JP2005089785A - 高張力鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 誘導加熱装置を用いたオンラインでの急速加熱焼戻し時における誘導加熱装置への電力供給量および鋼板搬送速度を制御することにより、強度、靭性に優れた570MPa以上の引張強度を有する高張力鋼板を高効率で製造することが可能である。
【解決手段】 圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に設置されたソレノイド型誘導加熱装置を用いて焼戻しを行う鋼板の製造方法において、鋼板の搬送速度と前記誘導加熱装置に供給予定の電力とを含むデータから誘導加熱後における鋼板の表面温度と板厚中心部の温度とを推定する演算ステップと、鋼板の表面の最高温度が500〜720℃、板厚中心部の温度が500〜700℃の範囲となる温度条件を満足するか否かを判定する温度条件判定ステップと、前記温度条件に適合しない場合は、前記電力を修正して前記演算ステップと前記温度条件判定ステップとを繰り返して実行する判定処理ステップと、前記温度条件に適合する場合は、その演算に用いられた電力を前記誘導加熱装置に供給する供給する電力供給ステップとを備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、圧延機および加速冷却装置と同一ライン上に設置した誘導加熱装置により、加速冷却された鋼板をオンラインで焼戻し熱処理を行う、570MPa級以上の引張強度を有する、高張力鋼板の製造方法に関するものである。
近年、鋼構造の大型化に伴い、より強靭な鋼の開発が求められている。通常、引張強度が約570MPa以上の鋼は、焼入れによりマルテンサイトもしくはベイナイト変態を生じさせ、その後の焼戻し処理によって過飽和固溶炭素や合金元素を炭化物として析出させることによって、主に靭性の改善を図って実用に供する。このような焼入れ・焼戻し鋼板の製造方法は、製造に多大な時間を要し、生産性が悪く、製造費用が多大であることが問題とされていた。
そのため、焼入れ方法として、圧延後そのまま焼入れを行う直接焼入れ技術が開発され、製造費用の低減等の面で効果を奏している。このような製造法は、例えば、特公昭55−49131号公報、特公昭58−3011号公報等に記載されている。
しかし、これらの技術の焼戻し工程に関しては、加熱・保持の熱処理に多大な時間を消費し、そのため、熱処理工程を圧延および直接焼入れの製造ラインとは別の製造ラインで行わざるを得ず、その際の鋼板の搬送等に時間を消費するという問題を抱えており、生産性、製造費用の観点で改善の余地があった。
このような問題点を解決する方法として、特許第3015923号公報等に記載の方法がある。これは、圧延および直接焼入れと同一の製造ライン上に直結して設置した焼戻し処理装置を用いて、鋼板の焼戻し処理時の加熱を従来技術と比較して急速加熱とすることによって、焼入れ・焼戻し鋼板の生産性を著しく高めることを可能とするものである。
特公昭55−49131号公報 特公昭58−3011号公報 特許第3015923号公報
特許文献3に開示されているように急速加熱装置を用いたインライン熱処理のアイデアは、従来から存在していたが、実用化には至らなかった。この理由は、誘導加熱能力の不足等のハード面の問題以外にも、ソフト面の問題もあった。熱処理を行うためには、鋼板の長手方向、厚み方向で温度差をつけないで均一に加熱することが必要となる。このためには、誘導加熱時の鋼板の内部温度を精度良く推定する必要があり、この温度推定モデルを用いて加熱に要する電力を求める必要がある。また、加熱時の温度により加熱時の電力も異なるため、これらの処理をオンラインで行う必要がある。また、圧延能率を阻害しないように搬送速度や加熱回数を決定する必要がある。さらに、製造コストの観点から供給電力量を最小に抑えることが求められる。
しかしながら、これらの問題に対して明確な解答を与えるような、電力の計算方法や鋼板搬送速度の求め方について検討した文献は見当たらない。
従って、この発明の目的は、誘導加熱装置を用いたオンラインでの急速加熱焼戻し時における誘導加熱装置への電力供給量および鋼板搬送速度を制御することにより、強度、靭性に優れた570MPa以上の引張強度を有する高張力鋼板を高効率で製造することが可能な、高張力鋼板の製造方法を提供することにある。
本願発明者等は、上記問題点を克服すべく鋭意研究を重ねた結果、誘導加熱装置を用いてインライン熱処理を行うためには、誘導加熱時の鋼板の表層温度と内部温度を精度良く推定し、且つ加熱温度の目標値を満たす電力および鋼板搬送速度の設定が重要であることを知見した。
この発明は、上記知見に基づきなされたものであり、下記を特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、質量%で、C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.5〜1.6%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.008%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、残部:Feおよび不可避的不純物からなり、且つ、
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
