JP4561809B2 - 鋼材の熱処理方法及び製造方法並びに製造設備 - Google Patents

鋼材の熱処理方法及び製造方法並びに製造設備 Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延後の鋼材の熱処理方法、及び、熱間圧延後の鋼材に熱処理を施す鋼材の製造方法、並びに、熱間圧延後の鋼材に熱処理を施すための熱処理装置を備えた鋼材の製造装置に関し、特に圧延ライン上に誘導加熱装置を配置したインライン熱処理技術に関する。
板厚が8mm以上の厚鋼板は、高強度化、高靭性化を図るために、熱間圧延後の鋼板を焼入れや加速冷却によって急冷し、次いで焼戻し処理する方法により製造される場合が多い。
近年、焼入れや加速冷却はオンラインで行われるようになって来たが、焼戻し処理は、相変わらずオフラインでガス燃焼炉を用いて行われているため長時間を要し、厚鋼板の生産性を著しく阻害している。
生産性の向上のために、温度パターンを工夫して能率を上げる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。前記特許文献1に記載の技術では、炉内で鋼材を連続的に搬送して熱処理する場合において、鋼材の進行方向に向かって炉の設定温度を変化させ、炉の入り側を高温に、出側を低温に設定する。さらに、この技術では、炉の入り側を目的とする熱処理温度より200℃以上高く設定し、炉の出側に向かって段階的に設定炉温を低下させ、炉の出口前での炉の設定温度を目的とする熱処理温度±20℃以内とするというものである。しかし、ガス燃焼による加熱方式では、熱の伝達は輻射や対流によるため、急速な加熱を行うことは不可能である。
一方、高能率の熱処理方法として、加熱装置を圧延ライン上に設置して鋼材を熱処理するインライン熱処理方法が提案されている(例えば、特許文献2又は3参照。)。前記特許文献2には、圧延機-加速冷却装置-加熱装置をライン上に設置して、オンラインで急速加熱焼戻し熱処理を行い高強度高靭性鋼を製造する技術が、前記特許文献3には、圧延機-矯正機-加速冷却装置-保温装置の順で設備を配置し、圧延や加速冷却により生じた残留応力を保温装置で加熱して残留応力を除去する技術が開示されている。しかしながら、前記特許文献2や前記特許文献には具体的な熱処理装置の記載はない。
これに対して、具体的な熱処理装置を示したものとして、ソレノイド型誘導加熱装置を複数台直列に配置し、厚板を熱処理する技術が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平9−256053号公報 特開平4−358022号公報 特開平6−254615号公報 特開昭48−25239号公報
前記特許文献4に記載されたように鋼材を誘導加熱装置で加熱すると、誘導電流が鋼材の表面近傍に集中して流れるため、主に表面が加熱されて鋼材内部は表面からの熱伝達で加熱される。そのため、誘導加熱装置で鋼材を焼戻し、あるいは残留応力除去等の熱処理を行う場合、表面が過加熱されて一定値(少なくともキューリー点、好ましくはAc1変態点)を越えないようにする必要がある。1台の誘導加熱装置では、鋼材の表面温度を一定値以下にして板厚中心まで目標温度に加熱することは困難であるため、2つ以上の誘導加熱装置を直列的に配置する。この誘導加熱装置に鋼材を1回通過させて加熱する場合、表面温度の上限を守りながら板厚中心まで目標温度に加熱するためには、搬送速度を下げてゆっくり加熱する必要がある。特に板厚の厚い鋼材の場合は、鋼材内部までの熱伝達に時間が掛かるため搬送速度は大きく制約される。
この誘導加熱装置を用いてインライン熱処理を行う場合、上記の搬送速度制約により熱処理能率が圧延能率に劣り、結果的に生産性が阻害される場合が生じる。搬送速度を上げるためには誘導加熱装置の台数を増やす必要があるが、設備が大掛かりになるとともに消費電力も大きくなり、実機への適用は困難となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、誘導加熱装置を用いた鋼材のインライン熱処理について、圧延能率を阻害することなく鋼材を効率的に熱処理する熱処理方法及び鋼材の製造方法並びに製造装置を提供することを目的とするものである。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]熱間圧延完了後、焼入れ又は加速冷却された鋼材をライン上に設置された複数台の誘導加熱装置で熱処理するインライン熱処理において、鋼材を往復させることにより、誘導加熱装置を3パス以上通過させて加熱することとし、各パスの搬送速度と電力設定を最適化計算にて設定し、鋼材の表面温度と中心温度を所定の温度範囲とすることを特徴とする鋼材の熱処理方法。
