JP2005342787A - 熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置、加熱・圧延スケジュール作成方法、コンピュータプログラム、及び読取可能な記憶媒体 - Google Patents

熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置、加熱・圧延スケジュール作成方法、コンピュータプログラム、及び読取可能な記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱間圧延工場における最適なスケジュールに自動作成できるようにする。
【解決手段】 単数または複数の加熱炉と圧延機により構成される熱間圧延工場のスラブ加熱順序及び圧延順序を決定する熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置であって、製鋼工場から熱間圧延工場にいたるスケジュール対象鋼材の物流状態及びスケジュール対象鋼材に関する情報を記憶し、これらの情報がネットワークを経由して自動的に更新されるスケジュール対象鋼材情報処理装置と、スケジュール対象鋼材情報処理装置から現時点のスケジュール対象鋼材の状況を入力し、将来の物流状態を予測するシミュレーション装置と、シミュレーション装置が予測する将来のスケジュール対象鋼材の熱延到着状態及び熱間圧延工場での操業進捗状況に応じスケジュール指示を算出する最適スケジュール算出装置とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置、加熱・圧延スケジュール作成方法、コンピュータプログラム、及び読取可能な記憶に関し、特に、鋼材等の熱間圧延工場の加熱炉装入スケジュールや圧延スケジュール作成に利用して好適なものである。
例えば、圧延工場において、スラブ等の鋼材を熱間圧延する際には、圧延順に見て隣接する鋼材の有する属性(幅、厚み、硬度等)変化が小さくなるよう鋼材の圧延順序を定めることにより、安定した圧延品質を確保するよう努めている。従来は操業者の経験により圧延順が決められていたが、圧延順にはそれ以外にも加熱炉コスト削減や納期確保の観点から様々な要請があり、昨今では計算機を用いて自動作成される場合がある。
この自動作成を行う熱間圧延工場の物流スケジューリング装置に関しては、特許文献1や特許文献2(以下、先行技術という)等、これまでもいくつか提案されているが、それらはスケジュールに組み込む鋼材ありきの前提(人による選択等何らかの方法でスケジュールに組み込む鋼材が予め決められているという前提)で、それらの鋼材に対し、遺伝的アルゴリズムやシミュレーテッド・アニーリング法等のいわゆるヒューリスティック解法(発見的解法)を用いて近似最適解を求めることにより加熱炉装入順番或いは圧延順番を決めるもがほとんどであった。本来ならば、近似でない厳密な最適解を導出可能な数理計画問題として、熱延スケジューリング問題を定式化し、解の最適性を保証したいところである。その障害の一つには、熱延スケジュールに要求される様々な加熱・圧延制約の定式化が難しいことが挙げられる。
つまり、従来のヒューリスティックな手法を用いている場合でさえ、スケジュールを作成する際に考慮に入れている加熱・圧延品質に関する制約条件は、高々加熱炉各炉の装入順材料間の温度移行と圧延順材料間における幅、厚み移行の条件までである。高品質が要求される製品等の熱間圧延に課せられる、組込み位置の規制、組込み総量の規制、及び組込み順序関係の規制等まで考慮してスケジュールを作成している手法はほとんど見当らない。ましてや、厳密な定式化を行ってこれらの規制を考慮するものは皆無である。なお、先行技術では組込み位置の規制までは考慮しているが、それ以外の制約は考慮されておらず、また、手法がヒューリスティック解法であるために最適解が得られる保証はない。この種の圧延制約は、一種のルール的な制約であることから数理計画問題における制約条件として定式化すること自体が困難なため、考慮することが難しいとされてきたことによると考えられる。
特開平6−304619号公報 特開平10−5831号公報
しかし、形状等のユーザーからの強い品質要求に応えるためには、幅・厚み移行のみならず、前記した組込み位置の規制等のスケジュール制約条件を考慮した最適スケジュールの導出が不可欠である。
また、ヒューリスティック解法に頼るもう一つの要因は、納期確保のため作成対象スケジュールのいずれかの位置に必ずや組み込みたい必須組込み鋼材の扱い方である。これも熱延スケジュールでは避けて通れない問題であるが、きちんと数理計画問題として定式化することは容易ではない。まず、必須組込み鋼材をどの位置に組込むべきかを判断するには、他の選択された鋼材により決められるべきであるが、必須組込み鋼材として、いかなる鋼材が指定されているかにより、最適選択されるべきその他の鋼材の内容が規制される側面もあるため、それらを同時に最適に決めなければならない点が厳密な最適化問題として定式化することが難しいとされる理由である。なお、ここでの"最適化"とは、例えば、加熱炉の燃料原単位最少化等を想定しているものとする。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、鋼材等の熱間圧延工場の鋼材加工スケジュール作成において、品質造りこみの面から要請される組込み位置規制、組込み総量規制、組込み順序関係規制等の品質制約を遵守し、更に納期確保の面からスケジュールへの組込み必須鋼材の組込みを実現し得る最適なスケジュールを自動作成するため、前記の規制等を最適化問題として定式化し、最適なスケジュールに該当する厳密な最適解を導出できるようにすることを目的とする。
本発明の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置は、単数、または複数の加熱炉と圧延機により構成される圧延プロセスの鋼材加熱順序及び圧延順序を含む処理計画を作成するための熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置において、前記処理プロセスの物流フロー及び物流制約を離散事象モデルで表した離散事象系シミュレータと、前記離散事象系シミュレータにて対象とする事象が発生した際の物流状態の情報を基に、前記離散事象系シミュレータの初期状態をセットするスケジュール対象鋼材情報処理装置と、前記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)の間、前記処理プロセスの物流状態と物流制約とからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを用いて最適化計算処理を行って前記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを有し、前記数式モデル保持装置に保持されている数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを前記最適化計算装置に与えて、前記最適化計算装置による最適化計算処理を行うことにより、前記立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して、前記算出した最適物流指示を前記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、前記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより、スケジュール対象鋼材の熱延到着状態及び加熱炉における物流進捗状態に応じた最適なスケジュールを作成するようにしたことを特徴としている。
また、本発明の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置の他の特徴とするところは、前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる各鋼片に対する製品情報より性状の観点から冷片・熱片鋼材をグループ分けし、冷片グループ・熱片グループを構成する冷片・熱片グループ化処理冷片・熱片グループ化処理手段と、前記冷片・熱片グループ化処理手段によりグループ分けされた冷片グループのうち、前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる各鋼片に対する製品情報より納期上至急性の高いグループを判別し、それを優先して製鋼工場から出片予定の熱片グループと、圧延制約などの観点から対応付けを行う冷片グループ・熱片グループ対応処理手段と、前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる製鋼工場から出片される熱片鋼材の性状に関する情報、熱延工場への到着時刻情報、及び前記冷片グループ・熱片グループ対応処理手段による対応結果を基にスケジュールに取り込むべき熱片グループをどれにするか、及びその最適な装入順番を算出する最適熱片グループ順列選択処理手段と、前記最適熱片グループ順列選択処理手段により装入対象とされた熱片及び冷片の装入温度を予測し、それに基いてそれぞれの加熱炉に対する装入本数比率を算出する各炉抽出比率決定処理手段と、前記最適熱片グループ順列選択処理手段及び各炉抽出比率決定処理手段により各炉毎への装入が確定した熱片グループ及び冷片グループに含まれる鋼片1本1本の最適な装入順番を算出する炉別最適装入順番決定処理手段と、前記炉別最適装入順番決定処理手段により算出された炉別の装入順番を前提として炉間の最適な抽出順番を算出する炉毎抽出順番決定処理手段とを有する最適スケジュール作成装置を具備することを特徴としている。
