JP5919734B2 - 連続式加熱炉の炉温設定方法及び炉温制御システム、連続式加熱炉、並びに金属材料の製造方法 - Google Patents
連続式加熱炉の炉温設定方法及び炉温制御システム、連続式加熱炉、並びに金属材料の製造方法 Download PDFInfo
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Description
加えて、加熱炉の制御は制約条件及び目標抽出温度を同時に満足させる必要があることから、場合によってはスラブの目標抽出温度を大きく超えて高い炉温を設定せざるを得ないこともあり、その結果燃料消費量が増大するおそれがあった。近年の環境保全等の観点から、燃料消費量の削減への要求は高まる一方であり、目標抽出温度及び制約条件の両方を満足しつつも、燃料消費量をさらに削減することが望まれている。
(A)第j−kスラブが最先スラブと同一である場合には、初期時刻から第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間;
(B)第j−kスラブが最先スラブと同一でない場合には、第j−kスラブの一つ前の第j−k−1スラブの予定抽出時刻から第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間、
に係る設定炉温軌道を、下記(C)又は(D)の条件:
(C)上記(A)の場合には、既に計算した初期時刻以降の設定炉温軌道に従って加熱する時間を設けない条件;
(D)上記(B)の場合には、初期時刻から第j−k−1スラブの予定抽出時刻までは、最先スラブから第j−k−1スラブまでの各スラブの目標抽出温度を満足するように既に計算した設定炉温軌道に従って加熱する条件、
に基づいて計算し、第2計算工程において、前記作業燃焼帯の炉温設定の制約条件を満足する設定炉温軌道が得られるまで、前記kの値を1から順に増加させながら計算を繰り返すことを特徴とする、連続式加熱炉の炉温設定方法である。
(A)第j−kスラブが最先スラブと同一である場合には、初期時刻から第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間;
(B)第j−kスラブが最先スラブと同一でない場合には、第j−kスラブの一つ前の第j−k−1スラブの予定抽出時刻から第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間、
に係る設定炉温軌道を、下記(C)又は(D)の条件:
(C)上記(A)の場合には、既に計算した初期時刻以降の設定炉温軌道に従って加熱する時間を設けない条件;
(D)上記(B)の場合には、初期時刻から第j−k−1スラブの予定抽出時刻までは、最先スラブから第j−k−1スラブまでの各スラブの目標抽出温度を満足するように既に計算した設定炉温軌道に従って加熱する条件、
に基づいて計算し、第2計算工程において、作業燃焼帯の炉温設定の制約条件を満足する設定炉温軌道が得られるまで、kの値を1から順に増加させながら計算を繰り返すアルゴリズムであることを特徴とする、連続式加熱炉の炉温制御システムである。
本発明の連続式加熱炉の炉温設定方法について説明する。図1は、連続式加熱炉の炉温設定方法S10(以下、「炉温設定方法S10」又は単に「S10」ということがある。)を説明するフローチャートである。図2は、S10が適用される連続式加熱炉10を示す模式図である。図3は、燃焼帯の状況を説明する模式図である。また、図4は、炉温設定方法S10が有する設定炉温軌道計算工程S12を説明するフローチャートである。
以下、図1〜4を参照しつつ、本発明の連続式加熱炉の炉温設定方法について説明する。
本発明の炉温設定方法は、図2のように複数の燃焼帯を有する連続式加熱炉において、各燃焼帯に複数存在するスラブを各スラブ及び各燃焼帯について予め設定された目標抽出温度まで加熱してから抽出するにあたり、所定の制御周期毎に炉温設定モデルを起動し、燃焼帯の設定炉温の更新を行う。
燃焼帯選択工程S11(以下、単に「S11」ということがある。)は、炉温設定を行う燃焼帯のうち一の燃焼帯を作業燃焼帯として選択する工程である。炉温設定を行う燃焼帯の個数をNz個とすると、該計Nz個の燃焼帯は、例えばスラブが通過する順に、z1、…、zNzと表わすことができる。例えば図2の連続式加熱炉10で第2加熱帯4及び均熱帯5の炉温を設定する場合には、Nz=2、第2加熱帯4がz1、均熱帯5がz2となる。
