JP2005338612A - ピアノの打弦装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウェイトレバーから鍵に荷重をかけることにより鍵の静荷重を調整可能なピアノの打弦装置において、アップライトピアノに適用した場合に得られるタッチ感をグランドピアノに一層近づけること。
【解決手段】 打弦装置101は、鍵3の上面にネジ止めされた板バネ105を備え、ウェイトレバー21から加わる荷重をその板バネ105を介して受けている。ウェイトレバー21は、鍵3が演奏者によって押鍵されると、鍵3の奥側部分が上昇するが、板バネ105は撓みながらこの上昇をウェイトレバー21に伝達するため、ウェイトレバー21は押鍵動作よりも少し遅れながら回転軸19を軸にして回転する。このため、ウェイトレバー21からの荷重が押鍵動作よりも少し遅れて加わるので、荷重の立ち上がりを滑らかにして、タッチ感をグランドピアノに一層近づけることができる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、鍵を操作するとき鍵の演奏側先端にかかる静荷重を調整することができるピアノの打弦装置に関する。
図14は、鍵510、伝達部520、及び、ハンマー部530からなるピアノの打弦装置500を表す側面図である。従来は、図14に示すように、鍵510押下時の鍵510の演奏側先端511にかかる静荷重を調整するため、鍵510の演奏側先端511の側面512に孔を設け、その孔に錘となる鉛515を埋設していた。そして、音のイメージに合わせ、低音側から高音側に向かって徐々に鍵510の静荷重が軽くなるように、鉛515の重さを調整していた。
この静荷重は、ピアノの演奏者に鍵510のタッチ感として感じられ、この調整如何でピアノの良否が決定される重要なパラメータの一つであり、演奏者の技量や好みに応じて慎重に調整されるべきものである。
通常、低音側の弦は高音側の弦に比べて太いため、低音側の弦を叩くハンマー531は、高音側のハンマー531よりも大きくて重いものが用いられる。そのため、静荷重は鉛515を取り付けない状態でも低音側が重いが、その状態のままでは叩く弦の本数の違う鍵510が隣り合う部分などでは、他の部分に比べて隣り合う鍵510間の静荷重の差が特に大きいといった問題がある。
静荷重の調整は、これらの様々な要因を考慮して、静荷重が高音側から低音側に向かって適正な範囲内で自然に増えるよう、鉛515の重さを選定して各鍵510に鉛515を作製し、各鉛515を各鍵510に取り付けることによって行われる(例えば、特許文献1参照)。
また、本願出願人は、次のようなウェイトレバーを設けることで、上記静荷重の調整を容易にすることも提案している(例えば、特許文献2参照)。すなわち、ピアノの鍵の演奏側とは反対側上部において鍵の長さ方向に沿って配置されると共に、一端がピアノ本体に上下方向に揺動自在に固定され、上下方向に変位可能な開放端側が自重で鍵の上面に接触して鍵に荷重をかけるように構成された、長尺状のウェイトレバーを鍵毎に備えるのである。
この場合、ウェイトレバーが鍵に荷重をかけているため、ウェイトレバーの重量を変更すれば鍵の静荷重を調整することができる。しかも、ウェイトレバーは鍵の上部に設置されているため、従来のような鍵に埋設された鉛を交換する場合と比べ、容易にウェイトレバーの重量を変更することができて鍵の静荷重を調整することができる。
また、この構成をアップライトピアノに適用した場合、グランドピアノに近いタッチ感が得られるといった効果も生じる。なぜなら、ウェイトレバーの運動はグランドピアノのハンマー部の運動に似ているからである。
実公昭53−23219号公報 特開2003−216143号公報
ところが、グランドピアノではハンマー部の荷重が種々の機構を介して鍵の静荷重として加えられるのに対し、特許文献2の装置ではウェイトレバーの荷重が鍵に直接加わる。このため、特許文献2の装置では、演奏者が健を押し始めた直後の荷重の立ち上がりがグランドピアノに比べて急になるなど、タッチ感をグランドピアノに近づけるためには未だ改善の余地があった。そこで、本発明は、ウェイトレバーから鍵に荷重をかけることにより鍵の静荷重を調整可能なピアノの打弦装置において、アップライトピアノに適用した場合に得られるタッチ感をグランドピアノに一層近づけることを目的としてなされた。
上記目的を達するためになされた本発明は、ピアノの鍵の演奏側とは反対側上部において鍵の長さ方向に沿って配置されると共に、一端がピアノ本体に上下方向に揺動自在に固定され、上下方向に変位可能な開放端側が自重で鍵の上面に荷重を加えるように構成された長尺状のウェイトレバーと、上記鍵の上面に固定され、上記ウェイトレバーから加わる荷重を受ける弾性部材と、を鍵毎に備えたことを特徴とするピアノの打弦装置を要旨としている。
