JP2005331284A - 水素ガス検知剤および水素ガス検知装置 - Google Patents

水素ガス検知剤および水素ガス検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 目視観察によっても検知しやすく、簡便に定量化も可能な、水素ガス検知剤および水素ガス検知装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 水素ガス検知剤としては、1mM 以上の次亜塩素酸イオン、及びpH9での変色電位が0.89V 以下の酸化還元指示薬とを混合した水溶液からなるものとする。また、水素ガス検知装置1としては、水素ガス検知剤を含浸させた多孔質体2の2カ所に電極3を接触させ、これら電極3を電位差計4をはさんで接続した構造を有するものとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムなど水素ガスを使用する装置・設備において、水素の漏洩を検知するための検知剤および検知装置に関する。
従来から、材料に含まれる水素量はAPI-MSなどの昇温分析法や電気化学透過法などを用いて、各温度での材料からの放出量として調べることができるが、材料中の水素の可視化分析には特性X 線による簡便な局所分析を適用することはできず、トリチウムオートラジオグラフィや2 次イオン質量分析法(SIMS)が用いられる。
前者は、水素の存在位置をトリチウムを用いて可視化する方法であり、後者は数keV 〜10数keV のイオンでサンプルを照射することによって放出されるイオンを質量分析する方法である。これらの方法によれば、微小領域の水素をppm オーダーで検出することができる。
その他の水素可視化方法としては、銀デコレーション法、水素マイクロプリント法が知られている。銀デコレーション法は、ジシアン化銀が水素により還元されて生じる銀粒子を可視化に利用する方法であり、水素マイクロプリント法は、臭化銀が水素により還元されて生じた銀粒子を電子顕微鏡で観察する方法である。また、雰囲気中の水素ガス濃度の測定には各種センサーが開発されている。
上記以外の水素可視化方法としては、固体材料表面の水素分布可視化方法は、表面に水素を吸着したり吸蔵した固体材料の表面を、硝酸銀アンモニア水溶液に接触させ、硝酸銀アンモニア水溶液中の銀イオンを、固体材料の表面に吸着または吸蔵された水素により銀に還元し、固体材料の表面に析出させることが提案されている(特許文献1参照)。この固体材料表面の水素分布可視化方法は、有害なシアン化合物を使用しないため、試薬の調整、可視化工程、廃液処理等の工程において安全性のための手間やコストを低減することができる。
また、白金が高温度で水素に侵食されて電気抵抗値が増すことに着目し、この白金の電気抵抗値の変化を捕捉して水素の漏洩を検知することが提案されている(特許文献2参照)。より具体的には、水素による侵食を促進して検知の応答を迅速すために燐又は燐酸化物と白金と共存させている。そして、白金の検知部をステンレス鋼管中に収容し、燐の粉末をアルミナ・セメント内に混ぜて、前記白金の検知部とステンレス鋼管との空隙に充填して充填層となし、検知部には白金の細線をアルミナ成形、焼結して作った巻枠に線同士に接触しないように巻き着け、該白金線の両端は各々導線に接続し、抵抗計で測定する。
また、燃料電池のセル型の両電極間に電圧を印加し、透過水素ガスを陽極側に、空気を陰極側に供給し、その両極間の電流値に基づいて配管や機器を透過する水素ガス量を測定する方法において、水素測定センサー素子とする燃料電池のセル型は、固体高分子電解質膜の両面にカーボンクロス電極を取り付けたものである透過水素ガス量測定方法およびその装置も提案されている(特許文献3参照)。