で定義されるPcm値が0.30%以下である鋼を、1000〜1300℃に加熱して熱間圧延した後、Ar点以上から400℃以下まで直接焼入れし、圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に設置されたソレノイド型誘導加熱装置を用いて焼戻しを行う鋼板の製造方法において、鋼板の搬送速度と前記誘導加熱装置に供給予定の電力とを含むデータから誘導加熱後における鋼板の表面温度と板厚中心部の温度とを推定する演算ステップと、鋼板の表面の最高温度が500〜720℃、板厚中心部の温度が500〜700℃の範囲となる温度条件を満足するか否かを判定する温度条件判定ステップと、前記温度条件に適合しない場合は、前記電力を修正して前記演算ステップと前記温度条件判定ステップとを繰り返して実行する判定処理ステップと、前記温度条件に適合する場合は、その演算に用いられた電力を前記誘導加熱装置に供給する供給する電力供給ステップとを備えたことに特徴を有するものである。
請求項2記載の発明は、質量%で、C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.5〜1.6%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.008%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、残部:Feおよび不可避的不純物からなり、且つ、
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
で定義されるPcm値が0.30%以下である鋼を、1000〜1300℃に加熱して熱間圧延した後、Ar点以上から400℃以下まで直接焼入れし、圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に設置されたソレノイド型誘導加熱装置を用いて焼戻しを行う鋼板の製造方法において、鋼板の搬送速度と前記誘導加熱装置に供給予定の電力とを含むデータから誘導加熱後における鋼板の表面温度と板厚中心部の温度とを推定する演算ステップと、鋼板の表面の最高温度が500〜720℃、板厚中心部の温度が500〜700℃の範囲となる温度条件を満足するか否かを判定する温度条件判定ステップと、前記温度条件に適合しない場合は、前記電力を修正して前記演算ステップと前記温度条件判定ステップとを繰り返して実行する判定処理ステップと、前記温度条件に適合する場合は、その演算に用いられた電力に基づいて、鋼板の加熱に使用される前記誘導加熱装置のそれぞれの電力量の合計値が所定の値以下である電力条件に適合するかどうかを判定する電力判定ステップと、前記温度条件に適合する場合は、その演算に用いられた電力を前記誘導加熱装置に供給する供給する電力供給ステップとを備えたことに特徴を有するものである。
請求項3記載の発明は、質量%で、C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.5〜1.6%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.008%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、残部:Feおよび不可避的不純物
からなり、且つ、
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
で定義されるPcm値が0.30%以下である鋼を、1000〜1300℃に加熱して熱間圧延した後、Ar点以上から400℃以下まで直接焼入れし、圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に設置されたソレノイド型誘導加熱装置を用いて焼戻しを行う鋼板の製造方法において、鋼板の搬送速度と前記誘導加熱装置に供給予定の電力とを含むデータから誘導加熱後における鋼板の表面温度と板厚中心部の温度とを推定する演算ステップと、鋼板の表面の最高温度が500〜720℃、板厚中心部の温度が500〜700℃の範囲となる温度条件を満足するか否かを判定する温度条件判定ステップと、前記温度条件に適合しない場合は、前記電力を修正して前記演算ステップと前記温度条件判定ステップとを繰り返して実行する判定処理ステップと、前記温度条件に適合する場合は、前記搬送速度を増加した新たな搬送速度を用いて前記演算ステップ、前記温度条件判定ステップおよび前記判定処理ステップを前記温度条件に適合しなくなるまで繰り返して実行し、前記温度条件に適合する最終の演算に用いられた電力と搬送速度とを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出された搬送速度により鋼板を搬送しつつ、抽出された電力を前記誘導加熱装置に供給する抽出電力供給ステップとを備えたことに特徴を有するものである。
請求項4記載の発明は、質量%で、C:0.06〜0.18%、Si:0.05〜0.6%、Mn:0.5〜1.6%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.008%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、残部:Feおよび不可避的不純物からなり、且つ、
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
