JP4469143B2 - 熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱延鋼板の製造方法、特に加熱炉および均熱ヒーターによる圧延材の加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱延鋼板の製造では、スラブを加熱炉で加熱し、粗圧延機列で圧延して粗バーとする。ついで、粗バーを均熱ヒーターにより所要の圧延温度に加熱して仕上圧延機列で所定の板厚に圧延する。
【0003】
加熱炉は、所定のピッチで装入された20〜30本のスラブを炉出口に向かって順次送りながら加熱する。これらのスラブの中には、装入温度および/または抽出温度目標が異なるものが混在しており、すべてのスラブをそのスラブの抽出温度目標に加熱することはできない。したがって、仕上圧延機列の入側に配置した加熱装置で粗バーを加熱して均熱化を図るとともに、所定の仕上圧延温度に昇温するようにしている。
【0004】
上記加熱工程において、加熱炉および加熱装置の熱エネルギーコストをできるだけ少なくして、スラブおよび粗バーを目標温度に加熱することが望ましい。従来このための加熱方法として、複数のスラブを加熱炉で加熱する際、最も低い加熱温度指定のスラブの加熱温度に合わせて加熱し、加熱炉から抽出したスラブを粗圧延機と仕上圧延機との間に設置した加熱装置で、仕上圧延機出口の目標温度が得られるように加熱することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−321818号公報(第2ページ、上左欄)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
加熱炉では熱源としてガス燃料を用いる。加熱装置では制御性の良い点から誘導加熱方式を採用しているので、単位質量当りの加熱費はガス燃料より高価になっている。前記従来の加熱方法では、最も低い加熱温度指定のスラブの加熱温度に合わせて加熱するので、後段の加熱装置に大きな負担がかかっていた。したがって、加熱装置に多くの熱エネルギーコストを要し、十分なコスト低減効果を得ることはできなかった。
【0007】
この発明の課題は、圧延材の加熱に要する熱エネルギーコストを更に低減することができる熱延鋼板の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の熱延鋼板の製造方法は、加熱炉で加熱したスラブを粗圧延して粗バーとし、ついで粗バーを均熱ヒーターで加熱して仕上圧延する熱延鋼板の製造方法において、最大焼上げ負荷スラブの加熱により、最大焼上げ負荷スラブの周辺のスラブに発生する過加熱代を算出し、過加熱代に基づいて抽出スラブごとに加熱炉抽出温度を予測する。ついで、上記加熱炉抽出温度の予測に基づいて、熱エネルギーコストが最小となるように、前記最大焼上げ負荷をより低い焼上げ負荷に設定し、焼込み不足となるスラブは均熱ヒーターで所定温度に昇温する。
【0009】
上記熱延鋼板の製造方法において、過加熱代およびスケールロスの低減による燃料コストの削減代を最大とし、かつ、均熱ヒーターの電力コストとを最小となるように前記加熱炉抽出温度および均熱ヒーターの昇温量を設定することができる。また、抽出順が連続する40本以下のスラブのグループで、装入温度×加熱炉抽出温度のマトリックス別に熱エネルギーコストが最小となる加熱条件を求め、前記加熱条件に基づいて均熱ヒーターの使用可否を判断することもできる。さらに、GA(遺伝的アルゴリズム)または山登り法により熱エネルギーコストが最小となる加熱条件を探索するようにしてもよい。
【0010】
この発明の他の熱延鋼板の製造方法は、スラブを加熱炉で加熱し、粗圧延して粗バーとし、ついで均熱ヒーターで加熱して仕上圧延する熱延鋼板の製造方法において、最大焼上げ負荷スラブの加熱により、最大焼上げ負荷スラブの周辺のスラブに発生する過加熱代を算出し、過加熱代に基づく低温装入スラブまたは高温抽出スラブの加熱炉内のスラブの装入温度パターンに応じて均熱ヒーター使用の可否を判断する。
【0011】