S11においては、この中から一の燃焼帯zi(ただしiは1以上Nz以下の整数)を、後に続く設定炉温軌道計算工程S12及び設定炉温軌道反映工程S13で着目する作業燃焼帯として選択する。作業燃焼帯を選択する方法は、後述する終了判断工程S14と組み合わせて漏れ及び重複が生じない方法を特に制限なく採用できる。例えば、iを1から順にNzまで1ずつ増加させる形態を挙げることができる。
設定炉温軌道計算工程S12(以下、単に「S12」ということがある。)は、S10を開始した時刻、すなわち炉温設定モデル起動時の時刻t0(以下において、「初期時刻t0」又は単に「t0」ということがある。)において、上記S11で選択した作業燃焼帯ziの内部に存在する各スラブおよび前記作業燃焼帯に導入される直前のスラブの作業燃焼帯ziからの予想抽出温度が、作業燃焼帯ziからの該各スラブの目標抽出温度以上となるような、作業燃焼帯ziの設定炉温軌道を計算する工程である。以下にその詳細を説明する。なお、ある変数tの関数F(t)及びtの条件式Φ(t)について、F(t|Φ(t))とは、F(t)においてtに条件式Φ(t)を課していることを意味するものとする。
第1計算工程S121は、初期時刻t0において燃焼帯ziの中に存在するスラブのうち、燃焼帯ziから1番目に抽出される最先スラブs1の燃焼帯ziからの予想抽出温度Tslb[s1](t|t=textslb[s1])が目標抽出温度TL extslb[s1]以上となるような、初期時刻t0から最先スラブs1の予定抽出時刻textslb[s1]までの時間区間に係る燃焼帯ziの設定炉温軌道Tfur[zi](t|t0<t≦textslb[s1])を計算する工程である。ただし初期時刻t0においては、初期時刻の設定炉温Tfur[zi](t0)を前提とする。第1計算工程S121においては、ステップSS1においてjに1を代入し、ステップSS2においてTfur[zi](t|t0<t≦textslb[sj])を計算する。
ステップSS1においてjに1が代入される。これによりsjが最先スラブs1を意味することになる。
ステップSS2において上記の目標抽出温度の条件、すなわち下記式(1)
上記式(2)〜(4)を陽解法、陰解法、クランク−ニコルソン法といった差分法等の公知の数値解法を用いて解くことにより、燃焼帯ziの炉温を初期温度Tfur[zi](t0)のまま維持した場合の最先スラブs1の予想抽出温度T0 extslb[s1]を算出できる。
第2計算工程S122は、初期時刻t0において作業燃焼帯ziの内部に存在するスラブおよび作業燃焼帯ziに導入される直前のスラブs1、…、sNsのうち該燃焼帯ziから2番目以降に抽出される各スラブsj(ただしjは2以上Ns以下の整数)の燃焼帯ziからの予想抽出温度Tslb[sj](t|t=textslb[sj])がそれぞれ該各スラブsjの目標抽出温度TL extslb[sj]以上となるような、燃焼帯ziの設定炉温軌道Tfur[zi](t|t0<t≦textslb[sNs])を計算する工程である。図4に示すように、第2計算工程S122は、ステップSS3〜SS8を有する。
ステップSS3は、jを1増加させることにより、着目するスラブを1つ後ろのスラブにする工程である。例えばステップSS3の直前がステップSS2であった場合には、ステップSS3を経ることによりj=2となり、着目するスラブがs1からs2に移る。
ステップSS4は、後述するステップSS5で用いる整数kを0に初期化する工程である。ステップSS4を経ることにより、スラブsj−kはスラブsjに一致し、スラブsj−k−1はスラブsj−1すなわちスラブsjの一つ前の先スラブに一致する。
ステップSS5は、0以上j−1以下の整数kによって定まるsj−k、…、sjの各スラブについて、初期時刻t0からスラブsj−k−1の予定抽出時刻textslb[sj−k−1]までの時間区間t0<t≦textslb[sj−k−1]においては、最先スラブs1からスラブsj−k−1までの各スラブについて目標抽出温度を満足するように既に計算した設定炉温軌道Tfur[zi](t|t0<t≦textslb[sj−k−1])に従って加熱することを前提として、各スラブsj−k、…、sjの目標抽出温度TL extslb[sj−k]、…、TL extslb[sj]を満足する、すなわちj−k以上j以下の全ての整数pについてスラブspの予想抽出温度が下記式(7)の目標抽出温度条件:
ただし、j−k=1すなわちスラブsj−kが最先スラブs1と同一である場合には、既に計算した初期時刻t0以降の設定炉温軌道に従って加熱する時間を設けない前提で、j−k=1以上j以下の全ての整数pについてスラブspの予想抽出温度が上記式(7)の目標抽出温度条件を満足するような、t0<t≦textslb[sj]の時間区間に係る設定炉温軌道Tfur[zi](t|t0<t≦textslb[sj])を計算する。
ステップSS6は、上記ステップSS5で計算した設定炉温軌道Tfur[zi](t|textslb[sj−k−1]<t≦textslb[sj])が、燃焼帯ziの炉温設定に課せられた制約条件を満足するか否か判断する工程である。制約条件としては、連続式加熱炉10の仕様等に起因する制約条件、例えば設定炉温の上限値TH fur[zi]等を挙げることができる。
ステップSS7は、j=Nsか否か、すなわちスラブsjが燃焼帯ziの内部に存在するスラブおよび燃焼帯ziに導入される直前のスラブの中の最遅スラブsNsと同一であるか否かを判断する工程である。ステップSS7で肯定判断がなされた場合には、s1、…、sNsの全てのスラブについて目標抽出温度及び制約条件を満足する設定炉温軌道Tfur[zi](t|t0<t≦textslb[sNs])の計算が完了したことを意味するので、設定炉温軌道計算工程S12を終了する。ステップSS7で否定判断がなされた場合、すなわちj<Nsの場合には、まだ考慮すべきスラブが残っているので、ステップSS3に処理を移し、jを1増加させてステップSS4以降の処理を行う。
ステップSS8は、上記ステップSS6で否定判断がなされた場合に行われる工程である。ステップSS8では、kを1増加させた後、上記ステップSS5に処理を戻す。
上述したようにステップSS5は、「sj−k、…、sjの各スラブについて、時間区間t0<t≦textslb[sj−k−1]においては既に計算した設定炉温軌道Tfur[zi](t|t0<t≦textslb[sj−k−1])に従って加熱することを前提として、各スラブsj−k、…、sjの目標抽出温度TL extslb[sj−k]、…、TL extslb[sj]を満足する設定炉温軌道Tfur[zi](t|textslb[sj−k−1]<t≦textslb[sj])を計算する工程」である。
設定炉温軌道反映工程S13(以下において、単に「S13」ということがある。)は、上記S12で計算された設定炉温軌道Tfur[zi](t|t0<t≦textslb[sNs])のうち、初期時刻t0からスラブsNsの予定抽出時刻textslb[sNs]以前の任意の時刻までの時間区間に係る部分を、燃焼帯ziの実際の炉温設定に反映させるものとして採用する工程である。例えば、初期時刻t0から次回の制御周期開始時刻までの時間区間に係る部分を採用するものとすることができる。これは、一般的に制御周期の開始時刻(モデル起動時)において一の燃焼帯中に存在する全てのスラブが抽出されるまでに1時間〜3時間程度かかるのに対して、一の制御周期を開始してから次回の制御周期を開始(モデルを起動)可能になる時刻までは3分程度であり、一の制御周期で計算可能な設定炉温軌道の時間範囲に対し、制御周期(モデル起動周期)が短いためである。
終了判断工程S14(以下において、単に「S14」ということがある。)は、炉温軌道の設定が炉温設定を行うべき全ての燃焼帯z1、…、zNzについて完了したか否かを判断する工程である。S14で肯定判断がなされた場合には、炉温設定を行うべき全ての燃焼帯について炉温軌道の設定が完了しているので、炉温設定方法S10を終了する。S14で否定判断がなされた場合には、炉温設定を行うべき燃焼帯がまだ残っているので、処理がS11に戻され、まだ炉温を設定していない燃焼帯の中から新たな作業燃焼帯ziが選択された後、以降の工程S12、S13が行われ、再びS14に処理が戻ってくる。このようにして、工程S11〜S14により、炉温設定を行うべき全ての燃焼帯について炉温軌道の設定が完了する。
図7は、本発明の連続式加熱炉の炉温制御システム20(以下、単に「炉温制御システム20」ということがある。)を説明する図である。炉温制御システム20は、連続式加熱炉10(図2参照)が有する4つの燃焼帯の炉温を、上記炉温設定方法S10によって設定し、制御するシステムである。図7に示すように、炉温制御システム20は、制御手段11に、記憶手段12と、入力手段13と、出力手段14と、炉温測定手段15と、装入前スラブ温度測定手段16と、炉温調整手段17と、が接続されてなる。図7において、矢印は情報が流れる向きを表す。以下、各構成要素について順に説明する。