で定義されるPcm値が0.30%以下である鋼を、1000〜1300℃に加熱して熱間圧延した後、Ar点以上から400℃以下まで直接焼入れし、圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に設置されたソレノイド型誘導加熱装置を用いて焼戻しを行う鋼板の製造方法において、鋼板の搬送速度と前記誘導加熱装置に供給予定の電力とを含むデータから誘導加熱後における鋼板の表面温度と板厚中心部の温度とを推定する演算ステップと、鋼板の表面の最高温度が500〜720℃、板厚中心部の温度が500〜700℃の範囲となる温度条件を満足するか否かを判定する温度条件判定ステップと、前記温度条件に適合しない場合は、前記電力を修正して前記演算ステップと前記温度条件判定ステップとを繰り返して実行する判定処理ステップと、前記温度条件に適合する場合は、その演算に用いられた電力に基づいて、前記鋼板の加熱に使用される前記誘導加熱装置のそれぞれの電力量の合計値が所定の値以下である電力条件に適合するかどうかを判定する電力判定ステップと、前記温度条件に適合する場合は、前記搬送速度を増加した新たな搬送速度を用いて前記演算ステップ、前記温度条件判定ステップおよび前記判定処理ステップを前記温度条件に適合しなくなるまで繰り返して実行し、前記温度条件に適合する最終の演算に用いられた電力と搬送速度とを抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出された搬送速度により鋼板を搬送しつつ、抽出された電力を前記誘導加熱装置に供給する抽出電力供給ステップとを備えたことに特徴を有するものである。
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか1つに記載の発明において、焼戻しが、焼戻し処理する鋼板の次に処理される他の鋼板が熱処理工程より前の工程で待機せずに済む時間、あるいは待機時間が最も短くなる時間内に完了するように、鋼板の加熱パス回数を設定する、加熱パス回数設定ステップを備えていることに特徴を有するものである。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、鋼板を往復させることにより、誘導加熱装置を3パス以上通過させて加熱することに特徴を有するものである。
請求項7記載の発明は、請求項1から6の少なくとも1つに記載の発明において、質量%で、さらに、Cu:1%以下、Ni:4%以下、Cr:1%以下、Mo:1%以下の少なくとも1つを含有することに特徴を有するものである。
請求項8記載の発明は、請求項1から7の少なくとも1つに記載の発明において、質量%で、さらに、Nb:0.05%以下、V:0.5%以下、Ti:0.03%以下の少なくとも1つを含有することに特徴を有するものである。
請求項9記載の発明は、請求項1から8の少なくとも1つに記載の発明は、質量%で、さらに、B:0.003%以下、Ca:0.01%以下の少なくとも1つを含有することに特徴を有するものである。
この発明によれば、誘導加熱装置を用いたオンラインでの急速加熱焼戻し時における誘導加熱装置への電力供給量および鋼板搬送速度を制御することにより、強度、靭性に優れた570MPa以上の引張強度を有する高張力鋼板を高効率で製造することができる。
先ず、この発明における限定理由について述べる。なお、化学成分組成割合を示す%は、何れも質量%である。
(C:0.06〜0.18%)
Cは、強度を確保するために含有させるが、0.06%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.18%を超えると母材および溶接熱影響部の靭性が劣化すると共に、溶接性が著しく劣化する。従って、C含有量は、0.06〜0.18%の範囲内に限定する。
(Si:0.05〜0.6%)
Siは、製鋼段階の脱酸材および強度向上元素として含有させるが、0.05%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.6%を超えると母材および溶接熱影響部の靭性が劣化すると共に、溶接性が著しく劣化する。従って、Si含有量は、0.05〜0.6%の範囲内に限定する。
(Mn:0.5〜1.6%)
Mnは、強度を確保するために含有させるが、0.5%未満ではその効果が不十分であり、一方、1.6%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化すると共に、溶接性が著しく劣化する。従って、Mn含有量は、0.5〜1.6%の範囲内に限定する。
(P、S:0.03%以下)
P、Sは、何れも不純物元素であり、0.03%を超えると健全な母材および溶接継手を得ることができなくなる。従って、P、S含有量は、0.03%以下に限定する。
(Al:0.005〜0.1%)
Alは、脱酸のために添加するが、0.005%未満の場合にはその効果が十分でなく、一方、0.1%を超えて含有すると、鋼板の表面疵が発生し易くなる。従って、A1含有量は、0.005〜0.1%の範囲内に限定する。
(N:0.0005〜0.008)
Nは、AlやNb等と析出物を形成して組織を微細化し、母材靭性を向上させる効果を有すること、および、焼戻し時にNbやV等と析出物を形成して析出強化による強度確保の効果を有するために添加する。しかしながら、0.0005%未満の添加では組織の微細化および強度確保に必要な析出物が形成されず、一方、0.008%を超える添加は母材および溶接継手の靭性を損なう。従って、N含有量は、0.0005〜0.008%の範囲内に限定する。