本発明の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法は、単数、または複数の加熱炉と圧延機により構成される圧延プロセスの鋼材加熱順序及び圧延順序を含む処理計画を作成するための熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法であって、前記処理プロセスの物流フロー及び物流制約を離散事象モデルで表した離散事象系シミュレータと、前記離散事象系シミュレータにて対象とする事象が発生した際の物流状態の情報を基に、前記離散事象系シミュレータの初期状態をセットするスケジュール対象鋼材情報処理装置と、前記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)の間、前記処理プロセスの物流状態と物流制約とからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを用いて最適化計算処理を行って前記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを用い、前記数式モデル保持装置に保持されている数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを前記最適化計算装置に与えて、前記最適化計算装置による最適化計算処理を行うことにより、前記立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して、前記算出した最適物流指示を前記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、前記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより、スケジュール対象鋼材の熱延到着状態及び加熱炉における物流進捗状態に応じた最適なスケジュールを作成するようにしたことを特徴としている。
また、本発明の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法の他の特徴とするところは、前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる各鋼片に対する製品情報より性状の観点から冷片・熱片鋼材をグループ分けし、冷片グループ・熱片グループを構成する冷片・熱片グループ化処理工程と、前記冷片・熱片グループ化処理工程によりグループ分けされた冷片グループのうち、前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる各鋼片に対する製品情報より納期上至急性の高いグループを判別し、それを優先して製鋼工場から出片予定の熱片グループと、圧延制約などの観点から対応付けを行う冷片グループ・熱片グループ対応処理工程と、前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる製鋼工場から出片される熱片鋼材の性状に関する情報、熱延工場への到着時刻情報、及び冷片グループ・熱片グループ対応処理工程による対応結果を基にスケジュールに取り込むべき熱片グループをどれにするか、及びその最適な装入順番を算出する最適熱片グループ順列選択処理工程と、前記最適熱片グループ順列選択処理工程により装入対象となった熱片及び冷片の装入温度を予測し、それに基いてそれぞれの加熱炉に対する装入本数比率を算出する各炉抽出比率決定処理工程と、前記最適熱片グループ順列選択処理工程及び各炉抽出比率決定処理工程により各炉毎への装入が確定した熱片グループ及び冷片グループに含まれる鋼片1本1本の最適な装入順番を算出する炉別最適装入順番決定処理工程と、前記炉別最適装入順番決定処理工程により算出された炉別の装入順番を前提として炉間の最適な抽出順番を算出する炉毎抽出順番決定処理工程とを行い最適なスケジュールを作成することを特徴としている。
本発明のコンピュータプログラムは、単数、または複数の加熱炉と圧延機により構成される圧延プロセスの鋼材加熱順序及び圧延順序を含む処理計画を作成するための熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記処理プロセスの物流フロー及び物流制約を離散事象モデルで表した離散事象系シミュレータと、前記離散事象系シミュレータにて対象とする事象が発生した際の物流状態の情報を基に、前記離散事象系シミュレータの初期状態をセットするスケジュール対象鋼材情報処理装置と、前記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)の間、前記処理プロセスの物流状態と物流制約とからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを用いて最適化計算処理を行って前記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを用い、前記数式モデル保持装置に保持されている数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを前記最適化計算装置に与えて、前記最適化計算装置による最適化計算処理を行うことにより、前記立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して、前記算出した最適物流指示を前記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、前記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより、スケジュール対象鋼材の熱延到着状態及び加熱炉における物流進捗状態に応じた最適なスケジュールを作成する処理をコンピュータに実行させることを特徴としている。
本発明の記録媒体は、前記に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴としている。
本発明によれば、熱間圧延工場における鋼材加工のためのスケジュール作成において、各処理部が適切に連動することにより、品質造りこみの面から要請される組込み位置規制、組込み総量規制、組込み順序関係規制等のスケジュール制約を遵守し、更に納期確保の面からスケジュールへの組込み必須鋼材の組込みを実現し得る最適なスケジュールを自動作成することが可能となる。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明を適用した加熱・圧延スケジュール作成装置及び熱間圧延工場の全体構成を示す概略図である。図1において、スケジュール作成装置2は、スケジュール作成指示を受けたタイミングで、連続鋳造工程から熱延工程に及ぶ実プロセススケジュール実績管理を行うスケジュール対象鋼材情報処理装置1より現時刻のスケジュール対象鋼材の物流状態に関する情報である現在物流状態6を受信し、それをシミュレータ3の初期状態データに変換する。
シミュレータ3は、その初期状態を起点として既に確定済みのスケジュールが存在する場合にはそれに従いシミュレーションを実行する。確定済みのスケジュールが存在しない場合、或いは、存在していた確定スケジュールまでシミュレータが進行した場合には、シミュレータ3は、そのシミュレーション時刻(確定済みのスケジュールがなくなった時刻)の物流状態(未来物流状態)7を最適化エンジン4に送る。最適化エンジン4は未来物流状態7を基に最適スケジュール8を作成し、それをシミュレータ3へ送る。シミュレータ3は、その最適スケジュール8に基づきシミュレーションを続行して、時間を付与した厳密なスケジュール指示9を作成した後、実プロセス5に対しスケジュール指示9を出す。スケジュール指示9を基に操業が行われ、その実績データ10が前記スケジュール対象鋼材情報処理装置1に送られ、実績管理が行われる。このループの繰り返しにより随時スケジュールが自動作成されて、熱間圧延工場の実プロセスが続行される。
次に、図2を用いて最適化エンジン4における具体的なスケジュール作成の処理フローを説明する。最初に冷片・熱片グループ化処理部11において、連造鋳造工場(連鋳と記す)から熱間圧延工場(熱延と記す)に到着する一まとまり毎に、熱片(鋳造されて間もない高温の鋼材)のまま加熱炉へ装入可能な鋼材をグループ化する(以後、熱片グループと称する)。例えば、貨車に積載されて連鋳から熱延へ運搬される場合には、同一の貨車に積載された鋼材のまとまりをここでの同一グループと考える。それは、連鋳での同一ロットのスラブが同じ貨車に積まれ熱延まで運ばれることが多いので、熱延で加工された後の熱延コイルとしての性状(幅・厚み・硬さ・抽出目標温度等)も似通っているからである。
一方、個々の冷片(冷えた鋼材)に対しては、熱延加工後のコイルとなったときの幅・厚み・硬さ・抽出目標温度をそれぞれ座標軸とした4次元座標(以後、性状座標と称する)上にそれぞれの冷片をプロットし、この性状座標における同一格子点内に含まれる冷片グループを同一グループとしてグループ化する(以後、冷片グループと称する)。
