JP2007003118A - 高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法および高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガス噴出ノズルから炭化珪素堆積物を容易に除去して簡便に再利用でき、製造コストの低減および効率化が図れる高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法および被覆燃料粒子製造方法の提供。
【解決手段】 高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズルの堆積物を除去する方法であって、ガス噴出ノズルを1600℃以上で加熱処理することにより堆積物のβ型炭化珪素をα型炭化珪素に相変化させて脆化する加熱処理工程と、該加熱処理工程の後にガス噴出ノズルを研磨して脆化した堆積物を除去する研磨工程とを備えた。また、高温ガス炉用被覆燃料粒子製造方法において、使用済みガス噴出ノズルを前記堆積物除去方法による堆積物除去済みガス噴出ノズルに交換するものとした。
【選択図】 なし
Description
本発明は、例えば高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズルの堆積物除去方法に関するものであり、また、この堆積物除去方法によりガス噴出ノズルの再利用を可能とした高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法に関するものである。
高温ガス炉は、燃料を含む炉心構造を熱容量が大きく高温健全性の良好な黒鉛で形成し、ヘリウム等の高温下でも化学的反応の起こらないガス冷却材を用いることにより、固有の安全性が高く、高い出口温度のヘリウムガスを取り出すことの可能な原子炉であり、得られる約900℃の高温熱は、発電はもちろんのこと水素製造や化学プラント等幅広い分野での熱利用を可能にするものである。
このような高温ガス炉の燃料は、通常、ウランを含む溶液を出発原料として製造した二酸化ウランをセラミックス状に焼結した直径約350〜650μmの燃料核を基本構造とし、この燃料核の外表面に複数の被覆層を形成してなる被覆燃料粒子を用いたものである。
高温ガス炉で一般的な被覆燃料粒子は、例えば、第1被覆層として密度約1g/cm3 の低密度熱分解炭素層を形成し、第2被覆層として密度約1.8g/cm3 の高密度熱分解炭素層を形成し、さらに第3被覆層として炭化珪素(SiC)層を、また第4被覆層として密度約1.8g/cm3 の高密度熱分解炭素層を形成した計4層の被覆を施されたものが挙げられる。
第1被覆層は、ガス状の核分裂生成物のガス留めとしての機能及び燃料核の変形を吸収するバッファ層としての機能を併せ持つものである。また第2被覆層はガス状核分裂生成物の保持機能を有し、第3被覆層は固体状核分裂生成物の保持機能を有すると共に、被覆層の主要な強度部材である。第4被覆層は、第2被覆層と同様のガス状核分裂生成物の保持機能と共に第3被覆層の保護層としての機能も持っている。
上記のような被覆燃料粒子の一般的なものは直径約500〜1000μmである。被覆燃料粒子は黒鉛母材中に分散させ一定形状の燃料コンパクトの形に成型加工され、さらに黒鉛でできた筒にコンパクトを一定数量入れ、上下に栓をした燃料棒の形にされる。最終的に燃料棒は、六角柱型黒鉛ブロックの複数の挿入口に入れられ、この六角柱型黒鉛ブロックを多数個、ハニカム配列に複数段重ねて炉心を構成している。
一般的な被覆燃料粒子となる被覆前の燃料核は次のような工程で製造されており、大量形成が可能な方法として振動滴下によるゲル状の粒子を得る外部ゲル化法が多く用いられている。具体的には、まず酸化ウランの粉末を硝酸に溶かし硝酸ウラニル原液とし、この硝酸ウラニル原液に純水、添加剤を加え撹拌することにより滴下原液とする。添加剤は、滴下された硝酸ウラニルの液滴が落下中に自身の表面張力により真球状になるようにする増粘剤であると同時にアンモニウムとの接触により原液をゲル化せしめるために添加されるものであり、例えばポリビニルアルコール樹脂、アルカリ条件下でゲル化する性質を持つ樹脂、ポリエチレングリコール、メトローズなどを挙げることができる。