このように構成された本発明では、鍵毎にその上面には弾性部材が固定され、その弾性部材が上記ウェイトレバーから加わる荷重を受ける。このため、押鍵時に弾性部材が変形することによって、ウエイトレバーからの荷重は押鍵動作よりも少し遅れて鍵に加わり、荷重の立ち上がりが滑らかになる。従って、本発明をアップライトピアノに適用した場合、得られるタッチ感をグランドピアノに一層近づけることができる。また、本発明では、弾性部材の弾性係数を変えることによっても、タッチ感を調整することができる。
一方、本発明は、ピアノの鍵の演奏側とは反対側上部において鍵の長さ方向に沿って配置されると共に、一端がピアノ本体に上下方向に揺動自在に固定され、上下方向に変位可能な開放端側が自重で鍵の上面に接触して健に荷重を加えるように構成された長尺状のウェイトレバーと、該ウェイトレバーの上記開放端上方に、弾性部材を介して支持された補助ウェイトと、を鍵毎に備えたことを特徴とするピアノの打弦装置であってもよい。
この場合、ウェイトレバー自身からの荷重は鍵に直接加わるが、補助ウェイトからの荷重は弾性部材を介して鍵に加わる。このため、押鍵時に弾性部材が変形することによって、補助ウエイトからの荷重は押鍵動作よりも少し遅れて鍵に加わり、荷重の立ち上がりが滑らかになる。従って、本発明をアップライトピアノに適用した場合も、得られるタッチ感をグランドピアノに一層近づけることができる。また、本発明では、弾性部材の弾性係数を変えることによっても、タッチ感を調整することができる。
なお、上記各発明において、上記弾性部材の弾性係数は、一回の押鍵動作中、上記弾性部材が単調に変形するように設定されるのが望ましい。こうすることにより、押鍵動作の途中で弾性部材が反発することがなく、前述のように荷重の立ち上がりを遅らせる効果を安定して発揮することができる。従って、この場合、得られるタッチ感をグランドピアノに一層良好に近づけることができる。
更に、上記各発明において、上記ウェイトレバーの上部で複数のウェイトレバーを跨ぐようにピアノ本体に固定され、該複数のウェイトレバーの上方向への揺動を規制する長尺状のストッパーレールを備えた場合、次のような更なる効果が生じる。
鍵の上部にウェイトレバーを単に設置するだけでは、演奏者が鍵を強く押した際にウェイトレバーが大きく跳ね上がって再び鍵に接触する状態に戻るまでに時間を要し、演奏者に違和感を感じさせる虞がある。そこで、このようにストッパーレールを備えると、ウェイトレバーが再び鍵に接触する状態に戻るまでの時間を、ストッパーレールの設置位置によって適切に設定することができ、演奏者に良好なタッチ感を与えることができる。また、鍵の上面に固定され、ウェイトレバーから加わる荷重を受ける弾性部材を備えた上記構成と、このストッパーレールの構成とを組み合わせて採用した場合、大きく跳ね上げられたウェイトレバーが弾性部材上でバウンドするのを防止するといった効果も生じる。
また更に、上記各発明において、上記ウェイトレバーを鍵の長さ方向に移動させる移動手段を備えた場合、その移動手段を用いてウェイトレバーを鍵に対して移動させることにより、静荷重を調整することが可能となる。
なぜウェイトレバーを鍵に対して移動させることにより静荷重の調整が可能かというと、ウェイトレバーを移動させることにより、鍵がウェイトレバーから受ける荷重の作用点と鍵の支点(つまり筬中との接触位置)との距離が変化するためである。このようになっていれば、ウェイトレバーを取り替えずに静荷重の調整が行えるため、静荷重の調整作業が容易化する。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。先ず、本発明の実施形態を理解する上で参考となる参考形態について説明する。
[第1参考形態]
図1は、第1参考形態としてのアップライトピアノの打弦装置1を表す側面図である。図1に示すように、打弦装置1は、主に、鍵3、伝達部5(一部図示)及びハンマー部(図示せず)からなり、演奏者の押鍵動作による鍵3の動きを、ハンマー部が弦(図示せず)を打弦する打弦運動に変える働きをする。
このうち、鍵3は、ピアノ1台あたり88鍵設置され、筬中7を支点に揺動できるように設置される。この鍵3は押鍵されると鍵3の演奏者側の反対側が上昇して、その押鍵動作を伝達部5に伝達する。具体的には押鍵動作は、鍵3の演奏者側と反対側先端に設けられたキャプスタンワイヤー9の先のキャプスタンボタン11を介して伝達部5に伝達され、そして更にハンマー部に伝達される。以下、鍵3の演奏者側(図1左側)を手前側、その反対側(図1右側)を奥側と言う。
鍵3の奥側の上部には、複数の鍵3を跨ぐように長尺状のストッパーレール13が設けられており、両端をブラケット15(図2参照)によってピアノ本体に固定されている。そして、ストッパーレール13の奥側には、鍵3毎に上下方向に長いフレンジ17が上部をネジ止めされて固定されている。更に、そのフレンジ17の下部に設けられた回転軸19にウェイトレバー21が回転自在に取り付けられている。なお、ウェイトレバー21は、鍵3と平行に、回転軸19が奥側になり手前側が揺動するように取り付けられている。