更に、水素イオン伝導性を有する電解質膜の一方の表面に水素解離触媒電極を、他方の表面に水素生成触媒電極を設け、前記水素解離触媒電極表面には被検出ガスが流れるガス配管に開口する流路を有する正極集電板を、前記水素生成触媒電極の表面には水素生成触媒電極が前記被検出ガスに直接曝されるような負極集電板を配設し、前記集電板の間に直流電圧を印加して、前記水素解離触媒電極から前記水素生成触媒電極に向かう水素イオン輸送作用により前記流路から取り込まれる被検出ガス中の水素ガスの濃度に応じて変化する電流を検出することも提案されている(特許文献4参照)。
特開2001−74723号公報 (請求項、図1) 特開2002−228615号公報 (請求項、図1) 特開2002−289243号公報 (請求項、図1) 特開2003−28831号公報 (請求項、図1)
しかし、上記トリチウムオートラジオグラフィによれば、水素の存在位置を金属組織レベルで観察可能であるが、放射性同位元素であるトリチウムを用いるため、簡便な方法とは言えない。
また、上記SIMSによれば材料の水平方向、および、深さ方向について水素分布の情報が得られ、銀デコレーション法やマイクロプリント法では、材料表面の水素を、銀粒子として電子顕微鏡により精密に観察できる。しかし、これらの方法は微小領域の情報を得るには有効であるが、mm単位以上の広域の領域で水素の分布を調べたり、数10cm程度以上の広幅のサンプルを観察、分析することや、水素ガスの漏洩部位検知には適さない。
更に、上記特許文献1〜4においても、同様に、これら大面積の試料における水素分布検知や、水素漏洩部位の特定には適さない。API-MSなどの昇温分析法や電気化学透過法などでは当然ながら、材料中の水素吸蔵部位、漏洩部位を知ることはできない。また、以上の方法は、それぞれ高価な設備、装置を要するケースが多く、簡便な方法とは言えず、目視観察も困難である。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたもので、大面積の試料における水素分布検知や、水素漏洩部位の特定に適し、しかも検知が、目視観察や電位差測定などによって、簡便に行なうことが可能な、水素ガス検知剤および水素ガス検知装置を提供しようとするものである。
この目的を達成するための、本発明の水素ガス検知剤の要旨は、1mM 以上の次亜塩素酸イオン、及びpH9での変色電位が0.89V 以下の酸化還元指示薬とを混合した水溶液からなることである。
また、好ましい本発明水素ガス検知剤の要旨は、前記水素ガス検知剤が、更に、次亜臭素酸イオンと臭化物イオンとを含有した上で、前記次亜塩素酸イオンと次亜臭素酸イオンの濃度が合計で1mM 以上であることである。
更に、前記目的を達成するための、本発明の水素ガス検知装置の要旨は、次亜塩素酸イオンを含む水溶液を含浸させた多孔質体の、水素に接する部分と水素に接しない部分との、電位差を測定して水素ガスを検知することである。
水素ガスは高温では化学的に活性であり、様々な化合物を形成することが知られている。しかし、室温では活性が低いため、水素ガスを検知するに当たっては、固体触媒を用いたり、高温にする必要があった。
本発明では、水酸化物イオンを触媒とし(塩基性)、塩基性環境下で活性な次亜塩素酸イオンを組み合わせ、さらに、酸化還元指示薬を併用することによって室温で水素ガスを目視検知することを可能とした。
上記のように塩基性環境下では、水酸化物イオンの働きによって、水素自体の反応性は向上するが、一方で、水素と反応させるための酸化剤の反応性は、塩基性では一般的に低下する。このため、たとえば、酸性条件で強い酸化剤として知られているクロム酸塩などを用いても、室温の水素と反応させることはできない。
これに対して、本発明では、種々探索した結果、塩基性条件でも良好な酸化作用を示す、次亜塩素酸塩や次亜臭素酸塩が、水素と反応させことができるのを知見した。
このため、本発明では、上記要旨の通り、次亜塩素酸イオンと酸化還元指示薬を含有させた混合物によって、配管のピンホールなどから漏洩した水素ガスなどを目視により簡便に検知することができる。
