JP2005337947A - 高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来より効率よく高品質の高温ガス炉用被覆燃料粒子が得られる製造装置および製造方法の提供。
【解決手段】 内部に複数個のセラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子を収容した反応容器内へ、容器底面に噴出口を有するガス噴出ノズルから原料ガスを噴出供給してその噴流で燃料粒子を吹き上げて流動させながら原料ガスの熱分解による炭化珪素の生成と燃料粒子の表面への炭化珪素の蒸着被覆を行う高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、ガス噴出ノズルの噴出口周縁に原料ガスの熱分解により生成する炭化珪素微細結晶が堆積するのを阻害するように反応容器内で容器底面上を転動する転動体を備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば高温ガス炉の装荷燃料を構成する被覆燃料粒子用の製造方法に関するものである。
高温ガス炉は、燃料を含む炉心構造を熱容量が大きく高温健全性の良好な黒鉛で形成し、ヘリウム等の高温下でも化学的反応の起こらないガス冷却材を用いることにより、固有の安全性が高く、高い出口温度のヘリウムガスを取り出すことの可能な原子炉であり、得られる約900℃の高温熱は、発電はもちろんのこと水素製造や化学プラント等幅広い分野での熱利用を可能にするものである。
このような高温ガス炉の燃料は、通常、ウランを含む溶液を出発原料として製造した二酸化ウランをセラミックス状に焼結した直径約350〜650μmの燃料粒子を基本構造とし、この燃料粒子の外表面に複数の被覆層を形成してなる被覆燃料粒子を用いたものである。
高温ガス炉では、例えば、第1被覆層として密度約1g/cm3 の低密度熱分解炭素層を形成し、第2被覆層として密度約1.8g/cm3 の高密度熱分解炭素層を形成し、さらに第3被覆層として密度約3.2g/cm3 炭化珪素(SiC)層を、また第4被覆層として密度約1.8g/cm3 の高密度熱分解炭素層を形成した計4層の被覆を施されたものが一般的となっている。
第1被覆層は、ガス状の核分裂生成物のガス留めとしての機能及び燃料粒子の変形を吸収する緩衝部としての機能を併せ持つものである。また第2被覆層はガス状核分裂生成物の保持機能を有し、第3被覆層は固体状核分裂生成物の保持機能を有すると共に、被覆層の主要な強度部材である。第4被覆層は、第2被覆層と同様のガス状核分裂生成物の保持機能と共に第3被覆層の保護層としての機能も持っている。
上記のような被覆燃料粒子の一般的なものは直径約500〜1000μmである。被覆燃料子は黒鉛母材中に分散させ一定形状の燃料コンパクトの形に成型加工され、さらに黒鉛でできた筒にコンパクトを一定数量入れ、上下に栓をした燃料棒の形にされる。最終的に燃料棒は、六角柱型黒鉛ブロックの複数の挿入口に入れられ、この六角柱型黒鉛ブロックを多数個、ハニカム配列に複数段重ねて炉心を構成している。
一般的な被覆燃料粒子となる被覆前の燃料粒子は次のような工程で製造されており、大量形成が可能な方法として振動滴下によるゲル状の粒子を得る外部ゲル化法が多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、まず酸化ウランの粉末を硝酸に溶かし硝酸ウラニル原液とし、この硝酸ウラニル原液に純水、添加剤を加え撹拌することにより滴下原液とする。添加剤は、滴下された硝酸ウラニルの液滴が落下中に自身の表面張力により真球状になるようにする増粘剤であると同時にアンモニウムとの接触により原液をゲル化せしめるために添加されるものであり、例えばポリビニルアルコール樹脂、アルカリ条件下でゲル化する性質を持つ樹脂、ポリエチレングリコール、メトローズなどを挙げることができる。
以上のように調製された滴下原液は所定の温度に冷却され粘度を調整した後、細径の滴下ノズルを振動させることによりアンモニア水溶液中に滴下される。アンモニア水溶液中へ液滴となって入った原液は、硝酸ウラニルがアンモニアと十分に反応させられると同時に前記添加剤がゲル化され、重ウラン酸アンモニウム(ADU)を含むゲル状の粒子となる。得られたADUゲル粒子は、大気中で焙焼され、水分および添加剤が除去されて三酸化ウラン粒子となり、さらに還元・焼結されることにより高密度のセラミックス状二酸化ウランからなる球状の燃料粒子となる。
