JP2012188752A - 燃料原単位評価装置及び加熱炉制御システム - Google Patents

燃料原単位評価装置及び加熱炉制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】鋳片1片毎の燃料原単位を評価可能にすること。
【解決手段】燃料原単位算出部17aが、スラブデータ、ガス消費量データ、及び重量データを用いて、所定期間内の各時刻におけるガス消費量を各スラブの重量比率で各スラブに配分し、各スラブに配分されたガス消費量をスラブの在炉時間分積算することによって各スラブの燃料原単位を算出し、出力装置12が、燃料原単位算出部17aによって算出された各スラブの燃料原単位に関する情報を出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の鋳片を連続的に加熱処理する加熱炉における燃料原単位を算出する燃料原単位評価装置、及びこの燃料原単位評価装置によって算出された燃料原単位に基づいて加熱炉の操業条件を制御する加熱炉制御システムに関するものである。
近年、複数の鋳片を連続的に加熱処理する連続式加熱炉では、製造コストやCO排出量を削減するために、燃料原単位を最小限に抑えることが求められている。このような背景から、燃料原単位の改善を目的として、従来までに種々の加熱炉制御技術が提案されている。具体的には、特許文献1には、各鋳片の要求昇温量の加重平均値に基づいて炉温を設定することによって、過剰熱量や過小熱量を回避する技術が開示されている。また、特許文献2には、熱収支計算によって炉内の温度分布を予測し、予測された炉内の温度分布に基づいて鋳片を目標温度に加熱処理するために必要な炉温を算出する技術が開示されている。
特開平02−138420号公報 特開2004−43912号公報
ところで、従来の燃料原単位の評価方法では、燃料原単位は、所定期間(所定量の鋳片を加熱処理するために要した時間,日単位,週単位,月単位等)内に消費された熱量を所定期間内に加熱処理された鋳片の総重量で除算することによって、算出されていた。すなわち、従来の燃料原単位の評価方法では、所定期間内のどの時間帯においても消費熱量が一定であり、且つ、同重量の鋳片が炉内を一定ピッチで移動すると仮定して、所定期間内に加熱処理される複数の鋳片を一単位として燃料原単位を算出していた。
しかしながら、実際の操業では、断面積や加熱条件が異なる複数の鋳片が所定期間内に連続的に加熱処理されるために、所定期間内において消費熱量は変動する。例えば、後続の鋳片に大断面積の鋳片や冷片が存在する場合、これらの鋳片を目標温度に加熱するために消費熱量は増加する。また、所定期間内に加熱処理される複数の鋳片の重量や移動ピッチが一定であることは極めて稀である。このため、従来の燃料原単位の評価方法は、数時間単位の局部評価に対し算出精度を保証できず、鋳片の形状,寸法,重量,材質,及び加熱条件の違いに由来する誤差を打ち消すために、1日〜1ヶ月等の比較的長い期間に対する評価にしか利用することができなかった。
形状,寸法,重量,材質,加熱条件が異なる複数の鋳片について、燃料原単位を複数の鋳片単位ではなく鋳片1片単位で評価することができれば、例えば過剰加熱の状態やその過程を特定することが可能となり、燃料原単位を改善する上で有益な情報が得られる。以上のことから、鋳片1片単位で燃料原単位を算出可能な技術の提供が期待されていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、鋳片1片毎の燃料原単位を評価可能な燃料原単位評価装置、及び燃料原単位を改善可能な加熱炉制御システムを提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る燃料原単位評価装置は、加熱炉において連続的に加熱処理された複数の鋳片について、該加熱炉への装入時刻、該加熱炉からの抽出時刻、及び重量のデータを鋳片データとして記憶する第1の記憶手段と、前記加熱炉において前記加熱処理のために用いられた燃料量の時系列データを燃料消費量データとして記憶する第2の記憶手段と、前記加熱炉内に存在する鋳片の総重量の時系列データを重量データとして記憶する第3の記憶手段と、前記鋳片データ、前記燃料消費量データ、及び前記重量データを用いて、所定期間内の各時刻における前記燃料量を各鋳片の重量比率で各鋳片に配分し、各鋳片に配分された前記燃料量を鋳片の在炉時間分積算することによって各鋳片の燃料原単位を算出する燃料原単位算出手段と、前記燃料原単位算出手段によって算出された各鋳片の燃料原単位に関する情報を出力する出力手段と、を備える。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る加熱炉制御システムは、本発明に係る燃料原単位評価装置から出力された燃料原単位に関する情報を用いて加熱炉の操業条件を制御する制御手段を備える。