操作者及び/又は上位コンピュータは、入力手段13により、各スラブの目標抽出温度その他、炉温設定方法S10による炉温の設定に必要な情報を入力する。制御手段11は入力された情報を取得し、記憶手段12に格納する。
操作者及び/又は上位コンピュータは、入力手段13により設定炉温の更新開始を制御装置11に指示する。制御装置11は、装入前スラブ温度測定手段16により各スラブの装入前の温度情報を取得し、記憶手段12に格納する。制御装置11は、記憶手段12からアルゴリズムA1を読み込んで実行し、炉温設定方法S10による設定炉温軌道の更新を例えば制御周期3分毎に繰り返す。
図8は、本発明の連続式加熱炉30を説明する図である。連続式加熱炉30は、上記した炉温制御システム20を備える連続式加熱炉である。図8に示すように、連続式加熱炉30は、炉壁1によって炉外と隔てられかつ区分された予熱帯2、第1加熱帯3、第2加熱帯4、及び均熱帯5を有し、さらにスキッド6、スラブ装入口7、及びスラブ抽出口8を有する。予熱帯2、第1加熱帯3、第2加熱帯4、及び均熱帯5は、スラブ装入口7の側からスラブ抽出口8の側へ向けてこの順に並んでいる。スキッド6はスラブ装入口7からスラブ抽出口8まで、各燃焼帯に存在し、スキッド6の上をスラブ装入口7からスラブ抽出口8へ向けてスラブ9、9、…が移動する。スキッド6のうち、燃焼帯内部にある部分には不図示の冷却水路が設けられており、不図示のポンプによって冷却水が循環させられている。各燃焼帯はそれぞれバーナー21a、21b、21c、21dを一基ずつ備え、さらに炉温センサ15a〜15dが1つずつ配されている。また、スラブ装入口7の直前には装入前スラブ温度測定手段16が配されている。バーナー21a〜21dはそれぞれ、炉温制御システム20の炉温調整手段17(図7参照)に接続されており、各バーナーへの燃料及び燃焼用空気の供給流量は炉温調整手段17によって調整される。図8において、炉温センサ15a〜15d及び装入前スラブ温度測定手段16は炉温制御システム20の一部である。
本発明の金属材料の製造方法について説明する。図9は、熱延鋼板の製造方法S20(以下、単に「S20」ということがある。)を説明するフローチャートである。S20では、上記した連続式加熱炉30(図8参照)を用いてスラブを加熱した後、熱間圧延を行って熱延鋼板を製造する。図9に示すように、S20は、スラブ準備工程S21と、スラブ加熱工程S22と、熱間圧延工程S23とをこの順に有する。以下、順に説明する。
上述した連続式加熱炉の炉温設定方法S10に従い、炉温軌道の設定を行った。なお制御周期は3分とした。また、加熱するスラブの条件は、スラブ240個、第2加熱帯からの目標抽出温度1095℃〜1115℃(平均値1098℃、標準偏差7℃)、均熱帯からの目標抽出温度1095℃〜1115℃(平均値1098℃、標準偏差7℃)とし、これらのスラブデータは実際の操業におけるスラブ情報を基にしたものであり、装入順も参考にしたスラブデータの実際の装入順に基づくものである。
特許文献2に記載の炉温設定方法において、全スラブについて目標抽出温度を満足すべく各燃焼帯のスラブ設定炉温の最大値を採用するものとし、他の条件は上記本発明例と同様にして炉温設定を行った。
本発明例及び比較例における、第2加熱帯の設定炉温の推移のシミュレーション結果を図10に示す。また、本発明例及び比較例における、均熱帯の設定炉温の推移のシミュレーション結果を図11に示す。また、本発明及び比較例における、燃料消費量、及び、目標抽出温度に到達しなかったスラブの数を表1に示す。
2 予熱帯
3 第1加熱帯
4 第2加熱帯
5 均熱帯
6 スキッド
7 スラブ装入口
8 スラブ抽出口
9 スラブ
10 連続式加熱炉
11 制御手段
12 記憶手段
13 入力手段
14 出力手段
15 炉温測定手段
15a、15b、15c、15d 炉温センサ
16 装入前スラブ温度測定手段
17 炉温調整手段
20 連続式加熱炉の炉温制御システム
21a、21b、21c、21d バーナー
30 連続式加熱炉
Claims (5)
- 所定の制御周期毎に少なくとも1の燃焼帯の温度を、該燃焼帯からの各スラブの目標抽出温度に基づいて設定する、連続式加熱炉の炉温設定方法であって、
