JP2005008225A - 飲料供給装置 - Google Patents

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Motoharu Sato
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Abstract

【課題】抗菌性部材を用いることにより簡単に各所での細菌の繁殖を防止できる飲料供給装置を提供する。
【解決手段】飲料貯留部1の飲料を飲料給水系2に導水して飲料給水系2のノズル部24から注出する飲料供給装置において、飲料給水系2のノズル部24に抗菌性部材100を配置した構造となっている。これにより、ノズル部24に飲料が流水する際、抗菌性部材100の活性効果により、飲料が制菌・殺菌され、また、ノズル部24内での細菌の繁殖を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料水等を冷却又は加温して供給する飲料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の飲料供給装置として、特開2000−85893号公報に記載された発明が知られている。
【0003】
この飲料供給装置においては、飲料水が貯留され飲料貯留部から冷水タンク及び温水タンクに飲料水が供給され、冷水タンクでは冷却装置により冷水が生成される一方、温水タンクではヒータにより温水が生成されている。ここで、冷水注出弁を開くときはノズルから冷水が注出され、温水注出弁を開くときはノズルから温水が注出される。
【0004】
また、冷水タンク内の飲料水を循環させる一方、飲料水を紫外線ランプの紫外線により殺菌し、冷水タンク内で細菌の繁殖を防止している。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−85893号公報
【0006】
【発明が解決しよとする課題】
しかしながら、前記従来の飲料供給装置では、紫外線を照射して殺菌する構造のみとなっているため、冷水タンク以外の場所、例えば冷水タンクとノズルとの間の飲料配管やノズル部分の細菌の繁殖を防止するためには、この箇所にもそれぞれ個別に紫外線を照射しなければならず、紫外線照射のための装置が大がかりとなるという問題点を有していた。また、制菌・殺菌する際は飲料水をポンプで循環するため、これまた、装置の大型化はもとよりランニングコストの面でも不利なものとなっていた。
【0007】
本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、抗菌性部材を用いることにより各所で簡単に細菌の繁殖を防止できる飲料供給装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、請求項1の発明は、飲料貯留部の飲料を飲料給水系に導水して該飲料給水系のノズル部から注出する飲料供給装置において、飲料給水系の通水路の少なくとも一部には抗菌性部材を有する構造となっている。
【0009】
請求項1の発明によれば、飲料給水系の通水路の少なくとも一部には抗菌性部材を有する構造となっているので、通水路の内面に抗菌性部材をコーティングしたり、或いは、抗菌性部材を配置することにより簡単に飲料を制菌・殺菌でき、また、通水路での細菌の繁殖を防止することができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載の飲料供給装置において、抗菌性部材は、飲料給水系のうち、飲料貯留部に連結する入口部、入口部とノズル部との間の飲料配管部、又は、ノズル部の少なくとも一箇所に有する構造となっている。
【0011】
請求項2の発明によれば、細菌が繁殖し易い、入口部、飲料配管部或いはノズル部の全部又は一部に抗菌性部材がコーティング或いは配置され、細菌の繁殖が確実に防止される。
【0012】
なお、抗菌性部材は通水路の内面にコーティングした抗菌性被膜で形成してもよい(請求項3)。ここで、飲料給水系で抗菌性部材がコーティングされた部位が着脱自在となっているときは(請求項4)、例えばノズル部に抗菌性部材がコーティングされているときは、ノズル部の着脱により抗菌性部材の交換を行なうことができる。
【0013】
