0.01〜1μm程度の粒子であり、かかるポリウレアコロイド粒子は、例えば、非水媒体中で、油脂変性ポリオールとポリイソシアネート(又はこれらの化合物からなる末端NCOプレポリマー)とポリアミン化合物との反応で得られる。
この反応では、反応が進むにつれて、ウレア結合同士の水素結合により、媒体中に不溶解のウレアドメインが形成され、同時に油脂変性ポリオール鎖が媒体中で溶媒和されることにより、非溶解性のウレアドメインの凝集等によるポリウレアコロイド粒子の巨大化が防止され、安定なポリウレアコロイド粒子が容易に得られる。
更に、使用する油脂変性ポリオールが、非水媒体中での結晶性が少なく、反応が進むにつれて生じる高分子化の過程でも、媒体中で油脂変性ポリオールを主体とするポリマー鎖がある程度自由に動き得る為に、非溶解性結晶部分と溶解性非結晶部分の分離が容易に行われ、ウレア結合同士の水素結合による非溶解性結晶部分を粒子の中心とするウレアドメインを形成し、その周囲に溶媒和されたポリマー鎖が規則正しく外向きに配向される。これは従来のミセル下に重合することにより得られる公知のコロイド粒子の製造方法における界面活性剤とは根本的に異なる作用である。
上記ポリウレアコロイド粒子の製造方法を更に具体的に説明する。先ず、最初に油脂変性ポリオールとポリイソシアネート化合物とを非水媒体中又は無溶媒で反応させ、NCO基を有するプレポリマーを合成する。次にこのプレポリマーを撹拌機付きのジャケット式合成釜に仕込み、濃度が5〜70重量%程度になるように非水系溶媒を添加して濃度を調整する。この溶液を撹拌しながら、予め2〜20重量%程度の濃度に調整したポリアミン化合物の溶液を徐々に添加し反応を行い、ポリウレア化反応においてポリウレアコロイド粒子を製造する。
ポリアミンの添加方法は、上記の方法の他にポリアミン溶液に前記プレポリマー又はその溶液を添加する方法でもよい。ポリマー合成の為の温度は特に限定されないが、好ましい温度は30〜120℃程度である。ポリマー合成の為の反応濃度、温度、撹拌機の形態、撹拌力、ポリアミン溶液及びプレポリマー又はその溶液の添加速度等は特に限定されないが、ポリアミン化合物とプレポリマーのイソシアネート基との反応は速いので、急激な反応が行われないように、反応を制御することが好ましい。
ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する油脂変性ポリオールは、官能基が2以下のポリオールであって、好ましい分子量は1,000±300程度であるが、これに限定されない。油脂変性ポリオールの具体例としては、例えば、各種の油脂を低級アルコールやグリコールを用いてアルコリシス化する方法、油脂を部分鹸化する方法、水酸基含有脂肪酸をグリコールによりエステル化する方法等によって、油脂に約2個以下の水酸基を含有させたもの、或はJ.H.SAUNDERS,K.C.FRISCH著のPOLYURETHANES,CHEMISTRY AND TECHNOLOGY PART 1,Chemistry(p48〜53)(1962年発行)等に記載の油脂変性ポリオール等が挙げられる。上記の水酸基含有脂肪酸としては、例えば、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪酸等が挙げられる。
油脂変性ポリオールとポリイソシアネート化合物との反応は、1<NCO/OH≦2程度の条件で行い、溶媒和されるプレポリマー鎖の分子量をコントロールする。この様に合成されるプレポリマーの分子量は、特に限定されないが、好ましい範囲は500〜15,000程度である。本発明で使用されるポリイソシアネート化合物としては、公知のポリイソシアネート化合物の全てが挙げられる。特に好ましいものはヘキサメチレンジイソシアネート、水添加TDI、水添加MDI、イソホロジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族系ジイソシアネート化合物である。
ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する非水系媒体としては、使用原料である油脂変性ポリオール、ジイソシアネート化合物及びポリアミン化合物を溶解するもので、活性水素を有さない全ての非水系溶媒を使用することができる。特に好ましいものはヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系である。なお、本発明において「溶解」とは常温及び高温下での溶解の両方を包含する。
ポリウレアコロイド粒子の製造に使用するポリアミン化合物として、例えば、エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス−アミノプロピルピペラジン、ポリオキシプロピレンジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、チオ尿素、メチルイミノビスプロピルアミン等のジアミンの単独及び混合物を好ましく使用することが出来る。
ポリウレアコロイド粒子の製造に使用する油脂変性ポリオール、ジイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、得られるプレポリマーの種類、使用量及び使用比率は、使用する溶媒中でのポリウレアコロイド粒子の大きさ及び安定性等を制御する目的で決定される。即ち、本発明のポリウレアコロイド粒子は、溶媒中で溶媒和されない結晶部分のウレアドメインと、そのウレアドメインから伸びて溶媒中で溶媒和されたポリマー鎖により形成されている。
ポリマー鎖の大きさと形態がポリウレアコロイド粒子の性質を左右する。この様に、ウレアドメインと溶媒和されたポリマー鎖とで形成されたポリウレアコロイド粒子は、溶媒中で安定なポリウレアコロイド分散液であり、その分散液中のポリウレアコロイド粒子のウレアドメインの粒径は、通常0.01〜1μm程度であり、溶媒和されているポリマー鎖の1個の分子量は通常500〜15,000程度であり、両者の重量比はウレアドメイン(ウレア結合又はポリアミン化合物)/ポリマー鎖が0.5〜30程度の範囲が好ましい。ウレア結合の割合が余りに小さいと、得られるポリウレアコロイド粒子中の非溶媒和性ウレアドメインが形成されにくく、ポリウレアコロイド粒子が非水媒体に溶解性し易くなり、良好なポリウレアコロイド粒子が生成されない。一方、ウレア結合の割合が余りに大きいと、非溶媒和性ウレアドメインが大きくなり、得られるポリウレアコロイド粒子の安定性が低下し、ポリウレアコロイド粒子の凝集が生じ易くなる。
以上の如きポリウレアコロイド分散液は光の錯乱により青い乳光から黄味がかった乳光に見える。該ポリウレアコロイド分散液を乾燥固化したものは、比較的溶解力の低い炭化水素系溶媒中に容易に再分散し、任意の濃度のポリウレアコロイド分散液とすることができ、又、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、シメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、酢酸ブチル等の極性溶剤には殆ど溶解し、これに上記の如き溶解力に低い溶媒を適当量添加混合することにより、ポリマー中のウレア結合が析出結晶化して非溶媒和ウレアドメインを形成し、ポリウレアコロイド分散液とすることが出来る。
ポリウレアコロイド粒子は、溶媒和されていない結晶部のウレアドメインと溶媒和されたポリマー鎖から形成されている不均一粒子である為に、その性質は溶媒和されていないウレアドメインと溶媒和されたポリマー鎖の両者の性能を併せ持っている。1例として、NCO基を有するプレポリマーとポリアミン化合物をNCO/NH=1のモル比で反応させて合成したポリウレアコロイド粒子を、固形分で10重量%の分散液としてガラス板の上に、乾燥膜が10μmになるように塗付し乾燥して製膜したところ、この乾燥塗膜は、透明性に優れ、粘着性の無い、しかも驚くべきことに、溶融温度は200℃以上を示した。
本発明で使用するポリウレアコロイド粒子の溶媒中における形態は、
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に示す様なものと想像される。このポリウレアコロイド粒子は、非溶媒和部分のウレアドメイン12の周囲に溶媒和されているポリマー鎖11が広がっている。このポリウレアコロイド粒子の粒径の制御については、溶媒和したポリマー部分とウレアドメインを含んだ粒子全体の大きさと、溶媒和したポリマー部分とウレアドメインのそれぞれの大きさについて、それらの制御が可能である。尚、先に記載のポリウレアコロイド粒子分散液の粒径は、ウレアドメイン部分を表現している。
安定に制御されたポリウレアコロイド粒子分散液を製造する為には、
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の様に、溶媒和したポリマー部分とウレアドメイン部分が明瞭に相分離しているのが望ましく、その為には溶媒和されるポリマー鎖と結晶部分のウレアドメインとが混在しない様に製造することが必要である。この為には、合成過程で溶媒和したポリマー部分とウレアドメイン部分が分離しやすい合成条件が要求される。
ポリウレアコロイド粒子の合成は、NCO基を有するプレポリマーの溶液及びポリアミン化合物の溶液の両方の濃度が低く、一方の溶液に他方の溶液を添加する添加速度が遅いほど良好な結果が得られ、撹拌はプロペラミキサー撹拌で充分である。又、原料溶液の濃度が高い場合や溶液の添加速度が速い場合には、ホモジナイザー等の使用による高剪断力の混合を行いながら合成することが好ましい。反応温度は使用する溶媒の種類と、その溶媒に対するウレアドメインの溶解度により決まるが、好ましい温度は合成を制御し易い30〜120℃程度であるが、この温度範囲に特に限定されない。ウレアドメインの形成は合成過程で形成する方法、或は高温で合成したものを冷却過程で形成する方法でもよい。
ポリウレアコロイド粒子で重要な因子は、その表面基の種類及び濃度であり、更には不活性液体中における分散性と分散粒径である。即ち、ポリウレアコロイド粒子の乳化剤としての作用は、W/O、O/O型の乳化剤であり、ポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物の親水性、疎水性の強さと不活性液体との相関性で作用する。これらの条件を加味して検討を加えた結果として、ポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物に対するポリウレアコロイド粒子の添加量の調整で、ポリウレタンゲル微粒子の粒径をコントロールすることが可能であり、前記の範囲で添加量が多い程粒径は小さくなり、少ない程粒径が大きくなる。