次に、冷片グループ・熱片グループ対応処理部12にて、熱片、冷片に関わらず全ての鋼材1本1本に対し、納期の至急性の観点から点数付けを行う。ここでは納期の切迫している鋼材ほど高い点数を与えるものとする(以後、ここで付けられた点数を納期得点と称する)。
そして、前記冷片・熱片グループ化処理部11にて定められた熱片グループと冷片グループとを、幅・厚み・硬さが同一或いは近い座標に属するグループ同志を対応付ける。この際、熱片グループのグループ内に含まれる鋼材の数量と同数程度の鋼材数量を持つ冷片グループを対応付けるようにする。また、ある熱片グループと対応付け可能な冷片グループが複数ある場合には、先の納期得点が高い鋼材を多く含む冷片グループを優先して対応付けを行うものとする。この対応付けの結果、各熱片グループに属する鋼片がもつ納期得点とこれに対応付けられた冷片グループに属する鋼片のもつ納期得点の総和を該当する熱片グループの納期得点とする。
続いて、最適熱片グループ順列選択処理部13について説明する。ここでは、加熱炉への装入タイミングに熱延に到着している装入可能な熱片グループについて、熱片炉へ装入する最適な順列を算出する。つまり、装入すべき熱片グループの決定とその装入順番の決定を行う処理である(詳細な決定法は後述する)。この決定の際して、先に算出した熱片グループの納期得点が評価指標の一つとして含まれているので、ここでの処理で装入すべき熱片グループ及びその装入順番が決定されると、前記冷片グループ・熱片グループ対応処理部12にて、算出された熱片グループ順列に対応付けられた冷片グループもスケジュール組込み鋼材として同時に決定されたことになる。つまり、ここまでの処理でスケジュール組込み鋼材が大枠決定したことになる。
次に、各炉抽出比率決定処理部14において、熱片炉、冷片炉へ装入する鋼材数の比率を決定する。これは、複数ある加熱炉へ装入する鋼材の本数比率を適正に配分することにより、特定炉で焼き上がりのための抽出待ち時間が発生するのを防止するための処理である。ここで、各炉抽出比率すなわち装入本数比率は、各炉の処理速度比率と言い換えられ、各炉に装入される鋼材の装入温度、抽出目標温度に応じて決まる必要在炉時間により、各炉抽出比率の適正値が決定される。とりわけ焼き上げるのにネックとなるあるスラブの在炉時間を最大在炉時間とすると、各炉の適正な抽出比率即ち処理速度比率は各炉の最大在炉時間の逆数比とすることにより不要な待ち時間のないスムーズな処理が可能となる。
この各炉抽出比率決定処理部14の処理手順としては、(1)各炉に装入されるスラブ1本1本に対し、各スラブの連鋳工程での切断時刻とその時の鋼片温度が既知である前提で、当該スラブが加熱炉へ装入される時刻をシミュレータにより予測し、温度減衰計算により加熱炉への装入時の温度を予測する。その予測装入温度を予め設定した抽出目標温度に昇温するために必要となる在炉時間を簡易的な電熱計算或いは経験式より求める。(2)各スラブグループの最大の在炉時間を当該炉、当該グループの最大在炉時間として、同時に装入する炉間で最大在炉時間の逆数比を求め、それをそのスラブグループ装入時の抽出比率とする。そして、その抽出比率より実際に装入する各炉の本数を算出する。例えば、加熱炉が熱片炉と冷片炉の2炉の場合、前記した方法により求めた最大在炉時間が熱片炉では120分、冷片炉では180分の場合、抽出比率はその逆数比となり、3:2となるため、熱片グループの本数が30本の場合、熱片炉に30本、冷片炉に20本装入することとする。つまり、基本的には熱片はでき得る限りもれなく使い、冷片はこの計算で算出された本数分のみを、納期得点の高い順等で抽出しスケジュール組込み鋼材とする。ここまでの処理で各炉に装入されるべき鋼材が確定したことになる。
続いて、炉別最適装入順番決定処理部15において、各炉抽出比率決定処理部14で装入する炉を確定した各鋼材に対して、炉別に装入する最適な順序を決定する。本処理において装入順番を評価する評価式が定式化できれば純粋な組み合わせ最適化問題となるため、動的計画法や分枝限定法、或いはシミュレーテッド・アニーリング法や遺伝的探索法等のメタヒューリスティックな手法の適用も可能であり、最適解或いは擬似最適解を求めることができる。
ここでの装入順番の決定に要求される制約、評価式は以下の通りである。制約に関しては、熱片炉にしても冷片炉にしても、装入される温度は同一のスラブグループに属する各スラブでは似通っていると考えられるので、抽出目標温度が装入順で隣り合う鋼片同士で大きく乖離していると、炉温をそれに合わせ急激に変更する操作が必要となるが、炉の熱慣性からみて不可能な場合もあるため、装入順で隣り合う鋼片同士で抽出目標温度がある制限内であるという制約が必要となる。評価式に関しては、制約で記した抽出目標温度についてはそれが装入順で隣り合う鋼片同士で似通っていることが不要な燃料を消費しないという観点から重視する必要がある。更に、同一炉内の鋼片に関しては装入順番がそのまま圧延順と一致することから、隣接する鋼片間の幅の移行、厚みの移行が装入順の段階からある程度適切であることが要求される。従って、ここでの"評価式"は、例えば、装入順番で見た場合の抽出目標温度差や幅差、厚み差等の重みつき和のような形の式で表せばよい。
最後に、炉毎抽出順番決定処理部16において、炉間で鋼片の抽出順番を決めて、圧延順番を決定する。ここでの処理も炉別最適装入順番決定処理部15と同様、抽出する炉号の最適な抽出"順序"を決定する組み合わせ最適化問題となるので、手法的には先と同様、動的計画法等が適用できる。
ここでの抽出順番即ち圧延順番に要求される制約、評価式は以下の通りである。制約に関しては、圧延順番で隣り合う鋼片同士に課される幅変化、厚み変化、硬さ変化等の規制が該当する。評価式に関しては、前記した幅変化、厚み変化、硬さ変化等が制約範囲内でも、幅の場合であれば圧延順番に従い幅が狭くなること、厚みの場合には、隣り合う圧延順番での厚み比が小さいほど、好ましいことからそれらの値を評価値とすることが考えられる。
次に、本発明の核心部にあたる、高品質造りこみのために必須な品質規制、及び納期評価の最適化処理の定式化方法について詳細に説明する。これは前記最適熱片グループ順列選択処理部13で実施されるものである。
まず、品質規制の中の、組込み位置規制の定式化方法について図3を用いて説明する。組込み位置規制とは、ある特定の鋼材に対して、それをスケジュールに組み込む際、組込み可能な圧延順番が限定されているという制約で、例えば極薄といわれる厚みを極端に薄く圧延する鋼材では圧延順番で20番から40番の間にしか組み込めないといった制約である。
ここでの問題設定は、A,B,C,D,E,Fの5台の貨車(各貨車が前記した熱片グループに対応)が加熱炉装入可能状態にあり、その中から4台の貨車を図4に示すタイミングで装入を行い、また5台の貨車のうちD貨車に2台目に装入されなければならないという組込み位置の規制がある場合の最適な装入順番を求めるものである。
図3はこの問題を状態方程式(式1)にて定式化するため、ペトリネットモデルにより表現したものである。事前の準備として、物流条件をペトリネット表現に基づく状態方程式により定式化する方法を説明する。ペトリネットモデルから状態方程式へ変換する考え方は、各プレースにおいて時々刻々変化するトークン数を状態変数xとし、その状態遷移
がスケジューラーの指示に相当するトランジッションを制御トランジッションと呼びその発火有無を入力変数uとし、時系列の第kステップでの制御入力トランジション発火有無u(k)による状態x(k)からx(k+1)への遷移は(式1)に基づき行われるものとする。つまり、制御入力トランジションu(k)の発火をu(k)=1により表し、それによりその入力プレースからアークに記された数のトークンが減り、出力プレースに出力アークに記された数のトークンが増えることをB行列により表現する。
以下、具体的に図3を用いて説明する。まず、実プロセスとペトリネットモデルとの対応関係を説明する。プレースPl_01〜Pl_05は、それぞれ対応する貨車が熱延ヤードに到着しているか否か即ち当該貨車が加熱炉へ装入可能な状態にあるか否かを表すプレースで、例えばプレースPl_01は貨車Aが熱延ヤードに到着しているか否かを表すプレースで、当該プレースにトークンがあれば、貨車Aは装入可能な状態にあり、なければ装入可能な状態にないことを表しているものとする。同様にプレースPl_02はB貨車、プレースPl_03はC貨車、プレースPl_04はD貨車、プレースPl_05はE貨車に対してそれぞれ装入可能な状態にあるか否かを表しているプレースとする。プレースPl__06は加熱炉を表すプレースで、装入が行われた貨車の数に等しいトークンが溜まるプレースとする。時刻kにおけるプレースPl_iのトークン数を状態(ベクトル)x(k)の成分xi(k)により表すこととする。従って、プレースPl_01〜Pl_05を入力プレースとし、プレースPl_06を出力プレースとするトランジッションTr_01〜Tr_05の発火は該当する貨車を加熱炉へ装入する作業に対応していることとなる。つまり、このトランジッションTr_01〜Tr_05が制御入力トランジション(ベクトル)u(k)の各成分となり、時刻kにおける当該トランジッション発火の可否をu1(k)〜u5(k)により表すものとする。これを状態方程式で表現すると、状態方程式(式1)となり、(式1)におけるA,B行列は(式2)、(式3)の通りとなる。
