JP2006234405A - 被覆燃料粒子とオーバコート粒子とそれらの製造方法 - Google Patents

被覆燃料粒子とオーバコート粒子とそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粒径の高精度化・製造難度の緩和・黒鉛マトリックス材料の使用量抑制・製造能率の向上・低コストなどをはかることのできる被覆燃料粒子やオーバコート粒子、さらにはそれらの粒子を合理的に製造することのできる方法を提供する。
【解決手段】被覆燃料粒子11は、燃料核の外周面に第1被覆層(低密度炭素層)41、第2被覆層(高密度炭素層)42、第3被覆層(炭化珪素層)43、第4被覆層(高密度炭素層)、第5被覆層(炭素層)が形成されたものであり、オーバコート粒子はその上に黒鉛マトリックス材層51が形成されたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は被覆燃料粒子とオーバコート粒子とそれらの製造方法に関するものであり、より詳しくは高温ガス炉の燃料に用いられる高品質の被覆燃料粒子とオーバコート粒子、および、これら各粒子を合理的に製造するための方法に関するものである。
高温ガス炉については周知のとおり、熱容量が大きくて高温健全性の良好な黒鉛で炉心構造(燃料を含む)を構成し、高温下でも化学反応の起こらない不活性ガスたとえばHeガスを冷却ガスとして用いている。こうすることで固有の安全性が高くなり、高い出口温度のHeガスも取り出すことができるようになる。この高温ガス炉から得られる約900℃の高熱は、発電をはじめ、水素製造・化学プラント・その他を含む幅広い分野での熱利用を可能にするものである。
高温ガス炉の燃料については、下記の特許文献1〜2や非特許文献1などを参照してつぎのことがいえる。直径500〜1000μmの被覆燃料粒子は、核燃料物質の酸化物からなる燃料核(直径350〜650μm)の外周面に4層の被覆が施されたものである。被覆燃料粒子の被覆層で、低密度炭素からなる第1被覆層は、ガス状の核分裂生成物FPを溜めるためのガス溜め機能と燃料核スウェリングを吸収するためのバッファ機能とを併せもつものである。高密度炭素からなる第2被覆層にはガス状FPの保持機能があり、炭化珪素SiCからなる第3被覆層には固体状FPの保持機能がある。第2被覆層と同様の高密度炭素からなる第4被覆層には、固体状FPの保持機能があるほか第3被覆層に対する保護機能もある。これら以外に関しては、被覆燃料粒子を黒鉛粉末と混ぜ合わせて一定の形状に焼結したものが燃料コンパクトとなり、一定数量の燃料コンパクトを黒鉛筒に入れて封じたものが燃料棒となる。最終的には、所定数の燃料棒を黒鉛ブロックの各挿入口に装填したものが高温ガス炉の燃料となる。
高温ガス炉の燃料は以下のようにして製造するのが一般である。燃料核をつくる初期のステップでは、硝酸ウラニル原液をアンモニア溶液中に滴下して重ウラン酸アンモニウム粒子を形成し、当該粒子を乾燥した後、酸化・還元・焼結する。燃料核を第1被覆層〜第4被覆層で被覆して被覆燃料粒子をつくるときは、燃料核を高温流動床に導入しCVD法を実施することで各層を形成する。燃料コンパクトをつくるときは、被覆燃料粒子を黒鉛マトリックス材によりコーティングしてオーバコート粒子とした後、そのオーバコート粒子を成形かつ焼結する。燃料棒をつくるステップでは、燃料コンパクトを黒鉛筒に封入すればよい。こうして得られた燃料棒を黒鉛ブロックの各挿入口に装填することで高温ガス炉の燃料ができあがる。
高温ガス炉に用いられる既成の燃料は、被覆燃料粒子の直径が500〜1000μmであり、これを黒鉛マトリックス材でコーティングしたオーバコート粒子の場合は、直径が1000〜2000μmであるから、被覆燃料粒子の外周面には厚さ100〜500μmもの黒鉛マトリックス材が介在する。この被覆燃料粒子を主体にしたオーバコート粒子を燃料コンパクト中に均一分散させるというときは、オーバコート粒子の直径(外径)を高精度に仕上げることが重要である。そうでないと、粒子の分散不均一に起因して燃料が低品質のものになる。