また、抗菌性部材は通水路内に配置され、基材に抗菌性を有する物質がコーティングされた通水性部材であってもよい(請求項5)。この抗菌性部材の基材は、繊維等のフィルター材(請求項6)、セラミック等の多孔質材(請求項7)、渦巻き状の板材(請求項8)、網材(請求項9)、隔壁で仕切られた複数の流路を有する通水体(請求項10)、或いは、複数の通水孔を有する仕切板を複数段に配置してなるものであってもよい(請求項11)。ここで、基材を飲料給水系に着脱自在とするときは(請求項12)、使用済みの抗菌性部材を新たな抗菌性部材に交換することができる。
【0014】
また、抗菌性被膜としてチタン酸化物系化合物を用いてもよいし(請求項13)、リン酸チタニウム系化合物を用いてもよい(請求項14)。ここで、リン酸チタニウム系化合物を用いるときは酸化チタン等の光触媒と異なり、光照射なしで活性効果(抗菌作用、消臭作用、防カビ作用)を発揮するもので、光照射を行なうことができない箇所でも優れた制菌・殺菌作用を発揮する。
【0015】
更に、飲料配管部の内面に凹凸を有することにより(請求項15)、或いは、飲料配管部の内壁に多数の有底孔を有すことにより(請求項16)、抗菌性被膜と飲料との接触面積が大きくなるため、抗菌性被膜の制菌・殺菌効率が向上する。
【0016】
請求項17の発明は、フィルター装置のフィルター材に抗菌性部材をコーティングしたもので、これにより、フィルター材に制菌・殺菌効果が付加される。
【0017】
請求項18の発明は、抗菌性部材に向かって紫外線を照射するようになっており、これにより、紫外線による制菌・殺菌作用が発揮することはもとより、抗菌性部材が二酸化チタン、三酸化タングステン、酸化亜鉛等の光触媒を用いるときは、光触媒作用により、制菌・殺菌効果が更に向上する。
【0018】
なお、飲料貯留部を冷却するときは、飲料貯留部で細菌の繁殖を抑制することができる(請求項19)。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1及び図2(a)(b)は本発明に係る飲料供給装置の第1実施形態を示すもので、図1は飲料供給装置の概略断面図、図2(a)(b)は第1実施形態の要部を示す断面図である。
【0020】
まず、図1を参照して飲料供給装置の概略構成を説明する。飲料供給装置は、水道水、ミネラル水、ジュース、炭酸飲料等の飲料を貯留する飲料貯留部1と、飲料貯留部1に連結する飲料給水系2と、飲料給水系2から注出された飲料を受ける受け部3とを有している。なお、飲料供給装置は、これらの各部1〜3以外にも冷却装置等の各機器が設定されているが、図1には本発明に関係する構造のみを示している。
【0021】
飲料貯留部1は例えばミネラル水を貯留した容器であり、ボトルやタンクが用いられている。また、飲料貯留部1はその注水口11を逆さにして貯留部支持台12に設置されており、この注水口11からミネラル水を注出するようになっている。
【0022】
飲料給水系2は、上下の導水配管211,212からなる飲料配管部21と、冷水生成槽22と、開閉弁23と、ノズル部24から構成されている。これらの各構成部品21〜24は内側に通水路2aを有し、通水路2aを通じてミネラル水を通水するようになっている。
【0023】
上部導水配管211は、その上端(入口部211a)が飲料貯留部1の注水口11に連結され、下端が冷水生成槽22に連結されている。下部導水配管212は、その上端が冷水生成槽22に連結され、下端がノズル部24に連結されている。また、下部導水配管212の途中には開閉弁23が設置されている。開閉弁23は手動又は自動を問わないものであり、手動式で構成されるときは開閉コックであり、自動式で構成されるときは図示しない制御装置の給水・停水信号で開閉される電磁弁構造となっている。
【0024】
冷水生成槽22の槽本体221の外面にはコイル式蒸発器222が設置されており、コイル式蒸発器222に図示しない冷却装置から冷媒を循環し、槽本体221内を冷却するようになっている。また、冷水生成槽22には前述したように上部導水配管211が連結されているため、上部導水配管211を通じて飲料貯留部1の飲料水が供給される。これにより、槽本体221内でミネラル水が冷却される。また、冷水生成槽22には前述したように下部導水配管212が連結されているため、開閉弁23が開動作するとき冷水生成槽22からミネラル水が導水され、ノズル部24を通じて受け部3上のカップ4に注出されることとなる。
【0025】