ウェイトレバー21の上面には、ウェイトレバー21がストッパーレール13と接触した際に発生する音を軽減させるためのフェルト23が設けられている。一方、ウェイトレバー21の下面の手前側には鍵3に接触する接触部25が設けられている。また、接触部25が接触する鍵3の上面にも、接触時の音を軽減するためのフェルト27が設けられている。また、ウェイトレバー21の側面にはウェイトレバー21の重量を調整するために鉛からなる錘29が埋め込まれている。
ウェイトレバー21の奥側の下には、複数のウェイトレバー21を持ち上げるための、内部が空洞になった長尺状のリフティングレール31が設けられている。
図2は、リフティングレール31の近傍を示す斜視図である。図2に示すように、リフティングレール31は、鍵3の配列方向と同方向に設けられたリフティングレバー32によって両端及び中間数カ所を固定されている。なお、リフティングレバー32は、ウェイトレバー21と同様にストッパーレール13にフレンジ17を介して揺動可能に固定されている。リフティングレール31の上面には、ウェイトレバー21と接触する時の衝撃を和らげるために、フェルト33が設けられている。また、リフティングレール31の一端下部には、棚板34(図1参照)を貫通して下方から上方に延びる突揚棒35が設けられている。
突揚棒35の上端にはリフティングレール31と接触した時の衝撃を和らげるため、ゴムキャップ37が取り付けられ、その中心部には更に突出する形で金属製のピン39が設けられている。一方、リフティングレール31側には、そのピン39をガイドするための孔31aが設けられている。
図1に戻り、突揚棒35の下端には、L字状の形状をし、一端側で突揚棒35を支持できるようになったL字金具41が設けられ、L字金具41はその角部を軸に回転できるようになっている。L字金具41の他端には、ワイヤー(図示せず)が取り付けられ、ワイヤーの先にはハンドル(図示せず)が設けられていて、このハンドルは手前側に引いたり、奥側に戻したりすることができ、固定装置(図示せず)によってそれぞれの状態で固定することができるようになっている。
このように構成された打弦装置1は、次のように動作する。
演奏者によって鍵3が押鍵されると、鍵3の奥側が上昇し、先端に設けられたキャプスタンワイヤー9と共にその先のキャプスタンボタン11が上昇して、鍵3の運動が伝達部5に伝達される。それと共に、鍵3が、ウェイトレバー21の接触部25を介して、ウェイトレバー21を上方に持ち上げる。この結果、ウェイトレバー21は、回転軸19を軸にして矢印Aの方向に回転し、ストッパーレール13に当たるまで回転運動をする。そして、ウェイトレバー21はストッパーレール13に当たると一旦回転運動を止め、その後、ウェイトレバー21は重力に引かれて矢印Aの方向とは逆方向に、回転軸19を軸にして接触部25が鍵3に接触するまで回転運動をする。
また、前述の図示しないハンドルを手前側に引くことにより、L字金具41が矢印Bの方向に回転して突揚棒35を上方に押し上げ、リフティングレール31が上方に移動してウェイトレバー21を持ち上げる。その結果、鍵3を押しても鍵3がウェイトレバー21の接触部25に接触しなくなる。
逆に、ハンドルを奥側に戻すことにより、L字金具41が矢印Bの方向とは逆方向に回転して突揚棒35を下方に下げ、リフティングレール31とウェイトレバー21が下方に下がる。その結果、ウェイトレバー21が鍵3に接触することになり、鍵3に荷重がかかる。以下、この状態のリフティングレール31の位置を通常位置と言う。
このように構成された打弦装置1においては、ウェイトレバー21は、打弦装置1全体を分解することなく、それ単体、またはフレンジ17と共に容易に交換することができ、鍵3にかかる静荷重を調整することができる。また、押鍵開始時はウェイトレバー21によって鍵3に荷重がかかっているが、鍵3を押し切って鍵3の運動が一旦停止すると、ウェイトレバー21は鍵3から離れてストッパーレール13に当たるまで単独で運動する。従って、ウェイトレバー21の運動は、グランドピアノのハンマー部の運動に似ており、グランドピアノに近いタッチ感が得られる。
また、前述の図示しないハンドルを引き、通常位置にあるリフティングレール31をウェイトレバー21が鍵3に対して接触しない退避位置まで上昇させると、鍵3にウェイトレバー21による荷重がかからない状態が作れ、反対に、待避位置にあるリフティングレール31をウェイトレバー21が鍵3に接触する通常位置まで下降させると、鍵3にウェイトレバー21による荷重がかかる状態を作ることができる。すなわち、ウェイトレバーを交換することなく、鍵3にかかる静荷重を2段階に切り替えることができるピアノを提供できる。そして、リフティングレール31を上下させる切り替え操作は、ピアノの外部に設けられたハンドルを操作することにより行えるため、ピアノの外板をはずす必要がなく、外部から鍵3にかかる静荷重の切り替え操作ができて使い勝手が良い。
[第2参考形態]
次に第2参考形態について説明する。以下、第1参考形態との相違点を中心に説明する。
図3は、第2参考形態としてのグランドピアノの打弦装置51を表す側面図である。図1と同一部分については、同一符号を付すことにより説明を省く。
図3に示すように、打弦装置51は、主に、鍵3、伝達部5(一部図示)及びハンマー部(図示せず)からなり、演奏者の押鍵動作による鍵3の動きを、ハンマー部が弦(図示せず)を打弦する打弦運動に変える働きをする。