Figure 2005342787
また、図4は、貨車の加熱炉への装入タイミングをあらわしたもので、この場合には時刻3より装入が開始され以降、3時間単位毎の6時刻に2貨車目、9時刻に3貨車目、12時刻に最後の4貨車目が装入されることを示している。
以上の準備の下に、前記したように貨車Dに積載されている鋼材に組込み位置規制があり、装入順番では2台目に装入する必要がある場合の表現方法を示す。まず、当該貨車Dの組込み可能な時間帯は装入予定を表す図4より3時刻以降6時刻以内に装入される必要がある。逆にいうとそれ以外の時間帯に装入されては組み込み位置違反となる。本発明ではこれを、評価式J(式4)における操作入力に対する操作重みRにより表すこととする。ここで、規制を考慮しようとしている貨車Dの制御入力トランジションu4(k)への重み係数をr_4とすると、この重み係数を図5に示すように、装入可能な時間帯である3時刻以降6時刻以内には0とし、装入が禁じられているそれ以外の時間帯には非常に大きな値とすることにより(具体的な数値例は後述する例題で示す)、装入が禁止されている時間帯に当該貨車Dの装入が行われると評価関数が極端に大きな値となってしまう。最適化計算では、これをできるだけ小さくするよう操作入力ui(k)が選択される機能が働き必然的に禁止時間帯即ち組込み禁止位置での装入は行われないことと成り、装入がされるとすれば、許可されている3時刻以降6時刻以内に行われることとなる。なお、(式4)の右辺第一項は後で説明する。
Figure 2005342787
次に、品質規制の中の、総量規制の定式化方法について説明する。総量規制とは、特定の鋼材の1ロット内に組込み可能な鋼材数の上限を規制するもので、ここではXという種類の鋼材が最大NX本までしか組込めないという規制を定式化する方法を示す。図6は、この問題を状態方程式(式1)にて定式化するため、ペトリネットモデルにより表現したものであり、以下詳細に説明する。鋼材種Xを積載した貨車i(1≦i≦n)が熱延ヤードに到着しているか否かを表すプレースをPl_i(1≦i≦n)とする。また、それらの貨車を加熱炉へ装入する操作に対応する操作トランジションをTr_i(1≦i≦n)とし、それらのトランジションの発火操作を表す操作入力をu1(k)〜un (k)とする。そして、これらの操作トランジションをTr_i(1≦i≦n)の全てに共通する入力プレースとして、鋼材種X装入調整プレースPl_n+1を設け、そのプレースの初期トークン数を、鋼材種Xの組込み数量規制数の上限値NXとする。
更に該鋼材種X装入調整プレースPl_n+1から各操作トランジションTr_i(1≦i≦n)へのアーク本数を貨車iに積載されている鋼材種Xの積載数と一致させる。この例では、鋼材種X装入調整プレースPl_n+1から貨車1のトランジションTr_1への入力アーク数がn1であることは、貨車1に積載されている鋼材種Xの積載数がn1であることに対応させる。これにより、鋼材種Xを積載した貨車1が装入されるすなわち対応する操作トランジションTr_1が発火すると(u1(k)=1となること)、鋼材種X装入調整プレースPl_n+1から入力アーク数がn1のトークンが取り去られる。
こうして、鋼材種Xを積載した貨車に対応する操作トランジションTr_Iの発火が進み、鋼材種Xの装入本数が上限値NXに達すると、鋼材種X装入調整プレースPl_n+1のトークン数は0となり、ペトリネットの発火規則によりそれ以上発火はできなくなる。すなわち、それ以上鋼材種Xが装入されることはなくなり、総量規制が守られることとなる。この発火規則は、入力プレースのトークン数が入力アーク数に満たない場合には発火ができないというものであるが、式で表現する場合には、各プレースのトークン数を表す状態量x[k]が常に0以上でなければならないことを示した(式6)のように不等式により表現されることになる。
Figure 2005342787
続いて、品質規制の中の、前後関係規制の定式化方法について説明する。前後関係規制とは、同一ロット内において、ある特定鋼材の組込み発生以降に、別の特定鋼材の組み込みを禁止する規制で例えばロール磨耗を起こしやすい鋼材を圧延した後に、ロール疵感受性の高い鋼材を圧延すると製品不良を引き起こしやすく禁止するため等に適用される規制のことである。
ここでの問題設定は鋼材種Xを装入(組込み)した後に鋼材種Yを装入(組込み)できないことを規制する場合について示す。図7はこの問題を状態方程式(式1)にて定式化するため、ペトリネットモデルにより表現したものであり、以下詳細に説明する。先の例と同様、鋼材種Xを積載した貨車i(1≦i≦n)が熱延ヤードに到着しているか否かを表すプレースをPl_i(1≦i≦n) とし、鋼材種Yを積載した貨車j(n+1≦j≦n+m)が熱延ヤードに到着しているか否かを表すプレースをPl_j(n+1≦j≦n+m) とする。また、それらの貨車を加熱炉へ装入する操作トランジションをTr_1〜Tr_n 及びTr_n+1〜Tr_n+m とし、対応する操作入力をu1(k)〜un(k)及びun+1(k)〜un+m(k)とする。
また、鋼材種Xにより装入が規制される鋼材種Yを積載している貨車(n+1≦j≦n+m)それぞれに、鋼材種Y装入調整プレースPl_a(n+m+1≦a≦n+2m)を設け、当該プレースを、鋼材種Y積載貨車jの到着をあらわすプレースPl_j(n+1≦j≦n+m)とともに、鋼材種Y積載貨車jの装入操作を表す操作入力トランジションTr_n+1〜Tr_n+mの入力プレースとする。
なお、該鋼材種Y装入調整プレースPl_aには初期状態にてトークンを一つ置くこととする。これにより、該トランジションTr_n+1〜Tr_n+mは鋼材種Y積載貨車jが到着済みでプレースPl_jにトークンがあったとしても、対応する鋼材種Y装入調整プレースにトークンがない場合には該鋼材種Y積載貨車jは装入できないことになる。
また、鋼材種Yの装入に影響を与える鋼材種Xの装入を検知するプレースPl_n+2m+1を設け、これも、鋼材種Y装入調整プレースPl_a(n+m+1≦a≦n+2m)を入力プレースとする鋼材種Y装入調整トランジションTr_q(n+m+1≦q≦n+2m これは操作トランジションではない)の共通の入力プレースとする。
これらのネットワーク構成により、もし該鋼材種X積載貨車が装入されると、鋼材種Xの装入を検知するプレースPl_n+2m+1にトークンが入り、該鋼材種Y積載貨車j(n+1≦j≦n+m)の内、未装入の貨車があれば、該当する鋼材種Y装入調整プレースPl_aに初期配置トークンが残っているので、発火条件の成立する該鋼材種Y装入調整トランジションTr_qが発火し、対応する該鋼材種Y装入調整プレースから初期配置されていたトークンが奪い去られ、鋼材種Y装入禁止プレースPl_n+2m+2に移るのでこれ以降即ち鋼材種Xの装入以降に、鋼材種Y積載貨車が装入されることはなくなり、当該規制が満たされることとなる。
最後に、納期確保のため特定ロットに組込みが指令された鋼材をいかに扱うかを説明する。これは、これまで記したスケジュール品質を確保するための制約とは性格が異なるが、以下のように考えると一種の制約と考えられる。(以降、この制約を納期制約と称する。)つまり、この納期制約は該指定鋼材を組込鋼材から漏らすことは許されないが、それをスケジュールのどの位置に配置するかという自由度は残された制約とみなせる。このようにとらえた納期制約を、これまで説明したスケジュール制約同様、最適化問題としていかに定式化するかを示す。
ここでの問題設定は、A,B,C,D,E,Fの5台の貨車(各貨車が前記した熱片グループに対応)が加熱炉装入可能状態にあり、その中から4台の貨車を図4に示すタイミングで装入を行い、また5台の貨車のうち貨車Dに組み込みが指定された鋼材が積載されており、この貨車がいずれかの位置に必ず組込まれなければならない場合の最適な装入順番を求めるものである。
この問題を状態方程式(式1)にて定式化するためのペトリネットモデル表現は図3と同様である。従って、状態方程式は、組込み位置規制の際に示した式と同様であるが、この納期制約は評価式(式4)において表現する。つまり、組み込みが指定された貨車Dの装入待ちプレースであるPl_04に対応する状態変数x4[k]への重み係数を(式7)に示すごとくq4[k]として、q4[k]を図8に示すような、装入完了時間直後に値が極端に大きくなるような時間変化重み関数を採用することにより、当該貨車Dが最後まで装入されずトークンがプレースPl_04に残った状態で装入が完了すると評価関数の最終時刻である装入完了時刻に極めて大きなペナルティ値が加えられ評価値が急激に悪化することから、評価関数最小化のための作用として装入完了時刻までのいずれかのタイミングで必ず装入すなわち組み込みが行われることになる。
この時、装入完了時刻以前でありさえすればどのタイミングで装入されても評価値に変わりはないことから、これ以外に評価値に影響を与える幅移行評価等に左右され適切な組込み位置にて組み込みが行われることになる。
Figure 2005342787
続いて、これらの定式化の基に二次計画法の考え方を用いて最適解である最適装入順を求める計算方法を示す。状態方程式(式1)、(式2)を用いて、現時刻kよりj時刻未来の出力を予測する出力予測式は(式9)のようになる。ここで第一項は現時刻kからの状態からの遷移を表し、第二項はk時刻以降の未来の入力(これが後の最適化計算では決定変数となる)による状態遷移を表し、第三項はk時刻以降に到着予定の貨車による状態遷移を表す項である。