上記の対策をも兼ねた粒子製造手段として、外径の均一化をはかりながらオーバコート粒子を製造するという転動造粒技術がある。この転動造粒技術は周知のとおり、被覆燃料粒子入りのパン(回転皿)を回転させながら粒子表面をマトリックス材でコーティングするという方法である。より具体的には、造粒中の粒子を数分から数10分ごとに取り出してこれを篩い分けする。この選別で所定粒径に満たないものは、それに達するまで繰り返し転動造粒に掛けなければならない。一方で所定粒径を超過したものなどはスクラップ処理かリサイクル処理をすることとなる。
特開平06−265669号公報 特開平07−218674号公報 原子力百科事典 ATMICA[平成16年12月 7日インターネット検索]<URL:http://www-atm.jst.go.jp/atomica/03030301_1.html>
上述の手段でオーバコート粒子を製造するときは、転動造粒工程・粒径選別工程・スクラップ処理工程・リサイクル処理工程など多くの工程を実施するための設備を用意しなければならない。これはすなわち、生産の合理化や設備上の経済性に課題が残されているということである。加えて、転動造粒自体が粒径バラツキをともないやすい技術である。したがって、粒径精度が高くて粒揃いのオーバコート粒子を歩留まりよく製造するときは、選別用の篩として目開き範囲の小さいものを用いるだけでなく、転動造粒工程→粒径選別工程→転動造粒工程→粒径選別工程→転動造粒工程……というように造粒稼動時間を小刻みに分割し、転動造粒工程を1回終えるごと粒径選別工程を実施しなければならない。これは粒径を少しずつ成長させながらその都度粒径チェックするというのであるから粒子製造能率が低いものにならざるを得ない。とくに黒鉛マトリックス材が厚くて直径の大きいオーバコート粒子をつくるときなどは低い生産性を余儀なくされる。
本発明はこのような技術上の課題に鑑み、粒径の高精度化・製造難度の緩和・黒鉛マトリックス材料の使用量抑制(節約)・製造能率の向上・低コストなどをはかることのできる被覆燃料粒子とオーバコート粒子を提供し、併せて、それらの粒子を合理的に製造することのできる方法を提供しようとするものである。
本発明の請求項1に係る被覆燃料粒子は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項1記載の被覆燃料粒子は、核燃料物質の酸化物からなる燃料核の外周面に、低密度炭素層からなる第1被覆層と、高密度炭素層からなる第2被覆層と、炭化珪素層からなる第3被覆層と、高密度炭素層からなる第4被覆層と、炭素層からなる第5被覆層とが形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る被覆燃料粒子は、請求項1記載のものにおいて、第5被覆層の密度が1.8g/cm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るオーバコート粒子は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項3記載のオーバコート粒子は、請求項1または2記載の被覆燃料粒子と黒鉛マトリックス材層とを備え、黒鉛マトリックス材層が被覆燃料粒子の外周面に形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るオーバコート粒子は、請求項3記載のものにおいて、黒鉛マトリックス材層の厚さが20〜400μmであることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る被覆燃料粒子の製造方法は所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項5記載の被覆燃料粒子の製造方法は、核燃料物質の酸化物からなる燃料核の外周面に低密度炭素層からなる第1被覆層を形成するための工程と、第1被覆層の上に高密度炭素層からなる第2被覆層を形成するための工程と、第2被覆層の上に炭化珪素層からなる第3被覆層を形成するための工程と、第3被覆層の上に高密度炭素層からなる第4被覆層を形成するための工程と、第4被覆層の上に炭素層からなる第5被覆層を形成するための工程とを備え、これらのうちの第5被覆層を、第4被覆層までの被覆層形成で使用した流動床における蒸着ガスの熱分解反応により蒸着形成することを特徴とする。