(Cu:1%以下)
Cuは、固溶強化および析出強化により強度を向上する作用を有している。しかしながら、Cu含有量が1%を超えると、靭性が低下する。従って、Cuを添加する場合には、その含有量を1%以下、好ましくは、0.50%以下に限定する。
(Ni:4%以下)
Niは、靭性および焼入れ性を向上する作用を有している。しかしながら、Ni含有量が4%を超えると、経済性が劣る。従って、Niを添加する場合には、その含有量を4%以下、好ましくは、0.50%以下に限定する。
(Cr:1%以下)
Crは、強度および靭性を向上する作用を有している。しかしながら、Cr含有量が1%を超えると、溶接性が劣化する。従って、Crを添加する場合には、その含有量を1%以下、好ましくは、0.50%以下に限定する。
(Mo:1%以下)
Moは、焼入れ性および強度を向上する作用を有している。しかしながら、Mo含有量が1%を超えると、経済性が劣る。従って、Moを添加する場合には、その含有量を1%以下、好ましくは、0.50%以下に限定する。
(Nb:0.05%以下)
Nbは、マイクロアロイング元素として強度を向上させるために添加する。しかしながら、0.05%を超えると溶接熱影響部の靭性を劣化させる。従って、Nbを添加する場合には、その含有量を0.05%以下に限定する。
(V:0.5%以下)
Vは、マイクロアロイング元素として強度を向上させるために添加する。しかしながら、0.5%を超えると溶接熱影響部の靭性を著しく劣化させる。従って、Vを添加する場合には、その含有量を0.5%以下、好ましくは、0.1%以下に限定する。
(Ti:0.03%以下)
Tiは、圧延加熱時あるいは溶接時にTiNを生成し、オーステナイト粒を微細化し、母材靭性ならびに溶接熱影響部の靭性を向上させる。しかしながら、その含有量が0.03%を超えると溶接熱影響部の靭性を劣化させる。従って、Tiを添加する場合には、その含有量を、0.03%以下に限定する。
(B:0.0030%以下)
Bは、焼入れ性を向上する作用を有している。しかしながら、0.0030%を超えると、靭性を劣化させる。従って、Bを添加する場合には、その含有量を0.0030%以下に限定する。
(Ca:0.01%以下)
Caは、硫化物系介在物の形態制御に不可欠な元素である。しかしながら、0.01%を超える添加は、清純度の低下を招く。従って、Caを添加する場合には、その含有量を0.01%以下に限定する。
(Pcm:0.30%以下)
Pcmは、溶接割れ感受性を表す指数であり、この値が高いほど引張強度が高くなるが、通常の環境における溶接施工において、予熱工程を省略、または予熱温度を低減させるため、Pcm値は、0.30%以下に限定する。なお、引張強度が570MPa級の場合には、Pcm値は、0.25%以下にすることが望ましい。
鋼板の製造においては、転炉法、電気炉法等の鋼の溶製方法や、連続鋳造、造塊法等のスラブの製造方法について適宜選択できる。
(熱間圧延前の加熱温度:1000〜1300℃)
合金元素の均質化と未再結晶域を拡大させるのに有効なNbの固溶を図るため、加熱温度は1000℃以上に設定する必要がある。しかしながら、加熱温度が1300℃を超えると組織の粗大化により、母材の靭性が確保されなくなる。従って、熱間圧延前の加熱温度は、1000〜1300℃の範囲内に限定する。
(熱間圧延)
均一に加熱された本発明鋼を所定の板厚まで熱間圧延する工程は、通常の条件に依って差し支えない。圧延仕上げ温度は、Ar変態点を上回らなければならない。これは、Ar変態点を下回る温度で圧延を終了すると、後の直接焼入れにて、焼入れが不完全なものとなり良好な母材特性が確保できないためである。
(直接焼入れ)
熱間圧延終了後、母材強度および母材靭性を確保するため、Ar変態点以上の温度の鋼板を強制冷却により焼入れ処理を施すことが必要である。400℃以下に到達するまで直接焼入れする理由は、オーステナイトからマルテンサイトもしくはベイナイトヘの変態を完了させ、母材の強度を保つためである。
(焼戻し)
焼戻しは、圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に直結して設置されたソレノイド型誘導加熱装置で行うものとした。これは、直結化により圧延・直接焼入れと焼戻しの間の搬送、その他による付加的な所要時間を排除することが可能となり、生産性を著しく向上することが可能となるためである。
(焼戻し時の鋼板表面の最高到達温度)
焼戻し時の鋼板表面の最高到達温度が500℃未満では、加熱温度が低すぎるため直接焼入れによって劣化した靭性の回復が不十分である。一方、鋼板表面の最高到達温度が720℃を超えると、逆変態などに起因して、表層部の靭性および強度などが著しく劣化してしまう。よって、再加熱時の鋼板表面の最高到達温度は、500〜720℃の範囲内に限定する。
(焼戻し時の板厚中心部の最高到達温度)
焼戻し時の板厚中心部の最高到達温度が500℃未満では、加熱温度が低すぎるため直接焼入れによって劣化した靭性の回復が不十分である。一方、鋼板中心部の最高到達温度が700℃を超えると、鋼板表面の最高到達温度の上限を上記のごとく限定しているため、所定の温度に昇温するまで著しく時間を要し、鋼板の生産効率が著しく低下する。従って、再加熱時の板厚中心部の最高到達温度は、500〜700℃の範囲内に限定する。