以上のように構成された飲料供給装置において、本発明はノズル部24の通水路2a内に抗菌性部材100を配置した構造となっている。抗菌性部材100は基材として例えば、セラミック、ゼオライト等の多孔質材、発泡金属、発泡樹脂等の発泡材や繊維で形成されたフィルター材を使用し、多孔質材や発泡材やフィルター材に抗菌性を有する物質である、リン酸チタニウム系化合物をコーティングしたものである。
【0026】
リン酸チタニウム系化合物は酸化チタン等の光触媒と異なり、光照射なしで活性効果(抗菌作用、消臭作用、防カビ作用、制菌・殺菌作用)を発揮するもので、ノズル部24の内部のように光が届かない箇所でも優れた活性効果を発揮する。
【0027】
リン酸チタニウム系化合物のコーティング方法は次の要領で行なう。即ち、例えばフィルター材をリン酸チタニウム系化合物の溶液に浸漬し、リン酸チタニウム系化合物をフィルター材に含浸させる。その後、フィルター材を当該溶液から引き上げ乾燥させる。これにより、リン酸チタニウム系化合物が抗菌性被膜となってフィルター材にコーティングされる。
【0028】
また、ノズル部24の開口端241には抗菌性部材100を保持する保持リング101が取り付けられている。保持リング101は中央を開口するとともに、周縁にはネジが螺刻されている。また、ノズル部24の外周面で開口端241の近傍には同じくネジが螺刻されている。図2(a)に示すように、保持リング101をノズル部24にネジ込むことにより保持リング101が取り付けられ、この保持リング101により抗菌性部材100をノズル部24内に保持することができる。一方、保持リング101を弛緩してノズル部24から外すときは、抗菌性部材100をノズル部24から取り出すことができる。
【0029】
本実施形態によれば、ミネラル水がノズル部24の通水路2a内に流れ、更に抗菌性部材100を通過する際、或いは、ミネラル水がノズル部24に滞留する際、多孔質材やフィルター材によりミネラル水に含有する塵埃が除去されることはもとより、ミネラル水内に浮遊する細菌が抗菌性部材100の活性効果により制菌・殺菌等される。
【0030】
また、開口端241を通じてノズル部24内に微生物が侵入するため、ノズル部24内は最も細菌が繁殖し易い場所となっている。本実施形態では、まさに、このようなノズル部24内に抗菌性部材100を配置しているため、抗菌性部材100の活性効果がノズル部24にも作用し、ノズル部24における細菌の繁殖が確実に防止される。
【0031】
図3(a)(b)は本発明に係る飲料供給装置の第2実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0032】
本実施形態は、抗菌性部材110は基材として所定間隔をおいて渦巻き状に形成されたステンレス鋼板が使用されている。また、基材にコーティングされる抗菌性被膜は前記第1実施形態と同様にリン酸チタニウム系化合物が用いられている。
【0033】
本実施形態によれば、ミネラル水がノズル部24の通水路2a内に流れ、更に抗菌性部材110の板間の隙間を通過する際、或いは、ミネラル水がノズル部24に滞留する際、ミネラル水に浮遊する細菌が抗菌性部材110の活性効果により制菌・殺菌等される。なお、その他の作用は前記第1実施形態と同様である。
【0034】
図4(a)(b)は本発明に係る飲料供給装置の第3実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0035】
本実施形態は、抗菌性部材120は基材として所定間隔をおいて渦巻き状に形成されたステンレス鋼の網板が使用されている。また、基材にコーティングされる抗菌性被膜は前記第1実施形態と同様にリン酸チタニウム系化合物が用いられている。
【0036】
本実施形態によれば、ミネラル水がノズル部24の通水路2a内に流れ、更に抗菌性部材120の網目及び板間の隙間を通過する際、或いは、ミネラル水がノズル部24に滞留する際、ミネラル水に浮遊する細菌が抗菌性部材120の活性効果により制菌・殺菌等される。また、ミネラル水に浮遊する塵埃が抗菌性部材120により捕捉され、浄化されたミネラル水が注出される。なお、その他の作用は前記第1実施形態と同様である。
【0037】
図5(a)(b)は本発明に係る飲料供給装置の第4実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0038】