[2]前記[1]に記載の鋼材の熱処理方法を熱処理工程に含むことを特徴とする鋼材の製造方法。
[3] 熱間圧延設備、加速冷却設備、これらの設備と同一ライン上に設置された複数台の誘導加熱装置からなる熱処理設備及び前記熱処理設備の熱処理パターンを演算する演算装置を備えた鋼材の製造設備であって、
前記演算装置は、鋼材を往復させることにより、誘導加熱装置を3パス以上で通過させる熱処理パターンを決定する手段を備え
前記手段で決定された熱処理パターンは、各パスの搬送速度と電力設定は最適化計算に基づいて設定されて、鋼材の表面温度と中心温度を所定の温度範囲とする熱処理パターンであることを特徴とする鋼材の製造設備。
本発明を用いることにより、誘導加熱装置を用いた鋼材のインライン熱処理において、圧延能率を阻害することなく鋼材を効率的に熱処理することができる。
図1は、本発明に係る熱処理方法が適用される鋼材の製造設備の一例である。熱間圧延機1により圧延された鋼材2に対して、水冷装置3による焼入れ処理を行う。その後、矯正機4で歪を矯正して誘導加熱装置5により熱処理を行う。誘導加熱装置5としては、トランスバース型とソレノイド型があるが、本発明では鋼材の表層近傍の発熱量を制御する目的から、ソレノイド型誘導加熱装置を用いることが望ましい。また、矯正機4は必ずしも水冷装置3の後面に設置される必要はなく、水冷装置の前や誘導加熱装置の後面等に設置してもよいが、均一に加熱するため、及び、鋼材の反りのよる誘導加熱装置への衝突を防止するためには誘導加熱装置に挿入する前に歪矯正を行うことが望ましい。
図2は、図1において鋼材の熱処理を行うための熱処理設備の概略構成を示す側面図である。複数の誘導加熱装置5、誘導加熱装置5の入口に備えられ鋼材2の温度を検出する温度検出器6、被加熱鋼材2を搬送するための搬送ローラ7、搬送ローラ7の回転から鋼材の搬送速度を検出する速度検出器8、各誘導加熱装置5の供給電力を計算する制御装置9、制御装置9からの出力に基づいて各誘導加熱装置5に供給する電力を制御する電力制御装置10及び加熱後の鋼材2の温度を検出する誘導加熱装置出側温度検出器11とで構成されている。
以下に、上記の熱処理設備を用いた実施形態を説明する。
第1の実施形態は、鋼材を往復させることにより、誘導加熱装置を3パス以上通過させて加熱する、いわゆるリバース加熱を行うことを特徴とするものである。パス数を増やすことにより、見かけ上の誘導加熱装置の台数が増えて1台毎の昇温量を少なくできるため、1パスの場合に比べて搬送速度を上げることができる。また、各パス全てで加熱せずに、例えば3パスの場合に2パス目は単に誘導加熱装置を通過させるだけで、1パス目と3パス目で加熱してもよい。この場合、2パス目の搬送速度を上げて熱処理時間を短縮することが可能である。
第2の実施形態は、熱処理時間が最短となるパス数を選択して誘導加熱することを特徴とするものである。
第3の実施形態は、鋼材の寸法と必要昇温量から、いくつかのパス数における搬送速度と電力設定、及び熱処理時間を求め、その結果熱処理時間が最短となるパス数を選択して加熱することを特徴とするものである。
パス数と各パスの搬送速度と各誘導加熱装置の電力設定を決定する手順には、以下に示すように、(1)材料毎に搬送速度とパス数と電力設定を決定する場合と、(2)パス数と搬送速度と電力設定を鋼材の寸法で予め決めておく場合の二通りが考えられる。
(1)材料毎に搬送速度とパス数と電力設定を決定する場合
(1.1)鋼材の寸法と必要昇温量を取得する。
操業を行う計算機から、次に熱処理を行う鋼材の厚み、幅、鋼種と目標温度、上限温度等の加熱条件を取得する。
(1.2)1パスの場合の搬送速度と電力設定を求める。
1パスで加熱すると仮定し、変数を搬送速度と各誘導加熱装置での電力とし、制約条件を上限温度と目標温度とし、目的関数が処理時間と消費電力量からなる最適化問題を解く。この場合、線形計画法、非線形計画法等の最適化手法を用いて解くこともできるし、又は、各変数を適当に変えて、最も処理時間が短くなり、消費電力が小さくなる搬送速度と電力の組み合わせを求めることにより解くこともできる。
(1.3)3パスの場合の搬送速度と電力設定を求める。