本発明に係る燃料原単位評価装置によれば、鋳片1片毎の燃料原単位を評価することができる。
本発明に係る加熱炉制御システムによれば、燃料原単位を改善することができる。
図1は、本発明の一実施形態である加熱炉制御システムの制御対象となる連続式加熱炉の構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である加熱炉制御システムの構成を示すブロック図である。 図3は、図2に示す操業情報データベースに格納されるスラブデータ,ガス消費量データ、及び重量データの一例を示す図である。 図4は、各スラブの在炉時間帯の表示例を示す図である。 図5は、各帯のガス消費量の表示例を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態である燃料原単位算出処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、燃料原単位の表示例を示す図である。 図8は、燃料原単位の表示例を示す図である。 図9は、燃料原単位の表示例を示す図である。 図10は、燃料原単位の表示例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である加熱炉制御システムの構成について説明する。
〔連続式加熱炉の構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である加熱炉制御システムの制御対象となる連続式加熱炉の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である加熱炉制御システムの制御対象となる連続式加熱炉の構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である加熱炉制御システムの制御対象となる連続式加熱炉1は、本発明に係る鋳片としてのスラブSの搬送方向に順に配列された予熱帯2,加熱帯3,及び均熱帯4を備えている。予熱帯2,加熱帯3,及び均熱帯4にはそれぞれ、バーナー5a,5b、バーナー5c,5d,バーナー5e,5fが設けられており、各バーナーは燃料ガスを燃焼することによって各炉帯の温度を設定温度に加熱する。この連続式加熱炉1では、スラブSは、予熱帯2の入側に連続的に装入され、予熱帯2,加熱帯3,及び均熱帯4において順に所定の抽出温度まで加熱された後、均熱帯4の出側から抽出される。
〔加熱炉制御システムの構成〕
次に、図2乃至図5を参照して、本発明の一実施形態である加熱炉制御システムの構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態である加熱炉制御システムの構成を示すブロック図である。図3は、図2に示す操業情報データベース13に格納されるスラブデータ,ガス消費量データ、及び重量データの一例を示す図である。図4は、各スラブの在炉時間帯の表示例を示す図である。図5は、各炉帯のガス消費量の表示例を示す図である。
図2に示すように、本発明の一実施形態である加熱炉制御システム10は、入力装置11,出力装置12,操業情報データベース13,及び加熱炉制御装置14を備える。入力装置11は、キーボード,マウスポインタ,テンキー等の情報入力装置によって構成され、オペレータが各種情報を加熱炉制御装置14に入力する際に操作される。出力装置12は、表示装置や印刷装置等の情報出力装置によって構成され、加熱炉制御装置14の各種処理情報を出力する。出力装置12は、本発明に係る出力手段として機能する。
操業情報データベース13は、本発明に係る第1乃至第3の記憶手段として機能する。操業情報データベース13は、連続式加熱炉1において加熱処理されたスラブSに関する情報を示すスラブデータ,連続式加熱炉1の各炉帯における時系列のガス消費量(Nm/hr)を示すガス消費量データ、及び連続式加熱炉1の各炉帯に存在するスラブSの時系列の総重量(t)を示す重量データを格納している。具体的には、図3(a)に示すように、スラブデータは、スラブS毎に付与された固有の識別情報(材料ID)と、予熱帯2への進入時刻,加熱帯3への進入時刻,均熱帯4への進入時刻,均熱帯4からの抽出時刻,及び重量とを関連づけしてスラブS毎に記述したものである。図3(b)に示すように、ガス消費量データは、予熱帯2のガス消費量,加熱帯3のガス消費量,及び均熱帯4のガス消費量を所定時間p(記録ピッチp)毎に記録したものである。図3(c)に示すように、重量データは、予熱帯2内に存在するスラブSの重量の総計(予熱帯在炉重量計),加熱帯3内に存在するスラブSの重量の総計(加熱帯材料重量計),及び均熱帯4内に存在するスラブSの重量の総計(均熱帯在炉重量計)を所定時間p(記録ピッチp)毎に記録したものである。