本実施形態は、抗菌性部材130は基材としてワイヤ状のステンレス鋼材を下端開口の筒体になるよう編んだものが使用されている。また、基材にコーティングされる抗菌性被膜は前記第1実施形態と同様にリン酸チタニウム系化合物が用いられている。
【0039】
本実施形態によれば、ミネラル水がノズル部24の通水路2a内に流れ、更に抗菌性部材130の網目を通って抗菌性部材130の内部を通過する際、或いは、ミネラル水がノズル部24に滞留する際、ミネラル水に浮遊する細菌が抗菌性部材130の活性効果により制菌・殺菌等される。また、ミネラル水に浮遊する塵埃が抗菌性部材130により捕捉され、浄化されたミネラル水が注出される。なお、その他の作用は前記第1実施形態と同様である。
【0040】
図6(a)(b)は本発明に係る飲料供給装置の第5実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0041】
本実施形態は、抗菌性部材140は基材として前記第4実施形態の抗菌性部材を逆に配置したものである(上端開口の筒体となるよう編んだもの)。また、基材のワイヤがノズル部24aの内面に沿って折り曲げられ、折り曲げられたワイヤ141がノズル部24の内面に圧接した状態となっている。これにより、抗菌性部材140がノズル部24内に保持されるため、前記各実施形態に係る保持リングが不要となっている。基材にコーティングされる抗菌性被膜は前記第1実施形態と同様にリン酸チタニウム系化合物が用いられている。
【0042】
本実施形態によれば、ミネラル水がノズル部24の通水路2a内に流れ、更に抗菌性部材140の網目を通って抗菌性部材140の内部を通過する際、或いは、ミネラル水がノズル部24に滞留する際、ミネラル水に浮遊する細菌が抗菌性部材140の活性効果により制菌・殺菌等される。また、ミネラル水に浮遊する塵埃が抗菌性部材130により捕捉され、浄化されたミネラル水が注出される。なお、その他の作用は前記第1実施形態と同様である。
【0043】
図7(a)(b)は本発明に係る飲料供給装置の第6実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0044】
本実施形態は、抗菌性部材150は基材として複数段に配置された仕切板151を用いている。各仕切板151には所定間隔をおいて多数の通水孔152が穿設されている。また、各仕切板151は環状の支持板153で上下に間隔をおいて配置されている。また、各仕切板151は上下に隣接する仕切板151の各通水孔152が互いに対向しないよう配置されている。基材にコーティングされる抗菌性被膜は前記第1実施形態と同様にリン酸チタニウム系化合物が用いられている。
【0045】
本実施形態によれば、ミネラル水がノズル部24の通水路2a内に流入し、各仕切板151の通水孔152を上流から下流に向かって通過する際、或いは、ミネラル水がノズル部24に滞留する際、ミネラル水に浮遊する細菌が抗菌性部材150の活性効果により制菌・殺菌等される。
【0046】
また、上下に隣接する各仕切板151の通水孔152が互いに対向しないよう配置されているため、図7(a)の矢印に示すように、ミネラル水が蛇行して流れ、ミネラル水と抗菌性部材150との接触時間が長くなる。これにより、ミネラル水の制菌・殺菌効果を向上させることができる。
【0047】
なお、ミネラル水と抗菌性部材150との接触時間を長くする方法として、本実施形態以外にノズル部24内の中央寄りが流速が早く、周側面寄りの流速が遅くなる。そこで、図示しないが、中央寄りの通水孔152の径を小さくし、周側面寄りの通水孔152を大きくしてミネラル水の流速を均一化させ、これにより、ミネラル水全体に活性効果が及ぶようにしてもよい。その他の作用は前記第1実施形態と同様である。
【0048】
図8(a)(b)は本発明に係る飲料供給装置の第7実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0049】
本実施形態は、抗菌性部材160は基材として隔壁161で前後左右に仕切られた複数の流路162を有する通水体で構成されている。また、各流路162は上下に貫通しており、ミネラル水が各流路162に分岐して流通するようになっている。また、基材にコーティングされる抗菌性被膜は前記第1実施形態と同様にリン酸チタニウム系化合物が用いられている。
【0050】
