JP2017132349A5 - - Google Patents

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車両空調システム
本発明は、鉄道車両やバスなどの大型車両等に設置される車両空調システムに関するものである。
従来のこの種の車両空調システムの構造は、以下のようになっていた。すなわち、車両内の空気を吸い込み口から吸い込み、プレフィルタで粉塵を除去したのち、熱交換器で冷却、除湿、暖房など温調したのち、吹き出し口から車両内に再び空気を吹き出し、車両内の温調を図るが、その風路内には、熱交換器に繁殖する細菌などの微生物を抑制するためのイオン発生装置を備えた構成となっていた(例えば下記特許文献1)。
特開2011−105257号公報
この種の車両空調システムにおいては、車両内の粉塵や微生物、空気中のにおいなどの汚れが熱交換器に付着しないことと、付着した物質が堆積しないことが求められる。これらの汚れが熱交換器に付着すると、微生物が繁殖して、悪臭の発生の原因となり、車両内の空気の衛生状態が悪化する。そのため、熱交換器の前段にプレフィルタを設けて粉塵をあらかじめ除去することや、熱交換器に付着した細菌などの微生物を殺菌するために、オゾンを発生させるなどの対策がとられている。しかしながら、プレフィルタで除去できる粉塵は大きいサイズのものであり、細菌やカビの胞子などの小さいサイズのものを除去する目的としては不十分である。強い酸化力による殺菌作用を示すオゾンを発生させても、水には殆ど溶解しないため、結露水が付着している蒸発器表面においては、効果は不十分であり、微生物の繁殖を抑制することが難しいという課題がある。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであり、殺菌作用があり水に極めて溶解しやすい次亜塩素酸を含んだ洗浄液を蒸発器に効率よく作用させることによって、蒸発器やドレン配管周辺を清浄に保つことができる車両空調システムを提供することを目的としている。
そして、この目的を達成するために本発明は、車両に設置され、前記車両の室内の空気を吸い込むための吸い込み口と、前記車両の室内の空気を循環送風する送風手段と、前記車両の室内に空気を排出する吹き出し口と、前記吸い込み口と前記吹き出し口とが連通する風路と、前記風路内に設置され通過する空気の温度を調整する温度調整手段と、を備えた車両空調システムにおいて、前記温度調整手段は、蒸発器と加熱手段からなり、前記蒸発器を洗浄するための洗浄液を調製する洗浄液調製手段と、前記洗浄液を保持する洗浄液保持手段と、前記風路内における前記温度調整手段の近傍に配設され前記洗浄液保持手段に保持されている洗浄液を前記蒸発器に放出する洗浄液放出手段と、を設け、前記洗浄液放出手段が洗浄液を放出する際に、前記蒸発器の表面を吸い込み空気の露点以下になるように冷却し、洗浄液を含む結露水を前記蒸発器の表面に凝縮させることを特徴としたものである。そして、これら手段により、初期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、蒸発器に対し、殺菌作用のある次亜塩素酸を含む洗浄液をミスト状に放出し、蒸発器表面に洗浄液を付着させるときに温度調整手段を運転して蒸発器表面を冷却し、洗浄液を凝縮させることによって、洗浄液が直接当たらない部分にも、殺菌成分のガスが蒸発器上に発生した結露水に吸収されることによって、洗浄液を付着させることができ、微生物の繁殖を抑制することできる。
本発明の実施の形態1の車両空調システムの概略図 同車両空調システムの放出手段を示す図 同車両空調システムの動作を示すフローチャート
本発明の請求項1記載の車両空調システムは、車両に設置され、前記車両の室内の空気を吸い込むための吸い込み口と、前記車両の室内の空気を循環送風する送風手段と、前記車両の室内に空気を排出する吹き出し口と、前記吸い込み口と前記吹き出し口とが連通する風路と、前記風路内に設置され通過する空気の温度を調整する温度調整手段と、を備えた車両空調システムにおいて、前記温度調整手段は、蒸発器と加熱手段からなり、前記蒸発器を洗浄するための洗浄液を調製する洗浄液調製手段と、前記洗浄液を保持する洗浄液保持手段と、前記風路内における前記温度調整手段の近傍に配設され前記洗浄液保持手段に保持されている洗浄液を前記蒸発器に放出する洗浄液放出手段と、を設け、前記洗浄液放出手段が洗浄液を放出する際に、前記蒸発器の表面を吸い込み空気の露点以下になるように冷却し、洗浄液を含む結露水を前記蒸発器の表面に凝縮させることを特徴とする。
