JP2011240123A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【解決手段】ソリッドコアと1層以上のカバーとを具備し、最外層のカバー表面に多数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、上記ディンプルの個数が250個以上,500個以下、ディンプル体積占有率(VR)が1.00〜1.40%であり、ボールに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ変形量が4.0〜6.0mmであり、USGAのドラム回転式の初速度計と同方式の初速測定器を用いて測定したボールの初速度が70.0〜76.0m/sであることを特徴とするゴルフボール。
【効果】高HSで打撃した際の飛距離を大きく低減させる一方、低HSで打撃した際の飛距離低下を抑えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソリッドコアと1層以上のカバーとを具備し、最外層のカバー表面に多数のディンプルを有するゴルフボールに関し、更に詳述すると、高ヘッドスピード(以下、「HS」と表記することもある。)での打撃時における飛距離を大きく低減すると同時に、低HSでの打撃時における飛距離低減の度合いが小さいゴルフボールに関するものである。
近年のボールやクラブ等のゴルフ用具の進化により、ボールがますます飛ぶようになった。そのため、プレーの公平を保つために、例えば、クラブであればヘッドの大きさや、シャフトの長さ等が定められ厳格にルール化されている。同様に、ボールにおいても大きさや重さ、初速度等が定められ、プレーの平等性を損なうようなボールの飛びすぎが規制されている。
ゴルフボールについても規制の動きが加速しており、プロが使用する条件、即ち、高HS条件における飛距離の上限が更に規制される可能性がある。通常、高HS条件での飛距離を低減すると、一般的なアマチュアプレイヤーが使用する条件、即ち、低HS条件においても同程度に飛距離が低下してしまう。そのため、上記の規制を満足しながら、一般的なアマチュアプレイヤーが使用する際の飛距離の低減ができるだけ少ないことが望まれる。
通常、ボールの飛距離を抑制するためには、初速度を抑えることが行われるが、この場合、ヘッドスピードが大きい場合であっても、小さい場合であっても同程度の割合で飛距離が低下することが多い。そのため、このようなボールは、低HSのプレーヤーに対するデメリットが大きい。
また、その他の手段として、ボール表面のディンプルを最適化又は適正化を図ることにより飛びの弾道を低くして飛距離の低下を抑制したゴルフボールが種々提案されている。
例えば、特開平05−103846号公報(特許文献1)には、ディンプルの直径、深さ及び個数を適正化したゴルフボールが提案されている。また、特開平10−043342号公報(特許文献2)、特開平10−043343号公報(特許文献3)には、ボールの100kgf荷重負荷時の変形量を適正化すると共に、ディンプル直径をディンプル深さで割った値を10〜15とすること、或いは、ボール表面にディンプルが無いと仮定した仮想球面の全体積に対するディンプル空間体積の割合を0.7〜1.1%としたゴルフボールが提案されている。更に、特開2000−107338号公報(特許文献4)には、ボールの重量及び直径を適正化した練習用ゴルフボールが記載されている。
特開平05−103846号公報 特開平10−043342号公報 特開平10−043343号公報 特開2000−107338号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高HS領域における飛距離を抑制しながら、低HS領域において優位な飛距離を得ることのできるゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討行った結果、ソリッドコアと1層以上のカバーとを具備し、最外層のカバー表面に多数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、最外層のカバー表面に形成されるディンプルについて、ディンプル個数、ディンプル体積占有率(VR)を特定化すると共に、ボール全体のたわみ変形量及び初速度を適正化することにより、高HSで打撃した際の飛距離を大きく低減させつつ、低HSで打撃した際の飛距離低下を抑制できることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明のゴルフボールは、ボール初速やコア初速を低下させる通常の方法とは異なり、低弾道ディンプルをボールの内部構造に組み合わせることにより、高HSではボールの飛距離を大きく低減させながら、低HSでは、高HSの低減の割には、飛距離低下を可及的に抑えることができるものである。なお、上記の「飛距離」とは、キャリーのほか、ランも含めたトータル距離の両方を意味する。
従って、本発明は、下記のゴルフボールを提供する。
[1]ソリッドコアと1層以上のカバーとを具備し、最外層のカバー表面に多数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、上記ディンプルの個数が250個以上,500個以下、ディンプル体積占有率(VR)が1.00〜1.40%であり、ボールに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ変形量が4.0〜6.0mmであり、USGAのドラム回転式の初速度計と同方式の初速測定器を用いて測定したボールの初速度が70.0〜76.0m/sであることを特徴とするゴルフボール。
[2]ヘッドスピード54m/s、ボールの初速度78.0±0.5m/s、打出角9.7±0.5度、初期バックスピン量2700±100rpmの条件におけるトータル飛距離が290ヤード以下である[1]記載のゴルフボール。
[3]ヘッドスピード54m/sで打撃した場合とヘッドスピード35m/sで打撃した場合のトータル飛距離の比(HS54/HS35)が1.30〜1.50である[1]又は[2]記載のゴルフボール。
[4]上記VR及び上記たわみ変形量が下記式
4×VR+たわみ変形量 = 8.0〜10.0
の関係を満たす[1]〜[3]のいずれか1項に記載のゴルフボール。
本発明のゴルフボールは、高HSでの飛距離の大幅な低減の割には、低HSでの飛距離低下を可及的に抑えることができるものであり、特に低HSを有する競技者が好適に使用できるものである。
本発明に係るゴルフボールの内部構造の一例を示す断面図である。 本発明で使用されるディンプルを説明するための模式図である。 実施例及び比較例のボールで使用したディンプルパターン(I)を表す平面図である。 実施例のボールで使用したディンプルパターン(II)を表す平面図である。 比較例のボールで使用したディンプルパターン(III)を表す平面図である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、ソリッドコア(以下、単に「コア」と表記することもある。)と、1層以上のカバーとを具備し、最外層のカバーの表面に多数のディンプルを形成したゴルフボールであり、特定範囲のボール全体のたわみ変形量及び初速度を有し、これに後述する特定の条件を満たすディンプルとを組み合わせることにより、高HSで打撃した際の飛距離を大きく低減させつつ、低HSで打撃した際の飛距離低下を抑制できるようにしたものである。ここで、本発明でいう高HSの領域とは、概ね50〜60m/sを意味し、一方、低HSの領域とは30〜40m/sを意味する。