3パスで加熱すると仮定し、変数を各パスの搬送速度と各誘導加熱装置での電力とし、制約条件を上限温度と目標温度とし、目的関数が処理時間と消費電力量からなる最適化問題を解く。この場合、線形計画法、非線形計画法等の最適化手法を用いて解くこともできるし、又は、各変数を適当に変えて、最も処理時間が短くなり、消費電力が小さくなる搬送速度と電力の組み合わせを求めることにより解くこともできる。
(1.4)複数パスの場合の搬送速度と電力設定を求める。
上記(1.3)と同様に5パス、7パスとパス数を増やして、各パス時の搬送速度と電力の組み合わせを求める。鋼材の寸法と昇温量により、予め最大のパス数を決めておき、そのパス数に達するまで(1.4)の処理を行う。
(1.5)パス数を決定する。
処理時間が最も短くなるパス数を選択し、その時の搬送速度と電力を用いて鋼材の熱処理を行う。
(2)パス数と搬送速度と電力設定を鋼材の寸法で予め決めておく場合
事前に、表1に示すような、鋼材のサイズに対応したパス数と搬送速度のテーブルを鋼種及び熱処理パターン毎に作成しておく。
加熱条件としては、例えば、下記の2つの加熱条件、ここでは、加熱前の初期温度、目標である最終温度と、これらの差である昇温量の各条件についてテーブルを作成しておく。表1は、a)の加熱条件に基づき作成した例である。
a)加熱前温度400℃、目標温度(熱処理温度)600℃、昇温量200℃
b)加熱前温度100℃、目標温度(熱処理温度)600℃、昇温量500℃
ここで、表1は以下(2.1)〜(2.5)の手順で作成する。
(2.1)加熱対象となる鋼材の寸法と必要昇温量を決定する。
(2.2)1パスの場合の搬送速度と電力設定を求める。
1パスで加熱を行うと仮定し、変数を搬送速度と各誘導加熱装置での電力、制約条件を上限温度と目標温度、目的関数を処理時間と消費電力量からなる最適化問題を解く。この場合、線形計画法、非線形計画法等の最適化方法を用いて解くこともできるし、又は、各変数を適当に変えて、最も消費電力が小さくなる電力の組み合わせを求めることにより解くこともできる。
(2.3)3パスの場合の搬送速度と電力設定を求める。
3パスで加熱すると仮定し、変数を各誘導加熱装置での電力、制約条件を上限温度と目標温度、目的関数を消費電力量からなる最適化問題を解く。この場合、線形計画法、非線形計画法等の最適化方法を用いて解くこともできるし、又は、各変数を適当に変えて、最も消費電力が小さくなる電力の組み合わせを求めることにより解くこともできる。
(2.4)複数パスの場合の搬送速度と電力設定を求める。
上記(2.3)と同様に5パス、7パスとパス数を増やして、各パス時の搬送速度と電力の組み合わせを求める。鋼材の寸法と昇温量により、予め最大のパス数を決めておき、そのパス数に達するまで(2.4)の処理を行う。
(2.5)パス数を決定する。
処理時間が最も短くなるパス数と搬送速度を決定する。なお、表1には記載していないが、その際の電力設定も定まる。
そして、実際に熱処理を行う場合には、被加熱鋼材の鋼種と加熱条件と寸法により、表1に与えられたパス数と搬送速度を選択して熱処理を行う。
その際、加熱前温度を実測し、想定している加熱前温度と異なっている場合には、それに基づいて電力設定を補正する。
第4の実施形態は、リバース加熱を行う場合に、各パス毎に搬送速度を変更するものである。前記第3の実施形態で示したとおり、温度の制約条件を満たし、処理時間と消費電力を最小にする場合には、各パス毎に搬送速度を変更することが有効である。
第5の実施形態は、リバース加熱を行う場合、最終パスとその1パス前の搬送速度を速くして熱処理時間を短くすることを特徴とするものである。
例えば3パスで加熱を行う場合、搬送速度は、1パス目<2パス目、1パス目<3パス目とする。1パス目の加熱により鋼材は昇温されているため、2パス目、3パス目の搬送速度を上げることが可能となり、全てのパスで同じ搬送速度で加熱するよりも熱処理時間を短縮でき、また消費電力も低くすることができる。
以下に、本発明の第6の実施形態について述べる。
まず、この実施形態における基本的考え方について説明する。
熱間圧延完了後、焼入れ又は加速冷却された鋼材を、ライン上に設置された誘導加熱装置に通過させて加熱する方法には、鋼材の通過回数を1パスにするために誘導加熱装置の台数を多くして処理をさせる方法と、誘導加熱装置を多くしないで、通過パス数を増やして鋼材を往復させて熱処理を行う方法が想定される。
そこで、厚さ25mm、長さ25m、幅3.5mの鋼材を、加熱開始温度450℃で、表面の上限温度710℃の制約のもとで、加熱目標温度650℃として、前記2つの加熱方法で加熱した場合の加熱処理時間を比較した。具体的には、以下の3つのケースで比較した。