これにより、洗浄液を放出する洗浄液放出手段の周辺以外にも、蒸発器の表面に洗浄成分を付着させ、留め、濃縮することによって、洗浄効果を向上できる効果を奏する。
また、洗浄液が次亜塩素酸を含むことを特徴とする構成にしてもよい。
これにより、微生物に対しては、次亜塩素酸は非常に低濃度で作用するため、高い除菌効果を得ることができるという効果を奏する。
また、洗浄液放出手段が洗浄液をミスト状に微細化して放出する構成にしてもよい。
これにより、有効ガス成分の洗浄液からの揮発が促進され、さらに細かな隙間まで到達し、表面をより確実に殺菌することができるという効果を奏する。
また、洗浄液放出手段が洗浄液を放出する際に余剰の洗浄液を排出する排出手段を備えたことを特徴とする構成にしてもよい。
これにより、洗浄液のオーバーフローによる漏出を防止できるだけでなく、洗い出された汚れを適宜排出することで、汚れが風路内に堆積することを防ぎ、清潔性を向上することができるという効果を奏する。
また、車両の上部に温度調整手段と洗浄液放出手段を備えたことを特徴としてもよい。
これにより、温度調整手段が車両走行中に車輪付近から発生する粉塵を吸引しにくくなり、風路内の粉塵堆積を抑制できるため、機器の性能保持期間を長くすることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態の車両空調システムにおいては、略箱形状の本体ケース1を備えている。本体ケース1は例えば鉄道などの車両の天井に配され、本体ケース1の下面が車両室内に向くように設置される。本体ケース1の車両室内側には、略四角形状の吸い込み口2を設け、吸い込み口2と離れた別の部位に略四角形状の吹き出し口3を設けている。本体ケース1内には、送風手段4と温度調整手段5を備えている。
送風手段4は、本体ケース1内において吸い込み口2から吹き出し口3まで連通する風路6内に設けられ、図示しないモータとモータにより回転する図示しない羽根車とそれらを囲むケースとから構成したファンである。
温度調整手段5は、吸い込み口2から吸引した車両室内の空気の温度を調整するための蒸発機5aや加熱手段5bからなり、冷媒を使用した冷凍サイクルにより車両室内と室外との間で熱搬送をおこなう。
図2は本実施の形態の車両空調システムの放出手段を含む概略構成図である。
図2に示すように、蒸発機5aである熱交換器5cを備え、その下面には、熱交換器5cで凝縮した結露水を集めるドレンパン7と、車両の外側に結露水を排出するための排出手段8として排水管を設ける。
温度調整手段5の蒸発機5aである熱交換器5cは結露水の付着や、汚れの吸着により微生物が繁殖しやすい環境となるため、殺菌洗浄するための洗浄液を熱交換器5cの表面に作用させる。洗浄液は、水に溶解しやすく、低濃度で殺菌作用を得ることができるものであれば、特に限定されず、例えば、塩化ベンザルコニウム塩溶液や、過酢酸や過酸化水素、銀イオン水、次亜塩素酸水などが使用できるが、電気分解で都度生成することができ、殺菌洗浄作用を持つ次亜塩素酸水が好ましい。
この洗浄液を熱交換器5cの表面の隅々まで作用させるために、洗浄液を熱交換器5cに向けて気流とともにミスト状に微細化して放出する洗浄液放出手段9を設ける。
洗浄液放出手段9は、加圧した洗浄液を放出するノズル式や、機械的に破砕して水を微細化して気流に乗せて放出する水破砕手段や、超音波素子で洗浄液を霧化する超音波式などがあり、いずれの方法にも限定されないが、必要な所定量の洗浄液を短時間でミスト化するためには、放出量の多いノズル式が好ましい。また、洗浄液が熱分解しないよう、室温環境下でミストを発生させるものであることが好ましい。
洗浄液は、自然分解による濃度減衰を避ける為、熱交換器5cに作用させる直前に所定濃度に調整することがよく、洗浄液放出手段9の前段に、洗浄液の濃度を調整する為の洗浄液調製手段10を設ける。洗浄液の調整方法としては、例えば高濃度のストック原液を、別に貯留している希釈用の水道水タンク11の水と所定濃度になるように混合する薬液混合方式や、塩水タンク12から供給される塩水を電気分解して次亜塩素酸を生成し、希釈用の水道水タンク11の水と所定濃度になるように混合する電気分解方式などがあるが、この場合、必要な時に確実に所定濃度を確保することができる電気分解方式が好ましい。