次に、ソノレイド型誘導加熱装置による再加熱の際の誘導加熱装置の制御方法について説明する。
誘導加熱装置による加熱方法には、表層加熱と均一加熱とがある。どちらの場合にも、鋼板の表面と内部とをそれぞれ別々の目標温度になるように加熱する。内部温度とは、板厚方向の平均温度(平均温度)の場合、板厚中心部の温度(中心温度)の場合等がある。表層加熱の場合は、加熱終了時の表面温度が目標温度となるように加熱する。その場合に、加熱過程中の内部温度が上限温度を超えないように加熱する。
この発明のような均一加熱の場合は、加熱終了時の内部温度を目標温度に加熱を行う。その場合に、加熱過程中の表面温度が上限温度を超えないように加熱を行う。均一加熱を行うためには、誘導加熱装置を複数台用意して加熱過程と冷却過程を繰り返しながら徐々に加熱する必要がある。
また、誘導加熱装置群を複数回往復させて加熱を行っても良い。搬送速度を上げるためには、加熱能力(最大電力)を上げ、数多くの誘導加熱装置を用意する必要があるが、これには装置コストと設置スペースが嵩むためである。
さらに、同じ製造条件でも、加速冷却後の鋼板温度が操業条件により異なるために、電力をテーブル等であらかじめ用意しておくよりは、加速冷却後の鋼板温度を実測し、この実測温度に基づいて電力をオンラインで求めるような仕組みを構築する必要がある。
誘導加熱装置によりオンラインで上記熱処理を精度良く行うためには、以下の課題がある。
(1)誘導加熱時の鋼板の内部温度を精度良く推定する。
(2)加熱温度の目標、制限を満たす、電力と搬送速度を求める。
さらに、実用化にあたって、
(3)消費電力を、なるべく小さくする。
(4)操業を阻害しない搬送速度で熱処理を行う。
(5)加熱前の鋼板温度を実測し、その値により加熱電力、搬送速度等を決定する。
この発明は、上記課題を解決するために以下の手段を用いる。
(1)誘導加熱時の鋼板の内部温度を精度良く推定するため、厚み方向の差分式を採用して、鋼板温度、電力により透磁率と浸透深さとを推定し、鋼板の厚み方向の誘導電流分布を求め、発熱量を計算する。
(2)加熱電力設定を求めるためには、温度条件が複数あり、操作量(電力)も複数あり、モデルが非線形であるために非線形計画法により算出する。その結果、表面温度と内部温度とは独立変数ではないが、複数台の誘導加熱装置による加熱によりある程度、独立とみなせ、別々に目標設定をすることが可能となる。
これを式で表すと、以下のようになる。
変数:各誘導加熱装置に与える電力P=〔p1、…、pi、…、pn〕
内部温度条件:|Ti−Tr|<c (cは定数)
表面温度条件:Tu−Ts>0
目的関数:消費電力の和(kWh)Σ(pi*v)
但し、Ts:表面温度最大値
Tr:加熱目標温度
Tu:上限温度
Ti:内部温度最大値
v:鋼板搬送速度
(3)非線形計画法の目的関数を消費電力の和とすることにより、温度条件を満たす中で消費電力が最小となる電力が求まる。
(4)ある速度で電力設定を求めてから、加熱可能な範囲で、搬送速度を変更しながら繰り返し計算を行うことにより、温度条件を満たす中で、操業を阻害しない搬送速度が求める。
(5)オンラインで電力と搬送速度を求めるために、初期設定において事前に電力設定を行い最適化計算を簡略化する。また、加速冷却終了時に実測温度により電力と搬送速度の修正計算を行うことにより、さらに高精度の制御が可能となる。
図1は、この発明に係る熱処理装置の概略構成図である。
鋼材1は、直列配置された複数台の誘導加熱装置2の中を移動しながら加熱される。各誘導加熱装置2の入り口には、鋼材1の温度を検出する温度検出器3が備えられている。温度検出器3で得られた温度信号は、制御装置4に入力される。制御装置4は、鋼材1の温度若しくは加熱開始の予定温度と鋼板搬送速度とに基づいて各誘導加熱装置2に供給する電力を計算し、その値を電力供給装置5に出力する。電力供給装置5は、供給電力が制御装置4から与えられた値になるように誘導加熱装置2の出力を制御する。
次に、加熱電力と搬送速度の求め方について説明する。
この発明では、鋼材の厚み方向の温度分布を推定する数式モデルを用いる。さらに、その数式モデル用いて、電力設定計算、速度設定計算を行う。
まず、誘導加熱による鋼材の温度分布は以下のようにして求める。
鋼材内部の電流分布は、浸透深さで表される。浸透深さは式(1)のように周波数、比透磁率で表される。
Figure 2005089785
浸透深さの値が大きい場合には、誘導電流が鋼材内部まで流れるが、浸透深さが小さい場合には、誘導電流が表面に集中するため加熱も表面に集中し、鋼材内部は表面からの熱伝達により加熱されることになる。従って、同じ電力を投入しても、浸透深さにより表面の加熱温度は変わってくる。そこで、比透磁率等により浸透深さを求め、浸透深さにより鋼材内部での電流分布を算出し、電流分布により鋼材内部の温度分布を求める。
一般に、鋼材表面からの距離zと、誘導電流I(z)の関係は、式(2)で表される。αは、定数である。
Figure 2005089785
よって、鋼材表面からの距離zにおける消費電力の比は、式(3)で表される。
Figure 2005089785
すなわち、式(3)を誘導加熱の際の電力分布と考えることができる。
次に、誘導加熱装置を用いた加熱過程における鋼材の温度変化を数式で表す。熱伝導方程式の差分式から、式(4)を得る。
Figure 2005089785
Figure 2005089785
式(4)のQは、境界条件である大気との熱伝達と、加熱装置から供給される熱量からなる。