熱延鋼板の製造方法において、隣り合うスラブ間の抽出温度目標の温度差(温度勾配)が15℃/本以上、かつ抽出温度目標の変化代をT℃とするときに、高温抽出スラブがT/10−2本以下で連続する場合には、高温抽出スラブと低温装入スラブに均熱ヒーターを使用するようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施に用いられる熱延設備の一例を示している。熱延設備の主要部は、加熱炉10、粗圧延機列11、均熱ヒーター12、クロップシャー13、エッジヒーター14および仕上圧延機列15からなっている。加熱炉10は、連続鋳造設備(図示しない)から送られてきたスラブSを抽出温度目標に加熱する。抽出温度目標は、圧延ラインでの温度降下、仕上圧延出口温度目標などに基づいて設定される。粗圧延機列11はスラブSを圧延して粗バーRとする。均熱ヒーター12は、粗バーRを仕上圧延温度目標に昇温するとともに粗バー全体を均熱化する。均熱ヒーター12は、一般に誘導加熱方式が用いられている。フロントおよびテールクロップをクロップシャー13で切断・除去した粗バーRを、エッジヒーター14でエッジ部を所要の温度に加熱し、ついで仕上圧延機列15で所定の板厚に圧延する。
【0013】
上記加熱炉において、少量の低温装入スラブと品種・サイズごとに異なる高温抽出スラブとが組み込まれていることにより、これら少量の低温装入スラブまたは高温抽出スラブの周辺のスラブが抽出温度目標より高い温度に過加熱され、熱エネルギー損失を招いている。例えば、図2で折れ線(1)は抽出温度目標、折れ線(2)は抽出温度実績、折れ線cは装入温度をそれぞれ表わしている。図中のA部(4本目)は装入温度が低く(612℃)なっており、抽出温度目標(1210℃)を確保するには大きな焼込み(=抽出温度目標−装入温度=598℃)が必要である。一方、低温装入スラブの周辺スラブは装入温度が高い(800〜848℃)ので、本来は焼込み代は少なく(385℃程度)てもよいが、低温装入スラブ(A部)の焼込みを行うためハッチング部dの過加熱を生じる。
【0014】
そこで、この発明では図2の折れ線(4)で示すように低温装入スラブも周辺スラブ相当に合わせて焼き込み、加熱炉から低温のままで抽出し、周辺スラブの過加熱を削減する。低温のままで抽出した低温装入スラブは、均熱ヒーターで昇温して温度不足を補う。上記低温抽出温度は、加熱炉および均熱ヒーターで消費される熱エネルギーコストが最小となるように求める。
【0015】
図3は、長期(例えば24時間)にわたる抽出温度目標および抽出温度予測の変化をスラブ抽出順に示している。過加熱代は、抽出温度目標Taと抽出温度予測Tpとから次のように定義される。
過加熱代=抽出温度予測Tp−抽出温度目標Ta ……(1)
抽出温度目標Taは、仕上圧延出側のAr3の確保および圧延に必要な抽出温度の目標である。抽出温度予測Tpは、上記抽出温度目標を確保するために実際に発生する抽出温度であり、抽出温度目標Taに過加熱代を加えた温度である。
【0016】
つぎに、抽出温度目標修正Tcaを求める。抽出温度目標修正Tcaは、均熱ヒーターを使用し、省エネルギー操業を行うために焼上げネック材(周辺スラブを過加熱するスラブ;最大焼上げ負荷スラブ)を抽出温度目標Taより低温で抽出する場合の温度目標である。抽出温度目標修正Tcaは、上記熱エネルギーコストが最小となるようにシミュレーションなどにより求める。ついで、抽出温度目標修正Tcaを確保するために実際に発生する抽出温度、すなわち抽出温度予測修正Tcpを求める。抽出温度予測修正Tcpを求める際にも過加熱代を考慮する。
【0017】
燃料コストの利益および電力コストの損失は、次式で求めることができる。
燃料コストの利益=(抽出温度予測Tp−抽出温度予測修正Tcp)
×(抽出温度1℃上昇に必要な燃料量)×@燃料単価
……(2)
電力コストの損失=(抽出温度予測修正Tcp−抽出目標温度Ta)の負のみ
×(抽出温度1℃上昇に必要な均熱ヒーター電力)×均熱ヒーター使用時間
×@電力単価 ……(3)
熱エネルギーコストの利益は、
熱エネルギーコストの利益=燃料コストの利益+電力コストの損失
……(4)
加熱炉(燃料)および均熱ヒーター(電力)の熱エネルギーコストを最小にするには、均熱ヒーター使用時および不使用時の燃料コストの利益を求める必要がある。そのためには、抽出温度目標を確保するために実際に生じる抽出温度(=抽出温度予測)を予測する必要がある。この発明では、過加熱代をシミュレーションにより求め、抽出温度予測を行う。
【0018】