図3(a)に示すスラブデータによれば、図4に示すように、各スラブSが予熱帯2,加熱帯3,及び均熱帯4内に存在する時間帯をグラフ表示することができる。図4に示す例では、棒グラフXの領域X1はn本目のスラブが時間T=T1〜T2の間に予熱帯2で加熱されたことを示し、棒グラフXの領域X2はn本目のスラブが時間T=T2〜T3の間に加熱帯3で加熱されたことを示し、棒グラフXの領域X3はn本目のスラブが時間T=T3〜T4の間に均熱帯4で加熱されたことを示している。また、図3(b)に示すガス消費量データによれば、図5に示すように、各炉帯におけるガス消費量(ガス流量)の時間変化を表示できる。
図2に戻る。加熱炉制御装置14は、本発明に係る制御手段として機能する。加熱炉制御装置14は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって構成され、RAM15,ROM16,及びCPU17を備えている。RAM15は、CPU17が実行する処理に関するコンピュータプログラムや制御データを一時記憶し、CPU17のワーキングエリアとして機能する。ROM16は、CPU17が実行する処理に関するコンピュータプログラムや制御データを記憶する。本実施形態では、ROM16は、後述する燃料原単位算出処理の各処理ステップをコンピュータ言語によって記述した燃料原単位算出プログラム16aを記憶する。CPU17は、ROM16内に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって加熱炉制御装置14全体の動作を制御する。本実施形態では、CPU17は、ROM16内に記憶されている燃料原単位算出プログラム16aを実行することによって、燃料原単位算出部17aとして機能する。燃料原単位算出部17aは、本発明に係る燃料原単位算出手段として機能する。
〔燃料原単位算出処理〕
このような構成を有する加熱炉制御システム10では、燃料原単位算出部17aが以下に示す燃料原単位算出処理を実行することによって、連続式加熱炉1において加熱されるスラブの燃料原単位をスラブ単位及び炉帯単位で算出する。以下、図6に示すフローチャートを参照して、この燃料原単位算出処理を実行する際の燃料原単位算出部17aの動作について説明する。
図6は、本発明の一実施形態である燃料原単位算出処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、オペレータが入力装置11を介して所定期間内における燃料原単位の算出処理の実行指令を入力したタイミングで開始となり、燃料原単位算出処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、燃料原単位算出部17aが、所定期間内に加熱処理された複数のスラブSについて、予熱帯進入時刻na,加熱帯進入時刻nb,均熱帯進入時刻nc,及び均熱帯抽出時刻ndのデータを操業情報データベース13から取得する。また、燃料原単位算出部17aは、所定期間内の各時刻における予熱帯2のガス消費量Qa,加熱帯3のガス消費量Qb,均熱帯4のガス消費量Qcのデータを操業情報データベース13から取得する。さらに、燃料原単位算出部17aは、所定時間内の各時刻において予熱帯2内に存在するスラブSの重量の総計,加熱帯3内に存在するスラブSの重量の総計,及び均熱帯4内に存在するスラブSの重量の総計を操業情報データベース13から取得する。これにより、ステップS1の処理は完了し、燃料原単位算出処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、燃料原単位算出部17aが、ステップS1の処理によって得られたデータを用いて、所定期間内に加熱された複数のスラブSについて燃料原単位をスラブ単位及び炉帯単位で算出する。具体的には、燃料原単位算出部17aは、以下に示す数式(1)を用いて予熱帯2におけるn本目のスラブSの燃料原単位qnaを算出する。なお、数式(1)中、パラメータQatは所定期間内の時刻tにおける予熱帯2のガス消費量Qaを示し、パラメータHはガス消費量を熱量に換算する際の発熱量(kcal/Nm)を示し、パラメータpはガス消費量の記録ピッチを示し、パラメータWatは所定期間内の時刻tに予熱帯2に存在するスラブSの重量の総計を示し、パラメータwは燃料原単位の算出対象となるn番目のスラブSの重量を示す。
すなわち、燃料原単位算出部17aは、操業状況によりガス消費量が時々刻々と自動又は手動で制御され変動することに着目し、任意の短い時間経過(記録ピッチp)毎にガス消費量をスラブSの重量比率で配分し、配分されたガス消費量を所定時間(在炉時間)分積算することによって予熱帯2における各スラブSの燃料原単位を算出する。以下、同様にして、燃料原単位算出部17bは、以下に示す数式(2)を用いて加熱帯3におけるn本目のスラブSの燃料原単位qnbを算出し、以下に示す数式(3)を用いて均熱帯4におけるn本目のスラブSの燃料原単位qncを算出する。なお、数式(2)中、パラメータQbtは所定期間内の時刻tにおける加熱帯3のガス消費量Qbを示し、パラメータWbtは所定期間内の時刻tに加熱帯3に存在するスラブSの重量の総計を示す。また、数式(3)中、パラメータQctは所定期間内の時刻tにおける均熱帯4のガス消費量Qcを示し、パラメータWctは所定期間内の時刻tに均熱帯4に存在するスラブSの重量の総計を示す。