本発明のゴルフボールGの内部構成は、コアと1層以上のカバー備えていればよく、本発明の目的を逸脱しない範囲において適宜設定し得るものであり、特に制限されるものではない。例えば、内層及び外層の2層のカバーを有するスリーピースソリッドゴルフボールである場合、図1に示すように、少なくともコア1と、該コア1を覆う内層カバー2と、該内層カバー2を覆う外層カバー3とを具備する三層構造を有するものとなる。なお、ボールが2層以上のカバーを有する多層構造である場合、本発明では、全ての層を併せて「カバー」と表記することもある。即ち、図1に示したスリーピースソリッドゴルフボールである場合は、上記の内層カバー2と外層カバー3とを併せて「カバー」と表記することもある。上記外層カバー3の表面には、通常、多数のディンプルDが形成されており、このディンプルDは後述する本発明の諸要件を満足している。なお、図1では、コア1、内層カバー2及び外層カバー3を形成して3層構造とした構成を示したが、上述した通り、その構成は、本発明の目的を逸脱しない範囲において適宜変更することができ、必要に応じてカバーを1層もしくは3層以上に形成することもできる。また、コア1を複数層に形成することもできる。
本発明におけるコアは、例えば、基材ゴムに、共架橋剤、有機過酸化物、不活性充填剤、硫黄,有機硫黄化合物等を含有するゴム組成物を用いて形成することができる。該ゴム組成物の基材ゴムとしては、公知のポリブタジエンを主材とするものが好ましく用いられる。
また、本発明では、必要に応じて、コアの反発性向上を目的として、基材ゴムに有機硫黄化合物を配合することができる。有機硫黄化合物を配合する場合、その配合量は、基材ゴム100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上することができ、配合量の上限は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは2質量部以下とすることができる。有機硫黄化合物の配合量が少なすぎると、コアの反発性向上効果が十分に得られない場合があり、逆に、その配合量が多すぎると、コアの硬度が軟らかくなりすぎて、フィーリングが悪くなり、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
上記コアの直径は、特に制限されるものでないが、30〜42mmに設定することができる。この場合、好ましい下限値は32mm以上であり、より好ましくは34mm以上、更に好ましくは35mm以上である。また、好ましい上限値は41mm以下とすることができ、より好ましくは40mm以下、更に好ましくは39mm以下、最も好ましくは38mm以下とすることができる。
また、上記コアのたわみ量、即ち、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)まで負荷したときの圧縮たわみ量は、特に制限されるものではないが、3.0〜9.0mmの範囲内とすることができる。この場合、好ましい下限値は3.5mm以上であり、より好ましくは4.0mm以上、更に好ましくは4.5mm以上である。また、好ましい上限値は8.0mm以下とすることができ、より好ましくは7.0mm以下とすることができる。上記範囲よりもコアが硬すぎる(たわみ量が小さい)と、高HSで打撃した場合に、飛距離低減効果が十分に得られない場合がある。逆に、上記範囲よりもコアが軟らかすぎる(たわみ量が大きい)と、打感が軟らかくなりすぎたり、繰り返し打撃した時の割れ耐久性が悪くなることがある。
また、上記コアの比重は、特に制限されるものではないが、0.9〜1.4の範囲内とすることができる。この場合、好ましい下限値は1.0以上であり、より好ましくは1.1以上である。また、その好ましい上限値は1.3以下とすることができ、より好ましくは1.2以下とすることができる。
本発明では、上記材料を用いてソリッドコア1を形成することによって、反発性の向上を図ることができるため、安定した弾道を得ることができるゴルフボールを提供することができる。
本発明のゴルフボールGは、上記ソリッドコア1の周囲に1層以上のカバーを形成する。本発明では形成するカバーの層の数、材料硬度(ショアD)及び厚さは、本発明の目的を逸脱しない範囲において適宜設定し得るものであり、特に制限されるものではない。例えば、上記コア1の周囲に内層カバー2及び外層カバー3の2層のカバーを形成して、図1に示すスリーピースソリッドゴルフボールを作製する場合は、以下のように設定することができる。ここで、材料硬度(ショアD)とは、カバー用材料を約2mmの厚さにプレス成形したシートについて、ASTM D2240に準じてタイプDデュロメータを用いて測定した硬度である。
まず、内層カバーの材料硬度(ショアD)は、特に制限されるものではないが、30以上とすることができ、好ましくは35以上、更に好ましくは40以上、最も好ましくは45以上とすることができる。また、その上限は、66以下であり、好ましくは63以下、更に好ましくは60以下であることが推奨される。内層カバーの材料硬度(ショアD)が高すぎた場合は、打感が悪くなったりする場合がある。
上記内層カバーの厚さは、特に制限されるものではないが、0.5mm以上とすることができ、好ましくは0.7mm以上、より好ましくは1.0mm以上、更に好ましくは1.3mm以上とすることができる。また、その上限は、3.0mm以下であり、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.3mm以下、最も好ましくは2.2mm以下であることが推奨される。内層カバーが薄すぎると耐久性が悪くなる場合があり、厚すぎた場合は、打感が良好でない場合がある。
また、外層カバーの材料硬度(ショアD)は、特に制限されるものではないが、35以上とすることができ、好ましくは40以上、より好ましくは43以上、更に好ましくは46以上とすることができる。また、その上限は、65以下であり、好ましくは63以下、更に好ましくは61以下、最も好ましくは60以下であることが推奨される。外層カバーの材料硬度(ショアD)が低すぎると、打感が軟らかくなりすぎる場合があり、高すぎた場合は、耐久性が悪くなったり、打感が悪くなる場合がある。
上記外層カバーの厚さは、特に制限されるものではないが、0.5mm以上とすることができ、好ましくは0.7mm以上、より好ましくは0.8mm以上とすることができる。また、その上限は、3.0mm以下であり、好ましくは2.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは1.6mm以下であることが推奨される。外層カバーの厚さが上記範囲を逸脱した場合は、打感や耐久性の悪化を招くおそれがある。
本発明において、上記カバーは公知の材料にて形成することができ、特に制限されるものではないが、例えば、アイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂や各種の熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。熱可塑性エラストマーとして具体的には、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
本発明において、このようなカバー材料としては、特に制限されるものではないが、下記に示したポリウレタン材料(I)、ポリウレタン材料(II)及びアイオノマー樹脂材料の群から選ばれる材料を主材として好適に使用することができる。以下、これらの材料について、成形方法を含め順に説明する。