<ポリウレタンゲル複合微粒子の分離>
以上の如き原材料から得られたポリウレタン分散液から、常圧又は減圧下で不活性液体を分離することによって、本発明のポリウレタンゲル複合微粒子が得られる。粒子化に用いる装置としてスプレイドライヤー、濾過装置付き真空乾燥機、撹拌装置付真空乾燥機、棚式乾燥機等公知のものがいずれも使用出来、好ましい乾燥温度は不活性液体の蒸気圧、ポリウレタンゲル微粒子の軟化温度、粒径等に影響されるが、好ましくは減圧下40〜80℃である。
粒径のコントロールは、ポリウレタンの組成が同一の場合、合成釜の乳化型式(プロペラ式、錨型式、ホモジナイザー、螺旋帯式等)及び撹拌力の大小に左右されるが、特に不活性液体中のポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物の濃度、ポリウレアコロイド粒子の種類及び添加量に影響される。ポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物を乳化する為の機械的撹拌や剪断力は乳化の初期段階で決定され、これが強力な程分散体の粒径が小さくなる。その後の撹拌及び剪断力は大きくは影響しない。かえってその力が強すぎると分散体同士の凝集を促進することになり好ましくない。
また本発明では、上記のポリウレタンゲル微粒子の製造に当たり、原料の少なくとも一部又は全部に染料や顔料等の着色剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、研磨剤、体質顔料等の各種添加剤を混合して、ポリウレタンの合成を行ってもよい。
<ポリウレタンゲル複合微粒子の物性>
この様にして製造されたポリウレタンゲル複合微粒子の平均粒子径は、通常0.5〜100μm程度で真球状又はほぼ真球状である。ゴルフボール材料としては、平均粒子径は、好ましくは2〜100μm程度、より好ましくは2〜70μm程度、さらに好ましくは5〜30μm程度であればよい。上記の粒子径の範囲であれば、真球状ポリウレタン微粒子が全体として嵩高になり過ぎて基材と混合加工し難くなるということがなく、逆に、基材とポリウレタンゲル複合微粒子との密着性が低下したり、基材の有する物性が低下するということもない。
本明細書において、平均粒子径は実施例に記載の方法で測定した値である。
またこのようにして製造されたポリウレタンゲル複合微粒子の硬度は、ポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物の分子量及び構造に影響される。濃度、ポリウレアコロイド粒子の種類及び添加量にも影響されるが、JIS−A硬度(試験機としてJIS K7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)に規定するタイプAデュロメーターを用いた硬度)55〜98程度のものとなる。特に、JIS−A硬度が60〜80程度であることが好ましい。上記硬度範囲であれば、十分な反発性が得られることにより十分な飛距離が得られるとともに、ソフトフィーリングが得られる。
また、ポリウレタンゲル複合微粒子の比重は、不活性液体中のポリイソシアネート化合物及び活性水素を有する化合物の濃度、ポリウレアコロイド粒子の種類及び添加量に影響されるが、1.1〜1.3程度のものとなる。特に、比重が1.12〜1.24程度であることが好ましい。カバーに基材より比重の高い微粒子を配合すると、カバーの慣性モーメントが増大して安定して回転するボールになる。
また本発明では、合成時にポリイソシアネートと活性水素を有する化合物のNCO/OH比率を調整したり、活性水素を有する化合物の組成を変えたり、出来上がったビーズのポリウレアコロイド粒子の表面処理を行う等の方法により、ポリウレアコロイド粒子を含むポリウレタンゲル複合微粒子の全体にヒドロキシル基(−OH基)、カルボキシル基(−COOH基)、メルカプト基(チオール基;−SH基)等の官能基を導入することができる。具体的には、ポリウレアコロイド粒子の非溶媒和部分が、さらに、これらの官能基による結合で形成されているものであってよい。このような官能基を導入することにより、カバーと中間層との接着性を向上させたり、中間層とコアとの接着性を向上させたり、カバーとコアとの接着性や密着性を改善することができ、それによりゴルフボールの耐久性が著しく向上する。
この複合微粒子は、
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の想像図に示す如く、3次元架橋した熱硬化性のポリウレタンゲル微粒子21の表面にポリウレアコロイド粒子22が付着或は被覆されており且つポリウレアコロイド粒子が非粘着性と耐熱性に優れているため、複合微粒子を分散媒体から単に除去するのみで極めて流動性に富んだ微粒子となり、微粒子化に当たっては従来技術における如き煩雑且つコスト高な粉砕工程や分級操作を何ら要しない等の種々の利点を有している。
このようにして得られるポリウレタン複合微粒子は、粒子径のコントロールが容易であり、その結果粒度分布が比較的狭い。
また、このようにして得られるポリウレタン複合微粒子は、ポリウレアコロイド粒子で被覆されていることから、基材中での分散性が良好であり、分散安定剤を使用しなくても、この粒子を基材中に分散させることができる。さらに、基材と加熱混合する場合もポリウレアコロイド粒子が分離することがなく、さらに、ポリウレタンゲル微粒子のポリウレタンとして熱硬化性ポリウレタンを使用していることから、基材との混練の際に加熱しても基材中に溶け出したり、基材とともにゲル化したりすることがない。
また、このポリウレタンゲル複合微粒子は、非常に流動性ないしは滑性に優れることから、これを含む組成物を用いてゴルフボールのコア又は各層を容易に成形できる。
第1のゴルフボール用組成物
本発明の第1のゴルフボール用組成物は、上記のポリウレタンゲル複合微粒子と基材であるアイオノマー樹脂とを含む。この組成物は、マルチピースゴルフボールのカバーや中間層の構成材料として特に好適に使用できる。
ポリウレタンゲル複合微粒子の使用量は、基材100重量部に対して通常0.1〜40重量部程度、好ましくは1〜20重量部程度とすればよい。上記の範囲であれば、微粒子添加の効果が十分に得られるとともに、ポリウレタンゲル複合微粒子の添加によりアイオノマー樹脂の有する反発性が低下して飛距離が低下するということがない。
<アイオノマー樹脂>
アイオノマー樹脂としては、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体においてカルボン酸の少なくとも一部が金属イオンで中和されたもの、オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル三元共重合体においてカルボン酸の少なくとも一部が金属イオンで中和されたもの等が挙げられる。
オレフィンとしては、例えば、炭素数2〜8程度のオレフィンを用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等が挙げられる。特にエチレンが好ましい。
不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられる。特に、アクリル酸やメタクリル酸が好ましい。
また不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等のメチル、エチル、プロピル、n‐ブチル、イソブチル等の炭素数1〜4の低級アルキルエステル等が挙げられる。
これらをランダム共重合させることにより、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体が得られる。これらは、市販品を用いることができ、例えば、三井デュポンポリケミカル株式会社製、ニュクレル N1560、ニュクレルN1214、ニュクレルN1035等のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体;及び三井デュポンポリケミカル株式会社製、ニュクレル AN4311、ニュクレル AN4318等のオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体が挙げられる。
また金属イオンとしては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、錫、ジルコニウム、カドミウム等のイオンが挙げられる。特にナトリウム、亜鉛、マグネシウムイオンが反発性、耐久性等の点で好ましい。
前記例示したアイオノマー樹脂の中では、ナトリウムイオンで中和されたエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、亜鉛イオンで中和されたエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ナトリウムイオンで中和されたエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体及び亜鉛イオンで中和されたエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体等が好ましい。これらのうちでは、ナトリウムイオンで中和された重合体と亜鉛イオンで中和された重合体との混合物がより好ましい。
アイオノマー樹脂の具体例としては、商品名 ハイミラン1555、1557、1605、1702、1705、1706、1707、1855(以上、三井デュポンポリケミカル株式会社製)、商品名 サーリン8945、サーリン9945、サーリン6320、サーリン8320、サーリン9320(以上、デュポン株式会社製)、商品名 アイオテック(IOTEK)7010、8000(以上、エクソン(Exxon) 株式会社製)等を例示することができる。
基材は、アイオノマー樹脂を60重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上含むことがより好ましい。上記アイオノマー樹脂の含有量であれば、十分な反発性が得られる。