なお、各スラブの炉内の位置情報や炉帯毎のガス消費量がスラブSの在炉時間に対して極めて短い時間帯で把握できる場合(例えば在炉時間60分に対して記録ピッチpが5分以下である場合等)であって、且つ、炉帯内におけるスラブSの間隔が装入時点における間隔から変化しない場合には、スラブSが各炉帯を通過した時刻の平均ガス流量Qaave,Qbave,Qcave、n番目のスラブが各炉帯に進入した時刻における各炉帯に存在するスラブSの重量の総計とn番目のスラブが各炉帯から抽出された時刻における各炉帯に存在するスラブSの重量の総計との平均値Waave,Wbave,Wcaveを用いて、数式(1)〜(3)を以下に示す数式(4)〜(6)のように変形してもよい。これにより、ステップS2の処理は完了し、燃料原単位算出処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、燃料原単位算出部17aが、図7(b)に示すように、ステップS2の処理によって算出された予熱帯2,加熱帯3,及び均熱帯4における各スラブSの燃料原単位を連続式加熱炉1への装入順に出力装置12に表示出力する。なお、この際、燃料原単位算出部17aは、図7(a)に示すような各スラブの装入前温度,加熱帯入温度,均熱帯入温度,実抽出温度,目標抽出温度のデータを燃料原単位のデータと共に表示出力することが望ましい。スラブSの温度と燃料原単位との情報を合わせて表示することによって、オペレータは、特に過剰加熱による燃料原単位の悪化を認識し、燃料原単位の改善のための操業条件の変更に役立てることができる。例えば、図8(a)に示す領域Aや領域Bでは、実抽出温度が目標抽出温度より高くなっており、この時の燃料原単位は図8(b)の領域C,Dに示すように良好水準から大きく増加している。これにより、オペレータは、これらのスラブについては過加熱による燃料原単位の悪化が生じていると認識し、スラブSの装入順序の変更等、燃料原単位の改善のための操業条件の変更を行うことができる。以後、オペレータは、操業条件の変更を加熱炉制御装置14に指示し、加熱炉制御装置14は、変更された操業条件に基づいて連続式加熱炉1によるスラブSの加熱処理を制御する。
なお、図7(b)や図8(b)に記載されている燃料原単位の良好水準は、以下のようにして決定することができる。すなわち、燃料原単位算出部17aは、ステップS2の処理によって算出された予熱帯2,加熱帯3,及び均熱帯4におけるスラブSの燃料原単位のデータとスラブSの大きさや装入温度等のデータとを関連付けしてスラブS毎にデータベースに記憶しておく。そして、スラブSの燃料原単位の良好水準を決定する際は、燃料原単位算出部17aは、データベースに記憶されているデータの中からスラブSの大きさや装入温度等が類似するスラブSの燃料原単位のデータを抽出し、抽出された燃料原単位の中で値が良好のものをそのスラブSの良好水準として選択する。より具体的には、燃料原単位算出部17aは、燃料原単位の最適値に所定値を加算した値を燃料原単位の良好水準として算出する。所定値としては、燃料原単位の最適値に適宜決定される係数(加算水準値、例えば15%)を乗算した値を例示することができる。
また、燃料原単位算出部17aは、各スラブSの燃料原単位と抽出温度や均熱帯入温度との関係を図9(a),(b)に示すような散布図の形態で表示してもよい。図9(a)に示す散布図によれば、オペレータは、領域R1に示すように実抽出温度が1100℃以上になると燃料原単位が悪化することが認識できる。また、図9(b)に示す散布図によれば、オペレータは、領域R2に示すように均熱帯入温度が1050℃程度であると、燃料原単位が良好になることを認識できる。また、燃料原単位算出部17aは、予熱帯2,加熱帯3,及び均熱帯4における平均ガス流量と燃料原単位との関係を図10(a)〜(c)に示すような散布図の形態で表示してもよい。これらの散布図により、オペレータは、各散布図の破線で囲まれた領域において燃料原単位が良好になることが認識できる。また、燃料原単位算出部17aは、良好水準の燃料原単位が得られた時の連続式加熱炉1の操業条件に関する情報を出力してもよい。出力する情報としては、各炉帯装入時におけるスラブの温度毎の適正昇温量、スラブの温度域毎の目標昇温量及び適正ガス量、スラブの種別毎の均熱帯入側のスラブ温度等の燃料原単位の影響因子の適正値を例示することができる。