この燃料粒子を用いた被覆燃料粒子の製造工程としては、図2に示すように、燃料粒子12を流動床の反応容器15内に投入し、燃料粒子12を流動させるための流動ガスとしても機能する被覆層の原料ガス18をガス導入管14を介してガス噴出ノズル13から反応容器15内へ噴出供給し、ここで熱分解させることにより被覆を施す方法が挙げられる。
例えば、第1被覆層の低密度炭素層の場合は約1400℃でアセチレン(C2H2)を熱分解して被覆を施し、第2および第4被覆層の高密度熱分解炭素層の場合は約1400℃でプロピレン(C3H6)を熱分解して行う。第3被覆層のSiC層の場合は約1600℃でメチルトリクロロシラン(CH3SiCl3)を熱分解して被覆する。
一般的な燃料コンパクトは、被覆燃料粒子を黒鉛粉末、粘結剤等からなる黒鉛マトリックス材とともに中空円筒形または円筒形にプレス成型またはモールド成型した後、焼成して得られる。
上記のような流動床を利用した燃料粒子への被覆層形成工程において、第3被覆層としての炭化珪素被覆の形成工程では、炭化珪素の原料となるメチルトリクロロシランなどのクロロシラン類やその誘導物質の流動ガスをガス噴出ノズルから流動床の反応容器内へ噴出して供給し、流動床内で熱分解して生成する炭化珪素を燃料粒子表面に蒸着させている。
しかしながら、この流動ガスとしてのクロロシラン類は、熱的に不安定であり、流動床内は被覆温度として1500℃を越える高温条件に設定されているため、図2に示すように、ノズル13からの噴出直後に一部が熱分解して炭化珪素の微細結晶となり、ノズルの開口周縁に堆積してしまう。
この堆積物10は数cmの大きさまで成長することがあり、このような大きな堆積物がノズルを塞いで流動ガスの噴出を妨げることになる。しかも、炭化珪素は、新モース硬度13というダイヤモンドの硬度15に準じる非常に硬度の高いものであり、ノズル開口周縁への堆積物の付着も強固で、除去すること自体が非常に困難である。
このような堆積物に対して、燃料粒子に被覆層として蒸着形成される炭化珪素層はせいぜい数十μmという厚みで脆く、せっかく形成された被覆層も硬い炭化珪素堆積物に接触しただけで傷付いたり破損しやすく、加えてこの堆積物は第4被覆層の正常な蒸着を阻害し、製品としての被覆燃料粒子の品質を著しく低下せしめるものである。
この炭化珪素の第3被覆層及び高密度熱分解炭素の第4被覆層の健全性が損なわれるということは、高温ガス炉用燃料として致命的なものであり、現状では不良品を分別することが不可能であることから、従来は流動床において炭化珪素の堆積物が発生した場合には、その堆積物が実質的に上記の如き危険な大きさに成長してしまう前にノズルを交換するしか致命的不良品の製造を回避する方法はなく、短いノズル寿命とその交換の手間が必要であるなど、品質の高い被覆燃料粒子を得るためには生産効率の悪い製造方法に拠るしかなかった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来より効率よく高品質の高温ガス炉用被覆燃料粒子が得られる製造装置及び製造方法を提供することにある。また本発明は、被覆燃料粒子の被覆層として炭化珪素層を流動床により形成する際に、流動ガス噴出ノズルの噴出口周縁への炭化珪素微小結晶の堆積を阻害することのできる製造装置および製造方法を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、内部に複数個のセラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子が収容されると共に、原料ガスの熱分解による炭化珪素の生成と前記燃料粒子の表面への該炭化珪素の蒸着被覆を行う被覆反応領域が形成される反応容器と、該反応容器の底面に噴出口を有し、前記原料ガスを反応容器内に噴出供給しながらその噴流で前記燃料粒子を吹き上げて流動させるガス噴出ノズルと、少なくとも前記被覆反応領域を前記熱分解に必要な所定温度に加熱する加熱手段とを備えた高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、前記反応容器内で容器底面上を転動し、前記ガス噴出ノズルの噴出口周縁に前記原料ガスの熱分解により生成する炭化珪素微細結晶が堆積するのを阻害する転動体を備えたものである。
また、請求項2に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、請求項1に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、前記転動体が、前記原料ガスの噴流によって容器底面上を自由転動する1個以上の球状物質を含むものである。