また、上記要旨の通り、次亜塩素酸イオンを含む水溶液を含浸させた多孔質体の、水素に接する部分と水素に接しない部分との、電位差を測定して水素ガスを検知することによって、次亜塩素酸塩と水素との反応を、電位差として簡便に検知することができる。
したがって、本発明は、大面積の試料における水素分布検知や、水素漏洩部位の特定に適し、しかも検知が、目視観察や電位差測定などによって、簡便に行なうことが可能である。
本発明の実施態様を以下に説明するが、先ず、水素の検知の方法として、視覚的に検知する、本発明水素ガス検知剤の態様について、以下に説明する。
(次亜塩素酸イオン)
塩基性条件でも良好な酸化作用を示す、例えばNaClO などの次亜塩素酸塩は、水溶液中で、次亜塩素酸イオンとして、水素と下記反応式1 のように化学反応して、Cl -を発生させる。添加する次亜塩素酸塩は、例えば、NaClO 、Ca(ClO)2など、水溶性で、市販で安価、かつ扱いやすいものが適宜選択される。
ClO - + H2→ Cl - + H2O : 反応式1
このClO - が消費されることによって、水溶液中の、pH9での変色電位が0.89V 以下の酸化還元指示薬を変色させて、室温で水素ガスを目視検知することができる。このように室温で水素ガスを目視検知するためには、水溶液の次亜塩素酸イオン濃度を1mM 以上とする。これ未満の次亜塩素酸イオン濃度では、上記反応が鈍感となり、検知したい微量な水素ガスレベルでは、目視検知しにくくなる。一方、次亜塩素酸イオンの上限は特に定めないが、0.1Mを超えると、自己分解反応が起こりやすくなるので、0.1M以下であることが好ましい。
(次亜臭素酸イオン、臭化物イオン)
上記次亜塩素酸イオンによる反応を速めるためには、更に、KBr 添加などによって、臭化物イオンを添加することが望ましい。臭化物イオンは、次亜塩素酸イオンと下記反応式2 のように化学反応して、BrO - を発生させる。そして、この発生したBrO - が、水素と下記反応式3 のように化学反応して、Br -を発生させる。添加する臭化物は、例えば、KBr 、NaBr、CaBr2 など、水溶性で、市販で安価、かつ扱いやすいものが適宜選択される。
ClO- + Br ―→ BrO- + Cl - :反応式2
BrO- + H2→ Br - + H2O :反応式3
この発生したBr -によって、前記した酸化還元指示薬を変色させて、室温で水素ガスを目視検知することができる。この場合、次亜臭素酸イオンが水素とより速く反応するため、水素の検知がより早くなる効果がある。
また、次亜臭素酸イオン BrO- は、臭化物イオンBr -を加えると、上記反応式2 に従って、必然的に発生して、水溶液中に含まれる。このため、本発明では、請求項2において、次亜臭素酸イオンと臭化物イオンとを両者含有するものとして記載している。次亜臭素酸イオンは、上記反応で消費されても、上記反応で再生され、触媒的に作用して、濃度は常に変化しているため、次亜臭素酸イオンとしての濃度は、特に定めない。しかし、次亜鉛塩素酸イオンと次亜臭素酸イオンは平衡状態にあるため、両者の合計濃度として1mM 以上であることが好ましい。臭化物イオンは反応を起こすためのものであり、その濃度は、次亜塩素酸イオンの濃度以上であることが好ましい。また、これらイオンの合計の濃度の上限は特に定めないが、前記した通り、次亜鉛塩素酸イオンが0.1Mを超えると、自己分解反応が起こりやすくなるので、合計の濃度でも0.1M以下であることが好ましい。なお、本発明では、次亜臭素酸イオン BrO- を発生させる添加剤と、臭化物イオンBr -を発生させる添加剤とを両者添加することも可能である。しかし、BrO - を発生させる添加剤は入手が困難で不安定であるため、添加するのは、扱いやすい臭化物のみの方が好ましい。
(水溶液のpH)
