JP2005345047A - 気化式加湿器の殺菌方法及び殺菌式気化式加湿器並びにそのための銀イオン発生装置 - Google Patents

気化式加湿器の殺菌方法及び殺菌式気化式加湿器並びにそのための銀イオン発生装置 Download PDF

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淳后 宮川
Mitsuhiro Ueno
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Abstract


【課題】 気化式加湿器に細菌等が付着し増殖することによる異臭等の発生を防止して気化式加湿器を衛生的に維持する。
【解決手段】 吸水材からなる加湿材1の上部に吸水ヘッダ2を設け、吸水ヘッダ2から水を滴下して加湿材1に給水し、加湿材1を通過する流通空気により加湿空気とする気化式加湿器において、給水中に銀イオンを混入して加湿材を殺菌する殺菌方法であり、上記給水ヘッダ2に連結する給水管4に銀イオン発生装置3を設け、銀イオン発生装置3で発生する銀イオンを給水中に混入し、加湿材1を殺菌するようにした殺菌式気化式加湿器である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気化式加湿器の殺菌方法及び殺菌式の気化式加湿器並びに上記殺菌方法、殺菌式気化式加湿器に使用する銀イオン発生装置に関する。
従来の加湿器に対する殺菌や抗菌に関する技術は、家庭用加湿器に関するものが多く、これらのほとんどが給水タンクや水槽部などの溜まり水が起因するもので、例えば水槽内の溜り水の放置で細菌類が繁殖するなど衛生上の問題を解決するためのものが多かった。 また、自然蒸発の気化式加湿器では、常に湿った状態の加湿材表面に細菌が繁殖し、悪臭を発生することもあった。
業務用で使用される気化式加湿器は、ビル空調が多く、加湿用途として空調器やダクト等に取り付けられるため、空気中の塵や埃あるいは浮遊細菌等が加湿材に付着し汚染され、場合によっては、付着した細菌が繁殖し悪臭を放つという衛生上の問題が発生する場合もあった。
加湿器でこのような衛生上の問題を解決するために、従来では以下のような方法や装置により問題を解決していた。
溜り水に銀イオン効果を有した技術
貯水槽内の銀イオン水を気化式加湿器の加湿材が吸収し殺菌効果を得る方式が知られている(例えば特許文献1)。この方式では、加湿器の使用による加湿材の汚れにより吸水効果が低下し、新たな銀イオン水を吸収しづらくなり殺菌水自体の供給が不十分となることから殺菌効果が持続できないという課題があった。
また、加湿材内部に取込まれた銀イオンは、塵や埃、細菌などと結合することで銀化合物を形成し加湿材内部に残留してしまうため、上記同様に加湿材の吸水性に影響が生じ、新たな銀イオン水を吸収しずらくなり殺菌効果が低下してしまうという課題が生じた。
上記にも記載したとおり、溜り水方式で生成した銀イオン水の殺菌効果は、時間の経過と共に不純物質量が増加し、銀イオン水の汚れによって低下してしまう。
加湿材に銀イオン効果を含有あるいは含浸した技術
加湿材の表面や内部に銀粉末や銀イオン効果が発生するような物質を含有させその効果を得る方式が知られている(例えば特許文献2,3,4)。この方式の場合には、加湿材の表面に露出した銀等との直接的な接触によりその効果を得るが、銀の分布により含有状態は不均一であり疎らな状態となるため、実際に細菌等と接触し効果を示すのは直接銀イオンと接触した部分に限られてしまう。したがって、加湿材への全域的な殺菌効果を得る点では不充分となるという課題がある。
