JP4660137B2 - 処理計画作成装置、処理計画作成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は処理計画作成装置、処理計画作成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体に関し、特に、異なる複数の工程で複数の製品を処理して製造するプロセスにおける処理計画作成方法及び物流制御方法、並びにこれらを実現するための装置に関する。
従来、鉄鋼を始めとする多くの産業における製造プロセスでは、複数製品を異なる複数の工程で処理して製造している。例えば、製鉄所において行われる転炉から連続鋳造までの工程では、ある製鋼工場(製鋼工場B)では、1つの稼働炉から溶鋼鍋に出鋼された溶鋼がクレーンまたは台車で複数の連続鋳造設備(以下「CC」とも記す)に運ばれ、これら複数のCCで連鋳が行われて、複数の製品が製造される。また、他の製鋼工場(製鋼工場A)では、複数の稼働炉から出鋼された溶鋼が複数のCCに運ばれて、それぞれにおいて連鋳の処理が行われる。
このようなCCでの生産計画を立てる際には、CCの操業上の制約や、製鋼物流工程に起因する制約などを考慮に入れる必要がある。すなわち、製鋼工場では、転炉の出鋼は溶鋼鍋1杯(チャージと言う)を1単位として行われ、CCでは同種類のチャージをひとかたまり(例えば8個)としたキャストを単位として鋳造を行う。CCでの生産計画、つまりキャストを編成する場合には、異鋼種を連続して鋳造することによる継ぎ目の品質劣化を最小にしつつ、生産性向上の観点から設備が耐えうる範囲でなるべく多くのチャージを連続して鋳込むことが要求される。
また、連続鋳造の性質上、CC内には溶鋼が常に存在している必要がある。具体的には、出鋼された溶鋼を流し込むためにCCの入口に設けられたバッファ的役割を持つタンディッシュと呼ばれる容器に、溶鋼が常に途切れないように転炉から運ばれてくる必要がある。また、CC内での鋳込み速度はある範囲内で変えることができるが、製品の品質上の問題からその変えられる処理速度の範囲は狭い。さらに、チャージ毎に通過ルートや各工程での処理時間が異なることも考慮に入れる必要がある。
このような様々な制約の下で、1つの転炉から1つのCCに対して出鋼するのであれば単純に、与えられたキャストの編成順に各チャージをCCに運んでいけば良い。ところが、上述したような製鋼工場Aや製鋼工場Bなどのように、稼働中の転炉やCCが複数あるような操業条件では、全体の生産効率を向上させるためにも、どのチャージをどういう順番でどのCCに対していつ出鋼するかという、CCの操業計画にマッチした転炉での出鋼計画をきちんと立てる必要がある。
一般に、複数製品を異なる複数の工程で処理して製造する製造プロセスでは、プロセス内における処理計画作成あるいは物流制御の自動化が望まれる。従来、この自動化のための技術として様々な手法による離散事象系シミュレータ等が提案されている。例えば、特許文献1の「生産計画評価方法及びシステム」に開示されているように、コンピュータ上に構築した工場を模したシミュレータ上で、実機器と同じインタフェースから取得した情報を使用して実機器の稼動を予測し、稼動予測に基づいて、実機器より速い速度で仮想的な生産を行い、仮想的な生産の過程及び結果を用いて、精度の高い指標を提示することによって、生産計画の評価及び選択を可能にする手法である。
特開2002−366219号公報
上記特許文献1に記載の「生産計画評価方法及びシステム」に開示されているように、従来の離散事象系シミュレータを用いて生産・物流スケジュールを作成する手法は、満足できる結果が得られるまでには、(1)条件を種々に変えながらシミュレーションを行い、その結果の評価を何回も繰返し行う必要があった。したがって、(2)大規模工場では生産・物流スケジュールを作成するのに多くの時間がかかってしまう問題点があった。また、(3)高精度な生産・物流スケジュールを得るためには、シミュレーション・ルールを細かく設定しなければならない問題点があった。
例えば、上述の操業例のように、上工程(転炉)と下工程(CC)とを有する操業において、下工程の方に多くの制約があり、その制約を守りつつ上工程での操業計画あるいは物流制御を実行するのに特に適した手法は提案されていなかった。また、従来の手法によって最適化を行うと、立案時間が長くなってしまうという問題もあった。
そこで本発明は、異なる複数の工程で複数の製品を処理して製造する工場の処理計画作成において、与えられた他方の工程での操業制約の下で、他方の工程の操業計画にマッチするように、一方の工程の操業計画を高速に最適化できるようにすることを目的とする。
本発明の処理計画作成装置は、異なる複数工程経路で複数製品を製造する処理プロセスにおける処理計画を作成するための処理計画作成装置において、
上記処理プロセスの物流フローや物流制約を離散事象モデルで表し、物流状態を変化させる離散事象であって、上記処理計画作成対象である事象が発生したときの、考慮すべき全ての物流状態及び物流制約を検出する離散事象系シミュレータと、
上記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)分を対象として、上記処理プロセスの物流状態と物流制約とのうち、処理計画作成に影響が大きい重要な部分のみからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、
上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、
上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと、上記評価関数設定装置により設定された評価関数とを用いて最適化計算処理を行って上記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを有し、
上記最適化計算装置による最適化計算処理により、立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して上記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、上記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより得られたシミュレーション結果から上記処理プロセスにおける、前記物流制約を満足する処理計画を作成する処理計画作成装置であって、
上記数式モデルと上記評価関数の両方もしくは一方が、独立変数の領域を複数に区分した区分領域毎に線形式の形を取る区分線形式であることを特徴としている。
本発明の処理計画作成方法は、異なる複数工程経路で複数製品を製造する処理プロセスにおける処理計画を作成するための処理計画作成方法において、