さらに、請求項3に記載の発明の係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置は、請求項2に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、前記転動体が球状炭化珪素であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法は、複数個のセラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子を収容した反応容器内を所定温度に加熱しながら、反応容器の底面に噴出口を有するガス噴出ノズルから原料ガスを容器内に噴出供給すると共にその噴流で前記燃料粒子を吹き上げて流動させることによって、原料ガスを熱分解して生成する炭化珪素を流動する燃料粒子の表面に蒸着させて炭化珪素被覆層を形成する高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法において、前記反応容器内に前記燃料粒子と共に1個以上の球状炭化珪素を投入し、前記被覆層を形成する工程の間、前記球状炭化珪素を前記原料ガスの噴流によって前記容器底面上で自由転動させるものである。
本発明の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置では、複数個のセラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子が収容され、ガス噴出ノズルから噴出供給される原料ガスの熱分解で生成される炭化珪素を前記燃料粒子の表面に蒸着させるための被覆反応領域が形成される反応容器内に転動体を備えたものであるため、この転動体の容器内での転動によって、ガス噴出ノズルの噴出口周縁に原料ガスの熱分解により生成する炭化珪素微細結晶が堆積するのを阻害することができ、堆積物がノズルを塞いだり、燃料粒子表面に形成された炭化珪素層を破損することもなくなり、第4被覆層の正常な蒸着の阻害もなく、ノズルの長寿命化で頻繁なノズル交換の必要もなく効率よく高品質な高温ガス炉用被覆燃料粒子を製造することができるという効果がある。
本発明の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法では、反応容器内に複数個のセラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子と共に1個以上の球状炭化珪素を投入し、反応容器の底面に噴出口を有するガス噴出ノズルから原料ガスを噴出供給してその噴流で燃料粒子を吹き上げて流動させながら、原料ガスの熱分解で生成する炭化珪素を燃料粒子の表面に蒸着させて炭化珪素被覆層を形成する工程の間、前記球状炭化珪素を前記原料ガスの噴流によって容器底面上で自由転動させるものであるため、この転動する球状炭化珪素が噴出ノズルの噴出口周縁に原料ガスの熱分解により生成する炭化珪素微細結晶が堆積するのを阻害すると同時に、前記微小結晶は同じ物質である球状炭化珪素の表面に蒸着しやすく、堆積物の成長を防ぎ、頻繁なノズル交換の必要なく、効率的に良好な炭化珪素の被覆層の形成が実現できるという効果がある。
本発明の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置及び製造方法は、セラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子に形成される複数の被覆層のうち、一般的に第3被覆層として形成される炭化珪素層の形成のためのものである。
本発明の製造装置は、複数個のセラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子が収容される反応容器の底面に原料ガスを容器内に噴出供給するガス噴出ノズルの噴出口が形成されており、ノズル噴出口からの原料ガスの噴流が燃料粒子を吹き上げて流動させながら、該燃料粒子表面に原料ガスの熱分解で生成する炭化珪素を蒸着するものであり、いわゆる流動床と呼ばれるものである。
このような流動床の反応容器内では、流動する燃料粒子の表面に炭化珪素を蒸着被覆する実質的な被覆反応領域は、容器底面より上方領域となる。本発明においては、この反応容器内に、その底面上を転動する転動体を備えたものである。
従って、炭化珪素の被覆層を形成する工程の間、この転動体を容器底面上で転動させれば、ガス噴出ノズルの噴出口周縁上もこの転動体が転がることになり、噴出後直ちに熱分解して生成された炭化珪素の微小結晶が噴出口周縁に堆積し成長するのを阻害することができる。炭化珪素の初期堆積物は非常に小さくて脆いため、転動体がその上を転がるだけで容易に破砕され、堆積物の成長は起こらない。