以上のように調製された滴下原液は所定の温度に冷却され粘度を調整した後、細径の滴下ノズルを振動させることによりアンモニア水溶液中に滴下される。アンモニア水溶液中へ液滴となって入った原液は、硝酸ウラニルがアンモニアと十分に反応させられると同時に前記添加剤がゲル化され、重ウラン酸アンモニウム(ADU)を含むゲル状の粒子となる。得られたADUゲル粒子は、大気中で焙焼され、水分および添加剤が除去されて三酸化ウラン粒子となり、さらに還元・焼結されることにより高密度のセラミックス状二酸化ウランからなる球状の燃料核となる。
この燃料核を用いた被覆燃料粒子の製造工程としては、燃料核を流動床の反応容器内に投入し、その燃料核を流動させるための流動ガスとしても機能する被覆層の原料ガスをガス導入管を介して反応容器底部まで送り、該底部に開口するガス噴出ノズルから反応容器内上方へ噴出させ、ここで熱分解させることにより被覆を施す方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、第1被覆層の低密度炭素層の場合は約1400℃でアセチレン(C2H2)を熱分解して被覆を施し、第2および第4被覆層の高密度熱分解炭素層の場合は約1400℃でプロピレン(C3H6)を熱分解して行う。第3被覆層のSiC層の場合は約1600℃でメチルトリクロロシラン(CH3SiCl3)を熱分解して、それぞれ被覆を実施する。
以上のようにして得られた被覆燃料粒子は、その表面に黒鉛粉末、粘結剤等からなる黒鉛マトリックス材をコーティングしてオーバーコート粒子を得る。さらに、これらオーバーコート粒子を、黒鉛粉末、粘結剤等からなる黒鉛マトリックス材とともに円筒形または球形にプレス成型またはモールド成型した後、焼成して燃料コンパクトまたはペブルが得られる。
上記の如き流動床の反応容器内での被覆層形成工程では、図1および図2に示すように、流動ガスおよび各被覆原料ガスを流動床の反応容器10内に噴出供給するガス噴出ノズル1は、反応容器10の底部に装着されるものであるが、被覆原料であるメチルトリクロロシランを供給しながら行う第3被覆層としての炭化珪素層を燃料核表面に形成する際には、この炭化珪素がノズル孔2の周辺にも生成されて固着し、堆積物となってしまう。
この堆積物は、約30μmの炭化珪素層形成工程1回につき約2mmの高さに成長する。しかしながら、この堆積物は、ノズルに非常に強固に固着しているため、これを除去して再びガス噴出ノズルを次の被覆層形成工程に使用することは非常に困難であった。
一方、炭化珪素堆積物を除去しないままでガス導入ノズルを別の被覆燃料粒子製造工程に使用してしまうと、そのノズル孔のガス流路は堆積物で一部塞がれて径が変化していることから、被覆原料ガスおよび流動ガスが良好に反応容器内に噴射供給できず、燃料核は正常に流動せず、均一な被覆層の形成が困難となって、目的とする良好な品質の被覆燃料粒子を製造することができない。
従って、高品質な被覆燃料粒子を製造するには、被覆層形成工程を新たに開始する度に、反応容器から使用済みガス導入ノズルを取り外して未使用品に交換しておく必要があり、この交換作業のために時間とコストがかかり、被覆燃料粒子の製造工程は全体として効率の悪いものであった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、ガス噴出ノズルから炭化珪素堆積物を容易に除去できる高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法を提供することにある。また、本発明は、使用済みガス噴出ノズルを再利用して従来より効率的に被覆燃料粒子を製造できる高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法は、高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズルの堆積物を除去する方法であって、前記ガス噴出ノズルを1600℃以上で加熱処理することにより堆積物のβ型炭化珪素をα型炭化珪素に相変化させて脆化する加熱処理工程と、該加熱処理工程の後にガス噴出ノズルを研磨して脆化した堆積物を除去する研磨工程とを備えたものである。
また、請求項2に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法は、請求項1に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法において、前記加熱処理工程は、不活性ガス雰囲気中あるいは減圧真空中で行うものである。