上記処理プロセスの物流フローや物流制約を離散事象モデルで表し、物流状態を変化させる離散事象であって、上記処理計画作成対象である事象が発生したときの、考慮すべき全ての物流状態及び物流制約を検出する離散事象系シミュレータと、上記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)分を対象として、上記処理プロセスの物流状態と物流制約とのうち、処理計画作成に影響が大きい重要な部分のみからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと上記評価関数設定装置により設定された評価関数を用いて最適化計算処理を行って上記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを用い、
上記最適化計算装置による最適化計算処理により、立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して上記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、上記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより得られたシミュレーション結果から上記処理プロセスにおける、前記物流制約を満足する処理計画を作成する処理計画作成方法であって、
上記数式モデルと上記評価関数の両方もしくは一方が、独立変数の領域を複数に区分した区分領域毎に線形式の形を取る区分線形式であることを特徴としている。
本発明のコンピュータプログラムは、異なる複数工程経路で複数製品を製造する処理プロセスにおける処理計画を作成するための処理計画作成方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
上記処理プロセスの物流フローや物流制約を離散事象モデルで表し、物流状態を変化させる離散事象であって、上記処理計画作成対象である事象が発生したときの、考慮すべき全ての物流状態及び物流制約を検出する離散事象系シミュレータと、上記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)分を対象として、上記処理プロセスの物流状態と物流制約とのうち、処理計画作成に影響が大きい重要な部分のみからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと上記評価関数設定装置により設定された評価関数を用いて最適化計算処理を行って上記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを用い、
上記最適化計算装置による最適化計算処理により、立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して上記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、上記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより得られたシミュレーション結果から上記処理プロセスにおける、前記物流制約を満足する処理計画を作成する処理計画作成方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
上記数式モデルと上記評価関数の両方もしくは一方が、独立変数の領域を複数に区分した区分領域毎に線形式の形を取る区分線形式であることを特徴としている。
本発明の記録媒体は、上記に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴としている。
本発明によれば、異なる複数の工程で複数の製品を処理して製造するプロセスにおいて、与えられた他方の工程での操業制約の下で、他方の工程の操業計画にマッチした一方の工程の操業計画あるいは物流制御を高速に最適化することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の処理計画作成装置、処理計画作成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体を説明する。最初に、図11を用いて本実施の形態の処理計画作成装置の基本的な構成を説明する。
図11は、本発明の処理計画作成装置の全体構成の一例を説明するブロック図である。図11に示したように、本実施の形態の処理計画作成装置300は、離散事象系シミュレータ310、数式モデル保持装置320、最適化計算装置330、評価関数設定装置340等によって構成されている。
上記離散事象系シミュレータ310は、工場を模擬した大型の離散事象系シミュレータであり、事象(離散事象系シミュレータのイベント)毎に物を動かす離散事象系として構成されている。本実施の形態においては、ペトリネットを用いて上記離散事象系シミュレータ310を構成し、数式モデル321を出力するように構成している。
また、上記離散事象系シミュレータ310に対応させて物流モデル(数式モデル)321が構成されている。本実施の形態においては、製造プロセス・搬送における製品受入計画、製品出荷計画、在庫計画、設備使用計画、設備修理計画、設備能力、工程現況、設備現況、在庫現況、設備稼働・故障現況、及び操業者からの操業前提条件の全て或いは一部を表わす入力データに基づいて、上記生産・物流計画の立案開始日時からあらかじめ設定された対象期間分を対象として、あらかじめ設定した精度に基づいて、製品、移動体、設備の処理に伴う作業群の関係、制約に対して数式モデル321を構築するようにしている。
上記数式モデル321は、半導体記憶手段等により構成される数式モデル保持装置320によって保持されている。そして、上記数式モデル321と最適化計算装置330によって最適化計算を行い、上記離散事象系シミュレータ310に対する物流指示を算出するようにしている。上記最適化計算装置330によって行なわれる最適化計算は評価関数Sを用いて行われる。
したがって、本実施の形態の処理計画作成装置によれば、従来のように予め決められたルールに基づいて物流指示が行なわれるのではなく、上記最適化計算装置330により行なわれた最適計算の結果に基づいた物流指示を上記離散事象系シミュレータ310に出力することができる。これにより、そのときの事象に応じた最適な物流指示を確実に行うことが可能となる。
また、新たな事象が発生すると、離散事象系シミュレータ310から数式モデル321及び最適化計算装置330に対して計算を行うようにする計算指示が出力される。上記計算指示が上記離散事象系シミュレータ310から与えられると、上記最適化計算装置330が数式モデル321及び評価関数Sを用いて最適化計算を実行する。上述のように、上記離散事象系シミュレータ310と上記最適化計算装置330とを事象毎に連動させた詳細シミュレーションを一度実行することで、最適な生産・物流スケジュールを作成することができる。
すなわち、本実施の形態において行なわれるシミュレーションは、従来のような所定のルールに基づくシミュレーションではなく、最適計算を行った結果に基づいてシミュレーションを行うようにしているので、1回のシミュレーションを行うだけで理論的な最適解を確実に得ることが可能となり、従来のようにシミュレーション結果を評価してシミュレーションを何回も繰り返し行う必要がなく、シミュレーション結果350を迅速に、且つ高精度に作成することができる。したがって、スケジュールを作成する対象が大規模であっても実用時間内に作成することが十分に可能である。上述のようにして得られたシミュレーション結果350をスケジュールとして出力する。