本発明の請求項6に係る被覆燃料粒子の製造方法は、請求項5記載の方法において、第1被覆層から第5被覆層までを燃料核の外周面に連続形成する。
本発明の請求項7に係るオーバコート粒子の製造方法は、所期の目的を達成するために下記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項7記載のオーバコート粒子の製造方法は、核燃料物質の酸化物からなる燃料核の外周面に低密度炭素層からなる第1被覆層を形成するための工程と、第1被覆層の上に高密度炭素層からなる第2被覆層を形成するための工程と、第2被覆層の上に炭化珪素層からなる第3被覆層を形成するための工程と、第3被覆層の上に高密度炭素層からなる第4被覆層を形成するための工程と、第4被覆層の上に炭素層からなる第5被覆層を形成するための工程と、第5被覆層の上に黒鉛マトリックス材層を形成するための工程とを備えていることを特徴とする。
本発明に係る被覆燃料粒子はつぎのような効果を有する。
(1) 被覆燃料粒子において、燃料核の外周面には第1被覆層から第5被覆層までが形成されている。この第5被覆層までを有する被覆燃料粒子は自明のとおり、第4被覆層を最外層とする被覆燃料粒子と比べた場合に、第5被覆層の分だけ直径が大きい。したがって事後の造粒などを考慮に入れた場合に、大きさの点で望ましい被覆燃料粒子となる。
(2) 第1被覆層から第5被覆層までを連続形成することができるので、高い生産性を期すことができる。
(3) 被覆燃料粒子の第5被覆層が密度1.8g/cm以下のものは、プレス成形・モールド成形など既成の手段で燃料コンパクトをつくるときに損傷が生じがたい。
本発明に係るオーバコート粒子はつぎのような効果を有する。
(4) オーバコート粒子は、燃料核の外周面に第1被覆層〜第5被覆層を有する径の大きな被覆燃料粒子が黒鉛マトリックス材層で覆われたものである。この径の大きな被覆燃料粒子をベースとするオーバコート粒子の場合は、黒鉛マトリックス材層の膜厚が薄くても所定値以上の粒径を確保することができる。これは転動造粒などの加工に際してバラツキの生じやすい黒鉛マトリックス材層が薄くてすむということであるから、所定粒径のオーバコート粒子として加工精度の高いものが得られる。
(5) 第1被覆層〜第5被覆層を連続形成することが可能であり、多くの形成時間や多くの粒径チェック回数を要する黒鉛マトリックス材層を薄く形成することも許容されるから、短時間で容易に製造することのできるオーバコート粒子となる。
(6) 薄い黒鉛マトリックス材層でよいから、材料使用を極力節減してそれをコストに反映させることができる。
本発明に係る被覆燃料粒子の製造方法はつぎのような効果を有する。
(7) 被覆燃料粒子の製造方法は、燃料核の外周面に第1被覆層〜第5被覆層を形成するための各工程を備えているが、これらの被覆層を形成するとき、すべて同じ流動床を使用するので、上述した各効果のある有益な有用で被覆燃料粒子を低額の設備コストで簡単・迅速・安価に製造することができる。
(8) 当該方法において、第1被覆層〜第5被覆層を燃料核の外周面に連続形成するというときは、被覆燃料粒子の製造が能率よく行え、より一層の合理化がはかれる。
本発明に係るオーバコート粒子の製造方法はつぎのような効果を有する。
(9) オーバコート粒子の製造方法は、燃料核の外周面に第1被覆層〜第5被覆層を形成するための各工程や、第5被覆層の上に黒鉛マトリックス材層を形成するための工程を備えている。この場合、最終工程に先行する各工程は上記と同じで、第1被覆層〜第5被覆層を低額の設備コストで簡単・迅速・安価に製造することができる。第5被覆層の上の黒鉛マトリックス材層も、これを薄くして粒径精度の高いものを簡単・迅速・安価に製造することができる。したがって当該方法もこれらを総合して、粒径精度の高いオーバコート粒子を能率よく合理的に製造することができる。
はじめに、本発明に係る被覆燃料粒子とオーバコート粒子の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1において、11は被覆燃料粒子の一実施形態を示すものであり、21はオーバコート粒子の一実施形態を示すものである。
被覆燃料粒子11は図1を参照して明らかなように、コア部分に燃料核31を備え、その外周面に第1被覆層41・第2被覆層42・第3被覆層43・第4被覆層44・第5被覆層45を有するものである。