既に述べたように、環境としての水溶液のpHを上げることによって、水素の反応性を向上させることができる。この観点から、水溶液のpHは8 以上が好ましく、次亜塩素酸イオンの安定性からは、水溶液のpHは9 以上がより好ましい。水溶液のpHの上限は特に定めないが、一方で、pHが高くなるほど、水素検知使用時に接触する部材に、アルカリ耐性が要求されてコストが高くなり、これとの兼ね合いで、水溶液のpHを適宜選択する。
(酸化還元指示薬)
酸化還元指示薬は、前記した通り、 ClO- や BrO- が消費されることによって変色して、室温での水素ガスの目視あるいは視覚的な検知を可能とする。酸化還元指示薬としては、pH9の塩基性での次亜塩素酸イオンの酸化還元電位0.89V 以下の変色電位をもつものであれば使用可能である。ただ、環境によっては次亜塩素酸イオンの酸化還元電位が変化することも考えられるので、好ましくは、pH9の塩基性で0.5V以下の変色電位をもつ指示薬がよい。
このような指示薬としては、2,6-ジブロムフェノール、2,6-ジクロロフェノール、トルイジンブルー、メチレンブルー、タートラジンなどがあり、安定性からはタートラジンが好ましい。指示薬の濃度は目視確認できるだけの着色ができればよく、1mM 程度あればよい。変色は反応させてから、大体5分以降から認知できるため、それ以上保持することが好ましい。
(各成分濃度の測定方法)
ここで、水素ガス検知剤中の、以上説明した各成分濃度の測定方法は以下の通りである。
次亜塩素酸イオン及び次亜臭素酸イオン:溶液ならそのまま、シート状の場合は粉砕、水分散させて試料水を調製し、ヨウ素還元滴定によって定量する。ヨウ素還元滴定は、試料水にヨウ化カリウムを加えたとき反応によって生じたヨウ素をチオ硫酸ナトリウム標準液で滴定するよく知られた方法である。
臭化物イオン:トータル臭素(臭化物イオン+次亜臭素酸イオン)として、蛍光X線法により定量することができる。臭化物イオンも次亜塩素酸イオンと平衡状態にあるために、トータル臭素濃度が、次亜塩素酸イオン+次亜臭素酸イオン濃度と同程度であればよい。
酸化還元指示薬のpH9での変色電位は、0.1Mの硫酸と0.1Mのアンモニア水とを併用して、pH9に調整した0.01M の酸化還元指示薬水溶液500ml 中に、2 枚の白金電極を浸漬する。飽和カロメル電極を参照電極として、電位を正に走引し、対応する電流値を記録する。この電流値が急速に増加する電位を読み取り、変色電位とする。
(検知剤その他の成分)
以上説明したように、本発明検知剤は、水素の検知反応に関与する本質的成分として、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、臭化物イオン及び酸化還元指示薬を含有する。しかし、それ以外に、Na+ 、K + などのアルカリ金属イオン、Ca2+、Sr2+などのアルカリ土類金属イオン、硫酸イオン、炭酸イオンなど、次亜塩素酸イオンによって酸化されないイオンであれば、濃度によらず共存させることができる。
(水素漏洩検知方法)
本発明検知剤を用いて、大面積の部材からの水素漏洩部位を求めるためには、 (1) 上記成分を含有する反応液にポリビニルアルコール等の増粘剤を適宜添加して糊状としたものを、該当部位に直接塗布し、漏洩部の変色を観察する。
(2) 上記成分を含有する反応液にポリビニルアルコール等の増粘剤を適宜添加して糊状としたものを、ポリエチレン等の樹脂フィルムに塗布して粘着テープを作製し、それを部材に張り付け、漏洩部の変色を観察する。
等の適用方法が考えられる。
(水素ガス検知装置)
次ぎに、水素の検知の方法としては、視覚的のみならず、電気的に検知する、本発明水素ガス検知装置の態様について、以下に説明する。