温度設定を行う燃焼帯のうち1の燃焼帯を、作業燃焼帯として選択する、燃焼帯選択工程と、
初期時刻において前記作業燃焼帯の内部に存在する各スラブおよび前記作業燃焼帯に導入される直前のスラブの前記作業燃焼帯からの予想抽出温度が、前記作業燃焼帯からの前記各スラブの目標抽出温度以上となるような、前記作業燃焼帯の設定炉温軌道を計算する、設定炉温軌道計算工程と、
計算した前記作業燃焼帯の設定炉温軌道のうち、前記初期時刻から次回の制御周期開始時刻までの時間区間に係る部分を、前記作業燃焼帯の炉温設定に反映する、設定炉温軌道反映工程と、
を有し、
前記設定炉温軌道計算工程が、
前記初期時刻において前記作業燃焼帯の内部に存在するスラブおよび前記作業燃焼帯に導入される直前のスラブのうち、前記作業燃焼帯から1番目に抽出される最先スラブの前記作業燃焼帯からの予想抽出温度が目標抽出温度以上となるような、前記初期時刻から前記最先スラブの予定抽出時刻までの時間区間に係る前記作業燃焼帯の設定炉温軌道を計算する、第1計算工程と、
前記初期時刻において前記作業燃焼帯の内部に存在するスラブおよび前記作業燃焼帯に導入される直前のスラブのうち前記作業燃焼帯から2番目以降に抽出される各スラブの前記作業燃焼帯からの予想抽出温度がそれぞれ該各スラブの目標抽出温度以上となるような、前記作業燃焼帯の設定炉温軌道を計算する、第2計算工程と、
を有し、
前記第2計算工程において、前記初期時刻において前記作業燃焼帯の内部に存在するスラブおよび前記作業燃焼帯に導入される直前のスラブの個数をNs個とし、jを2以上Ns以下の整数とするとき、前記作業燃焼帯からj番目に抽出される第jスラブについて、
前記初期時刻から、前記第jスラブの一つ前に抽出される第j−1スラブの予定抽出時刻までは、前記最先スラブから前記第j−1スラブまでの各スラブの目標抽出温度を満足するように既に計算した設定炉温軌道に従って加熱することを前提として、前記第jスラブの目標抽出温度を満足するような、前記第j−1スラブの予定抽出時刻から前記第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間に係る設定炉温軌道を計算し、
計算した設定炉温軌道が前記作業燃焼帯の炉温設定の制約条件を満足しない場合に、kを1以上j−1以下のいずれかの整数として、前記作業燃焼帯からj−k番目に抽出される第j−kスラブから前記第jスラブまでの各スラブの前記作業燃焼帯からの予想抽出温度がそれぞれ該各スラブの目標抽出温度を満足するような、下記(A)又は(B)の時間区間:
(A)前記第j−kスラブが前記最先スラブと同一である場合には、前記初期時刻から前記第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間;
(B)前記第j−kスラブが前記最先スラブと同一でない場合には、前記第j−kスラブの一つ前の第j−k−1スラブの予定抽出時刻から前記第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間、
に係る設定炉温軌道を、下記(C)又は(D)の条件:
(C)前記(A)の場合には、既に計算した前記初期時刻以降の設定炉温軌道に従って加熱する時間を設けない条件;
(D)前記(B)の場合には、前記初期時刻から前記第j−k−1スラブの予定抽出時刻までは、前記最先スラブから前記第j−k−1スラブまでの各スラブの目標抽出温度を満足するように既に計算した設定炉温軌道に従って加熱する条件、
に基づいて計算し、
前記第2計算工程において、前記作業燃焼帯の炉温設定の制約条件を満足する設定炉温軌道が得られるまで、前記kの値を1から順に増加させながら計算を繰り返すことを特徴とする、連続式加熱炉の炉温設定方法。 - 連続式加熱炉の炉温制御システムであって、
前記連続式加熱炉の炉温を設定するためのアルゴリズムを格納する、記憶手段と、
前記記憶手段から前記アルゴリズムを読み込んで実行する、制御手段と、
前記連続式加熱炉の各燃焼帯の炉温を測定する、炉温測定手段と、
前記連続式加熱炉に装入する前の各スラブの温度を測定する、装入前スラブ温度測定手段と、
前記連続式加熱炉の各燃焼帯のバーナーが接続され、前記制御装置によって決定される設定炉温軌道に合わせて、前記バーナーのそれぞれの燃焼量を調整する、炉温調整手段と
を有し、