また、上記離散事象系シミュレータ310の規模が非常に大きい場合、或いは制約条件が非常に多くて複雑な場合でも、上記離散事象系シミュレータ310に記載された物流状態、数式のうち、スケジュール作成に影響が大きい重要な部分のみを上記数式モデル321に取り込むようにすることで、上記離散事象系シミュレータ310の規模を適切な範囲にして、実用的な時間内で最適化計算を行うようにすることができる。
上記離散事象系シミュレータ310は、考慮すべき物流状態、物流制約を全て記載することができるので、1回のシミュレーションを行って作成されたスケジュールは現実に実行可能となることが保証される。
上述したように、本実施の形態においては、離散事象系シミュレータ310と、数式モデル321と、最適化計算装置330とを連動させて物流スケジュールを作成するようにしたので、(1)シミュレーションの繰り返しをしないでスケジュールを作成することができる。また、(2)スケジュール作成に影響が大きい重要な部分のみを上記数式モデル321に取り込むようにすることで計算時間を短縮することができるとともに、(3)大規模問題を解くことが可能になる。
また、物流指示が必要な事象が発生するたびに上記離散事象系シミュレータ310の物流状態及び物流制約の情報を検出し、上記検出した検出情報と予め定めた評価指標を元に、上記最適化計算装置330により最適化手法によって最適物流指示を計算し、上記計算結果に基づいて上記離散事象系シミュレータ310で詳細シミュレーションを行ってスケジュールを作成するので、(4)スケジュール精度を高くすることができるとともに、(5)実行可能性の検証が取れているスケジュールを作成することができる。
また、数式モデル321を導入したので、スケジュール作成に影響が大きい重要な部分に変更が生じた場合でも迅速に対処することが可能となり、メンテナンス性の高いスケジュール作成装置を構築できる。
そして、上記数式モデル321を、記生産・物流プロセスの立案開始時間から予め設定した期間(計画作成期間)分を対象として、着目している物流のスケジュールを作成するのに係わる情報を取り込んで作成し、上記作成した数式モデル321を上記最適化計算装置330に与えて、上記最適化計算装置による最適化計算処理により、現時点から予め設定した期間分(指示算出期間)について物流指示を算出して上記離散事象系シミュレータ310に与えて、予め設定した期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行して予め設定した期間分(計画確定期間)だけ物流計画を確定する。
次に、上記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して物流計画を立案する、という処理を繰り返すことにより得られたシミュレーション結果350から生産・物流プロセスにおける生産・物流スケジュールを作成するようにしている。
(第1の実施の形態)
以下、図面を用いて本発明の第1の実施の形態を説明する。
本実施の形態の処理計画作成装置では、従来例として述べたような転炉からCCまでの製造プロセスにおいて、与えられたキャスト編成結果(鋳込順)と製鋼物流制約の下で、CC操業計画にマッチした転炉操業計画の最適化問題を扱うものとする。ただし、これはあくまでも一例であり、本実施の形態の処理計画作成装置は、下工程の方に課せられた多くの制約を守りつつ下工程での操業計画を作成する際には適用することが可能であり、また特に有効である。
ここでの操業計画では、まず第1に、製鋼工場Aや製鋼工場Bなどの製鋼工場全体のスループット(1時間当りの生産量:以下「t/H」とも記す)を最大にすることを目的する。第2に、途中工程での溶鋼滞留時間を最小にすることを目的とする。すなわち、転炉より出鋼されたチャージは、クレーン等によりCCの所まで運ばれてきた後、現在タンディッシュに鋳込み中のチャージが完全に終了するまで、ターレットと呼ばれる置き場に予備的に置かれ、ここで待ち時間が生じる。この待ち時間が長くなると、溶鋼の温度低下が大きくなり製品の品質上問題が生じる。よって、このような温度低下を抑制するためにも、ターレット上での鋳込み待ち時間を最小化する必要がある、
なお、転炉より出鋼された溶鋼(チャージ)がクレーンまたは台車によってCCまで運ばれてくるのには時間がかかる。その際、製品の種類によっては、転炉からCCまでの途中過程で、成分調整を行うための2次精錬の処理が施される場合もある。また、CC内での各チャージの処理時間がチャージ毎に異なることもある。
その一方で、上述したように、CCの入口にあるタンディッシュの中身が完全に途切れる前に次のチャージを流し込む必要がある、よって、転炉の操業計画を作成する際には、各チャージ毎に処理時間が異なること、及び各チャージの連続化や滞留時間の最小化の必要性等を考慮して、転炉での出鋼順だけでなく出鋼時刻まで正確に決定する必要がある。
図1は、本実施の形態による処理計画作成装置の概略的構成を余すブロック図、図2は、本実施の形態による処理計画作成装置によって行われる処理の概要を説明するための図、図3は、生産計画システム内での本実施の形態による処理計画作成装置の位置づけを示す図である。まず、最初に、図3を用いて本実施の形態による処理計画作成装置の位置づけを説明する。
図3に示すように、日別操業計画を作成する際には、まず、キャスト配置・鋳込み順作成部31で、あらかじめ設定された週間スケジュール30をもとにして、各キャスト間の配置やキャスト内での各チャージの鋳込み順を決定する。ここでは少なくとも、どの転炉から出鋼されたとのチャージをどのCCで処理するかを決定する。
本実施の形態の処理計画作成部32は、キャスト配置・鋳込み順作成部31により作成されたキャスト編成結果(鋳込み順)や様々な製鋼物流制約の下で、キャスト配置・鋳込み順作成部31より与えられた鋳込み順の情報から転炉での操業計画、すなわち、転炉での出鋼順と出鋼時刻とを求める。
この処理計画作成部32では、以下に詳しく述べるように、物流構造(工場内の設備配置やその接続関係、設備容量、チャージの通過ルートなど)をグラフィカルにモデリングしたペトリネットによる離散事象系シミュレータ(図11の離散事象系シミュレータ310)と、静的な計画問題の解法としてよく用いられるLP(線形計画法)との従来にはない全く新たな組み合わせにより、転炉での出鋼順及び出鋼時刻の最適化を図る。
処理計画作成部32で求められた転炉での操業計画(出鋼順及び出鋼時間の情報)は、表示部33に与えられ、例えばガントチャートの形式で表示される。各種評価部34では、求められた操業計画を様々な観点(例えば、残銑推移等)から評価し、満足のいく結果でなければ必要に応じてキャスト配置や各チャージの鋳込み順を修正する。そして、処理計画作成部32でもう一度操業計画を作成し直す。
次に、上記処理計画作成部32によって行われる処理の概要を、図2を用いて説明する。なお、この図2の例では、1号炉及び2号炉の2つの転炉から1号CC,2号CC及び3号CCの3つのCCにチャージを出鋼する製鋼工場Aの場合を例にとっている。また、この図2の例では、図3のキャスト配置・鋳込み順作成部31により、1号炉から1号CCに「A,B,C,D,E」の英字で示すチャージをこの順番で出鋼すると共に、2号CCに「1,2,3,4,5」の数字で示すチャージをこの順番で出鋼し、2号炉から3号CCに「O,P,Q,R,S」の英字で示すチャージをこの順番で出鋼することが決められている。