また、請求項3に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズ堆積物除去方法、請求項1に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法において、前記加熱処理工程は、大気雰囲気中で行うものである。
さらに、請求項4に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズ堆積物除去方法、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法において、前記研磨工程は、粗研磨工程と鏡面研磨工程とを含むものである。
また、請求項5に記載の発明に係る高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法は、二酸化ウラン燃料核を収容した反応容器内に、該容器の底部に着脱可能に装着されたガス噴出ノズルのノズル孔を介して被覆原料ガスを噴出供給しつつ加熱することにより、前記燃料核を流動させながら被覆原料ガスの熱分解反応を行って燃料核表面に低密度熱分解炭素層、高密度熱分解炭素層、炭化珪素層、高密度熱分解炭素層、の4被覆層を順次形成する高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法において、前記4被覆層形成後の使用済みガス噴出ノズルを交換する工程と、前記使用済みガス噴出ノズルを1600℃以上で加熱処理することにより、第3被覆層の被覆工程時にガス噴出ノズルに堆積したβ型炭化珪素をα型炭化珪素に相変化させて脆化させる熱処理工程および、前記ガス噴出ノズルを研磨して脆化した堆積物を除去する研磨工程を含むガス噴出ノズル堆積物除去工程を備え、前記ガス噴出ノズルの交換は、使用済みガス噴出ノズルに固着した堆積物を前記ガス噴出ノズル堆積物除去工程により除去したガス噴出ノズルに交換するものである。
本発明の高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法においては、被覆燃料粒子製造工程にて、炭化珪素層形成時にガス噴出ノズルのノズル孔周辺に堆積してしまうβ型炭化珪素を加熱処理にてα型に相変化させて脆化するものであるため、従来は困難であった堆積物の除去が、脆化後の研磨により簡単に行うことができ、この堆積物除去済みのガス噴出ノズルを再度別の被覆燃料粒子製造工程に利用できるという効果がある。
また、本発明の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法においては、第1〜第4被覆層形成後の使用済みガス噴出ノズルを反応容器底部から取り外して堆積物除去工程にて第3被覆層形成時に堆積したβ型炭化珪素をα型に相変化させて脆化させてから除去すると共に、使用済みガス噴出ノズルに対して前記堆積物除去工程により堆積物を除去したガス噴出ノズルに交換するものであるため、従来の被覆層形成工程開始毎に使用済みガス噴出ノズルを新品のノズルに交換していた場合に比べて、必要ノズル個数を大幅に削減してコスト低減と効率化を図りながらも製造される被覆燃料粒子の品質を良好に保つことができるという効果がある。
本発明のガス噴出ノズル堆積物除去方法は、高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズルを1600℃以上で加熱処理することによって、該ノズルに堆積したβ型炭化珪素をα型に相変化させ、脆化させるものであるため、ガス噴出ノズルに固着していた炭化珪素の堆積物は熱処理工程後の研磨で容易に除去することができる。よって、この堆積物が除去されたガス噴出ノズルは良好なガス噴出による燃料核の流動や均一な被覆層の形成が行えるものであり、廃棄する必要なく再利用することができる。
通常、β型炭化珪素は、1600℃以上の高温での熱処理で脆いα型炭化珪素に相変化するが、ガス噴出ノズル自体は、黒鉛等の、第3被覆層としての炭化珪素層形成時の約1600℃以上という高温度条件に耐え得る材質から構成されているため、前記炭化珪素堆積物の相変化のための熱処理に対してなんら影響はない。
なお、前記熱処理工程は、ガス噴出ノズルの材質が黒鉛等であるため、アルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気中あるいは減圧真空中で行うことによって、ガス噴出ノズル自体の化学反応を防止することができる。