ポリウレタン材料(I)
この材料(I)は、下記(A)成分及び(B)成分を主成分とするものである。
(A)熱可塑性ポリウレタン材料
(B)1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物(B−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(B−2)中に分散させたイソシアネート混合物
この材料(I)によってカバーを形成したゴルフボールは、フィーリング、コントロール性、耐カット性、耐擦過傷性、繰り返し打撃したときの割れ耐久性に優れたものとすることができる。
次に、上記の各成分について説明する。
(A)熱可塑性ポリウレタン材料の構造は、高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、ハードセグメントを構成する鎖延長剤及びジイソシアネートからなる。ここで、原料となる高分子ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、ポリエステル系とポリエーテル系があり、反発弾性率が高く、低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタン材料を合成できる点で、ポリエーテル系の方がポリエステル系に比べて好ましい。ポリエーテルポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられるが、反発弾性率と低温特性の点でポリテトラメチレングリコールが特に好ましい。また、高分子ポリオールの平均分子量は1,000〜5,000であることが好ましく、特に反発弾性の高い熱可塑性ポリウレタン材料を合成するためには2,000〜4,000であることが好ましい。
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば、1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら鎖延長剤の平均分子量は20〜15,000であることが好ましい。
ジイソシアネートとしては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。本発明では、後述する(B)イソシアネート混合物との反応性の安定性から、芳香族ジイソシアネートである4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。
上述した材料からなる熱可塑性ポリウレタン材料としては、市販品を好適に用いることができ、例えば、商品名「パンデックスT−8290」、「同T−8295」、「同T8260」(ディーアイシーバイエルポリマー社製)や、商品名「レザミン2593」、「同2597」等(大日精化工業社製)が挙げられる。
(B)イソシアネート混合物は、1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物(B−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(B−2)中に分散させたものである。ここで、上記イソシアネート化合物(B−1)としては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、反応性、作業安全性の面から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最適である。
また、前記熱可塑性樹脂(B−2)としては、吸水性が低く、熱可塑性ポリウレタン材料との相溶性に優れた樹脂が好ましい。このような樹脂として、例えばポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルエラストマー(ポリエーテル・エステルブロック共重合体、ポリエステル・エステルブロック共重合体等)が挙げられるが、反発弾性、強度の点からポリエステルエラストマー、中でもポリエーテル・エステルブロック共重合体が特に好ましい。
(B)イソシアネート混合物における熱可塑性樹脂(B−2):イソシアネート化合物(B−1)の配合比は、質量比で100:5〜100:100、特に100:10〜100:40であることが好ましい。熱可塑性樹脂(B−2)に対するイソシアネート化合物(B−1)の配合量が少なすぎると、(A)熱可塑性ポリウレタン材料との架橋反応に十分な添加量を得るためにはより多くの(B)イソシアネート混合物を添加しなくてはならず、熱可塑性樹脂(B−2)の影響が大きく作用することで材料の物性が不十分となる。熱可塑性樹脂(B−2)に対するイソシアネート化合物(B−1)の配合量が多すぎると、イソシアネート化合物(B−1)が混練り中にすべり現象を起こし、(B)イソシアネート混合物の合成が困難となる。
(B)イソシアネート混合物は、例えば、熱可塑性樹脂(B−2)にイソシアネート化合物(B−1)を配合し、これらを温度130〜250℃のミキシングロール又はバンバリーミキサーで十分に混練して、ペレット化又は冷却後粉砕することにより得ることができる。イソシアネート混合物(B)としては、市販品を好適に用いることができ、例えば、商品名「クロスネートEM30」(大日精化工業社製)等が挙げられる。
上記材料(I)は、前述した(A)熱可塑性ポリウレタン材料及び(B)イソシアネート混合物を主成分とするものである。この材料(I)において、(A)熱可塑性ポリウレタン材料100質量部に対する(B)イソシアネート混合物の配合量は、1質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、その上限は、100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。(A)熱可塑性ポリウレタン材料に対する(B)イソシアネート混合物の配合量が少なすぎると架橋効果が十分に発現せず、多すぎると未反応のイソシアネートが成形物に着色現象を起こさせることがあるので好ましくない。
材料(I)には、必須成分ではないが、上述した(A)及び(B)成分に加えて更に他の成分(C)を配合することができる。このような他の成分としては、例えば、熱可塑性ポリウレタン材料以外の熱可塑性高分子材料を挙げることができ、より具体的には、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アイオノマー樹脂、スチレンブロックエラストマー、ポリエチレン、ナイロン樹脂等を挙げることができる。上記(C)成分を配合する場合、その配合量は、カバー材の硬度の調整、反発性の改良、流動性の改良、接着性の改良等に応じて適宜選択され、特に制限されるものではないが、上記(A)成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上とすることができ、その上限は、100質量部以下、好ましくは75質量部以下、更に好ましくは50質量部以下とすることができる。また、上記材料(I)には、必要に応じて種々の添加剤を更に配合することもでき、例えば、顔料、分散剤、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤等を適宜配合することができる。