処理計画作成部32は、このようなキャスト配置の下、出鋼時刻のシミュレーションの各判断時毎に(出鋼事象が発生する毎に)将来の物流状態であるターレット上でのチャージの待ち時間やチャージ処理速度の減速量を推定した上で、全体の「t/H」の最大化や鋳込み滞留時間の最小化のために設定した所定の評価関数を最良にする転炉の出鋼順と出鋼時刻とを決定する、このとき、将来の物流状態の推定範囲は、各CCの出鋼予定の1チャージ分とする。
すなわち、例えば図2(a)のように、シミュレーション上の時刻tにおいてチャージRの出鋼事象が発生したとする。このチャージRは、2号炉から出鋼された後、クレーンまたは台車で運ばれ、時間t1後に(この時間t1の中には2次精錬での処理時間も含まれているものとする)3号CCに到着する。そして、この3号CC内で時間t2をかけて連続鋳造の処理が行われる。
このようなチャージRの出鋼事象が発生したとき、まずステップS1で、将来の物流状態の予測範囲として各CC毎に1チャージ分を設定する。ここでは、1号CCに関してチャージD、2号CCに関してチャージ5、3号CCに関してチャージSを予測範囲として設定する。
次に、ステップS2では、設定した予測範囲内の各チャージ(D,5,S)の出鋼希望時刻をそれぞれ算出するとともに、物流制約に基づく物流モデルを定式化する。ここで、出鋼希望時刻とは、当該チャージを転炉から何時に出鋼すれば前のチャージの鋳造完了時刻に当該チャージがCCにぴったり到着するかを示す時刻である。これは、既に出鋼された前のチャージの鋳造完了時刻からチャージの運搬時間(2次精錬処理時間を含む)を減算することによって簡単に求められる。現在の予測範囲内の各チャージ(D,5,S)の出鋼希望時刻は、図2(a)中にX印で示してある。
このようにして、ある時刻tで出鋼事象が発生したときに、そこから各CC毎に1チャージ分の予測範囲を設定して物流モデルを構築したら、続くステップS3で、その構築した物流モデルと、あらかじめ設定した所定の評価関数とを用いて、予測範囲内の3つチャージ(D,5,S)を対象として出鋼時刻の最適化計算を行う。ここでは、この最適化計算により、ステップS4で、「チャージD→チャージ5→チャージS」の順が最適であるとの結果が得られたとする。
そこで、次のステップS5では、ペトリネットの離散事象系シミュレータにチャージD→チャージ5→チャージSの順で出鋼指示を出す。これに応じて離散事象系シミュレータは、ステップS6で、チャージDの出鋼時刻「t+Δt」までシミュレーションを進める。この状態が図2(b)に示してある。
このようにして、出鋼事象が再び発生したので、ステップS7で、そのチャージDの出鋼事象発生時刻「t+Δt」から各CC毎に1チャージ分を将来の物流状態の予測範囲として設定する。ここでは、2号CC及び3号CCに関しては前回と同様であるが、出鋼事象の発生した1号CCに関してはチャージEが新たに予測範囲として設定されている。
この新たに設定した予測範囲についても前回と同様に、物流モデルの構築及び最適化計算を行う。物流モデルの構築でチャージEの希望出鋼時刻を求める際に、その直前のチャージDについては既に出鋼されてシミュレーションが済んでいるので、チャージDでの鋳造完了時刻はペトリネットの離散事象系シミュレータから得ることができる。よってチャージEの希望出鋼時刻は、このチャージDの鋳造完了時刻からチャージEの運搬時間を減算することによって求められる。
なお、ここでの最適化計算では、ステップS8に示すように、「チャージS→チャージ5→チャージE」の順が最適であるとの結果が得られたとする。この場合は、ペトリネットの離散事象系シミュレータに「チャージS→チャージ5→チャージE」の順で出鋼指示を出すことによって、離散事象系シミュレータにおけるシミュレーションをチャージSの出鋼時刻まで進める。以下同様にして、出鋼事象が発生する毎に、そこから将来の予測範囲を各CCの1チャージ分で区切って部分的にシミュレーション(出鋼順及び出鋼時刻の最適化)を行う処理を繰り返していく。
なお、図2の例では、全てのチャージが希望出鋼時刻どおりに出鋼されたシミュレーションの結果を示しているが、必ずしも希望出鋼時刻に出鋼される結果が得られるとは限らない。希望出鋼時刻よりも出鋼時刻が遅れると、CC内でのチャージの連続性が断たれるので、連続性を維持するために前のチャージの処理時間を長くする(処理速度を減速させる)必要がある(これについては第2の実施の形態で詳しく述べる)。しかし、これは全体の「t/H」を低下させる方向に働くものである。
一方、希望出鋼時刻よりも出鋼時刻が早まると、全体の「t/H」を向上させることは可能であるが、ターレット上でのチャージの滞留時間が長くなる方向に働き、待ち時間の間に溶鋼の温度低下を招いてしまう。そこで、実際にはこれらの全体の「t/H」や滞留時間の両方を考慮した評価関数を用い、最適化計算の結果得られる評価値が最良になる出鋼時刻を選ぶことにより、両者の最適なトレードオフを図っている。
次に、図2に示したような処理を行う処理計画作成部32の概略的な構成について、図1を用いて説明する。
図1において、10は処理計画作成装置であり、11はペトリネットによる離散事象系シミュレータであり、ペトリネットによるグラフィカルな物流構造モデルと、グラフィカルに表現できないルール記述とによって構成される。ここで、ルールの例としては、チャージを最も早く出鋼できる時刻の限界を示す出鋼最早時刻、チャージを最も遅く出鋼できる時刻の限界を示す出鋼最遅時刻、及び複数転炉の干渉条件(TAP制約)などがある。
上述したように、CC内での各チャージの鋳込み速度はある狭い範囲内でのみ変更が許されており、かつターレット上での待ち時間にも上下限があるため、これらをすべて満たすように出鋼最早、最遅時刻が各チャージ毎に設定される。また、同一の転炉から連続して出鋼するためには少なくとも転炉での処理時間だけは間隔を確保する必要があり、異なる転炉から出鋼する場合にも転炉への溶鋼装入用クレーン能力等の制約から必要な時間間隔を確保する必要がある。そのため、同一炉に関しては例えば45分、別炉間に関しては例えば20分の間隔をおかなければ出鋼できないという条件がTAP制約として課される。
12は物流モデル構築部であり、上記離散事象系シミュレータ11に設定されている物流制約(出鋼最早、最遅時刻及びTAP制約)の情報と、離散事象系シミュレータ11によってシミュレーションが行われた結果として与えられる現在の物流状況(過去に鋳造を開始したものがどのチャージで、その鋳造完了時刻がいつかという情報)とを組み合わせて、各CC毎に1チャージ分の将来予測範囲を設定してその範囲内の物流モデルを構築する。この物流モデルは、以下に説明するように数式モデルによる定式化によって行う。