<その他の成分>
微粒子含有層には、アイオノマー樹脂の他に、柔軟性を向上させるために、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体や、オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル三元共重合体が含まれていてもよい。オレフィン、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸エステルの具体例は前述した通りである。
オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体の具体例としては、例えば三井・デュポンポリケミカル株式会社製のニュクレル1560、1214、1035等、EXXONMOBIL CHEMICAL株式会社製のESCOR5200、5100、5000等が挙げられる。オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル三元共重合体の具体例としては、例えば三井・デュポンポリケミカル株式会社製のニュクレルAN4311、AN4318等、EXXONMOBIL CHEMICAL株式会社製のESCOR ATX310、ATX320等が挙げられる。
微粒子含有層はまた、アイオノマー樹脂の特性を損なわない範囲で、マルチピースゴルフボールのカバー材料又は中間層材料として公知の熱可塑性エラストマー、ジエン系ブロック共重合体等を含んでいてもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系、スチレン系、オレフィン系等の従来公知のものを広く使用できる。熱可塑性エラストマーの具体例としては、ポリアミド系熱可塑性エラストマーの商品名 ペバックス2533(ATOFINA株式会社製)、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの商品名 ハイトレル3548、ハイトレル4047(以上、東レ・デュポン株式会社製)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーの商品名 エラストランET880(BASFジャパン株式会社製)、商品名パンデックスT‐8180、T‐7298、T‐7895、T‐7890(以上、ディアイシーバイエルポリマー株式会社製)等が挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、三菱化学株式会社製、ラバロン SJ7400N、ラバロン SJ5400N、リケンテクノス株式会社製、レオストマー LJ1040N、レオストマー LJ1050N等が挙げられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、三菱化学株式会社製、サーモラン 3602N、サーモラン 3702N、リケンテクノス株式会社製、レオストマー LE3040N等が挙げられる。
ジエン系ブロック共重合体は、共役ジエン系二重結合を有するブロック共重合体又はその部分水添ブロック共重合体であり、例えば芳香族系ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体又はこれに部分的に水添したものを使用できる。芳香族系ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p-t-ブチルスチレン、1,1-ジフェニルスチレン等が挙げられる。共役ジエン系化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。芳香族ビニル系化合物及び共役ジエン系化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。ジエン系ブロック共重合体の具体例としては、例えばダイセル化学工業株式会社製の商品名「エポフレンド」シリーズ、株式会社クラレ製の商品名「セプトン」シリーズ等が挙げられる。
さらに、この基材には、ゴルフボールのカバー又は中間層に通常添加される各種添加剤を含んでいてよい。このような添加剤として、例えば、充填剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
第2のゴルフボール形成用組成物
本発明の第2のゴルフボール形成用組成物は、上記ポリウレタンゲル複合微粒子と基材のポリウレタンとを含む組成物である。この組成物は、マルチピースゴルフボールのカバー、中間層の構成材料として好適に使用できる。
この場合のポリウレタンゲル微粒子の使用量は、基材100重量部に対して通常0.1〜40重量部程度、好ましくは1〜20重量部程度とすればよい。上記のポリウレタンゲル微粒子使用量の範囲であれば、十分な柔軟性及び反発性が得られるとともに、ポリウレタンゲル複合微粒子の添加により成形性、耐久性が低下するということがない。
<ポリウレタン>
ポリウレタンとしては熱可塑性ポリウレタンエラストマー及び熱硬化性ポリウレタンのいずれも使用できる。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーはジイソシアネート、高分子ポリオール、及び鎖延長剤を反応させることにより得られる。
ジイソシアネートとしてはとくに限定されず、熱可塑性ポリウレタンエラストマーの原料として公知のジイソシアネートを広い範囲から選択して使用できる。このような公知のジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート (TDI)、 4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4-(2,2,4)トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジソシアネート(LDI)などが挙げられる。
中でも、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が好ましい。ボール特性の観点からはMDIが好ましいが、得られるポリウレタンをカバー材料として用いる場合に変色し易いため、カバーに紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加することで対応すればよい。変色し難い点では、脂肪族イソシアネートであるH12MDI、IPDI、HDIが好ましい。
高分子ポリオールとしては熱可塑性ポリウレタンエラストマーの原料として公知の高分子ポリオールを広い範囲から選択して使用できる。このような高分子ポリオールとしてポリエーテル系ジオール、ポリエステル系ジオールまたはポリカーボネート系ジオール等を使用できる。ポリエーテル系ジオールとしてはポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。ポリエステル系ジオールとしてはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ-ε-カプロラクトンジオール等が挙げられる。ポリカーボネートジオールとしてはポリヘキサメチレンカーボネートジオールが挙げられる。
高分子ポリオールの分子量は、好ましくは300〜5000程度、より好ましくは500〜4500程度であり、さらにより好ましくは1000〜4000程度であればよい。
鎖延長剤は特に限定されず熱可塑性ポリウレタンエラストマーの原料として公知の鎖延長剤を広い範囲から選択して使用できる。このような公知の鎖延長剤として、エチレングリコール、1,3-プロピレンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどが挙げられる。中でも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
また熱硬化性ポリウレタンは架橋したポリウレタンであり、イソシアネートとポリオールあるいは鎖延長剤や架橋剤、硬化剤と呼ばれる活性水素化合物から構成される。通常イソシアネートとポリオールとをあらかじめ反応させ、イソシアネート末端プレポリマーを合成しこれに硬化剤を混合反応させるプレポリマー法にて作製される。
イソシアネートとしてはとくに限定されず、ポリウレタンの原料として公知のイソシアネートを広い範囲から選択して使用できる。
このような公知のイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、p-キシレンジイソシアネート(PXDI)、m-キシレンジイソシアネート(MXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などが挙げられる。
中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDIが多く用いられる。但し、これらのイソシアネートから得られるポリウレタンで形成したカバーは変色し易いため、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤を添加するなどの変色対策を施すことが好ましい。変色し難いポリウレタンが得られる点では、脂肪族イソシアネートである4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が好ましい。
ポリオールとしては分子量500〜5000程度の分子内に水酸基を2個以上有する化合物でポリウレタンの原料として公知の高分子ポリオールを広い範囲から選択して使用できる。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール(PEG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)などが挙げられる。ポリエステルポリオールとしてはポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。ポリカーボネートポリオールとしてはポリヘキサメチレンカーボネートが挙げられる。