また、特に業務用で一般空調に使用されるような気化式加湿器の加湿材は、加湿運転時だけでなく、加湿運転停止時の送風状態においても加湿材がフィルター的な役割となり、常に加湿材には埃や塵、スケール分等の不純物が付着する環境下にある。
銀イオン効果を含有させた加湿材では、銀イオン効果を有する物質の表面に埃や塵、スケール分等の不純物が付着してしまうと、細菌が付着しても銀イオンと細菌が不純物により接触することがなくブロックされ殺菌効果は得られないこととなる。
さらに、銀イオンが不純物によりブロックされた状態では、殺菌効果が持続しないため細菌類の繁殖も助長され臭気の発生等が懸念されるという課題があった。
貯水部電極での殺菌技術
貯水槽や給水タンクなど容器内に溜めた水に銀電極等で銀イオンを発生させ殺菌効果を得る方法が知られている(例えば特許文献5)。この方法においては、容器内の水が頻繁に入れ替えられない限り、特に気化式加湿器のような貯水槽内の水を吸上げ水分蒸発するような加湿方法では、水中の銀イオン濃度が徐々に上昇し濃縮してしまい、さらに、電極付近に銀化合物が多量に析出してしまうという課題があった。
また、貯水槽や給水タンクなど容器内に直接電極を取付けた場合、容器内では水に流れがないため、電極付近の濃度が高く貯水槽内での濃度が不均一となってしまうという課題もあった。
貯水槽や配管等に銀イオン溶出物質を含有又は塗布させた殺菌技術
水槽、タンク等の貯水槽や配管等の表面や内部に銀粉末や銀ゼオライト等銀イオン効果が発生するような物質を含有あるいは含浸させたり、塗布したりすることによって殺菌効果を得る方法が知られている(例えば特許文献1,4,6)。この方法の場合には、加湿材に銀イオン効果を含有させたものと同様に、表面に埃や塵、スケール等が付着してしまうと、銀イオンと細菌が接触することができずブロックされた状態となるため殺菌効果が得られなくなってしまうという課題があった。
銀イオン効果を有する物質の表面と接触した水に銀イオンが溶出し殺菌効果が発生するが、電極式のように積極的に銀イオンを溶出する構造ではないため、殺菌効果は比較的低い結果となってしまう。
また、水槽等に含有させた物質の表面は流水状態のように水槽内に水の動きがないため、比較的汚れやスケールなどが付着し易く、殺菌効果の維持に支障をきたすという課題がある。
特開2003−322368号公報 特開平8−159526号公報 特開2001−40580号公報 実全平4−29732号公報 実公昭61−33457号公報 特開平10−263056号公報
本発明は、上記各課題に鑑み、気化式加湿器に細菌等が付着し繁殖することによる異臭等の発生を防止して気化式加湿器を衛生的に維持するために、銀イオン混入殺菌水の生成方法はタンクなどの溜め水ではなく、流水状態において電極によって銀イオンを発生させ、殺菌及び抗菌効果を持続的に維持するとともに、銀イオン濃度、供給時間、供給パターンを適宜調整できるようにし、また、空気溜り等により銀イオン交換に支障が生じないよう効率的なものとし、さらに0.2ppm以上では銀化合物の析出が多く、析出物の除去や析出物が銀イオン発生装置の電極付近に滞留しない構造とするとともに、電極付近に銀イオン生成物を析出させない、あるいは除去し易いようにすることで、給水ヘッダのノズルが詰まらないようにして、効果的な殺菌システムとすること、また、既存の加湿器にも取り付けられるものとすること、及び、コンパクトで安価なものとすることを目的としてなしたものである。
そのために、本発明気化式加湿器の殺菌方法は、吸水材からなる加湿材の上部に加湿材に水を供給する給水ヘッダを設け、加湿材を通過する流通空気により加湿空気とする気化式加湿器において、給水中に銀イオンを混入し加湿材上方より銀イオン混入殺菌水を掛け流して加湿材を殺菌することを特徴とするものである。