そこで、洗浄液調製手段10には、塩水を電気分解するための電解槽13に、電気分解するための電極ユニット14と、電解制御を行う制御手段15、洗浄液を洗浄液放出手段9に加圧送液するための送液ポンプ16を備える。いずれの方式においても、洗浄液の濃度を調製したのち、一旦洗浄液を洗浄液保持手段17に保持し、貯留することによって、放出する洗浄液の濃度を安定化させやすくなり、機器構成上の都合がよい。なお、電気分解方式の場合には、電解槽13が洗浄液保持手段17を兼ねる構成としてもよい。
電極ユニット14は、複数枚の板状の電極板で構成されており、この電極板が電解槽13内の水に浸漬するように設置されている。電極板の材質としては、塩素を発生させるのに十分な過電圧が得られるものであれば特に限定されないが、洗浄液の品質の点から、不溶性の金属を用いるとよく、例えば白金をコートしたチタンが好ましい。この電極表面には、電気分解により塩素発生効率を高めるための白金などを含む触媒層を形成すると、更によい。これらの電極に通電することにより電解槽13内の塩化物イオンを含む水を電気化学的に電気分解することとなり、電解水を生成する。塩化物イオンを含む水は、例えば、水道水に塩化ナトリウムを溶解させた水を用いることができる。電極ユニット14では、そこに通電する電流値を変えることで、電解強度を変更することができる。このとき、生成する電解水中の有効な成分の濃度も変更され、電解強度が大きいと、生成する電解成分も増やすことができる。尚、電解槽13及び接する配管は、次亜塩素酸の酸化力や塩に対する耐性が高い材料を使用すると、耐腐食性を向上させることができるため好ましい。
電解槽13で生成する次亜塩素酸の濃度であるが、殺菌作用が得られるのに十分な濃度を確保できる程度に生成する必要がある。次亜塩素酸は殺菌効果が高く、水道水のように0.1mg/L以上あれば効果が発揮されるが、短時間に効果を得ることや、殺菌対象に付着している有機物でも消費されてしまうことを考慮すると、厚生労働省が指導しているように、20mg/Lから200mg/Lあるとよく、好ましくは、100mg/L以上200mg/L以下である。これだけの濃度の次亜塩素酸水溶液を効率よく生成するためには、電解効率が高い塩水濃度の範囲で使用することが良い。通常、電解水の生成に於ける塩水濃度は、10w/v%くらいまでは塩水濃度に応じて発生効率が向上する。特に短時間で次亜塩素酸を生成するためには、高濃度の塩水を電解することがよく、好ましくは1から3%である。この領域では、電解効率は50%を超えるため、カルシウム硬度などの水質の影響を軽減しつつ、安定して生成することができる。生成量は制御手段15から供給される通電電流によって制御できるため、あらかじめ検討された電流値と通電時間を設定することで、目的の生成量を得ることができる。例えば、必要な電流値と通電時間を、以下に示す式1により求めることができる。
生成濃度[mg/L]= 電流値[A]・通電時間[sec]・電解効率[ρ]/96500・分子量mw[g/mol]/1000/液量10[L] ・・・(式1)
電流値は電極の設計値から定めることが好ましく、生成する量、濃度は通電時間によって制御することが好ましい。式1によると、例えば、電流値3[A]、塩水濃度1%として電解効率が70%、200mg/Lの次亜塩素酸水を10L生成するための通電時間[sec]は、およそ1300[sec](約22分)と求まる。
電極ユニット14に通電することで、塩化物イオンを含んだ水を電気分解して、活性酸素種を含む電解水を生成することができる。
ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシラジカル、或いは過酸化水素といった所謂狭義の活性酸素に、オゾン、次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)等といった所謂広義の活性酸素を含むものである。
電解水中の活性酸素種の濃度が高いほど、よごれ成分や微生物との反応効率が高まり、反応速度を上げることができる。そのため、洗浄効果や殺菌効果を高めたい場合には、電解水中の成分の濃度を上げることで、それを実現することができるといえる。