硬化剤としてはとくに限定されず、ポリウレタンの原料として公知の硬化剤を広い範囲から選択して使用できる。このような公知の硬化剤アミン系としては、4,4’メチレンビス-2-クロロアニリン(MOCA)、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、ジメチルチオトルエンジアミン(MDTDA)、4,4’メチレンビス(3-クロロ-2,6ジエチル)-アニリン、4-4’メチレンビス(N-sec-ブチルアニリン)、グリコール系としては1,3ブタンジオール(1,4BR)、1,4ブタンジオール(1,4BR)、トリメチロールプロパン(TMP)、ビスヒドロキシエトキシベンゼン(BHEB)等が使用される。硬化剤の配合量は特に限定されないがイソシアネート末端プレポリマーに対してNH2/NCO=0.85〜1.15(モル比)に配合することが好ましい。
硬化剤は、イソシアネートのTDIに対しては、4,4’メチレンビス-2-クロロアニリン(MOCA)、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、ジメチルチオトルエンジアミン(MDTDA)、4,4’メチレンビス(3-クロロ-2,6ジエチル)-アニリン、4-4’メチレンビス(N-sec-ブチルアニリン)を使用することが好ましい。また、イソシアネートのMDIに対しては、1,4ブタンジオール(1,4BR)、トリメチロールプロパン(TMP)、ビスヒドロキシエトキシベンゼン(BHEB)を使用することが好ましい。
またポリウレタン製組成物にはウレタンの反応に使用される通常の触媒を含むことが出来る。触媒としてはジラウリン酸スズジブチル(DBTDL)、ジラウリン酸スズジオクチル(DOTDL)、ナフテン酸鉛などの金属系とトリエチレンジアミン(TEDA)、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(DBU)等のアミン系がありトリエチレンジアミンが好ましい。
ポリウレタン樹脂の好ましい例としては、熱可塑性ポリウレタンでは例えば、エラストランET880、1190A、1154D(BASFジャパン株式会社製)、パンデックスT‐8180、T‐7298、T‐7895、T‐7890(DIC BAYER株式会社製)などが使用できる。熱硬化性ポリウレタンに使用するイソシアネート末端プレポリマーでは、アジプレンLF800A、LF900A、LF950、LF600D(ユニロイヤル株式会社製)、コロネート4080,4090,4095(日本ポリウレタン工業株式会社製)が挙げられる。硬化剤の具体例としては、ロンザキュアM-CDEA(ユニロイヤル株式会社製)、ポラミン250P(エアープロダクツ株式会社製)などが挙げられる。
基材は、ポリウレタンを60重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上含むことがより好ましい。この範囲であれば、十分な耐久性が得られる。
この組成物はまた、ポリウレタンの特性を損なわない範囲で、マルチピースゴルフボールのカバー材料又は中間層材料として公知の熱可塑性エラストマー、ジエン系ブロック共重合体などを含んでいてもよい。これらの材料については、前述したとおりである。
さらに、この基材には、ゴルフボールのカバー又は中間層に通常添加される各種添加剤を含んでいてよい。このような添加剤については、第1の組成物について説明した通りである。
第3のゴルフボール形成用組成物
本発明の第3のゴルフボール形成用組成物は、上記ポリウレタンゲル複合微粒子と基材のブタジエンゴムとを含む組成物である。この組成物は、マルチピースゴルフボールのコア及び中間層の構成材料として特に好適に使用できる。
この場合のポリウレタンゲル複合微粒子の使用量は、基材100重量部に対して通常0.1〜30重量部程度、好ましくは1〜15重量部程度とすればよい。上記の範囲であれば、微粒子添加による柔軟性、ソフトフィーリング及び隣接層との接着性の向上効果が得られるとともに、余りに多すぎて、ブタジエンゴム本来の物性である耐久性及び反発性が低下するということがない。
<ブタジエンゴム>
ブタジエンゴムの種類は特に限定されないが、中でも、シス−1,4−結合を40%以上、特に80%以上含むハイシスポリブタジエンゴムが好ましい。基材中にはブタジエンゴムが60重量%以上含まれていることが好ましく、80重量%以上含まれることがより好ましい。また、ブタジエンゴムの特性を損なわない範囲で、ブタジエンゴムに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを配合してもよい。
<その他の成分>
この組成物には、このほか、ゴルフボールのコア材料であるゴム組成物に通常添加される添加剤、例えば架橋剤、共架橋剤、充填剤、酸化防止剤、しゃく解剤などが含まれていてよい。
架橋剤としては、ゴムの架橋剤として公知の化合物を使用できる。このような架橋剤として、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイドのような有機過酸化物などを例示できる。特に、ジクミルパーオキサイドが好ましい。架橋剤の配合量は、特に限定されず、広い範囲から適宜選択できるが、基材中のゴム100重量部に対して、通常0.5〜3重量部程度、特に0.7〜2.2重量部程度が好ましい。この範囲内であれば、得られるゴルフボールについて、十分な反発性能ひいては十分な飛距離が得られるとともに、十分なソフトフィーリングが得られる。
共架橋剤としては、特に限定されず、ゴムの共架橋剤として公知の化合物を広い範囲から選択して使用できる。このような共架橋剤として、不飽和カルボン酸の金属塩、特にアクリル酸またはメタクリル酸のような炭素数3〜8程度の1価または2価の不飽和カルボン酸の金属塩を例示できる。高い反発性能を得る上で、アクリル酸の亜鉛塩が好ましい。
共架橋剤の配合量は、特に限定されず、広い範囲から適宜選択できるが、基材に含まれるゴム100重量部に対して、通常5〜40重量部程度、特に10〜35重量部程度が好ましい。この範囲内であれば、得られるゴルフボールについて、十分な反発性能ひいては十分な飛距離が得られるとともに、十分なソフトフィーリングが得られる。
充填剤としては、この分野で用いられているものを広い範囲から使用でき、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末および有機質充填剤などが挙げられる。充填剤の配合量は、特に限定されず、広い範囲から適宜選択できるが、基材100重量部に対して、通常1〜40重量部程度が好ましい。この範囲内であれば、得られるゴルフボールの重量が適正なものとなる。
(II)マルチピースゴルフボール
概略構成
本発明のマルチピースゴルフボールには、コア、及びカバーを備えるツーピースゴルフボール;コア、中間層、及びカバーを備えるスリーピースゴルフボール;並びにコア、第1中間層、第2中間層、及びカバーを備えるフォーピースゴルフボールが包含される。
また本発明のマルチピースゴルフボールには、上記いずれの形状を採る場合も、下記の(i)〜(iv)の材料からなるボールが包含される。
なお、本発明において、「層」には、いわゆる層状の部分だけでなく、球状その他の形状の部分も含まれる。
(i) カバーがポリウレタンゲル複合微粒子と基材のアイオノマー樹脂とを含む組成物(本発明の第1の組成物)で構成されているボール(第1のボール)
(ii) カバーが、ポリウレタンゲル複合微粒子と基材のポリウレタンとを含む組成物(本発明の第2の組成物)で構成されているボール(第2のボール)
(iii) 1層の中間層を有する場合はこの層が、2層以上の中間層を有する場合は1層以上が、ポリウレタンゲル複合微粒子と基材のアイオノマー樹脂とを含む組成物(本発明の第1の組成物)で構成されているボール(第3のボール)
(vi) 1層の中間層を有する場合はこの層が、2層以上の中間層を有する場合は1層以上が、ポリウレタンゲル複合微粒子と基材のポリウレタンとを含む組成物(本発明の第2の組成物)で構成されているボール(第4のボール)
(v) 1層の中間層を有する場合はこの層が、2層以上の中間層を有する場合は1層以上が、ポリウレタンゲル複合微粒子と基材のブタジエンゴムとを含む組成物(本発明の第3の組成物)で構成されているボール(第5のボール)
(vi)コアが、ポリウレタンゲル複合微粒子と基材のブタジエンゴムとを含む組成物(本発明の第3の組成物)で構成されているボール(第6のボール)
(i)〜(iv)のいずれの場合も、ポリウレタンゲル複合微粒子を含む層以外の層は、従来公知のマルチピースゴルフボール形成用組成物からなる層とすればよい。
(i)第1のボール
第1のボールは、カバーが基材のアイオノマー樹脂とポリウレタンゲル複合微粒子とを含む。
コア
コアは、コア材料として公知のゴム組成物からなるものとすることができる。基材ゴムとしては、天然ゴムおよび合成ゴムの双方を用いることができる。中でも、シス−1,4−結合を40%以上、特に80%以上含むハイシスポリブタジエンゴムが好ましい。必要であれば、ハイシスポリブタジエンゴムに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを配合してもよい。基材ゴムは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ゴム組成物には、このほか、架橋剤、共架橋剤、充填剤、酸化防止剤、しゃく解剤などが含まれていてよい。
架橋剤としては、ゴムの架橋剤として公知の化合物を使用できる。このような架橋剤として、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイドのような有機過酸化物などを例示できる。特に、ジクミルパーオキサイドが好ましい。架橋剤の配合量は、特に限定されず、広い範囲から適宜選択できるが、基材ゴム100重量部に対して、通常0.5〜3重量部程度、特に0.7〜2.2重量部程度が好ましい。この範囲内であれば、得られるゴルフボールについて、十分な反発性能ひいては十分な飛距離が得られるとともに、十分なソフトフィーリングが得られる。
共架橋剤としては、特に限定されず、ゴムの共架橋剤として公知の化合物を広い範囲から選択して使用できる。このような共架橋剤として、不飽和カルボン酸の金属塩、特にアクリル酸またはメタクリル酸のような炭素数3〜8程度の1価または2価の不飽和カルボン酸の金属塩を例示できる。高い反発性能を得る上で、アクリル酸の亜鉛塩が好ましい。