Figure 2005342787
次に、評価関数Jをあらためて(式10)により定義する。評価関数は(式9)による出力予測値とその時の目標値ymとの偏差e(式5)の二次形式と操作入力uの二次形式との和により構成されるものとする。ここではこのJを最小化する操作入力uの時系列を求める二次計画問題に帰着させることを狙いとしていることは前述した通りである。ここで、第一項の偏差eも(式1)、(式2)、(式11)より操作入力uに依存することに注意されたい。
Figure 2005342787
(式10)におけるQ_jは出力の目標値に対する予測追従偏差e[k+j]に対する評価重み係数行列で、R_jは同様に操作入力u[k+j-1]に対する評価重み係数行列であり、Q_jの値を大きく設定するほど対応するプレースのトークン数を目標の数に合わせる様uが決定される。Q_j,R_jともに半正定値行列とする。
また、kは現時刻であり、k+N1,k+N2はそれぞれ最小予測範囲と最大予測範囲、k+Nuは制御予測範囲を表している。制御性能の評価は、最小予測範囲と最大予測範囲の間の予測出力に対して行い、制御予測範囲は現時刻から制御入力を変化させる範囲を示している。すなわち、k+Nu以降は、k+Nu-1のときの制御入力を一定に保つことを意味している。(従ってuが変化する範囲はk〜k+Nu-1)それぞれの関係はN1≦Nu≦N2とする。
出力予測式(式9)では第三項に、将来の貨車到着情報を反映させており、シミュレーションの情報が全て最適化の制約式或いは評価式のいずれかに含まれているケースでも、後述するトランジションの発火判定に不確定要素が含まれるため、厳密に正しい予測を保証し得るのは現時刻kに対する予測結果のみである。そのため、この出力予測式を用いて全時刻に渡る最適制御則を決定した場合は、開ループ制御となるので、一般化予測制御法等で用いられるReceding Horizon法(出力予測の範囲や最適制御則を考える時間区間を逐次時間的後方にシフトし、最適制御則の最初の数サンプル[通常1サンプル]のみ制御対象に適用することを各時刻で行う手法)に従い、制御対象には最初の1サンプルのみ適用し、各時刻kで出力予測式の導出(k+N1〜k+N2)と最適制御則の決定(k〜k+Nu-1)を繰り返すことにより常に現時刻の制御対象の状態を考慮できる閉ループ制御系となり得る。
これらの準備の下に、具体的に最適制御入力時系列u(k〜k+Nu-1)を導出する計算方法を説明する。ここでは、評価式(式10)と出力予測式(式9)を、出力予測区間(これは評価式Jの評価区間とも一致している)であるk+N1からk+N2の範囲でそれぞれベクトル形式にて記述し、ベクトル形式出力予測式をベクトル形式評価式に代入し整理することにより、評価式を制御入力に関する二次形式で表し、最適制御則を求める。従って、評価式(式10)をベクトル形式で記述すると、下記の(式12)となる。
Figure 2005342787
(式12)を最小にする制御則を求めるために、(式9)の予測式からY[k]をU[k]で記述すると、下記の(式18)となる。
Figure 2005342787
ここで、(式18)の第一項のGsは、l行m列(lは出力数、mは入力数)の行列を1ブロックとするとき、N2-N1+1ブロック行(出力予測区間長lに対応)、Nuブロック列(制御
則変更区間長に対応)の行列であり、その第i,jブック成分は1≦i≦N2-N1+1,1≦j≦Nuに対して、下記の(式19)と定義される。
Figure 2005342787
また、(式18)の第二項,第三項のHs,Fsは(式20)、(式21)で与えられる。Fsは、l行n列(lは出力数,nは状態数)の行列を1ブロックとするとき、(式21)のようになり各列ブロックが未来に到着予定貨車の到着状態x_ifu以降の状態推移行列となっている。ただし、対象貨車台数をmfとし、その熱延到着予定時刻をそれぞれ、k_1,k_2,・・・,k_mfとする。なお、対象となる貨車は時刻kの時点で熱延未到着の貨車である(時刻kに時点で到着済みの貨車による状態遷移は(式18)第二項に反映されており、ここでの第三項は第二項に反映されない未到着貨車による状態遷移を表す項である)。なお、k+N1-1+i-k_j<0となるケースは、予測時点k+N1-1+iにおいて対象貨車が到着時刻k_jに達しておらず未到着であることから零行列となる。
Figure 2005342787
x_fuは、k時刻以降に到着予定の貨車が到着した際の状態変数xを個別に表したベクトルで(式23)のように表される。
Figure 2005342787
このようにして求められたベクトル形式の予測(式18)を同じくベクトル形式で表された(式12)の評価関数に代入すると、評価関数J(式12)は(式25)のように、U[k]の二次形式で表現できる。
Figure 2005342787
(式25)において第二項および第三項はスカラー変数で互いに等しく、第四項はスカラー定数である。JをU[k]で偏微分すると(式26)のようになる。
Figure 2005342787
従って最適なUopt[k]は(式26)=0を満たすU[k]であることから(式27)のように導かれる。
Figure 2005342787
この制御則はU[k]の定義式である(式15)からも分かるように時刻kからk+Nu-1までの制御則を与えるものであるが、制御対象の状態は現時刻のものしか考慮されていないので、この制御則は開ループ制御になっている。よって実際の制御対象に適用するのはUopt[k]の最初の1ブロックのみ適用する。すなわち(式28)が時刻kの制御則となる。
Figure 2005342787
(実施例)
実施例として簡単な例で、前記した定式化をいくつか組み合わせ、前記した解法により最適解を求めそれらが有効に機能することを示す。ここでの問題設定はA,B,C,Dの4台の貨車を対象に、時刻3、6、9の各時刻に1台ずつ計3台の貨車を装入する場合、どの貨車をどのような順番で装入するのが最適解であるかを求める。
図9はこの場合の最適解を求めるための物流制約や品質制約を表したペトリネット表現である。まず、プレースPl_1〜Pl_4は貨車A〜Dの対応する各貨車が加熱炉装入可能な状態になっているか否かを表したプレースで、このプレースにトークンがある場合、該当する貨車が装入可能であることを意味するものとする。つまり、当該貨車が熱延ヤードに到着し、装入可能な状態になった場合にこのプレースにトークンが配置されるものとする。(式9)ではこれがx_f[k_f]の項により表現されている。従って、これらのプレースにはシミュレータで予測したそれぞれの貨車到着時刻に合わせ、該当するプレースにしかるべきタイミング(予測時刻)にトークンが発生するものとする。これにより、物流上、熱延未到着の貨車等が装入できないことを表現していることに相当する。
プレースPl_1〜Pl_4を入力プレースとするトランジッションTr_1〜Tr_4が、この場合のスケジュール操作入力であり、これらの操作トランジションの発火が該当する貨車の加熱炉装入指示に対応し、このトランジッションの発火可否が最適解算出計算における決定変数となる。従って、燃料原単位を上げるためトラックタイムを短くしたいという仕様は、プレースPl_1〜Pl_4のトークン数すなわちそれらのプレースの状態量を前記した評価式の二次形式の中にしかるべき重み係数との積として含むことによって、当該プレースにトークンが滞留しないよう動作するため、トラックタイムが長くならない熱ロスの少ないスケジュール作成が可能となる。
また、プレースPl_5〜Pl_17及びトランジッションTr_5〜Tr_10の部分は、幅移行を評価するためのペトリネット表現であり、この部分について以下詳細に説明する。熱延の圧延時において、ロールを通過する鋼板のエッジ部分において加工発熱し、とりわけロールに磨耗等のダメージを与えることから、圧延順番は板幅を徐々に狭めるような順番となるようスケジュールを組むことが望まれる。従って、既に圧延し終わった鋼板よりも板幅の広いものを通すことを幅逆転といい、これをできるだけ少なくするようなスケジュールが良いスケジュールとされる。この圧延品質上の要請を満たすには、幅逆転事象の発生を記憶し、保持するような状態すなわちプレースを設け、それを評価関数にて評価することにより、好ましからざる幅逆転事象の発生を抑制することが可能となる。
この幅逆転事象をペトリネットグラフ上で検知し、記憶するには、装入対象となるそれぞれの貨車に対して、その貨車が積載する鋼材の幅よりも、より狭い幅の鋼材を積載する貨車が装入されたか否かの状態を認識し、より狭い幅の鋼材を積載する貨車が装入されている状態において、当該貨車が装入された場合には、狭い幅から広い幅へという装入順番となるため幅逆転現象が発生したと判断できる。そして、そのような事象が生起したことをトリガーとして、トークンを蓄積するプレースを設けることにより、幅逆転現象を記憶することが可能となる。
具体的に、図9においてこれを説明する。図9において装入対象となる貨車A〜Dは積載する材源の幅の平均値が広い方からA,B,C,Dの順番になっているものとする。正確には、
貨車A:到着時刻3、幅1600
貨車B:到着時刻2、幅1400
貨車C:到着時刻6、幅1200
貨車D:到着時刻4、幅900
であるとする。