上記給水ヘッダに通ずる給水管に銀イオン発生装置を設けて給水中に銀イオンを混入することを特徴とする。
さらに、本発明気化式加湿器の殺菌方法は、給水管に連結する上記給水ヘッダに通水管を介して水槽を配し、この水槽に給水する別の給水管を連結し、この別の給水管に銀イオン発生装置を設けて、水槽中に銀イオン混入殺菌水を供給し、給水ヘッダに連結する給水管と、上記水槽と給水ヘッダとを連結する通水管とにそれぞれ電磁弁を設け、これら電磁弁の開閉により加湿材に供給する水と銀イオン混入殺菌水との供給を制御するようにしてあることも特徴とする。
また、上記銀イオンを混入した銀イオン混入殺菌水の銀イオン濃度を0.06〜0.5ppmとするとよい。
次に、本発明殺菌式気化式加湿器は、吸水材からなる加湿材の上部に加湿材に水を供給する給水ヘッダを設け、加湿材を通過する流通空気により加湿空気とする気化式加湿器であって、上記給水ヘッダに連結する給水管に銀イオン発生装置を設け、銀イオン発生装置で発生する銀イオンを給水中に混入し、加湿材上方より銀イオン混入殺菌水を掛け流して加湿材を殺菌するようにしたものである。
また、本発明殺菌式気化式加湿器は、給水管に連結する上記給水ヘッダに通水管を介して水槽を配し、この水槽に給水する別の給水管を連結し、この別の給水管に銀イオン発生装置を設け、水槽中に銀イオン混入殺菌水を供給し、給水ヘッダに連結する給水管と、上記水槽と給水ヘッダとを連結する通水管とにそれぞれ電磁弁を設け、これら電磁弁の開閉により加湿材に供給する水と銀イオン混入殺菌水との供給を制御するようにしてあるものである。
さらに、本発明殺菌式気化式加湿器は、上記銀イオン発生装置を、内部に少なくとも片方が銀電極からなる一対の電極を有する電極容器からなり、この電極容器に給水口と銀イオン混入殺菌水出口とを設け,給水口を電極容器の下部に配し、銀イオン混入殺菌水出口を電極容器の上部に配してあるものである。
さらに、本発明銀イオン発生装置は、電極容器内に何れか片方が銀電極からなる一対の電極を有し、電極容器に給水口と銀イオン混入殺菌水出口とを有する銀イオン発生装置であって、電極容器の下部にスケール受け部を着脱自在に連結してあるものである。
また、本発明銀イオン発生装置は、電極容器の中心に棒状の銀電極を配し、電極容器の内側に別の電極を配してあり、電極容器の下部とスケール受け部との連結位置にドーナツ形状のスケール浮遊止め部材を設けてあるものである。
さらに、本発明銀イオン発生装置は、上記給水口を電極容器の下部に配し,銀イオン混入殺菌水出口を電極容器の上部に配してあるものである。
気化式加湿器の分野において、銀イオン混入殺菌水を加湿材上方より掛け流して殺菌効果を維持する方法または装置はなかった。
抗菌剤を加湿材に含有させた場合や銀等の殺菌や抗菌効果のある金属を加湿材自体に含有した場合では、抗菌剤や金属との接触箇所または金属イオンの発生する部分にのみ殺菌や抗菌効果が生じ、加湿材全体(全域)での効果や長期的で継続的な殺菌効果は得られなかった。
本発明は、殺菌効果を有した銀イオンを、常に新しい銀イオン混入殺菌水として加湿材に供給することで加湿材全体へ長期的で継続的に殺菌、抗菌の効果を得ることが可能となる。
しかも、加湿材上方より直接銀イオン混入殺菌水を掛け流すことで、加湿材表面の汚れを洗い流す洗浄効果もあり、既に有機物質と結合して殺菌効果を失った銀化合物も洗い流すことができ、新しい銀イオン混入殺菌水でリフレッシュされることにより殺菌効果を維持できる。