共架橋剤の配合量は、特に限定されず、広い範囲から適宜選択できるが、基材ゴム100重量部に対して、通常5〜40重量部程度、特に10〜35重量部程度が好ましい。この範囲内であれば、得られるゴルフボールについて、十分な反発性能ひいては十分な飛距離が得られるとともに、十分なソフトフィーリングが得られる。
充填剤としては、この分野で用いられているものを広い範囲から使用でき、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末および有機質充填剤などが挙げられる。充填剤の配合量は、特に限定されず、広い範囲から適宜選択できるが、基材ゴム100重量部に対して、通常1〜40重量部程度が好ましい。この範囲内であれば、得られるゴルフボールの重量が適正なものとなる。
コアは、前記コア用ゴム組成物を用いて、圧縮成型などの公知の方法で成型することができる。
中間層
ツーピースゴルフボールの場合は中間層を有さないが、スリーピースゴルフボールの場合は1層の中間層を備え、フォーピースゴルフボールの場合は、第1中間層及び第2中間層を備える。
中間層は、マルチピースゴルフボールの中間層材料として従来公知のアイオノマー樹脂、熱可塑性エラストマー等またはそれらの混合物を主成分とする樹脂組成物で構成することができる。また、中間層はゴム組成物からなるものであってもよい。
アイオノマー樹脂については前述した通りである。
また、熱可塑性エラストマーとしては、ウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系、スチレン系、オレフィン系等の従来公知のものを広く使用できる。熱可塑性エラストマーの具体例としては、ポリアミド系熱可塑性エラストマーのペバックス2533(ATOFINA株式会社製)、ポリエステル系熱可塑性エラストマーのハイトレル3548、ハイトレル4047(東レ・デュポン株式会社製)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーのエラストランET880、(BASFジャパン株式会社製)、パンデックスT‐8180、T‐7298、T‐7895、T‐7890(ディアイシーバイエルポリマー株式会社製)等が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしてはウレタン系エラストマーが好ましい。
また、中間層をゴム組成物からなるものとする場合は、基材ゴム及びその他の配合物の種類はコアの項目で述べた通りである。但し配合量は、基材ゴム100重量部に対して、架橋剤が0.1〜3重量部程度、特に1〜2重量部程度、共架橋剤が5〜40重量部程度、特に10〜35重量部程度、充填剤が20〜40重量部程度であることが好ましい。基材ゴムとしてはブタジエンゴムが好ましく、シス−1,4−結合を40%以上、特に80%以上含むハイシスポリブタジエンゴムがより好ましい。
中間層を構成する材料には、基材又は基材ゴムに加えて、充填剤、顔料、酸化防止剤等の公知のゴルフボール添加剤が含まれていてもよい。
中間層は、樹脂組成物からなる場合は例えば射出成型等の公知の方法で形成することができ、例えばゴム組成物からなる場合は例えば圧縮成形のような公知の方法により形成することができる。
2層の中間層を備える場合は、上記樹脂組成物又はゴム組成物の範囲で互いに組成が異なるものとすればよい。
カバー
カバーは、ポリウレタンゲル複合微粒子と基材のアイオノマー樹脂とを含む層である。このような材料からなるカバーの形成に当たっては、アイオノマー樹脂にポリウレタンゲル複合微粒子を前述した配合割合で混合した混合物か、又はポリウレタンゲル複合微粒子の配合割合が多く微粒子の分散が不十分な場合には、予めアイオノマー樹脂とポリウレタンゲル複合微粒子とを混練機で混練した混練物を用いて、例えば射出成型などの公知の方法でカバーを成型することができる。混練機としては単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等の公知の混練機を使用できる。
各層材料の好ましい組み合わせ
アイオノマー樹脂を基材とするカバーにポリウレタンゲル複合微粒子が含まれる第1のボールの中では、コア基材がブタジエンゴムであるツーピースゴルフボール;コア基材がブタジエンゴムであり、中間層基材がブタジエンゴム、ポリウレタン、若しくはアイオノマー樹脂であるスリーピースゴルフボール;及びコア基材がブタジエンゴムであり、第1及び第2中間層基材が、同一若しくは異なってブタジエンゴム、ポリウレタン、若しくはアイオノマー樹脂であるフォーピースゴルフボールを、好ましく挙げることができる。
また、カバーがポリウレタンゲル複合微粒子及びアイオノマー樹脂基材を含む第1のボールでは、中間層がポリウレタンゲル複合微粒子及びポリウレタン基材を含む層であるボールも好ましい。
各層の形状
本発明のマルチピースゴルフボールは、いずれの材料で構成されている場合も、またツーピースボール、スリーピースボール及びフォーピースボールのいずれの場合も、球状のコア表面上に層状の中間層やカバーが同心状に形成されたボールに限定されず、コア、中間層、及びカバーはゴルフボールとして実用できる限り種々の形状を制限無く採ることができる。
同心状に各層が形成されているボールのサイズについて説明すれば、ツーピースゴルフボール場合は、コアの直径は通常40.8〜36.7mm程度とすればよく、カバーの厚さは通常1〜3mm程度、好ましくは1.5〜2.5mm程度とすればよい。
スリーピース又はフォーピースゴルフボールの場合は、コアの直径は、通常29〜39mm程度、好ましくは33〜37mm程度とすればよい。中間層の厚さは、全体として、通常0.5〜4mm程度、好ましくは1〜2.5mm程度とすればよい。カバーの厚さは、ツーピースゴルフボールの場合と同様であり、通常1〜3mm程度とすればよく、好ましくは1.5〜2.5mm程度とすればよい。カバーが上記厚さを有することにより、十分な耐久性を示すとともに、ソフトフィーリング及び反発性を減じることがない。
特殊形状のボールとしては、以下の形状のボールを例示できる。
<特殊な2ピースゴルフボール>
ツーピースゴルフボールとしては、例えば、球状のコアと、これを被覆するカバーとを備え、コアはその表面に描かれ互いに直交する3つの大円上に溝部を備えており、カバーの内面には溝部に嵌合する突部が形成されているボールを挙げることができる。
溝部はコアの中心に対して略点対称となるように複数箇所に配置されていることが好ましい。またコアは、二分割する一対の成形型で成形可能になっており、溝部を構成する面は、コアが離型する際に成形型が離間する方向と平行に延びているか、又は成形型の分割線に近づくにつれて離間方向から径方向外方に延びていることができる。
また、上記ツーピースゴルフボールは、断面が扇型で、この扇型の円弧部分がコアの表面に一致しつつ、コアの表面に描かれ互いに交差する3つの大円に沿って延びるバンド部をコアの表面に仮想的に描きつつ、大円の交点間の中心を通るコアの法線と垂直で、かつ扇型の頂部を通過する平面により、バンド部を切り取ることで、コアの表面に溝部を形成したものであってよい。
<特殊な3ピースゴルフボール>
またスリーピースゴルフボールとしては、コアが球状の本体部とこの本体部の表面に形成される複数のリブとを備え、中間層がリブによって囲まれる凹陥部に充填されているボールが挙げられる。リブは、代表的には、本体部において互いに直交する3つの大円に沿って形成されていればよい。
リブの形状は種々のものにすることができるが、リブの幅がカバー側からコア側にいくにしたがって増大するように延ばすとともに、凹陥部をリブの側面によって錐体状に形成することが好ましい。このようにすると、リブの基端部の幅が先端部に比べて大きいため、成型時の圧力でリブが倒れるのを防止することができる。
ここでいう「錐体状」とは、凹陥部がリブの側面によって囲まれて錐体状の領域を形成し、この領域がコアと同心の球面によって切り取られる面分の面積が、カバーからコアにいくにしたがって小さくなるような形状を意味している。この場合、上記面分の形状は特には限定されず、多角形状であっても円形状であってもよい。また、凹陥部はリブのみによって囲まれて錐体状に形成されている場合もあるし、その奥端部から本体部が露出しリブの側面と本体部とによって錐体状に形成される場合もある。但し、本体部が露出している場合であっても、その露出する部分は少なく、全体としては錐体状に形成される。
また、各リブが、隣接する凹陥部間を連通する少なくとも1つの切欠部を備えるようにすることができる。このように、リブに切欠部を形成すると、例えばプレス成形時に、中間層用の材料が切欠部を介して各凹陥部に行き渡るため、各凹陥部にそれぞれ中間層用の材料を直接充填する必要がなく、製造設備の簡素化及び製造時間の短縮が可能となるというメリットがある。また、射出成形により中間層を形成する場合にも、1つまたは少数のゲートで中間層を形成することができる。
ここで、各リブが、本体部上に描かれ相互に直交する3つの大円に沿ってそれぞれ延び、各大円の交点で区切られたリブの各円弧セクションに切欠部が形成され、この切欠部が、大円の交点を通るコアの法線上の一点から円弧セクションに沿って延びる面を有し、この面が、法線に対し90°以上の角度をなしていることが好ましい。こうすることで、大円の交点を中心に配置される4つの凹陥部が互いに連通し、中間層用の材料が行き渡りやすくなる。また、前記面が法線に対して90°以上の角度をなしているため、この角度が抜き勾配を形成し、例えば上型及び下型の2つの成形型でコアを成形するときに、コアを成形型から抜き出しやすくなる。
また、隣接する凹陥部を連通させるという観点からは、切欠部を、円弧セクションにおける円弧方向の中間部に形成することもできる。このとき、切欠部が、各円弧セクションにおける円弧方向の中心点を通る本体部の法線上の一点から前記交点側へそれぞれ延びる2つの面を有しており、これら各面と前記法線とのなす角が45〜48度程度であることが好ましい。このようにすると、前記各面と法線とのなす角が抜き勾配となり、成形型からコアを抜き出しやすくなる。
本体部表面からのリブの高さは、通常0.5〜11.2mm程度、好ましくは1.8〜10.5mm程度にすればよい。カバーの厚さは、同心状に各層を形成したボールと同様である。
<特殊な4ピースゴルフボール>
またフォーピースゴルフボールとしては、コア、第1の中間層、第2の中間層、及びカバーを備え、第1の中間層はコア上に形成される複数のリブを備え、第2の中間層はリブによって囲まれる凹陥部に充填され、カバーは最外層を形成しているマルチピースゴルフボールが挙げられる。