このうち、鍵3は、ピアノ1台あたり88鍵設置され、筬中7を支点に揺動できるように設置される。この鍵3は手前側(図3右側)を押鍵すると鍵3の奥側(図3左側)が上昇して、その押鍵動作を伝達部5に伝達する。具体的には、押鍵動作は、鍵3の奥側に設けられたキャプスタンスクリュー47を介して伝達部5に伝達され、伝達部5を介してハンマー部に伝達される。
ストッパーレール13は、筬中7の上方に位置するようピアノ本体に固定される。そして、ストッパーレール13の手前側にフレンジ17が取り付けられ、そのフレンジ17の回転軸19にウェイトレバー21が揺動可動に取り付けられる。つまり、ウェイトレバー21は、奥側が揺動するように取り付けられる。
ウェイトレバー21の奥側の下部には、更に奥側に延びる延長ロッド43と、その先端にローラ45が設けられ、鍵3の上面を転がるようになっている。そしてそのローラ45が接する鍵3の上面には、ローラ45と鍵3とが接触した時に音を出難くするためのフェルト49が設けられている。
リフティングレール31は第1参考形態と異なり、ウェイトレバー21の手前側の下部に設けられる。また、突揚棒35とL字金具41が設けられ、L字金具41の突揚棒35とは反対側一端には、図示しないワイヤーが取り付けられる。そして、そのワイヤーの先には図示しないハンドルが設けられている。
このように構成された打弦装置51は、次のように動作する。
演奏者によって鍵3が押鍵されると、鍵3の奥側が上昇し、キャプスタンスクリュー47を介して、鍵3の運動が伝達部5に伝達される。それと共に、鍵3がローラ45と延長ロッド43を介して、ウェイトレバー21を上方に持ち上げる。この結果、ウェイトレバー21は、回転軸19を軸にして矢印Cの方向に回転し、ストッパーレール13に当たるまで回転運動をする。そして、ウェイトレバー21はストッパーレール13に当たると一旦回転運動を止め、その後、重力に引かれて矢印Cの方向とは逆方向に、回転軸19を軸にしてローラ45が鍵3に接触するまで回転運動をする。
また、前述の図示しないハンドルを手前側に引くことにより、L字金具41が矢印Dの方向に回転して突揚棒35を上方に押し上げ、リフティングレール31が上方に移動してウェイトレバー21を持ち上げる。その結果、鍵3を押しても鍵3がローラ45に接触しなくなる。
逆に、ハンドルを奥側に戻すことにより、L字金具41が矢印Dの方向とは逆方向に回転して突揚棒35を下方に下げ、リフティングレール31とウェイトレバー21が下方に下がる。その結果、ローラ45が鍵3に接触してウェイトレバー21の荷重が鍵3にかかるようになる。
このように構成された打弦装置51においても、第1参考形態と同様の作用及び効果が得られ、ウェイトレバー21の奥側下部には、奥側に延びる延長ロッド43が設けられているので、ウェイトレバー21が鍵の支点(筬中7)に近い場合でも、効果的に鍵3に荷重をかけることができる。更に、延長ロッド43の先端部分、すなわち、鍵3と接触する部位にはローラ45が設けられているので、ウェイトレバー21の回転軸19と、鍵3の回転中心(すなわち筬中7)とをどのような位置関係に配置しても、鍵3がスムーズに動作し、良好なタッチ感を得ることができる。
[第3参考形態]
次に第3参考形態について説明する。以下、第1参考形態との相違点を中心に説明する。
図4は、第3参考形態としてのアップライトピアノの打弦装置71を表す側面図である。図1と同一部分については、同一符号を付すことにより説明を省く。図4に示すように、打弦装置71のウェイトレバー21は、第1参考形態の打弦装置1のウェイトレバー21(図1参照)とは設置方向が異なる。打弦装置71のウェイトレバー21は、奥側(図4の左側)に延出して配置され、回転軸19を軸にして揺動するようになっている。そして、その配置に合わせてストッパーレール13等も設置されている。なお、第1参考形態の打弦装置1のウェイトレバー21の下面には接触部25(図1参照)が設けられていたが、本第3参考形態のウェイトレバー21には、接触音を軽減するためのフェルト89が下面に設けられている。なお、フェルト89の代わりにクロスやゴムであってもよい。そして、ウェイトレバー21は、その直下の鍵3の上面に設けられたレバー受けスクリュー85によって支持されるようになっている。このレバー受けスクリュー85は、鍵3に対してねじ込んだりゆるめたりすることによって高さを調整することができるようになっている。また、レバー受けスクリュー85のウェイトレバー21との接触部は丸みをおびた形状となっている。なお、本第3参考形態では、ウェイトレバー21にフェルト89が設けられているが、レバー受けスクリュー85のウェイトレバー21との接触部に接触音防止のためのフェルトを設けるようにしてもよい。
ストッパーレール13は、板状のレール支持部材73によって両端及び中間部分(ブレイク部分)が支持されている。そして、レール支持部材73はそれぞれスライドレール75の上レール75aに固定されている。このように複数存在するスライドレール75は各々が類似の形状を有しているため、以下はその1つについて説明する。