(A)誘導加熱装置6台、1パス
(B)誘導加熱装置3台、1パス
(C)誘導加熱装置3台、3パス
上記3つのケースについて、それぞれ、上記温度条件を満たす最適な搬送速度、電力を算出した結果は下記の如くである。
(A)搬送速度:55m/min、電力原単位:56.6(kWh/ton)
(B)搬送速度:15m/min、電力原単位:50.8(kWh/ton)
(C)搬送速度:1パス目:50m/min、2パス目:120m/min、3パス目:120m/min、電力原単位:55.6(kWh/ton)
そして、上記条件で加熱した時の、鋼材の表面の温度、板厚中心部の温度及び平均温度の時間経過を図3に示す。図3(a)がケースA、図3(b)がケースB、図3(c)がケースCのものである。ここで、温度は鋼材の先頭部(ライン出側方向の先端部のこと)の温度である。また、図中で、温度が短時間(5秒程度)に、上昇/下降をしてピーク形状をしている期間が、鋼材の先頭部が、誘導加熱装置を通過しているタイミングであり、図3(a)の誘導加熱装置6台1パスの場合には、ピークが6個あり、図3(b)では、誘導加熱装置3台1パスのためピークが3個、図3(c)では、誘導加熱装置3台で3パスのため、3つのピークが3回現れる。1回目のパスを示す3つのピークと2回目のパスを示す3つのピークとの時間が大きく開いているのは、前述したように鋼材の先端部の温度測定をしているためであり、1回目のパスで鋼材の尾端が抜けるまでと2回目のパスで鋼材の先端が入るまでの時間が長くなるためである。なお、表面温度のピーク値は少なくともキューリー点、好ましくはAc1変態点を越えないように制御されている。これにより、鋼材は所望の特性、例えば硬度や靭性の値を得ることができる。
そして、図3(a)〜(c)を比較すると、(b)では加熱処理時間が120秒であり、(a)での加熱処理時間90秒に比べて長いのは、誘導加熱装置の台数が少ないため、同一の温度条件で加熱するためには搬送速度を遅くする必要があるからである。
また、図3(c)は誘導加熱装置3台であるが、3パスにすることで、加熱処理時間が80秒となり、図3(a)の誘導加熱装置6台1パスの場合に比べて熱処理時間が短くなっている。これは、1パスの場合は、搬送速度一定での条件となるが、3パスの場合は、加熱状況に合わせて、搬送速度を変更して、より短時間の搬送が可能となり、誘導加熱装置の台数が少なくとも、短時間で熱処理が完了することができるからである。また、電力原単位も誘導加熱装置6台の場合よりも少なくなっている。
このことから、誘導加熱装置を多く設置して、1パスで処理する場合に比べて、誘導加熱装置を適切な台数設置して、複数回の往復搬送を行う場合の方が、短時間でかつ電力量が少なくて済む効果があることがわかる。しかも、設備費用が非常に高い誘導加熱装置の台数を少なくすることができ、設備コストも低減できる。上記の例では、誘導加熱装置6台に対して半分の3台で済み、設備コストを1/2〜2/3に低減できることになる。さらには、設置スペースも少なくて済む効果もある。
なお、上記の例では比較していないが、誘導加熱装置を2台にして複数パスで加熱した場合は、加熱処理時間が多少増加するが、設備コストや設置スペースはかなり少なくて済む。
また、上記の例では比較していないが、誘導加熱装置を4台又は5台にして複数パスで加熱した場合は、設備コストや設置スペースが若干増えるが、加熱処理時間は大幅に短縮される。
なお、複数回往復させる加熱方法は、あらゆる材料に適用させることは必ずしも必要なく、複数パス、例えば、3パス、5パス等させる方が時間短縮される場合や電力原単位が少なくなる場合に適用すればよい。例えば、3パス、5パスが有効であるのは、鋼材の寸法が大きく(厚く、長い)、昇温量が大きく、多くの加熱電力が必要とされる鋼材の場合に多い。したがって、鋼材が薄い、昇温量が小さい鋼材は1パスの方が有利な場合もある。例として、図4に、誘導加熱装置を3台の時の、厚み、長さ、昇温量の各条件において、加熱処理時間の観点から有利なパス数を表示したものを示し、図5に、誘導加熱装置を3台の時の、電力原単位電力の観点から有利なパス数を表示したものを示す。多くの場合、複数パスが有利であるが、一部は1パスが有利となっており、その場合には、往復搬送を行わないことになる。
次に、この実施形態において用いる鋼材製造設備を説明する。