銀イオン水が溜められた容器等より加湿材で吸上げる方式では、加湿材の吸水能力の低下により銀イオン水を吸い上げられなくなり殺菌、抗菌効果も徐々に低下してしまうが、本発明の加湿材へ銀イオン混入殺菌水を掛け流す方式は、常に新しい銀イオン混入殺菌水を加湿材に掛け流し補給するため継続的な殺菌効果の維持が可能となるとともに、多量の細菌がコロニー状に発生した場合に於いても効果的な殺菌が可能となる。
また、銀イオン混入殺菌水の殺菌効果は、不純物質量が増加することによる銀イオン混入殺菌水の汚れによっても低下するため、水槽などで生成され溜められた銀イオン水は、流水に銀イオンを含ませる方式と比べるとイオン水が水槽等に滞留しているため不純物の堆積、さらには外部からの塵や埃等によっても汚れ易い傾向にある。
加湿材の吸水性による銀イオンの内部への浸透と銀イオンの残存性を組合せたことにより、加湿材へ銀イオン混入殺菌水の供給を停止した後でも殺菌効果は一定時間維持でき、加湿器停止時や最も細菌が発生し易い生乾き状態においてもその残存性により殺菌効果を大きく維持できる。
また、給水の制御部を設けることにより、各環境下に適した殺菌効果を得るために銀イオン濃度を調整することが可能となる。
本発明の電極方式でのイオン発生装置は、給水系にバイパス流路を設けたり、流路を切り替える等の手間や装置が不要となるため、コスト的に安価でイオン水を容易に手早く生成することができる。
電極方式では、銀イオンを生成したいときだけ電極に電圧を印加させることで銀イオンを生成することができる。
電極による銀イオンの発生を流水状態で行うことにより、イオン濃度が上昇し過ぎることを防止できるとともに、電極付近における銀化合物等の不純物の停滞も同時に抑制することが可能となる。
本発明の銀イオン発生装置は、電極容器に給水の出入り口を設けることにより、既存製品へ後から追加するように接続・取付が可能となる。
また、電極容器内の空気溜りが生じないような構造とすることにより、電極間で確実に通電され効果的な銀イオン生成ができる。
電極近辺に生成される銀化合物を電極容器下流側に流れでづらいようになるため、給水ヘッダやノズル等の給水配管中の小孔が閉塞しないようにする効果がある。
電極容器の下部にスケール受け部を着脱自在に設けたから、電極容器下部に銀化合物を含む析出物や不純物の貯留部を設け、さらに脱着可能とすることにより、不純物を電極容器内部より容易に除去できる
さらに、不純物を電極容器内部より容易に除去できるため、加湿器配管系統の詰まり等を防止でき、給水ヘッダ等の給水配管中の小孔が閉塞することを防止できる。また、容器上方も蓋状とすればさらに電極の交換や内部清掃等が容易な構造とすることもできる。
電極への通電を1日に1回一定時間としたり、運転開始時または終了時に行なうなど、電極に間欠的・周期的に通電させることにより、銀イオンを有効に利用することができ、効果的な殺菌となるとともに、電極寿命による電極の交換時期が延長し、経済的になる。
また、銀化合物の析出量が低減されるため、給水ヘッダなどの配管中の小孔が閉塞する可能性を低減できる。
電極への通電終了後、電極部に通水させることにより、電極部への銀イオンの滞留を防止でき、銀化合物の量を減少させることができるとともに、電極容器内の清掃周期を長くすることが可能となる。
掛け流す銀イオン混入殺菌水のイオン濃度が0.06〜0.5ppmであるとよい。
殺菌に有効な銀イオン濃度は0.06〜0.5ppmで十分殺菌効果を示すことが実験より判明している。したがって、この状態を維持することにより消耗品電極の交換時期が延長し、経済的になるとともに、銀化合物の析出が低減され、その結果、給水ヘッダなどの配管中の小孔が閉塞する可能性を低減できる。