これにより、ステップS3の処理は完了し、一連の燃料原単位算出処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である燃料原単位算出処理によれば、燃料原単位算出部17aが、スラブデータ、ガス消費量データ、及び重量データを用いて、所定期間内の各時刻におけるガス消費量を各スラブの重量比率で各スラブに配分し、各スラブに配分されたガス消費量をスラブの在炉時間分積算することによって各スラブの燃料原単位を算出し、出力装置12が、燃料原単位算出部17aによって算出された各スラブの燃料原単位に関する情報を出力するので、スラブ1片毎の燃料原単位を評価することができる。また、本発明の一実施形態である加熱炉制御システム10によれば、燃料原単位算出部17aが、スラブ1片毎の燃料原単位とその良好水準とを合わせて算出するので、オペレータは、算出された燃料原単位とその良好水準との乖離度が大きい場合、良好水準が得られた時の操業条件に基づいて連続式加熱炉1の操業条件を制御することによって、燃料原単位を改善することができる。
また、本発明の一実施形態である加熱炉制御システム10によれば、燃料原単位算出部17aが、良好水準の燃料原単位が得られた時の連続式加熱炉1の操業条件に関する情報を出力する。連続式加熱炉1内には操業条件が異なる複数のスラブが混在するために、スラブ1片毎の燃料原単位に基づいて連続式加熱炉1全体の動作を制御することは望ましくない。しかしながら、一般に、オペレータは自身の経験や勘に基づいて安全よりの制御を行うために、燃料原単位を改善することは困難である。これに対して、良好水準の燃料原単位が得られた時の連続式加熱炉1の操業条件に関する情報を出力すれば、オペレータは、自身の経験や勘に頼ることなく燃料原単位を改善するための情報を得ることができるので、燃料原単位を改善することが容易になる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者などによりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれる。
1 連続式加熱炉
2 予熱帯
3 加熱帯
4 均熱帯
5a,5b,5c,5d,5e,5f バーナー
10 加熱炉制御システム
11 入力装置
12 出力装置
13 操業情報データベース
14 加熱炉制御装置
15 RAM
16 ROM
16a 燃料原単位算出プログラム
17 CPU
17a 燃料原単位算出部

Claims (5)

  1. 加熱炉において連続的に加熱処理された複数の鋳片について、該加熱炉への装入時刻、該加熱炉からの抽出時刻、及び重量のデータを鋳片データとして記憶する第1の記憶手段と、
    前記加熱炉において前記加熱処理のために用いられた燃料量の時系列データを燃料消費量データとして記憶する第2の記憶手段と、
    前記加熱炉内に存在する鋳片の総重量の時系列データを重量データとして記憶する第3の記憶手段と、
    前記鋳片データ、前記燃料消費量データ、及び前記重量データを用いて、所定期間内の各時刻における前記燃料量を各鋳片の重量比率で各鋳片に配分し、各鋳片に配分された前記燃料量を鋳片の在炉時間分積算することによって各鋳片の燃料原単位を算出する燃料原単位算出手段と、
    前記燃料原単位算出手段によって算出された各鋳片の燃料原単位に関する情報を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする燃料原単位評価装置。
  2. 前記出力手段は、各鋳片の装入温度、実抽出温度、及び目標抽出温度のうちの少なくとも一つに関する情報を前記燃料原単位に関する情報と共に出力することを特徴とする請求項1に記載の燃料原単位評価装置。
  3. 前記出力手段は、良好水準の燃料原単位が得られた時の加熱炉の操業条件に関する情報を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料原単位評価装置。
  4. 前記加熱炉は、連続的に配列された複数の加熱帯を有し、
    前記第1の記憶手段は、各加熱帯における鋳片の装入時刻及び抽出時刻のデータを鋳片データとして記憶し、
    前記第2の記憶手段は、各加熱帯における前記燃料量の時系列データを燃料消費量データとして記憶し、
    前記第3の記憶手段は、各加熱帯における鋳片の総重量の時系列データを重量データとして記憶し、
    前記燃料原単位算出手段は、加熱帯毎に各鋳片の燃料原単位を算出し、
    前記出力手段は、各加熱帯について算出された各鋳片の燃料原単位に関する情報を出力する
    ことを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の燃料原単位評価装置。
  5. 請求項1〜4のうち、いずれか1項に記載の燃料原単位評価装置から出力された燃料原単位に関する情報に基づいて加熱炉の操業条件を制御する制御手段を備えることを特徴とする加熱炉制御システム。
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