ここで、物流モデルの定式化について説明する。図4は、物流モデルの定式化の概要を示す図である。図4に示すように、シミュレーション上の時刻tにおいてあるチャージの出鋼事象が発生したときに、その時刻tから各CC毎に1チャージ分を将来の物流状態の予測範囲として設定し、離散事象系シミュレータ11より得られる現状の物流状態から、予測範囲内の各チャージの出鋼希望時刻をそれぞれ算出する。離散事象系シミュレータ11より得られる前チャージの鋳造完了時刻をa、予測しているチャージの出鋼から鋳造開始までの時間をbとすると、出鋼希望時刻cは、c=a−bなる演算により簡単に求まる。
次に、離散事象系シミュレータ11より出鋼最早、最遅時刻及び転炉TAP制約の情報を取り込み、これを定式化する。図4の例で、1号CCへの出鋼時刻をc1、2号CCへの出鋼時刻をc2、3号CCへの出鋼時刻をc3とすると、転炉TAP制約は、
|c1−c2|≧45、|c2−c3|≧20
と表され、出鋼最早時刻及び出鋼最遅時刻の条件は、
c1最早≦c1≦c1最遅
c2最早≦c2≦c2最遅
c3最早≦c3≦c3最遅
と表される。
さらに、これらの式を変形すると、物流モデルは、
Ax≦B
Xmin≦X≦Xmax
という簡単な線形式で表すことができる、なお、xは各CCの出鋼時刻を行列表現したものであり、A,Bは所定の行列式、xmin及びxmaxはそれぞれ各CCへの出鋼最早時刻及び出鋼最遅時刻を行列表現したものである。
再び図1に戻り、13は最適化計算部であり、上記物流モデル構築部12により構築された線形の物流モデル式を、評価関数設定部14により設定される後述するような評価関数で評価することにより、転炉からCCへのチャージの最適な出鋼順及び出鋼時刻を計算する。この計算は、シミュレーション上でチャージの出鋼事象が発生し、その出鋼時刻から各CC毎に1チャージ分を将来の物流予測範囲とした物流モデルが構築される毎に行う。
この最適化計算部13により計算された最適な出鋼順及び出鋼時刻は、離散事象系シミュレータ11に送られる。離散事象系シミュレータ11は、この与えられた最適化計算の結果をもとに、次の出鋼事象の時刻(最適化計算により次に出鋼すべきとされたチャージの最適な出鋼時刻)までシミュレーションの時刻を進める。そして、このようにして時刻を進めた状態で再びシミュレーションを行い、鋳造終了時刻等の現在の物流状態を算出して物流モデル構築部12に供給する。以下同様にして、離散事象系シミュレータ11、物流モデル構築部12及び最適化計算部13の計算を出鋼事象毎に繰り返し行うことにより、全体のスケジュールを作成する。
ここで、上記した物流モデルの定式化及び評価関数について更に詳しく説明する。なお、ここでは説明の簡単のため、CCが2基の場合について考える。以下の説明において、xi(CC番号i=1,2)は各CCへの出鋼時刻、xirは各CCの希望出鋼時刻、xiLは各CCの出鋼最早時刻、xiUは各CCめ出鋼最遅時刻、αは最短TAP間隔であるものとする。
この場合、転炉TAP制約は、
|X1−X2|≧α・・・・(1)
と表され、出鋼最早時刻及び出鋼最遅時刻の条件は、
1L≦x1≦x1U・・・(2)
2L≦x2≦x2U・・・(3)
と表される。
上記式(1)に示す絶対値条件を分割すると、以下のようになる。
1−x2≧α (x1≧x2のとき)・・・・(4)
−x1+x2≧α(x1<x2のとき)・・・・(5)
出鋼時刻のスケジューリングでは、これらの条件式(2)〜(5)を全て満たす解を求めるものであり、その解領域は図5に示す通りとなる。
各CCの希望出鋼時刻x1r,x2r(交点P)が共にこの解領域に入れば、チャージの滞留も鋳造速度の減速もなく前チャージの鋳造完了時刻に当該チャージがぴったり到着する時刻を出鋼時刻として設定できる。しかし、必ずしも交点Pが解領域に入るとは限らないので、以下に述べるような評価関数を用いた線形計画法によりチャージの出鋼順及び出鋼時刻の最適化を図る。
上述の評価関数としては、例えば次の式(6)のようなものを考える。この評価関数zは、(イ)希望出鋼時刻からのずれfi(xi)(ただし、Ci1は各CCの特ち時間に対する重み定数、Ci2は各CCの鋳造速度減速量に対する重み常数)、(ロ)出鋼時刻λii(ただし、λiは各CCの出鋼時刻に対する重み定数)の2つの指標の重み付き和で各CCの出鋼時刻を評価するものであり、全CCの評価値の和(この場合はCCが2基なので、Σのサメンションはi=1→2となっている)を評価関数とするものである。
Figure 0004660137
ここでは、希望出鋼時刻からのずれの評価値fi(xi)は、例えば図6のように設定している。これから明らかなように、チャージの待ち時間発生側(希望出鋼時刻よりも早い出鋼時刻)と、「t/H」低下側(希望出鋼時刻よりも遅い出鋼時刻)とで異なる重みが設定できるようにしている。図6の例では、「t/H」低下側の重み(直線の傾き)を重く設定しており、「t/H」の向上を重視した評価関数となっている。なお、図6は、評価値fi(xi)の値が小さいほど評価が良いことを表しており、希望出鋼時刻xirのところが最も評価が良くなっている。
上述の式(6)は、以下のように線形化することができる、すなわち、以下の式(7)に示すように、各CCの出鋼時刻Xiを希望出鋼時刻Xirの前後で2つの変数xi1,xi2に分離する。
i=xi1+xi2(i=1,2)・・・・(7)
ただし、0≦xij≦hij (j=1,2)
i1=x1r、hi2=xiU−x2
この式(7)を用いて式(6)で示す評価関数zを以下の式(8)に置き換えることができる、これは、関数fi(xi)が存在しない単純な線形式である。
Figure 0004660137
以上の式(2)〜(5)及び式(8)をまとめると、次の式(9)〜(12)のようになり、これを行列表現すると、更に次の式(13)〜(16)のようになる。また、評価関数zは、式(17)のように表現することができる。
Figure 0004660137
さらに、上記式(13)〜(16)をマトリクス表現でまとめると、次の式(18)を得る。
1x≦B(xl≧x2のとき)
2x≦B(x1<x2のとき)・・・・・(18)
xL≦x≦xU
このように、本実施の形態では、ペトリネットによる離散事象系シミュレータ11より得られる現在の物流状態や物流制約ルールに基づく物流モデルと、これを評価する評価関数とを簡単な線形式で表すことができ、ペトリネットモデルに線形計画法を適用した手法により物流の処理計画を高速に作成することができるとともに、解析的な物流の最適化を実現することができる。
なお、この例において評価関数設定部14は、図6のような形態の他に様々な形態の評価関数を選択的に切り換え設定することが可能である。例えば、図6の例では「t/H」の向上を優先する場合の評価関数を示したが、各CCの待ち時間に対する重み定数Ci1を大きくする(図6の傾きCi1を傾きCi2よりも大きくする)ことにより、待ち時間発生の抑制を優先するような評価関数を設定することも可能であるし、両者の重みを同じに設定することも可能である。評価関数の重みを変えることで、その時々の状況に応じた立案戦略をスケジュールに簡単に反映させることができる。
また、評価関数の他の形態の例を、図7に示す。この図7の例では、チャージの出鋼時刻xiが出鋼最早時刻xiL及び出鋼最遅時刻xiUを越えた場合に評価値fi(xi)が急激に悪くなるように設定したものである。