ただし、0.2ppm以上では銀化合物の析出が多く、析出物の除去や析出物が殺菌装置内部に滞留しない構造とする必要が生じるが、電極による銀イオンの発生を流水状態で行うことにより、電極付近でイオン濃度が上昇し過ぎることを防止できる。
加湿量の少ない加湿器の給水量は、銀イオンの溶出最低流量よりかなり低い場合もあるため、貯留するための容器等を設け、一時的に(定時的に)殺菌効果が有効な濃度域での銀イオン混入殺菌水を生成し、加湿終了間際など殺菌が必要な時に加湿材に供給することにより、効果的な殺菌効果を得ることができる。
なお、貯留方式にすると一時的に一定量の銀イオンを生成できるため、銀イオン濃度をコントロールしやすいことになる。
図面に示した好ましい実施例により本発明の詳細を説明する。
気化式加湿器の給水システム(給水配管)の途中に銀イオン発生装置を設置した場合の基本的実施例を図1に示す。
気化式加湿器の給水システムは、加湿用水(水道水)を加湿器に供給する給水管4を有する配管構成のシステムであって、加湿用水は減圧弁や電磁弁で構成された給水ユニット、銀イオン発生装置3を介し、加湿材1全体へ均一に加湿用水を掛け流すための給水ヘッダ2へと導かれるようにされている。
銀イオン発生装置は、電極に電圧が印加されるよう電源に接続されており、間欠的に動作させたり連続的に動作させるよう制御部が設けられている。
したがって、加湿材1に給水がされている場合でも、銀イオン混入殺菌水は常時生成され供給されるのではなく、銀イオンの発生は意図的に制御できるように構成されている。
具体的な運転動作として1日の加湿運転を例にとると、加湿器の運転開始と同時に10分間銀イオン発生装置3に通電し銀イオン混入殺菌水を生成し、加湿材1に供給することで殺菌するとともに銀イオンを加湿材1内に侵入させる。10分後は電極への通電を停止し通常の加湿用水による加湿運転を行なう。また、運転停止時に殺菌動作を行う場合であれば、加湿器運転停止15分前に10分間殺菌装置に通電し殺菌動作を行い、5分間加湿用水を通水すれば電極付近の銀化合物の生成や残留を抑制することができる。以上の動作は、通常の殺菌効果を得るだけでなく、殺菌装置の間欠運転による電極の寿命、銀化合物の抑制、給水ヘッダ部のノズル詰まりを防止する等の効果を有する。図中5が加湿材1の下方に配置したドレンパンで、排水管6を連結してある。
図3に銀イオン発生専用の給水システムのための貯水部である水槽を設けた場合の実施例を示してある。
小型の気化式加湿器は、給水量が1〜2Lit/hr程度と少量であるものがあり、殺菌に有効な最小銀イオン濃度範囲0.06〜0.5ppmを超えてしまう場合が考えられる。
したがって、図3に示す実施例は銀イオン混入殺菌水を貯水するための水槽7を設け、短時間に最小銀溶出量に適した給水量を供給して銀イオン混入殺菌水を生成し、水槽7に一時的に溜めておく方式である。
そのために、給水管4に連結する給水ヘッダ2に通水管8を介して水槽7を配し、この水槽7に給水する別の給水管9を連結し、この別の給水管9に銀イオン発生装置3を設けてある。そして、給水ヘッダ2に連結する給水管4との間と、上記水槽7と給水ヘッダ2とを連結する通水管8との間に、それぞれ別の給水管9にも電磁弁10を設けてある。このような構成にすれば、加湿給水停止時などに銀イオン混入殺菌水を供給でき、調整された銀イオン濃度が大きく変化することなく供給することができる。
また、この水槽7を設けることにより、一日の加湿運転が終了する直前の時間に集中して銀イオン混入殺菌水を供給することができ、殺菌に有効であり、経済的でもある。
銀イオン電極形状の代表的実施例を図4,5に示してある。この代表的な実施例は給水口13と銀イオン混入殺菌水出口14を有する電極容器12内に、二枚の板状電極11を向かい合わせに設置した構造であるが、流体との接触面積を大きく得られることができるため効率よく銀イオン混入殺菌水を生成する。