加熱炉内で焼上げ負荷(=抽出温度目標+装入温度変化による抽出温度影響)の大きいスラブ(図4の下図参照)を焼き込むと、周辺に装入された本来、焼上げ負荷の小さいスラブにむだ焼き(過加熱)が発生する。そのため、焼上げ負荷の小さいスラブは抽出温度目標より高温に焼き上がってしまう(図4の上図参照)。図5はより簡単のために抽出温度目標を一定にした場合であるが、焼上げ負荷の大きいスラブの周辺の前後は三角状に過加熱を生じる(白抜きの棒)。この三角状の過加熱代を過加熱予測シミュレーターにより定量的に予測する。
【0019】
過加熱予測シミュレーターでは、周辺スラブ影響係数K1を用いて上記過加熱をモデル化する。周辺スラブ影響係数K1は、三角状過加熱代において焼上げ負荷スラブが周辺スラブに影響を及ぼす影響代を表わしている。焼上げ負荷スラブの前後スラブへの影響範囲は、図6に示すようにそれぞれ9本とし、影響代は焼上げ負荷の突出代のパーセンテージで示す。
【0020】
図7は、装入温度および抽出温度のそれぞれの実績値およびモデル算出値をスラブ装入順に示している。抽出温度のモデル算出値は、加熱炉内ガス・炉体構造物温度影響考慮モデルを用いて算出している。図7は、低温装入スラブ(ネック材:800℃→500℃)の焼上げ時の周辺スラブへの過加熱影響をモデル算出値と実績とを比較して示しており、両者は似通った傾向を示している。
【0021】
また、表1によれば、ネック材に隣接するスラブの過加熱代は10〜30℃であり、焼上げ前の影響本数は6〜7本、焼上げ後の影響本数は5〜16本である。
【0022】
【表1】
【0023】
図5に示す場合は、抽出温度目標が一定であることを前提としているが、実際には抽出温度目標にはばらつきがあり、単純に過加熱代を算出できない。そこで、焼上げ負荷スラブが煩雑な実操業への対応は、当該スラブごとに当該スラブに過加熱影響を与える可能性のあるその前後それぞれ9本の周辺スラブの焼上げ負荷を算出し、当該スラブの焼上げ負荷と比較し、周辺スラブの焼上げ負荷の方が高いものの中から負荷の差が最大となるスラブ(最大焼上げ負荷スラブ)を選択する。この最大焼上げ負荷スラブからこのスラブの周辺のスラブが過加熱影響を受けるものとして、周辺スラブの実際の抽出温度を次のように算出する。
:
DTi−1=MAX{‥‥‥(Tfi−3−Tfi−1)×K1n−2,(Tfi−2−Tfi−1 )×K1n−1,(Tfi−Tfi−1)×K1n+1,(Tfi+1−Tfi−1 )
×K1n+2‥‥‥}
DTi=MAX{‥‥‥(Tfi−2−Tfi)×K1n−2,(Tfi−1−Tfi )
×K1n−1,(Tfi+1−Tfi)×K1n+1,(Tfi+2−Tfi )
×K1n+2‥‥‥}
DTi+1=MAX{‥‥‥(Tfi−1−Tfi+1)×K1n−2,(Tfi−Tfi+1 )
×K1n−1,(Tfi+2−Tfi+1)×K1n+1,(Tfi+3−Tfi+1 )
×K1n+2‥‥‥}
:
ただし、DTi≧0
………(5)
DTi:i番目スラブの過加熱代[℃]
Tfi:i番目スラブの焼上げ負荷[℃]
K1n:当該スラブに隣接するn番目スラブの周辺スラブ影響係数[−]
上記過加熱代DTiを用いることにより、実際の抽出温度Tiは
実際の抽出温度Ti=抽出温度目標Tai+DTi ………(6)
で表わされる。
【0024】
ここで、上記(5)式中の焼上げ負荷Tfを求める。焼上げ負荷の変動は、「抽出温度目標の変化」および「装入温度の変化」に起因する。抽出温度目標が高温ほど、装入温度が低温ほど焼上げ負荷は大きい。そこで、
焼上げ負荷指標(Tf)=抽出温度目標+装入温度変化による抽出温度影響
………(7)
とする。(7)式中の装入温度変化による抽出温度影響については、次のとおりである。
【0025】
図8は、在炉時間およびスラブ温度の関係をスラブ温度実績とシミュレーション結果とを比較して示す線図である。また、図9に抽出温度/装入温度の関係を示す。図9に示すように、同一炉温度条件下で装入温度を400℃低下すると抽出温度は10分の1程度低下する。これらのことから、係数K2を抽出温度/装入温度で定義すると、K2≒0.1となる。装入温度変化による抽出温度影響は、
装入温度変化による抽出温度影響=(基準装入温度−装入温度実績)×K2
………(8)
で表わされる。(7)、(8)式より焼上げ負荷指標Tfは
Tf=抽出温度目標+(基準装入温度−装入温度実績)×K2 ………(9)
となる。
【0026】
図10は、上記過加熱代予測シミュレーターにより抽出温度予測を算出し、抽出温度実績と対比した結果を示している。抽出温度予測と抽出温度実績とはよく一致しており、過加熱代予測シミュレーターは高精度で抽出温度を予測することができる。