まず、装入対象となる貨車A〜Dがそれぞれ、自分自身が積載する鋼材幅よりも狭い幅の鋼材を積載する貨車(以降、「狭幅貨車」と称する)が、当該貨車が装入される以前に既に装入されているか否かを認識する状態(プレース)がプレースPl_14,Pl_15,Pl_16である。これらのプレースは、当該貨車が未装入状態であるにもかかわらず、それよりも狭幅貨車が装入された場合に、トランジッションTr_5,Tr_6,Tr_7が発火しトークンが配置される必要があるため、例えば貨車Aの場合には、トランジッションTr_5の入力プレースは貨車Aが未装入状態か否かをあらわすプレースPl_5と貨車Aよりも狭幅貨車の装入が行われたか否かの状態を表すプレースPl_7となる。この際、貨車Aが未装入状態か否かをあらわすプレースPl_6は当該プレースにトークンがある場合に"未装入"、トークンがない場合に"装入済み"を表すことから 、全ての装入の行われていない初期状態において、あらかじめ当該プレースにトークンを一つ配置するものとする。また、貨車Aよりも狭幅貨車の装入が行われたか否かの状態を表すプレースPl_7は貨車Aよりも狭幅貨車である貨車B,C,Dのいずれかの貨車の装入が行われた場合、つまりトランジッションTr_2,Tr_3,Tr_4のいずれかが発火したら,当該プレースにトークンが配置され、貨車Aよりも狭幅貨車の装入が既に行われていることを表すものとする。
この様に、貨車Aの装入よりも先に、貨車B,C,Dのいずれかの装入が行われた場合に、プレースPl_14にはトークンが配置されることとなる。この状態で、貨車Aの装入が行われると、即ちトランジッションTr_1が発火すると、プレースPl_5にトークンが配置され、既に配置済みのプレースPl_14とでトランジッションTr_8の発火条件が整うため、プレースPl_17にトークンが配置されることとなる。つまり、幅逆転現象が起こるとこのプレースPl_17にトークンがたまり、幅逆転現象が記憶されることとなる。
続いて、プレースPl_18の役割を説明する。このプレースは、このプレースのトークン数の時系列目標値と実際のトークン数との偏差を最小化する評価式にとりこむことにより、加熱炉への装入タイミングを制御する役割を果たす。つまり、このプレースのトークン数の時系列目標(トークン数の時間推移目標)とは図10に示すもので、最初に装入する貨車から順番に装入される貨車の装入タイミングすなわち装入時刻をあらわしたもので、これは加熱炉からの抽出予定から装入要求されるであろうタイミングを順次算出することにより求めることができる。
そして、この目標値との偏差に対して大きな重みをかけて評価式に取り込むことにより、必然的にプレースPl_18にたまるトークン数はこの目標値と一致し、これにより予定していた装入タイミングに何がしかの貨車が装入されることとなる。ちなみに、図10ではトークン数の時間推移目標すなわち装入スケジュール予定を時刻3、6、9の各時刻に1台ずつ装入するよう設定している。
さて、以上詳細に説明した幅逆転事象を検知し評価値にペナルティを加えるペトリネット表現(以下、「幅移行評価ネット表現」と称するものとする)を基本形として、本発明である「至急材への対応」、「組込み位置規制」等の表現を加えそれらが有効に機能することを順次示していくこととする。
まず、「幅移行評価ネット表現」の状態方程式(式29)、出力方程式(式30)のA,B,C行列はA,C行列はともに18行18列の単位行列となり、ペトリネットの接続関係を表すB行列は(式31)の通り、行数が状態数ここではプレースの数に対応し、列数は入力数であるトランジションの数に対応するので18行10列の行列で表され、各列がそれぞれのトランジションと対応している。
Figure 2005342787
次に、この例題における評価関数の設定方法とその結果としての最適解を以下の4ケースについて比較し、本発明による定式化が有効に機能することを示す。
ケース1:幅逆転に対してのみペナルタィをかけ、至急材は特に考慮しない場合。
ケース2:ケース1の条件に加え、貨車C積載鋼材を至急材とし、装入待機状態プレースに時不変のペナルティ重みをかける場合。
ケース3:ケース1の条件に加え、貨車C積載鋼材を至急材とし、装入待機状態プレースに本発明による時変のペナルティ重みをかける場合。
ケース4:ケース3の条件に加え、貨車C積載鋼材が(至急材であることに加え)、組込み位置規制(1〜2貨車)があり、これに対し本発明による時変の入力ペナルティ重みをかける場合。
評価関数は(式12)により表される様に状態変数に対する重み係数Q_Lと入力変数に対する重み係数R_Lを決定すればよい。時刻kにおけるQ_Lは(式16)に示すように、評価時間区間であるk+N1≦j≦k+N2の各時刻において設定するよう、その時刻の順番に対角ブロックに並べた形式となっている。
従って、毎時刻設定値を変えることができ、各時刻jにおける設定値がQ_jに対応する。また各時刻の設定値に対応する行列ブロックQ_jはこの例題では18行18列の正方行列であるが、このブロック行列は通常、対角行列で設定を行い、各対角要素は対応するプレースのトークン目標数との偏差に対する重み係数である。今回の例題で注目すべきプレースは各貨車の装入待ちプレースであるPl_1〜Pl_4と幅逆転ペナルティプレースPl_17及び加熱炉装入プレースPl_18の6つのプレースであるので、Q_jにおけるそれらのプレースに対する重み係数をq_i_j(i=1,2,3,4,17,18)とし、以下これらの個別要素に着目することとする。同様にR_Lも(式17)に示すごとく、時刻kにおいて、k≦j≦k+Nuおける入力重み行列ブロックRj(入力数の行及び列を持つ正方行列)を時間順に対角に並べたもので、任意のブロック行列R_jも非対角要素は0として問題ないことから、対角要素のみを考慮すればよく、ブロック行列R_jにおける第h番目の入力に対する重み係数をr_h _jとする。
k=1のときq_i_j (i=1,2,3,4,17,18) 1+N1≦j≦1+N2
k=2のときq_i_j (i=1,2,3,4,17,18) 2+N1≦j≦2+N2
………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
k=NLのときq_i_j (i=1,2,3,4,17,18) NL+N1≦j≦NL+N2(ただし、NLは最終装入時刻とする)、
となることから、結局時刻パラメータjについては1+N1≦j≦NL+N2に対して設定されている必要がある。以降jが時間パラメータであることを明確にするため、q_i_j=qi[k],r_h_j=rh[k]と記述することとする。
(ケース1:幅逆転に対してのみペナルティをかけ、至急材は特に考慮しない場合)、
この場合は、時刻毎に重み係数を変える必要はなく、またR_Lを特に活用する必要もないので適当な均等重みをかけるようにする。例えば下記の数17の関係として、前記解法により最適解すなわち最適入力系列を求めると、表1のように求めることができる。ここでui[k]は操作トランジションTr_iの発火を表す関数で値が1となる時刻で当該トランジションが発火し、対応する貨車鋼材が加熱炉へ装入されたことを表している。よってこの場合には貨車A,B,Dの順で装入されたことになる。
Figure 2005342787
Figure 2005342787
(ケース2:ケース1の条件に加え、貨車C積載鋼材を至急材とし、装入待機状態プレースに時間固定値の重みq3[k]をかける場合)、
このケースは、至急材である貨車Cを必ずや装入させたいことから、容易に考えつく、他の貨車の装入待機状態プレースよりも大きい重みをかけた場合(q3[k]>q1[k],q2[k],q4[k])に貨車Cは装入されるものの、その装入順番が幅移行で見ると適正な順番にならない問題が生ずることを示したケースで、表2−2の重み設定で解いた結果は表2−2のようにC,A,Bの順となり、C貨車が最優先で装入され幅逆転が生じている。この問題に対する対策の一つが本発明で示した方法でこれをケース3で示す。
Figure 2005342787
(ケース3:ケース1の条件に加え、貨車C積載鋼材を至急材とし、装入待機状態プレースに本発明による時変のペナルティq3[k]をかける場合)、
このケースでは貨車C積載鋼材を至急材とし装入するため、ケース2と異なり、その装入待機状態プレースに対する重み係数q3[k]に時間変化する重みを採用することにより、ケース2で取り上げた問題が解消されることを示した例題である。具体的には、表3−1に示すようにq3[k]について、装入時間帯である1≦k≦9では、他の貨車の装入待機状態プレースと同等の重みをかけ、装入完了直後からその100倍の重みをかけることにより、どの順番で装入されても良いが最後まで装入されないと大きなペナルティがかかる設定とすることにより、必ずいずれかの順番で装入が起こり、その順番も幅移行評価等の他の評価がよくなる順番に装入されることになる。このケースでも適正な幅移行順であるA,B,Cの順に装入される解が得られることとなる。
Figure 2005342787
(ケース4:ケース3の条件に加え、貨車C積載鋼材が(至急材であることに加え)、組込み位置規制(1〜2貨車;k=3〜6)があり、これに対し本発明による時変の入力重みr3[k]をかける場合)、
このケースは、ケース3の条件に更に、C貨車積載鋼材に、1または2番目までに装入されなければならないという組込み位置規制が加わった場合の対処方法を示した例で、前記のように組込み位置位置規制のある操作入力u3[k]の重み係数r3[k]を表4-1に示すように、時変重みとすし、組み込みが禁止されている時間帯に対しては極端に大きくすることにより当該時間帯での装入を禁止している。結果として表4−2のように組込み可能な時間帯であるk=6での装入が行われている。