図6が、その鋼材製造設備を示すものであり、同一ライン上に、加熱炉21、圧延機22、加速冷却装置23、矯正装置24、複数台(ここでは3台)の誘導加熱装置26からなる誘導加熱設備25を備えている。また、鋼材20を搬送する搬送ローラ27の速度を設定するための搬送速度設定装置28と、各誘導加熱装置26に電力を供給するための電力供給装置29を有している。そして、加熱炉21の出側には温度計30aが、圧延機22の出側には温度計30bが、冷却装置23の出側には温度計30cが、矯正装置24の入出側には温度計30dと温度計30eが、各誘導加熱装置26の誘導加熱設備25入出側には温度計30f〜30kがそれぞれ設置されている。さらに、加熱炉21を制御する加熱炉制御コンピュータ31、圧延機22を制御する圧延制御コンピュータ32、加速冷却装置23を制御する冷却制御コンピュータ33、誘導加熱設備25を制御するための演算装置34を備えている。また、全体の生産管理を行う生産管理コンピュータ40が設けられている。
上記のように構成された鋼材製造設備においては、鋼材20は、加熱炉21で加熱された後、圧延機22で圧延されたのち、加速冷却装置23で加速冷却される。その後、形状不良の修正等の目的で、矯正装置24で矯正された後、誘導加熱装置26によって熱処理を施される。
その際、加熱炉制御コンピュータ31、圧延制御コンピュータ32、冷却制御コンピュータ33は、鋼材20がどこにあるかをトラッキングしており、演算装置34にその情報が入力される。演算装置34は、所定の演算を行って、誘導加熱設備25におけるパス数と搬送速度と加熱電力を決定し、その結果を搬送速度設定装置28と電力供給装置29に出力することによって、誘導加熱設備25を制御する。
ここで、加熱炉制御コンピュータ31、圧延制御コンピュータ32、冷却制御コンピュータ33、演算装置34のそれぞれにおける処理の内容を、図7〜図10を用いて説明する。
図7は、加熱炉21を制御するための加熱炉制御コンピュータ31の内部構成を示す図である。加熱炉制御コンピュータ31は、入力装置31a、入出力制御部31b、中央処理装置31c、記憶装置31d、出力装置31eを備えている。なお、記憶装置31dは、固定磁気ディスク、フロッピィディスク、メモリのどれでもよい。それは、以下に述べる他のコンピュータの記憶装置についても同様である。
図8は、圧延機22を制御するための圧延制御コンピュータ32の内部構成を示す図である。圧延制御コンピュータ32は、入力装置32a、入出力制御部32b、中央処理装置32c、記憶装置32d、出力装置32eを備えている。
図9は、冷却装置23を制御するための冷却制御コンピュータ33の内部構成を示す図である。冷却制御コンピュータ33は、入力装置33a、入出力制御部33b、中央処理装置33c、記憶装置33d、出力装置33eを備えている。
図10は、誘導加熱設備25を制御するための演算装置34の内部構成を示す図である。演算装置34は、入力装置34a、入出力制御部34b、中央処理装置34c、第1記憶装置34d、第2記憶装置34e、第3記憶装置34f、出力装置34gを備えている。
まず、加熱炉制御コンピュータ31、圧延制御コンピュータ32、冷却制御コンピュータ33は、生産管理コンピュータ40から、現在処理中、又は、これから処理する鋼材20の諸元情報(鋼材情報)を伝送され、それぞれの記憶装置に格納し、その鋼材情報に含まれるサイズ(幅、厚み、長さ)、加熱目標温度、鋼種等を元に、予め設定されているか、又は、算出することによって、加熱炉21、圧延機22、冷却装置23の操業条件を設定するとともに、以下のような処理を行う。
すなわち、加熱炉制御コンピュータ31は、例えば図7に示すように、加熱炉出側温度計30aの信号出力を入力装置31aで取り込み、入出力制御部31bを介して、中央処理装置31cで温度を一定時間周期(例えば、100msec)で監視する。一例として、温度の単位時間あたりの温度変化で、加熱炉21出側から鋼材20が搬出されたかを判断する。この時の加熱炉21から搬出された時刻を加熱完了時刻として記憶装置31dに書き込むとともに、出力装置31eを介して演算装置34に伝送する。時刻は、加熱炉制御コンピュータ31の内部に実装されている現在時刻をカウントするタイマー機能を使ってもよいし、生産管理コンピュータ40から入力される時刻、又は、外部から入力される時刻を参照してもよい。