【0027】
ここで、高温抽出スラブおよびその周辺スラブの抽出温度予測Tp、ならびに抽出温度目標Taを低減した場合の抽出温度予測修正Tcpについて、模式例により説明する。
【0028】
図11は、加熱炉において24時間加熱した235本のスラブの抽出温度目標Ta、抽出温度予測Tpなどを示している。装入温度は、直線cで示すように一定の前提としている。折れ線(1)は抽出温度目標Taを示しており、抽出温度目標Taはスラブ27本ごとに平均抽出温度T 0 より100℃高い抽出温度となっている。均熱ヒーターは使用しないので抽出温度目標Taの低減代は0であり、抽出温度目標修正Tcaを示す折れ線(3)は抽出温度目標Taを示す折れ線(1)と重なり合っている。また、折れ線(2)は抽出温度予測Tpを示している。なお、「平均抽出温度T 0 」は、操業実績で得られた平均的な抽出温度を表わしている。
【0029】
図12は、均熱ヒーターを使用する場合で、抽出温度目標Taを60℃(図12にαで示す)下げた例である。抽出温度目標Taの低下分は、均熱ヒーターで昇温する。折れ線(3)は抽出温度目標修正Tcaを、折れ線(4)は抽出温度予測修正Tcpをそれぞれ表わしている。
【0030】
この発明では、前述のようにスラブごとに低温装入スラブおよび/または高温抽出スラブが周辺スラブに与える温度影響を考慮して抽出温度を予測する。また、スラブ装入温度、抽出温度、抽出温度目標の低減代、スラブ装入(抽出)順、隣り合うスラブ間の温度勾配、1処理グループのスラブ本数などをパラメーターとして、最小熱エネルギーコストを与える加熱条件を探索する。最適の加熱条件は、操業条件に応じてパラメーターを適宜選択し、組み合わせてマトリックス法、GA、または山登り法により探索する。
【0031】
マトリックス法の例では、ある操業条件(例えば、スラブの装入温度、抽出温度目標、スラブ装入順)のもとで、均熱ヒーターを使用する装入温度および抽出温度のしきい値、ならびに抽出温度目標の低減代をパラメーターとする。抽出温度目標値の低減代ごとに、装入温度×抽出温度しきい値のマトリックスを作成する。ついで、マトリックスの要素ごとに加熱炉の消費燃料、均熱ヒーターの消費電力などを熱計算に基づいて求め、熱エネルギーコストを算出する。装入温度および抽出温度しきい値、ならびに抽出温度目標の低減代の最適値(最小熱エネルギーコストを与える)を求める。
【0032】
シミュレーションにおいて、パラメーターまたはその組合せ数が多い場合、GAまたは山登り法を用いることにより、短時間で最適パラメーターまたはその組合せを求めることができる。
【0033】
ここで、上記シミュレーションの例について説明する。探索条件は次のとおりである。
条件A:基準装入温度と低温装入スラブの装入温度との差が、“A”℃を超えれば均熱
ヒーターを使用する
条件B:抽出温度目標が“B”℃以上であれば、均熱ヒーターを使用する
条件C:条件AおよびBのもとで低温抽出し、かつ均熱ヒーターを使用する際の抽出温
度目標の低減代は“C”℃とする
上記条件のほかに、次の共通条件を前提としている。
(1) 抽出温度目標低減代がゼロでの過加熱代は0℃
(2) 抽出温度予測が抽出温度目標を下回った分は均熱ヒーターで加熱するが、余裕(抽出温度相当)は低温装入が均熱ヒーター使用の理由である場合、30℃とし、高温抽出理由で均熱ヒーターを使用した場合、25℃とする
(3) スキッド補償は、電力コストの50%を上乗せする上記条件のもとでシミュレーションを行い、以下ケースについて操業方案を検討した。
【0034】
[ケース1]
加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。均熱ヒーターは使用しなかった。
条件A:“400”℃
条件B:“T 0 +140”℃
条件C:“0”℃
上記条件のもとでは、熱エネルギーコストの利益は0であり、過加熱代平均は49℃である。なお、抽出温度実績と抽出温度予測とはよく一致し、シミュレーターの精度は高かった。
【0035】
[ケース2]
加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。条件AおよびBに応じて均熱ヒーターを使用する。
条件A:“99”℃
条件B:“T 0 +0”℃
条件C:“−40”℃
上記条件のもとで、均熱ヒーターを使用したスラブは235本中の97本であった。熱エネルギーコストの利益は、68百万円/年であった。