スライドレール75は、棚板34の上に鍵3に平行に、上述したレール支持部材73の下に設置されている。スライドレール75は、上レール75aと下レール75bとによって構成され、そのうち下レール75bの方はピアノ本体に固定されている。また、下レール75bと上レール75aの間には両者の摩擦を低減されるためのベアリング(図示せず)が設けられており、上レール75aは下レール75bの上を、奥側と手前側(図4の右側)との間を自在にスライドできるようになっている。そして、上レール75aのスライドに伴って上レール75aに固定されているレール支持部材73も奥側と手前側との間を移動し、この移動に伴ってストッパーレール13及びストッパーレール13に取り付けられているフレンジ17及びウェイトレバー21等も移動する。また、複数存在するスライドレール75のうちの最も外側に設置されたスライドレール75の上レール75aの手前側先端にはフレンジ77が設けられており、フレンジ77に設けられたアームピン79が、後述するアーム81から与えられる上レール75aのスライド方向以外の力を逃がし、アーム81と上レール75aとを連動させる役目を担っている。
アーム81は、複数存在するスライドレール75のうちの最も外側に設置されたスライドレール75の上レール75aにのみ取り付けられている。すなわち、アーム81は2本存在する。アーム81のそれぞれの一端は、棚板34の下面に設けられた取り付け部83において連結シャフト87を中心にして回転可能に取り付けられている。その結果、2本のアーム81は連結シャフト87を介して連動する。一方、アーム81の他端は棚板34の下部から棚板34を突き抜けて鍵3まで延びている。なお、2本のアーム81のうち一方は、更にケース部材を貫通してピアノの外側にまで突出しており、演奏者がピアノを開けることなくアーム81を操作できるようになっている。
このように構成された打弦装置71は、次のように動作する。
演奏者がアーム81を矢印Eの方向に回転させると、上レール75aが奥側にスライドし、そのスライドに伴ってレール支持部材73、ストッパーレール13、フレンジ17及びウェイトレバー21が奥側(矢印Fに示す方向)に移動する。また、演奏者がアーム81を矢印Eと逆方向に回転させると、上レール75aが手前側にスライドし、そのスライドに伴ってレール支持部材73、ストッパーレール13、フレンジ17及びウェイトレバー21が手前側(矢印Fに示す方向と反対方向)に移動する。
このように、演奏者がアーム81を操作することによってウェイトレバー21等の位置を変更させることができ、それに伴ってウェイトレバー21の作用点が移動する。その結果、鍵3にかかる静荷重を連続的に調整することができる。
また、2本のアーム81は連動するよう構成されているため、そのうち一方をピアノの外側から操作するだけで全てのウェイトレバー21を均一に移動させることが可能である。
次に、鍵3を上方から見た図を用いてウェイトレバー21とレバー受けスクリュー85との関係を説明する。図5は低音側の鍵3、ウェイトレバー21及びレバー受けスクリュー85を一組だけ抜き出したものを上方から見た図であり、図5(a)はウェイトレバー21が手前側にある場合、図5(b)はウェイトレバー21が奥側にある場合を示した図である。鍵3は、低音側の鍵3であるため、中間部3bで屈折している。なお、図示しないが、高音側の鍵3は、図5とは逆側に屈折している。
図5から分かるように、ウェイトレバー21を鍵3の演奏部分3aと平行に移動させても、レバー受けスクリュー85によってウェイトレバー21を支持することができる。これが、第1参考形態の打弦装置1のように、ウェイトレバー21の揺動側先端に接触部25が設けられていると、ウェイトレバー21を鍵3の演奏側と平行に移動させた際に、接触部25が鍵3の上面から外れてしまう可能性がある。
従って、本第3参考形態のようにレバー受けスクリュー85を鍵3に設けることによって、ウェイトレバー21を鍵3の演奏部分3aと平行に移動させてもよく、鍵3の奥側部分3cと平行に移動させなくてもよい。そのため、低音側の鍵3と高音側の鍵3とでウェイトレバー21の移動方向を変えるといった複雑な仕組みを用意する必要がない。
また、本第3参考形態のウェイトレバー21は、第1参考形態のウェイトレバー21とは設置方向、すなわち揺動する側が逆である。この結果、第1参考形態の打弦装置1と比較して本第3参考形態の打弦装置71は、鍵3が押下されたときにウェイトレバー21と鍵3との間に生じる摩擦力が大きい。以下、その理由を説明する。
図1に示すように、押鍵された際、第1参考形態のウェイトレバー21の接触部25は円弧イに沿った動きをし、接触部25に接触する鍵3の部位は円弧ロに沿った動きをする。このように円弧イと円弧ロとはほぼ正接状態であるため両円弧の接点付近では、接触部25とその接触部25に接触する鍵3の部位は、運動軌跡にあまり差がない。