Figure 2005342787
以上のように極簡単な例ではあるが、本発明による定式化方法を用いることにより、各種規制が反映されたスケジュールが作成可能なことが示された。つまり、この定式化により、最適解を導出することにより、物流制約や品質制約を満たしかつ、燃料効率の良いスケジュールの自動作成が可能となる。
図11は、本発明によりスケジュールを自動作成した場合の加熱炉燃料原単位と管制員によって作成したスケジュールによる燃料原単位とをシミュレーションにより1ヶ月間に渡り比較したチャートである。これより、本発明によるスケジューリングシステムにより作成したスケジュールの方が加熱炉燃料原単位を大幅に削減していることが分かる。
また、図12は本発明によるスケジューリングシステムにより作成したスケジュールの圧延順で見た幅移行、厚み移行を示した一例であり、幅移行においても圧延品質を確保する上で必要な、圧延順で見て幅広から幅狭方向へ移行するよう大きな幅ジャンプ、厚みジャンプもなくスムーズな移行によるスケジュールが作られていることが分かる。
(本発明に係る他の実施の形態)
前述した本発明の実施の形態における冷片・熱片グループ化処理手段、冷片グループ・熱片グループ対応処理手段、最適熱片グループ順列選択処理手段、各炉抽出比率決定処理手段、炉別最適装入順番決定処理手段、炉毎抽出順番決定処理手段等の各手段、並びに熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体(光ファイバ等の有線回線や無線回線等)を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより前述した実施の形態における各機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して前述した実施の形態の各機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて前述した実施の形態における各機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。
本発明を適用した加熱・圧延スケジュール作成装置及び熱間圧延工場の全体構成を示す概略図である。 最適化エンジン4におけるスケジュール作成の処理手順を説明するための図である。 最適計算用「組込み位置規制表現」ペトリネットモデルを示す図である。 加熱炉装入台数(Pl_6目標値)時間推移を示す図であり、図3のペトリネットモデルにおけるプレース16の目標トークン数を表現した図である。 図3のペトリネットモデルにおけるTr_4の重み係数(=r_4)時間変化を示す図である。 最適計算用「総量規制表現」ペトリネットモデルを示す図である。 最適計算用「前後関係規制表現」ペトリネットモデルを示す図である。 最適計算用「納期制約表現」ペトリネットモデルにおけるプレースPl_4に対する重み係数q_4の時間推移を示す図である。 最適計算用例題のペトリネットモデルを示す図である。 図9のペトリネットモデルにおける加熱炉装入プレースPl_18への装入タイミング目標を示す図である。 燃料原単位削減効果を示す特性図である。 スケジュール作成例における幅、厚み移行を示す図である。
符号の説明
1:スケジュール対象鋼材情報処理装置
2:スケジュール作成装置
3:シミュレータ
4:最適化エンジン
5:実プロセス
6:現在物流状態
7:未来物流状態
8:最適スケジュール
9:スケジュール指示
10:スケジュール実績
11:冷片・熱片グループ化処理部
12:冷片グループ・熱片グループ対応処理部
13:最適熱片グループ順列選択処理部
14:各炉抽出比率決定処理部
15:炉別最適装入順番決定処理部
16:炉毎抽出順番決定処理部
-

Claims (16)

  1. 単数、または複数の加熱炉と圧延機により構成される圧延プロセスの鋼材加熱順序及び圧延順序を含む処理計画を作成するための熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置において、
    前記処理プロセスの物流フロー及び物流制約を離散事象モデルで表した離散事象系シミュレータと、
    前記離散事象系シミュレータにて対象とする事象が発生した際の物流状態の情報を基に、前記離散事象系シミュレータの初期状態をセットするスケジュール対象鋼材情報処理装置と、
    前記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)の間、前記処理プロセスの物流状態と物流制約とからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、
    前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、
    前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを用いて最適化計算処理を行って前記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを有し、
    前記数式モデル保持装置に保持されている数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを前記最適化計算装置に与えて、前記最適化計算装置による最適化計算処理を行うことにより、前記立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して、前記算出した最適物流指示を前記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、前記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより、スケジュール対象鋼材の熱延到着状態及び加熱炉における物流進捗状態に応じた最適なスケジュールを作成するようにしたことを特徴とする熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置。
  2. 前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる各鋼片に対する製品情報より性状の観点から冷片・熱片鋼材をグループ分けし、冷片グループ・熱片グループを構成する冷片・熱片グループ化処理手段と、
    前記冷片・熱片グループ化処理手段によりグループ分けされた冷片グループのうち、前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる各鋼片に対する製品情報より納期上至急性の高いグループを判別し、それを優先して製鋼工場から出片予定の熱片グループと、圧延制約などの観点から対応付けを行う冷片グループ・熱片グループ対応処理手段と、
    前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる製鋼工場から出片される熱片鋼材の性状に関する情報、熱延工場への到着時刻情報、及び前記冷片グループ・熱片グループ対応処理手段による対応結果を基にスケジュールに取り込むべき熱片グループをどれにするか、及びその最適な装入順番を算出する最適熱片グループ順列選択処理手段と、
    前記最適熱片グループ順列選択処理手段により装入対象となった熱片及び冷片の装入温度を予測し、それに基いてそれぞれの加熱炉に対する装入本数比率を算出する各炉抽出比率決定処理手段と、
    前記最適熱片グループ順列選択処理手段及び各炉抽出比率決定処理手段により各炉毎への装入が確定した熱片グループ及び冷片グループに含まれる鋼片1本1本の最適な装入順番を算出する炉別最適装入順番決定処理手段と、
    前記炉別最適装入順番決定処理手段により算出された炉別の装入順番を前提として炉間の最適な抽出順番を算出する炉毎抽出順番決定処理手段とを有する最適スケジュール作成装置を具備することを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置。
  3. 前記最適熱片グループ順列選択処理手段は、前記離散事象系シミュレータからの将来の物流状態予測情報に基づき、連鋳機から熱延巻取り機までの物流制約のみならず、圧延に関する品質制約を、物流モデル表現法であるペトリネットを用いて表現し、更にそれを状態方程式(一階連立差分方程式)で表すことにより、該スケジューリング問題を二次形式評価関数最適化問題として定式化し、その解として最適な熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュールを算出することを特徴とする請求項2に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置。
  4. 前記数式モデル保持装置は、ペトリネットモデル表現を経由して状態方程式(連立一階差分方程式)で表された制約式とその状態方程式の状態変数及び操作変数の時間変化を評価する評価式を有することを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置。