Figure 2005089785
Figure 2005089785
式(4)〜(7)を用いることにより、加熱後の鋼材の温度分布(x1,j2,jnb−1,j xnb,j)を求めることができる。これのフローを図2に示す。鋼材が誘導加熱装置を抜けたところで計算終了となる。
次に、この温度モデルを用いた加熱電力の求め方のフローを図3に示す。
まず適当な初期値電力(uk,J)を与えて、誘導加熱装置出側の加熱温度分布(xi,J)を計算する。そして、各誘導加熱装置での加熱温度と温度条件を比較し、温度条件を満たしているかどうかの判定を行う。温度条件に合致していれば、その加熱電力を最終的な加熱電力として計算を終了する。合致していない場合は、新たな誘導加熱電力を与えて温度計算のやり直しを行う。新しい加熱電力(uk,J)を与える方法は、線形計画法、非線形計画法など一般的な方法でかまわない。温度条件が実現可能であるならば、有限回の計算で収束する。
さらに、目的関数として各誘導加熱装置での消費電力量の和を与える。加熱後の鋼材温度が温度条件に合致するかどうかの判定を行った後、各誘導加熱装置での消費電力量が最少になるかどうかの判定も重ねて行う。すなわち、この処理によって求められる加熱電力が誘導加熱装置での消費電力量を最少にするようにする。この場合も、新しい加熱電力(uk,J)を与える方法は、線形計画法、非線形計画法など一般的な方法でかまわない。このフローを図4に示す。
搬送速度の決定には、始めにパス数を決めておき、図5のフローに示すような収束計算を行う。適当な初期速度から始めて、電力設定計算を行う。速度によっては、電力能力の上限や、温度の条件によっては、加熱が不可能の場合がある。その場合は、速度を下げて電力の設定計算を行う。加熱可能なら、搬送速度を上げて電力の設定計算を行う。加熱可能な範囲の中で最も早い速度を求める。
そして、ここで決まった搬送速度をもとに、前項の電力設定計算を用いて加熱電力を求める。求めた加熱電力と搬送速度を使用して、鋼材の加熱を行う。
このようにして求まる加熱電力・搬送速度は事前に計算してテーブル等に保存しておき利用することもできるし、鋼材の加速冷却が終了し、加熱開始温度が確定した時点にオンラインで計算して求めることもできる。
しかしながら、事前に計算しておいた場合は、加速冷却終了時の温度が予定と異なる場合がある。また、複雑なモデルを用いて収束計算を繰り返し行うため膨大な計算量になり、オンラインでは計算が間に合わないことも考えられる。このような場合は、以下のような修正方式が有効である。これは、加熱電力と搬送速度を事前に計算しておき、加速冷却終了後の実績温度で搬送速度を修正し、電力を再計算する方式である。これを以下に示す。
まず、図5のフローに従って事前に搬送速度を求める計算を行った後に、加熱開始温度が変更になった場合の搬送速度の影響係数を求めておく。この手順のフローを図6に示す。加熱開始温度を(Ti)、加熱開始温度の変更量を(ΔTi)とし、加熱開始温度が(Ti+ΔTi)の場合に搬送速度をどれだけ変更すれば良いのかの係数を求める。影響係数を1から処理を始めて、加熱可能で最も処理時間が短くなるように影響係数を調整する。この値を(q)とすると、実際の加熱開始温度が(Ti+ΔT)の場合の搬送速度(v’)は、下式(8)で求められる。
Figure 2005089785
加速冷却を終了し、実績温度が検出された時点で、このような搬送速度の修正を行う。さらに、修正された速度で図3または図4に示す電力計算を再度行う。電力計算の収束計算のみであれば、時間はさほどかからない。修正方式を利用することにより、最も効率のよい搬送速度を求めることができ、加熱電力を精度よく設定することができる。
次に、鋼板を誘導加熱装置群を複数回往復させて加熱を行う例を説明する。ライン上に誘導加熱装置を設置して熱処理を行うためには、圧延能率を阻害しないように高能率で熱処理する必要がある。すなわち、焼戻し処理する鋼板の次に処理される他の鋼板が、圧延や加速冷却等の熱処理工程より前の工程で待機せずに済む時間内に熱処理を完了させる必要がある。万一待機せざるを得ない場合でも、その待機時間が最も短くなるように条件を設定する。
これを達成するために、この発明では誘導加熱装置群を通過させる加熱パス数を設定する。すなわち、鋼材の寸法と必要昇温量から、いくつかのパス数における搬送速度と電力設定、及び熱処理時間を求め、その結果熱処理時間が最短となるパス数を選択して加熱することを特徴とする。
1パスで加熱する場合や鋼板を往復させて3パスで加熱する場合において、変数を搬送速度と誘導加熱装置での電力とし、制約条件を鋼板表面と板厚中心部の目標温度とし、目的関数が処理時間と消費電力量からなる最適化問題を解く。この場合、線形計画法、非線形計画法等の最適化手法を用いて解くこともできるし、又は、変数を適当に変えて、最も処理時間が短くなり、消費電力が小さくなる搬送速度と電力の組合せを求めることにより解くこともできる。
次に、この発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
表1に示す化学成分の鋼A〜Dを溶製してスラブに鋳造し、加熱炉で1150℃に加熱後、熱間圧延を行った。圧延後、引き続き直接焼入れし、次いで、ライン上に直列に配置された3台の誘導加熱装置を用いて、連続的に焼戻し処理を行った。
鋼板の焼入れ条件、加熱条件およびこれらの製造条件で製造した鋼板の特性を表2に示す。
