JPH04279681A - 水素ガスの漏洩を検知する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、水素ガスの漏洩を検知
する塗料に関するものであり、安全上水素ガス漏洩の常
時監視が必要な容器、配管等へ利用することができる。 【０００２】 【従来の技術】従来の漏洩検知方法を例示すれば、水素
ガス消費量の監視、水素ガス検知器及びガス洩れ検知液
、更には圧力降下による監視法、磁気探傷法等が提案さ
れ、利用されている。 【０００３】また、水素の漏洩を検知する検知剤として
、酸化パラジウム水化物を含浸させた検知紙が知られて
いる（特公昭５７−５７９７７号公報）。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の方法では、漏洩箇所の特定は別の方法で行わなけ
ればならず、常時監視の方法としては作業性の点で不充
分である。 【０００５】また、酸化パラジウム水化物を単に塗料に
添加したときは、被塗料物の色相によって、あるいは塗
料中の顔料の隠蔽力のために、酸化パラジウムの色相変
化が検出し難いという問題がある。 【０００６】本発明はこれらの問題を解決するために、
水素ガスの漏洩箇所をいち早く特定する、水素ガス漏洩
検知の常時監視用塗料を提供するものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明は、酸化パラジウ
ム水化物で被覆した微粒子無機粉体を含有することを特
徴とする水素ガス漏洩検知塗料である。 【０００８】本発明は、酸化パラジウム水化物が水素に
より還元されて黒色のパラジウムを生成する反応を利用
するものである。 【０００９】無機粉体としては、酸化パラジウムの変色
の検知を阻害しない白色ないし淡黄色系の粉体が好まし
い。粒径は１００μ以下、好ましくは１０μ以下、更に
好ましくは５μ以下のものが用いられる。一般に、タル
ク、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム
、酸化チタンなどが用いられ、特に酸化チタンが好まし
い。これら無機粉体に対する酸化パラジウム水化物の被
覆量は、２重量％以上であればよいが、通常２〜１５重
量％程度でよく、好ましくは４〜１５重量％である。 【００１０】酸化パラジウム水化物を生成するパラジウ
ム化合物としては、ＰｄＣｌ２　、ＰｄＣｌ２　・２Ｎ
ａＣｌ、（ＮＨ４　）２　ＰｄＣｌ４　、Ｐｄ（ＮＯ３
　）２　、ＰｄＳＯ４　等のパラジウム塩を用いること
ができ、これら化合物の水溶液を加水分解させた場合は
、容易に酸化パラジウム水化物（水和物）を生成するの
で、これらの塩を原料として用いることができる。 【００１１】該パラジウム化合物の水溶液に無機粉体を
懸濁させ、ＮａＯＨを用いて徐々にｐＨを７．０〜８．
０に調整することにより酸化パラジウム水化物が無機粉
体上に薄膜として生成する。 【００１２】こうして得られた酸化パラジウム水化物被
覆無機粉体粒子を用いて塗料を調製するが、塗料成分と
しては、種々のものを用いることができ、塗膜形成材と
しては、セラック、コーパル等の天然樹脂；ロジンエス
テル等の加工樹脂；フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、フタル酸樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ビニル樹脂等の合成樹脂；アセチルセルロース等のセル
ロース誘導体；塩化ゴム、環化ゴム、合成ゴム等のゴム
誘導体；ポリビニルアルコール、カゼイン、カルボキシ
メチルセルロース等の水溶性化合物等を用いることがで
きる。これらの中でもアクリル樹脂、フタル酸樹脂が好
ましい。 【００１３】また、塗料の分散、塗膜の乾燥、硬化、物
性改良のために公知の各種添加剤、例えば乾燥促進剤、
例えば、ナフテン酸鉛、ナフテン酸マンガン、ナフテン
酸コバルト等；硬化剤；可塑剤、例えば、ジブチルフタ
レート、ヒマシ油等；分散剤、例えば、各種界面活性剤
、レシチン等；乳化剤；防錆剤、例えば、ジンククロメ
ート等；皮張り防止剤、例えば、メチルエチルケトオキ
シム、フェノール類等；増粘剤；等を添加することがで
きる。また、酸化パラジウムの変色の検知を阻害しない
範囲で他の顔料を添加することができる。溶剤又は希釈