表2は、条件Aと条件Bとの組合せによる利益をマトリックスで示している。
【0036】
【表2】
【0037】
表2中で小文字の欄は利益が比較的少ない場合、中文字の欄は利益が比較的大きい場合、大文字の欄は最大利益(68百万円/年)を示している。
【0038】
なお、上記マトリックスでは装入温度を50℃刻み、抽出温度目標を20℃刻みとしているが、更にメッシュを細分化するケース、または板厚により抽出温度目標の削減代を変化させるケースでは、均熱ヒーター使用可否の判断条件を探索するケースの組合せが増大する。このような場合、GAまたは山登り法を用いて最適な組合せを短時間で探索することができる。
【0039】
[ケース3]
加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。条件AおよびBに応じて均熱ヒーターを使用する。
条件A:“100”℃
条件B:“T 0 +0”℃
条件C:“−60”℃
上記条件のもとで、均熱ヒーターを使用したスラブは97本であった。熱エネルギーコストの利益は、80百万円/年であった。
表3は、条件Aと条件Bとの組合せによる利益をマトリックスで示している。
【0040】
【表3】
【0041】
なお、表3、後述の表5および表6の表中の欄内の文字の大きさは、表2と同じ利益の大きさを示している。
【0042】
[ケース4]
加熱炉において、24時間で235本のスラブ数を加熱した。条件AおよびBに応じて均熱ヒーターを使用する。また、板厚により抽出温度目標低減代を変えた。
条件A:“100”℃
条件B:“T 0 +0”℃
条件C:“−60×k”℃(ただし、kは抽出温度目標低減率、表4参照)
【0043】
【表4】
【0044】
上記条件のもとで、均熱ヒーターを使用したスラブは97本であった。熱エネルギーコストの利益は、80百万円/年であった。また、板厚さにより熱エネルギーコストは、変化しなかった。
【0045】
[ケース5]
235本のスラブを装入順に80本、80本、75本の3グループに分割し、均熱ヒーターの使用可否の基準をグループごとに設定した。すなわち、条件Aはすべてのグループに共通の100℃、条件Cも共通で−60℃とした。条件Bはグループ1が平均抽出温度T 0 −60℃、グループ2が平均抽出温度T 0 +0℃、グループ3が平均抽出温度T 0 −40℃とした。また、板厚が6mm以上は抽出温度目標低減率kを0.5とし、板厚が6mm未満は1.0とした。
表5は、条件Aと条件Bとの組合せによる利益をマトリックスで示している。
【0046】
【表5】
【0047】
上記条件のもとで、均熱ヒーターを使用したスラブは138本であった。表5の場合の熱エネルギーコストの利益は92百万円/年であり、ケース3または4の利益80百万円/年に比べて15%増加している。
【0048】
[ケース6]
235本のスラブを装入順に40本、40本、40本、40本、40本、35本の6グループに分割し、均熱ヒーターの使用可否の基準をグループごとに設定した。すなわち、条件Aはすべてのグループに共通の100℃、条件Cも共通で−60℃とした。条件Bはグループ1、2が平均抽出温度T 0 −60℃、グループ3が平均抽出温度T 0 +0℃、グループ4が平均抽出温度T 0 −60℃、グループ5が平均抽出温度T 0 −40℃、グループ6が平均抽出温度T 0 −60℃とした。また、板厚が6mm以上は抽出温度目標低減率kを0.5とし、板厚が6mm未満は1.0とした。
表6は、条件Aと条件Bとの組合せによる利益をマトリックスで示している。
【0049】
【表6】
【0050】
上記条件のもとで、均熱ヒーターを使用したスラブは170本であった。表6の場合の熱エネルギーコストの利益は99百万円/年であり、ケース3またはケース4の利益92百万円/年に比べて8%増加している。
【0051】
つぎに、低温装入スラブまたは高温抽出スラブの加熱炉への装入態様によって、熱エネルギーコストがどのように変化するかのシミュレーションを行った。以下、その結果について説明する。
【0052】
[ケース7]
加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。装入温度は一定とし、抽出温度目標は平均抽出温度T 0 より100℃高いスラブとし、スラブ27本ごとに装入した。均熱ヒーターは使用しなかった。
条件A:“400”℃
条件B:“T 0 +150”℃
条件C:“−60”℃