上記材料(I)を用いてカバーを形成する場合、公知の成形方法を採用することができ、例えば、(A)熱可塑性ポリウレタン材料に(B)イソシアネート混合物を添加してドライミキシングし、得られた混合物を射出成形機に供給し、コアの周囲に溶融した樹脂配合物を射出することによりカバーを成形することができる。この場合、成形温度は(A)熱可塑性ポリウレタン材料の種類によって異なるが、通常150〜250℃の範囲である。
上記のようにして得られたゴルフボールカバーの反応形態、架橋形態としては、熱可塑性ポリウレタン材料の残存OH基にイソシアネート基が反応してウレタン結合を形成したり、熱可塑性ポリウレタン材料のウレタン基にイソシアネート基の付加反応が生じ、アロファネート、ビュレット架橋形態を形成したりすると考えられる。この場合、材料(I)の射出成形直後は架橋反応が十分に進んでいないが、成形後にアニーリングを行うことにより架橋反応が進行し、ゴルフボールカバーとして有用な特性を保持するようになる。ここで、アニーリングとは、カバーを一定温度、一定時間で加熱熟成したり、室温で一定期間熟成したりすることをいう。
ポリウレタン材料(II)
この材料(II)は、(D)熱可塑性ポリウレタン及び(E)ポリイソシアネート化合物を主成分とする単一な樹脂配合物である。このようなポリウレタン材料(II)を主成分としてカバーを形成すると、反発性を損なうことなく、優れたフィーリング、コントロール性、耐カット性、耐擦過傷性、繰り返し打撃したときの割れ耐久性を得ることができる。
ここで、「単一な」樹脂配合物とは、樹脂配合物を複数種のペレットとして供給するのではなく、複数の成分を1つのペレットに調製した1種類のペレットとして射出成形機等に供してカバーを成形することを意味する。
本発明の効果を十分有効に発揮させるためには、必要十分量の未反応のイソシアネート基がカバー樹脂材料中に存在すればよく、具体的には、上記の(D)成分と(E)成分とを合わせた合計質量が、カバー全体の質量の60%以上であることが推奨されるものであり、より好ましくは、70%以上である。以下、上記(D)成分及び(E)成分について詳述する。
上記(D)熱可塑性ポリウレタンについて述べると、その熱可塑性ポリウレタンの構造は、長鎖ポリオールである高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、鎖延長剤及びポリイソシアネート化合物からなるハードセグメントとを含む。ここで、原料となる長鎖ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、共役ジエン重合体系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン系ポリオール、ビニル重合体系ポリオール等を挙げることができる。これらの長鎖ポリオールは1種類のものを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、反発弾性率が高く低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタンを合成できる点で、ポリエーテルポリオールが好ましい。
上記のポリエーテルポリオールとしては、例えば、環状エーテルを開環重合して得られるポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)等を挙げることができる。これらのポリエーテルポリオールは、1種類のものを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、ポリ(テトラメチレングリコール)及びポリ(メチルテトラメチレングリコール)を好適に用いることができる。
これらの長鎖ポリオールの数平均分子量としては1,500〜5,000の範囲内であることが好ましい。かかる数平均分子量を有する長鎖ポリオールを使用することにより、上記した反発性や生産性等の種々の特性に優れた熱可塑性ポリウレタン組成物からなるゴルフボールを確実に得ることができる。長鎖ポリオールの数平均分子量は、1,700〜4,000の範囲内であることがより好ましく、1,900〜3,000の範囲内であることが更に好ましい。
なお、上記の長鎖ポリオールの数平均分子量とは、JIS−K1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量400以下の低分子化合物であることが好ましい。具体的には、1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、本発明においては、炭素数2〜12の脂肪族ジオールが好ましく、1,4−ブチレングリコールがより好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限はない。具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートからなる群から選択された1種又は2種以上を用いることができる。ただし、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。本発明においては、生産時の安定性と発現される物性とのバランスとの観点から、芳香族ジイソシアネートである4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。
上記(D)成分の熱可塑性ポリウレタンとして最も好ましいものは、長鎖ポリオールとしてポリエーテルポリオール、鎖延長剤として脂肪族ジオール、ポリイソシアネート化合物として芳香族ジイソシアネートを用いて合成される熱可塑性ポリウレタンであって、上記ポリエーテルポリオールが数平均分子量1,900以上のポリテトラメチレングリコール、上記鎖延長剤が1,4−ブチレングリコール、上記ポリイソシアネート化合物が4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのものであるが、特にこれらに限られるものではない。
また、上記ポリウレタン形成反応における活性水素原子:イソシアネート基の配合比は、上記した反発性、スピン性能、耐擦過傷性及び生産性等の種々の特性がより優れた熱可塑性ポリウレタン組成物からなるゴルフボールを得ることができるよう、好ましい範囲にて調整することができる。具体的には、上記の長鎖ポリオールと、ポリイソシアネート化合物及び鎖延長剤とを反応させて熱可塑性ポリウレタンを製造するに当たり、長鎖ポリオールと鎖延長剤とが有する活性水素原子1モルに対して、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が0.95〜1.05モルとなる割合で各成分を使用することが好ましい。
上記(D)成分の製造方法は特に限定されず、長鎖ポリオール、鎖延長剤及びポリイソシアネート化合物を使用して、公知のウレタン化反応を利用して、プレポリマー法、ワンショット法のいずれで製造してもよい。そのうちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶融重合により製造することが好ましい。
また、上記(D)成分としては、市販品を用いることもでき、例えば、商品名「パンデックスT8295」、「同T8290」、「同T8260」(ディーアイシーバイエルポリマー社製)等が挙げられる。
次に、上記(E)成分として用いられるポリイソシアネート化合物については、単一な樹脂配合物中において少なくとも一部が、一分子中の全てのイソシアネート基が未反応状態で残存していることが必要である。即ち、単一な樹脂配合物中に一分子中のすべてのイソシアネート基が完全にフリーな状態であるポリイソシアネート化合物が存在すればよく、このようなポリイソシアネート化合物と、一分子中の一部がフリーな状態のポリイソシアネート化合物とが併存していてもよい。