剤は、ミネラルスピリッツ、キシレン、トルエン等の塗
膜形成に適した公知の溶媒又は分散媒を用いることがで
きる。 【００１４】酸化パラジウム水化物で被覆した微粒子無
機粉体の配合量は、塗料中の樹脂固形分に対して通常５
〜７０重量％、好ましくは１０〜６０重量％、特に好ま
しくは２０〜５０重量％である。 【００１５】 【発明の効果】本発明の水素ガス漏洩検知塗料は上塗り
塗料として用いられる。これを使用して水素ガスの漏洩
を監視するには、水素ガス漏洩の恐れがある容器、配管
等の所定部に本塗料を塗布しておき、水素ガスの漏洩が
あると、酸化パラジウムと水素ガスとが反応してパラジ
ウム黒が生成、黒色に変色するので、漏洩部の迅速な発
見が可能となる。 【００１６】更に漏出水素ガスは塗膜の中を拡散するた
め、漏洩箇所のピンホールを中心に約１０倍程度の範囲
の塗膜を変色させ、微小なピンホールの検出も可能とさ
せる等の効果もある。 【００１７】したがって、長期間に亙り、常時水素ガス
の漏洩を監視することができ、また、酸化パラジウム水
化物は無機粉体に担持されかつ塗料化されているから、
耐久性に優れ、また変色による漏れ箇所の検出が容易で
ある。 【００１８】 【実施例】以下、実施例によりさらに具体的に本発明を
説明する。 【００１９】実施例１ ＰｄＣｌ２　　　１ｇを溶解した水溶液１４０ｍｌに、
酸化チタン（粒径０．３μ、ルチル型）１４ｇを懸濁攪
拌しながら、３０分間で２規定の苛性ソーダ水溶液を滴
下しｐＨを調整（ｐＨ８）して酸化パラジウム水化物を
生成させた。その後、遠心分離、水洗（繰り返し洗浄、
洗浄倍率１万〜１．５万倍）し、８５℃で乾燥したもの
を、以下の塗料組成に基づき配合した。 （組成） フタル酸樹脂ワニス（大豆油と無水フタル酸からなる）
３２．０（ｗｔ％）ＴｉＯ２　（ＰｄＯ２　・ＸＨ２　
Ｏコート）　　　　　　　　　　　　　　１３．０　　
　　　　　　　　　　　　分散剤　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　１．０　　　　　　　　　　　
　　　乾燥促進剤　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
２．４　　　　　　　　　　　　　　皮張り防止剤　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　０．４　　　　　　　　　
　　　　　ミネラルスピリッツ（溶剤）　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　５１．２　　　　
　　　　　　　　　　【００２０】本塗料を容器の漏洩
箇所に塗布し、約３ケ月間放置後、該容器に水素を充填
したところ、約３００μｍ　のピンホール部を中心に約
１０倍の３ｍｍの範囲の塗膜に黒変が観察された。 【００２１】実施例２ 塗料配合組成を以下のように変えた以外は実施例１と同
様の方法で実験を行った。 （組成） アクリル酸樹脂ワニス（大成化工製、“ＡＣＲＩＴ　８
ＡＺ−２０２”（商品名））　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　３４．０（ｗｔ％）　　　　　　　　　　　
　　　ＴｉＯ２　（ＰｄＯ２　・ＸＨ２　Ｏコート）　
　　　　　１３．０溶剤　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　５
０．０増粘剤　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１．０実施例
１と同様の結果が得られた。 【００２２】実施例３〜４ 粉末担体として酸化チタンに変えてタルク（平均粒径２
μ（実施例３））及びシリカ（平均粒径１μ以下（実施
例４））を用いた以外は、実施例１と同様の方法で実験
を行ったところ、実施例１と同様の結果が得られた。 【００２３】実施例５ 塗料配合組成を以下のように変えた以外は実施例１と同
様の方法で実験を行った。実施例１と同様の結果が得ら
れた。 （組成）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　酸化パラジウム水化物で被覆した微粒
   子無機粉体を含有することを特徴とする水素ガス漏洩検
   知塗料。