上記条件のもとでは、熱エネルギーコストの利益は0であり、過加熱代平均は34℃であった。
【0053】
[ケース8]
(1) 加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。装入温度は一定とし抽出温度目標は平均抽出温度T 0 より100℃高いスラブとし、スラブ27本ごとに1本の高温抽出スラブを装入した。9本のスラブに均熱ヒーターを使用した。
条件A:“400”℃
条件B:“T 0 +1”℃
条件C:“−60”℃
上記条件のもとで、過加熱代平均は11℃であり、過加熱減少代は23℃であった。熱エネルギーコストの利益は、86百万円/年であった。
(2)上記条件と同じ条件で、スラブ19本、10本、5本および1本ごとにそれぞれ装入する場合をシミュレーションした。シミュレーション結果によれば、スラブ19本、10本と高温抽出スラブの装入間隔が密になるに従い、利益が124、153百万円/年と順次増加した。10本以下となって5本、1本と高温抽出スラブの装入間隔が更に密になると、均熱ヒーターの使用電力が増加し、利益が150、14百万円/年と減少した。
(3)上記(1)と同じ条件で、ただしスラブ27本ごとに1本の高温抽スラブを装入する場合、および連続する5本、8本および10本の高温抽出スラブを装入する場合をシミュレーションした。この結果によれば、過加熱縮減による抽出温度低下を補うために均熱ヒーターの使用電力が増加するので、連続本数が1本から10本へと増加するに従い、利益は86、33、1、−18百万円/年と漸減する。これらの結果を図13に示す。
【0054】
[ケース9]
(1)加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。装入温度は一定とし、抽出温度目標は平均抽出温度T 0 一定とする。そして、スラブ30本、10本、5本および2本ごとにそれぞれ該装入温度より400℃低い低温スラブを装入する。
条件A:“400”℃
条件B:“T 0 +1”℃
条件C:“−60”℃
上記条件でシミュレーションを行なった。その結果、熱エネルギーコストの利益は、30本ごとの場合は41百万円/年、10本ごとの場合は95百万円/年、5本ごとの場合は79百万円/年、2本ごとの場合は30百万円/年であった。低温スラブの装入間隔が10本以上である場合は装入間隔が狭まるに従い過加熱減縮効果により利益が増加し、10本以下となると装入間隔が狭まるに従い利益は減少する。
(2)上記(1)と同じ条件で、ただしスラブ30本ごとに1本の低温スラブを装入する場合、および連続する5本、8本および10本の低温スラブを装入する場合をシミュレーションした。シミュレーション結果によれば、過加熱縮減による抽出温度低下を補うために均熱ヒーターの使用電力が増加するので、図14に示すように連続本数が1本から10本へと増加するに従い、利益は41、21、0、−21百万円/年と漸減する。
【0055】
[ケース10]
加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。装入温度は一定とし、抽出温度目標は平均抽出温度T 0 一定とする。そして、隣り合うスラブ間の抽出温度目標の温度差(温度勾配)を、スラブ27本ごとに100、50、20、10℃/本と変化させた。
条件A:“400”℃
条件B:“T 0 +1”℃
条件C:“−60”℃
上記条件でシミュレーションを行なった。シミュレーション結果によると、熱エネルギーコストの利益は、図15に示すように100〜10℃/本と前記温度勾配が小さくなるに従い、熱エネルギーコストの利益は86、74、43、−35百万円/年と漸減した。このことは、温度勾配が15℃/本以下となると、過加熱が発生しないことによる。
【0056】
[ケース11]
加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。装入温度は一定とし、抽出温度目標は平均抽出温度T 0 一定とする。
条件A:“400”℃
条件B:“T 0 +1”℃
条件C:“−60”℃
更に、(イ)20本ごとに装入温度を400℃低下させ、抽出温度目標は平均抽出温度一定とする、(ロ)装入温度を一定とし、20本ごとに連続するスラブ5本の抽出温度目標をT 0 +100℃とする、(ハ)上記(イ)と(ロ)との組合せとする。