一方、本第3参考形態では、図4に示すように、レバー受けスクリュー85は円弧ニに沿った動きをし、レバー受けスクリュー85に接触するウェイトレバー21の部位は円弧ハに沿った動きをする。このため、両円弧の交点付近であっても、レバー受けスクリュー85とそのレバー受けスクリュー85に接触するウェイトレバー21の部位は、運動軌跡が大きく異なる。
従って、第1参考形態の打弦装置1に比べて本第3参考形態の打弦装置71の方が、ウェイトレバー21と鍵3(正確にはレバー受けスクリュー85)との間に生じる摩擦力が大きい。このため、第3参考形態のようにウェイトレバー21を配置すれば、ウェイトレバー21の重さ以上に静荷重を増やすことができる。
[第4参考形態]
次に第4参考形態について説明する。以下、第3参考形態との相違点を中心に説明する。
図6は、第4参考形態としての打弦装置91のうちウェイトレバー21の付近を表す側面図である。図4と同一部分については、同一符号を付すことにより説明を省く。第4参考形態の打弦装置91と第3参考形態の打弦装置71との主な違いは、ストッパーレール13の代わりにウェイトレバー振れ防止レール93を設けた点である。
このウェイトレバー振れ防止レール93は、ウェイトレバー21の上部に位置し、複数の鍵3を跨ぐようにして両端をブラケット95によってピアノ本体にビスなどで高さ調整可能に固定されている。ウェイトレバー振れ防止レール93の断面形状は、略長方形状をしており、演奏者側と反対側(図6の左側)の下部は曲線となっている。つまり、ウェイトレバー振れ防止レール93の下面は、演奏者側と反対側方向に進むに連れて上方に反った形状をしている。なお、ウェイトレバー振れ防止レール93の下面全体には接触音を防止するためのフェルト97が設けられている。
また、ウェイトレバー21の演奏者側と反対側(図6の左側)の上部には、鉛からなる錘99が設けられている。ウェイトレバー21が回転軸19を軸にして揺動した際に、この錘99がウェイトレバー振れ防止レール93に接触するようになっている。
次に、このように構成された打弦装置91の動作について説明する。ウェイトレバー21は、鍵3が演奏者によって押鍵される前はレバー受けスクリュー85に接触しているが、鍵3が演奏者によって押鍵されると回転軸19を軸にしてウェイトレバー振れ防止レール93に接触するまで回転する。なお、第3参考形態の箇所で説明したように、図示しないアーム81を操作することによってウェイトレバー21の位置は変更することができる。ウェイトレバー21を演奏者から遠い位置に変更させた際の様子を表したものが図7である。図7は図6と同様に打弦装置91のウェイトレバー21の付近を表す側面図である。図6と同一部分については、同一符号を付すことにより説明を省く。
ウェイトレバー21が図6に示す位置(つまり演奏者に近い位置)にあるときは、鍵3が押鍵された際にウェイトレバー21はウェイトレバー振れ防止レール93の演奏者寄りの下面に接触する。一方、ウェイトレバー21を図7に示す位置(つまり演奏者から遠い位置)に変更すると、鍵3が押鍵された際にウェイトレバー21は演奏者から遠い位置のウェイトレバー振れ防止レール93の下面に接触する。図6及び図7から分かるように、図7の位置にあるウェイトレバー21は、図6の位置にあるウェイトレバー21に比べて押鍵時の回転角度が大きくなる。ウェイトレバー振れ防止レール93の下面は、演奏者側と反対側方向に進むに連れて上方に反った形状をしているので、ウェイトレバー21はその位置に関わらずほぼ同じタイミング(例えば、鍵3が押し切られた直後)でフェルト97に当たる。
また、図7の位置にあるウェイトレバー21は、レバー受けスクリュー85と接触する接触点と回転軸19との間の距離が図6の位置にあるウェイトレバー21に比べて短くなるため、鍵3の静荷重が増加する。このため、本参考形態の打弦装置91によれば、第3参考形態と同様のアーム81(図4参照)を操作してウェイトレバー21の位置を変更することによって、その変更に応じて鍵3の静荷重が曲線的に変化する。次にこの静荷重の変化の様子を図8のグラフを用いて説明する。
図8は、ウェイトレバー21の位置を位置a(演奏者に最も近い位置)から位置f(演奏者に最も遠い位置)まで変化させた際の、鍵3の静荷重をプロットしたグラフの一例である。なお、位置a,位置b,位置c,位置d,位置e,位置fの各間は、等間隔である。図8から分かるように、ウェイトレバー21の位置を位置aから位置cまで変化させたときの静荷重の増加量は緩やかであるが、位置dから位置fへと変化させるに連れて静荷重の増加量が急になる。
このように位置a〜位置cの間は位置d〜位置fの間に比べ、ウェイトレバー21の位置変化による静荷重の変化量が小さいため、ウェイトレバー21の位置によって静荷重の調整を細かく行うことができる。一方、位置d〜位置fの間は、ウェイトレバー21の位置変化によって静荷重を大きく変化させることができる。このため、ウェイトレバー21及び錘99の重さを適切に設定すれば、通常の演奏に適した静荷重の調整範囲については演奏者の好みによって細かく調整可能なようにし、指の訓練に使うような静荷重の調整範囲については大きく調整可能なようにすることができる。
[第1実施形態]