このポリイソシアネート化合物としては、特に制限はないが、各種のイソシアネートを採用することができ、具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートからなる群から選択された1種又は2種以上を用いることができる。上記のイソシアネートの群のうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートを採用することが、(D)成分の熱可塑性ポリウレタンとの反応に伴う粘度上昇等による成形性への影響と、得られるゴルフボールカバー材料の物性とのバランスとの観点から好適である。
材料(II)には、必須成分ではないが、上記(D)及び(E)成分に加えて、更に(F)成分として、上記熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性エラストマーを配合することができる。この(F)成分を上記樹脂配合物に配合することにより、樹脂配合物の更なる流動性の向上や反発性、耐擦過傷性等、ゴルフボールカバー材として要求される諸物性を高めることができる。
この(F)成分、上記熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性エラストマーとして、具体的には、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アイオノマー樹脂、スチレンブロックエラストマー、水添スチレンブタジエンゴム、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体又はその変性物、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体又はその変性物、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体又はその変性物、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリエチレン及びナイロン樹脂から選ばれ、その1種又は2種以上を用いることができる。特に、生産性を良好に維持しつつ、イソシアネート基との反応により、反発性や耐擦過傷性が向上すること等の理由から、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー及びポリアセタールを採用することが好適である。
上記(D)、(E)及び(F)成分の組成比については、特に制限はないが、本発明の効果を十分に有効に発揮させるためには、質量比で(D):(E):(F)=100:2〜50:0〜50であることが好ましく、更に好ましくは、(D):(E):(F)=100:2〜30:8〜50(質量比)である。
本発明では、上記(D)成分と(E)成分、更に任意成分の(F)成分を混合してカバー形成用の単一な樹脂配合物を調製するが、その際、ポリイソシアネート化合物の少なくとも一部に、全てのイソシアネート基が未反応状態で残存するポリイソシアネート化合物が存在するような条件を選択する必要がある。例えば、窒素ガス等の不活性ガスや真空状態で混合すること等の処置を講ずる必要がある。この樹脂配合物は、その後に金型に配置されたコア周囲に射出成形されることになるが、その取り扱いを円滑かつ容易に行う理由から、長さ1〜10mm、直径0.5〜5mmのペレット状に形成することが好ましい。この樹脂ペレット中には、未反応状態のイソシアネート基が十分に残存しており、コアに射出成形している間やその後のアニーリング等の後処理により、未反応イソシアネート基は(D)成分や(F)成分と反応して架橋物を形成する。
更に、このカバー形成用の樹脂配合物には、必要に応じて、種々の添加剤を配合することができ、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤等を適宜配合することができる。
この樹脂配合物の210℃におけるメルトマスフローレート(MFR)値は、特に制限はないが、流動性及び生産性を高める点から、5g/10min以上が好ましく、より好ましくは、6g/10min以上である。樹脂配合物のメルトマスフローレートが少ないと流動性が低下してしまい、射出成形時に偏芯の原因となるだけでなく、成形可能なカバー厚みの自由度が低くなるおそれがある。なお、上記のメルトマスフローレートの測定値は、JIS−K7210(1999年版)に準拠した測定値である。
上記カバーを成形する方法としては、例えば、射出成形機に上述の樹脂配合物を供給し、コアの周囲に溶融した樹脂配合物を射出することによりカバーを成形することができる。この場合、成形温度は、熱可塑性ポリウレタン等の種類によって異なるが、通常150〜250℃の範囲である。
なお、射出成形を行う場合、樹脂供給部から金型内に至る樹脂経路の一部又は全ての個所において、窒素等の不活性ガス又は低露点ドライエア等の低湿度ガスによるパージ又は真空処理等により低湿度環境下で成形を行なうことが望ましいが、これに限定されるものではない。また、樹脂搬送時の圧送媒体としても、低露点ドライエア又は窒素ガス等の低湿度ガスが好ましいが、これらに限定されるものではない。上記の低湿度環境下で成形を行うことにより、樹脂が金型内部に充填される前のイソシアネート基の反応の進行を抑制し、ある程度イソシアネート基が未反応状態の形態のポリイソシアネートを樹脂成形物に含めることにより、不要な粘度上昇等の変動要因を減少させ、また、実質的な架橋効率を向上させることができる。
なお、コア周囲に射出成形する前の樹脂配合物中における未反応状態のポリイソシアネート化合物の存在を確認する手法としては、該ポリイソシアネート化合物のみを選択的に溶解させる適当な溶媒により抽出し、確認する手法等が考えられるが、簡便な方法としては不活性雰囲気下での示差熱熱重量同時測定(TG−DTA測定)により確認する手法が挙げられる。例えば、上記の単一な樹脂配合物(材料(II))を窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minにて加熱していくと、約150℃程度から緩やかなジフェニルメタンジイソシアネートの重量減少を確認することができる。一方、熱可塑性ポリウレタン材料とイソシアネート混合物との反応を完全に行った樹脂サンプルでは約150℃からの重量減少は確認されず、230〜240℃程度からの重量減少を確認することができる。
上記材料(II)を射出成形してカバーを成形した後、アニーリングを行って架橋反応を更に進行させ、ゴルフボールカバーとしての特性を更に改良することも可能である。ここで、アニーリングとは、一定環境下で一定期間熟成させることをいう。
アイオノマー樹脂材料
本発明におけるアイオノマー樹脂材料とは、オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属塩及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属塩を主材とした樹脂組成物である。
上記のオレフィンは、通常炭素数2以上、上限として8以下、特に6以下のものが好ましく、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等が挙げられ、特にエチレンであることが好ましい。
また、不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸であることが好ましい。
そして、不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステル等が好適で、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができ、特にアクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)が好ましい。
上記のランダム共重合体は、上記成分を公知の方法に従ってランダム共重合させることにより得ることができる。ここで、ランダム共重合体中に含まれる不飽和カルボン酸の含量(酸含量)は、特に制限されるものではないが、通常2質量%以上、好ましくは6質量%以上、更に好ましくは8質量%以上とすることができる。また、不飽和カルボン酸含量(酸含量)の上限も特に制限されないが、通常25質量%以下、好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下であることが推奨される。酸含量が少ないと反発性が低下する可能性があり、多いと材料の加工性が低下する可能性がある。
上述したランダム共重合体中の酸基は、部分的に又は完全に金属イオンで中和されている。この場合、その中和度は特に制限されるものではないが、20モル%以上の酸基が中和されており、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、更に好ましくは70モル%以上の酸基が中和されている。また、その上限値も特に制限されないが、100モル%以下とすることができ、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下とすることができる。中和度が20モル%より少ないと、反発性が低くなってしまうおそれがある。ここで、酸基を中和する金属イオンとしては、例えば、Na+、K+、Li+、Zn++、Cu++、Mg++、Ca++、Co++、Ni++、Pb++等が挙げられる。本発明においてはこの中でも特にNa+、Li+、Zn++、Mg++、Ca++等が好ましい。
上記ランダム共重合体の金属塩(アイオノマー樹脂)の含有量は、特に制限されるものではないが、樹脂組成物全体に対して、100〜50質量%含むことが好ましい。この場合、より好ましい下限値は60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上である。また、より好ましい上限値は95質量%以下であり、更に好ましくは90質量%以下である。本発明において、上記アイオノマー樹脂材料としては、公知のものを使用することができ、具体的には、商品名「HPF1000」、「HPF2000」(デュポン社製)や、米国特許出願12/340,790号明細書(又は、米国特許出願12/706,175号明細書)に記載された樹脂組成物等を例示することができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、打撃時のフィーリングを更に改善するために、種々の非アイオノマー熱可塑性エラストマーを配合することもできる。このような、非アイオノマー熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等を例示することができ、本発明においては、特にオレフィン系熱可塑性エラストマーを好適に使用できる。該オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ポリオレフィン結晶ブロック、ポリエチレン/ブチレンランダム共重合体を有する熱可塑性ブロックコポリマーである。このオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントとして結晶ポリエチレンブロック(E)、かつソフトセグメントとしてエチレンとブチレンとの比較的ランダムな共重合体(EB)からなるブロックを有するもの等が挙げられ、分子構造としてハードセグメントが片末端又は両末端にあるE−EB系、E−EB−E系等の構造を有するブロックコポリマーが好ましく用いられる。
これらは、例えば、ポリブタジエンを水素添加することにより得ることができる。ここで、水素添加に用いるポリブタジエンとしては、そのブタジエン構造中の結合様式として特に1,4−結合をブタジエン構造全量中の95〜100質量%含有し、かつ前記1,4−結合のうち50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%をブロック的に有するものが好適に用いられる。
上記E−EB−E系の熱可塑性ブロックコポリマーとしては、分子鎖両末端部が1,4−結合リッチな1,4−重合物で、中間部が1,4−結合と1,2−結合が混在するポリブタジエンを水素添加して得られるものが好適である。ここで、ポリブタジエンの水素添加物における水素添加量(ポリブタジエン中の二重結合の飽和結合への転嫁率)としては60〜100%であることが好ましく、より好ましくは90〜100%である。水素添加量が少なすぎるとアイオノマー樹脂等とのブレンド工程でゲル化等の劣化が生じる場合がある。また、ゴルフボールを形成した際に、打撃耐久性に問題が生じる場合がある。
熱可塑性ブロックコポリマーとして好適に用いられる、分子構造としてハードセグメントが片末端又は両末端にあるE−EB系、E−EB−E系の構造を有するブロック共重合体において、ハードセグメント量としては10〜50質量%であることが好ましい。ハードセグメント量が多すぎると柔軟性に欠けて本発明の目的を有効に達成し得ない場合があり、ハードセグメント量が少なすぎるとブレンド物の成形性に問題が生じる場合がある。
上記熱可塑性ブロックコポリマーの試験温度230℃、試験荷重21.2Nにおけるメルトマスフローレートとしては、0.01〜15g/10min、より好ましくは0.03〜10g/10minである。上記範囲を外れると、射出成形時にウェルド、ひけ、ショート等の問題が生じるおそれがある。また、熱可塑性ブロックコポリマーの表面硬度は10〜50であることが好ましい。表面硬度が小さすぎると、ゴルフボールの繰り返し打撃における耐久性が低下してしまう場合がある。一方、表面硬度が大きすぎると、アイオノマー樹脂とのブレンド物の反発性が低下してしまう場合がある。なお、熱可塑性ブロックコポリマーの数平均分子量は、3万〜80万であることが好ましい。
上記のオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、市販品を用いることができ、具体的には、商品名「ダイナロン6100P」、「同6200P」、「同6201B」(JSR社製)等を例示することができる。これらの中でも、特にダイナロン6100Pは、両末端に結晶性オレフィンブロックを有するブロックポリマーであり、本発明において好適に用いることができる。これらオレフィン系熱可塑性エラストマーは1種を単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
上記樹脂組成物に対して、更に必要に応じて種々の添加剤を添加することができ、例えば、顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜配合することができる。
本発明で使用されるカバー材料としては、公知のカバー材料を使用することができ、特に制限されるものではないが、上述したポリウレタン材料(I)、ポリウレタン材料(II)及びアイオノマー樹脂材料を好適に使用することができる。