上記条件でシミュレーションを行なった。その結果によると、熱エネルギーコストの利益は、(イ)の場合:95百万円/年、(ロ)の場合:53百万円/年(ハ)の場合:82百万円/年となった。このことから、装入温度および抽出温度目標がともに変化する場合のコスト利益は、装入温度および抽出温度目標がそれぞれ変化する場合のコスト利益の和にならないことが明らかになった。
【0057】
[ケース12]
(1)加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。装入温度は一定とし、抽出温度目標は平均抽出温度T 0 一定とする。そして、スラブ30本ごとに該装入温度より400℃低い低温スラブを装入するとともに、スラブ27本、19本、10本、5本、1本ごとに抽出温度目標をT 0 +100℃と変化させた。
条件A:“400”℃
条件B:“T 0 +1”℃
条件C:“−60”℃
上記条件でシミュレーションを行なった。その結果、スラブ27本、19本、10本、5本、1本ごとの抽出温度目標変化に対し、熱エネルギーコストの利益は、それぞれ86、113、152、146、43百万円/年となった。
(2)上記(1)と同じ条件で、ただしスラブ30本ごとに装入温度より400℃低いスラブを装入するとともに、スラブ27本ごとに1本の高温抽出スラブを装入する場合、および連続する5本、8本および10本の高温スラブを装入する場合をシミュレーションした。この結果によれば、図16に示すように連続本数が1本から10本へと増加するに従い、利益は86、37、4、−8百万円/年と順次減少した。
【0058】
[ケース13]
(1)加熱炉において、24時間で235本のスラブを加熱した。装入温度は一定とし、抽出温度目標は平均抽出温度T 0 一定とする。そして、装入スラブ27本ごとに抽出温度目標がT 0 +100℃のスラブを装入するとともに、装入スラブ30、10、5、2、1本ごとに該装入温度より400℃低い低温スラブを装入した。
条件A:“400”℃
条件B:“T 0 +1”℃
条件C:“−60”℃
上記条件でシミュレーションを行なった。その結果、スラブ30、10、5、2、1本ごとの低温スラブ装入に対し、熱エネルギーコストの利益は、それぞれ86、100、85、73、26百万円/年と漸減した。
(2)上記(1)と同じ条件で、ただし装入スラブ27本ごとに基準+100℃の高温抽出目標のスラブ1本を装入するとともに、スラブ30本ごとに400℃の低温スラブ1本および連続する5本、8本および10本の低温スラブを装入する場合をシミュレーションした。この結果によれば、図17に示すように連続本数が1本から10本へと増加するに従い利益は86、68、55、45百万円/年と漸減した。
【0059】
上記ケース1〜13のシミュレーションにより、次の結果が得られた。
(イ) 所定の抽出温度目標を達成する範囲で、抽出温度低減代を大きくすると、熱エネルギーコスト削減効果は大きくなる。
(ロ) スラブを装入順にグループ化してグループごとに均熱ヒーターの使用可否を判断すると、熱エネルギーコスト削減効果が大きくなる。1グループのスラブ数は80本以下、好ましくは40本以下が望ましい。
(ハ) 抽出温度目標が一定であり、低温装入スラブを前記抽出温度目標以下で抽出し、昇温不足を均熱ヒーターで補う場合、低温装入スラブ2本ごと以上、かつ連続する低温装入スラブが8本未満の範囲で熱エネルギーコスト削減効果を生じる。
(ニ) 装入温度が一定であり、高温抽出スラブを所定の抽出温度目標以下で抽出し、昇温不足を均熱ヒーターで補う場合、連続する低温抽出スラブが8本以下の範囲で熱エネルギーコスト削減効果を生じる。
(ホ) 装入温度が一定であり、高温抽出スラブを所定の抽出温度目標以下で抽出し、昇温不足を均熱ヒーターで補う場合、隣接スラブとの温度勾配が15℃/1本以上の範囲で熱エネルギーコスト削減効果を生じる。
(ヘ) 30本ごとに所定の装入温度以下の温度で装入される低温装入スラブがあり、高温抽出スラブを所定の抽出温度目標より低い温度で抽出し、昇温不足を均熱ヒーターで補う場合、連続する高温抽出スラブが8本未満の範囲で熱エネルギーコスト削減効果を生じる。
【0060】
加熱炉および均熱ヒーターを備えた熱延鋼板製造設備では、加熱炉等の容量、構成が多少異なっても上述と同様のシミュレーション結果が得られる。したがって、上記シミュレーションを実施した設備以外の設備でも、この発明の方法は適用可能である。
【0061】
【発明の効果】