ただし、接触面積が大きいために銀化合物(析出物)やスケール等の付着も発生し易い傾向がある。
したがって、電極の交換性も考慮すると、プレートタイプでは本体ごと交換できるカートリッジ式とすることが有効である。
また、交流電源とする場合や、両電極11ともに銀とし周期的に正負電圧を入れ替えることにより、電極寿命を均等にするとともに銀析出物およびスケール等の不純物が電極に付着しづらくできるなどの効果がある。
図6にはポールタイプの電極とした実施例を示してある。この実施例では給水口13と銀イオン混入殺菌水出口14を有する電極容器12の中心に円柱棒状の正極電極15を設け、電極容器12の内側に別の電極16を設けたものである。この実施例では使用時間(交換時間)に合わせたサイズに調整でき、電極の交換が容易な構造や形状にすることもできる。
上記両電極タイプの銀イオン発生の設置方法の一例を図7および図8に示す。
両電極とも加湿給水システム中に設置した状態であるため、電極は常時浸水した状態であるが、銀析出物およびスケール等不純物が電極付近に停滞しないようにするため、図のように溶出した銀イオン濃度の高い溶液が電極付近に停滞しないよう、常に加湿材側に流れ出る構造としたものである。
銀化合物が生成してしまった場合、それらが加湿材上部より給水する給水ヘッダー部品のノズル等を詰まらせない方法として、銀化合物を留めるスケール受け部17を有する構造としたものである。即ち、図6,9,10に示すように、電極容器12の下部にスケール受け部17を着脱自在に連結して設けてある。この着脱構造はどのような構成でもよいが、図示実施例では電極容器12の下部開放部にフランジ18を設け、同じくスケール受け部17の上部にもフランジ19を設け、両者をボルト・ナット止め20して構成してある。
図6,9,10のように、下部給水口より入った供給水は、上部出口に向かって流れるため、底部に位置するスケール受け部17は留めるスペースとなり、銀化合物が留まり易い。
さらに、上記電極容器12とスケール受け部17との結合部に中心部を開口としたドーナッツ形状のスケール浮遊止め部材21を設けると、溜まった銀化合物が再度浮遊した場合でも、装置外へ流出しづらいようにすることができる。
上記電極容器とスケール受け部との結合部は容易に脱着が可能な構造であり、例えば上記フランジ構造での接続やキャップ式での接続のようなものであっても良く、定期的な清掃に適したものとなっている。
また、下部より入った水が上部より出る流路形式をとることにより、何らかの影響で発生したエアーを留めることなく給水ノズルより容易に排出できる効果も有している。銀イオン水発生装置の設置スペースが大きく確保できないような箇所で、給水ヘッダ上方部に銀イオン発生装置が設置できないような場合には有効な構造およびサイズとなっているとともに、電極棒を1本とし、電極を容易に着脱できる形状としたことによって、電極の交換作業を容易にすることができた。
本発明殺菌式気化式加湿器の基本的実施例を示す正面図。 同じくその側面図。 同じく別の一実施例を示す正面図。 銀イオン発生装置の一実施例を示す正面断面図。 その側面断面図。 銀イオン発生装置の別の実施例を示す一部切欠斜面図。 図4、5図示の銀イオン発生装置を使用した本発明加湿器の一例を示す正面図。 同じく図6図示の銀イオン発生装置の他の形態を使用した本発明加湿器の例を示す正面図。 本発明銀イオン発生装置の一実施例の断面図。 同じく別の実施例の断面図。
符号の説明
1 加湿材
2 給水ヘッダ
3 銀イオン発生装置
4 給水管
5 ドレンパン