本発明のゴルフボールにおいては、ボール全体のたわみ変形量及び初速度を特定化することと併せて、後述する特定の条件を満たす比較的低弾道が得られるディンプルを形成することにより、高HSで打撃した際の飛距離を大きく低減させつつ、低HSで打撃した際の飛距離低下を抑制することができる。本発明のゴルフボールにおいて形成するディンプルの条件について以下に詳述する。
本発明では、上記の材料で形成したカバーの表面に、下記(1)〜(3)の条件を具備したディンプルを形成する。なお、下記(1)〜(3)のパラメータは、カバーを形成した後、ボール表面に対して仕上げ処理(塗装及びスタンプ等)等が施された場合には、これら処理が全て完了した製品ボールのディンプルの形状をもとに算出するものとする。
ディンプル条件(1)
ディンプル総数を250個以上,500個以下の範囲とする。この場合、好ましい下限値は280個以上とすることができ、より好ましくは300個以上、更に好ましくは310個以上とすることができる。また、好ましい上限値は450個以下であり、より好ましくは420個以下、更に好ましくは400個以下、最も好ましくは350個以下である。
ディンプル条件(2)
仮想球の表面積に対する各ディンプルの縁部によって囲まれる仮想球面の総面積が占める割合(ディンプル表面占有率)SRは、特に制限されるものではないが、空気力学的性能の向上させる点から70%以上とすることが好ましい。この場合、より好ましくは71%以上とすることができ、更に好ましくは72%以上とすることができる。
ディンプル条件(3)
ボール表面にディンプルがないと仮定した仮想球の体積に対する各ディンプルの縁部によって囲まれる平面下のディンプル空間体積の総和が占める割合(ディンプル体積占有率)VRを、空気力学的性能の向上させる点から1.00〜1.40%とする。この場合、好ましい下限値は1.05%以上である。また、その好ましい上限値は1.35%以下であり、より好ましくは1.30%以下、更に好ましくは1.26%以下である。VRが上記範囲よりも大きすぎた場合、弾道が低くなりすぎて低HSでの打撃時に飛距離が伸びなくなるおそれがあり、一方、小さすぎた場合は、高HSでの打撃時に十分な飛距離低減効果が得られないおそれがある。
ディンプルの形状については、円形に限られず、多角形、涙形、楕円型等から適宜選択することができる。また、ディンプル種を3種以上、好ましくは5種以上とすることで、球面をより高い割合で覆うことができる。また、大小のディンプルを混在させて表面占有率を所定範囲まで上げることにより、低速領域での極端なCL(揚力係数)の変動を抑えることができるため、ボールの弾道を比較的低弾道とすることができ、本発明の効果を発揮しやすくなる。
本発明のゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、直径42.67mm以上に形成することができる。その重量としては、通常、45.0g以上、好ましくは45.2g以上、上限は45.93g以下とすることが好適である。
本発明のゴルフボールは上記のコアと、1層以上のカバーとを具備し、最外層のカバー表面に多数のディンプルを具備したものであるが、ボール全体のたわみ変形量は、ボールに対し初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量として、4.0mm以上であり、好ましくは4.1mm以上、より好ましくは4.2mm以上である。また、その上限値は6.0mm以下であり、好ましくは5.8mm以下、より好ましくは5.6mm以下、更に好ましくは5.3mm以下、最も好ましくは5.0mm以下である。当該たわみ変形量が少なすぎると、高HSで打撃した時に飛距離が伸びすぎてしまい、本発明の目的である高HS打撃時における飛距離低減の目的を達成できない場合あり、一方、大きすぎると、割れ耐久性が劣る場合や、打感が軟らかくなりすぎる場合がある。
また、USGAのドラム回転式の初速度計と同方式の初速測定器を用いて測定したボールの初速度は70.0〜76.0m/sである。この場合、好ましい下限値は72.0m/s以上であり、より好ましくは73.0m/s以上、更に好ましくは74.0m/s以上である。また、好ましい上限値は75.8m/s以下であり、より好ましくは75.7m/s以下である。
本発明のゴルフボールでは、特に制限されるものではないが、高HSでの打撃時における飛距離を大きく低減しつつ、低HSでの打撃時における飛距離低減を抑える観点から、上記VR及び上記たわみ変形量が下記式
4×VR+たわみ変形量 = 8.0〜10.0
の関係を満たすことが好ましい。VR及び上記たわみ変形量の関係が上記式の範囲を逸脱した場合は、高HSでの打撃時に十分な飛距離低減効果を得られない場合があり、更には、良好な打感や、十分な割れ耐久性が得られない場合がある。なお、本発明において、上記の式は、高HSで打撃した時の飛距離を抑制しながら、低HSで打撃した時の飛距離を確保することができる適正なディンプル及び構造の関係を表す指標となる。
本発明のゴルフボールは、上述したように、高HSでの打撃時の飛距離が大幅に低減されるものであり、この場合、特に制限されるものではないが、ヘッドスピード54m/s、ボールの初速度78.0±0.5m/s、打出角9.7±0.5度、初期バックスピン量2700±100rpmの条件におけるトータル飛距離が290ヤード以下であることが好ましい。
また、HSの大小によるトータル飛距離の差が小さいことが好ましく、特に制限されるものではないが、HS54m/sで打撃した場合とHS35m/sで打撃した場合におけるトータル飛距離の比(HS54/HS35)が1.30以上であることが推奨される。この場合、上記の比の好ましい下限値は1.35以上であり、より好ましくは1.38以上、更に好ましくは1.40以上である。また、その上限値は1.50以下である。
以上説明したように、本発明では、高HSでの飛距離の大幅な低減の割には、低HSでの飛距離低下を可及的に抑えることができ、従って、低HSを有する競技者に優位なゴルフボールを得ることができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜4、比較例1〜5〕
下記表1に示すゴム組成物を調製した後、155℃,15分間の条件で加硫成形することによりソリッドコアを作製した。表中の配合の数字は「質量部」を示す。
Figure 2011240123
表中に記載した材料の商品名は以下の通りである。
・ポリブタジエンゴム:JSR社製,商品名「BR01」
・イソプレンゴム:JSR社製,商品名「IR2200」
・ブチルゴム:日本ブチル社製,商品名「Bromobutyl2222」
・過酸化物1:日油社製,商品名「パークミルD」 ジクミルパーオキサイド
・過酸化物2:日油社製,商品名「パーヘキサC−40」 1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
・硫酸バリウム:堺化学工業社製,商品名「沈降性硫酸バリウム100」
・酸化亜鉛:堺化学工業社製
・老化防止剤:大内新興化学工業社製,商品名「ノクラックNS−6」
・アクリル酸亜鉛:日本蒸留工業社製
・ステアリン酸亜鉛:日油社製,商品名「ジンクステアレートG」
次に、上記コアに下記表2に示したカバー材料を射出成形して、コアに所定厚の内層カバー及び外層カバーを被覆したゴルフボールを得た。
Figure 2011240123
表中に記載した材料の商品名は以下の通りである。
・HPF2000:デュポン社製のアイオノマー樹脂
・パンデックス:DIC Bayer Polymer社製,MDI−PTMGタイプの熱可塑性ポリウレタン