また、ガス噴出ノズルの材質を黒鉛以外の酸素と反応しないセラミックス材質等で製造した場合、前記熱処理工程を大気雰囲気中で行えば、炭化珪素をβ型からα型に相変化させるだけでなく、大気中の酸素と反応して炭化珪素より機械的強度が弱くて除去しやすい二酸化珪素に化学変化する。
また、炭化珪素の堆積物を除去したガス噴出ノズルは、実質的に次の被覆層形成工程に利用できる状態に調整する必要があるが、熱処理工程後の研磨工程において一連の工程として完了させてしまうのが簡便である。例えば、研磨工程を粗研磨工程とこれに続く鏡面研磨工程とを含むものとすれば、紙ヤスリ等による粗研磨工程で脆化した堆積物を除去し、次いでバフ研磨等により鏡面加工を施せば、直ちに被覆層形成工程にガス噴出ノズルを供することができる。
なお、本発明におけるβ型炭化珪素のα型への相変化は、必ずしも100%である必要はなく、少なくとも実際にノズルに接して固着している堆積物表面部分が脆化して該部分を崩してノズルから取り外せる程度の相変化が生じるような加熱処理でよく、適宜、加熱温度と時間を設定すればよい。
また、本発明の高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法では、二酸化ウラン燃料核を収容した反応容器内に、該容器の底部に着脱可能に装着されたガス噴出ノズルのノズル孔を介して被覆原料ガスを噴出供給しつつ加熱することにより、前記燃料核を流動させながら被覆原料ガスの熱分解反応を行って燃料核表面に低密度熱分解炭素層、高密度熱分解炭素層、炭化珪素層、高密度熱分解炭素層、の4被覆層を順次形成する高温ガス炉用被覆燃料粒子製造方法において、4被覆層形成後の使用済みガス噴出ノズルを交換するものであるが、使用済みガス噴出ノズルに第3被覆層としての炭化珪素形成時に堆積してしまったβ型炭化珪素を、上記請求項1に記載の堆積物除去方法で除去するものである。
即ち、4被覆層形成後の使用済みガス噴出ノズルを反応容器から取り外して前記堆積物除去工程で堆積物を除去すると共に、代わりに予め他の使用済みで前記堆積物除去工程により堆積物除去済みとなったガス噴出ノズルを反応容器に装着するものである。これによって、従来は4被覆層形成工程終了毎に反応容器から使用済みガス噴出ノズルを取り外して次の工程のために新たなガス噴出ノズルに交換する必要がなくなり、被覆燃料粒子の大量生産における必要ノズル個数は格段に削減でき、製造工程全体的に大幅なコスト低減と効率化を図ることができる。
本発明の一実施例による高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法における、高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置の使用済みガス噴出ノズルに対する堆積物除去工程の具体例を以下に説明する。まず、従来と同様の図1に示す流動床からなる反応容器10の底部に新品のガス噴出ノズル1を装着した後、反応容器10内に所定量の燃料核を投入し、まずは約1400℃でアセチレンガスを供給することにより第1被覆層の低密度炭素層を形成し、次に約1400℃でプロピレンガスを供給して第2被覆層の高密度熱分解炭素層を形成した後、約1600℃でメチルトリクロロシランを供給して第3被覆層のSiC層を形成した。その後約1400℃でプロピレンガスを供給して第4被覆層の高密度熱分解炭素層を形成して被覆燃料粒子を得た。
以上の第1〜第4被覆層形成までの一連の被覆燃料粒子製造工程が終了してから、被覆燃料粒子を回収した後、ガス噴出ノズル1を反応容器底部から取り外した。このとき、ガス噴出ノズル1には、ノズル孔2の開口の周辺に炭化珪素の堆積物が固着していた。
この使用済みガス噴出ノズルを加熱容器中に載置し、窒素雰囲気1800℃で24時間熱処理した。この加熱処理工程により、炭化珪素堆積物は、90%以上がα型に相変化していた。次いで、この堆積物のほとんどがα型となり脆化したガス噴出ノズルに対して、粗研磨工程として紙ヤスリで堆積物を削り取った。このとき、堆積物の全量除去を容易に行うことができた。この堆積物除去後のガス噴出ノズルに対して、バフ研磨して鏡面加工を施して再生ガス噴射ノズルとした。この再生ガス噴射ノズルを再び反応容器底部に装着しなおし、前記と同様の工程で第1〜第4被覆層を形成して被覆燃料粒子を製造した。