なお、引張強度は、全厚引張試験片により測定し、靭性は、表層部および板厚中心部より採取した試験片を用いたシャルピー衝撃試験によって得られるvTrsにより評価した。材料特性の目標値は、表層部及び板厚中心部のvTrs:−50℃以下とした。
Figure 2005089785
Figure 2005089785
表2から明らかなように、本発明例No.1〜6における再加熱後の内部温度は、目標温度まで加熱され、表面温度も本発明範囲の500〜720℃内であった。その結果、引張強度、表層部および板厚中心部vTrsとも目標値を満足した。本発明例No.1とNo.2とを比較すると、加熱開始時の鋼材温度を実測により補正した本発明例No.2の修正処理方式の方が、再加熱後の内部温度は、目標温度により近い値が得られた。また、何れの場合も、次に処理される鋼材を誘導加熱装置より前の工程で待機させることなく熱処理を行うことができた。
これに対して、比較例No.7〜10は、搬送速度や電力設定が不適切であり、再加熱後の表面温度が720℃を超えたり(比較例No.7および10)、あるいは内部温度が目標温度に到達しなかった(比較例No.8および9)。その結果、引張強度、表層部あるいは板厚中心部vTrsの何れかが目標値以下の値となった。
この発明に係る熱処理装置の概略構成図である。 温度分布の求め方を示すフロー図である。 電力の求め方を示すフロー図である。 消費電力の最適化を示すフロー図である。 速度最適化を示すフロー図である。 影響係数の求め方を示すフロー図である。
符号の説明
1:鋼材
2:誘導加熱装置
3:温度検出器
4:制御装置
5:電力供給装置

Claims (9)

  1. 質量%で、
    C:0.06〜0.18%、
    Si:0.05〜0.6%、
    Mn:0.5〜1.6%、
    Al:0.005〜0.1%、
    N:0.0005〜0.008%、
    P:0.03%以下、
    S:0.03%以下、
    残部:Feおよび不可避的不純物
    からなり、且つ、
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
    で定義されるPcm値が0.30%以下である鋼を、1000〜1300℃に加熱して熱間圧延した後、Ar点以上から400℃以下まで直接焼入れし、圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に設置されたソレノイド型誘導加熱装置を用いて焼戻しを行う鋼板の製造方法において、
    鋼板の搬送速度と前記誘導加熱装置に供給予定の電力とを含むデータから誘導加熱後における鋼板の表面温度と板厚中心部の温度とを推定する演算ステップと、
    鋼板の表面の最高温度が500〜720℃、板厚中心部の温度が500〜700℃の範囲となる温度条件を満足するか否かを判定する温度条件判定ステップと、
    前記温度条件に適合しない場合は、前記電力を修正して前記演算ステップと前記温度条件判定ステップとを繰り返して実行する判定処理ステップと、
    前記温度条件に適合する場合は、その演算に用いられた電力を前記誘導加熱装置に供給する供給する電力供給ステップと
    を備えたことを特徴とする、高張力鋼板の製造方法。
  2. 質量%で、
    C:0.06〜0.18%、
    Si:0.05〜0.6%、
    Mn:0.5〜1.6%、
    Al:0.005〜0.1%、
    N:0.0005〜0.008%、
    P:0.03%以下、
    S:0.03%以下、
    残部:Feおよび不可避的不純物
    からなり、且つ、
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
    で定義されるPcm値が0.30%以下である鋼を、1000〜1300℃に加熱して熱間圧延した後、Ar点以上から400℃以下まで直接焼入れし、圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に設置されたソレノイド型誘導加熱装置を用いて焼戻しを行う鋼板の製造方法において、
    鋼板の搬送速度と前記誘導加熱装置に供給予定の電力とを含むデータから誘導加熱後における鋼板の表面温度と板厚中心部の温度とを推定する演算ステップと、
    鋼板の表面の最高温度が500〜720℃、板厚中心部の温度が500〜700℃の範囲となる温度条件を満足するか否かを判定する温度条件判定ステップと、
    前記温度条件に適合しない場合は、前記電力を修正して前記演算ステップと前記温度条件判定ステップとを繰り返して実行する判定処理ステップと、
    前記温度条件に適合する場合は、その演算に用いられた電力に基づいて、鋼板の加熱に使用される前記誘導加熱装置のそれぞれの電力量の合計値が所定の値以下である電力条件に適合するかどうかを判定する電力判定ステップと、
    前記温度条件に適合する場合は、その演算に用いられた電力を前記誘導加熱装置に供給する供給する電力供給ステップと
    を備えたことを特徴とする、高張力鋼板の製造方法。
  3. 質量%で、
    C:0.06〜0.18%、
    Si:0.05〜0.6%、
    Mn:0.5〜1.6%、
    Al:0.005〜0.1%、
    N:0.0005〜0.008%、
    P:0.03%以下、
    S:0.03%以下、
    残部:Feおよび不可避的不純物
    からなり、且つ、