一方、薬液注入方式をとる場合は、濃縮薬液を貯留するタンクと、希釈用の水道水に定量注入可能なエゼクターなどの薬液混合手段が、洗浄液調製手段10を構成する。
送液ポンプ16は、電解槽13への給水や、洗浄液放出手段9への送液を制御するためのものであり、電解槽13近傍に設ける。水道水タンク11より送液ポンプ16の高さを下げて水頭差を設けると、送液ポンプ16内への呼び水を導入しやすくするので好ましい。
送液ポンプ16の種類は、車両下部から約2m上方の車両上部まで送液し、さらに洗浄液放出手段9の微細なノズルから放出するために十分な圧力を発生させることができるものであればよく、たとえば、ダイアフラム式、チューブ式、遠心式などがあるが、必要な圧力と送液量、メンテナンス性を考慮すると、ダイアフラム式が好ましい。洗浄液は、洗浄液調製手段10より、送液する配管を介して洗浄液放出手段9へ供給されるが、洗浄液が配管系内から車両内に漏出するリスクを減らすことや、メンテナンスのしやすさ、不足時の補充のしやすさを考慮すると、洗浄液調製手段10を車両下部の外側に設けると、車両基地等での作業性が向上するため好ましい。
洗浄液を熱交換器5cに噴霧して洗浄を行なう作業は、微生物の繁殖を抑制できる間隔で実施すればよく、微生物の種類や付着量、増殖速度、栄養となる汚れなどの有機物の量と、熱交換器5c表面の温度などの諸条件から実際の汚染状況を比較しながら決定するのがよい。一般に、熱交換器5cに発生する可能性のある、バイオフィルムと呼ばれる微生物と汚れの塊状の物体は、1週間程度で初期の付着と増殖がみられ、1ヶ月程度で厚みが増加して、洗浄しにくくなってくる。このとき、洗浄液を作用させても、バイオフィルムに含まれる多糖類の影響で、バイオフィルムの内部には洗浄液の成分が浸透しにくく、殺菌効果が大きく減退してしまう。そのため、このような洗浄液を作用させるときには、初期の付着と増殖を抑制できるような頻度で行なうことが必要とされ、例えば1週間に1回以上、より好ましくは1日1回以上の頻度で実施するのがよい。
洗浄を実施するタイミングとしては、例えば、車両の営業運転を終了したのち、車両に接続された電源を落とすまでの間で実施すると、営業運転中に熱交換器5cに付着した微生物や汚れを長時間放置することを避けることができるため好ましい。
洗浄液を熱交換器5cに作用させるとき、微細化して噴霧すると、洗浄液は、熱交換器5cの表面のうち洗浄液放出手段9であるノズルに近い一部のみに付着して、熱交換器5cの表面の全体にうまく行き渡らないという可能性がある。これを回避するために、ノズルを複数設置することや、熱交換器5cの配置を単純化してノズルにあわせた配置にするなどの方法が考えられる。しかしながらノズルの設置箇所が増えると、メンテナンスが増加してしまうなど、別の課題が発生してしまうことが考えられる。
一方、洗浄液として、次亜塩素酸を用いると、前述したように殺菌作用と洗浄作用をもつことに加え、洗浄液をミスト状に微細化して放出することで、気化しやすい微細なミストからの成分の揮発を促進させてガス化を促進させることが可能である。
ガス化した次亜塩素酸は、噴霧した場所以外の熱交換器周辺の空間を充満させることができる。
このとき、温度調整手段を動作させ、熱交換器5c表面の温度を雰囲気に対して露点以下とすると、噴霧した水滴および水蒸気と、ガス化した次亜塩素酸が熱交換器5c表面に結露することですみずみまで吸着し、熱交換器5cの表面にむらなく洗浄液を作用させることができる。
これを活用して、洗浄液放出手段9から洗浄液を放出して熱交換器を洗浄する動作を、図3のフローチャートで示す。
初めに、塩水で満たされた電解槽13において、電極ユニット14で所定時間電気分解し、次亜塩素酸を生成する、もしくは、あらかじめ車両の営業運転中に生成させておく(S1)。次に、運転初期の状態として、空調システムのファンを停止する(S2)。温度調整手段5を動作させ、熱交換器5cの表面温度を低下させる(S3)。続けて送液ポンプ16を動作させ、洗浄液放出手段9であるノズルから洗浄液である次亜塩素酸を噴霧する(S4)。このとき、熱交換器5c周辺の風路内は洗浄液のミストとガスで充満し、高湿度状態になると同時に、熱交換器5cから流れ落ちた余剰の洗浄液はドレンパン7で回収されて、排出手段8から付着した汚れとともに風路6外の車両外部に排水される。熱交換器5cの表面は吸収された次亜塩素酸を含んだ結露水で覆われ、殺菌処理が行われる。一定時間(T1)の間洗浄液を噴霧した後(S5)、送液ポンプ16の運転を停止し、洗浄液の放出を止める(S6)。さらに、一定時間(T2)、結露水で覆われたままの状態を維持させ(S7)、より確実に殺菌処理を行なう。時間としては、作用させる濃度にもよるが、例えば、熱交換器5cに付着した洗浄液の次亜塩素酸の濃度が100mg/Lであれば、5分程度おくことで、十分な作用を発揮することができる。