水素の検知を、視覚によらず、電気的に行なうには、次亜塩素酸イオンを含む水溶液を含浸させた多孔質体の、水素に接する部分と水素に接しない部分との、電位差を測定して水素ガスを検知する。したがって、本発明水素ガス検知装置の場合、上記本発明水素ガス検知剤の組成の内、水素ガスの変色による視覚検知用の酸化還元指示薬のみは不要である。その他の組成、例えば、次亜塩素酸イオンによる反応を速めるためには、更に次亜臭素酸イオンや臭化物イオンを添加することが望ましいなど、多孔質体に含浸させる水素ガス検知剤の成分や濃度は、上記水素ガス検知剤の箇所で記載した条件と同じである。
図1 に、本発明の水素ガス検知装置の態様を示す。図1 において、水素ガス検知装置1 は、本発明検知剤(酸化還元指示薬のみ除く)を含浸させた多孔質体2 と、前記多孔質体2の水素に接する部分と水素に接しない部分との2ヶ所に電極3を接触させ、これら各電極3を電位差計4をはさんで電気的に接続した構造を有する。電極3は、例えば、多孔質体2 を囲む金網からなり、水素に接する部分と水素に接しない部分の、任意の二箇所の部分を選択して、電位差計4と電気的に接続できる。
本態様では、上記反応が進行したことを電気的に検知するために、上記検知剤を吸収させた多孔質体2に2個の電極を設置している。この場合、一方の電極側の次亜塩素酸イオンや次亜臭素酸イオンが、水素と接触することによって、他方の水素と接触していない電極側と比較して、それらのイオン濃度が相対的に低下し、電位差が発生する。この電位差を電位差計4等によって測定することによって、水素漏洩有無を簡便に検知することができる。従って、電極は、水素に接する部分と水素に接しない部分との2ヶ所に設置すればよい。これは、多孔質体2の任意の部分から選択でき、多孔質体2の表裏であっても、同じ面であっても可能である。なお、大面積中の漏洩部位特定には、一個または複数個の検知装置自体を移動させるか、必要な数の検知装置を所定測定部位に設ける。したがって、前記多孔質体の何箇所に電極を接触させるかなど、水素検知のための、電極や電位差計の設置位置や個数は適宜選択される。
ここで多孔質体としては、反応液(検知剤)を保持できるものであればよく、mmレベルの孔を持つ多孔質体でも、吸水性樹脂のように分子レベルの孔を持つものでもよい。電極としては、アルカリ性で冒されない金属が適しており、例えば、金、白金、銀等を用いることができる。電極は上記網状にして、水素が通過し、かつ樹脂と接触できるように構成してもよいし、表面に水素が通りうる溝(碁盤目状、平行線など)を切った金属板でもよい。なお、電位差の測定時間は2 〜3分程度で可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより、下記実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
表1に示す、1 〜7 の組成の各水素ガス検知剤を調製し、図2 に示す実験装置を用いて、表1に示す接触時間で水素と接触 (反応) させ、水素ガス検知剤の変色反応を目視観察した。これらの結果も表1 に示す。
図2 に示す実験装置は、水槽5 の水中に、導管6 より水素ガスを導入して、水素ガスが浮上する部分に、ガラス管7 を設置して、管内に、浮上する水素ガスを捕捉する。この際、管内の雰囲気は空気300ml に対して、水素ガスは20mlの一定水素ガス濃度となるようにする。そして、ガラス管7 の上端部を密閉したゴム栓8 から、各水素ガス検知剤を含浸させた濾紙9 を垂下して、一定時間経過後 (一定時間水素ガスと接触させた後) の濾紙9 の色の変化を観察する。
表1 の通り、発明例1 〜5 は、当初、黄色であった濾紙9 の色が白色(無色)となって変化した。また、同じ濃度のNaClO を含む発明例同士の比較において、 KBr(臭素イオン)を含まない発明例1 は、KBr (臭素イオン)を含む発明例2 に比して、変色反応が遅かった。更に、発明例の中でも、NaClO 、KBr (ClO - 、Br- の各イオン)とタートラジンの濃度が高い発明例の方が、変色反応が速かった。