次に第1実施形態について説明する。以下、第4参考形態との相違点を中心に説明する。
図9は、第1実施形態としての打弦装置101のうちウェイトレバー21の付近を表す側面図である。図6と同一部分については、同一符号を付すことにより説明を省く。第1実施形態の打弦装置101と第4参考形態の打弦装置71との主な違いは、レバー受けスクリュー85に代えて鍵3の上面にネジ止めされた板バネ105を設けた点である。つまり、第1実施形態の打弦装置101では、鍵3が、ウェイトレバー21から加わる荷重を弾性部材としての板バネ105を介して受けている。なお、板バネ105の弾性係数は、一回の押鍵動作中に板バネ105が下方へ単調に変形し、押鍵動作の途中で上方へ反発しないように設定するのが望ましい。
次に、このように構成された打弦装置101の動作について説明する。ウェイトレバー21は、鍵3が演奏者によって押鍵されると、鍵3の奥側部分3c(図5参照)が上昇するが、板バネ105は撓みながらこの上昇をウェイトレバー21に伝達するため、ウェイトレバー21は押鍵動作よりも少し遅れながら回転軸19を軸にして回転する。鍵3が押し切られた直後に、前述のようにウェイトレバー21はウェイトレバー振れ防止レール93に接触する。なお、第3,第4参考形態の箇所で説明したように、図示しないアーム81を操作することによってウェイトレバー21の位置は変更することができる。ウェイトレバー21を演奏者から遠い位置に変更させた際の様子を表したものが図10である。図10は図9と同様に打弦装置101のウェイトレバー21の付近を表す側面図である。図9と同一部分については、同一符号を付すことにより説明を省く。
ウェイトレバー21が図9に示す位置(つまり演奏者に近い位置)にあるときは、鍵3が押鍵された際にウェイトレバー21はウェイトレバー振れ防止レール93の演奏者寄りの下面に接触する。一方、ウェイトレバー21を図10に示す位置(つまり演奏者から遠い位置)に変更すると、鍵3が押鍵された際にウェイトレバー21は演奏者から遠い位置のウェイトレバー振れ防止レール93(ストッパーレールに相当)の下面に接触する。また、図10の位置にあるウェイトレバー21は、板バネ105と接触する接触点と回転軸19との間の距離が図9の位置にあるウェイトレバー21に比べて短くなるため、鍵3の静荷重が増加する。このため、本実施形態の打弦装置101でも、アーム81を操作してウェイトレバー21の位置を変更することによって鍵3の静荷重が変化する。
また、本実施形態では、レバー受けスクリュー85に代えて板バネ105を設けたことにより、前述のようにウェイトレバー21は押鍵動作よりも少し遅れながら回転軸19を軸にして回転する。このため、次のようにしてタッチ感をグランドピアノに近づけることができる。
図11は、各種ピアノにおける、フォルテシモの押鍵動作中の荷重変化(すなわちタッチ感)を表すグラフである。図11において、実線が本実施形態のピアノ、点線が従来のアップライトピアノ、一点鎖線が第4参考形態のピアノ、二点鎖線が従来のグランドピアノのタッチ感を表している。なお、図11に示す範囲の波形は、第3参考形態のピアノでも第4参考形態のピアノと同様になると考えられる。
図11に示すように、第4参考形態のピアノでは、ウェイトレバー21を設けたことにより、荷重が大きくなって従来のアップライトピアノよりも少しグランドピアノに近いタッチ感が得られる。しかしながら、ウェイトレバー21の荷重が鍵3に直接加わるため、第4参考例のピアノでは、演奏者が健を押し始めた直後の荷重の立ち上がりがグランドピアノに比べて急になる。これに対して、本実施形態のピアノでは、前述のようにウェイトレバー21からの荷重が押鍵動作よりも少し遅れて加わるので、荷重の立ち上がりを滑らかにして、タッチ感をグランドピアノに一層近づけることができる。また、本実施形態では、板バネ105を異なる弾性係数を有するものと交換することによっても、タッチ感を調整することができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図12は、第2実施形態としての打弦装置111のうちウェイトレバー21の付近を表す側面図である。図10と同一部分については、同一符号を付すことにより説明を省く。第2実施形態の打弦装置111と第1実施形態の打弦装置101との主な違いは、板バネ105に代えて鍵3に固定されたコイルバネ115を設けた点である。つまり、第2実施形態の打弦装置111では、鍵3が、ウェイトレバー21から加わる荷重を弾性部材としてのコイルバネ115を介して受けている。
このように構成された打弦装置111でも、押鍵時にはコイルバネ115が圧縮されるため、ウェイトレバー21からの荷重が押鍵動作よりも少し遅れて加わる。このため、第1実施形態と同様に、押鍵時の荷重の立ち上がりを滑らかにして、タッチ感をグランドピアノに近づけることができる。なお、この場合も、一回の押鍵動作中にコイルバネ115が圧縮方向に単調に変形し、押鍵動作の途中で伸長方向に反発しないように、コイルバネ115の弾性係数を設定するのが望ましい。また、本実施形態でも、コイルバネ115を異なる弾性係数を有するものと交換することによりタッチ感を調整することができる。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。以下、第4参考形態との相違点を中心に説明する。