このような被覆層形成工程中の転動体の容器底面上の転動により、ガス噴出ノズルの噴出口周縁で炭化珪素の堆積物が大きく成長することはなくなり、従って、噴出口が塞がれることもなく、ノズル寿命自体が長期化し、製造工程においての頻繁なノズル交換も必要なくなり、効率的な被覆層形成が行えると同時に、大きな堆積物の接触による燃料粒子表面に形成された炭化珪素被覆層の破損も回避され、高品質な被覆燃料粒子を得ることができる。
なお、本発明における転動体としては、被覆層形成工程の間中、原料ガスの熱分解およびそれによって生成された炭化珪素の燃料粒子表面への蒸着という被覆反応自体に対して何ら影響を与えることもまた与えられることもなく、容器底面付近を良好に転動し続けられるものであれば良く、少なくともノズル噴出口が形成されている領域に亘って転動するものとする。
転動機構としては、何らかの駆動機構により機械的に転動させられるものが考えられるが、この場合、均一な速度で、容器底面の転動領域全般に亘って均等に転動するように制御することが容易である。また、原料ガス噴流を利用して自由転動するものとしても良い。この場合、適度に転がりやすい形状、大きさと重量を設定すれば良いので、複雑な駆動機構を必要とせず、装置設計が簡便である。また転動体は、少なくとも1個設ければ、噴出口周縁の堆積物に対する成長阻害効果は得られ、転動体が複数個であればその効果が高くなるが、多すぎると転動自体が困難となるだけでなく被覆燃料粒子の吹き上げにも支障を生じる可能性もあるため、用いる個数は実際の反応容器の底面積や転動体の大きさ等の条件に基づいて適宜選択すれば良い。
この自由転動される転動体には、最も効率的に転がる球状物質が最適である。具体的には、反応容器内でそれ自身の球形状、強度を維持しつつ被覆反応に干渉することなく良好に自由転動できる素材からなるものであれば良く、例えば、高融点、高硬度の非酸化物系セラミックである炭化タングステン、炭化チタン、窒化チタン、窒化珪素などが挙げられるが、特に、球状炭化珪素が最も望ましい。球状炭化珪素であれば、問題の堆積物と同じ物質であるため、噴出口周縁で生成される炭化珪素の微小結晶は、ガス噴射ノズル部材よりも親和性の高い球状炭化珪素表面に付着し易く、より炭化珪素の堆積を起こり難くする。さらに第3被覆層とも同じ物質であるため、不純物となり得ない点でも最適である。
本発明の第1の実施例として、反応容器内に球状炭化珪素を投入し、これを転動させながら第2被覆層まで形成済の燃料粒子に対して第3被覆層としての炭化珪素層を形成した場合を示す。本実施例では、セラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子に予め第1被覆層として密度約1g/cm3 の低密度熱分解炭素層を、第2被覆層として密度約1.8g/cm3 の高密度熱分解炭素層を形成しておいた2層被覆燃料粒子(直径約0.8mm)を用いた。
まず、模擬流動床として、内部状況が観察できる透明樹脂で形成した実機と同サイズの反応容器において、各種条件で被覆層形成を行い、各パラメータの好適な条件を決定した。具体的には、前記反応容器内で平均直径約0.8mmの2層被覆粒子2kgに対して模擬流動ガスを120L/min で噴射供給して吹き上げる条件にて、種々の球状炭化珪素の転動状況を観察し、局所的に滞留することなくより良く転動できるものを求めた。
その結果、直径2cm、重量13gの球状炭化珪素が、上記流動ガスによって吹き上げられることもなく反応容器底面上を最も良く自由転動した。さらに、球状炭化珪素の個数を増やして観察してみると、上記球状炭化珪素を3個用いた場合に、被覆燃料粒子の吹き上げに支障なく且つ互いの転動を阻害することなく全ての球状炭化珪素が良好に転動していた。従って、上記の設定においては、直径2cm、重量13gの球状炭化珪素を3個用いるのが、最も効率的な噴射口周辺の堆積物の成長阻害効果が得られる好適な条件であると思われる。
本発明の第2の実施例として、以上の実施例1で得られた好適な条件において、実機による炭化珪素の第3被覆層の形成を行った結果を以下に示す。図1は用いた実機の概略構成図であり、(a)は全体構成を示す縦断面図、(b)は反応容器底面付近の状態を示す部分模式図である。流動床本体1は二重構造を持ち、内側に反応容器5を備え、反応容器5の周縁に加熱ヒータ6が設置されており、原料ガス8が本体底部を貫通するガス導入管4を介してこのガス導入管4の先端に連通し、噴出口が容器底面に形成されているガス噴出ノズル3から反応容器5内へ連続的に噴出供給され、本体上部の廃ガス排出口7から排気されるものである。