前記アルゴリズムは、所定の制御周期毎に少なくとも1の燃焼帯の温度を、該燃焼帯からの各スラブの目標抽出温度に基づいて設定する、連続式加熱炉の炉温設定アルゴリズムであって、
温度設定を行う燃焼帯のうち1の燃焼帯を、作業燃焼帯として選択する、燃焼帯選択工程と、
初期時刻において前記作業燃焼帯の内部に存在する各スラブおよび前記作業燃焼帯に導入される直前のスラブの前記作業燃焼帯からの予想抽出温度が、前記作業燃焼帯からの前記各スラブの目標抽出温度以上となるような、前記作業燃焼帯の設定炉温軌道を計算する、設定炉温軌道計算工程と、
計算した前記作業燃焼帯の設定炉温軌道のうち、前記初期時刻から次回の制御周期開始時刻までの時間区間に係る部分を、前記作業燃焼帯の炉温設定に反映する、設定炉温軌道反映工程と、
を有し、
前記設定炉温軌道計算工程が、
前記初期時刻において前記作業燃焼帯の内部に存在するスラブおよび前記作業燃焼帯に導入される直前のスラブのうち、前記作業燃焼帯から1番目に抽出される最先スラブの前記作業燃焼帯からの予想抽出温度が目標抽出温度以上となるような、前記初期時刻から前記最先スラブの予定抽出時刻までの時間区間に係る前記作業燃焼帯の設定炉温軌道を計算する、第1計算工程と、
前記初期時刻において前記作業燃焼帯の内部に存在するスラブおよび前記作業燃焼帯に導入される直前のスラブのうち前記作業燃焼帯から2番目以降に抽出される各スラブの前記作業燃焼帯からの予想抽出温度がそれぞれ該各スラブの目標抽出温度以上となるような、前記作業燃焼帯の設定炉温軌道を計算する、第2計算工程と、
を有し、
前記第2計算工程において、前記初期時刻において前記作業燃焼帯の内部に存在するスラブおよび前記作業燃焼帯に導入される直前のスラブの個数をNs個とし、jを2以上Ns以下の整数とするとき、前記作業燃焼帯からj番目に抽出される第jスラブについて、
前記初期時刻から、前記第jスラブの一つ前に抽出される第j−1スラブの予定抽出時刻までは、前記最先スラブから前記第j−1スラブまでの各スラブの目標抽出温度を満足するように既に計算した設定炉温軌道に従って加熱することを前提として、前記第jスラブの目標抽出温度を満足するような、前記第j−1スラブの予定抽出時刻から前記第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間に係る設定炉温軌道を計算し、
計算した設定炉温軌道が前記作業燃焼帯の炉温設定の制約条件を満足しない場合に、kを1以上j−1以下のいずれかの整数として、前記作業燃焼帯からj−k番目に抽出される第j−kスラブから前記第jスラブまでの各スラブの前記作業燃焼帯からの予想抽出温度がそれぞれ該各スラブの目標抽出温度を満足するような、下記(A)又は(B)の時間区間:
(A)前記第j−kスラブが前記最先スラブと同一である場合には、前記初期時刻から前記第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間;
(B)前記第j−kスラブが前記最先スラブと同一でない場合には、前記第j−kスラブの一つ前の第j−k−1スラブの予定抽出時刻から前記第jスラブの予定抽出時刻までの時間区間、
に係る設定炉温軌道を、下記(C)又は(D)の条件:
(C)前記(A)の場合には、既に計算した前記初期時刻以降の設定炉温軌道に従って加熱する時間を設けない条件;
(D)前記(B)の場合には、前記初期時刻から前記第j−k−1スラブの予定抽出時刻までは、前記最先スラブから前記第j−k−1スラブまでの各スラブの目標抽出温度を満足するように既に計算した設定炉温軌道に従って加熱する条件、
に基づいて計算し、
前記第2計算工程において、前記作業燃焼帯の炉温設定の制約条件を満足する設定炉温軌道が得られるまで、前記kの値を1から順に増加させながら計算を繰り返すアルゴリズムであることを特徴とする、連続式加熱炉の炉温制御システム。 - 請求項2に記載の連続式加熱炉の炉温制御システムを備えることを特徴とする、連続式加熱炉。
- 請求項1に記載の連続式加熱炉の炉温設定方法によって、連続式加熱炉の炉温を設定する工程と、
前記連続式加熱炉を用いて金属材料を加熱する工程と、
を有することを特徴とする、金属材料の製造方法。 - 請求項3に記載の連続式加熱炉を用いて金属材料を加熱する工程を有することを特徴とする、金属材料の製造方法。
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