以上の工程で新品状態でのガス噴出ノズルを用いて製造した被覆燃料粒子と、使用済み後に上記リサイクル方法で再生したガス噴出ノズルを用いて製造した被覆燃料粒子とを比較した結果、各被覆層の厚さ及び密度等、品質的に差異がなかった。
なお、実際の被覆燃料粒子製造工程においては、第1〜第4被覆層形成工程を複数バッチ行うのであれば、ガス噴出ノズルを最低必要個数だけ用意しておき、1バッチ終了毎に使用済みガス噴出ノズルを予め上記リサイクル方法で再生させておいたものと順次交換していけば、製造工程を効率的に進めることができる。
また、上記実施例においては、加熱処理工程を窒素雰囲気中で行った場合を示したが、該加熱処理工程をアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行った場合も、炭化珪素堆積物をα型に脆化させることができ、紙ヤスリ等の粗研磨で全量除去することができた。
1:ガス噴出ノズル
2:ノズル孔
10:反応容器
2:ノズル孔
10:反応容器
Claims (5)
- 高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズルの堆積物を除去する方法であって、
前記ガス噴出ノズルを1600℃以上で加熱処理することにより堆積物のβ型炭化珪素をα型炭化珪素に相変化させて脆化する加熱処理工程と、該加熱処理工程の後にガス噴出ノズルを研磨して脆化した堆積物を除去する研磨工程とを備えたことを特徴とする高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズル堆積物除去方法。 - 前記加熱処理工程は、不活性ガス雰囲気中あるいは減圧真空中で行うことを特徴とする請求項1に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズルの堆積物除去方法。
- 前記加熱処理工程は、大気雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズルの堆積物除去方法。
- 前記研磨工程は、粗研磨工程と鏡面研磨工程とを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の高温ガス炉用被覆燃料粒子製造装置のガス噴出ノズルの堆積物除去方法。
- 二酸化ウラン燃料核を収容した反応容器内に、該容器の底部に着脱可能に装着されたガス噴出ノズルのノズル孔を介して被覆原料ガスを噴出供給しつつ加熱することにより、前記燃料核を流動させながら被覆原料ガスの熱分解反応を行って燃料核表面に低密度熱分解炭素層、高密度熱分解炭素層、炭化珪素層、高密度熱分解炭素層、の4被覆層を順次形成する高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法において、
前記4被覆層形成後の使用済みガス噴出ノズルを交換する工程と、
前記使用済みガス噴出ノズルを1600℃以上で加熱処理することにより、第3被覆層の被覆工程時にガス噴出ノズルに堆積したβ型炭化珪素をα型炭化珪素に相変化させて脆化させる熱処理工程および、前記ガス噴出ノズルを研磨して脆化した堆積物を除去する研磨工程を含むガス噴出ノズル堆積物除去工程を備え、
前記ガス噴出ノズルの交換は、使用済みガス噴出ノズルに固着した堆積物を前記ガス噴出ノズル堆積物除去工程により除去したガス噴出ノズルに交換することを特徴とする高温ガス炉用被覆燃料粒子の製造方法。
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Cited By (2)
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CN103591812A (zh) * | 2013-10-19 | 2014-02-19 | 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 | 一种管式加热炉结焦物清理方法 |
JP2015171707A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-10-01 | フォスベル,インコーポレーテッド | 精製プロセスおよび発電システムから粒子状物質を除去するための方法ならびに装置 |
-
2005
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