上記において、核燃料物質の酸化物からなる燃料核31は、一例として二酸化ウランをセラミック状に焼結した直径350〜650μmのものである。
燃料核31の外周面に形成された第1被覆層41は低密度炭素(低密度熱分解炭素)からなる。第1被覆層41は厚さが30〜150μm、密度が0.8〜1.2g/cmである。具体的一例として第1被覆層41は、厚さ60μm、密度1.0/cmのものである。かかる第1被覆層41は、ガス状の核分裂生成物(FP)を溜めるためのガス溜め機能や燃料核スウェリングを吸収するためのバッファ機能を併せもっている。
第1被覆層41の上に形成された第2被覆層42は高密度炭素(高密度熱分解炭素)からなる。第2被覆層42は厚さが20〜50μm、密度が1.6〜2.0g/cmである。具体的一例として第2被覆層41は、厚さ30μm、密度1.8g/cmのものである。かかる第2被覆層42にはガス状FPの保持機能がある。
第2被覆層42の上に形成された第3被覆層43は炭化珪素(SiC)からなる。第3被覆層43は厚さが20〜50μm、密度が3.0〜3.2/cmである。第3被覆層43は、具体的一例として厚さ25μm、密度3.2/cmである。かかる第3被覆層43には主要な強度保証層であり、かつ、固体状FPに対する保持機能をも有するものである。
第3被覆層43の上に形成された第4被覆層44は第2被覆層42と同様の高密度炭素(高密度熱分解炭素)からなる。この第4被覆層44も厚さが20〜80μmで、密度が1.6〜2.0g/cmである。第4被覆層44は、具体的一例として厚さ45μm、密度約1.8g/cmである。かかる第4被覆層44には固体状FPの保持機能があるほか第3被覆層43に対する保護機能もある。
第4被覆層44の上に形成された第5被覆層45も炭素層(熱分解炭素)からなるが、この炭素層は高密度であることを要しない。したがって第5被覆層45の密度は0.8〜1.8/cmの範囲内というように約1.8g/cm以下である。第5被覆層45の厚さも25〜250μmの範囲内にある。具体的一例として第5被覆層45は、厚さ150μm、密度1.1/cmである。
被覆燃料粒子11は燃料核31の外周面に上述した多重の第1被覆層41〜第5被覆層45が形成されたものである。被覆燃料粒子11の直径(外径)は500〜1500μmの範囲内にあり、具体的一例では直径1200μmである。
オーバコート粒子21は図1を参照して明らかなように、被覆燃料粒子11の外周面すなわち第5被覆層45の外周面に黒鉛マトリックス材層51が形成されたものである。
黒鉛マトリックス材層51は黒鉛マトリックス材の転動造粒物からなる。この場合の黒鉛マトリックス材は黒鉛粉末に粘結剤を加えて均一に混練したものである。黒鉛マトリックス材層51の厚さは20〜400μmの範囲内にある。具体的一例をあげると、黒鉛マトリックス材層51は厚さ50μmである。
被覆燃料粒子11と黒鉛マトリックス材層51とからなる上記のオーバコート粒子21は、燃料核31を基準にした場合、当該燃料核31が多重被覆層(第1被覆層41〜第5被覆層45)と黒鉛マトリックス材層51とで覆われていることになる。このようなオーバコート粒子21の直径(外径)は540〜2300μmの範囲内にある。具体的一例としてオーバコート粒子21は直径1300μmである。
つぎに、本発明に係る被覆燃料粒子の製造方法ならびにオーバコート粒子の製造方法について、これらの実施形態を添付の図面に基づき説明する。
図2に略示されたところの被覆燃料粒子11の製造において、燃料核31の形成→第1被覆層41の形成→第2被覆層42の形成→第3被覆層43の形成→第4被覆層44の形成→第5被覆層45の形成など、これらを実施するときは以下のとおりである。