このようにすることにより、出鋼最早時刻xiL及び出鋼最遅時刻xiUを越えるような出鋼時刻xiの解は得られにくくなり、スケジュールの精度を向上させることができる。また、出鋼最早時刻xiL及び出鋼最遅時刻xiUを越えたところでも極めて悪い値ではあるが評価値を与えておくことで、シミュレーションの途中で「解なし」として処理が中断されてしまう不都合を防止することもできる。
この図7の例の場合、希望出鋼時刻xirからのずれ量に関する重み定数は、Ci1〜Ci4の4つになるが、図6の例と同様に、評価関数設定部14を用いてこれらの重み定数Ci1〜Ci4自体を変える(図7に示す各直線の傾きCi1〜Ci4を変える)ことが可能である。
また、評価関数設定部14は、複数CC向けチャージの出鋼順が固定かどうかによって特定の評価関数重みに切り換えることも可能である。例えば、1つの転炉から2つのCCにチャージを出鋼する場合において、ある操業条件が整うと、各CCにチャージを交互にしか出鋼できないという操業になることがある。この場合は、「t/H」優先や待ち時間減少優先などの条件を無視して、交互出鋼となるような特定の評価関数を設定する。なお、このような操業条件となるかどうかは、実際にスケジューリングを開始する前の前処理の段階で把握することが可能である。
さらに、本実施の形態の評価関数設定部14では、希望出鋼時刻xirからのずれ量(相対時間)に関する重み定数Ci1の他に、直近の出鋼時刻(絶対時間)に対する重み定数λiの値も適宜変更することが可能である。希望出鋼時刻xirからのずれ量抑制を重視する場合には、重み定数λの値を例えば"0"に設定し、多少のずれがあっても良いからなるべく早く出鋼させたいというような場合には、重み定数λiの値を例えば"1"に設定すれば良い。
例えば、製鋼工場Bのように転炉が1つ、CCが2つの操業の場合は、CCの方が転炉よりも能力的に勝っているので、転炉側でなるべく早く出鋼が行われるように重み定数λiの値を"1"に設定する。これとは逆に、製鋼工場Aのように転炉の方がCCよりも能力的に勝っているような操業の場合には、転炉側で早く出鋼させる必要がないので、重み定数λiの値を例えば"0"に設定し、なるべく希望出鋼時刻xirに近い時刻で出鋼させるようにする。
このように、本実施の形態によれば、ネックとなる工程が異なる工場(製鋼工場Aの場合はCCがネックとなり、CCを遊ばせないように稼働することが重要となる。また、製鋼工場Bの場合は転炉がネックとなり、転炉を遊ばせないように稼働することが重要となる)に対して、重み定数λ、の値を変更するだけで簡単に対応することができる。また、定期点検や補修等のために転炉やCCが休止すると、操業形態が変更することになるが、このような操業形態の変更にも重み定数λiの値を変更するだけで柔軟に対応することができる。
以上詳しく説明したように、本実施の形態の処理計画作成装置によれば、出鋼事象の発生毎に変化する物流状態(直前チャージの鋳造完了時刻など)をペトリネットモデルによる離散事象系シミュレータ11で推定するとともに、出鋼事象毎に変化する物流モデル(Ax≦Bなる式のAは出鋼事象毎に変わる)及び評価関数(出鋼希望時刻や出鋼最早、最遅時刻は出鋼事象毎に変わる)を単純な線形式で表し、線形計画法により各チャージの出鋼順及び出鋼時刻の最適化を図っている。
つまり、本実施の形態では、製造プロセスのペトリネットモデルと線形計画法とを組み合わせることにより、出鋼事象毎に変化する線形計画法で必要なパラメータをペトリネットモデルから容易に得ることができるとともに、最適化の計算を当該線形計画法により極めて簡単に行うことができる。よって、与えられた下工程(CC)での操業制約の下で、下工程(CC)の操業計画にマッチした上工程(転炉)の操業計画を高速に最適化することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。上述の実施の形態は、出鋼事象が発生する毎に、その出鋼時刻から将来の予測範囲を各CCの1チャージ分で区切って、部分的に最適化演算を行う処理を繰り返していくという形態をとっている。したがって、出来上がったスケジュールが全体として最適化されていることは必ずしも保証し得ない。そこで、第2の実施の形態では、全体としての最適化も図れるような工夫をしている。
図8に示すように、第2の実施の形態では、図1に示したのと同じ構成の処理計画作成装置10の前後に前処理部21及び後処理部22を設けている。前処理部21は、全体のスケジュールを組んだときの「t/H」低下をあらかじめ予測し、この「t/H」低下を抑制するような処理を施すものである。
すなわち、図9(a)に示すように、連続する2つのチャージの2次精錬時間が大きく異なる場合(最も時間が大きく異なるのは2次精錬を行う場合と行わない場合)には、最低TAP間隔で次チャージを出鋼しても直前チャージの鋳造終了時刻までに間に合わなく、CCでの「t/H」減少が発生する場合がある。このようなCCでの「t/H」減少の発生は、図1に示す第1の実施の形態では、最適化計算処理が徐々に進められてきて該当する部分になってからでないと分からない。
そこで、第2の実施の形態では、このような不都合を回避するために、前処理部21において、各CC毎に時刻逆順の簡易シミュレーション(ペトリネットモデルを用いない簡易な制約判定)を行い、必要な出鋼時刻のシフト量(早出し量)を算出しておく。このとき、早出しが必要なチャージについてはその旨を示す属性を持たせる。そして、その後実際にシミュレーションを行う際に物流モデル構築部12が、属性に従って出鋼希望時刻に上記早出し量を加算することとより、図9(b)に示すようにCCでの「t/H」減少を防止することができる。
なお、1つのCCに出鋼されるチャージの順番と各チャージの処理時間は、図3のキャスト配置・鋳込み順作成部31によりあらかじめ決められているので、上述のような早出し量は、各チャージの鋳造順番を逆順に辿って処理時間を加算していくことにより、把握することが可能である。また、前処理部21では、このような時刻逆順のシミュレーションの際に、評価関数切り換えの判定(同一CC内出鋼順固定判定など)のために用いる情報(最短TAP間隔、最長TAP間隔)の算出も併せて行う。
次に、後処理部22は、前処理部21及び図1と同じ構成の処理計画作成装置10において転炉に関する最適化計算を行っているのに対して、CCに関する最適化計算を行う。すなわち,以上の最適化計算では、CCの鋳込み速度が最大(鋳造時間が最短)であることを前提として出鋼順及び出鋼時刻を決定している、その結果、図10(a)に示すように、キャスト内チャージ間で鋳造が不連続になってしまうシミュレーション結果が得られることがある。
しかし、連続鋳造の工程では各チャージは連続していなければいけないというのが大前提であるから、このようなシミュレーション結果は好ましくない。また、このように不連続になっていると、その不連続の部分では前チャージの鋳造終了時刻と次チャージの鋳造開始時刻とが異なることになり、スケジュール的にも好ましい結果とは言えない。
そこで、後処理部22は、図10(b)に示すように、不連続となっている部分の前チャージの鋳込み速度を鋳込み速度制約の範囲内で減速する(鋳込み時間を長くする)ことにより、各チャージの連続化を実現している。その際、鋳込み速度制約のいっぱいまで減速しても尚不連続となる場合は、そのチャージの鋳造開始時刻も遅くなる側にシフトして連続化を図る。このように鋳造開始時刻をシフトさせると、そのシフトしたチャージと更にその前のチャージとの間にも不連続が発生するので、その部分も鋳造速度を減速させて連続化する。