本実施形態によれば、ミネラル水がノズル部24の通水路2a内に流れ、更に分岐して各流路162内を通過する際、或いは、ミネラル水がノズル部24に滞留する際、ミネラル水に浮遊する細菌が抗菌性部材160の活性効果により制菌・殺菌等される。また、ミネラル水が多数の流路162に分岐されるため、ミネラル水と抗菌性被膜との接触面積が大きくなり、活性効果が向上する。なお、各流路162の流通断面が略四角形状に形成されているが、円形状、六角形状等何れの形状であってもよい。その他の作用は前記第1実施形態と同様である。
【0051】
図9及び図10は本発明に係る飲料供給装置の第8実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0052】
前記各実施形態では各抗菌性部材100〜160として基材に抗菌性被膜をコーティングしたものを用い、また、各抗菌性部材100〜160を飲料給水系2のノズル部24に配置した例が説明されている。これに対して、本実施形態は飲料給水系2の飲料配管部21に抗菌性部材170が形成されている。
【0053】
即ち、飲料配管部21の上部導水配管211の内面211aにリン酸チタニウム系化合物をコーティングし、内面211aに抗菌性被膜(抗菌性部材170)を形成している。また、上部導水配管211は外側に突出した環状の突出部211bを有している。突出部211bは上下に間隔をおいて複数配置しており、これにより、上部導水配管211の内面211aに多数の凹凸が形成される。
【0054】
本実施形態によれば、ミネラル水が上部導水配管211を通過する際、ミネラル水に浮遊する細菌が抗菌性部材170の活性効果により制菌・殺菌等される。また、上部導水配管211の内面211aが凹凸形状となっているため、ミネラル水と抗菌性部材170との接触面積が大きくなり、ミネラル水を確実に制菌・殺菌等できる。更に、上部導水配管211の内面211aが抗菌性部材170で被膜されているため、上部導水配管211の内面211aでの細菌の繁殖が抑制される。なお、上部導水配管211に抗菌性部材170を形成しているが、下部導水配管212に抗菌性部材170を形成するようにしてもよい。
【0055】
図11は本発明に係る飲料供給装置の第9実施形態を示すものである。なお、前記第8実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0056】
前記第8実施形態に係る飲料供給装置では、抗菌性被膜が形成された上部導水配管211の内面211aが凹凸形状に形成されているが、本実施形態に係る飲料供給装置は上部導水配管211の内壁211cに多数の有底孔211dを形成し、内面211aに抗菌性部材180(リン酸チタニウム系化合物)をコーティングしている。
【0057】
本実施形態によれば、内壁211cに形成された多数の有底孔211dによりミネラル水と抗菌性被膜との接触面積が大きくなり、ミネラル水を確実に制菌・殺菌等できる。なお、その他の構成、作用は前記第8実施形態と同様である。
【0058】
図12は本発明に係る飲料供給装置の第10実施形態を示すものである。なお、前記第8実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0059】
本実施形態に係る飲料供給装置は前記第8実施形態の上部導水配管211の内部に紫外線照射装置(紫外線ランプ)5を配置している。
【0060】
本実施形態によれば、抗菌性部材でミネラル水に浮遊する細菌が制菌・殺菌されることはもとより、紫外線によっても細菌が制菌・殺菌され、ミネラル水の浄化作用が更に向上する。また、抗菌性部材として光触媒である、二酸化チタン、三酸化タングステン、酸化亜鉛等を用いることもできる。なお、その他の構成及び作用は前記第8実施形態と同様である。
【0061】
図13は本発明に係る飲料供給装置の第11実施形態を示すものである。なお、前記第1実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0062】
前記第1〜10実施形態では飲料貯留部1からミネラル水を上部から自然流下する例を示したが、飲料貯留部1を外部に別個に設置し、ポンプ25でミネラル水を給送する飲料供給装置であってもよい。また、前記第1〜10実施形態では飲料給水系2に冷水生成槽22を有する例を説明したが、飲料給水系2にヒータ261内蔵の温水生成槽26を冷水生成槽22と並列に配置した飲料供給装置であってもよい。
【0063】