次に、熱交換器5cに付着した洗浄液を洗い流すために、水道水タンク11に貯留した水道水を送液ポンプ16にて送液し、一定時間(T3)水道水をノズルから噴霧する(S8)。一定時間が経過したことを確認した後(S9)、水道水の噴霧を停止する(S10)。
続けて、熱交換器5cの冷却を停止し(S11)、さらに送風手段4のファンを一定時間(T4)動作させて(S12、S13)、熱交換器5cおよび風路6を乾燥させた後に送風手段4のファンを停止する(S14)。
以上の動作を、例えば1日1回、車両の営業運転終了後に行なうことによって、熱交換器5c表面に付着する微生物の繁殖を防ぎ、微生物に由来する悪臭の発生を抑制することができる。
尚、これらの動作制御は、制御手段15で行なうが、一連の動作をプログラム化して、マイコンなどに記憶させて自動動作できるようにしてもよい。
また、熱交換器5cの冷却時の温度は、表面を雰囲気に対して露点以下となるようにできればよく、例えば、温度センサや湿度センサを吸い込み口2に設置して、熱交換器5c表面の露点温度を推定し、温度調整手段5の運転条件を決定するなどの方法を用いてもよい。
また、熱交換器5cへの次亜塩素酸に由来する塩の付着残留による腐食の影響を軽減するように、洗浄液の放出後、一定時間を置いた後、洗浄液を含まない水を同様に作用させて一定時間を置いてリンスを行なうと、装置の維持管理のためには都合がよい。
以上のように、本実施例によれば、洗浄、殺菌性能によって吹き出し空気質を清潔に保つことができる車両用空調システムを簡単な構成で提供することができる。
鉄道やバスなどの公共交通車両空間に用いられる空調システムとしての活用が期待されるものである。
1 本体ケース
2 吸い込み口
3 吹き出し口
4 送風手段
5 温度調整手段
5a 蒸発機
5b 加熱手段
5c 熱交換器
6 風路
7 ドレンパン
8 排出手段
9 洗浄液放出手段
10 洗浄液調製手段
11 水道水タンク
12 塩水タンク
13 電解槽
14 電極ユニット
15 制御手段
16 送液ポンプ
17 洗浄液保持手段

Claims (5)

  1. 車両に設置され、前記車両の室内の空気を吸い込むための吸い込み口と、
    前記車両の室内の空気を循環送風する送風手段と、
    前記車両の室内に空気を排出する吹き出し口と、
    前記吸い込み口と前記吹き出し口とが連通する風路と、
    前記風路内に設置され通過する空気の温度を調整する温度調整手段と、
    を備えた車両空調システムにおいて、
    前記温度調整手段は、蒸発器と加熱手段からなり、
    前記蒸発器を洗浄するための洗浄液を調製する洗浄液調製手段と、
    前記洗浄液を保持する洗浄液保持手段と、
    前記風路内における前記温度調整手段の近傍に配設され前記洗浄液保持手段に保持されている洗浄液を前記蒸発器に放出する洗浄液放出手段と、を設け、
    前記洗浄液放出手段が洗浄液を放出する際に、前記蒸発器の表面を吸い込み空気の露点以下になるように冷却し、洗浄液を含む結露水を前記蒸発器の表面に凝縮させることを特徴とする車両空調システム。
  2. 洗浄液が次亜塩素酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両空調システム。
  3. 前記洗浄液放出手段が洗浄液をミスト状に微細化して放出することを特徴とする請求項1または2に記載の車両空調システム。
  4. 前記洗浄液放出手段が洗浄液を放出する際に余剰の洗浄液を排出する排出手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両空調システム。
  5. 前記車両の上部に前記温度調整手段と前記洗浄液放出手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両空調システム。
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