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
    で定義されるPcm値が0.30%以下である鋼を、1000〜1300℃に加熱して熱間圧延した後、Ar点以上から400℃以下まで直接焼入れし、圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に設置されたソレノイド型誘導加熱装置を用いて焼戻しを行う鋼板の製造方法において、
    鋼板の搬送速度と前記誘導加熱装置に供給予定の電力とを含むデータから誘導加熱後における鋼板の表面温度と板厚中心部の温度とを推定する演算ステップと、
    鋼板の表面の最高温度が500〜720℃、板厚中心部の温度が500〜700℃の範囲となる温度条件を満足するか否かを判定する温度条件判定ステップと、
    前記温度条件に適合しない場合は、前記電力を修正して前記演算ステップと前記温度条件判定ステップとを繰り返して実行する判定処理ステップと、
    前記温度条件に適合する場合は、前記搬送速度を増加した新たな搬送速度を用いて前記演算ステップ、前記温度条件判定ステップおよび前記判定処理ステップを前記温度条件に適合しなくなるまで繰り返して実行し、前記温度条件に適合する最終の演算に用いられた電力と搬送速度とを抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップにより抽出された搬送速度で鋼板を搬送しつつ、抽出された電力を前記誘導加熱装置に供給する抽出電力供給ステップと
    を備えたことを特徴とする、高張力鋼板の製造方法。
  4. 質量%で、
    C:0.06〜0.18%、
    Si:0.05〜0.6%、
    Mn:0.5〜1.6%、
    Al:0.005〜0.1%、
    N:0.0005〜0.008%、
    P:0.03%以下、
    S:0.03%以下、
    残部:Feおよび不可避的不純物
    からなり、且つ、
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
    で定義されるPcm値が0.30%以下である鋼を、1000〜1300℃に加熱して熱間圧延した後、Ar点以上から400℃以下まで直接焼入れし、圧延機および直接焼入れ装置と同一の製造ライン上に設置されたソレノイド型誘導加熱装置を用いて焼戻しを行う鋼板の製造方法において、
    鋼板の搬送速度と前記誘導加熱装置に供給予定の電力とを含むデータから誘導加熱後における鋼板の表面温度と板厚中心部の温度とを推定する演算ステップと、
    鋼板の表面の最高温度が500〜720℃、板厚中心部の温度が500〜700℃の範囲となる温度条件を満足するか否かを判定する温度条件判定ステップと、
    前記温度条件に適合しない場合は、前記電力を修正して前記演算ステップと前記温度条件判定ステップとを繰り返して実行する判定処理ステップと、
    前記温度条件に適合する場合は、その演算に用いられた電力に基づいて、前記鋼板の加熱に使用される前記誘導加熱装置のそれぞれの電力量の合計値が所定の値以下である電力条件に適合するかどうかを判定する電力判定ステップと、
    前記温度条件に適合する場合は、前記搬送速度を増加した新たな搬送速度を用いて前記演算ステップ、前記温度条件判定ステップおよび前記判定処理ステップを前記温度条件に適合しなくなるまで繰り返して実行し、前記温度条件に適合する最終の演算に用いられた電力と搬送速度とを抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップにより抽出された搬送速度により鋼板を搬送しつつ、抽出された電力を前記誘導加熱装置に供給する抽出電力供給ステップと
    を備えたことを特徴とする、高張力鋼板の製造方法。
  5. 焼戻しが、焼戻し処理する鋼板の次に処理される他の鋼板が熱処理工程より前の工程で待機せずに済む時間、あるいは待機時間が最も短くなる時間内に完了するように、鋼板の加熱パス回数を設定する、加熱パス回数設定ステップを備えていることを特徴とする、請求項1から4の何れか1つに記載の、高張力鋼板の製造方法。
  6. 鋼板を往復させることにより、前記誘導加熱装置を3パス以上通過させて加熱することを特徴とする、請求項5記載の、高張力鋼板の製造方法。
  7. 質量%で、さらに、
    Cu:1%以下、
    Ni:4%以下、
    Cr:1%以下、
    Mo:1%以下
    の少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項1から6の少なくとも1つに記載の、高張力鋼板の製造方法。
  8. 質量%で、さらに、
    Nb:0.05%以下、
    V:0.5%以下、
    Ti:0.03%以下、
    の少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項1から7の少なくとも1つに記載の、高張力鋼板の製造方法。
  9. 質量%で、さらに、
    B:0.003%以下、
    Ca:0.01%以下、
    の少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項1から8の少なくとも1つに記載の、高張力鋼板の製造方法。
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