6 排水管
7 水槽
8 通水管
9 別の給水管
10 電磁弁
11 板状電極
12 電極容器
13 給水口
14 銀イオン混入殺菌水出口
15 円柱棒状の正極電極
16 別の電極
17 スケール受け部
18,19 フランジ
20 ボルト・ナット
21 スケール浮遊止め部材

Claims (11)

  1. 吸水材からなる加湿材の上部に加湿材に水を供給する給水ヘッダを設け、加湿材を通過する流通空気により加湿空気とする気化式加湿器において、給水中に銀イオンを混入し加湿材上方より銀イオン混入殺菌水を掛け流して加湿材を殺菌することを特徴とする気化式加湿器の殺菌方法。
  2. 上記給水ヘッダに通ずる給水管に銀イオン発生装置を設けて給水中に銀イオンを混入する上記請求項1に記載の気化式加湿器の殺菌方法。
  3. 給水管に連結する上記給水ヘッダに通水管を介して水槽を配し、この水槽に給水する別の給水管を連結し、この別の給水管に銀イオン発生装置を設けて、水槽中に銀イオン混入殺菌水を供給し、給水ヘッダに連結する給水管と、上記水槽と給水ヘッダとを連結する通水管とにそれぞれ電磁弁を設け、これら電磁弁の開閉により加湿材に供給する水と銀イオン混入殺菌水との供給を制御するようにしてある上記請求項1に記載の気化式加湿器の殺菌方法。
  4. 上記銀イオンを混入した銀イオン混入殺菌水の銀イオン濃度を0.06〜0.5ppmとする上記請求項1乃至3の何れかに記載の気化式加湿器の殺菌方法。
  5. 吸水材からなる加湿材の上部に加湿材に水を供給する給水ヘッダを設け、給水ヘッダから水を滴下して加湿材に給水し、加湿材を通過する流通空気により加湿空気とする気化式加湿器であって、上記給水ヘッダに連結する給水管に銀イオン発生装置を設け、銀イオン発生装置で発生する銀イオンを給水中に混入し、加湿材上方より銀イオン混入殺菌水を掛け流して加湿材を殺菌するようにした殺菌式気化式加湿器。
  6. 給水管に連結する上記給水ヘッダに通水管を介して水槽を配し、この水槽に給水する別の給水管を連結し、この別の給水管に銀イオン発生装置を設け、水槽中に銀イオン混入殺菌水を供給し、給水ヘッダに連結する給水管と、上記水槽と給水ヘッダとを連結する通水管とにそれぞれ電磁弁を設け、これら電磁弁の開閉により加湿材に供給する水と銀イオン混入殺菌水との供給を制御するようにしてある殺菌式気化式加湿器。
  7. 上記銀イオン発生装置を、内部に少なくとも片方が銀電極からなる一対の電極を有する電極容器からなり、この電極容器に給水口と銀イオン混入殺菌水出口とを設け、給水口を電極容器の下方に配し、銀イオン混入殺菌水出口を電極容器の上部に配してある上記請求項5又は6に記載の殺菌式気化式加湿器。
  8. 上記銀イオンを混入した銀イオン混入殺菌水の銀イオン濃度を0.06〜0.5ppmとする上記請求項5乃至7の何れかに記載の殺菌式気化式加湿器。
  9. 電極容器内に何れか片方が銀電極からなる一対の電極を有し、電極容器に給水口と銀イオン混入殺菌水出口とを有する銀イオン発生装置であって、電極容器の下部にスケール受け部を着脱自在に連結してある上記殺菌式気化式加湿器に使用する銀イオン発生装置。
  10. 電極容器の中心に棒状の銀電極を配し、電極容器の内側に別の電極を配してあり、電極容器の下部とスケール受け部との連結位置にドーナツ形状のスケール浮遊止め部材を設けてある上記請求項9に記載の銀イオン発生装置。
  11. 上記給水口を電極容器の下部に配し,銀イオン混入殺菌水出口を電極容器の上部に配してある上記請求項9又は10に記載の銀イオン発生装置。
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