リブは、その幅がコアに近づくに従って大きくなるように延びており、それによって凹陥部が錐体状に形成されていることが好ましい。ここでいう「錐体状」は、凹陥部がリブの側面によって囲まれて錐体状の領域を形成し、この領域がコアと同心の球面によって切り取られる面分の面積が、カバーからコアにいくに従って小さくなるような形状を意味している。この場合、上記面分の形状は特には限定されず、多角形状であっても円形状であってもよい。また、凹陥部はリブのみによって囲まれて錐体状に形成されている場合もあるし、その奥端部からコアが露出しリブの側面とコアとによって錐体状に形成される場合もある。但し、コアが露出している場合であっても、通常、その露出する部分は少なく、全体としては錐体状に形成される。
また、3ピースゴルフボールの場合と同様に、4ピースゴルフボールにおいても、各リブは隣接する凹陥部を連通する少なくと1つの切欠部を備えることが好ましい。この場合、各リブがコア上に描かれ相互に直交する3つの大円に沿ってそれぞれ延び、各大円の交点で区切られたリブの各円弧セクションに切欠部が形成され、切欠部が大円の交点を通るコアの法線上の1点から円弧セクションに沿って延びる面を有し、該面が前記法線に対し90°以上の角度をなしていることが好ましい。
凹陥部及びリブの形状及びサイズについては前述した3ピースゴルフボールの場合と同様である。
第1のボールにおいて、上記いずれの形状を採る場合も、コアの硬度は、JIS−D硬度(試験機としてJIS K6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)に規定するタイプDデュロメーターを用いた硬度)で、通常35〜60程度、特に40〜56程度が好ましい。
また、中間層のJIS−D硬度は40〜70程度、特に42〜56程度が好ましい。中間層のJIS−D硬度は、試験機としてJIS K7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)に規定するタイプDデュロメーターを用いて測定した硬度、又は試験機としてJIS K6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)に規定するタイプDデュロメーターを用いて測定した硬度である。なお、これらはJIS規格の規格番号は相違するが測定機は同じ機種のタイプDデュロメーターであり、実質的に同じ硬度を示す。
カバーの硬度は、通常JIS−D硬度(試験機としてJIS K7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)に規定するタイプDデュロメーターを用いた硬度)で50〜75程度、特に55〜70程度が好ましい。
(ii)第2のボール
第2のボールは、上述した第1のボールにおいて、カバー基材としてアイオノマー樹脂に代えてポリウレタンを採用したボールである。各層の好ましい厚さ及び硬度は、第1のボールと若干異なる。その他は第1のボールと同様である。
同心状に各層が形成されたツーピースゴルフボールについて説明すれば、コアの直径は、通常40.8〜36.7mm程度が好ましく、カバーの厚さは通常1〜2mm程度が好ましい。
またスリーピースゴルフボール及びフォーピースゴルフボールの場合は、中間層の厚さは、全体として通常0.5〜4mm程度、好ましくは1〜2.5mm程度とすればよい。またカバーの厚みは、通常1〜3mm程度とすればよく、好ましくは1〜2mm程度とすればよい。カバーの厚みが上記範囲であれば、十分な耐久性が得られるとともに、打球感が硬くなることがない。
リブ付きコアを備えたスリーピースゴルフボール又はリブを備える第1中間層を備えたフォーピースゴルフボールの場合は、リブの高さは、通常0.5〜11.2mm程度が好ましい。
また、各中間層の硬度は、通常JIS−D硬度40〜70程度、特に42〜56程度が好ましい。カバーの硬度は、通常JIS−D硬度で40〜65程度、特に45〜60程度が好ましい。
ポリウレタンを基材とするカバーにポリウレタンゲル複合微粒子が含まれる第2のボールの中では、コア基材がブタジエンゴムであるツーピースゴルフボール;コア基材がブタジエンゴムであり、中間層基材がブタジエンゴム、ポリウレタン、若しくはアイオノマー樹脂であるスリーピースゴルフボール;及びコア基材がブタジエンゴムであり、第1及び第2中間層基材が、同一若しくは異なってブタジエンゴム、ポリウレタン、若しくはアイオノマー樹脂であるフォーピースゴルフボールを、好ましく挙げることができる。
また、カバーがポリウレタンゲル複合微粒子及びポリウレタン基材を含む第2のボールでは、中間層がポリウレタンゲル複合微粒子及びアイオノマー樹脂基材を含む層であるボールも好ましい。
その他は、第1のボールと同様である。
(iii)3のボール
第3のボールは、中間層(2層の中間層を備える場合は1層以上)が、基材のアイオノマー樹脂とポリウレタンゲル複合微粒子とを含むボールである。
各層材料
コア材料は、第1のマルチピースゴルフボールについて説明した通りである。カバーは、マルチピースゴルフボールのカバー材料として従来公知のアイオノマー樹脂、熱可塑性エラストマー、ジエン系ブロック共重合体等またはそれらの混合物を主成分とする組成物で構成することができる。
アイオノマー樹脂及び熱可塑性エラストマーについては中間層の項目で説明した通りである。ジエン系ブロック共重合体は、共役ジエン系二重結合を有するブロック共重合体又はその部分水添ブロック共重合体であり、例えば芳香族系ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体又はこれに部分的に水添したものを使用できる。芳香族系ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p-t-ブチルスチレン、1,1-ジフェニルスチレン等が挙げられる。共役ジエン系化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。芳香族ビニル系化合物及び共役ジエン系化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ジエン系ブロック共重合体は、例えばダイセル化学工業の「エポフレンド」シリーズ、クラレ社の「セプトン」シリーズ等の市販品を使用することができる。
基材としては、アイオノマー、熱可塑性エラストマー(特にウレタン系エラストマー)又はこれらの混合物を用いることが好ましい。
カバーには、基材に加えて、充填剤や、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散剤、可塑剤などの公知の添加剤が含まれていてよい。
中間層を2層有するフォーピースゴルフボールの場合は、ポリウレタンゲル複合微粒子含有層でない方の層は、第1のボールについて説明した中間層材料からなるものとすればよい。また、両層ともに微粒子及びアイオノマー樹脂を含む層であってもよい。
各層材料の好ましい組み合わせ
中間層にポリウレタンゲル複合微粒子が含まれる第3のボールの中では、コア基材がブタジエンゴムであり、カバー基材がアイオノマー樹脂、又はポリウレタンであるボール(スリーピースゴルフボール);又は、コア基材がブタジエンゴムであり、他方の中間層基材がブタジエンゴム、ポリウレタン、若しくはアイオノマー樹脂であり、カバー基材がアイオノマー樹脂、又はポリウレタンであるボール(フォーピースゴルフボール)を好ましく挙げることができる。他方の中間層にもポリウレタンゲル複合微粒子が含まれていてもよい。
また、中間層が微粒子及びアイオノマー樹脂基材を含む第3のボールでは、カバーが微粒子及びポリウレタン基材を含む層であるボールも好ましい。
各層の形状
同心状に各層が形成されたボールについて説明すると、中間層の厚みは、通常1〜3mm程度とすればよく、好ましくは1.5〜2.5mm程度とすればよい。この範囲であれば、十分な耐久性が得られるとともに、打球感が硬くなったり、反発性が低下したりすることがない。2層の中間層を備える場合は、中間層全体の厚さは通常2〜6mm程度とすればよく、そのうちのポリウレタンゲル複合微粒子含有層の厚さを1mm以上、好ましくは1.2mm以上とすればよい。カバーの厚さは、通常0.5〜2mm程度、好ましくは0.8〜2mm程度とすればよい。
リブ付きコアを備えるスリーピースゴルフボールやリブ付き第1中間層を備えるフォーピースゴルフボールのリブの高さは、通常0.5〜11.2程度、好ましくは1.8〜10.5mm程度とすればよい。
コア硬度は、JIS−D硬度で、通常35〜60D程度、好ましくは40〜55D程度とすればよい。中間層硬度は、JIS−D硬度で、通常40〜70程度、好ましくは42〜56程度とすればよい。また、カバーの硬度は、通常JIS−D硬度で40〜70程度、特に50〜60程度が好ましい。
(iv)第4のボール
第4のボールは、第3のボールにおいて、中間層(2層の中間層を有する場合は1層以上)の基材として、アイオノマー樹脂に代えてポリウレタンを含むボールである。
中間層にポリウレタンゲル複合微粒子が含まれる第4のボールの中では、コア基材がブタジエンゴムであり、カバー基材がアイオノマー樹脂、又はポリウレタンであるボール(スリーピースゴルフボール);又は、コア基材がブタジエンゴムであり、他方の中間層基材がブタジエンゴム、ポリウレタン、若しくはアイオノマー樹脂であり、カバー基材がアイオノマー樹脂、又はポリウレタンであるボール(フォーピースゴルフボール)を好ましく挙げることができる。また、他方の中間層にもポリウレタンゲル複合微粒子が含まれていてもよい。
また、中間層がポリウレタンゲル複合微粒子及びポリウレタン基材を含む第4のボールでは、カバーがポリウレタンゲル複合微粒子及びアイオノマー樹脂基材を含む層であるボールも好ましい。
このボールの中間層の厚みは、第2の組成物からなる1層のみで構成されている場合は、通常1〜3mm程度とすればよく、好ましくは1.2〜2mm程度とすればよい。この範囲であれば、柔らかい打球感が得られるとともに、反発性が低下することがない。また、2層の中間層を備える場合は、中間層全体の厚さは通常2〜6mm程度とすればよく、そのうちのポリウレタンゲル複合微粒子含有層の厚さを1mm以上、好ましくは1.2mm以上とすればよい。カバーの厚さは、通常0.5〜2mm程度、好ましくは0.8〜2mm程度とすればよい。