・ポリイソシアネート化合物:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
・熱可塑性エラストマー:東レ・デュポン社製,商品名「ハイトレル4001」
・酸化チタン:石原産業社製,商品名「タイペークR550」
・ポリエチレンワックス:三洋化成社製,商品名「サンワックス161P」
この場合、カバーの射出成形と同時にカバー表面に多数のディンプルを形成し、スプレー塗装により塗装した。各実施例及び比較例において、塗装後のボール表面のディンプルは下記表3〜6中のパラメータを満たすものである。なお、下記表中において、ディンプル種Daは直径3.7mm以上のディンプルを意味し、ディンプルDbは直径3.7mm未満のディンプルを意味する。
また、表中のディンプル深さ(DP)は、図2に示されるように、上記ディンプルの陸部接合位置を結んで描かれる仮想平面Lからディンプルの底(最も深い位置)までの垂直距離である。また、ディンプル直径(DM)は、図2に示されるように、ディンプル部分が陸部(ディンプル非形成部分)と接する位置、即ち、ディンプル部分最高点間の直径(差渡し)である。なお、多くの場合、ゴルフボールには塗装等が施されており、このようなボールにおいては塗料被覆状態でのディンプル直径及び深さを示すものとする。
なお、表中のディンプルパターンについて、実施例1〜3、比較例3〜5は表3(図3)、実施例4は表4(図4)、比較例1は表5(図3)、比較例2は表6(図5)にそれぞれ示す。これらの図面は全てボールの平面図を示すが、各例において背面図は平面図も同一の模様になるので省略する。
Figure 2011240123
Figure 2011240123
Figure 2011240123
Figure 2011240123
上記で得られたゴルフボールの諸特性を下記の方法により調べ、その結果を表7及び8に示す。
ソリッドコア及び製品のたわみ量
ソリッドコア及び製品を硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときまでのたわみ変形量を計測した。
カバー材料硬度(ショアD硬度)
カバー用材料を約2mmの厚さにプレス成形し、得られたシートを23℃で2週間保存した後、ASTM D2240に準じてショアD硬度を測定した。
初速度
R&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速度計と同方式の初速測定器を用いてボールの初速度を測定した。ボールを23±1℃環境下で3時間以上温調した後、室温23±2℃の部屋でテストした。250ポンド(113.4kg)のヘッド(ストライキングマス)を用いて打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃し、1ダースのボールを各々4回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を測定して初速度(m/s)を算出した。約15分間でこのサイクルを行なった。
飛び性能
打撃ロボットにブリヂストンスポーツ社製ドライバー「TOURSTAGE X−DRIVE 701(2009年モデル)」(ロフト角9.5°)を取り付けて、ヘッドスピード(HS)54m/s又は35m/sにて打撃した時の飛距離を測定した。なお、ここでは初期条件の設定を、2009年11月より米国で販売しているブリヂストンスポーツ社製「ブリヂストンゴルフ e5」ボールを用いて行い、このボールをHS54m/sで打撃した時は、初速度78.0±0.5m/s、打出角9.7±0.5度、初期バックスピン量2700±100rpmの範囲に、HS35m/sで打撃した時は、初速度53.0±0.5m/s、打出角14.0±0.5度、初期バックスピン量2700±100rpmの範囲になるように設定した。
割れ耐久性
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ゴルフボールの耐久性を評価した。この試験機は、ゴルフボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させる機能を有する。金属板への入射速度は43m/sとした。各ボールについて、速度比(反射速度/入射速度)が、初期10回の平均値対比で97%以下になった時の回数を耐久性低下と判断し、下記基準にて評価した。
○:50回以上
×:50回未満
Figure 2011240123
Figure 2011240123
表7及び表8の結果から、本実施例1〜4のゴルフボールは、比較例1〜5に比べて、高HSで打撃した際の飛距離の大幅な低減の割には、低HSで打撃した際の飛距離低減が抑えられていることが確認できた。つまり、実施例のほうが、高HSでの飛距離と低HSでの飛距離との差が小さく、高HS領域における飛距離を抑制しながら、低HS領域において優位な飛距離を得ることのできるゴルフボールであることが確認できた。なお、比較例1〜5のゴルフボールは下記の結果となった。
比較例1は、VRが小さく、HS54m/s打撃時のトータル飛距離が290ヤードを超えてしまい、かつHS54m/s打撃時とHS35m/s打撃時のトータル飛距離差が大きいため、HS54/HS35トータル飛距離比が大きい。
比較例2は、VRが小さく、HS54m/s打撃時のトータル飛距離が290ヤードを超えてしまい、かつHS54m/s打撃時とHS35m/s打撃時でのトータル飛距離差が大きいため、HS54/HS35トータル飛距離比が大きい。
比較例3は、ボール変形量が小さいため、HS54m/s打撃時のトータル飛距離が290ヤードを超えてしまう。
比較例4は、初速が高いため、HS54m/s打撃時のトータル飛距離が290ヤードを超えてしまう。
比較例5は、ボール変形量が大きいため、割れ耐久性が劣る。
1 コア
2 内層カバー
3 外層カバー
D ディンプル
G ゴルフボール

Claims (4)

  1. ソリッドコアと1層以上のカバーとを具備し、最外層のカバー表面に多数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、上記ディンプルの個数が250個以上,500個以下、ディンプル体積占有率(VR)が1.00〜1.40%であり、ボールに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ変形量が4.0〜6.0mmであり、USGAのドラム回転式の初速度計と同方式の初速測定器を用いて測定したボールの初速度が70.0〜76.0m/sであることを特徴とするゴルフボール。
  2. ヘッドスピード54m/s、ボールの初速度78.0±0.5m/s、打出角9.7±0.5度、初期バックスピン量2700±100rpmの条件におけるトータル飛距離が290ヤード以下である請求項1記載のゴルフボール。
  3. ヘッドスピード54m/sで打撃した場合とヘッドスピード35m/sで打撃した場合のトータル飛距離の比(HS54/HS35)が1.30〜1.50である請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. 上記VR及び上記たわみ変形量が下記式
    4×VR+たわみ変形量 = 8.0〜10.0
    の関係を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフボール。
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