また、圧延制御コンピュータ32は、例えば図8に示すように、圧延機出側温度計30bの信号出力を入力装置32aで取り込み、入出力制御部32bを介して、中央処理装置32cで温度を一定時間周期(例えば、100msec)で監視する。温度の単位時間あたりの温度変化で、圧延機22出側から鋼材20が搬出されたかを判断する。圧延制御コンピュータ32も、この時の鋼材20が圧延機22から出た時刻を圧延完了時刻として記憶装置32dに書き込むとともに、出力装置32eを介して演算装置34に伝送する。時刻の設定は、加熱炉制御コンピュータと同様に内部のタイマー機能か生産管理コンピュータ40又は外部から入力参照により行う。
また、冷却制御コンピュータ33は、例えば図9に示すように、冷却装置出側温度計30cの信号出力を入力装置33aで取り込み、入出力制御部33bを介して、中央処理装置33cで温度を一定時間周期(例えば、100msec)で監視する。温度の単位時間あたりの温度変化で、冷却装置23出側から鋼材20が搬出されたかを判断する。この時の鋼材20が冷却装置23から出た時刻を冷却完了時刻として記憶装置33dに書き込む。また、生産管理コンピュータ40から伝送された鋼材情報、加熱炉制御コンピュータ31伝送された加熱完了時刻、圧延制御コンピュータ32から伝送された圧延完了時刻を入力し、記憶装置33dに書き込む。そして、出力装置33eを介して、鋼材情報、冷却完了時刻を演算装置34に伝送する。時刻の設定は、加熱炉制御コンピュータと同様に内部のタイマー機能か生産管理コンピュータ40又は外部から入力参照により行う。
そして、演算装置34は、生産管理コンピュータ40からの鋼材情報、加熱炉制御コンピュータ31からの加熱完了時刻、圧延制御コンピュータ32からの圧延完了時刻、冷却制御コンピュータ33からの冷却完了時刻を入力装置34a及び入出力制御部34bを介して中央処理装置34cに送り、第1記憶装置34dに書き込む。また、第2記憶装置34eには、鋼材20のサイズと昇温量の組み合わせ条件から誘導加熱設備25で許容される加熱可能パス数が設定されたテーブルと、この加熱可能パス数に対応して、鋼材20のサイズと昇温量の組み合わせから決定される誘導加熱設備25内での鋼材20の搬送速度が設定された対応した複数のテーブルと、パス数と搬送速度が決定されている時の、鋼材20のサイズと昇温量から決定される消費電力が設定された複数のテーブルが予め書き込まれている。これらのテーブルは、パス数、搬送速度、加熱電力を決定する際に参照される。また、第3記憶装置34fには、演算装置34で算出された、鋼材の条件によって許容されるパス数・搬送速度・電力の組み合わせである熱処理パターンと、次の鋼材の冷却が完了する予定時刻である次材冷却完了予定時刻を書き込む。そして、演算装置は、以下に述べる演算処理によって、当該鋼材20についての誘導加熱設備25におけるパス数と搬送速度と加熱電力を決定し、入出力制御部34bを介して出力装置34gから、パス数と搬送速度を搬送速度設定装置28に出力し、加熱電力値を電力供給装置29に出力する。ここで、熱処理パターンとは、鋼材を所望の特性になるように誘導加熱設備25で加熱するための誘導加熱設備25への設定パラメータ組み合わせの条件を意味し、この実施形態では、パス数・搬送速度・電力の組み合わせとしたが、これに加えて、鋼材の長手位置に合わせて電力設定値や搬送速度を変更する設定値や、パス毎に使用する誘導加熱設備の台数を変更する条件等の鋼材の加熱温度変化に影響を与えるパラメータを加えて熱処理パターンとするようにしてもよい。
以下に、演算装置34における上述の熱処理パターン(パス数・搬送速度・電力の組合わせ)を決定するための演算処理の手順を、図11〜14を用いて説明する。なお、以下の演算では、パス数を種々の熱処理パターンを求めるための基準のパラメータとし、まず幾つかのパス数についての熱処理パターンを求めた上で、適宜な条件(時間や電力等)で最適な熱処理パターンを選択するようにしている。
図11は、演算処理の全体フローを示す図である。図11では、前の鋼材の演算が完了した時点で、対象材(現在加熱処理中の鋼材の次に加熱処理する鋼材を意味する)についての演算が開始され、以下のStep1〜4の手順で演算を行う。
(1)まず、Step1では、サイズと昇温量に基づき、加熱可能なパス数(例えば、1パスと3パスと5パス)を第2記憶装置34eの加熱可能パス数テーブルを参照し、次Step以降の演算をするためのパス数の候補とする。
(2)次に、Step2において、Step1で選択された候補パス数に基づき、それぞれのパス数に対応した搬送速度と加熱電力を算出する。
Step2の詳細フローを図12に示す。搬送速度と加熱電力を計算する方法には、予め設定されているテーブルから条件に基づき、搬送速度と加熱電力を参照し決定する方法と、加熱条件に基づき、加熱モデル計算から、最適解を算出する方法がある。