図13は、第3実施形態としての打弦装置121のうちウェイトレバー21の付近を表す側面図である。図10と同一部分については、同一符号を付すことにより説明を省く。第3実施形態の打弦装置121と第4参考形態の打弦装置71との主な違いは、錘99をウェイトレバー21に直接固定するのではなく、ウェイトレバー21の上面にネジ止めされた板バネ125を介して、補助ウェイトとしての錘99が設けられた点である。ウェイトレバー21の荷重は、第4参考形態と同様に、レバー受けスクリュー85を介して鍵3に加わる。また、ウェイトレバー21の上面には、弾性部材としての板バネ125が下方に撓めるように、矩形の切欠部21aが形成されている。なお、本実施形態でも、一回の押鍵動作中に板バネ125が下方へ単調に変形し、押鍵動作の途中で上方へ反発しないように、板バネ125の弾性係数を設定するのが望ましい。
この場合、ウェイトレバー21自身からの荷重は第4参考形態と同様に鍵3に直接加わるが、錘99からの荷重は、板バネ125が下方に撓むことによって押鍵動作よりも少し遅れて加わる。従って、本実施形態でも、押鍵時の荷重の立ち上がりを滑らかにして、タッチ感をグランドピアノに近づけることができる。本実施形態でも、板バネ125を異なる弾性係数を有するものと交換することによりタッチ感を調整することができる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、弾性部材としては、前述の板バネやコイルバネに限らず、エアシリンダによる空気バネやゴムなどを利用することも考えられる。また、本発明は電子ピアノにも応用可能で、タッチ感をグランドピアノに近づけるといった同様の効果が生じる。
第1参考形態のアップライトピアノの打弦装置を表す側面図である。 第1参考形態のウェイトレバーの近傍を表す斜視図である。 第2参考形態のグランドピアノの打弦装置を表す側面図である。 第3参考形態のアップライトピアノの打弦装置を表す側面図である。 第3参考形態の鍵を上方から見た図である。 第4参考形態のアップライトピアノの打弦装置を表す側面図である。 第4参考形態のアップライトピアノの打弦装置を表す側面図である。 ウェイトレバーの位置変化による静荷重の変化を表すグラフである。 第1実施形態のアップライトピアノの打弦装置を表す側面図である。 第1実施形態のアップライトピアノの打弦装置を表す側面図である。 各種ピアノにおける押鍵動作中の荷重変化を表すグラフである。 第2実施形態のアップライトピアノの打弦装置を表す側面図である。 第3実施形態のアップライトピアノの打弦装置を表す側面図である。 従来のグランドピアノの打弦装置を表す側面図である。
符号の説明
1,51,71,91,101,111,121…打弦装置 3…鍵
5…伝達部 7…筬中 17…フレンジ 19…回転軸
21…ウェイトレバー 73…レール支持部材 75…スライドレール
81…アーム 93…ウェイトレバー振れ防止レール 95…ブラケット
99…錘 105…板バネ 115…コイルバネ 125…板バネ

Claims (5)

  1. ピアノの鍵の演奏側とは反対側上部において鍵の長さ方向に沿って配置されると共に、一端がピアノ本体に上下方向に揺動自在に固定され、上下方向に変位可能な開放端側が自重で鍵の上面に荷重を加えるように構成された長尺状のウェイトレバーと、
    上記鍵の上面に固定され、上記ウェイトレバーから加わる荷重を受ける弾性部材と、
    を鍵毎に備えたことを特徴とするピアノの打弦装置。
  2. ピアノの鍵の演奏側とは反対側上部において鍵の長さ方向に沿って配置されると共に、一端がピアノ本体に上下方向に揺動自在に固定され、上下方向に変位可能な開放端側が自重で鍵の上面に接触して健に荷重を加えるように構成された長尺状のウェイトレバーと、
    該ウェイトレバーの上記開放端上方に、弾性部材を介して支持された補助ウェイトと、
    を鍵毎に備えたことを特徴とするピアノの打弦装置。
  3. 一回の押鍵動作中、上記弾性部材が単調に変形するように、上記弾性部材の弾性係数が設定されたことを特徴とする請求項1または2記載のピアノの打弦装置。
  4. 更に、上記ウェイトレバーの上部で複数のウェイトレバーを跨ぐようにピアノ本体に固定され、該複数のウェイトレバーの上方向への揺動を規制する、長尺状のストッパーレールを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のピアノの打弦装置。
  5. 更に、上記ウェイトレバーを鍵の長さ方向に移動させる移動手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピアノの打弦装置。
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