以上の説明から分かるように、後処理部22でも前処理部21と同様に、得られたシミュレーション結果を時刻逆順にチェックしていき、不連続な部分を検出したら鋳込み速度を減速させる処理を行う、このような処理により、スケジュール結果の全体を見た上で鋳込み速度の減遠を設定することができ、スケジュール全体としての最適化を図ることができる。
なお、以上の実施の形態では、本発明を処理計画作成装置(離散事象系シミュレータ)に適用する場合について説明したが、物流制御装置に適用することも可能である。この場合は、図1あるいは図8に示した離散事象系シミュレータ11の代わりに実プラントの制御装置等を適用する。このようにすれば、実プラントは、最適化計算部13により求められた最適な出鋼時刻に、最適な出鋼順として求められた1つのチャージを出鋼し、鋳造を実行する。
このように、1つのチャージの出鋼が実施されると、実プラントにおける現在の物流状態が変化するので、その情報が取り出されて物流モデル構築部12に供給される。物流モデル構築部12は、与えられた現在の物流状態や物流制約をもとにして線形式でなる物流モデルを構築し、最適化計算部13に供給する。最適化計算部13は、与えられた物流モデル式を評価関数で評価することにより、転炉からCCへのチャージの最適な出鋼順及び出鋼時刻を計算する。以下、同様の処理の繰り返しにより物流制御が実行される。
また、以上の実施の形態では離散事象系シミュレータ11のモデルとしてペトリネットモデルを例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、離散的に発生する事象毎に現在の物流状態の情報を出力できるような離散事象モデルの離散事象系シミュレータであれば、どのようなものでも適用することが可能である。
なお、上述の離散事象系シミュレータ11、物流モデル構築部12、最適化計算部13、評価関数設定部14、前処理部21及び後処理部22は、例えば、CPU(中央処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)などからなるマイクロコンピュータによって構成されており、例えばパーソナルコンピュータ等の計算機によって実現することができる。
本発明の一実施の形態である製造プロセスにおける処理計画作成装置の要部構成を示すブロック図である。 本実施の形態による処理計画作成装置によって行われる動作(本実施の形態による処理計画作成方法)を説明するための図である。 本実施の形態による処理計画作成装置の生産計画システム内での位置づけを示す図である。 本実施の形態による物流モデルの定式化を説明するための図である。 物流制約を線形式で表した内容を説明するための図である。 本実施の形態による評価関数の一例を示す図である。 本実施の形態による評価関数の他の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による製造プロセスにおける処理計画作成装置の要部構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態による前処理部の動作を説明するための図である。 第2の実施の形態による後処理部の動作を説明するための図である。 本実施の形態発明の処理計画作成装置の基本的な構成を説明する図である。
符号の説明
10 処理計画作成装置
11 ペトリネットモデルによる離散事象系シミュレータ
12 物流モデル構築部
13 最適化計算部
14 評価関数設定部
21 前処理部
22 後処理部
32 処理計画作成部

Claims (20)

  1. 異なる複数工程経路で複数製品を製造する処理プロセスにおける処理計画を作成するための処理計画作成装置において、
    上記処理プロセスの物流フローや物流制約を離散事象モデルで表し、物流状態を変化させる離散事象であって、上記処理計画作成対象である事象が発生したときの、考慮すべき全ての物流状態及び物流制約を検出する離散事象系シミュレータと、
    上記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)分を対象として、上記処理プロセスの物流状態と物流制約とのうち、処理計画作成に影響が大きい重要な部分のみからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、
    上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、
    上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと、上記評価関数設定装置により設定された評価関数とを用いて最適化計算処理を行って上記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを有し、
    上記最適化計算装置による最適化計算処理により、立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して上記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、上記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより得られたシミュレーション結果から上記処理プロセスにおける、前記物流制約を満足する処理計画を作成する処理計画作成装置であって、
    上記数式モデルと上記評価関数の両方もしくは一方が、独立変数の領域を複数に区分した区分領域毎に線形式の形を取る区分線形式であることを特徴とする処理計画作成装置。
  2. 上記数式モデル保持装置は、上記設定した計画作成期間に含まれる事象毎に、上記検出した現在の物流状態から最適な事象発生時刻である希望時刻を夫々算出する希望時刻算出手段と、
    上記希望時刻算出手段により算出された希望時刻を用いて、上記離散事象系シミュレータにより検出された物流制約を上記線形式に展開する線形化手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の処理計画作成装置。
  3. 上記線形評価関数は、上記希望時刻からの事象発生時刻のずれ量及び上記事象発生時刻の2つの指標の重み付き和で表されることを特徴とする請求項1に記載の処理計画作成装置。
  4. 上記希望時刻からの事象発生時刻のずれ量の重みを、上記希望時刻を境とした前後で夫々任意に設定可能と成したことを特徴とする請求項3に記載の処理計画作成装置。
  5. 上記希望時刻からの事象発生時刻のずれ量の重みを、事象発生時刻が事象最早発生可能時刻及び事象最遅発生可能時刻を越える部分について極端に重く設定したことを特徴とする請求項3または4に記載の処理計画作成装置。
  6. 上記事象発生時刻の重みを任意に設定可能と成したことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の処理計画作成装置。