したがって、まずは、搬送速度の計算は、テーブル参照か、最適化計算かを判断する。通常は、高精度に温度制御が可能な最適化計算を選択するが、さほど精度を必要としない温度条件等の仕様が厳しくない鋼材や、これまでにない成分や条件となる鋼材については、テーブル参照にて行う場合もある。搬送速度をテーブル参照しない場合には、最適化計算によって、搬送速度と加熱電力を決定し、処理時間を算出する。一方、搬送速度をテーブル参照する場合には、パス数の条件と鋼材のサイズと昇温量の値に基づいて、第2記憶装置34eに記憶された速度テーブルを参照し、搬送速度を算出することになる。
つづいて、加熱電力に関しても同様に、テーブル参照にて決定するかどうかを選択し、加熱電力をテーブル参照しない場合には、最適化計算で加熱電力を求めた後、処理時間を算出し、決定する。また、加熱電力をテーブル参照するとした場合には、パス数と搬送速度の条件と鋼材のサイズと昇温量の値に基づいて、第2記憶装置34eに記憶された電力テーブルを参照し、加熱電力を算出することになる。
上記の演算を、Step1で抽出されたパス数の分だけ、例えば、1パスと3パスと5パスが抽出された場合には、それぞれについて計算するので、合計3回の演算を行うことになり、各パス数に対応した、搬送速度、加熱電力、処理時間が算出される。ここで算出された結果は、第3記憶装置34fに格納される。
(3)そして、Step3において、Step2で算出された結果に基づいて、最適パス数を決定する。
Step3の詳細フローを図13に示す。図13では、まず、冷却装置出側温度計30cで、対象材の冷却が完了したかどうかをチェックしている。これは、誘導加熱設備25での加熱処理に許容できる時間(目標処理時間)を正確に算出するために、冷却装置23を出たタイミングを基準に時間を算出するためである。なお、目標処理時間は、通常、次の鋼材が熱処理工程より前の工程で待機せずに済む時間、あるいは、待機時間が最も短くなる時間に設定される。
そして、対象材が冷却装置23を出たタイミングで演算を開始する。
まず、次材の冷却完了予定時刻を取得して、対象材の冷却完了時刻との時間差を求めて、対象材の目標処理時間を算出する。
なお、ここでは、冷却完了時刻に基づいて目標処理時間を算出しているが、誘導加熱設備25への到着時刻に基づいて目標処理時間を算出することでもよい。
次に、処理時間を優先するかどうかを判断する。通常は、処理時間が短いほど電力も少ないことから、処理時間優先を選択することになり、処理時間最短のパス数が選択される。処理時間を優先しない場合、例えば、次材の搬送が遅れており、目標処理時間が非常に長く取れる場合には、目標処理時間内に加熱が完了するもののうちで、加熱電力が最小となるパス数を選択する。
(4)最後に、Step4において、Step3で選択・決定されたパス数に対応して、搬送速度と加熱電力が決定される。すなわち、これにより誘導加熱設備25での熱処理パターンが決定される。
なお、上記では、パス数、搬送速度、電力は、鋼材のサイズ、昇温量から算出するとしたが、これ以外に鋼種も条件に加えて、算出してもよい。
そして、Step3で述べた次材冷却完了予定時刻について、その算出方法を、図14を用いて説明する。
鋼材20の位置は、各コンピュータ31〜33によりトラッキングされる。トラッキングの方法は、加熱炉出側温度計30a、圧延機出側温度計30bの出力によって行うが、別の手法の赤外線等を利用した通過検出センサや圧延機内では圧延ロールの荷重ON/OFFやモータの電流負荷等の値を利用して判断してもよい。
まず、加熱炉21を制御する加熱炉制御コンピュータ31は次材をトラッキングして、次材が加熱炉21を出た時刻を記憶するとともに、その時刻データを演算装置34に送信する。
演算装置34は、入力された時刻データに基づいて、次材が冷却装置23を出る予定時刻を搬送速度と移動距離から算出する。算出した次材冷却完了予定時刻は、演算装置34の第3記憶装置34fに記憶される。
さらに、圧延機22を制御する圧延制御コンピュータ32も次材をトラッキングして、次材が圧延機22を出た時刻を記憶するとともに、その時刻データを演算装置34に送信する。
演算装置34は、入力された時刻データに基づいて、再度、次材が冷却装置23を出る予定時刻を搬送速度と移動距離から算出する。算出した次材冷却完了予定時刻は、演算装置34の第3記憶装置34fに更新書き込みされる。これにより、さらに正確に次材冷却完了予定時刻を算出することができる。