これに対し、比較例6 は、発明例と同じ検知剤条件としたが、水素とは接触させず、空気のみと10分接触させたものであり、白変せず黄色のままであった。また、比較例7 は、NaClO 濃度が0.0009M (0.9mM) と、本発明下限の1mM 未満であり、発明例と同じ水素ガス接触条件としたが、白変せず黄色のままであった。
これらの結果から、本発明検知剤が、本発明規定条件のもとで、水素が検知できることが分かる。
Figure 2005331284
表2 に示す、8 〜14の組成の各水素ガス検知剤 (酸化還元指示薬は含まず) を調製し、前記した図1 に示す多孔質体2 として、吸水性樹脂フィルムに、これら各検知剤を含浸させた水素ガス検知装置1 を各々準備した。これら各水素ガス検知装置1 を、図3 に示すように、前記図1 の実験装置におけるガラス管7 の上端部に設置して、吸水性樹脂フィルム2 の片面側のみに、実施例1 と同じ条件で、水素ガスを接触させた。そして、表2 に示す時間接触させた際の、吸水性樹脂フィルム2 の水素に接する部分と、水素に接しない部分との、電位差の変化を計測した。これらの結果も表2 に示す。
表2 の通り、発明例8 〜12は、比較的大きな電位差が発生している。これに対し、前記実施例1 の比較例6 と同様に、水素と接触していない比較例13では電位差は認められなかった。また、比較例14は、NaClO 濃度が0.0009M (0.9mM) と、本発明下限の1mM 未満であり、発明例と同じ水素ガス接触条件としたが、電位差は認められなかった。以上の結果は、実施例1 の結果とも良く対応している。したがって、本発明水素ガス検知装置の構成によっても、水素ガスを電気的に検知できることが確認できた。
Figure 2005331284
以上説明したように、本発明によれば、大面積や広域の試料における水素分布検知や、水素漏洩部位の特定に適し、しかも検知が、目視観察や電位差測定などによって、簡便に行なうことが可能である。したがって、本発明検知剤や検知装置を用いれば、例えば、燃料電池等の水素配管などからの水素漏洩有無や部位を、簡便にチェックすることができる。
本発明水素ガス検知装置の態様を示す説明図である。 実施例1の水素ガス検知の実験装置を示す説明図である。 実施例2の水素ガス検知の実験装置を示す説明図である。
符号の説明
1:水素ガス検知装置、2 :多孔質体、3:電極、4:電位差計、5 :水槽、
6:導管、7:ガラス管7 、8:ゴム栓、9:濾紙

Claims (8)

1mM 以上の次亜塩素酸イオン、及びpH9での変色電位が0.89V 以下の酸化還元指示薬とを混合した水溶液からなる水素ガス検知剤。
前記水素ガス検知剤が、更に、次亜臭素酸イオンと臭化物イオンとを含有した上で、前記次亜塩素酸イオンと次亜臭素酸イオンの濃度が合計で1mM 以上である請求項1に記載の水素ガス検知剤。
前記酸化還元指示薬のpH9 での変色電位が0.5V以下である請求項1または2に記載の水素ガス検知剤。
前記酸化還元指示薬がタートラジンである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水素ガス検知剤。
前記水素ガス検知剤のpHが8 以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水素ガス検知剤。
次亜塩素酸イオンを含む水溶液を含浸させた多孔質体の、水素に接する部分と水素に接しない部分との電位差を測定して水素ガスを検知する水素ガス検知装置。
前記多孔質体の水素に接する部分と水素に接しない部分とに各々電極を接触させ、これら各電極を電位差計をはさんで接続した構造を有する請求項6に記載の水素ガス検知装置。
前記水溶液が、更に、次亜臭素酸イオンと臭化物イオンとを含有した請求項6または7に記載の水素ガス検知装置。
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