この発明では、最大焼上げ負荷スラブの周辺のスラブに発生する過加熱代を算出し、この過加熱代に基づいて抽出スラブごとに加熱炉抽出温度を予測する。これにより、スラブの抽出温度を精度良く予測することができるので、熱エネルギーコストの正確な算出が可能であり、ひいては熱エネルギーコストを大きく低減することができる。
【0062】
この発明において、熱エネルギーコストが最小となるように、最大焼き上げ負荷をより低い焼上げ負荷に設定し、焼込み不足となるスラブは均熱ヒーターで所定温度に昇温することにより、過加熱代が削減され、熱エネルギーコスト損失を更に大きく低減することができる。また、スラブ抽出温度が下がるので、炉体の昇温蓄熱量の低減および在炉時間の短縮が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施に用いられる熱延鋼板製造設備の一例を示す設備構成図である。
【図2】 スラブの加熱炉への低温装入による過加熱発生を説明する線図である。
【図3】 抽出温度目標、抽出温度予測、抽出温度目標修正および抽出温度予測修正を説明する線図である。
【図4】 抽出温度目標およびスラブ装入温度が変化する場合の焼上げ負荷、実際の抽出温度および抽出温度目標をスラブ抽出順に示す線図である。
【図5】 抽出温度目標が一定であり、スラブ装入温度が変化する場合の焼上げ負荷、実際の抽出温度および抽出温度目標をスラブ抽出順に示す線図である。
【図6】 周辺スラブ影響係数K1の例を示す棒グラフである。
【図7】 スラブの装入温度および抽出温度を実績とシミュレーション結果とを比較して示す線図である。
【図8】 在炉時間およびスラブ温度の関係をスラブ温度実績とシミュレーション結果とを比較して示す線図である。
【図9】 装入温度と抽出温度との関係を示すグラフである。
【図10】 加熱抽出温度実績、加熱装入温度、抽出温度予測および抽出温度目標(実績)をスラブ抽出順に示すグラフである。
【図11】 均熱ヒーターを使用しない場合の抽出温度目標および抽出温度予測を示す線図である。
【図12】 均熱ヒーターを使用した場合の抽出温度目標および抽出温度予測を示す線図である。
【図13】 装入温度を一定とした場合において、高温スラブの抽出間隔および連続抽出本数をパラメーターとして、熱エネルギーコスト低減による利益を示す線図である。
【図14】 抽出温度目標を一定とした場合において、低温スラブの抽出間隔および連続抽出本数をパラメーターとして、熱エネルギーコスト低減による利益を示す線図である。
【図15】 装入温度を一定とした場合において、高温スラブの抽出間隔および隣接するスラブとの温度勾配をパラメーターとして、熱エネルギーコスト低減による利益を示す線図である。
【図16】 スラブ30本ごとに低温スラブの装入がある場合において、高温スラブの抽出間隔および連続抽出本数をパラメーターとして、熱エネルギーコスト低減による利益を示す線図である。
【図17】 スラブ27本ごとに高温抽出スラブがある場合において、高温スラブの抽出間隔および連続抽出本数をパラメーターとして、熱エネルギーコスト低減による利益を示す線図である。
【符号の説明】
10 加熱炉 11 粗圧延機列
12 均熱ヒーター 13 クロップシャー
14 エッジヒーター 15 仕上圧延機列
S スラブ R 粗バー
Claims (3)
- 加熱炉で加熱したスラブを粗圧延して粗バーとし、ついで粗バーを均熱ヒーターで加熱して仕上圧延する熱延鋼板の製造方法において、最大焼上げ負荷スラブの加熱により、最大焼上げ負荷スラブの周辺のスラブに発生する過加熱代を算出し、過加熱代に基づいて抽出スラブごとに加熱炉抽出温度を予測し、前記加熱炉抽出温度の予測値に基づいて熱エネルギーコストが最小となるように、前記最大焼上げ負荷をより低い焼上げ負荷に設定し、焼込み不足となるスラブは均熱ヒーターで所定温度に昇温することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
- 抽出順が連続する40本以下のスラブのグループで、装入温度×加熱炉抽出温度のマトリックス別に熱エネルギーコストが最小となる加熱条件を求め、前記加熱条件に基づいて均熱ヒーターの使用可否を判断する請求項1記載の熱延鋼板の製造方法。
- GA(遺伝的アルゴリズム)または山登り法により熱エネルギーコストが最小となる条件を探索する請求項1記載の熱延鋼板の製造方法。
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