この実施形態では、冷却完了予定時刻の計算を演算装置34で行ったが、加熱炉制御コンピュータ31、圧延制御コンピュータ32、冷却制御コンピュータ33で行い、その結果を演算装置34に伝送するようにしてもよい。
図1及び図2に示す設備を用いてインライン熱処理を行った。ここで、誘導加熱装置としてはソレノイド型誘導加熱装置を直列に3台配置する構成とした。鋼材A、Bは水冷装置で加速冷却を行い400℃まで冷却し、鋼材C、Dは100℃まで冷却する焼入れ処理を行った。冷却後、板厚中心部が600℃となるように焼戻し熱処理を行った。なお、鋼材表面温度の上限は、加熱対象材のAc1変態点である720℃とした。
表2にそれぞれ1パス、3パスで加熱した場合の熱処理時間を示す。
この場合には、1パスと3パスで行った場合の搬送速度と電力量を求め、どちらで処理を行うかを判断することとした。最適化計算の結果、熱処理時間が短くなるように、AとCのサイズは1パスで行い、BとDのサイズは3パスで行う。
なお、この実施例では、板厚中心部が所定温度となるように制御したが、板厚方向内部の所定位置は板厚中心部に限られるものではない。表面と板厚中心との中間である、例えば、表面から板厚の1/3や1/4の深さ位置のように、適宜、任意の位置を選択できるものである。
本発明が適用される鋼材の製造設備の一例を示す説明図である。 本発明に係る鋼材の熱処理方法が適用される熱処理設備の概略構成を示す側面図である。 誘導加熱装置台数とパス数の違いによる加熱処理時間を比較した図である。 加熱処理時間を優先した場合の最適パス数を示した図である。 電力原単位を優先した場合の最適パス数を示した図である。 本発明における鋼材の製造設備の他の例を示す図である。 図6における加熱炉制御コンピュータの説明図である。 図6における圧延制御コンピュータの説明図である。 図6における冷却制御コンピュータの説明図である。 図6における演算装置の説明図である。 演算装置における演算処理の全体フロー図である。 演算装置における演算処理の詳細フロー図である。 演算装置における演算処理の詳細フロー図である。 次材冷却完了予定時刻の算出フロー図である。
符号の説明
1 熱間圧延機
2 鋼材
3 水冷装置
4 矯正機
5 誘導加熱装置
6 温度検出器
7 搬送ローラ
8 速度検出器
9 制御装置
10 電力制御装置
11 誘導加熱装置出側温度検出器
20 鋼材
21 加熱炉
22 圧延機
23 加速冷却装置
24 矯正装置
25 誘導加熱設備
26 誘導加熱装置
27 搬送ローラ
28 搬送速度設定装置
29 電力供給装置
30a〜30k 温度計
31 加熱炉制御コンピュータ
31a 入力装置
31b 入出力制御部
31c 中央処理装置
31d 記憶装置
31e 出力装置
32 圧延制御コンピュータ
32a 入力装置
32b 入出力制御部
32c 中央処理装置
32d 記憶装置
32e 出力装置
33 冷却制御コンピュータ
33a 入力装置
33b 入出力制御部
33c 中央処理装置
33d 記憶装置
33e 出力装置
34 演算装置
34a 入力装置
34b 入出力制御部
34c 中央処理装置
34d 第1記憶装置
34e 第2記憶装置
34f 第3記憶装置
34g 出力装置
40 生産管理コンピュータ

Claims (3)

  1. 熱間圧延完了後、焼入れ又は加速冷却された鋼材をライン上に設置された複数台の誘導加熱装置で熱処理するインライン熱処理において、鋼材を往復させることにより、誘導加熱装置を3パス以上通過させて加熱することとし、各パスの搬送速度と電力設定を最適化計算にて設定し、鋼材の表面温度と中心温度を所定の温度範囲とすることを特徴とする鋼材の熱処理方法。
  2. 請求項1に記載の鋼材の熱処理方法を熱処理工程に含むことを特徴とする鋼材の製造方法。
  3. 熱間圧延設備、加速冷却設備、これらの設備と同一ライン上に設置された複数台の誘導加熱装置からなる熱処理設備及び前記熱処理設備の熱処理パターンを演算する演算装置を備えた鋼材の製造設備であって、
    前記演算装置は、鋼材を往復させることにより、誘導加熱装置を3パス以上で通過させる熱処理パターンを決定する手段を備え
    前記手段で決定された熱処理パターンは、各パスの搬送速度と電力設定は最適化計算に基づいて設定されて、鋼材の表面温度と中心温度を所定の温度範囲とする熱処理パターンであることを特徴とする鋼材の製造設備。
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