燃料核31についていうと、はじめ酸化ウラン粉末を硝酸に溶解して硝酸ウラニル原液をつくる。この硝酸ウラニル原液に純水と増粘剤とを加え撹拌して滴下原液をつくる。この場合の増粘剤についていうと、これは滴下されて落下する硝酸ウラニル原液が自身の表面張力で真球状となるように添加される。増粘剤としてはポリビニールアルコール樹脂・アルカリ条件下で凝固する性質のある樹脂・ポリエチレングリコール・メトローズなどあげることができる。上記のように調製された滴下原液は、所定温度の冷却による粘度土調整後、細径の滴下ノズルを振動させつつここからアンモニア水中に滴下される。この際の液滴は、ノズル下端からアンモニア水溶液に着水するまでの間にアンモニアガスを吹き付けられてゲル化されるため、着水時の変形が防止される。こうした場合の硝酸ウラニルはアンモニア水溶液中で重ウラン酸アンモニウムの粒子となる。重ウラン酸アンモニウム粒子は大気中で焙焼されて三酸化ウラン粒子となり、さらに、これが還元・焼結されることで高密度のセラミック状二酸化ウランからなる燃料核31が得られる。
第1被覆層41・第2被覆層42・第4被覆層44・第5被覆層45は、それぞれ、炭化水素系気相原料の熱分解反応生成物(微粒状のCVD反応生成物)を所定厚さにデポジットさせることで形成できる。第3被覆層43の場合は、水素やアルゴンをキャリアガスにしてシラン化合物をCVD反応領域に供給し、そのシラン化合物の熱分解反応生成物を所定厚さにデポジットさせることで形成したりする。この種の被覆層については、それぞれの層を一層ずつ各別に形成しても構わないが、通常は各層を連続形成する。その際に用いられる装置の代表例は電気炉構造の加熱式流動床である。もちろん原料ガスは既述の炭化水素系であり、キャリアガスはアルゴンなど不活性ガスである。そのほか、各被覆層を同一の流動床で連続形成するときは、一つの被覆層を形成するごとに流動床内をパージガスで掃気することがある。
上記の流動床に導入された燃料核31の外周面に最初に形成されるのは、低密度炭素からなる第1被覆層41である。このときの原料ガスは一例としてアセチレン(C)からなり、これを1400℃の温度で熱分解したときの炭素微粒子が燃料核31の外周面に堆積されて所定厚の第1被覆層41が形成される。つぎに形成されるのは、高密度炭素からなる第2被覆層42である。このときの原料ガスは一例としてプロピレン(C3)からなり、これを1400℃の温度で熱分解したときの炭素微粒子が第1被覆層41の外周面に堆積されて所定厚の第2被覆層42が形成される。そのつぎに形成されるのは、炭化珪素(SiC)からなる第3被覆層43である。このときの原料ガスは一例としてメチルトリクロロシラン(CH3SiCl)からなり、これを1600℃の温度で熱分解したときの炭化珪素微粒子が第2被覆層42の外周面に堆積されて所定厚の第3被覆層43が形成される。このあとに形成されるのは高密度炭素からなる第4被覆層44である。第4被覆層44の場合は第2被覆層42と同じ要領で所定の厚さに形成される。第4被覆層44の上に形成される第5被覆層45は、低密度ないし中密度(低密度以上高密度未満)の炭素からなる。このときの原料ガスは単一ガスまたは混合ガスのいずれかであり、具体的にはアセチレン(C)および/またはプロピレン(C)からなる。この原料ガスを1300〜1500℃の温度で熱分解したときの炭素微粒子が第4被覆層44の外周面に堆積されて所定厚の第5被覆層45が形成される。
被覆燃料粒子11の製造は上記のとおり、燃料核31の外周面に第1被覆層41〜第5被覆層45を形成することで完了する。かくて、図1を参照して述べた仕様の被覆燃料粒子11が得られる。
図2に略示されたオーバコート粒子21の製造は、上記のようにして製造した被覆燃料粒子11をつぎの転動造粒に掛けることで実施される。
転動造粒の場合は、被覆燃料粒子11をたとえばパン型の容器内に入れて攪拌羽根で転動させ、ここで結合剤を含む黒鉛マトリックス材を噴霧しつつ被覆燃料粒子11を転動・回転させることでその外周面に黒鉛マトリックス材層51を形成するものである。
オーバコート粒子21の製造は以上のように、被覆燃料粒子11を製造した後、その外周面に黒鉛マトリックス材層51を形成することで完了する。かくて、図1を参照して述べた仕様のオーバコート粒子21が得られる。
以下はオーバコート粒子21を中空円筒形にプレス成形またはモールド成形し、その成形物を焼結したものが燃料コンパクト(図示せず)となり、一定数量の燃料コンパクトを黒鉛製筒に入れてその上下を端栓で封じたものが燃料棒(図示せず)となる。最終的なものとしては、所定数の燃料棒を六角柱型黒鉛ブロックの各挿入口に装填したものが高温ガス炉の燃料(図示せず)となる。