リブ付きコアを備えるスリーピースゴルフボールやリブを備える第1中間層を備えるフォーピースゴルフボールのリブの高さは、通常0.5〜11 mm程度、好ましくは1.8〜10.5 mm程度とすればよい。
コア硬度は、JIS−D硬度で、通常35〜60D程度、好ましくは40〜56D程度とすればよい。中間層硬度は、JIS−D硬度で、通常30〜70程度、好ましくは40〜60程度とすればよい。また、カバーの硬度は、通常JIS−D硬度で50〜75程度、特に55〜70程度が好ましい。
その他は、第3のボールについて説明したとおりである。
(v)第5のボール
第5のボールは、第3のボールにおいて、中間層(2層の中間層を有する場合は1層以上)の基材がポリウレタンに代えてブタジエンゴムであるボールである。
中間層にポリウレタンゲル複合微粒子が含まれる第5のボールの中では、コア基材がブタジエンゴムであり、カバー基材がアイオノマー樹脂、又はポリウレタンであるボール(スリーピースゴルフボール);又は、コア基材がブタジエンゴムであり、他方の中間層基材がブタジエンゴム、ポリウレタン、若しくはアイオノマー樹脂であり、カバー基材がアイオノマー樹脂、又はポリウレタンであるボール(フォーピースゴルフボール)を好ましく挙げることができる。また、他方の中間層にもポリウレタンゲル複合微粒子が含まれていてもよい。
このボールの中間層の厚みは、第2の組成物からなる1層のみで構成されている場合は、通常1〜3mm程度とすればよく、好ましくは1.2〜2mm程度とすればよい。この範囲であれば、柔らかい打球感が得られるとともに、反発性が低下することがない。また、2層の中間層を備える場合は、中間層全体の厚さは通常2〜6mm程度とすればよく、そのうちのポリウレタンゲル複合微粒子含有層の厚さを1mm以上、好ましくは1.2mm以上とすればよい。カバーの厚さは、通常0.5〜2mm程度、好ましくは0.8〜2mm程度とすればよい。
リブ付きコアを備えるスリーピースゴルフボールやリブを備える第1中間層を備えるフォーピースゴルフボールのリブの高さは、通常0.5〜11.2程度、好ましくは1.8〜10.5mm程度とすればよい。
コア硬度は、JIS−D硬度で、通常35〜60D程度、好ましくは40〜56D程度とすればよい。中間層硬度は、JIS−D硬度で、通常40〜70程度、好ましくは42〜56程度とすればよい。また、カバーの硬度は、通常JIS−D硬度で45〜75程度、特に50〜65程度が好ましい。
その他は、第3のボールについて説明したとおりである。
(v)第6のボール
本発明の第6のボールは、コアが、基材のブタジエンゴムと、ポリウレタンゲル複合微粒子とを含む層である。この中では、カバー基材がアイオノマー樹脂、若しくはポリウレタンであるボール(ツーピースゴルフボール);中間層基材がブタジエンゴム、ポリウレタン、若しくはアイオノマー樹脂であり、カバー基材がアイオノマー樹脂、若しくはポリウレタンであるボール(スリーピースゴルフボール);又は第1及び第2中間層基材が、同一若しくは異なってブタジエンゴム、ポリウレタン、若しくはアイオノマー樹脂であり、カバー基材がアイオノマー樹脂、若しくはポリウレタンであるボール(フォーピースゴルフボール)を好ましく挙げることができる。
同心状に各層が形成されている場合について説明すると、ツーピースゴルフボールの場合、コアの直径は通常36.7〜40.8mm程度、好ましくは36〜40mm程度とすればよく、カバーの厚さは通常1〜3mm程度、好ましくは1〜2.5mm程度とすればよい。
スリーピースゴルフボール又はフォーピースゴルフボールでは、コアの直径は、通常29〜39mm程度とすればよく、中間層は全体として0.5〜4mm程度、好ましくは1〜2.5mm程度とすればよい。カバーの厚さは通常1〜3mm程度、好ましくは1〜2.5mm程度とすればよい。
リブ付きコアやリブを備える第1中間層を備えるボールのリブの高さは、通常0.5〜11.2mm程度、好ましくは1.8〜10.5mm程度とすればよい。
コア硬度は通常JIS−D硬度で通常35〜60程度、好ましくは40〜56程度とすればよい。中間層硬度は通常JIS−D硬度で通常40〜70程度、好ましくは42〜56程度とすればよい。カバー硬度は通常JIS−D硬度で通常45〜75程度、好ましくは50〜65程度とすればよい。
コアの成型に当たっては、先ずブタジエンゴムと微粒子とを混練し、次いでその他の成分を添加してさらに混練する。混練には、通常使用するミキサーまたはローラーを使用すればよい。この混合物を用いて例えば圧縮成型によりコアを成型することができる。
その他は、第1のボールと同様である。
実施例
以下、本発明を、実施例および試験例を示してより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ポリウレタンゲル複合微粒子>
以下の各実施例で使用したポリウレタンゲル複合微粒子は、大日精化工業社製の熱硬化性ポリウレタン樹脂からなるダイミックビーズUCN-5070Dシリーズ(平均粒径:7μm)である。この微粒子の特性を以下の表1に示す。
Figure 2005348862
表1中、平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製;商品名:マイクロトラックX−100)を用いて、n−オクタン中で測定した。不揮発分は、赤外線水分測定装置(株式会社ケット科学研究所社製;商品名:赤外線水分計FD230)を用いて測定した。融点は、コフラーホットベンチ(Leica 社製;商品名:コフラーホットベンチ)を用いて測定した。
なお、ポリウレタンゲル複合微粒子として、上記ダイミックビーズUCN-5070Dシリーズ(平均粒径:7μm)に代えて、大日精化工業社のダイミックビーズUCN-5150Dシリーズ(平均粒径:15μm)、ダイミックビーズUCN-5300Dシリーズ(平均粒径:30μm)、ダイミックビーズUCN-5020Dシリーズ(平均粒径:2μm)、ダイミックビーズUCN-5500Dシリーズ(平均粒径:50μm)、ダイミックビーズUCN-5700Dシリーズ(平均粒径:70μm)を使用しても同様の効果が得られる。
ダイミックビーズUCN-5070Dシリーズを用いて、球状コアの表面上に層状の中間層及び層状のカバーが同心状に形成されたスリーピースゴルフボールを製造した。これらのマルチピースゴルフボールの各層の組成、寸法、重量を以下の表2〜7に示す。
表2〜10中、「+△phr」は、基材の100重量部に対してポリウレタンゲル複合微粒子UCN−1070Dを△重量部添加していることを表す。また、BRは基材としてブタジエンゴムを使用していることを示し、アイオノマーは基材としてアイオノマー樹脂を使用していることを示し、PUは基材として熱硬化性ポリウレタンを使用していることを示し、TPUは熱可塑性ポリウレタンを使用していることを示す。また、各組成物の組成については後に説明する。さらに、表2中のコアの寸法は直径を示し、中間層及びカバーの寸法は厚みを示す。
微粒子を含むブタジエンゴム層はローラーにて混練し、圧縮成形にて成形した。微粒子を含む熱可塑性樹脂層(アイオノマー樹脂層又は熱可塑性ポリウレタン層)は押出機を用いて基材と微粒子とを混練した後、成形した。微粒子を含む熱硬化性ポリウレタン層は主材に微粒子を添加し撹拌後注型成形した。
Figure 2005348862
Figure 2005348862
Figure 2005348862
Figure 2005348862
Figure 2005348862
Figure 2005348862
同様にして、以下の表8〜10の材料を用いて、球状コアの表面上に層状のカバーが形成された2ピースゴルフボールを製造した。表中の略称は前述した通りである。
Figure 2005348862
Figure 2005348862
Figure 2005348862
次に、ダイミックビーズUCN-5070Dシリーズを用いて特殊形状のマルチピースゴルフボールを製造した例について説明する。
以下の表11に示す材料を用いて2ピースゴルフボールを製造した。この2ピースゴルフボールのコア及びカバーの形状を図3に示す。図(A)がコアを示す図であり、図(B)がカバーの内表面側を示す図である。コア3は、球状であり、その表面に形成された溝部31にカバー4内面に形成された突部41が嵌合している。溝部の深さは最大2.5mmである。
Figure 2005348862
また、以下の表12の材料を用いてスリーピースゴルフボールを製造した。このスリーピースゴルフボールのコアの形状を図4に示す。コア5は、球状の本体部51と、その表面に一体形成された3本のリブ(突条)52とから構成されている。各リブ52は、本体部51の表面に描かれ相互に直交する大円に沿って延びており、これらリブ52により本体部51の表面には8個の凹陥部53が形成されている。この凹陥部53には図示しない中間層が充填されている。また、リブ52の交点には切欠部54が形成されているさらに、図示しないカバーがこれらの表面を覆っている。
Figure 2005348862
また、以下の表13の材料を用いてフォーピースゴルフボールを製造した。このフォーピースゴルフボールのコアと第1中間層とを組み合わせた形状を図5に示す。第1中間層7は、コア6の表面で互いに直交する3本のリブ71から構成されている。詳細には、各リブ71はコア6の表面に描かれ相互に直交する大円に沿って延びている。そして、これらリブ71によってコア6の表面には8個の凹陥部72が形成されている。リブ71はコア6側にいくに従ってその幅が増大するように断面台形状に形成されている。このような形状のリブ71によって、凹陥部72は3つのリブ71とわずかに露出するコア6とによって囲まれる三角錐状に形成されている。また、リブ71は互いの交点部分に切欠部73が形成されている。さらに、図示しない第2の中間層が、凹陥部72に充填され、その上に図示しないカバーが形成されている。
Figure 2005348862
表2〜表13に記載のブタジエンゴム組成物の組成を以下の表14〜16に示す。表11中の架橋開始剤は、パークミルDやパーヘキサ3M(以上、日本油脂株式会社製)又はトリゴノックス29A(化薬アクゾ株式会社製)であり、酸化防止剤は、Nocrac NS-6(大内新興化学工業株式会社製)又はVolkanox BKF(Bayer株式会社製)である。ブタジエンゴムは、ハイシポリブタジエンゴムである。