図14及び図15は本発明に係る飲料供給装置の第12実施形態を示すものである。なお、前記第11実施形態と同一構成部分は同一符号を用い、同一構成部分の説明は省略する。
【0064】
本実施形態は前記第11実施形態の飲料貯留部1に相当するミネラル水生成槽1aを設置し、また、前記第11実施形態の飲料給水系2にミネラル水を浄化するフィルター装置27を設置している。このミネラル水生成槽1aは周知のもので、内部に図示しない麦飯石・コーラルサンド等のミネラル溶出部材を配置するとともに、直流電圧が印加される電極を配置しており、直流電圧を印加して貯留された水道水にミネラル成分を溶出し、ミネラル水を生成する構造となっている。また、フィルター装置27は、図15に示すように、フィルター槽271内にホルダ272に吊されたフィルター材273を有している。入口274から流入したミネラル水をフィルター材273で浄化し、この浄化したミネラル水を出口275を通じて流出するようになっている。このように構成されたフィルター装置27において、本実施形態に係る抗菌性部材190はフィルター材273を基材としてリン酸チタニウム系化合物をコーティングした構成となっている。
【0065】
本実施形態によれば、フィルター装置27に流入したミネラル水がリン酸チタニウムの活性効果により制菌・殺菌等されるし、また、フィルター材273の内部で殺菌が繁殖することがない。
【0066】
なお、前記第1〜7実施形態ではノズル部24内に抗菌性部材100〜160を配置しているが、ノズル部24の内面に抗菌性部材をコーティングするようにしてもよい。ここで、ノズル部24を着脱自在とすることにより、抗菌性部材の交換も容易に行うことができる。また、前記第8,9実施形態では飲料給水系2の飲料配管部21に抗菌性部材170,180を被膜しているが、飲料配管部21に図示しない基材に抗菌性部材をコーティングしたものを用い、この基材を着脱自在に配置するようにしてもよい。
【0067】
また、前記各実施形態1〜11で説明した抗菌性部材の配置或いはコーティング位置以外に飲料給水系2の何れの箇所にも抗菌性部材を配置或いは被膜することできる。例えば、飲料給水系2の入口部211aに抗菌性部材を配置或いは被膜するようにしてもよい。
【0068】
更に、飲料貯留部1を図示しない冷却装置で冷却するときは、飲料貯留部1での細菌の繁殖が抑制される。更に、前記各実施形態ではミネラル水を用いた例を説明したが、これ以外に水道水、ジュース、炭酸飲料等の何れの飲料にも適用できることはいうまでもない。
【0069】
更にまた、前記各実施形態では抗菌性部材としてリン酸チタニウム系化合物を用いたが、チタン酸化物系化合物を用いるようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、飲料給水系の通水路の少なくとも一部には抗菌性部材を有する構造となっているので、通水路に抗菌性部材をコーティングしたり、或いは、配置することにより簡単に飲料を制菌・殺菌でき、また、通水路での細菌の繁殖を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る飲料供給装置の概略断面図
【図2】第1実施形態の要部を示すもので、図2(a)はノズル部の縦断面図、図2(b)は図2(a)のA−A線矢印方向の横断面図
【図3】第2実施形態の要部を示すもので、図3(a)はノズル部の縦断面図、図3(b)は図3(a)のB−B線矢印方向の横断面図
【図4】第3実施形態の要部を示すもので、図4(a)はノズル部の縦断面図、図4(b)は図4(a)のC−C線矢印方向の横断面図
【図5】第4実施形態の要部を示すもので、図5(a)はノズル部の縦断面図、図5(b)は図5(a)のD−D線矢印方向の横断面図
【図6】第5実施形態の要部を示すもので、図6(a)はノズル部の縦断面図、図6(b)は図6(a)のE−E線矢印方向の横断面図
【図7】第6実施形態の要部を示すもので、図7(a)はノズル部の縦断面図、図7(b)は図7(a)のF−F線矢印方向の横断面図
【図8】第7実施形態の要部を示すもので、図8(a)はノズル部の縦断面図、図8(b)は図8(a)のG−G線矢印方向の横断面図
【図9】第8実施形態に係る上部導水配管を示す正面図
【図10】第8実施形態に係る上部導水配管の拡大断面図
【図11】第9実施形態に係る上部導水配管の拡大断面図
【図12】第10実施形態に係る上部導水配管の一部切欠正面図
【図13】第11実施形態に係る水回路図
【図14】第12実施形態に係る水回路図