被覆燃料粒子11としては、第1被覆層〜第4被覆層44を形成した時点の最外径を直径900μmとし、その上に密度1.1g/cmの熱分解炭素からなる厚さ150μmの第5被覆層45を形成した。この場合の第1被覆層41〜第5被覆層45は同一の流動床において連続形成したものである。さらに第5被覆層45については、20L/minの原料ガス(C)と180L/minのキャリアガス(Ar)とを混合し、その混合ガスを流動床の反応領域(1400℃)に導入して形成したものである。この被覆燃料粒子11を既述の転動造粒法に掛け、厚さ50μmの黒鉛マトリックス材層51で被覆して直径1300μmのオーバコート粒子21を得た。以下は常法にしたがい、オーバコート粒子21を所定形状に成形し、その成形物を焼結して燃料コンパクトとした。
[実施例の評価]
オーバコート粒子21を得るまでの所要時間は期待したとおり短時間であった。それは第1被覆層41〜第5被覆層45を連続形成したことや、黒鉛マトリックス材層51の膜厚を薄くできたことによる。また、バラツキの生じやすい黒鉛マトリックス材層51を薄くしたことで、オーバコート粒子21の外径が高精度に仕上がった。さらに被覆燃料粒子11の第5被覆層45が密度1.8g/cm以下のものであるため、燃料コンパクトをつくるときの成形時に損傷が発生しなかった。
本発明のものは燃料核上の層構造を改善した被覆燃料粒子やオーバコート粒子であって有用かつ有益なものである。これらについて、各層をつくるための手段は技術的にほぼ完熟した領域にあるから、その手段を適切に採用するだけで、有用で有益な被覆燃料粒子とオーバコート粒子を簡単に得ることができる。したがって産業上の利用可能性が高い。本発明の方法についても上記と同様のことがいえるから産業上の利用可能性が高い。
本発明に係る被覆燃料粒子とオーバコート粒子の一実施形態を示した断面図である。 本発明に係る被覆燃料粒子の製造方法ならびにオーバコート粒子の製造方法を略示したブロック工程図である。
符号の説明
11 被覆燃料粒子
21 オーバコート粒子
31 燃料核
41 第1被覆層
42 第2被覆層
43 第3被覆層
44 第4被覆層
45 第5被覆層
51 黒鉛マトリックス材層

Claims (7)

  1. 核燃料物質の酸化物からなる燃料核の外周面に、低密度炭素層からなる第1被覆層と、高密度炭素層からなる第2被覆層と、炭化珪素層からなる第3被覆層と、高密度炭素層からなる第4被覆層と、炭素層からなる第5被覆層とが形成されていることを特徴とする被覆燃料粒子。
  2. 第5被覆層の密度が1.8g/cm以下である請求項1記載の被覆燃料粒子。
  3. 請求項1または2記載の被覆燃料粒子と黒鉛マトリックス材層とを備え、黒鉛マトリックス材層が被覆燃料粒子の外周面に形成されていることを特徴とするオーバコート粒子。
  4. 黒鉛マトリックス材層の厚さが20〜400μmである請求項3記載のオーバコート粒子。
  5. 核燃料物質の酸化物からなる燃料核の外周面に低密度炭素層からなる第1被覆層を形成するための工程と、第1被覆層の上に高密度炭素層からなる第2被覆層を形成するための工程と、第2被覆層の上に炭化珪素層からなる第3被覆層を形成するための工程と、第3被覆層の上に高密度炭素層からなる第4被覆層を形成するための工程と、第4被覆層の上に炭素層からなる第5被覆層を形成するための工程とを備え、これらのうちの第5被覆層を、第4被覆層までの被覆層形成で使用した流動床における蒸着ガスの熱分解反応により蒸着形成することを特徴とする被覆燃料粒子の製造方法。
  6. 第1被覆層から第5被覆層までを燃料核の外周面に連続形成する請求項5記載の被覆燃料粒子の製造方法。
  7. 核燃料物質の酸化物からなる燃料核の外周面に低密度炭素層からなる第1被覆層を形成するための工程と、第1被覆層の上に高密度炭素層からなる第2被覆層を形成するための工程と、第2被覆層の上に炭化珪素層からなる第3被覆層を形成するための工程と、第3被覆層の上に高密度炭素層からなる第4被覆層を形成するための工程と、第4被覆層の上に炭素層からなる第5被覆層を形成するための工程と、第5被覆層の上に黒鉛マトリックス材層を形成するための工程とを備えていることを特徴とするオーバコート粒子の製造方法。
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