Figure 2005348862







Figure 2005348862
Figure 2005348862
また、表2〜表13に記載のアイノマー組成物、熱硬化性ポリウレタン組成物及び熱可塑性ポリウレタンエラストマー組成物の組成を以下の表17及び表18に示す。表17及び表18中、ハイミランシリーズは、三井デュポンケミカル株式会社製のアイオノマー樹脂であり、アジプレンLF950はユニロイヤル社製の熱硬化性ポリウレタンであり、ロンザキュアは ユニロイヤル株式会社製の硬化剤であり、エラストラン1190AはBASFジャパン株式会社製の熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。
Figure 2005348862
Figure 2005348862
飛距離試験>
各実施例及び比較例のボールを、ミヤマエ株式会社製の打撃ロボット(商品名:SHOT ROBO V :ショットロボ ファイブ)にドライバー(1番ウッド)(ミズノ株式会社製、商品名:ミズノMP−001、仕様:ロフト角9.5°、シャフトは、長さ45インチ(114.3cm)、シャフト硬さSのツアースピリットMPカーボンシャフト装着)を取り付け、ヘッドスピード45m/秒に設定して各ボールを打撃し、キャリー(着弾点までの距離)を測定した。各例5回づつ行い、平均値を求めた。
<フィーリング>
各実施例及び比較例のボールを、トップアマチュアゴルファー10名が、1番ウッド及び5番アイアンを用いて打撃し、フィーリングは10人の5段階評価(1:柔らかい、2:やや柔らかい、3:どちらでもない、4:やや硬い、5:硬い)の平均値で評価した。
<耐久性試験>
各実施例及び比較例のボールを、エアガンを使用して40m/秒の速度で、エアガンの先端から2.5m離れた鉄製の衝突板に繰り返し衝突させ、ボール表面の割れや層剥離による変形が観察されるまでの回数を測定した。各例3個のボールについて試験を行い、平均値を求めた。結果を以下のようにして表す。
◎:300回以上
○:200〜299回
△:150〜199回
×:100〜149回
××:99回以下
<塗装テスト>
各実施例及び比較例のボールを、ミヤマエ社製の打撃ロボット(SHOT ROBO V :ショットロボ ファイブ)にショートアイアン(ミズノ株式会社製、T−ZOID COMP PLUS 7I(7番アイアン)、ロフト角33°、シャフト:T−ZOIDオリジナルカーボンシャフト、硬さSR)を取り付け、ヘッドスピード36m/秒に設定して各ボールの同一箇所を10回づつ打撃した。打撃部分を観察し、塗膜の損傷を以下の4段階で評価した。
◎:塗膜の剥がれや割れが殆ど見られない
○:わずかに塗膜の割れが見られる
△:塗膜の剥がれ、割れが明確に見える
×:1回の打撃で塗膜の剥がれ、割れが見られる
上記の試験結果を以下の表19及び表20に示す。表19は球状コアと層状の中間層及びカバーとからなる通常の3ピースゴルフボールの結果を示し、表20は、球状コアとカバーとからなる通常の2ピースゴルフボールの結果、並びに特殊形状のマルチピースゴルフボール(凹溝を有するコアを備えた2ピースゴルフボール、リブを有するコアを備えた3ピースゴルフボール、並びにコア、リブを備えた第1中間層、第2中間層、及びカバーを有する4ピースゴルフボール)の結果を示す。
Figure 2005348862
Figure 2005348862
表19及び表20から明らかなように、本発明の各実施例のボールは、長い飛距離と打球時のソフトフィーリングとを兼ね備えたボールであった。また、耐久性及び塗装の強度にも優れていた。これに対して、ポリウレタンゲル複合微粒子を添加しないボールでは、打球感が硬かった。また、ポリウレタンゲル複合微粒子を過剰に添加した場合は、飛距離が短くなり、また耐久性が低かった。
また、ポリウレタンゲル複合微粒子を含まないアイオノマーカバーは塗膜の強度が比較的低かったが、この微粒子を含む本発明実施例のボールでは塗膜の強度に優れていた。
ポリウレア微粒子の構成を説明する図である。 ポリウレタンゲル複合微粒子の構成を説明する図である。 本発明の1実施例である2ピースゴルフボールのコアの構成を示す図である。図(A)がコアを示す図であり、図(B)がカバーの内表面側を示す図である。 本発明の1実施例である3ピースゴルフボールのコア及び中間層の構成を示す図である。 本発明の1実施例である4ピースゴルフボールのコア及び第1中間層の構成を示す図である。
符号の説明
11 ポリマー鎖
12 ウレアドメイン
21 ポリウレタンゲル微粒子
22 ポリウレアコロイド粒子
3 コア
31 溝部
4 カバー
41 突部41
5 コア
51 本体部
52 リブ(突条)
53 凹陥部
54 切欠部
6 コア
7 中間層
71 リブ(突条)
72 凹陥部
73 切欠部

Claims (23)

  1. 少なくともいずれか一方が3官能以上である、ポリイソシアネート化合物とポリエチレンオキサイド基を有さない活性水素を有する化合物とからなる3次元架橋したポリウレタンゲル微粒子の表面が、ポリウレアコロイド非水溶媒溶液から析出したポリウレアコロイド粒子によって被覆されているポリウレタンゲル複合微粒子と、合成樹脂及びエラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の基材とを含むゴルフボール形成用組成物。
  2. 基材が、アイオノマー樹脂、ポリウレタン又はブタジエンゴムを含むものである請求項1に記載の組成物。
  3. ポリウレタンゲル複合微粒子を構成するポリウレアコロイド粒子が、溶媒に対して溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成されており、非溶媒和部分の粒子径が0.01〜1μmである請求項1又は2に記載の組成物。
  4. ポリウレタンゲル複合微粒子を構成するポリウレアコロイド粒子が、油脂変性ポリオールとポリイソシアネートとポリアミン化合物との反応で得られるポリウレアコロイド粒子であって、非溶媒和部分がウレア結合どうしの水素結合からなっている請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. ポリウレタンゲル複合微粒子を構成するポリウレアコロイド粒子の非溶媒和部分が、さらに、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基による結合で形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. ポリウレタンゲル微粒子の粒子径が0.5〜100μmの範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 基材がアイオノマー樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. ポリウレタンゲル複合微粒子を基材100重量部に対して0.1〜40重量部含む請求項7に記載の組成物。
  9. 基材がポリウレタンである請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  10. ポリウレタンゲル複合微粒子を基材100重量部に対して0.1〜40重量部含む請求項9に記載の組成物。
  11. 基材がブタジエンゴムである請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  12. ポリウレタンゲル複合微粒子を基材100重量部に対して0.1〜30重量部含む請求項11に記載の組成物。
  13. コアと1層若しくは2層の中間層とカバーとを備えるか、又はコアとカバーとを備え、カバーが請求項7〜10のいずれかに記載の組成物からなる層であるマルチピースゴルフボール。
  14. コアの基材がブタジエンゴムであり、中間層を有する場合は中間層の基材がブタジエンゴム、ポリウレタン又はアイオノマー樹脂である請求項13に記載のマルチピースゴルフボール。
  15. コアと1層又は2層の中間層とカバーとを備え、中間層の少なくとも1層が請求項7〜12のいずれかに記載の組成物からなる層であるマルチピースゴルフボール。
  16. コアの基材がブタジエンゴムであり、カバーの基材がアイオノマー樹脂又はポリウレタンであり、2層の中間層を備えそのうちの1層が請求項7〜12のいずれかに記載の組成物からなる場合は、他方の中間層の基材がブタジエンゴム、ポリウレタン又はアイオノマー樹脂である請求項15に記載のマルチピースゴルフボール。
  17. コアと1層若しくは2層の中間層とカバーとを備えるか、又はコアとカバーとを備え、コアが請求項11又は12に記載の組成物からなる層であるマルチピースゴルフボール。
  18. 中間層を有する場合は中間層の基材がブタジエンゴム、ポリウレタン又はアイオノマー樹脂であり、カバーの基材がアイオノマー樹脂又はポリウレタンである請求項17に記載のマルチピースゴルフボール。
  19. コアと、1層の中間層と、カバーとを備えるマルチピースゴルフボールであって、コアは球状の本体部と、この本体部の表面に形成される複数のリブとを備え、中間層はリブによって囲まれる凹陥部に充填されている請求項13〜18のいずれかに記載のマルチピースゴルフボール。
  20. リブは隣接する凹陥部間を連通する少なくとも1つの切欠部を備えている請求項19に記載のマルチピースゴルフボール。
  21. コア、第1の中間層、第2の中間層、及びカバーを備えたマルチピースゴルフボールであって、第1の中間層はコア上に形成される複数のリブを備え、第2の中間層はリブによって囲まれる凹陥部に充填され、カバーは最外層を形成している請求項13〜18のいずれかに記載のマルチピースゴルフボール。
  22. リブは隣接する凹陥部間を連通する少なくとも1つの切欠部を備えている請求項21に記載のマルチピースゴルフボール。
  23. コアと、これを被覆するカバーとを備えたマルチピースゴルフボールであって、コアはその表面に描かれ互いに直交する3つの大円上に溝部を備えており、カバーの内面には、溝部に嵌合する突部が形成されている請求項13、14、17及び18のいずれかに記載のマルチピースゴルフボール。
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