本実施例では、実施例1で用いたのと同種の2層被覆燃料粒子を2kg分と共に、直径2cm、13gの球状炭化珪素9を3個、反応容器5内へ投入し、流動ガスとして、メチルトリクロロシラン10mL/min (計120L)を、水素120L/min と共に噴射ノズル3を介して反応容器5内へ噴射供給し、ヒータ6による加熱で約1600℃の条件下で約180分間、炭化珪素の被覆層の形成を行った。
被覆層形成工程終了後にガス噴射ノズル3の噴出口付近を観察したところ、成長した炭化珪素の堆積物は見られず、また第3被覆層として炭化珪素層が形成された被覆燃料粒子について観察したところ、被覆層表面に傷や破損が生じているものはなく、全て品質が良好であることが確認できた。
以上の結果は、転動体として反応容器5内へ投入された球状炭化珪素9が被覆形成工程中、容器底面上を良好に転動し、ガス噴出ノズル3の噴出口周縁に炭化珪素の堆積物が生じるのを阻んだ効果によるものである。この際、燃料粒子2の表面に原料ガス8の熱分解で生じた炭化珪素の蒸着により被覆が行われる実質的な被覆反応領域Xは、原料ガスの噴流による燃料粒子2の上方への吹き上げ流動によって反応容器5の底面上方領域となるため、燃料粒子2と底面上を転動する球状炭化珪素9との干渉は避けられ、接触による影響等の問題はない。
1:流動床本体
2,12:燃料粒子
3,13:ガス噴出ノズル
4,14:ガス導入管
5,15:反応容器
6:ヒータ
7:廃ガス排出口
8,18:原料ガス
9:球状炭化珪素(転動体)
10:炭化珪素堆積物
X:被覆反応領域
2,12:燃料粒子
3,13:ガス噴出ノズル
4,14:ガス導入管
5,15:反応容器
6:ヒータ
7:廃ガス排出口
8,18:原料ガス
9:球状炭化珪素(転動体)
10:炭化珪素堆積物
X:被覆反応領域
Claims (4)
- 内部に複数個のセラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子が収容されると共に、原料ガスの熱分解による炭化珪素の生成と前記燃料粒子の表面への該炭化珪素の蒸着被覆を行う被覆反応領域が形成される反応容器と、該反応容器の底面に噴出口を有し、前記原料ガスを反応容器内に噴出供給しながらその噴流で前記燃料粒子を吹き上げて流動させるガス噴出ノズルと、少なくとも前記被覆反応領域を前記熱分解に必要な所定温度に加熱する加熱手段とを備えた高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置において、
前記反応容器内で容器底面上を転動し、前記ガス噴出ノズルの噴出口周縁に前記原料ガスの熱分解により生成する炭化珪素微細結晶が堆積するのを阻害する転動体を備えたことを特徴とする高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置。 - 前記転動体が、前記原料ガスの噴流によって容器底面上を自由転動する1個以上の球状物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置。
- 前記転動体が球状炭化珪素であることを特徴とする請求項2に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造装置。
- 複数個のセラミックス状二酸化ウランからなる燃料粒子を収容した反応容器内を所定温度に加熱しながら、反応容器の底面に噴出口を有するガス噴出ノズルから原料ガスを容器内に噴出供給すると共にその噴流で前記燃料粒子を吹き上げて流動させることによって、原料ガスを熱分解して生成する炭化珪素を流動する燃料粒子の表面に蒸着させて炭化珪素被覆層を形成する高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法において、
前記反応容器内に前記燃料粒子と共に1個以上の球状炭化珪素を投入し、前記被覆層を形成する工程の間、前記球状炭化珪素を前記原料ガスの噴流によって前記容器底面上で自由転動させることを特徴とする高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法。
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- 2004-05-28 JP JP2004158765A patent/JP2005337947A/ja not_active Withdrawn
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