  5. 前記離散事象モデルはペトリネットモデルであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置。
  6. 前記品質制約は、組込み位置の規制、組込み総量の規制、または組込み順序関係の規制のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置。
  7. 前記数理計画手法を用いる際の評価関数として、時間変化するペナルティ関数を使うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成装置。
  8. 単数、または複数の加熱炉と圧延機により構成される圧延プロセスの鋼材加熱順序及び圧延順序を含む処理計画を作成するための熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法であって、
    前記処理プロセスの物流フロー及び物流制約を離散事象モデルで表した離散事象系シミュレータと、
    前記離散事象系シミュレータにて対象とする事象が発生した際の物流状態の情報を基に、前記離散事象系シミュレータの初期状態をセットするスケジュール対象鋼材情報処理装置と、
    前記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)の間、前記処理プロセスの物流状態と物流制約とからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、
    前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、
    前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを用いて最適化計算処理を行って前記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを用い、
    前記数式モデル保持装置に保持されている数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを前記最適化計算装置に与えて、前記最適化計算装置による最適化計算処理を行うことにより、前記立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して、前記算出した最適物流指示を前記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、前記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより、スケジュール対象鋼材の熱延到着状態及び加熱炉における物流進捗状態に応じた最適なスケジュールを作成するようにしたことを特徴とする熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法。
  9. 前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる各鋼片に対する製品情報より性状の観点から冷片・熱片鋼材をグループ分けし、冷片グループ・熱片グループを構成する冷片・熱片グループ化処理工程と、
    前記冷片・熱片グループ化処理工程によりグループ分けされた冷片グループのうち、前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる各鋼片に対する製品情報より納期上至急性の高いグループを判別し、それを優先して製鋼工場から出片予定の熱片グループと、圧延制約などの観点から対応付けを行う冷片グループ・熱片グループ対応処理工程と、
    前記スケジュール対象鋼材情報処理装置より得られる製鋼工場から出片される熱片鋼材の性状に関する情報、熱延工場への到着時刻情報、及び冷片グループ・熱片グループ対応処理工程による対応結果を基にスケジュールに取り込むべき熱片グループをどれにするか、及びその最適な装入順番を算出する最適熱片グループ順列選択処理工程と、
    前記最適熱片グループ順列選択処理工程により装入対象となった熱片及び冷片の装入温度を予測し、それに基いてそれぞれの加熱炉に対する装入本数比率を算出する各炉抽出比率決定処理工程と、
    前記最適熱片グループ順列選択処理工程及び各炉抽出比率決定処理工程により各炉毎への装入が確定した熱片グループ及び冷片グループに含まれる鋼片1本1本の最適な装入順番を算出する炉別最適装入順番決定処理工程と、
    前記炉別最適装入順番決定処理工程により算出された炉別の装入順番を前提として炉間の最適な抽出順番を算出する炉毎抽出順番決定処理工程とを行い最適なスケジュールを作成することを特徴とする請求項8に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法。
  10. 前記最適熱片グループ順列選択処理工程は、前記離散事象系シミュレータからの将来の物流状態予測情報に基づき、連鋳機から熱延巻取り機までの物流制約のみならず、圧延に関する制約条件を、物流モデル表現法であるペトリネットを用いて表現し、更にそれを状態方程式(一階連立差分方程式)で表すことにより、該スケジューリング問題を二次形式評価関数最適化問題として定式化し、その解として最適な熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュールを算出することを特徴とする請求項9に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法。
  11. 前記数式モデル保持装置は、ペトリネットモデル表現を経由して状態方程式(連立一階差分方程式)で表された制約式とその状態方程式の状態変数及び操作変数の時間変化を評価する評価式を有することを特徴とする請求項8に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法。
  12. 前記離散事象モデルはペトリネットモデルであることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法。
  13. 前記品質制約は、組込み位置の規制、組込み総量の規制、または組込み順序関係の規制のうちの少なくともいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項8〜12の何れか1項に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法。
  14. 前記数理計画手法を用いる際の評価関数として、時間変化するペナルティ関数を使うことを特徴とする請求項8〜12の何れか1項に記載の熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法。
  15. 単数、または複数の加熱炉と圧延機により構成される圧延プロセスの鋼材加熱順序及び圧延順序を含む処理計画を作成するための熱間圧延工場の加熱・圧延スケジュール作成方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記処理プロセスの物流フロー及び物流制約を離散事象モデルで表した離散事象系シミュレータと、
    前記離散事象系シミュレータにて対象とする事象が発生した際の物流状態の情報を基に、前記離散事象系シミュレータの初期状態をセットするスケジュール対象鋼材情報処理装置と、
    前記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)の間、前記処理プロセスの物流状態と物流制約とからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、
    前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、
    前記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを用いて最適化計算処理を行って前記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを用い、
    前記数式モデル保持装置に保持されている数式モデルと、前記評価関数設定装置により設定された評価関数とを前記最適化計算装置に与えて、前記最適化計算装置による最適化計算処理を行うことにより、前記立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して、前記算出した最適物流指示を前記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、前記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより、スケジュール対象鋼材の熱延到着状態及び加熱炉における物流進捗状態に応じた最適なスケジュールを作成する処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  16. 前記請求項15に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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