【図15】第12実施形態に係るフィルター装置の断面図
【符号の説明】
1…飲料貯留部、1a…ミネラル水生成槽、2…飲料給水系、2a…通水部、21…飲料配管部、22…冷水生成槽、23…開閉弁、24…ノズル部、25…ポンプ、26…温水生成槽、27…フィルター装置、100,110,120,130,140,150,160,170,180,190…抗菌性部材、211a…入口部。

Claims (19)

  1. 飲料貯留部の飲料を飲料給水系に導水して該飲料給水系のノズル部から注出する飲料供給装置において、
    前記飲料給水系の通水路の少なくとも一部には抗菌性部材を有する
    ことを特徴とする飲料供給装置。
  2. 前記抗菌性部材は、前記飲料給水系のうち、前記飲料貯留部に連結する入口部、該入口部と前記ノズル部との間の飲料配管部、又は、該ノズル部の少なくとも一箇所に有する
    ことを特徴とする請求項1記載の飲料供給装置。
  3. 前記抗菌性部材は前記通水路の内面にコーティングした抗菌性被膜で形成された
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の飲料供給装置。
  4. 前記飲料給水系で前記抗菌性部材がコーティングされた部位は着脱自在となっている
    ことを特徴とする請求項3記載の飲料供給装置。
  5. 前記抗菌性部材は前記通水路内に配置され、基材に抗菌性を有する物質がコーティングされた通水性部材である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の飲料供給装置。
  6. 前記基材は繊維等のフィルター材で形成された
    ことを特徴とする請求項5記載の飲料供給装置。
  7. 前記基材はセラミック等の多孔質材で形成された
    ことを特徴とする請求項5記載の飲料供給装置。
  8. 前記基材は渦巻き状の板材で形成された
    ことを特徴とする請求項5記載の飲料供給装置。
  9. 前記基材は網材で形成された
    ことを特徴とする請求項5記載の飲料供給装置。
  10. 前記基材は隔壁で仕切られた複数の流路を有する通水体で形成された
    ことを特徴とする請求項5記載の飲料供給装置。
  11. 前記基材は複数の通水孔を有する仕切板を複数段に配置してなる
    ことを特徴とする請求項5記載の飲料供給装置。
  12. 前記基材は前記飲料給水系に着脱自在となっている
    ことを特徴とする請求項5乃至請求項11の何れか一項記載の飲料供給装置。
  13. 前記抗菌性被膜はチタン酸化物系化合物である
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項12の何れか一項記載の飲料供給装置。
  14. 前記抗菌性被膜はリン酸チタニウム系化合物である
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項12の何れか一項記載の飲料供給装置。
  15. 前記飲料配管部の内面に凹凸を有する
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項14の何れか一項記載の飲料供給装置。
  16. 前記飲料配管部の内壁に多数の有底孔を有する
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項14の何れか一項記載の飲料供給装置。
  17. 前記飲料配管部に飲料中の不純物を除去するフィルター装置を設けるとともに、該フィルター装置のフィルター材に抗菌性部材をコーティングした
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項16の何れか一項記載の飲料供給装置。
  18. 前記抗菌性部材を有する前記通水路のうち、少なくとも一部に紫外線を照射する紫外線照射装置を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項17の何れか一項記載の飲料供給装置。
  19. 前記飲料貯留部を冷却する冷却部を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項18の何れか一項記載の飲料供給装置。
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