  7. 上記処理を繰り返す演算の実行前に、上記製造プロセスの他方の工程の最低事象発生間隔の制約によって一方の工程での処理の連続性が保てなくなることを予測し、不連続となる時間分だけ事象発生時刻を早めるように属性を設定する前処理手段を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の処理計画作成装置。
  8. 上記処理を繰り返す演算の実行後に、得られたスケジュール結果中で一方の工程の処理が不連続となる部分を検出し、当該不連続となる部分の処理時間を長く設定することにより不連続点をなくすようにする後処理手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の処理計画作成装置。
  9. 上記離散事象モデルはペトリネットモデルであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の処理計画作成装置。
  10. 異なる複数工程経路で複数製品を製造する処理プロセスにおける処理計画を作成するための処理計画作成方法において、
    上記処理プロセスの物流フローや物流制約を離散事象モデルで表し、物流状態を変化させる離散事象であって、上記処理計画作成対象である事象が発生したときの、考慮すべき全ての物流状態及び物流制約を検出する離散事象系シミュレータと、上記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)分を対象として、上記処理プロセスの物流状態と物流制約とのうち、処理計画作成に影響が大きい重要な部分のみからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと上記評価関数設定装置により設定された評価関数を用いて最適化計算処理を行って上記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを用い、
    上記最適化計算装置による最適化計算処理により、立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して上記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、上記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより得られたシミュレーション結果から上記処理プロセスにおける、前記物流制約を満足する処理計画を作成する処理計画作成方法であって、
    上記数式モデルと上記評価関数の両方もしくは一方が、独立変数の領域を複数に区分した区分領域毎に線形式の形を取る区分線形式であることを特徴とする処理計画作成方法。
  11. 上記数式モデル保持装置は、上記設定した計画作成期間に含まれる事象毎に、上記検出した現在の物流状態から最適な事象発生時刻である希望時刻を夫々算出する希望時刻算出工程と、
    上記希望時刻算出工程により算出された希望時刻を用いて、上記離散事象系シミュレータにより検出された物流制約を上記線形式に展開する線形化工程とを有することを特徴とする請求項10に記載の処理計画作成方法。
  12. 上記線形評価関数は、上記希望時刻からの事象発生時刻のずれ量及び上記事象発生時刻の2つの指標の重み付き和で表されることを特徴とする請求項10に記載の処理計画作成方法。
  13. 上記希望時刻からの事象発生時刻のずれ量の重みを、上記希望時刻を境とした前後で夫々任意に設定可能と成したことを特徴とする請求項12に記載の処理計画作成方法。
  14. 上記希望時刻からの事象発生時刻のずれ量の重みを、事象発生時刻が事象最早発生可能時刻及び事象最遅発生可能時刻を越える部分について極端に重く設定したことを特徴とする請求項12または13に記載の処理計画作成方法。
  15. 上記事象発生時刻の重みを任意に設定可能と成したことを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載の処理計画作成方法。
  16. 上記処理を繰り返す演算の実行前に、上記製造プロセスの他方の工程の最低事象発生間隔の制約によって一方の工程での処理の連続性が保てなくなることを予測し、不連続となる時間分だけ事象発生時刻を早めるように属性を設定する前処理工程を有することを特徴とする請求項10〜15の何れか1項に記載の処理計画作成方法。
  17. 上記処理を繰り返す演算の実行後に、得られたスケジュール結果中で一方の工程の処理が不連続となる部分を検出し、当該不連続となる部分の処理時間を長く設定することにより不連続点をなくすようにする後処理工程を有することを特徴とする請求項10〜15の何れか1項に記載の処理計画作成方法。
  18. 上記離散事象モデルはペトリネットモデルであることを特徴とする請求項10〜17の何れか1項に記載の処理計画作成方法。
  19. 異なる複数工程経路で複数製品を製造する処理プロセスにおける処理計画を作成するための処理計画作成方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    上記処理プロセスの物流フローや物流制約を離散事象モデルで表し、物流状態を変化させる離散事象であって、上記処理計画作成対象である事象が発生したときの、考慮すべき全ての物流状態及び物流制約を検出する離散事象系シミュレータと、上記処理計画の立案開始日時から予め設定された対象期間(計画作成期間)分を対象として、上記処理プロセスの物流状態と物流制約とのうち、処理計画作成に影響が大きい重要な部分のみからなる数式モデルを保持する数式モデル保持装置と、上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルを評価するための評価関数を設定する評価関数設定装置と、上記数式モデル保持装置により保持された数式モデルと上記評価関数設定装置により設定された評価関数を用いて最適化計算処理を行って上記離散事象系シミュレータに対する物流指示を算出する最適化計算装置とを用い、
    上記最適化計算装置による最適化計算処理により、立案開始日時から所定の区切られた範囲で設定された対象期間(指示算出期間)分について物流指示を算出して上記離散事象系シミュレータに与えて、予め選択された対象期間(シミュレーション期間)分だけシミュレーションを実行した結果を処理計画として確定し、上記確定した期間の直後の日時を新たな立案開始日時として設定して処理計画を立案するという処理を繰り返すことにより得られたシミュレーション結果から上記処理プロセスにおける、前記物流制約を満足する処理計画を作成する処理計画作成方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
    上記数式モデルと上記評価関数の両方もしくは一方が、独立変数の領域を複数に区分した区分領域毎に線形式の形を取る区分線形式であることを特徴とするコンピュータプログラム。
  20. 上記請求項19に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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